JP2010091158A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】
人検知センサの故障判定を誤ることなく行うことを可能とした、空気調和機を提供する。
【解決手段】
空気吸込み口及び空気吹出し口を有する筐体と、前記筐体内に配置された熱交換器と、室内空気を前記空気吸込み口より吸込み、前記熱交換器を通してから前記空気吹出し口より吹出す送風ファンと、前記送風ファンの吹出し風路に設けた左右風向板と、上下風向板と、赤外線センサを用いた人検知センサを有し、室内を複数の領域に区分して在室者の有無を推定する赤外線検知装置と、を備えた空気調和機において、前記人検知センサの信号を強制的に発生させる手段を備え、前記人検知センサの故障を判定する。
【選択図】図14

Description

本発明は赤外線センサを搭載した空気調和機にかかり、特に、人検知機能の向上に関する。
空気調和機は室内空気を熱交換器に循環させて、加熱,冷却,除湿機能などにより調整し、これを室内に吹出すことにより室内を空気調和する。このとき、在室者の位置に空気調和された気流を送ることができれば、在室者が一々煩わしい操作しなくてすみ、在室者の満足度が高まると共に、在室者の周囲のみを快適にするので空気調和機の省エネを図ることができる。
そのひとつとして、空気調和機に赤外線センサを搭載し、在室者の位置を検知し、在室者の位置に応じて風向,風量,冷房暖房能力などを増減する方法が考えられ、これを具現化するために種々の工夫が凝らされている。この種の従来技術として、特開平06−241526号公報が知られている。
特許文献1は室内の輻射温度分布及び人に関する情報を検出するセンサの情報の異常の有無により前記センサの故障を判定することで、異常な空調制御を防止する空気調和機に付いて述べている。
特開平06−241526号公報
現在、家庭用の空気調和機は、環境への配慮が求められ、省資源,省エネを強く要求されるようになった。加えて、外観も重視され、特に使っていないときに室内の雰囲気を乱さない製品が求められている。
その技術は、多種な方法によって、実現されてきたが、赤外線センサの故障を識別する方法は確立されていない。
特許文献1では輻射温度分布及び人に関する情報を検出するセンサを使用していて、輻射温度分布が実際の温度範囲から極端にはずれた情報を検出した場合、故障であると判定している。しかし、人に関する情報の検出部分の故障の判定についての言及は無い。
このように、人検知センサの故障を判断する方法は明らかでなく、その技術の開発が求められている。
本発明が解決しようとする課題は、人検知センサの故障判定を誤ることなく行うことを可能とした、空気調和機を提供することにある。
本発明が解決しようとする課題は、空気吸込み口及び空気吹出し口を有する筐体と、前記筐体内に配置された熱交換器と、室内空気を前記空気吸込み口より吸込み、前記熱交換器を通してから前記空気吹出し口より吹出す送風ファンと、前記送風ファンの吹出し風路に設けた左右風向板と、上下風向板と、焦電型赤外線センサを用いた人検知センサを有し、室内を複数の領域に区分して在室者の有無を推定する赤外線検知装置と、を備えた空気調和機において、前記人検知センサの信号を強制的に発生させる手段を備え、前記人検知センサの故障を判定することで達成される。
これは、在室者が居無い場合デジタル信号の演算制御部への入力がHiレベルに固定される事と、在室者が居る場合デジタル信号の入力がHi・Loに変化する特徴をいかし、デジタル信号のレベルがある一定時間HiレベルまたはLoレベルを検出しつづけた場合に、故障である可能性が高いが、在室者が居無い場合は、前述のようにHiレベル固定となってしまうため、誤判定してしまう可能性がでてくる。そこで、風向板を赤外線センサの検出範囲内で揺動させることにより、擬似的に人が居る状態を作り出し、赤外線センサにこの動きを検知させ、人検知センサに人の在否を判定させて、在室者が無い場合と人検知センサの故障の場合の区別を行う事で、本課題を解決した。
請求項2に記載の空気調和機は請求項1の空気調和機において、前記左右風向板又は前記上下風向板を、前記人検知センサの検知範囲内で揺動させることにより、前記人検知センサの検知範囲に人が存在しない場合と前記人検知センサの故障の場合の区別を行い、前記人検知センサの故障を判定するものである。
請求項1によれば、人検知センサの故障判定を誤ることなく行って、故障の場合は素早くメンテナンスをすることで、快適性を失うことなく、人の居る領域を推定して、在室者の状態に応じて、自動的に快適運転や省エネ運転する。
請求項2によれば、在室者の有無にかかわらず、人検知センサの故障判定を誤検出することなく行う、ため快適性を失うことなく、人の居る領域を区別して、在室者の状態に応じて、自動的に快適運転や省エネ運転する。
以下、本発明の実施例について図を用いて説明する。図における同一符号は同一物または相当物を示す。
まず、空気調和機の全体構成について図1〜図4を用いて説明する。図1は実施例の空気調和機の構成図である。図2は空気調和機の室内機の断面図である。図3は空気調和機の室外機の断面図である。図4は空気調和機の冷媒回路図、(a)は冷房・除湿運転時の冷媒の流れ方向、(b)は暖房運転時の冷媒の流れ方向である。
空気調和機1は、室内機2と室外機6とを接続配管8で繋ぎ、室内を空気調和する。室内機2は、筐体ベース21の中央部に室内熱交換器33を置き、熱交換器33の下流側に熱交換器33の幅と略等しい長さの横流ファン方式の室内送風ファン311を配置し、露受皿35等を取り付け、これらを化粧枠23で覆い、化粧枠23の前面に前面パネル25を取り付けている。この化粧枠23には、室内空気を吸い込む空気吸込み口27と、温湿度が調整された空気を吹出す空気吹出し口29とが上下に設けられている。室内熱交換器33の空気流下流には室内送風ファン311が設けられ、室内送風ファン311が回転すると室内空気が室内機2に設けられた空気吸込み口27から室内熱交換器33、室内送風ファン311を通って室内送風ファン311の長さに略等しい幅を持つ吹出し風路290に流れ、吹出し風路290途中に配した左右風向板295で気流の左右方向を偏向され、更に、吹出し口29に配した上下風向板291,292で気流の上下方向を偏向されて室内に吹出す。
筐体ベース21には、室内送風ファン311,フィルタ231,231′,室内熱交換器33,露受皿35,上下風向板291,292,左右風向板295等の基本的な内部構造体が取り付けられ、これらの基本的な内部構造体は、筐体ベース21,化粧枠23,前面パネル25からなる筐体20に内包され室内機2を構成する。
室外機6はベース61に圧縮機75,室外熱交換器73などが搭載され、外箱62に覆われ、室外送風機63で外気を室外熱交換器73に流し、内部を流れる冷媒と熱交換し、送風機カバー635を通って機外に吹出させる。
冷房・除湿運転時には図4(a)のように、冷媒を圧縮機75,冷媒流路切換弁72,室外熱交換器73,冷暖房絞り装置74,除湿加熱器332,除湿絞り装置34,除湿冷却器333,冷媒流路切換弁72の順に流して圧縮機75に戻し、冷房・除湿運転にあわせて冷暖房絞り装置74,除湿絞り装置34を適宜に絞りまたは開放して冷媒を制御し、圧縮機75,室外送風機63,室内送風ファン311を適切な回転数で運転して周知の冷房・除湿運転を行う。
また、暖房運転時には図4(b)のように、冷媒流路切換弁72を切換えて、冷媒を逆向きに流し、同様に周知の暖房運転を行う。
また、前面パネル25の下部一側には、運転状況を表示する表示装置397と、別体のリモコン5からの赤外線の操作信号を受ける受光部396とが配置されている。
化粧枠23の下面に形成される空気吹出し口29は、前面パネル25との分割部に隣接して配置され、奥の吹出し風路290に連通している。2枚の上下風向板291,292は、閉鎖状態で、吹出し風路290をほぼ隠蔽して室内機2の底面に連続する大きな曲面を有するように構成されている。これらの上下風向板291,292は、両端部に設けた回動軸を支点にして、リモコン5からの指示に応じて、駆動モータにより空気調和機1の運転時に所要の角度回動して空気吹出し口29を開き、その状態に保持する。空気調和機1の運転停止時には、これらの上下風向板291,292は空気吹出し口29を閉じるように制御される。
左右風向板295は、下端部に設けた回動軸を支点にして駆動モータにより回動され、リモコン5からの指示の応じて回動されてその状態に保持される。これによって、吹出し空気が左右の所望の方向に吹出される。なお、リモコン5から指示することにより、空気調和機1の運転中に上下風向板291,292,左右風向板295を周期的に揺動させ、室内の広範囲に周期的に吹出し空気を送ることもできる。
可動パネル251は、下部に設けた回動軸を支点として駆動モータにより回動され、空気調和機1の運転時に前側空気吸込み部230′を開くように構成されている。これによって、室内空気は、運転時に前側空気吸込み部230′からも室内機2内に吸引される。空気調和機1の停止時には、前側空気吸込み部230′は閉じるように制御される。
室内機2は、内部の電装品ボックスに制御基板を備え、この制御基板にマイコンが設けられる。このマイコンは、室内温度センサ,室内湿度センサ等の各種のセンサからの信号を受けると共に、リモコン5からの操作信号を受光部396を介して受ける。このマイコンは、これらの信号に基づいて、室内送風ファン311,可動パネル駆動モータ,上下風向板駆動モータ,左右風向板駆動モータ等を制御すると共に、室外機6との通信を司り、室内機2を統括して制御する。
フィルタ231,231′は、吸い込まれた室内空気中に含まれる塵埃を取り除くためのものであり、室内熱交換器33の吸込側を覆うように配置されている。露受皿35は、室内熱交換器33の前後両側の下端部下方に配置され、冷房運転時や除湿運転時に室内熱交換器33に発生する凝縮水を受けるために設けられている。受けて集められた凝縮水はドレン配管37を通して室外に排出される。
次に、上下風向板について図5,図6を用いて説明する。図5は室内機の冷房・除湿運転時の断面図である。図6は室内機の暖房運転時の断面図である。
上下風向板は前述のように上側上下風向板291,下側上下風向板292から構成される。本明細書では主に上側上下風向板291について述べるので、単に上下風向板と記した場合は上側上下風向板を表し、下側上下風向板について述べる時は下側上下風向板と記すこととする。
上下風向板291は空気吹出し口29の上部の横幅いっぱい設けられ、上下風向板駆動モータ(図示せず)により、吹出し空気を下吹出し、あるいは水平吹出しなどに偏向する。
空気調和機を使用しない運転停止時は図2のように、上側上下風向板291,下側上下風向板292,可動パネル251は制御装置により空気吹出し口29を閉じるように制御される。これにより、上側上下風向板291は吹出し風路290の上方拡大部290eの前方の位置に回動し収納され、風路上方拡大部290eを遮蔽し、下側上下風向板292と協働して吹出し口29を閉じる。
この風路上方拡大部290eのほぼ中央に後述する赤外線検知装置14が設けられている。
このとき、上側上下風向板291は空気調和機の前面と底面の交差部に位置するため、外面となる外側風向面291aは滑らかで曲率の大きい曲面にして空気調和機の外形に合致させる。このようにすることにより、上側上下風向板291,下側上下風向板292は外面となる風向面で空気調和機の前面から底面にかけての外形を連続的に滑らかに形成することができる。
このため、空気調和機を使用しないとき、空気調和機の目とも言うべき赤外線検知装置14も上側上下風向板291によって目隠しされ、空気調和機の外観は不必要な凹凸の無い、柔らかな落ち着いた形状となり、室内の雰囲気を乱すことがない。
空気調和機を冷房運転する時には図5のように上側上下風向板291,下側上下風向板292は吹出し風路290の上壁290a,下壁290bと略平行な姿勢または水平な向きにして使用される。また、吹出された冷風が直接、在室者に当って不快感を生じさせる場合は、適宜、上下風向板の方向をリモコンで変更し、在室者の周囲を快適な温湿度に保つ。
極弱い冷房または暖房運転を行う時に上側上下風向板291を図20のようにやや上向きにし、下側上下風向板292を破線で示したようにほぼ閉じる姿勢にし、吹出し風路290の下流に設けた上方に拡大する上方拡大部290eに吹出し気流を流す。これにより、吹出し空気の一部が極弱い風となって上方拡大部290eを通ってふんわりと室内に拡散し、微弱な冷房または暖房を行う。
更に、上方拡大部290eを利用して、吹出した風をすぐさま、吸込み口27から吸込ませるショートサーキット運転を行うことで、熱交換器の乾燥運転や空気調和機内部の脱臭運転などの空気調和機のメンテナンス動作を行わせることも可能となる。
空気調和機を暖房運転する時には、上下風向板291,292は図6のようにほぼ垂直に近い姿勢にして使用される。このようにすることにより、吹出し風路290を流れる温風は空気調和機から下方に向かって吹出し、床面近くまで到達し、足もと近くを暖め、室内を快適な環境にする。
次に、本発明の空気調和機が搭載している赤外線センサについて図7〜図14を用いて説明する。図7は室内機の外観斜視図である。図8は室内機の上下風向板を開いた外観斜視図である。図9は室内機に内蔵された赤外線検知装置の構成図である。図10は検知装置のフレネルレンズ配置図である。図11は検知装置の検知範囲図である。図12は検知装置の外観図、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は取付状態側面図である。図13は検知装置による検知区域図である。図14は検知装置の回路構成図である。
一般に、空気調和機に人検知装置を取り付ける場合、その主たる目的は在室者が居ない時に空気調和機を省エネ運転または、停止し、在室者が少ない時には、その少ない人に向けて風を送るなどの専用運転をして省エネを図ると共に人の移動に伴う煩わしい操作を回避することである。
これを実現するため、焦電型の赤外線センサなどを使用した人検知センサを複数個つけて、室内を複数の領域に区分し、在室者が空気調和機から見てどの位置に居るかを検知するようにしている。この場合、人検知センサの検知区域の間に非検知領域ができないように、人検知センサの検知区域が互いに重なるように設置することが行われている。
このとき、唯一の人検知センサが反応した場合は、その人検知センサの検知区域に人が居ることが判るが、検知区域が重複する複数の赤外線センサが反応した時には、重複領域に集中して人が居る場合と、互いの排他的領域に人が分散して居る場合と、重複領域と片方の排他的領域に人が分散して居る場合と、重複領域と双方の排他的領域に人が分散して居る場合とが考えられ、これらの領域を区別するため、センサの数を増やすことや他の方式のセンサを取り付けて、互いの能力不足部分を補完することが行われている。
実施例では図8のように赤外線検知装置14を前述の吹出し風路上方拡大部290eの長手方向の中央部に設け、運転停止時には図7のように上側上下風向板291で室内から遮蔽され、室内に違和感を与えないようにした。
赤外線検知装置14は、図9に示すように赤外線センサ410を台座415を介して、基板416に搭載しフレネルレンズ417を被せ、これを左右に配して図12のように構成する。
赤外線センサ410は平滑な受光面411を持ち、受光面411の対抗する方向が主検知方向となり、受光面411の中心から主検知方向に向かう中心軸412は検知感度が最も良好な方向となり、その周りに検知感度の良好な検知範囲が広がる。
左右の赤外線センサ410a,cは各前記台座415により、中心軸412の方向が異なるように搭載され、当然その主検知方向も異なるため、図11のように広角に検知範囲を構成でき、さらに赤外線検知装置14を図12(d)のように俯角をもって実装することにより、室内床面の大半をその視野内に収めることができる。
フレネルレンズ417は図10に示すように半球面を成す如く成型され、半球面は複数のセグメントに分割され、各セグメントには室内の特定の方向から来る赤外線を半球面の中心部に集めるように小フレネルレンズが形成されていて、この半球面の中心部に赤外線センサ410の受光面411が配置されるように構成されている。
この小フレネルレンズが赤外線を集光する方向を、座った時の顔の高さ付近の床と平行な面で示すと図13のような検知スポットの分布になり、この範囲を人が移動していくつかの検知スポットを出入りすると赤外線センサ410がこれを検知する。実施例では、家庭の室内で使われることを想定し、赤外線センサ410から6m離れた位置でのひとつの検知スポットの大きさが凡そ人体の大きさと同等(幅0.3〜0.5m,高さ1.6〜1.8m)になるように設定した。
実施例では赤外線センサ410として、焦電型の赤外線センサを用いる。赤外線検知装置14は図14に示すように左人検知センサ140aと右人検知センサ140cと演算制御部132からなり、左右の人検知センサ140a,cは赤外線センサ410a,c,赤外線センサ410a,cの出力を増幅する増幅器130,その出力をデジタル信号へと変換するコンパレータ131や前述の台座415,フレネルレンズ417などから構成されている。
一般に、人が覚醒している時には、生理的に静止し続けることはできず、数分の中で意識的にあるいは無意識のうちに手,脚,顔など体の一部を動かしている。
赤外線センサ410a,cはこの動きを検知し、信号を出力する。赤外線センサ410a,cからの出力は人検知センサ140で演算制御部132での処理に適した形態に変換されて演算制御部132に読み込まれ、演算処理の結果に応じて、空気調和機の能力,風向などの制御が行われる。
上記のように、赤外線検知装置14を構成すれば、前記焦電型赤外線センサ410a,cから環境や人体の存在、人体の活動に伴ったアナログ信号が出力され、前記増幅器130にて増幅し、前記コンパレータ131により、微小な信号やノイズを除去し、またデジタル信号に変換し、前記演算制御部132の読み込みポートに入力され、前記演算制御部132で演算処理される。その結果により、人体が存在すると判断した領域に対し、前記上下風向板291,292,左右風向板295を向け、或いは、避けて室内送風ファン311によって、調和された空気が送風される。
次に、室内の人の移動による赤外線センサ410からの信号の変化について図15〜図17を用いて説明する。図15は室内に人が入室する時の動きを示す図である。図16は図15の場合の赤外線検知装置の波形出力、(a)は左赤外線センサ出力のアナログ波形、(b)は左人検知センサ出力のデジタル波形、(c)は右赤外線センサ出力のアナログ波形、(d)は右人検知センサ出力のデジタル波形である。図17は検知装置の検知領域区分図である。
図15に示すように、室902に人907が位置Pから入室し、位置Q,Rを経て位置Sまで移動したとき、赤外線検知装置14の赤外線センサ410aは図16(a)のようなアナログ信号を出力する。このアナログ出力の絶対値が一定のレベルを越えた時に、活動パルス(実施例ではLoパルス)を出力するように、このアナログ出力を増幅器130,コンパレータ131などで処理して、図16(b)のようなデジタル波形に変換し演算制御部132に入力する。演算制御部132内部でこのデジタル波形を一定周期で読込み、活動パルスが検出された回数を計数する。所定時間の間の検出回数が、人有りとする在閾値以上の時に、例えば位置Q,Rに人が居る時に、演算制御部132は左人検知センサ140aが人を検知した判断する。同様に赤外線センサ410c,右人検知センサ140cも図16(c),(d)のように信号を出力し、同様に、例えば位置R,Sに人が居る時に、演算制御部132は右人検知センサ140cが人を検知した判断する。
このように、在室者が居ない時には、デジタル出力はHiに固定されて出力し続け、人検知センサ140a,cの検知領域内で人が活動すると前述の検知スポットに出入りする度に、赤外線センサ410a,cから正負のアナログ信号が出力され、人検知センサ140a,cから、Hi,Loが入り混じったデジタル信号が出力される。
上記の説明では、あたかも、人が移動する瞬間毎に人有りの判断が下されるように書いたが、実施例では所定時間を30秒にしてあるので、入室と移動の間のほんの数秒の反応だけでは人有りの判断は下されなく、人が移動をやめてからの自然な動きを感知しての反応が大勢を決することになる。このように、所定時間を適切に選ぶことにより、単に通過するだけの時に、人有りと判断し、不要な制御をする恐れを大幅に減らすことができる。また、赤外線センサ410を2個使用することで、検知区域を左人検知センサ140aだけが検知する領域、右人検知センサ140cだけが検知する領域、左右の人検知センサ140a,cが検知する領域の3つに区分することができる。
なお、実施例では活動パルスをLoパルスにしているが、逆に、室内に人が不在の時の人検知センサ140の出力をLoにし、人が活動したときの出力をHiにして、Hiの活動パルスの検出回数を計数するようにしても良いのは勿論のことである。
赤外線検知装置14を室内機2に取り付け、この検知区域を簡単のため、床面の高さまで下げて図17のように表し、上述のように室内を左右の人検知センサ140a,cが単独で検知する検知領域610A,C,左右の人検知センサ140a,cが重複して検知する検知領域610ACに区分する。
左人検知センサ140aのみが検知した場合は、検知領域610Aに人体が存在し、右人検知センサ140cのみが検知した場合は、検知領域610Cに人体が存在し、左人検知センサ140aと右人検知センサ140cの両方が検知した場合は、検知領域610AC又は検知領域610Aと検知領域610Cに人体が存在していると推定する。
ここで、領域の構成について図18を用いて説明する。図18は領域の説明図、(a)はAとCの和の領域、(b)はAとCの排他和の領域、(c)はAからCを除外した差の領域、(d)はCからAを除外した差の領域、(e)はAとCの積の領域である。
実施例では人検知センサ140の出力から人が居ると推定する領域を、左右の人検知センサ140a,cの検知区域の和,排他和,差、又は積で構成する。図18(a)のように左人検知センサ140aの検知区域Aを記号Aで、右人検知センサ140cの検知区域Cを記号Cで示すとき、区域Aと区域Cの和を図18(a)の斜線部、区域Aと区域Cの排他和を図18(b)の斜線部、区域Aと区域Cの差を図18(c)の斜線部、区域Cと区域Aの差を図18(d)の斜線部、区域Aと区域Cの積を図18(e)の斜線部と定義する。このような定義は群論から容易に類推でき、理解しやすい。
次に、上下風向板による垂直方向の室内領域の区分について図19〜図22を用いて説明する。図19は上下風向板で検知領域を区分する説明図である。図20は上下風向板による遠領域検知状態図である。図21は上下風向板による中領域検知状態図である。図22は上下風向板による近領域検知状態図である。
実施例では、前述の空気調和機の左右方向の室内の検知領域の区分に加えて、空気調和機の奥行き方向の室内についても上下風向板291を用いて検知領域を区分する。上側上下風向板291は前述のように、吹出し風路290の下流に設けた、上方に拡大する上方拡大部290eに吹出し気流を導く作用を有している。在室者の有無を検知するときに、この上側上下風向板291を、赤外線センサ410の視野を部分的に遮るような位置に回動させて停める。上側上下風向板291を停止させる位置は図19に示すごとく、上側上下風向板291の図象の先端に付けた符号i,j,k,mの位置でこれらの位置を夫々上側上下風向板位置491i,j,k,mのごとくに呼ぶ。
上側上下風向板位置491iでは赤外線センサ410の全視野が上側上下風向板291に隠され、在室者の有無を検知することはできない。上側上下風向板位置491jでは赤外線センサ410の視野のうち、検知範囲591jのみが検知可能であり、上側上下風向板位置491kでは検知範囲591kのみが検知可能となる。上側上下風向板位置491mでは検知範囲591m=全視野が検知可能となる。
上側上下風向板291を使用して在室者の位置を検知しようとする場合は、まず、図20のように上側上下風向板291を上側上下風向板位置491jで停止させ、赤外線センサ410で在室者の有無を検知する。このとき在室者が検知されると、在室者は検知範囲591jに居ることが判る。
次に、図21のように上側上下風向板291を上側上下風向板位置491kで停止させ、赤外線センサ410で在室者の有無を検知する。このとき在室者が検知されると、在室者は検知範囲591jを含む検知範囲591kに居ることが判る。更に、先の検知動作で検知範囲591jに人が検知されなかった場合は検知範囲591kから検知範囲591jを除外した範囲に人が居ると判る。
次に、図22のように上側上下風向板291を上側上下風向板位置491mで停止させ、赤外線センサ410で在室者の有無を検知する。このとき在室者が検知されると、在室者は検知範囲591kを含む検知範囲591mに居ることが判る。更に、先の検知動作で検知範囲591kに人が検知されなかった場合は検知範囲591mから検知範囲591kを除外した範囲に人が居ると判る。
次に、人検知センサ140で検知した在室者の有無から、奥行き方向の存在エリアを推定する方法について図23〜図25を用いて説明する。図23は鉛直面で見た上下風向板による遠近方向の検知領域区分図である。図24は上下風向板による床面の検知領域区分図である。図25は左右の赤外線センサと上下風向板による検知領域区分図である。
前述の3つの検知動作によって得られた結果を、空気調和機から見て室内の奥行き方向の区分に対応させると、図23のように、上側上下風向板291を上側上下風向板位置491jで停止させて在室者の有無を検知する場合は、人検知センサ140の視野が検知範囲591jに限られるので、検知領域691Jの在室者を検知することになる。
また、上側上下風向板291を上側上下風向板位置491kで停止させて在室者の有無を検知する場合は、人検知センサ140の視野が検知範囲591kに広がるので、検知領域691J,Kの在室者を検知することになる。
更に、上側上下風向板291を上側上下風向板位置491mで停止させて在室者の有無を検知する場合は、人検知センサ140の視野がまったく遮られず、検知範囲591mに広がるので、全ての検知領域691J,K,Mの在室者を検知することになる。
上記の検知領域を床面での広がりで見ると図24のようになり、室内の奥行き方向に検知領域を区分することができる。
このように、前述の図11に示した複数の人検知センサ140a,cを用いて室内を左右方向に区分し、上側上下風向板291を用いて室内を前後方向に区分することにより、図25に示すように室内を前後左右に交差検知エリア710JA〜MCの9領域に区分し、在室者の居る方向とその奥行き範囲を知ることができ、これを用いて、空気調和機を適切に制御することができる。
なお、上述の説明では説明を簡単にするため、検知領域の境界を検知範囲の境界が床面に達する位置に置いたが、実際に、人検知センサ140が検知しやすい人の顔,首筋の位置や、人が立上がっているのか、椅子に座っているのか、床に座っているのか、寝ているのかなどの違いにより、検知領域の境界線は厳密には求められない。しかし、大まかには人が室内の遠いところに居る、中位のところに居る、近くに居る、のような区分けは十分可能であり、空気調和機の空気調和範囲も目的とした場所を中心とした広がりを持つので前述のような区分けに応じた空気調和でも十分な効果を持つことができる。
このようにして、人の在否と在領域を推定し、その領域に風を向け又は避けて、自動的に快適運転や省エネ運転する。
しかし、この人検知センサが故障して働かなくなると、前述のように、デジタル出力がHiまたはLoに固定されて連続して出力される。また、人検知センサ140a,cが正常な場合でも、在室者が居ない時にはデジタル出力は連続してHiになり、人検知センサ140a,cが正常であるか、故障しているかの区別が付かない。
本発明は、このような時でも、人検知センサ140a,cが正常か、否かを簡単に区別する方法を提供するものである。
以下、本発明について説明する。人検知センサは、図14の演算制御部132において通常人の出入りがある図15に示すような部屋では、図16の(b)(d)に示すようなHiやLoが交互にあるデジタル波形を出力するはずであるが、故障の場合は、HiまたはLoに固定された連続出力になってしまう。コネクタ未接続の場合も同様にHiに固定となってしまう。
そこで、図14の演算制御部132において、ある一定時間HiまたLoを連続して検出した場合に、人検知センサ140a,cの故障か否かの判定を行う。このとき、人が不在の場合でも赤外線センサ410a,cの出力がなくなるため、人検知センサ140a,cの出力はHiレベルが一定時間以上連続する事が起こるので、人検知センサ140a,cが正常なのか異常なのかの区別が付かない。そこで、人が存在する場合と故障の場合との区別を行うために、人が居る場合、居ない場合と同じような反応を起こすように、上側上下風向板291を人検知センサ140a,cの前で揺動及び遮蔽の位置で停止させる。これにより、人検知センサ140a,cが擬似的に反応し、その結果から、人検知センサ140a,cが正常なのか、故障なのかを区別することができる。なお、人検知センサ140a,cがLoを一定時間連続して出力する時は、在室者が如何に多くても、前述のように、人検知センサ140a,cが正常であればHi,Loの入り混じった信号になるので、Loの連続状態は人検知センサ140a,cの故障であると容易に判断できる。このように、人検知センサ140a,cの故障を検出し、誤検出を避けることで、空気調和機の適切な制御を実現できる。
このように、人検知センサ140a,cの故障をいち早く検出し、メンテナンスすることで、人検知センサ140a,cが常に正常に動作し、空気調和機が設置環境や使用者の意向に応じて適切に制御され、省エネ又は、満足感の高い空気調和機となる。
また、人検知センサの入力がある一定時間の間、固定されていることを確認し、人検知センサの故障判定を行う。
これにより、ある一定時間の間にセンサの故障判定を行うので、長時間故障のまま製品が使用されること無くし、快適性を失うことなく、人の居る領域を区別して、在室者の状態に応じて、自動的に快適運転や省エネ運転する。
以上のように、請求項1記載の空気調和機によれば、空気吸込み口及び空気吹出し口を有する筐体と、前記筐体内に配置された熱交換器と、室内空気を前記空気吸込み口より吸込み、前記熱交換器を通してから前記空気吹出し口より吹出す送風ファンと、前記送風ファンの吹出し風路に設けた左右風向板と、上下風向板と、赤外線センサを用いた人検知センサを有し、室内を複数の領域に区分して在室者の有無を推定する赤外線検知装置と、を備えた空気調和機において、前記人検知センサの信号を強制的に発生させる手段を備え、前記人検知センサの故障を判定する。
これにより、赤外線センサの検知区域に擬似的に人が居る状態と人の居ない状態を作り出し、その時の人検知センサの出力と比較することで人検知センサの故障の有無を明らかにすることができる。
このため、人検知センサの故障判定を誤り無く行って、故障の場合は素早くメンテナンスをすることで、快適性を失うことなく、人の居る領域を推定して、在室者の状態に応じて、自動的に快適運転や省エネ運転する空気調和機を提供することができる。
また、請求項2記載の空気調和機によれば、請求項1の空気調和機において、前記左右風向板又は前記上下風向板を、前記人検知センサの検知範囲内で揺動させることにより、前記人検知センサの検知範囲に人が存在しない場合と前記人検知センサの故障の場合の区別を行い、前記人検知センサの故障を判定する。
これにより、すでに備わっている上下風向板の回動で人検知センサの良否が容易に確認でき、生産コストを増加させること無く、人検知センサの故障判定を行え、直ちに、メンテナンスすることで、備わった機能をフルに発揮でき、使用者の満足感を満たすことができる。
このため、在室者の有無にかかわらず、人検知センサの故障判定を誤検出することなく行うので快適性を失うことなく、人の居る領域を区別して、在室者の状態に応じて、自動的に快適運転や省エネ運転する空気調和機を提供することができる。
実施例の空気調和機の構成図。 同空気調和機の室内機の断面図。 同空気調和機の室外機の断面図。 同空気調和機の冷媒回路図。 同室内機の冷房・除湿運転時の断面図。 同室内機の暖房運転時の断面図。 同室内機の外観斜視図。 同室内機の上下風向板を開いた外観斜視図。 同室内機に内蔵された赤外線検知装置の構成図。 同検知装置のフレネルレンズ配置図。 同検知装置の検知範囲図。 同検知装置の外観図。 同検知装置による検知区域図。 同検知装置の回路構成図。 室内に人が入室する時の動きを示す図。 図15の場合の赤外線検知装置の波形出力。 同検知装置の検知領域区分図。 領域の説明図。 同上下風向板で検知領域を区分する説明図。 同上下風向板による遠領域検知状態図。 同上下風向板による中領域検知状態図。 同上下風向板による近領域検知状態図。 鉛直面で見た上下風向板による遠近方向の検知領域区分図。 同上下風向板による床面の検知領域区分図。 左右の赤外線センサと上下風向板による検知領域区分図。
符号の説明
1 空気調和機
2 室内機
5 リモコン
6 室外機
8 接続配管
10 制御装置
14 赤外線検知装置
20 筐体
21 筐体ベース
23 化粧枠
25 前面パネル
27 空気吸込み口
29 空気吹出し口
33 室内熱交換器
34 除湿絞り装置
35 露受皿
37 ドレン配管
61 ベース
62 外箱
63 室外送風機
72 冷媒流路切換弁
73 室外熱交換器
74 冷暖房絞り装置
75 圧縮機
130 増幅器
131 コンパレータ
132 演算制御部
140 人検知センサ
140a 左人検知センサ
140c 右人検知センサ
190 上下風向板制御部
191 上側上下風向板モータ
192 下側上下風向板モータ
194 左右風向板制御部
195 左右風向板モータ
230,230′ 空気吸込み部
231,231′ フィルタ
251 可動パネル
290 吹出し風路
290a 吹出し風路上壁
290b 吹出し風路下壁
290e 吹出し風路上方拡大部
291 上側上下風向板
292 下側上下風向板
295 左右風向板
311 室内送風ファン
332 除湿加熱器
333 除湿冷却器
396 受光部
397 表示装置
410 赤外線センサ
410a〜c 赤外線センサa〜c
411 受光面
412 中心軸
415 台座
416 基板
417 フレネルレンズ
491i〜m 上側上下風向板位置i〜m
510a〜c 検知範囲a〜c
591j〜m 検知範囲j〜m
610A 検知領域A
610AC 検知領域AC
610C 検知領域C
635 送風機カバー
691J〜M 検知領域J〜M
710JA〜MC 交差検知領域JA〜MC
902 室
907 人
A〜C 領域A〜C
P〜S 人位置P〜S

Claims (2)

  1. 空気吸込み口及び空気吹出し口を有する筐体と、前記筐体内に配置された熱交換器と、室内空気を前記空気吸込み口より吸込み、前記熱交換器を通してから前記空気吹出し口より吹出す送風ファンと、前記送風ファンの吹出し風路に設けた左右風向板と、上下風向板と、赤外線センサを用いた人検知センサを有し、室内を複数の領域に区分して在室者の有無を推定する赤外線検知装置と、を備えた空気調和機において、前記人検知センサの信号を強制的に発生させる手段を備え、前記人検知センサの故障を判定する空気調和機。
  2. 請求項1の空気調和機において、前記左右風向板又は前記上下風向板を、前記人検知センサの検知範囲内で揺動させることにより、前記人検知センサの検知範囲に人が存在しない場合と前記人検知センサの故障の場合の区別を行い、前記人検知センサの故障を判定する空気調和機。
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