JP5237195B2 - 油性固形化粧料 - Google Patents
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また、ポリエチレンワックス(平均分子量300〜700)と構造中に1個の−OH基を有する液状油(ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル)とを含有し、発色性、「のび」、「つや」、「化粧持ち」などに優れた口紅用組成物が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
口紅などのスティック状の油性固形化粧料では、形状保持特性を改良し折損強度を高めるために、固形化剤の含有量を増加して硬度を高めると、「のび」、「すべり」、「つき」、「しっとり感」などの実用特性が劣るなどの問題が生じていた。そこで、形状保持特性と実用特性の両方に優れたスティック状の化粧料が求められていた。
1.前記(a)硬化ヒマシ油とダイマー酸とのオリゴマー数平均分子量;2000〜7000、水酸基価;40〜90、粘度;1000〜5000(mPa・s、60℃)と、(b)マイクロクリスタリンワックスと、(c)ポリエチレンワックス及び/またはセレシンと、(d)水酸基を少なくとも1個有するヒドロキシ化合物と、(e)IOB値が0.1〜0.4である液状エステル油とを含有することを特徴とする油性固形化粧料。
2.また、(b)成分の融点が70〜85℃、(c)成分のポリエチレンワックスの融点が80〜105℃、セレシンの融点が70〜80℃、(d)成分の水酸基価が50〜185、(e)成分の粘度が10〜180(mPa・s、25℃)である1に記載の油性固形化粧料。
3.更に、(a)成分を3〜25質量%と、(b)成分を3〜12質量%と、(c)成分を6〜12質量%と、(d)成分を15〜35質量%と、(e)成分を35〜55質量%とを含有する1または2に記載の油性固形化粧料。
4.更にまた、(d)成分が、イソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、オクチルドデカノール、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、デシルテトラデカノール、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2、リンゴ酸ジイソステアリル、イソステアリン酸水添ヒマシ油の少なくとも1種であり、
(e)成分が、エチルヘキサン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ネオペンタン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリエチルヘキサノイン、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリンの少なくとも1種である1ないし3のいずれかに記載の油性固形化粧料。
を提供する。
リソカスタDA−L(DA−Lと省略記載する)水酸基価;70〜90、粘度;1000〜2500未満(60℃)
リソカスタDA−H(DA−Hと省略略記する)水酸基価;40〜70未満、粘度;2500〜5000(60℃)
本発明の固形化粧料中での含有量は、3〜25質量%(以下、%と略記する)が好ましく、3%未満では抱水特性、実用特性(「しっとり感」)に劣り、25%を超えては「べたつき感」が生じる。
(c)成分のポリエチレンワックスは、融点が85〜105℃のものが好ましい。ポリワックス500(東洋ペトロライト)、ポリワックス655(東洋ペトロライト)、ポリワックス725(東洋ペトロライト)が挙げられる。
例えばこれらのリップクリーム基剤と色素、着色顔料、体質顔料、パール剤など各種メイクアップ化粧料に通常利用されている色材とを含有することによって、口紅、ファンデーション、ほほ紅などの油性固形化粧料を調製することが可能である。更に、通常利用されている酸化防止剤、防腐剤、紫外線吸収剤、香料、冷感剤、消炎剤、有機粉体、精製水などを含有することも可能である。
(1)試験例の試料の調製方法
本発明に用いる、(b)、(c)成分の固形化剤と、(a)成分、(d)成分、(e)成分の液状油剤との固形物を調製し、硬度、発汗量、結晶状態などを評価して、表6〜表9に記載した。所定量の原料成分を95〜105℃に加熱し均一に溶解した後容器に流し込み、5〜10℃の冷水で冷却して固形物の試料を調製した。尚、固形化剤の液状油剤中での含有量は5〜20%とし、固形物の硬度が0.2N〜0.7N(25℃)の範囲となるように成分を調整した。
(2)実施例、比較例の試料の調製方法
(イ)所定量の原料成分を前記(1)と同様に加熱し均一に溶解し、金属成型金型に流し込み、5〜10℃の冷水に25℃迄冷却して、オジーブ状の固形物(スティック)である試料を調製した。このスティックを通常の口紅容器の受皿に挿入し固定した。
(ロ)所定量の原料成分を同様に加熱し均一に溶解し、溶解液を繰り出し容器の中に直接流し込み、5〜10℃の冷風で25℃迄冷却した。
試験例、実施例、比較例の試料を下記の方法にて測定或いは観察して評価した。
(1)抱水特性
35℃に保温した容器に液状油、実施例などの試料(35℃)を10g秤量した。これに35℃の精製水を滴下して攪拌し練り込み、水が均一に混合出来なくなった時点で終了とした。25℃で24時間保存した後、測定した増水量と開始時の試料重量との比率を抱水量(%)として算出し、この抱水量で評価した。抱水量が80%以上のものは「◎」、60%以上80%未満のものは「○」、60%未満のものは「△」で評価結果を表示した。単品原料の抱水量は表5の通りであった。
(イ)硬度(針入硬度)
固形物などの試料を25℃で12時間保存した後、硬度計EZ−Test−20N(島津製作所社製)を用いて測定した(25℃)。針径1.0mmφ、試験速度10mm/minの条件下で針入深度10mmの応力値(N)を測定し、最大値を硬度とした。
(ロ)折損強度
(イ)の硬度測定に用いた硬度計で測定した。金型で成型したオジーブ状のスティック(直径12.5mm)を繰り出し容器(通常の口紅容器)の受皿に挿入し、25℃で12時間以上保存した。スティック容器を水平に固定し、荷重用の治具を繰り出したステイックの受皿の端より10mmの位置でスティックの側面に合わせ、スティックの温度25℃、速度50mm/minの条件で荷重した。折損時の応力(N)を測定し、最大値を折損強度とした。尚、市販品ではオジーブタイプ、直接充填タイプの2種のスティックを適用した。折損強度(25℃)が2.0N〜2.5N未満のものは「○」、1.8N〜2.0N未満、2.5N〜2.8N未満のものは「△」、1.8N未満、2.8N以上のものは「×」で評価結果を表示した。
試料を45℃の恒温室で15〜60分間保存し、固形物の表面に析出する液滴を観察した。液滴が認められないもの「○」、わずかに認められるもの「△」、多く明らかに認められるもの「×」で評価結果を表示した。
外観の目視観察の評価と合わせて光学顕微鏡BX−51(オリンパス光学工業社製)を用い1000倍に拡大した結晶状態を観察した。
従来の偏光顕微鏡と比較して、結晶状態を鮮明に観察することが可能である。
パネルメンバー女子20名による、1週間〜1ヶ月間の実用試験を、塗布時の「かたさ」、「のび」、「すべり」、「つき」、「つや」、「しっとり感」などの特性について実施した。その後の評価点を集計し、良いと判定された人数が16名以上は「◎」、12〜15名は「○」、6〜11名は「△」、5名以下は「×」とした。
表7〜表10に固形化剤(5%〜20%)と(a)、(d)、(e)成分との固形物を調製し、硬度(25℃)、発汗量(45℃)、結晶状態を評価した結果を記載した。
また、固形化剤である(b)、(c)成分のMW、CE、PEの含有比率は1.0:0.2:0.3〜1.0:2.0:2.5である場合は結晶状態が均一緻密となり、また(d)成分は20〜35%、(e)成分は40〜50%の場合に形状保持特性、発汗防止特性、更には実用特性などに優れていることは明らかである。
Claims (4)
- (a)硬化ヒマシ油とダイマー酸とのオリゴマー(数平均分子量;2000〜7000、水酸基価;40〜90、粘度;1000〜5000(mPa・s、60℃))を3〜25質量%と、(b)マイクロクリスタリンワックスを3〜12質量%と、(c)ポリエチレンワックス及び/またはセレシンを6〜12質量%と、(d)イソステアリン酸水添ヒマシ油、イソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノールから選択される少なくとも1種の、水酸基を少なくとも1個有するヒドロキシ化合物を15〜35質量%と、(e)IOB値が0.1〜0.4である液状エステル油を35〜55質量%とを含有することを特徴とする油性固形化粧料であって、
(e)成分の液状エステル油が、
粘度が30mPa・s未満である液状エステル油少なくとも1つ、および
粘度が40mPa・sを超える液状エステル油少なくとも1つ
を含み、(e)成分の粘度が10〜180(mPa・s、25℃)である
ことを特徴とする、
前記油性固形化粧料。 - (b)成分の融点が70〜85℃、(c)成分のポリエチレンワックスの融点が80〜105℃、セレシンの融点が70〜80℃、(d)成分の水酸基価が50〜185、(e)成分の粘度が10〜180(mPa・s、25℃)である請求項1に記載の油性固形化粧料。
- (e)成分の粘度が20〜90(mPa・s、25℃)である、請求項1または2に記載の油性固形化粧料。
- (e)成分が、エチルヘキサン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ネオペンタン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリエチルヘキサノイン、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリンの少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか一項に記載の油性固形化粧料。
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