JP2010090079A - 透明スティック状化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】スティック状に成形するのに十分な強度を持つ透明スティック状化粧料の提供。
【解決手段】(A)5〜10質量%の特定構造のポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)10〜80質量%の水添ポリイソブテン、及び(C)(a)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、(b)50〜80mm/sの粘度を持つミネラルオイル、及び(c)オクチルメトキシシンナメートから選択される少なくとも1種を含んでなり、前記(A)、(B)及び(C)の含有量の合計が80〜100%である透明スティック状化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な増粘剤を含有する透明スティック状化粧料に関する。より詳細には、特定構造を有するポリグリセリン脂肪酸エステルからなる新規な増粘剤によって固化され、スティック状化粧料として十分な強度を持つ透明化粧料に関する。
口紅、リップグロス等の油性化粧料において、良好な使用感を保ちながら、透明感を保持したままスティック状に成型できる十分な強度で固形化することは非常に困難な技術である。従来の透明スティック状化粧料としては、12―ヒドロキシステアリン酸(特許文献1)やデキストリン脂肪酸エステル(特許文献2)といった限られた増粘物質しか用いることができなかった。従って、これらの増粘物質を含有する透明スティック状化粧品については、その欠点を補い、特性を更に改善するための様々な工夫がなされている。
例えば、特許文献3には、12−ヒドロキシステアリン酸とトリオルガノシリル基を有する非イオン性多糖類を配合することにより、高い透明性を保持しながら強度を向上させた旨の記載がある。特許文献4には、デキストリン脂肪酸エステルと、重質流動イソパラフィンと、トリ(2−イソへプチルイソウンデカン酸)グリセリル、ジ(2−へプチルウンデカン酸)グリセリル、トリオクタントリメチロールプロパン酸から選択される少なくとも1種を含有せしめる事により、塗布時のツヤが良好でのび、つき等の使用感が改善されたと記載されている。
しかし、透明スティック状化粧品の処方の幅を広げるためにも、従来の12−ヒドロキシステアリン酸やリン脂肪酸エステルに代わる増粘物質の開発が求められていた。
一方、油を固化・増粘させる物質のひとつとして、ポリグリセリン脂肪酸エステルを化粧料に配合させることも検討されおり、ポリグリセリンとベヘニン酸からなるエステルをワックス成分として化粧料に配合することが知られている(特許文献5)。しかし、ベヘニン酸のみを構成とするポリグリセリン脂肪酸エステルは、油分を固化する能力を持つものの、他のワックスと同様に結晶性が高いため不透明となってしまう。
また、特定構造を有するポリグリセリン脂肪酸エステルからなる油脂用増粘剤が提案され、少量であっても油脂に対して高い増粘効果を示し、その増粘効果は油脂の種類によらずに発揮され、各種の食用油脂への適用が検討されている(特許文献6)。
特開平1−163111号公報 特開平9−235210号公報 特開2000−204012号公報 特開2000−247834号公報 特開昭62−12708号公報 特開2007−106935号公報
しかしながら、特許文献6において、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる油脂増粘剤を化粧品に適用できることは全く示唆されておらず、さらには、透明性に関しても全く検討されていない。
よって、本発明における課題は、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルの透明スティック状化粧料としての利用可能性を検討し、新規な組成の透明スティック状化粧料を提供することにある。
上記の課題を解決すべく、本発明者等は、まず前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが少量で化粧品に用いられる各種油剤を増粘でき、条件によっては透明な組成物が得られることを確認したが、スティック状とするには強度が不足していた。また、当該増粘剤の配合量を増加させると強度は増すが、透明性が失われる場合があることも判明した。
そこで、本発明者等は鋭意検討を続けた結果、当該増粘剤の配合量を所定範囲に限定するとともに、特定の油剤を組み合わせて配合することによって十分な強度を有する透明なスティック状化粧料を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(A)5〜10質量%の特定構造のポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)10〜80質量%の水添ポリイソブテン、及び(C)(a)フェニルトリメチコンおよび/またはジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、(b)50〜80mm/sの粘度を持つミネラルオイル、及び(c)オクチルメトキシシンナメートから選択される少なくとも1種を含んでなり、前記(A)、(B)及び(C)の含有量の合計が80〜100質量%であることを特徴とする透明スティック状化粧料を提供する。
本発明の透明スティック状化粧料は、スティック状とするのに十分な強度を有する透明基剤であり、化粧品、特に透明スティック状化粧品の技術の豊富化に資するものであり、透明スティック状化粧品の処方の幅を広げることができる。
また、本発明の透明スティック状化粧料は、べたつきがなく、のびが軽いといった優れた使用感を有している。
本発明の透明スティック状化粧料で用いられるポリグリセリン脂肪酸エステル(成分A)は、平均重合度が2〜15のポリグリセリンと、炭素数が18以上の直鎖飽和脂肪酸から選択される一種又は二種以上及び炭素数が8〜12の飽和脂肪酸から選択される一種又は二種以上で構成され、構成脂肪酸のうち、炭素数が18以上の直鎖飽和脂肪酸が60%以上であり、そのエステル化率が80%以上であることを特徴とする
前記炭素数が18以上の直鎖飽和脂肪酸は、特に限定されるものでないが、炭素数22以下のものが好ましく用いられ、例えばステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等から選択され、これらの1種又は2種以上が用いられる。炭素数18未満の脂肪酸を用いた場合、あるいは炭素数18以上であっても分枝状又は不飽和の脂肪酸を用いた場合は増粘効果が十分でなくなる場合がある。このうち、ベヘン酸を用いることが特に好ましい。
前記炭素数が8〜12の飽和脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのこのうち、カプリン酸を用いることが特に好ましい。
本発明で増粘剤として使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、前記炭素数が18以上の直鎖飽和脂肪酸と、炭素数が8〜12の飽和脂肪酸の双方から構成されることを特徴とする。油分を固化させスティック状としての強度を保つため、上記構成脂肪酸のうち、炭素数が18以上の直鎖飽和脂肪酸は、構成脂肪酸全体に対するモル比率で0.3以上であることが好ましく、特に好ましくは0.6以上である。0.3未満では、スティックとしての強度が不十分になることがある。
一方、構成脂肪酸のうち、炭素数が8〜12の飽和脂肪酸は、油分との相溶性や透明性を保つために、構成脂肪酸全体に対するモル比率で0.05以上であることが好ましい。炭素数が8〜12の飽和脂肪酸が含まれないと、結晶性が高すぎ、透明に固化することができない。
前記成分(3)であるポリグリセリンとしては、グリセリンを原料として脱水縮合して得られるポリグリセリン、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。このポリグリセリンの平均重合度は2〜15であり、平均重合度が2未満では増粘効果が不十分となり、15を越えるとエステル化反応が困難となる。特に、平均重合度2〜6のポリグリセリンと平均重合度6〜11のポリグリセリンとを混合して平均重合度6〜10としたものが好ましく用いられる。
なお、上記グリセリン類以外の多価アルコール、例えばプロピレングリコール等の2価アルコールを用いると、得られるエステルによる増粘効果が十分でなくなる場合があり、ソルビトール等の6価アルコールを用いると化粧品油剤との相溶性が悪くなる場合がある。
ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンは、その平均重合度が2〜20である。ここで、平均重合度は、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)である。詳しくは、次式(式1)及び(式2)から平均重合度が算出される。
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
上記(式2)中の水酸基価とは、ポリグリセリンに含まれる水酸基数の大小の指標となる数値であり、1gのポリグリセリンに含まれる遊離ヒドロキシル基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。水酸化カリウムのミリグラム数は、社団法人日本油化学会編纂、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法(I)、1996年度版」に準じて算出される。
本発明で増粘剤として使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、70%以上である。エステル化率が高まるほど、油分の増粘効果が高まり、エステル化率が70%以上であると増粘効果が特に顕著となり、特に好ましくは、エステル化率が80%以上である。ここで、エステル化率とは、水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)、このポリグリセリンが有する水酸基数(n+2)、ポリグリセリンに付加している脂肪酸のモル数(M)としたとき、(M/(n+2))×100=エステル化率(%)で算出される値である。なお、水酸基価とは、上述の水酸基価と同様に算出される値である。
本発明で使用される上記のポリグリセリン脂肪酸エステルは、公知のエステル化反応により製造することができる。例えば、脂肪酸とポリグリセリンとを水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒の存在下におけるエステル化反応により製造することができる。
本発明で使用される増粘剤は、上記したエステル化反応によって合成してもよいが、市販されているものを用いてもよい。例えば、阪本薬品工業社から「Sフェイス BC−810」という商品名で市販されているもの(デカ(ベヘン酸/カプリン酸)ポリグリセリル−8)が特に好ましく使用できる。このポリグリセリン脂肪酸エステルは、炭素数18以上の直鎖飽和脂肪酸としてベヘン酸を、炭素数8〜12の飽和脂肪酸としてカプリン酸を用いたものである。
本発明の透明スティック状化粧料は、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は5〜10質量%、好ましくは6〜8質量%である。
配合量が5質量%より少ないと、スティック状に成形するために十分な強度が得られず、10質量%を越えて配合すると基剤が不透明になる場合がある。
本発明の透明スティック状化粧料は、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルに加えて、水添ポリイソブテン(成分B)を必須に含有する。
水添ポリイソブテンは重質流動イソパラフィンとも呼ばれ、従来から化粧品に用いられている。具体的には、イソブテンとn−ブテンとを共重合した後に水素添加して得られる炭化水素混合物である。本発明において使用される水添ポリイソブテンは、化粧品に一般に用いられているものでよく、市販品をそのまま使用することもできる。本発明に使用する重質流動イソパラフィンは、平均分子量500〜2700程度のものが好ましい。更に好ましくは、平均分子量800〜1200のものである。平均分子量500以下の重質流動イソパラフィンは高温安定性に問題があり、逆に平均分子量2700以上ではのびが重くなったり、皮膜感を生じることがある。
本発明の基剤における水添ポリイソブテンの配合量は10〜80質量%、好ましくは20〜80質量%、特に好ましくは、40〜80重量%である。配合量が10質量%より少ないと透明性やツヤが劣り、80質量%を越えて配合すると透明性やのびが劣る。
本発明の透明スティック状化粧料は、さらに、(a)フェニルトリメチコンおよび/またはジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、(b)50〜80mm/sの粘度を持つミネラルオイル、及び(c)オクチルメトキシシンナメートから選択される少なくとも1種(成分C)を含む。
(a)フェニルトリメチコンおよび/またはジフェニルシロキシフェニルトリメチコンとしては、粘度が、25℃において25mm/S以下のものが好ましく、市販品としては、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンとして市販されているKF−56(信越化学社製)や、フェニルトリメチコンとして市販されているSH556(東レ・ダウコーニング社製)が挙げられる。このうち、特に好ましいものとしては、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンである。
(b)50〜80mm/sの粘度を持つミネラルオイル(軽質流動パラフィン)、及び(c)オクチルメトキシシンナメートは、化粧品に一般に使用されているものでよく、市販品をそのまま使用できる。オクチルメトキシシンナメートを配合すると、透明性をより向上させることができる。
成分(C)のうち、(a)フェニルトリメチコンおよび/またはジフェニルシロキシフェニルトリメチコン及び(b)50〜80mm/sの粘度を持つミネラルオイルについては各々の配合量に制限はないが、(c)オクチルメトキシシンナメートに関しては、1〜10質量%の配合量とすることが好ましい。さらに、前記成分(A)及び(B)と成分(C)の配合量の合計が80〜100%であることが必要である。
また、本発明の透明スティック状化粧料は、本発明の範囲を損なわない範囲で、(A)以外の固化剤として、ワックス類(例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、などの炭化水素系ワックスや、ワセリンなど炭化水素系半固型油、ロウ等)や、ゲル化剤(12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリルやデキストリン脂肪酸エステルなど)を添加してもよいが、ワックス類については、添加により基剤が不透明化する傾向があるため、添加する場合の配合量は、好ましくは3質量%未満、より好ましくは1質量%未満とし、実質的にワックス類を配合しないのが好ましい。
本発明の化粧料は、(A)、(B)、(C)を80℃に加温して、均一に混合溶解させ、その後、スティック形状の容器に充填、冷却、固化して得ることができる。
本発明の透明スティック状化粧料は、透明であり、十分な強度を持つ固形であるという特徴を有するので、例えば、リップグロス、口紅等の油性化粧品であって、スティック状に成形して提供するタイプの化粧品の基剤として適している。
本発明の透明スティック状化粧料は、粉末成分、色材、パール剤等のメイクアップ化粧料に一般に配合される成分を適宜含んでいてもよい。ただし、透明かつ高強度という本発明の効果を損なわない範囲での配合に限られる。
色材のうち、酸化チタン、酸化鉄、紺青などの隠蔽性の高い無機着色顔料については、透明性を損なう可能性があるため、配合量は0.5%以下であることが好ましい。より透明性のある外観の製品とするためには、0.1%以下、さらには実質的に配合しないことが好ましい。
有機色材としては、通常化粧料の原料として用いられるものであればよく、例えば赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、青色404号、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等が挙げられる。有機色材については、隠蔽性がそれほど高くないため、透明な特徴を生かすために配合量としては、0.5%以下、好ましくは、0.0001〜0.1%である。
パール剤やラメ剤は、透明性を損なうことが少なく、また、キラキラとした外観や化粧効果にも優れることから、特に配合量は限定されない。むしろ、パール剤やラメ剤を配合すると、本願発明の特徴である透明性を生かしつつ、外観の意匠性や優れたメーキャップ効果を与えることができる。
パール剤やラメ剤としては、種々の公知のものを用いることができ、酸化チタン被覆マイカ、マイカを酸化鉄と酸化チタンで被覆したベンガラ酸化チタン被覆マイカ等の酸化鉄酸化チタン被覆マイカ、マイカと酸化チタン被覆層との間にシリカをはさんだ粉体等が挙げられる。マイカ以外を母材とした粉体としては、シリカフレーク上に酸化チタンなどを被覆させた粉体、合成マイカに酸化チタンを被覆した粉体、中空状の酸化チタン等が挙げられる。また、液晶構造によって発色する液晶顔料や、積層PETフィルムなどのラメ剤、ホログラム顔料、金属被覆顔料などを用いてもよく、その種類は特に制限されるものではない。
さらに、本発明の透明スティック状化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常の油性化粧料に配合される成分を配合することができる。オクチルメトキシシンナメート以外にも、他の油溶性紫外線吸収剤を配合すると、有機色材を配合した場合の安定性向上効果や、肌への紫外線防御効果を与えることができる。具体的には、4−(tert−ブチル)−4'−メトキシジベンゾイルメタンやオクトクリレン、ユビナールA PLUS(商品名)、ポリシリコン−15などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、油溶性薬剤(ビタミンAやビタミンEおよびその誘導体、アスコルビン酸誘導体など)や、分散剤などの界面活性剤を配合してもよい。
以下、具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。なお、以下の実施例、比較例及び処方例における配合量は全て質量%である。
下記の表1〜4に掲げた組成を有する組成物を調製した。得られた組成物について、以下の方法により透明性及び成形性(強度)を評価した。結果を表1及び2に併せて示す。
透明性の評価方法:
各組成物を透明樹脂容器(厚さ8mm)に充填し、当該容器を置いた台の表面に描いておいた文字(11ポイント)を組成物を介して目視したときの文字の読み取り易さによって評価した。
評価基準
◎:極めて良好に読み取れる。
○:良好に読み取れる。
△:読み取れるが、ぼやける箇所がある。
×:読み取れない。
成型性の評価方法:
成形性については、硬度と繰り出し容器に充填したときの製剤のくずれを評価した:
硬度測定:
各試料について、以下の手順で硬度を測定した。試料を、80℃〜90℃に加熱、溶融した後、小型軟膏瓶(内径30mm,深さ17.62mm)に約8分目位入れ(深さ10 mmで約7.7mL)、室温にて一昼夜静置した。その後、不動工業株式会社製レオメーター(型式NRM−3002D)を用い、30℃に1時間静置した試料を、感圧軸3φ、評価スケール200g荷重、測定台を2cm/minの速度で上昇させで測定を行った。
製剤のくずれの評価:
試料を80℃〜90℃に加熱、溶融した後、内径9mmの樹脂製繰り出し容器に充填し、室温にて1昼夜静置し固化させ。その後、30℃に1時間静置した試料について、容器から、2mm繰り出した状態で、皮膚に塗布し、塗布時や繰り出し時の試料のくずれがないか確認した。
評価基準
◎:容器から繰り出したときや塗布時に製剤のくずれがほとんどなく、かつ硬度が45以上である
○:容器から繰り出したときや塗布時に製剤のくずれがほとんどなく、かつ硬度が30以上45未満である
△:容器から繰り出したときや塗布時に製剤が少しくずれることがある。または、容器から繰り出したときや塗布時に製剤のくずれがほとんどないが、硬度が20以上30未満である
×:容器から繰り出したときや塗布時に製剤の大きな崩れがある、または、硬度が20未満である
なお、下記表における「ポリグリセリン脂肪酸エステル」は、阪本薬品工業社から「Sフェイス BC−810」という商品名で市販されているデカ(ベヘン酸/カプリン酸)ポリグリセリル−8であり、「ミネラルオイル」は、50〜80mm/sの粘度を持つ軽質流動パラフィンである。
次に、ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量を変化させて、下記表5に掲げた組成を有する組成物を調製した。得られた組成物について、上記と同様の方法により透明性及び成形性(強度)を評価した。結果を表5に併せて示す。
上記表1〜5に示した結果から明らかなように、ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量が5質量%未満であると、透明性は優れているがスティック状に成型するには強度が不十分となり(比較例5)、ポリグリセリン脂肪酸エステルを10質量%を越えて配合すると、強度は問題ないが透明性が低下する(比較例6)。
一方、5〜10質量%(例えば7質量%)のポリグリセリン脂肪酸エステルを水添ポリイソブテンのみに配合した場合は、優れた強度を示すが基剤が透明とはならず(比較例1)、それにフェニルトリメチコン、ミネラルオイル又はオクチルメトキシシンナメートの1種又は2種以上を配合することによって、透明性に優れ十分な強度を有する基剤が得られた(実施例1〜18)
その結果、表6及び7中のいずれの油分もゲル化や、増粘するものの、ポリグリセリン脂肪酸エステルが5%と少ない場合でも不透明となることが多い。また、やや透明となる組成が得られる場合はあるものの、スティック形状とするには成型性が不十分であった。一方、ポリグリセリン脂肪酸エステルを増量した場合、成型性は改善されるものの、透明性が損なわれてしまう(表4、比較例1〜3)。このことから、本発明で用いるポリグリセリン脂肪酸エステルは、さまざまな油分をゲル化する能力はあるものの、本発明の目的である透明かつスティック状に求められる成形性を実現するには、限られた特定の油分を組合せることが重要であることがわかる。
(処方例1)
透明リップスティック:
配合成分 配合量(質量%)
ポリグリセリン脂肪酸エステル 8
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 43.749
水添ポリイソブテン 43
オクチルメトキシシンナメート 2
カルシウムステアレート 0.05
4−(tert−ブチル)−4'−メトキシジベンゾイルメタン 0.1
水素添加大豆リン脂質 0.1
赤色202号 0.001
雲母チタン 3
(処方例2)
透明リップスティック:
配合成分 配合量(質量%)
ポリグリセリン脂肪酸エステル 5
12−ヒドロキシステアリン酸 5
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 44.749
水添ポリイソブテン 45
カルシウムステアレート 0.05
パルソール1789 0.1
水素添加大豆リン脂質 0.1
赤色201号 0.001

Claims (3)

  1. (A)5〜10質量%のポリグリセリン脂肪酸エステル、
    (B)10〜80質量%の水添ポリイソブテン、及び
    (C)(a)フェニルトリメチコンおよび/またはジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、
    (b)50〜80mm/sの粘度を持つミネラルオイル、及び
    (c)オクチルメトキシシンナメートから選択される少なくとも1種を含んでなり、
    前記(A)、(B)及び(C)の含有量の合計が80〜100質量%であり、
    前記(A)ポリグリセリン脂肪酸エステルが、
    平均重合度が2〜15のポリグリセリンと、炭素数が18以上の直鎖飽和脂肪酸から選択される一種又は二種以上及び炭素数が8〜12の飽和脂肪酸から選択される一種又は二種以上で構成され、そのエステル化率が80%以上であることを特徴とする透明スティック状化粧料。
  2. 前記炭素数が18以上の直鎖飽和脂肪酸がベヘン酸であり、炭素数が8〜12の飽和脂肪酸がカプリン酸であることを特徴とする、請求項1に記載の透明スティック状化粧料。
  3. 実質的に、ワックスを含有しないことを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の透明スティック状化粧料。
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