JP2010097816A - リチウム二次電池用正極合剤ペースト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前記課題は、塩基性官能基を有する樹脂と、正極活物質と、を含んでなるリチウム二次電池用正極合剤ペーストにより解決される。更に、バインダー成分、及び導電助剤を含んでなる前記ペーストにより解決される。
【選択図】なし
Description
塩基性官能基を有する樹脂が、
片末端領域に2個のヒドロキシル基を有するビニル重合体(A1)のヒドロキシル基と、ジイソシアネート(B1)のイソシアネート基と、を反応してなる両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C1)のイソシアネート基と、
少なくともポリアミン(D1)を含むアミン化合物の一級及び/又は二級アミノ基と、
を反応してなるアミン価が1〜100mgKOH/gである重合体(G1)、
並びに、
片末端領域に1個又は2個の(メタ)アクリロイル基を有する重合体(A2)の(メタ)アクリロイル基と、1個以上の一級及び/又は二級アミノ基を有するポリアミン(B2)の一級及び/又は二級アミノ基と、を反応してなるアミノ基を有する重合体(C2)の一級及び/又は二級アミノ基と、
2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(D2)のイソシアネート基と、
を反応してなるアミン価が5〜100mgKOH/gである重合体(G2)、
からなる群から選ばれる1種類以上の塩基性官能基を有する樹脂である前記リチウム二次電池用正極合剤ペーストに関する。
本発明のリチウム二次電池用正極合剤ペーストに使用する正極活物質としては特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピング又はインターカレーション可能な、金属酸化物、及び金属硫化物等の金属化合物を使用することができる。例えば、Ti、Fe、Co、Ni、及びMn等の遷移金属の酸化物、前記遷移金属とリチウムとの複合酸化物、並びに、前記遷移金属の硫化物等の無機化合物等が挙げられる。
MnO、V2O5、V6O13、及びTiO2等の遷移金属酸化物粉末;
層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、及びスピネル構造のマンガン酸リチウム等のリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末;
オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料;並びに、
TiS2、及びFeS等の遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。
本発明の電池用組成物は、塩基性官能基を有する樹脂を含有している。また好ましい塩基性官能基としては、1〜3級のアミノ基である。塩基性官能基を有する樹脂は、分散安定性の観点から、以下に説明する、重合体(G1)、及び重合体(G2)からなる群から選ばれる1種類以上を使用するのが好ましい。
本発明で用いることのできる塩基性官能基を有する重合体(G1)は、片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A1)のヒドロキシル基と、及びジイソシアネート(B1)のイソシアネート基とを反応してなる両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C1)のイソシアネート基と、並びに、ポリアミン(D1)及びモノアミン(E1)の一級及び/又は二級アミノ基と、を反応させることによって合成される。
片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A1)(以下、ビニル重合体(A1)と略記する場合がある。)は、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a11)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a12)をラジカル重合することで得ることができる。ビニル重合体(A1)のビニル重合体部位は、バインダー樹脂等の顔料担体及び分散媒である溶剤に親和性の高い部位であり、下記一般式(4)で表される。
R501は、化合物(a11)からヒドロキシル基とチオール基とを除く残基であり、
R502は、エチレン性不飽和単量体(a12)から二重結合部位及びR503を除く残基であり、
R503は、水素原子又はメチル基であり、
n501は、2以上の整数、好ましくは3〜200の整数である。
ここで,R501がビニル重合体(A1)でいう、末端領域となる。]
分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a11)(以下、化合物(a11)と表記する場合がある。)としては、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物であれば特に限定されず、例えば、1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(チオグリセリン)、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
重合の際、エチレン性不飽和単量体(a12)100重量部に対して、任意に0.001〜5重量部の重合開始剤を使用することができる。重合開始剤としては、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、及び2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、及びジアセチルパーオキシド等があげられる。これらの重合開始剤は、単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
溶液重合の場合には、重合溶媒として、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、及びジエチレングリコールジエチルエーテル等が用いられるが特にこれらに限定されるものではない。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いても良いが、最終用途で使用する溶剤であることが好ましい。
エチレン性不飽和単量体(a12)としては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、及びフェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、及びオキセタン(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、及びエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、及びアクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;並びに、
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類等があげられる。
スチレン、及びα−メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、及びイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;並びに、
酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
本発明においては、上記に例示したエチレン性不飽和単量体(a12)の中でも、分散性及び耐性の観点から、メチルメタクリレートが好ましく用いられ、顔料担体及び分散媒との親和性の観点から、メチルメタクリレートとブチルメタクリレート又はt−ブチルメタクリレートとを併用することがより好ましい。エチレン性不飽和単量体(a2)として、メチルメタクリレートを使用し、ブチルメタクリレートを使用しない場合には、エチレン性不飽和単量体(a12)の合計100重量%中、メチルメタクリレートの割合が30〜100重量%であることが好ましく、50〜100重量%であることがより好ましい。又、エチレン性不飽和単量体(a12)として、メチルメタクリレートとブチルメタクリレート又はt−ブチルメタクリレートとを併用する場合には、両者の合計が、エチレン性不飽和単量体(a12)の30〜100重量%を占めることが好ましく、50〜100重量%を占めることがより好ましい。エチレン性不飽和単量体(a12)として、メチルメタクリレートを使用した場合、さらには、メチルメタクリレートとブチルメタクリレート又はt−ブチルメタクリレートとを併用した場合には、分散性がより良好となる。メチルメタクリレートとブチルメタクリレート又はt−ブチルメタクリレートの共重合部位は、分散性等の基本物性を保ちつつ、バインダー樹脂や分散溶媒との親和性もよく、汎用性が高い。
W1からWnは、使用している各単量体の重量分率を示し、Tg1からTgnは、各単量体から得られるそれぞれのホモポリマーのガラス転移温度(単位は絶対温度「K」)を示す。
メチルメタクリレート:105℃(378K)
ブチルメタクリレート:20℃(293K)
t−ブチルメタクリレート:107℃(380K)
ラウリルメタクリレート:−65℃(208K)
2−エチルヘキシルメタクリレート:−10℃(263K)
シクロヘキシルメタクリレート:66℃(339K)
ブチルアクリレート:−45℃(228K)
エチルアクリレート:−20℃(253K)
ベンジルメタクリレート:54℃(327K)
スチレン:100℃(373K)
塩基性官能基を有する重合体(G1)の構成要素であるジイソシアネート(B1)としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、芳香族含有ジイソシアネート(b11)、脂肪族含有ジイソシアネート(b12)、芳香脂肪族含有ジイソシアネート(b13)、及び脂環族含有ジイソシアネート(b14)等が挙げられる。
塩基性官能基を有する重合体(G1)の構成要素であるポリアミン(D1)としては、少なくとも2つの一級及び/又は二級アミノ基を有する化合物であり、イソシアネート基と反応しウレア結合を生成するために用いられる。このようなアミンとしてジアミン(d11)が挙げられる。
エチレンジアミン、プロピレンジアミン[別名:1,2−ジアミノプロパン又は1,2−プロパンジアミン]、トリメチレンジアミン[別名:1,3−ジアミノプロパン又は1,3−プロパンジアミン]、テトラメチレンジアミン[別名:1,4−ジアミノブタン]、2−メチル−1,3−プロパンジアミン、ペンタメチレンジアミン[別名:1,5−ジアミノペンタン]、ヘキサメチレンジアミン[別名:1,6−ジアミノヘキサン]、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、及びトリレンジアミン等の脂肪族ジアミン;
イソホロンジアミン、及びジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン等の脂環式ジアミン;並びに、
フェニレンジアミン、及びキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等を挙げることができる。
N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、及びN,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン等を挙げることができる。
N−メチルエチレンジアミン[別名:メチルアミノエチルアミン]、N−エチルエチレンジアミン[別名:エチルアミノエチルアミン]、N−メチル−1,3−プロパンジアミン[別名:N−メチル−1,3−ジアミノプロパン又はメチルアミノプロピルアミン]、N,2−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン[別名:イソプロピルアミノエチルアミン]、N−イソプロピル−1,3−ジアミノプロパン[別名:N−イソプロピル−1,3−プロパンジアミン又はイソプロピルアミノプロピルアミン]、及びN−ラウリル−1,3−プロパンジアミン[別名:N−ラウリル−1,3−ジアミノプロパン又はラウリルアミノプロピルアミン]等挙げることができる。
メチルイミノビスプロピルアミン〔別名N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン〕、ラウリルイミノビスプロピルアミン〔別名N,N−ビス(3−アミノプロピル)ラウリルアミン〕、イミノビスプロピルアミン〔別名N,N−ビス(3−アミノプロピル)アミン〕、N,N‘−ビスアミノプロピル−1,3−プロピレンジアミン、及びN,N‘−ビスアミノプロピル−1,4−ブチレンジアミン等を挙げることができ、
2つの1級アミノ基と1つの3級アミノ基を有するメチルイミノビスプロピルアミン、及びラウリルイミノビスプロピルアミンは、ジイソシアネートとの反応制御がし易く好ましい。
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、及びフマール酸等の不飽和カルボン酸;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、クロロメチルスチレン、インデン、及びビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル;
グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の官能基を有する(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル;
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、n−ブチル(メタ)アクリルアミド、tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、及びtert−オクチル(メタ)アクリルアミド等のアルキル(メタ)アクリルアミド;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、及びジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の置換アルキル(メタ)アクリルアミド;
1,3−ブタジエン、及びイソプレン等のジエン化合物;
片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー、及び片末端メタクリロイル化ポリエチレングリコール等の重合性オリゴマー(マクロモノマー);並びに
シアン化ビニル等を挙げることができる。
塩基性官能基を有する重合体(G1)の構成要素であるアミン化合物としては、ポリアミン(D1)の他に、さらにモノアミン(E1)も使用することができる。モノアミン(E1)としては、分子内に第一級アミノ基又は第二級アミノ基を1個有するモノアミン化合物であり、モノアミン(E1)は、ジイソシアネート(B1)とポリアミン(D1)の反応において高分子量化しすぎるのを抑えるため、反応停止剤として使用される。モノアミン(E1)は、分子内に第一級アミノ基又は第二級アミノ基以外の他の極性官能基を有しても良い。このような極性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、シアノ基、ニトロキシル基等が挙げられる。
アミノメタン、アミノエタン、1−アミノプロパン、2−アミノプロパン、1−アミノブタン、2−アミノブタン、1−アミノペンタン、2−アミノペンタン、3−アミノペンタン、イソアミルアミン、N−エチルイソアミルアミン、1−アミノヘキサン、1−アミノヘプタン、2−アミノヘプタン、2−オクチルアミン、1−アミノノナン、1−アミノデカン、1−アミノドデカン、1−アミノトリデカン、1−アミノヘキサデカン、ステアリルアミン、アミノシクロプロパン、アミノシクロブタン、アミノシクロペンタン、アミノシクロヘキサン、アミノシクロドデカン、1−アミノ−2−エチルヘキサン、1−アミノ−2−メチルプロパン、2−アミノ−2−メチルプロパン、3−アミノ−1−プロペン、3−アミノメチルヘプタン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン、3−デシロキシプロピルアミン、3−ラウリロキシプロピルアミン、3−ミリスチロキシプロピルアミン、2−アミノメチルテトラヒドロフラン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルエチルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリニックアシッド、イソニペコチックアシッド、メチルイソニペコテート、エチルイソニペコテート、2−ピペリジンエタノール、4−ピペリジンエタノール、4−ピペリジンブチリックアシッド塩酸塩、4−ピペリジノール、ピロリジン、3−アミノピロリジン、3−ピロリジノール、インドリン、アニリン、N−ブチルアニリン、o−アミノトルエン、m−アミノトルエン、p−アミノトルエン、o−ベンジルアニリン、p−ベンジルアニリン、1−アニリノナフタレン、1−アミノアントラキノン、2−アミノアントラキノン、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、5−アミノイソキノリン、o−アミノジフェニル、4−アミノジフェニルエーテル、β−アミノエチルベンゼン、2−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、o−アミノアセトフェノン、m−アミノアセトフェノン、p−アミノアセトフェノン、ベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、3−ベンジルアミノプロピオニックアシッドエチルエーテル、4−ベンジルピペリジン、α−フェニルエチルアミン、フェネシルアミン、p−メトキシフェネシルアミン、フルフリルアミン、p−アミノアゾベンゼン、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、アリルアミン、及びジフェニルアミン等が挙げられる。
ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルエチルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、2−ピペリジンエタノール、4−ピペリジンエタノール、4−ピペリジノール、ピロリジン、3−アミノピロリジン、及び3−ピロリジノール等が挙げられる。
N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、及びN,N,2,2−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン等の一級アミノ基と三級アミノ基とを有するジアミン;並びに、
N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン等の二級アミノ基と三級アミノ基とを有するジアミンを挙げることができる。
塩基性官能基を有する重合体(G1)の構成要素であるウレタンプレポリマー(C1)は、片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A1)のヒドロキシル基と、ジイソシアネート(B1)のイソシアネート基と、を反応して得られる。
ウレタンプレポリマー(C1)の合成時には、公知の触媒(F1)を使用することができ、例えば三級アミン系化合物、及び有機金属系化合物等を挙げることができる。
トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、及びジアザビシクロウンデセン(DBU)等を挙げることができる。
ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、及び2−エチルヘキサン酸錫等を挙げることができる。
ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン系、オレイン酸鉛;
2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、及びナフテン酸鉛等の鉛系;
2−エチルヘキサン酸鉄、及び鉄アセチルアセトネート等の鉄系;
安息香酸コバルト、及び2−エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系;
ナフテン酸亜鉛、及び2−エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系;並びに、
ナフテン酸ジルコニウム等のジルコニウム系を挙げることができる。
ウレタンプレポリマー(C1)の合成時には公知の溶剤が好適に使用される。溶剤の使用は反応制御を容易にする役割を果たす。
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、及びジエチレングリコールジエチルエーテル等が用いられるが特にこれらに限定されるものではない。
片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A1)のヒドロキシル基とジイソシアネート(B1)のイソシアネート基とを反応させてウレタンプレポリマー(C1)をつくるウレタン化反応は、種々の方法が可能である。1)全量仕込みで反応する場合と、2)片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A)及び必要に応じて、溶剤をフラスコに仕込み、ジイソシアネート(B1)を滴下した後必要に応じて触媒を添加する方法に大別されるが、反応を精密に制御する場合は2)が好ましい。ウレタンプレポリマー(C1)を得る反応の温度は120℃以下が好ましい。更に好ましくは50〜110℃である。110℃より高くなると反応速度の制御が困難になり、所定の分子量と構造を有するウレタンプレポリマーが得られなくなる。ウレタン化反応は、触媒の存在下、50〜110℃で1〜20時間行うのが好ましい。
本発明の組成物を構成する塩基性官能基を有する重合体(G1)は、
分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a11)の存在下、エチレン性不飽和単量体(a12)をラジカル重合してなる、片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A1)を製造する第一の工程と、
前記片末端領域に2つのヒドロキシル基を有するビニル重合体(A1)のヒドロキシル基とジイソシアネート(B1)のイソシアネート基とを反応してなる両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C1)を製造する第二の工程と、
両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C1)のイソシアネート基とポリアミン(D1)及びモノアミン(E2)の一級及び/又は二級アミノ基とを反応させる第三の工程と、により製造することができる。
1)ウレタンプレポリマー(C1)溶液をフラスコに仕込み、ポリアミン(D1)、及びモノアミン(E1)を滴下する方法、
2)ポリアミン(D1)、及びモノアミン(E1)、及び必要に応じて溶剤からなる溶液をフラスコに仕込み、ウレタンプレポリマー(C1)溶液を滴下する方法、
に大別される。
本発明で用いることのできる塩基性官能基を有する重合体(G2)は、片末端領域に1個又は2個の(メタ)アクリロイル基を有する重合体(A2)の(メタ)アクリロイル基と、1個以上の一級及び/又は二級アミノ基を含むポリアミン(B2)の一級及び/又は二級アミノ基と、を反応してなる、アミノ基を有する重合体(C2)の一級及び/又は二級アミノ基と、2個以上のイソシアネート基を含むポリイソシアネート(D2)のイソシアネート基と、を反応させることによって合成される。
本発明における重合体(A)の重量平均分子量は500〜30,000が好ましく、これによって、立体反発効果に優れ、高い分散性、流動性、及び保存安定性を得ることが可能である。重合体(A)の重量平均分子量はさらに好ましくは2,000から20,000であり、最も好ましくは5,000から10,000である。500未満では、溶媒親和性ブロックによる立体反発効果が少なくなるため、好ましくない場合がある。また、30,000を超える場合は、分散体の粘度が高くなり好ましくない場合がある。
ポリエステル(A21)は、公知の方法で製造することができ、例えば、(メタ)アクリロイル基を有するモノアルコールを開始剤としてラクトン及び/又はラクチドを開環重合することで容易に得ることができる。
開環重合の開始剤として使用する(メタ)アクリロイル基を有するモノアルコールとしては、特に限定はなく、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる、ヒドロキシル基の反応性の観点から、4−ヒドロキシブチルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートからなる群から選ばれる1種類以上を使用するのが好ましい。
ラクトンとしては、特に限定はなく、具体的にはβ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、及びアルキル置換されたε−カプロラクトン等が挙げられるが、開環重合性の観点から、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、及びアルキル置換されたε−カプロラクトンからなる群から選ばれる1種類以上を使用するのが好ましい。
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、又は、飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分枝の炭素原子数1〜20のアルキル基であり、
R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は、飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分枝の炭素原子数1〜9の低級アルキル基である。〕
開環重合触媒としては、公知のものを制限なく使用することができるが、例えば、
テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨード、テトラブチルアンモニウムヨード、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、及びベンジルトリメチルアンモニウムヨード等の四級アンモニウム塩;
テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムヨード、テトラブチルホスホニウムヨード、ベンジルトリメチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリメチルホスホニウムブロミド、ベンジルトリメチルホスホニウムヨード、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、及びテトラフェニルホスホニウムヨード等の四級ホスホニウム塩;
トリフェニルフォスフィン等のリン化合物;、
酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸カリウム、及び安息香酸ナトリウム等の有機カルボン酸塩;
ナトリウムアルコラート、及びカリウムアルコラート等のアルカリ金属アルコラート;
トリエチルアミン、及びトリフェニルアミン等の三級アミン類;
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキシド、及びジオクチル錫オキシド等の有機錫化合物;
アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等の有機アルミニウム化合物;
テトラ−n−ブチルチタネート、前記ダイマー、テトライソブチルチタネート、テトラステアリルチタネート、及びジイソプロポキシ・ビス(トリエタノールアミネート)チタン等の有機チタネート化合物;並びに、
塩化亜鉛等の亜鉛化合物等が挙げられる。
ラクトン及び/又はラクチドの開環重合温度は、100℃〜220℃、好ましくは、110℃〜210℃の範囲で行う。反応温度が100℃未満では反応速度がきわめて遅い場合があり、220℃を超えるとラクトン及び/又はラクチドの付加反応以外の副反応、例えば、ラクトン付加体のラクトンモノマーへの解重合、環状のラクトンダイマーやトリマーの生成等が起こりやすい場合がある。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物を重合する際には、ラジカル重合禁止剤を添加し、乾燥空気流下で反応を行うことが好ましい。ラジカル重合禁止剤としては、公知のものを制限なく使用することができるが、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−ベンゾキノン、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、及びフェノチアジン等が好ましい。これらを単独もしくは併用で、(メタ)アクリロイル基を有するアルコール100重量%に対して、0.01重量%〜6重量%、好ましくは、0.05重量%〜1.0重量%の範囲で用いる。
ヒドロキシル基と反応しうる基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、イソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートなどが挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有さないモノアルコールとしては、水酸基を一個有する化合物であればいかなる化合物でも構わない。
ベンジルアルコール、フェノキシエチルアルコール、及びパラクミルフェノキシエチルアルコール等の芳香環含有モノアルコール;並びに、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノプロピルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、及びテトラジエチレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。
二塩基酸無水物基を一個有する化合物は、二塩基酸無水物基を一個有する化合物であればいかなる化合物でも構わない。
カルボン酸無水物、及びアントラセン−2,3−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。又、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、複素環、芳香環、及びハロゲン等の置換基を有する前記ニ塩基酸無水物も挙げられる。
エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、グリシジルアクリレート、メチルグリシジルアクリレート、3,2−グリシドキシエチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルアクリレート、3,4−エポキシブチルアクリレート、及び4,5−エポキシペンチルアクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有さないモノカルボン酸は、(メタ)アクリロイル基を有しない、カルボキシル基を有する化合物であればいかなる化合物でも構わない。
片末端領域に1個又は2個の(メタ)アクリロイル基を有するビニル重合体(A22)は、片末端領域に1個又は2個のヒドロキシル基を有するビニル重合体(a23)に、ヒドロキシル基と反応しうる基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a24)を反応させることで得ることができる。
分子内に1個又は2個のヒドロキシル基と1個のチオール基とを有する化合物(s)としては、例えば、 1−メルカプトエタノール、及び2−メルカプトエタノール等の分子内に1個のヒドロキシル基と1個のチオール基とを有する化合物(s1);並びに、
1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(チオグリセリン)、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の分子内に2個のヒドロキシル基と1個のチオール基とを有する化合物(s2)が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体(a21)としては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)、ターシャリブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、及びイソステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート類;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、及びテトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリロキシ変性ポリジメチルシロキサン(シリコーンマクロマー)類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、及び3−メチル−3−オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、及びノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル(メタ)アクリレート、及びポリエチレングリコールモノステアリルエーテル(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート類;
アクリル酸、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、及びクロトン酸等の不飽和カルボン酸類;
前記カルボン酸のカプロラクトン付加物(付加モル数1〜5)類;
2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、及びω-カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート類;
スチレン、及びα−メチルスチレン等のスチレン類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリル酸ビニル、及び(メタ)アクリル酸アリル等のビニル類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
(メタ)アクリルアミド、及びN−ビニルホルムアミド等のアミノ基を有しないアミド類;並びに、
アミノ基を有しないアクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
一般式(3):
前記化合物(s)を連鎖移動剤として、目的とするビニル重合体(a23)の分子量にあわせて、エチレン性不飽和単量体(a21)と、任意に重合開始剤とを混合して加熱することでビニル重合体(a23)を得ることができる。化合物(s)は、エチレン性不飽和単量体(a21)100重量部に対して、0.8〜30重量部を用い、塊状重合または溶液重合を行うのが好ましく、より好ましくは1.5〜15重量部、さらに好ましくは2〜9重量部、特に好ましくは5〜9重量部である。1重量部未満では、分子量が大きくなり、分散体の粘度が高くなり好ましくない場合がある。30重量部を超えると、分子量が小さくなり、溶媒親和性ブロックによる立体反発効果が少なくなるため、好ましくない場合がある。
ラジカル重合の際、エチレン性不飽和単量体(a21)100重量部に対して、任意に0.001〜5重量部の重合開始剤を使用することができる。
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、及び2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ系化合物および有機過酸化物;並びに、
過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、及びジアセチルパーオキシド等の有機過酸化物な等が挙げられ、これらの重合開始剤は、単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
ヒドロキシル基と反応しうる基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物a24)としては、イソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートなどが挙げられる。
ポリエステル(A21)及びビニル重合体(A22)は、無溶剤、又は、必要に応じて溶剤を使用して合成することができる。
本発明のポリアミン(B2)は1個以上の一級及び/又は二級アミノ基を有する化合物であり、一級及び/又は二級アミンが片末端領域に(メタ)アクリロイル基を有する重合体(A2)の(メタ)アクリロイル基に付加反応し、アミノ基を有する重合体(C2)を生成する。さらに、アミノ基を有する重合体(C2)の一級及び/又は二級アミンの内、一部又は全部をポリイソシアネート(D2)のイソシアネート基と反応させてウレア基を生成する。すなわち、本発明の分散剤は片末端領域に存在するアミノ基及びウレア結合が顔料吸着部位になる。このようなポリアミン(B2)としてジアミン(b21)が挙げられる。また、ポリアミン(B2)が、両末端に2個の一級及び/又は二級アミノ基を有し、さらに、両末端以外に二級及び/又は三級アミノ基を有する化合物である場合には、活物質に対しての吸着性が上がるため、特に好ましい。
エチレンジアミン、プロピレンジアミン[別名:1,2−ジアミノプロパン又は1,2−プロパンジアミン]、トリメチレンジアミン[別名:1,3−ジアミノプロパン又は1,3−プロパンジアミン]、テトラメチレンジアミン[別名:1,4−ジアミノブタン]、2−メチル−1,3−プロパンジアミン、ペンタメチレンジアミン[別名:1,5−ジアミノペンタン]、ヘキサメチレンジアミン[別名:1,6−ジアミノヘキサン]、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、及びトリレンジアミン等の脂肪族ジアミン;
イソホロンジアミン、及びジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジアミン等の脂環式ジ
アミン;並びに、
フェニレンジアミン、及びキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等を挙げることができる。
N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、及びN,N'−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン等を挙げることができる。
N−メチルエチレンジアミン[別名:メチルアミノエチルアミン]、N−エチルエチレンジアミン[別名:エチルアミノエチルアミン]、N−メチル−1,3−プロパンジアミ
ン[別名:N−メチル−1,3−ジアミノプロパン又はメチルアミノプロピルアミン]、N,2−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン[別名:イソプロピルアミノエチルアミン]、N−イソプロピル−1,3−ジアミノプロパン[別名:N−イソプロピル−1,3−プロパンジアミン又はイソプロピルアミノプロピルアミン]、及びN−ラウリル−1,3−プロパンジアミン[別名:N−ラウリル−1,3−ジアミノプロパン又はラウリルアミノプロピルアミン]等挙げることができる。
N,N−ジメチルエチレンジアミン[別名:ジメチルアミノエチルアミン]、N,N−ジエチルエチレンジアミン[別名:ジエチルアミノエチルアミン]、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン[別名:N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン又はジメチルアミノプロピルアミン]等挙げることができる。
メチルイミノビスプロピルアミン〔別名N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン〕、ラウリルイミノビスプロピルアミン〔別名N,N−ビス(3−アミノプロピル)ラウリルアミン〕、イミノビスプロピルアミン〔別名N,N−ビス(3−アミノプロピル)アミン〕、N,N'−ビスアミノプロピル−1,3−プロピレンジアミン、及びN,N'−ビスアミノプロピル−1,4−ブチレンジアミン等を挙げることができ、
2個の一級アミノ基と1個の三級アミノ基を有するメチルイミノビスプロピルアミン、及びラウリルイミノビスプロピルアミンは、ジイソシアネートとの反応制御がし易く好ましい。
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、及びフマール酸等の不飽和カルボン酸;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、クロロメチルスチレン、インデン、及びビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル;
グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の官能基を有する(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル;
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、n−ブチル(メタ)アクリルアミド、tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、及びtert−オクチル(メタ)アクリルアミド等のアルキル(メタ)アクリルアミド;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、及びジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の置換アルキル(メタ)アクリルアミド;
1,3−ブタジエン、及びイソプレン等のジエン化合物;
片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー、及び片末端メタクリロイル化ポリエチレングリコール等の重合性オリゴマー(マクロモノマー);並びに
シアン化ビニル等を挙げることができる。
本発明の分散剤を構成するアミン化合物としては、ポリアミン(B2)の他に、さらにモノアミンも使用することができる。モノアミンとしては、分子内に第一級アミノ基又は第二級アミノ基を1個有するモノアミン化合物であり、モノアミンは、重合体(A2)とポリアミン(B)の反応において高分子量化しすぎるのを抑えるため、反応停止剤として使用される。モノアミンは、分子内に第一級アミノ基又は第二級アミノ基以外の他の極性官能基を有しても良い。このような極性官能基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、シアノ基、ニトロキシル基等が挙げられる。
アミノメタン、アミノエタン、1−アミノプロパン、2−アミノプロパン、1−アミノブタン、2−アミノブタン、1−アミノペンタン、2−アミノペンタン、3−アミノペンタン、イソアミルアミン、N−エチルイソアミルアミン、1−アミノヘキサン、1−アミノヘプタン、2−アミノヘプタン、2−オクチルアミン、1−アミノノナン、1−アミノデカン、1−アミノドデカン、1−アミノトリデカン、1−アミノヘキサデカン、ステアリルアミン、アミノシクロプロパン、アミノシクロブタン、アミノシクロペンタン、アミノシクロヘキサン、アミノシクロドデカン、1−アミノ−2−エチルヘキサン、1−アミノ−2−メチルプロパン、2−アミノ−2−メチルプロパン、3−アミノ−1−プロペン、3−アミノメチルヘプタン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、2−エチルヘキシロキシプロピルアミン、3−デシロキシプロピルアミン、3−ラウリロキシプロピルアミン、3−ミリスチロキシプロピルアミン、2−アミノメチルテトラヒドロフラン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルエチルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリニックアシッド、イソニペコチックアシッド、メチルイソニペコテート、エチルイソニペコテート、2−ピペリジンエタノール、4−ピペリジンエタノール、4−ピペリジンブチリックアシッド塩酸塩、4−ピペリジノール、ピロリジン、3−アミノピロリジン、3−ピロリジノール、インドリン、アニリン、N−ブチルアニリン、o−アミノトルエン、m−アミノトルエン、p−アミノトルエン、o−ベンジルアニリン、p−ベンジルアニリン、1−アニリノナフタレン、1−アミノアントラキノン、2−アミノアントラキノン、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、5−アミノイソキノリン、o−アミノジフェニル、4−アミノジフェニルエーテル、β−アミノエチルベンゼン、2−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、o−アミノアセトフェノン、m−アミノアセトフェノン、p−アミノアセトフェノン、ベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、3−ベンジルアミノプロピオニックアシッドエチルエーテル、4−ベンジルピペリジン、α−フェニルエチルアミン、フェネシルアミン、p−メトキシフェネシルアミン、フルフリルアミン、p−アミノアゾベンゼン、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、アリルアミン、及びジフェニルアミン等が挙げられる。
アミノ基を有する重合体(C2)は、下記一般式(8)に示すように、ポリアミン(B2)の一級又は二級のアミノ基が、片末端領域に1個又は2個の(メタ)アクリロイル基を有する重合体(A2)の(メタ)アクリロイル基に対して、付加反応することによって得られる。この反応は、一般にMichael付加反応と呼ばれている。重合体(A2)及びポリアミン(B2)の配合を調整することにより、イソシアネート基と反応しうる一級又は二級のアミノ基を有する構造にすることができる。
一般式(7):
片末端領域に1個又は2個の(メタ)アクリロイル基を有する重合体(A2)と、1個以上の一級及び/又は二級アミノ基を有するポリアミン(B2)と、からアミノ基を有する重合体(C2)を得るためのMichael付加反応は、1)全量仕込みで反応する方法、2)ポリアミン(B2)及び必要に応じて溶剤からなる溶液をフラスコに仕込み、重合体(A2)溶液を滴下する方法に大別される。安定した反応になる方で合成を行うが、反応に問題がなければ、反応制御(分子設計制御)が容易な2)の方法が好ましい。
本発明の組成物を構成する塩基性官能基を有する重合体(G2)は、アミノ基及びウレア結合を有する分散剤であり、アミノ基を有する重合体(C2)の一級又は二級のアミノ基と、2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(D2)のイソシアネート基を反応して得られる。アミノ基を有する重合体(C2)の一級又は二級のアミノ基は、反応させるポリイソシアネートの量を調整することにより、一部又は全部がウレア結合を形成し、残りは分散剤中にアミノ基として存在する。
場合、前記分散剤は、三級アミノ基も有する。
本発明に用いられるポリイソシアネート(D2)としては、従来公知のものを使用することができるが、分散体の低粘度効果から、ジイソシアネートであることが好ましく、例えば、芳香族系ジイソシアネート(d21)、脂肪族系ジイソシアネート(d22)、芳香族−脂肪族系ジイソシアネート(d23)、脂環族系ジイソシアネート(d24)、これらジイソシアネートのニ量体(ウレトジオン)、これらジイソシアネートの三量体(イソシアヌレート)とモノアルコールとの反応物、及びこれらジイソシアネートとジオールとの反応物(両末端イソシアネートのウレタンプレポリマー)等が挙げられる。
2,4,6−トリイソシアネ−トトルエン、1,3,5−トリイソシアネ−トベンゼン、及び4,4',4"−トリフェニルメタントリイソシアネ−ト等の芳香族系トリイソシアネート;並びに、
ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(別名MDIオリゴマー)等のポリメリック型芳香族系イソシアネートオリゴマー)等が挙げられる。
アミノ基を有する重合体(C2)とポリイソシアネート(D2)との反応は、1)全量仕込みで反応する場合と、2)重合体(C2)溶液をフラスコに仕込み、ポリイソシアネート(D2)を滴下する方法に大別されるが、反応を精密にする場合は2)が好ましい。本発明のウレア化反応の温度は、70℃以下が好ましい。更に好ましくは60℃以下である。60℃でも反応速度は大きく、制御できない場合は、50℃以下が更に好ましい。70℃より高くなると反応速度の制御が困難であり、所定の分子量と構造を有する分散剤を得ることは難しい。
片末端領域に1個又は2個の(メタ)アクリロイル基を有する重合体(A2)を製造する第一の工程と、
前記片末端領域に1個又は2個の(メタ)アクリロイル基を有する重合体(A2)の(メタ)アクリロイル基と、1以上の一級及び/又は二級アミノ基を含むポリアミン(B2)の一級及び/又は二級アミノ基と、を反応する、アミノ基を有する重合体(C2)を製造する第二の工程と、並びに、
アミノ基を有する重合体(C2)の一級及び/又は二級アミノ基と、少なくとも2個以上のイソシアネート基を含むポリイソシアネート(D2)のイソシアネート基と、を反応させる第三の工程と、
を含む製造法により製造することができる。
市販の塩基性官能基を有する樹脂としては、特に限定されないが、例えば、以下のものが挙げられる。
本発明におけるリチウム二次電池用正極合剤ペーストに添加する導電助剤としては、炭素材料が最も好ましい。炭素材料としては、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されるものではないが、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、及びフラーレン等を単独で、若しくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、及びコスト面から、カーボンブラックの使用が好ましい。
トーカブラック#4300、#4400、#4500、及び#5500等の東海カーボン社製ファーネスブラック;
プリンテックスL等のデグサ社製ファーネスブラック;
Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA、Conductex SC ULTRA、975 ULTRA、PUER BLACK100、115、及び205等のコロンビヤン社製ファーネスブラック;
#2350、#2400B、#2600B、#30050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、及び#5400B等の三菱化学社製ファーネスブラック;
MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、及びBlackPearls2000等のキャボット社製ファーネスブラック;
Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、及びSuperP−Li等のTIMCAL社製ファーネスブラック;
ケッチェンブラックEC−300J、及びEC−600JD等のアクゾ社製ケッチェンブラック; 並びに、
デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35等の電気化学工業社製アセチレンブラック等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に使用する溶剤としては、例えば、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、リン酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類、及び水等が挙げられる。
本発明のリチウム二次電池用正極合剤ペーストには、更に、塩基性官能基を有する樹脂以外のバインダー成分を含有させることができる。
本発明の正極合剤ペーストは、リチウム二次電池用正極合剤ペーストとして用いることができる。正極合剤ペーストとして用いる場合は、上記の塩基性官能基を有する樹脂と、正極活物質と、溶剤とを含んでなるペーストに、導電助剤としての炭素材料、及びバインダー成分を含有させ正極合剤ペーストとして使用することが好ましい。
次に、本発明の正極合剤ペーストの製造方法について説明する。
ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;
エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社「フィルミックス」等のホモジナイザー類;
ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;
湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機;又は、
その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
次に、本発明の正極合剤ペーストを用いたリチウム二次電池について説明する。
本発明のリチウム二次電池を構成する電解液としては、リチウムを含んだ電解質を非水系の溶剤に溶解したものを用いる。電解質としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)3C、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、又はLiBPh4等が挙げられるがこれらに限定されない。
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネート等のカーボネート類;
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びγ−オクタノイックラクトン等のラクトン類;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−メトキシエタン、1,2−エトキシエタン、及び1,2−ジブトキシエタン等のグライム類;
メチルフォルメート、メチルアセテート、及びメチルプロピオネート等のエステル類;ジメチルスルホキシド、及びスルホラン等のスルホキシド類;並びに、
アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。又、これらの溶剤は、それぞれ単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
<塩基性官能基を有する樹脂 重合体(G1)タイプ>
[アミノ基を有するビニル系樹脂 重合体(G1−1)の合成]
<ビニル重合体(A1−1)の合成>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート 500部、チオグリセロール 28部と、N−メチル−2−ピロリドン 528部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を90℃に加熱して、AIBN 0.50部を添加した後7時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認後、室温まで冷却して、重量平均分子量4200の、片末端領域に2つの遊離ヒドロキシル基を有するビニル重合体(A−1)の固形分50%溶液を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ビニル重合体(A1−1)の固形分50%溶液 1022部と、イソホロンジイソシアネート 45.2部と、触媒としてジブチル錫ジラウレート 0.11gを仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、3時間反応した後、40℃まで冷却して、イミノビスプロピルアミン 26.7部、N−メチル−2−ピロリドン 363.3部の混合液中に30分かけて滴下し、さらに1時間反応した後、室温まで冷却して反応を終了した。固形分を40%に調整し、重合体(G1−1)の淡黄色透明溶液を得た。重合体(G1−1)の重量平均分子量は13500であり、アミン価27.5mg KOH/gであった。
<ビニル重合体(A1−2)の合成>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブチルメタクリレート 500部と、チオグリセロール 28部と、N−メチル−2−ピロリドン 528部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を90℃に加熱して、AIBN 0.50部を添加した後7時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認後、室温まで冷却して、重量平均分子量4800の、片末端領域に2つの遊離ヒドロキシル基を有するビニル重合体(A1−2)の固形分50%溶液を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ビニル重合体(A1−2)の固形分50%溶液 1056部と、イソホロンジイソシアネート 115.1部と、触媒としてジブチル錫ジラウレート 0.12gを仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、3時間反応した後、40℃まで冷却して、イミノビスプロピルアミン 25.5部と、2−アミノ−2−メチル−プロパノール 11.5部と、N−メチル−2−ピロリドン 492.0部の混合液中に30分かけて滴下し、さらに1時間反応した後、室温まで冷却して反応を終了した。固形分を40%に調整し、重合体(G1−2)の淡黄色透明溶液を得た。重合体(G1−2)の重量平均分子量は21600であり、アミン価17.4mg KOH/gであった。
<ビニル重合体(A1−3)の合成>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート 400部と、ブチルアクリレート 100部と、チオグリセロール 56部と、N−メチル−2−ピロリドン 556部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を90℃に加熱して、AIBN 0.50部を添加した後7時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認後、室温まで冷却して、重量平均分子量3000の、片末端領域に2つの遊離ヒドロキシル基を有するビニル重合体(A1−3)の固形分50%溶液を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ビニル重合体(A1−3)の固形分50%溶液 1112部と、イソホロンジイソシアネート 230.2部と、触媒としてジブチル錫ジラウレート 0.13gを仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、3時間反応した後、40℃まで冷却して、メチルイミノビスプロピルアミン 56.4部と、ジブチルアミン 33.4部と、N−メチル−2−ピロリドン 757.9部の混合液中に30分かけて滴下し、さらに1時間反応した後、室温まで冷却して反応を終了した。固形分を40%に調整し、重合体(G1−3)の淡黄色透明溶液を得た。重合体(G1−3)の重量平均分子量は11900であり、アミン価25.2mg KOH/gであった。
[アミノ基を有するポリエステル系重合体(G2−1)の合成]
<片末端にアクリロイル基を有するポリエステル(A2−1)の合成>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、4−ヒドロキシブチルアクリレート20.8部とε−カプロラクトン379部、触媒としてモノブチルスズ(IV)オキシド0.1部、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1部を仕込み、乾燥空気流下で120℃で4時間加熱、撹拌し固形分測定により95%が反応したことを確認し反応を終了し、N−メチル−2−ピロリドン171部を加えて希釈し、更に、固形分70重量%に調整して、重量平均分子量6500の、片末端に1つのアクリロイ基を有するポリエステル(A2−1)の固形分70重量%溶液を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、イミノビスプロピルアミン18.9部と、N−メチル−2−ピロリドン248部を仕込み、50℃に加熱してポリエステル(A2−1)の固形分70重量%溶液571部を30分かけて滴下し、さらに1時間反応した後、イソホロンジイソシアネート16.0部、N−メチル−2−ピロリドン112部の混合液を30分かけて滴下し、更に2時間反応し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて、固形分30重量%に調整して、重量平均分子量13000、アミン価36mgKOH/gの重合体(G2−1)の固形分30重量%溶液を得た。
<重合体(G2−2)の合成>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルイミノビスプロピルアミン23.9部と、N−メチル−2−ピロリドン248部を仕込み、50℃に加熱してポリエステル(A2−1)の固形分70重量%溶液571部を30分かけて滴下し、さらに1時間反応した後、イソホロンジイソシアネート18.3部、N−メチル−2−ピロリドン207部の混合液を30分かけて滴下し、更に2時間反応し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて、固形分30重量%に調整して、重量平均分子量27000、アミン価41mgKOH/gの重合体(G2−2)の固形分30重量%溶液を得た。
<片末端にアクリロイル基を有するビニル重合体(A2−2)の合成>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート400部とブチルアクリレート100部、N−メチル−2−ピロリドン100部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール27.5部に、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.5部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認し、N−メチル−2−ピロリドン427部を加えて希釈したのち、乾燥空気流下でアクリロイルオキシエチルイソシアネート32.6部、DBTDL 1部、メチルハイドロキノン0.3部を加え、さらに2時間加熱攪拌し、更に、固形分50重量%に調整して、重量平均分子量4500の、片末端に2つのアクリロイル基を有するビニル重合体(A2−2)の固形分50重量%溶液を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、イミノビスプロピルアミン27.8部と、N−メチル−2−ピロリドン184部を仕込み、50℃に加熱してビニル重合体(A2−2)の固形分70重量%溶液500部を30分かけて滴下し、さらに1時間反応した後、イソホロンジイソシアネート15.7部、N−メチル−2−ピロリドン121部の混合液を30分かけて滴下し、更に2時間反応し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて、固形分30重量%に調整して、重量平均分子量15200、アミン価94mgKOH/gの重合体(G2−3)の固形分30重量%溶液を得た。
(H1)アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製):アミノ基を有する樹脂
(H2)SOLSPERSE24000GR(日本ルーブリゾール社製):アミノ基を 有する樹脂
表1に示す組成及び処理方法に従って、塩基性官能基を有する樹脂による正極活物質の表面処理を行った。塩基性基を有する樹脂の使用量は、固形分換算で表記した。
正極活物質となるコバルト酸リチウム(LiCoO2、HLC−17、平均一次粒径2.5μm、比表面積0.54m2/g、本荘ケミカル社製)100部、塩基性分散樹脂(G1−1)溶液0.5部(固形分0.2部)、及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を25部仕込み、2本ロールにて処理し、乾燥することで表面処理正極活物質(1)を得た。
ニーダーに、正極活物質であるマンガン酸リチウム(LiMn2O4、CELLSEED S-LM、平均一次粒径12.0μm、比表面積0.48m2/g、日本化学工業社製)100部、塩基性分散樹脂(G1−2)溶液0.25部(固形分0.1部)、及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を25部仕込み、混練処理を行った。得られた処理物を乾燥、粉砕し、表面処理正極活物質(2)を得た。
ニーダーに、正極活物質となるリン酸鉄リチウム(LiFePO4、平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g、TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製)100部、塩基性分散樹脂(G1−3)溶液0.5部(固形分0.2部)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を43部仕込み、混練処理を行った。得られた処理物をヘキサン1000部中に添加して攪拌した後、凝集物を濾取、乾燥、粉砕して表面処理正極活物質(3)を得た。
正極活物質となるリン酸鉄リチウム(LiFePO4、平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g、TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製)100部に対して
、塩基性官能基を有する樹脂(G2−1)1.67部(固形分0.5部)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)15部に溶解させ、乾式ジェットミルにて解砕しながら処理し、乾燥することで表面処理正極活物質(4)を得た。
正極活物質であるリン酸鉄リチウム(LiFePO4、平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g、TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製)100部、塩基性分散樹脂(G2−2)3.33部(固形分1.0部)、及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を25部仕込み、2本ロールにて処理し、乾燥することで表面処理正極活物質(5)を得た。
分散剤未処理の各種正極活物質及び、各種分散剤処理正極活物質を80℃で10時間減圧乾燥した。続いて乾燥物をメノウ製の乳鉢で粉砕した後、更に80℃で12時間減圧乾燥した。得られた乾燥物を再度メノウ製乳鉢で粉砕した後、錠剤成型器(Specac社製)にて500kgf/cm2で荷重をかけ、正極活物質のペレットを作製(直径10mm、厚0.5mm)した。このペレットにマイクロシリンジにて、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1混合した液滴を落とし、液滴がペレットに浸透する時間を測定した。この測定を各サンプルとも5回行い、それらの平均浸透時間が1秒未満であったものを「◎」、1秒以上、5秒未満であったものを「○」、5秒以上、10秒未満であったものを「△」、10秒以上であったものを「×」とした。正極活物質の濡れ性評価の結果を表1に示した。
塩基性樹脂:塩基性官能基を有する樹脂
[正極活物質分散体(1)]
容器に、溶剤として、N−メチル−2−ピロリドン 29.72部、塩基性分散樹脂(G1−1)溶液3.5部(固形分1.4部)を仕込み、混合攪拌して該誘導体を完全ないしは一部溶解させた。次に、正極活物質として、コバルト酸リチウムLiCoO2 70部を加え、メディアレス分散機であるホモジナイザーで分散し、正極活物質分散体(1)を得た。
正極活物質分散体(1)の調整と同様の方法で、表6の組成になるように、正極活物質分散体(2)〜(8)を得た。
容器に、溶剤として、 N−メチル−2−ピロリドン 29.56部、塩基性官能基を有する樹脂(G2−2)30%溶液0.23部を仕込み、混合攪拌して該樹脂を完全ないしは一部溶解させた。次に、表面処理正極活物質(3) 70.21部加え、メディアレス分散機であるホモジナイザーで分散し、正極活物質分散体(8)を得た。
正極活物質分散体(9)の調整と同様の方法で、表6の組成に従い、正極活物質分散体(10)を得た。
容器に、溶剤として、精製水 29.53部、バインダー2、すなわち、60%ポリテトラフルオロエチレンPTFE水系分散体(PTFE、30−J、三井・デュポンフルオロケミカル製)0.47部を仕込み、混合攪拌して該樹脂を完全ないしは一部溶解させた。次に、正極活物質として、リン酸鉄リチウムLiFePO4 70部加え、メディアレス分散機であるホモジナイザーで分散し、正極活物質分散体(11)を得た。
容器に、溶剤として、 N−メチル−2−ピロリドン 30部、リン酸鉄リチウムLiFePO4 70部加え、メディアレス分散機であるホモジナイザーで分散し、正極活物質分散体(12)を得た。
得られた正極活物質分散体(1)〜(12)の分散評価結果を、表3に示した。
塩基性樹脂:塩基性官能基を有する樹脂
PTFE:ポリテトラフルオロエチレン(水性分散体)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
LiCoO2:コバルト酸リチウム HLC−17(本荘ケミカル社製);平均一次粒径2.5μm、比表面積0.54m2/g。
LiMn2O4:マンガン酸リチウム CELLSEED S-LM(日本化学工業社);平均一次粒径12.0μm、比表面積0.48m2/g。
LiNiO2:ニッケル酸リチウム(本荘ケミカル社製);平均一次粒径9.0μm、比表面積0.3m2/g。
LiFePO4:リン酸鉄リチウム(TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製);平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g。
<塩基性官能基を有する樹脂 重合体(G1)タイプ>
G1−1:アミノ基を有するポリビニル系重合体;重量平均分子量は13500、アミン価27.5mg KOH/g。
G1−2:アミノ基を有するポリビニル系重合体;重量平均分子量は21600、アミン価17.4mg KOH/g。
G1−3:アミノ基を有するポリビニル系重合体;重量平均分子量は11900、アミン価25.2mg KOH/g。
G2−1:アミノ基を有するポリエステル系重合体;重量平均分子量13000、アミン価36mgKOH/g。
G2−2:アミノ基を有するポリエステル系重合体;重量平均分子量27000、アミン価41mgKOH/g。
G2−3:アミノ基を有するポリビニル系重合体;重量平均分子量15200、アミン価94mgKOH/g。
H1:アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製);アミノ基を有する樹脂
H2:SOLSPERSE24000GR(日本ルーブリゾール社製);アミノ基を有する樹脂
PVDF:KFポリマーW#1100(クレハ社製);ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、重量平均分子量約28万。
PTFE:PTFE 30−J(三井・デュポンフロロケミカル社製);60%ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)水系分散体。
HS−100:デンカブラックHS−100(電気化学工業社製);アセチレンブラック、一次粒径48nm、比表面積48m2/g。
下記のように、正極活物質分散体(1)〜(12)、前記カーボンブラック、バインダー、及び溶剤を用いて、正極合剤ペースト(1)〜(12)、及び比較正極合剤ペースト(1)〜(2)を調整した。
正極活物質分散体(1) 64.3部に対して、バインダーとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF、KFポリマーW#11000、クレハ社製)1.6部、及びN−メチル−2−ピロリドン31.6部をプラネタリーミキサーで混合した後に、導電助剤として、デンカブラックHS−100 2.5部を加え、更に、プラネタリーミキサーで混練し、正極合剤ペースト(1)〔固形分:50%、固形分組成重量比:正極活物質/カーボンブラック/その他(塩基性官能基を有する樹脂+バインダー)=90/5/5〕を得た。その結果を表4に示す。
実施例1と同様の方法で、表4の組成に従い、正極合剤ペースト(2)〜(10)、及び比較正極合剤ペースト(2)〔固形分:50%、固形分組成重量比:正極活物質/カーボンブラック/その他(塩基性官能基を有する樹脂+バインダー)=90/5/5〕を得た。
正極活物質分散体(10)64.3部に対して、バインダーとして、60%ポリテトラフルオロエチレンPTFE水系分散体(PTFE 30−J、三井・デュポンフロロケミカル社製)3.79部(固形分2.275部)、及び精製水29.41部をプラネタリーミキサーで混合した後に、導電助剤として、デンカブラックHS−100 2.5部を加え、更にプラネタリーミキサーにより混練し、正極合剤ペースト(10)〔固形分:50%、固形分組成重量比:正極活物質/カーボンブラック/その他(塩基性官能基を有する樹脂+バインダー)=90/5/5〕を得た。
正極活物質分散体(11)を用いた以外は実施例10と同様の方法で表4の組成に従い、比較正極合剤ペースト(1)〔固形分:50%、固形分組成重量比:正極活物質/カーボンブラック/その他(塩基性官能基を有する樹脂+バインダー)=90/5/5〕を得た。
塩基性樹脂:塩基性官能基を有する樹脂
PVDF:ポリフッ化ビニリデン
PTFE:ポリテトラフルオロエチレン(水性分散体)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
カーボンブラックHS−100 2部に対して、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンPVDF(KFポリマーW#1100、クレハ社製)5部、N−メチル−2−ピロリドン100部を高速ディスパーで混合した後に、負極活物質としてメソフェーズカーボン(MCMB 6−28、平均粒径5〜7μm、比表面積4m2/g大阪ガスケミカル社製)93部を加えプラネタリーミキサーにより混練し、負極合剤ペースト(固形分:50%、固形分組成重量比:負極活物質/カーボンブラック/その他(塩基性官能基を有する分散樹脂+バインダー)=93/2/5)を得た。
[実施例1〜12、比較例1〜2]
<リチウム二次電池用正極の作製>
先に調製した正極合剤ペースト(1)〜(12)、比較正極合剤ペースト(1)〜(2)を、集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧加熱乾燥し、ロールプレス等による圧延処理を行い、厚さ50μmの正極合剤層を作製した。(表4を参照)
<リチウム二次電池用負極の作製>
先に調製した負極合剤ペーストを、集電体となる厚さ20μmの銅箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧加熱乾燥し、ロールプレス等による圧延処理を行い、厚さ50μmの負極合剤層を作製した。
先に作製した正極を、直径9mmに打ち抜き作用極とし、金属リチウム箔(厚さ0.15mm)を対極として、作用極及び対極の間に多孔質ポリプロピレンフィルムからなるセパレーター(セルガード社製 #2400)を挿入積層し、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1に混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解させた非水電解液)を満たして二極密閉式金属セル(宝仙社製 HSフラットセル)を組み立てた。セルの組み立てはアルゴンガス置換したグロ−ボックス内で行い、セル組み立て後、所定の電池特性評価を行った。
先に作製した負極を、直径9mmに打ち抜き作用極とし、金属リチウム箔(厚さ0.15mm)を対極として、作用極及び対極の間に多孔質ポリプロピレンフィルムからなるセパレーター(セルガード社製 #2400)を挿入積層し、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1に混合した混合溶媒にLiPF6 を1Mの濃度で溶解させた非水電解液)を満たして二極密閉式金属セル(宝仙社製 HSフラットセル)を組み立てた。セルの組み立てはアルゴンガス置換したグロ−ボックス内で行い、セル組み立て後、所定の電池特性評価を行った。
[充放電サイクル特性 実施例1〜12、比較例1〜2]
作製した電池評価用セルを室温(25℃)で、充電レート0.2C、1.0Cの定電流定電圧充電(上限電圧4.2V)で満充電とし、充電時と同じレートの定電流で放電下限電圧3.0Vまで放電を行う充放電を1サイクル(充放電間隔休止時間30分)とし、このサイクルを合計20サイクル行い、充放電サイクル特性評価(評価装置:北斗電工社製SM−8)を行った。又、評価後のセルを分解し、電極塗膜の外観を目視にて確認した。評価結果を表5に示した。
作製した電池評価用セルを室温(25℃)、充電レート0.2Cの定電流定電圧充電(上限電圧4.2V)で満充電とし、0.1C、0.2C、0.5C、1.0Cのレートの定電流で5秒放電後、電池電圧を測定した。電流値に対し電圧値をプロットし、得られた直線関係の傾きを内部抵抗とした。評価結果を表5に示すが、実施例1の内部抵抗測定値を100としたときの相対値として示した。
Claims (14)
- 塩基性官能基を有する樹脂と、正極活物質と、を含んでなるリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 塩基性官能基を有する樹脂が、
片末端領域に2個のヒドロキシル基を有するビニル重合体(A1)のヒドロキシル基と、ジイソシアネート(B1)のイソシアネート基と、を反応してなる両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C1)のイソシアネート基と、
少なくともポリアミン(D1)を含むアミン化合物の一級及び/又は二級アミノ基と、
を反応してなるアミン価が1〜100mgKOH/gである重合体(G1)、
並びに、
片末端領域に1個又は2個の(メタ)アクリロイル基を有する重合体(A2)の(メタ)アクリロイル基と、1個以上の一級及び/又は二級アミノ基を有するポリアミン(B2)の一級及び/又は二級アミノ基と、を反応してなるアミノ基を有する重合体(C2)の一級及び/又は二級アミノ基と、
2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(D2)のイソシアネート基と、
を反応してなるアミン価が5〜100mgKOH/gである重合体(G2)、
からなる群から選ばれる1種類以上の塩基性官能基を有する樹脂である請求項1記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。 - 重合体(G1)を構成する片末端領域に2個のヒドロキシル基を有するビニル重合体(A1)が、分子内に2つのヒドロキシル基と1つのチオール基とを有する化合物(a11)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(a12)をラジカル重合してなることを特徴とする請求項1又は2記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 重合体(G2)を構成する片末端領域に1個又は2個の(メタ)アクリロイル基を有する重合体(A2)が、ビニル重合体、又はポリエステルを含むことを特徴とする請求項1又は2記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 正極活物質が、リン酸鉄リチウムである請求項1〜4いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 更に、塩基性官能基を有する樹脂以外のバインダー成分を含んでなる請求項1〜5いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- バインダー成分が、分子内にフッ素原子を有する高分子化合物である請求項6記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 更に、導電助剤を含んでなる請求項1〜7いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 正極活物質と、塩基性官能基を有する樹脂と、を溶剤に分散するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。
- 正極活物質と、塩基性官能基を有する樹脂と、導電助剤と、バインダー成分と、を溶剤に共分散するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。
- 正極活物質と、塩基性官能基を有する樹脂と、を溶剤に分散してなる分散体に、導電助剤と、バインダー成分と、を混合するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。
- 塩基性官能基を有する樹脂で、あらかじめ処理された正極活物質を使用する請求項9〜11いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。
- 集電体上に正極合剤層を有する正極と、集電体上に負極合剤層を有する負極と、リチウムを含む電解質とを具備するリチウム二次電池であって、前記正極合剤層が、請求項1〜8いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペーストを使用して形成されてなるリチウム二次電池。
- 請求項9〜12いずれか記載の製造方法により製造されたリチウム二次電池用正極合剤ペーストを使用して形成されてなる請求項13記載のリチウム二次電池。
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