JP2010099275A - 便座 - Google Patents
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Abstract
【課題】デザイン性に優れ、汚れにくく、掃除を容易に行うことができる便座を提供する。
【解決手段】便座は、側板部14の下端部15(座表部材10の縁部)の下面17と座裏部材20の縁部21の上面23とが溶着され、座表部材10と座裏部材20とにより空洞部30が形成されている。座裏部材20の縁部21は、溶着される際、R面取りされた下隅部24を有している。便座は、空洞部30側の溶着部40が残存するように側板部14の下端部15の一部と座裏部材20の縁部21の一部とともに外縁側の溶着部40が切削又は/及び研磨された切削面50を有している。切削面50の下端部は、下隅部24に連続している。
【選択図】図5
【解決手段】便座は、側板部14の下端部15(座表部材10の縁部)の下面17と座裏部材20の縁部21の上面23とが溶着され、座表部材10と座裏部材20とにより空洞部30が形成されている。座裏部材20の縁部21は、溶着される際、R面取りされた下隅部24を有している。便座は、空洞部30側の溶着部40が残存するように側板部14の下端部15の一部と座裏部材20の縁部21の一部とともに外縁側の溶着部40が切削又は/及び研磨された切削面50を有している。切削面50の下端部は、下隅部24に連続している。
【選択図】図5
Description
本発明は便座に関する。
特許文献1には、従来の便座が開示されている。この便座は、座表部材の縁部の下面と座裏部材の縁部の上面とが溶着され、座表部材と座裏部材とにより空洞部が形成されている。座表部材は、溶着部より外側の側面に沿って下方に延びるリブを有している。リブの先端下面は座裏部材の外周上面に溶着されずに当接している。このリブにより、座表部材の縁部の下面及び座裏部材の縁部の上面が溶融して溶着部の端からはみ出した溶融樹脂(以下、「溶着ビード」という。)は、隠蔽される。このため、溶着ビードの除去作業を不要にすることができる。
しかし、従来の便座では、リブの先端下面と座裏部材の外周上面との当接面の外縁が一条の線となり使用者等に視認されてしまうため、デザイン性に欠ける。また、リブの先端下面と座裏部材の外周上面との当接部に段差が生じたり、隙間が生じたりしてしまう虞がある。段差や隙間が生じると、見栄えが悪くなるとともに、汚れが溜まり易くなる。汚れが段差や隙間に溜まると容易に除去することが出来ないため、さらに見栄えが悪くなってしまう虞がある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、デザイン性に優れ、汚れにくく、掃除を容易に行うことができる便座を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の便座は、座表部材の縁部の下面と座裏部材の縁部の上面とが溶着され、該座表部材と該座裏部材とにより空洞部が形成された便座において、
前記座裏部材は、溶着される際、R面取りされた下隅部を有し、
前記空洞部側の溶着部が残存するように前記座表部材の縁部の一部と前記座裏部材の縁部の一部とともに外縁側の該溶着部が切削又は/及び研磨された加工面を有し、
該加工面の下端部は、該下隅部に連続していることを特徴とする。
前記座裏部材は、溶着される際、R面取りされた下隅部を有し、
前記空洞部側の溶着部が残存するように前記座表部材の縁部の一部と前記座裏部材の縁部の一部とともに外縁側の該溶着部が切削又は/及び研磨された加工面を有し、
該加工面の下端部は、該下隅部に連続していることを特徴とする。
この便座では、空洞部側の溶着部が残存するように外縁側の溶着部が座表部材の縁部の一部と座裏部材の縁部に一部とともに切削又は/及び研磨され、加工面の下端部がR面取りされた座裏部材の下隅部に連続している。このため、座表部材と座裏部材との接合部が視認されにくく、段差や隙間が形成されない。よって、汚れが溜まり難く、汚れが付着した場合も容易に拭き取ることができる。
特に、研磨により加工面が形成された場合、座表部材の外側面から座裏部材の下面に亘って形成される曲面を滑らかに仕上げることができる。このため、座表部材と座裏部材との接合部がさらに視認されにくくなる。また、汚れがさらに溜まり難く、汚れが付着した場合もさらに容易に拭き取ることができる。
したがって、本発明の便座は、デザイン性に優れ、汚れ難く、掃除を容易に行うことができる。
また、この便座では、加工面の下端部を下隅部に連続するように切削又は/及び研磨すればよいため、加工範囲を少なくすることができ、かつ、座表部材の側面から座裏部材の下面に亘って連続する曲面を容易に形成することができる。
前記座表部材の縁部及び前記座裏部材の縁部は、溶着される際、少なくとも一方が該座表部材の側面よりも外側に延びて形成された突出部を有し得る。この場合、座表部材及び座裏部材の製造時に生じる寸法誤差や、座表部材及び座裏部材を溶着機への組み付ける際に生じる組み付け誤差を吸収し、座表部材の縁部の下面と座裏部材の縁部の上面とを確実に当接させることができ、強固に溶着することができる。また、座表部材の縁部及び座裏部材の縁部の両方に突出部が形成されると、溶着部からはみ出した溶着ビードが便座表面(側面)に付着することを防止することができる。
前記座裏部材は薄板状であり得る。この場合、座裏部材を容易に形成することができる。また、溶着機に容易に組み付けることができる。座裏部材は、座表部材の外形状よりも大きい外形状であると良い。このようにすると、溶着される際、座表部材の縁部を座裏部材の縁部に容易かつ確実に当接させることができ、強固に溶着することができる。
前記座表部材は、縁部の外縁側に下方に延びて形成された凸部を有し、該凸部が溶融し、前記座裏部材の縁部の上面に溶着され得る。この場合、座表部材の縁部の一部分である凸部を溶融させることにより、座裏部材の上面に溶着することができる。このため、少ないエネルギーで確実に溶着することができる。
以下、本発明の便座を具体化した実施例1を図面を参照しつつ説明する。
実施例1の便座は、図1に示すように、平面視において、外形の後端部が略直線状であり、前後方向に長い略半楕円状に形成されている。この便座の中央部には、前後方向に長い楕円状の開口が形成されている。便座の後端部には、左右の2個所に後方に延びた一対のヒンジ部11が形成されている。ヒンジ部11は、貫通孔12が形成されている。貫通孔12には、便器本体の上面に取り付けられる図示しない便座装置のケース本体から延出する軸部材が挿通される。便座装置が便器本体の上面に取り付けられることにより、便器本体に対して便座が回動自在に取り付けられる。
この便座は、座表部材10及び座裏部材20を有している。座表部材10は、図2及び図3に示すように、図1のX−X矢視断面において、便座の中央部の開口に向けて上面が僅かに傾斜した上板部13と、上板部13の両端から連続して下方に延びる側板部14とから形成されている。上板部13の下面には、通電により発熱する図示しないニクロム線とアルミシートからなる発熱体が貼着されている。
各側板部14の下端部15が座表部材10の縁部を形成している。溶着される前の各側板部14の下端部15には、外縁側に下方に延びる凸部16が形成されている。凸部16の外側面は、側板部14の外側面に連続している。
座裏部材20は薄板状に形成されている。このため、座裏部材20は容易に形成することができる。溶着される前の座裏部材20の縁部21は、R面取りされた下隅部24を有している。また、座裏部材20の縁部21には、座表部材10の両端に形成された側板部14の下端部15(座表部材10の縁部)の間隔よりも座裏部材20の幅が広くなるように突出部22が形成されている。つまり、図3に示すように、各側板部14の下端部15の下面17と座裏部材20の縁部21の上面23とを当接させた際に、座裏部材20の縁部21の方が外側に突出するように形成されている。このため、座表部材10及び座裏部材20の製造時に生じる寸法誤差や、座表部材10及び座裏部材20を溶着機へ組み付ける際に生じる組み付け誤差を吸収し、各側板部14の下端部15に形成された凸部16の下面17と座裏部材20の縁部21の上面23とを確実に当接させることができ、強固に溶着することができる。
座裏部材20の縁部21の上面23には、側板部14が溶着される溶着面に沿って、内側に溝25が形成されている。溝25は、溶着時に発生する熱が溝25で放熱され、溝25より内側の座裏部材20に伝わることを防止することができる。このため、座裏部材20の変形を防止することができる。
座表部材10及び座裏部材20は、溶着機に組み付けられ、側板部14の下端部15に形成された凸部16の下面17と座裏部材20の縁部21の上面23とが当接される。この状態で、加圧されながら振動が加えられる。これにより、図4に示すように、凸部16が溶融し、座裏部材20の縁部21の上面23に溶着され、座表部材10と座裏部材20とにより空洞部30が形成される。また、凸部16より内側の下面18が座裏部材20の縁部21の上面23に当接される。この際、側板部14の下端部15の一部である凸部16を溶融させることにより、座裏部材20の縁部21の上面23に溶着させることができるため、少ないエネルギーで確実に溶着させることができる。溶着部40の端から外側にはみ出した溶着ビード41は、座裏部材20の突出部22上に盛り上がる。
側板部14の下端部15に形成された凸部16と座裏部材20の縁部21とを溶着した後、図5に示すように、空洞部30側の溶着部40が残存するように各側板部14の下端部15の一部と座裏部材20の縁部21の一部とともに外縁側の溶着部40を切削する。切削面(加工面)50の下端部51は、下隅部24の中間部に連続している。切削面50と下隅部24とはバフ掛けにより研磨されて仕上げられている。このようにして形成された便座は、座表部材10の外側面から座裏部材20の下面に亘って形成される曲面が滑らかに仕上げられている。このため、座表部材10と座裏部材20との接合部が視認され難く、段差や隙間が形成されない。よって、汚れが溜まり難く、汚れが付着した場合も容易に拭き取ることができる。
したがって、実施例1の便座は、デザイン性に優れ、汚れ難く、掃除を容易に行うことができる。
また、この便座では、切削面50の下端部51を下隅部24の中間部に連続するように切削すればよいため、切削範囲を少なくすることができ、かつ側板部14の外側面から座裏部材20の下面に亘って連続する曲面を容易に形成することができる。
また、切削面50の上端部の稜線52が側板部14の外側面の上方に行き過ぎないため、側板部14のうねりや引けにより生じる稜線52の波うちを抑制することができる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術範囲に含まれる。
(1)上記実施例1では、側板部の下端部の一部と座裏部材の縁部の一部とともに外縁側の溶着部が切削され、研磨されているが、切削のみでもよく、切削をせずに研磨のみにより側板部の下端部の一部と座裏部材の縁部の一部とともに外縁側の溶着部を除去するようにしてもよい。
(2)上記実施例1では、座裏部材の縁部のみが突出部を有しているが、座表部材の縁部及び座裏部材の縁部の両方、もしくは座表部材の縁部のみが突出部を有するようにしてもよい。
(3)上記実施例1では、座表部材と座裏部材との溶着を振動溶着方式で行う説明をしたが、超音波溶着方式、熱板溶着方式等の種々の溶着方式を採用することができる。
(4)上記実施例1では、座表部材の縁部に凸部が形成されているが、凸部を有さず座表部材の縁部の下面全体が平坦であってもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術範囲に含まれる。
(1)上記実施例1では、側板部の下端部の一部と座裏部材の縁部の一部とともに外縁側の溶着部が切削され、研磨されているが、切削のみでもよく、切削をせずに研磨のみにより側板部の下端部の一部と座裏部材の縁部の一部とともに外縁側の溶着部を除去するようにしてもよい。
(2)上記実施例1では、座裏部材の縁部のみが突出部を有しているが、座表部材の縁部及び座裏部材の縁部の両方、もしくは座表部材の縁部のみが突出部を有するようにしてもよい。
(3)上記実施例1では、座表部材と座裏部材との溶着を振動溶着方式で行う説明をしたが、超音波溶着方式、熱板溶着方式等の種々の溶着方式を採用することができる。
(4)上記実施例1では、座表部材の縁部に凸部が形成されているが、凸部を有さず座表部材の縁部の下面全体が平坦であってもよい。
10…座表部材
15…下端部(座表部材の縁部)
16…凸部
17…下面
20…座裏部材
21…(座裏部材の)縁部
22…突出部
23…上面
24…下隅部
30…空洞部
40…溶着部
50…切削面(加工面)
15…下端部(座表部材の縁部)
16…凸部
17…下面
20…座裏部材
21…(座裏部材の)縁部
22…突出部
23…上面
24…下隅部
30…空洞部
40…溶着部
50…切削面(加工面)
Claims (4)
- 座表部材の縁部の下面と座裏部材の縁部の上面とが溶着され、該座表部材と該座裏部材とにより空洞部が形成された便座において、
前記座裏部材の縁部は、溶着される際、R面取りされた下隅部を有し、
前記空洞部側の溶着部が残存するように前記座表部材の縁部の一部と前記座裏部材の縁部の一部とともに外縁側の該溶着部が切削又は/及び研磨された加工面を有し、
該加工面の下端部は、該下隅部に連続していることを特徴とする便座。 - 前記座表部材の縁部及び前記座裏部材の縁部は、溶着される際、少なくとも一方が該座表部材の側面よりも外側に延びて形成された突出部を有していることを特徴とする請求項1記載の便座。
- 前記座裏部材は薄板状であることを特徴とする請求項1又は2記載の便座。
- 前記座表部材は、縁部の外縁側に下方に延びて形成された凸部を有し、該凸部が溶融し、前記座裏部材の縁部の上面に溶着されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の便座。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008273604A JP2010099275A (ja) | 2008-10-23 | 2008-10-23 | 便座 |
PCT/JP2009/067768 WO2010047252A1 (ja) | 2008-10-23 | 2009-10-14 | 便座 |
TW98135761A TW201026270A (en) | 2008-10-23 | 2009-10-22 | Toilet seat |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008273604A JP2010099275A (ja) | 2008-10-23 | 2008-10-23 | 便座 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=42290449
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008273604A Pending JP2010099275A (ja) | 2008-10-23 | 2008-10-23 | 便座 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017033928A1 (ja) * | 2015-08-27 | 2017-03-02 | 株式会社Lixil | 便座及びその製造方法 |
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JP2004306522A (ja) * | 2003-04-09 | 2004-11-04 | Inoac Corp | エアスポイラ及びその製造方法 |
-
2008
- 2008-10-23 JP JP2008273604A patent/JP2010099275A/ja active Pending
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EP3342321A4 (en) * | 2015-08-27 | 2019-04-03 | LIXIL Corporation | TOILET SEAT AND METHOD FOR THE MANUFACTURE THEREOF |
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