JP7022535B2 - 油性化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、油性化粧料に関する。
従来、油性化粧料においては、なめらかな感触を得るために、種々のポリマーが配合されている。例えば、特許文献1には、特定の分子量の(スチレン-イソプレン)ジブロック共重合体を含有する油性口唇化粧料が、糸曳きを生じず、滑らかな感触が持続することが記載されている。
特開2009-155285号公報
しかしながら、従来の油性化粧料は、密着性や仕上がりの持続の点で、十分満足できるものではなかった。
本発明の目的は、塗布直後に違和感がなく、密着性に優れ、その仕上がりが持続する油性化粧料を提供することにある。
本発明者らは、特定のジブロックコポリマーと液状油を併用することにより、塗布直後に違和感がなく、密着性に優れ、その仕上がりが持続する油性化粧料が得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)スチレン-イソプレン及びスチレン-エチレンプロピレンから選ばれる1種又は2種以上のジブロックコポリマーであって、スチレンの体積分率が5~26体積%であるジブロックコポリマー 0.1~40質量%、
(B)25℃で液状の油成分 0.5~99質量%
を含有する油性化粧料に関する。
本発明の油性化粧料は、塗布直後に違和感がなく、密着性に優れ、仕上りが持続するものである。
本発明で用いる成分(A)のジブロックコポリマーは、スチレン-イソプレン及びスチレン-エチレンプロピレンから選ばれるものである。中でも、スチレン-イソプレンジブロックコポリマーが好ましい。
成分(A)のジブロックコポリマーは、油性化粧料の粘弾性測定において、法線応力を発現し、塗布直後の違和感が抑制され、唇や肌への密着性に優れ、唇を擦り合せた時の仕上りが持続し、飲食時に油性化粧料が水に濡れても仕上がりが低下しない点から、スチレンの体積分率が5~26体積%であり、7~23体積%が好ましく、8~20体積%がより好ましい。なお、成分(A)に含まれる2以上のジブロックコポリマーを用いる場合、それら混合物のスチレンの体積分率は、それぞれの混合割合の加重平均値で示される。また、任意成分として、成分(A)で規定するスチレンの体積分率の範囲に含まれないジブロックコポリマーを配合することもできるが、そのスチレンの体積分率は、加重平均値には含めない。
ここで、スチレンの体積分率は、H-NMRのピークの面積比により求められる。
また、成分(A)のジブロックコポリマーは、油性化粧料の粘弾性測定において、法線応力を発現し、塗布直後の違和感が抑制され、唇や肌への密着性に優れ、唇を擦り合せた時の仕上りが持続し、飲食時に油性化粧料が水に濡れても仕上がりが低下しない点から、質量平均分子量が25万~150万であるのが好ましく、40万~130万がより好ましく、70万~120万がさらに好ましい。
ここで、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる。
成分(A)のジブロックコポリマーは、公知の方法に従って、製造することができる。
成分(A)は、1種又は2種以上を用いることができ、塗布直後の違和感が抑制され、唇や肌への密着性に優れ、唇を擦り合せた時の仕上りが持続し、飲食時に油性化粧料が水に濡れても仕上がりが低下しない点から、含有量は、全組成中に0.1質量%以上であり、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、40質量%以下であり、30質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に0.1~40質量%であり、1~30質量%が好ましく、3~15質量%がより好ましい。
本発明で用いる成分(B)の25℃で液状の油成分は、25℃で流動性を有する油性成分であり、流動性を有する限りペースト状の油性成分も含まれる。
かかる(B)25℃で液状の油成分としては、通常の化粧料に用いられるものであれば良く、例えば、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、ミネラルオイル、ポリブテン、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐の炭化水素油;アボガド油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、パーム油、ヤシ油、ヒマシ油、ホホバ油、ヒマワリ油、ツバキ油、トウモロコシ油等の植物油;液状ラノリン等の動物油;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸オレイル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソステアリル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、パルミチン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチル、メトキシケイ皮酸オクチル、酢酸トコフェロール、炭酸プロピレン、リンゴ酸ジイソステアリル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸プロパンジオール、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジ(カプリン酸/カプリル酸)プロパンジオール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリエチルヘキサノイン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリット、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、イソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、テトライソステアリン酸ポリグリセリル-2、オクタカプリル酸ポリグリセリル-6、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパンオリゴエステル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、イソステアリン酸トレハロースエステルズ、テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、フィトステロール脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、dl-α-トコフェロール、ニコチン酸dl-α-トコフェロール等の脂肪酸エステル;オクチルドデカノール等の高級アルコール;アルキル-1,3-ジメチルブチルエーテル、ジカプリリルエーテル、ジカプリリルエーテル等のエーテル油;ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン、トリス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油;クリーム状やペースト状として、トリラノリン脂肪酸グリセリル、軟質ラノリン脂肪酸、ワセリン、分岐又はヒドロキシル化した脂肪酸コレステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット等)、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、乳酸ミリスチル、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、ダイマージリノール酸(フィトルテリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、オレイン酸フィトステリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等が挙げられる。
成分(B)の油成分としては、唇を擦り合せた時の感触が良好で、塗布直後の違和感がない点から、エステル油、アルコール油、エーテル油、炭化水素油及びシリコーン油から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
また、成分(A)の溶解性の点から、エステル油、アルコール油、エーテル油及び炭化水素油から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、少なくともエステル油を含有するのが好ましい。
また、成分(B)としては、塗布後時間が経過しても、違和感や化粧よれを抑える点から、エステル油及びシリコーン油を含有するのが好ましい。
シリコーン油としては、化粧よれを抑える点から、25℃の粘度が5mPa・s以上である直鎖シリコーン油が好ましい。
かかる直鎖シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられ、長時間経過後においても化粧よれを抑制する点から、直鎖ジメチルポリシロキサンが好ましい。
ここでの粘度は、25℃において、B型粘度計(TVB-10型・東機産業社製)測定条件:ローターNo.1、60rpm、1分間)により測定される。
25℃の粘度は、違和感を抑え、長時間経過後においても化粧よれを抑制する点から、5~10000mPa・sがより好ましく、10~10000mPa・sがさらに好ましい。
シリコーン油は、1種又は2種以上を用いることができ、違和感を抑え、長時間経過後においても化粧よれを抑制する点から、含有量は、全組成中に0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましい。また、シリコーン油の含有量は、全組成中に0.5~20質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましく、2~8質量%がさらに好ましい。
成分(B)として、25℃の粘度が5mPa・s以上である不揮発性の直鎖シリコーン油を含有する場合、成分(B)に対する25℃の粘度が5mPa・s以上である不揮発性の直鎖シリコーン油の質量割合(25℃の粘度が5mPa・s以上である不揮発性の直鎖シリコーン油/(B))は、違和感を抑え、長時間経過後においても化粧よれを抑制する点から、0.01以上であるのが好ましく、0.02以上がより好ましく、0.03以上がさらに好ましく、0.3以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.1以下がさらに好ましい。また、成分(B)に対する25℃の粘度が5mPa・s以上である不揮発性の直鎖シリコーン油の質量割合(25℃の粘度が5mPa・s以上である不揮発性の直鎖シリコーン油/(B))は、0.01~0.3が好ましく、0.02~0.2がより好ましく、0.03~0.1がさらに好ましい。
成分(B)は、1種又は2種以上を用いることができ、成分(A)の溶解性に優れ、油性化粧料の粘弾性測定において、法線応力を発現し、唇を擦り合せた時の感触が良好で、塗布直後の違和感がない点から、含有量は、全組成中に0.5質量%以上であり、5質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、99質量%以下であり、96質量%以下が好ましく、94質量%以下がより好ましい。また、成分(B)の含有量は、全組成中に0.5~99質量%であり、5~96質量%が好ましく、30~94質量%がより好ましい。
本発明において、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)は、油性化粧料の粘弾性測定において、法線応力を発現し、塗布直後の違和感が抑制され、唇や肌への密着性に優れ、唇を擦り合せた時の仕上りが持続し、飲食時に油性化粧料が水に濡れても仕上がりが低下しない点から、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.03以上がさらに好ましく、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.15以下がさらに好ましい。また、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)は、0.01~0.5が好ましく、0.02~0.3がより好ましく、0.03~0.15がさらに好ましい。
さらに、本発明の油性化粧料は、25℃で固形のワックスを含有することができる。25℃で固形とは、25℃において固体の性状を示し、融点が61℃以上のものを指す。
25℃で固形のワックスとしては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス、木ロウ、サンフラワーワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス;シリコーンワックス、合成ミツロウ等の合成ワックス;脂肪酸、高級アルコール及びこれらの誘導体が挙げられる。なかでも、セレシン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックスが好ましい。
これらのワックスは、適度な硬さを付与し、唇や肌への塗布性、密着性に優れる点から、融点50℃以上、140℃以下のものが好ましく、60℃以上、110℃以下がより好ましい。
また、唇や肌への密着性に優れる点から、25℃での針入度が0.1以上、110以下の25℃で固形の油性成分を含むことが好ましい。
ここで、針入度は、25±0.1℃に保ったワックスの試料に、規定の針(針の質量2.5±0.02g、針保持具の質量47.5±0.02g、おもりの質量50±0.05g)が、5秒間に針入する長さを測定し、その針入距離(mm)を10倍した値を針入度とするものであり、JIS K-2235-5.4(1991年)に準じて測定した値である。
25℃で固形のワックスは、1種又は2種以上を用いることができ、適度な硬さを付与し、唇や肌への塗布性、密着性に優れる点から、含有量は、全組成中に0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。また、25℃で固形のワックスの含有量は、0.01~30質量%が好ましく、0.1~20質量%がより好ましく、1~10質量%がさらに好ましい。
さらに、本発明の油性化粧料は、着色顔料を含有することができる。
着色顔料としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、紺青、群青、酸化クロム、水酸化クロム等の金属酸化物;マンガンバイオレット、チタン酸コバルト等の金属錯体;更にカーボンブラック等の無機顔料;赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色405号、赤色505号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色401号、青色1号、青色404号等の合成有機顔料;β-カロチン、カラメル、パプリカ色素等の天然有機色素などが挙げられる。
これらの着色顔料は、通常の方法により、撥水処理、撥水・撥油化処理等の各種表面処理を施したものを用いることもできる。
着色顔料は、1種又は2種以上を用いることができ、唇や肌への審美性を与える点から、含有量は、全組成中に0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下がさらに好ましい。また、着色顔料の含有量は、0.001~20質量%が好ましく、0.01~10質量%がより好ましく、0.1~7質量%がさらに好ましい。
本発明の油性化粧料は、更に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、前記以外の油性成分、前記以外の粉体、前記以外の高分子化合物、界面活性剤、低級アルコール、多価アルコール、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料、防汚剤、保湿剤、水等を含有することができる。
本発明の油性化粧料は、通常の方法により、製造することができ、固形状、非固形状のいずれのものにもすることができる。例えば、口紅、リップクリーム、リップグロス、リップライナー等の口唇化粧料として好適である。
また、本発明の油性化粧料は、粘弾性測定において、法線応力を示すものである。法線応力とは、材料にせん断を与えた際に、せん断面に垂直方向に発生する面を押し広げるように働く応力である。具体的には、化粧料をガラスシャーレ中でスパチュラを用いて押しつぶし、ダマがなくなるまで、練りまぜた後、応力制御型レオメーター(例えば、アントンパール社製、MCR-301)を用い、直径25mmコーンプレート(CP25-2)、30℃にて、ずり速度0.001s-1から1000s-1までの間を、対数軸で等分して19点を低ずり速度側から測定するとき、ずり速度1000s-1までに10Pa以上の第1法線応力差N1を示す。
本発明においては、塗布直後の違和感が抑制、唇や肌への密着性に優れ、唇を擦り合せた時の仕上りが持続し、飲食時に油性化粧料が水に濡れても仕上がりが低下しない点から、200s-1のずり速度下おいて測定された第一法線応力差N1の値が、10~10000Paであるのが好ましく、100~8000がより好ましく、200~6000がさらに好ましい。
製造例1
(スチレン-イソプレンジブロックコポリマー(以下、PS-b-PIとも記す)の合成)
ナトリウム(ナカライテクス社製)を入れたフラスコに2Lのトルエン(キシダ化学社製)を入れ、ドライアイス/メタノール寒剤で冷やしながら、真空引きをして脱気処理を行った。
第一モノマーとして、イソプレン(ナカライテクス社製)230mLに、8mLのsec-ブチルリチウムのシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液(関東化学社製、1.0mol/L)を加えて、液体窒素で凍結ののち真空引きをした。これを室温まで温めて解凍した。この操作を繰り返す凍結解凍法で脱気処理を行った。
第二モノマーとして、スチレン(ナカライテクス社製)46mLに、塩化tert-ブチルマグネシウムのテトロヒドロフラン溶液(関東化学社製、1.0mol/L)8mLを加えて精製するとともに、上記の凍結解凍法で脱気処理を行った。
次に、フラスコに上記の脱水処理をしたトルエンを蒸留法で移送したのち、開始剤として上記と同じsec-ブチルリチウムのシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液0.23mLを注入した。さらに、イソプレンを投入し、室温で12時間攪拌を続けた。次いで、スチレンを投入し、室温でさらに12時間攪拌を続けたのち、メタノールとトルエンの混合溶媒10mLを注入し、反応を停止した。反応溶液をメタノールに滴下する再沈殿法でブロックポリマーを単離し、真空乾燥を行った。
得られたPS-b-PIの構造解析をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法および、核磁気共鳴スペクトル(NMR,200MHz)法で行った。質量平均分子量は1,119,000と測定された。また、ポリスチレンの体積分率は18.6%であった。
製造例2
第一モノマーとしてイソプレン130mL、第二モノマーとしてスチレン11mL、開始剤としてsec-ブチルリチウムのシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液を0.12mL用いる以外は製造例1と同じ操作をおこなった。
得られたPS-b-PIの質量平均分子量は908,000と測定された。また、ポリスチレンの体積分率は8.2%であった。
製造例3
第一モノマーとしてイソプレン240mL、第二モノマーとしてスチレン40mL、開始剤としてsec-ブチルリチウムのシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液を0.37mL用いる以外は製造例1と同じ操作をおこなった。
得られたPS-b-PIの質量平均分子量は640,000と測定された。また、ポリスチレンの体積分率は16.2%であった。
製造例4
第一モノマーとしてイソプレン83.5mL、第二モノマーとしてスチレン15.4mL、開始剤としてsec-ブチルリチウムのシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液を0.15mL用いる以外は製造例1と同じ操作をおこなった。
得られたPS-b-PIの質量平均分子量は440,000と測定された。また、ポリスチレンの体積分率は16.6%であった。
製造例5
第一モノマーとしてイソプレン100mL、第二モノマーとしてスチレン10mL、開始剤としてsec-ブチルリチウムのシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液を0.18mL用いる以外は製造例1と同じ操作をおこなった。
得られたPS-b-PIの質量平均分子量は520,000と測定された。また、ポリスチレンの体積分率は9.8%であった。
製造例6
第一モノマーとしてイソプレン81mL、第二モノマーとしてスチレン12.5mL、開始剤としてsec-ブチルリチウムのシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液を0.13mL用いる以外は製造例1と同じ操作をおこなった。
得られたPS-b-PIの質量平均分子量は360,700と測定された。また、ポリスチレンの体積分率は15%であった。
製造例7
第一モノマーとしてイソプレン77mL、第二モノマーとしてスチレン16.5mL、開始剤としてsec-ブチルリチウムのシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液を0.2mL用いる以外は製造例1と同じ操作をおこなった。
得られたPS-b-PIの質量平均分子量は297,000と測定された。また、ポリスチレンの体積分率は19.6%であった。
製造例8
第一モノマーとしてイソプレン95mL、第二モノマーとしてスチレン55mL、開始剤としてsec-ブチルリチウムのシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液を0.19mL用いる以外は製造例1と同じ操作をおこなった。
得られたPS-b-PIの質量平均分子量は655,000と測定された。また、ポリスチレンの体積分率は37.9%であった。
製造例9
第一モノマーとしてイソプレン63mL、第二モノマーとしてスチレン33mL、開始剤としてsec-ブチルリチウムのシクロヘキサン/n-ヘキサン溶液を0.2mL用いる以外は製造例1と同じ操作をおこなった。
得られたPS-b-PIの質量平均分子量は429,498と測定された。また、ポリスチレンの体積分率は33%であった。
製造例10
(スチレン-エチレンプロピレンジブロックコポリマーの合成)
製造例3で得られたPS-b-PIについて、Registerら,Macromolecules, 1998, vol 31, 201-204.の文献に記載の方法に従って、アルミ・ニッケル触媒でイソプレン部を水添した。
実施例1~10及び比較例1~3
表1に示す組成の液状口紅を製造し、第1法線応力差N1を測定するとともに、塗布直後の違和感のなさ、塗布直後の唇と化粧料の密着性、唇を擦り合わせたときの仕上がりの持続性、飲食後の仕上がりの持続性を評価した。結果を表1に併せて示す。
(製造方法)
色材以外の基剤原料を加熱溶解して均一に混合した。これに色材原料を加え、加熱状態でディスパーザーにて均一に分散させ、脱泡した後、ディッピング容器に流し込んで、液状口紅を得た。
(評価方法)
(1)第一法線応力差測定:
各液状口紅について、レオメーター(MCR301;アントンパール社製)によりせん断粘度を測定した。冶具はφ25mm。せん断速度が200s-1時の第一法線応力差を読み取った。
(2)塗布直後の違和感のなさ、唇と化粧料の密着性:
専門パネラー10名により、各液状口紅を唇へ塗布して5分後の違和感のなさ、唇と口紅の密着性を官能評価した。結果を、良好であると評価したパネラーの人数で示した。
(3)唇を擦り合わせたときの仕上がりの持続性:
専門パネラー10名により、各液状口紅を唇へ塗布した後、塗布したまま唇を30回すり合わせ、その後の口紅の仕上がりの残り具合を官能評価した。結果を、良好であると評価したパネラーの人数で示した。
(4)飲食後の仕上がりの持続性:
専門パネラー10名により、各液状口紅を唇へ塗布した後、紙コップで水を2口飲み、その後の口紅の仕上がりの残り具合を官能評価した。結果を、良好であると評価したパネラーの人数で示した。
Figure 0007022535000001
実施例11
表2に示す組成の液状口紅を製造し、実施例1~10と同様にして、第1法線応力差N1を測定した。結果を表2に併せて示す。
また、得られた液状口紅について、塗布直後の違和感のなさ、塗布直後の唇と化粧料の密着性、唇を擦り合わせたときの仕上がりの持続性、飲食後の仕上がりの持続性を評価したところ、いずれも良好であった。
(製造方法)
色材以外の基剤原料を加熱溶解して均一に混合した。これに色材原料を加え、加熱状態でディスパーザーにて均一に分散させ、脱泡した後、ディッピング容器に流し込んで、液状口紅を得た。
Figure 0007022535000002

Claims (5)

  1. 次の成分(A)及び(B):
    (A)スチレン-イソプレンジブロックコポリマーであって、スチレンの体積分率が5~26体積%であるジブロックコポリマー 0.1~40質量%、
    (B)25℃で液状の油成分 0.5~99質量%
    を含有する油性化粧料。
  2. 成分(A)のジブロックコポリマーが、質量平均分子量25万~150万である請求項1記載の油性化粧料。
  3. 成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、0.01~0.5である請求項1又は2記載の油性化粧料。
  4. 200s-1のずり速度において測定された第一法線応力差N1の値が、10~10000Paである請求項1~3のいずれか1項記載の油性化粧料。
  5. 口唇化粧料である請求項1~4のいずれか1項記載の油性化粧料。
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