JP2010087270A - 発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】GaP厚膜の成長を伴う発光素子において、従来のバルク型活性層の長寿命、低抵抗という利点を維持しつつ、多重活性層型発光素子の持つ長寿命と高い発光効率(特に内部量子効率)を両立させた発光素子を提供する。
【解決手段】少なくとも、p型クラッド層と少なくとも3層以上の活性層と少なくとも2層以上の障壁層とn型クラッド層とを有するAlGaInPからなる発光層を有する化合物半導体基板を用いて製造された発光素子であって、前記障壁層は、前記活性層よりバンドギャップが同じか大きく、且つ前記n型クラッド層及び前記p型クラッド層よりバンドギャップが同じか小さく、障壁層は前記n型クラッド層に近い側の障壁層に比べてp型クラッド層に近い側の方がバンドギャップが同じか小さく、前記p型クラッド層に最も近い障壁層は、前記n型クラッド層に最も近い障壁層に比べてバンドギャップが小さいものであることを特徴とする発光素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、照明や表示機の光源となる有色の発光素子に関し、具体的には多重の活性層を有する発光素子に関するものである。
AlGaInPを発光層に持つ発光素子は、従来の有色の発光素子に比べて1桁以上明るいため、車載照明やLCDバックライトなど従来の発光ダイオードとは異なる用途で需要が拡大している。これはAlGaInPが直接遷移型であるということも寄与しているが、透明かつ厚い窓層を設けることで外部量子効率を高めていることも明るくなっている要因にある。
厚い透明導電層を基板及び窓層に設けるとともに、内部量子効率を高めるため多重量子井戸(MQW)を設けることで発光効率を高めることができることが、例えば非特許文献1などに示されている。
ここで、AlGaInP系発光素子ではAlGaAs若しくはGaPが窓層として用いられる。しかしAlGaAs層は、水分に対して劣化するという特性上の問題があり、一般的にはGaPが窓層に用いられている。
しかしながら、厚いGaP窓層を設けるためには、AlGaInPからなる発光層に直接GaP基板を接合するか、GaPの厚膜を結晶成長しなければならない。GaP基板を直接接合する方法では、例えば特許文献1に示されているようにGaPとの接合界面で障壁層が生じる問題があり、これを回避するために、長時間かつ高温の熱処理が必要となる。
また、窓層は発光層の一方の面に設けても発光効率の向上に有効であるが、更に他方の面、すなわち発光層の上下に設けた方がより外部量子効率が高まることが知られている。
この場合、他方の窓層も、貼り合わせ、若しくは結晶成長によって形成されることになるが、発光層を形成する際に下地として用いたGaAs基板は光吸収層として機能するため、窓層形成前にGaAs基板を除去する必要がある。
ところで、発光素子に必要なAlGaInP系材料からなる層構造では、一般にはGaAs基板上にMOVPE法で気相成長させる。しかし、その総膜厚はせいぜい10μm前後である。
AlGaInP系とGaAs系は格子整合系ながら、選択エッチング法の利用が可能であり、そのため、選択エッチングに要する層を適切にGaAs基板とAlGaInP層との間に挿入することでGaAs基板をきれいに除去することができる。
ただし、発光に必要な発光層を作るために必要なAlGaInP系材料の総膜厚はせいぜい10μm程度であり、発光層のみの状態でGaAs基板を除去すると、残存ウエハの膜厚は当然10μm程度である。このような10μm前後の膜厚のウエハは実験的にはハンドリングは可能だが、割れやすく、工業的な工程を通すために必要な機械的強度は有しない。
そこでGaAs基板の除去前に、機械的強度を保つための強度保持板(あるいは強度保持ウエハ)を、発光層の最表面側に貼り付けてからGaAs基板を除去する方法も考えられる。この場合、除去されたGaAs基板面側にGaP基板の貼り付け等行うわけだが、GaP基板を貼り付けた後、強度保持板(あるいはウエハ)を剥離(除去)しなければならず、剥離に伴って洗浄が必要であったり、更に汚染などの懸念もあり、工業的にはコストが上がるばかりであまりメリットがない。
従って、省コストで工業的な工程を通すためにも、GaAs基板除去前に、厚膜GaP層を結晶成長することでウエハに機械的強度を持たせる方法を選択すると、GaP層が光取り出し層(窓層)と強度保持板を兼ねることができるため、合理的である。
このような厚膜GaP層を結晶成長で形成する場合、工業的工程を通すために十分な機械的強度を持たせるために必要なGaP層の厚さは20μm以上である。しかし20μm以上の膜厚のGaP層を結晶成長するためには数〜十数時間が必要である。GaP層は厚膜になるほど側面光取り出しが増大するため、成長時間が長くなることはあっても短くなる事はない。
また、GaP層の成長に要する温度は、一般に発光層を成長する際の温度より同等以上の高温が必要であり、発光層部はMOVPE成長時の温度、若しくはそれより高い温度に長時間さらされることになる。
ところで、通常発光素子に用いられるウエハでは、発光層の窓層に接する部分には、キャリアを閉じ込めるための導電型がp型とn型のp型クラッド層とn型クラッド層と呼ばれる層が設けられており、更にp型クラッド層とn型クラッド層の間には活性層と呼ばれる層がある。またp型クラッド層にはp型の窓層が、n型クラッド層にはn型の窓層が接している。
このp型クラッド層にはMgやZnなどのp型不純物がドーピングされており、加熱されることで熱力学に従って濃度の高い方から低い方へ拡散する。このため、当然活性層中にも拡散する可能性がある。そして活性層中に拡散したp型不純物は欠陥を形成しやすいため、通電などによる素子寿命試験時に欠陥を形成し、その結果、キャリア注入効率の低下、光吸収の増大等を引き起こし、光出力の低下現象を引き起こす。
p型不純物の拡散は、発光層(AlGa1−xIn1−yP中のAlの組成比xに大きく依存し、xが少なければ不純物の拡散が早く、不純物が滞留しにくい。
例えば、活性層は通常Al組成xが少ないため、活性層中の不純物拡散速度は、Al組成xの高いクラッド層より相対的に早く、不純物が滞在しにくい。
ここで、不純物濃度の絶対量は隣接する層の不純物濃度によって変わるが、活性層に隣接する層にはキャリア閉じ込めのためのクラッド層が必要であり、また一般にクラッド層はドーピングされている。そしてクラッド層は活性層よりワイドバンドギャップである必要があるため、Al組成xが大きく、不純物拡散速度は活性層より遅い。
また、活性層への注入効率を落とさないため、クラッド層はある程度以上の濃度の不純物を保持していなければならず、このためクラッド層に存在する不純物は活性層中へ拡散する。しかし不純物の拡散があっても、活性層の厚さがある程度以上の厚さを有していれば不純物拡散による顕著な影響が起こる不純物濃度以下の活性層を設計することができる。
例えば、活性層中への不純物拡散による欠陥形成が起こる部位の厚さが50nm程度で、発光再結合に必要な有効活性層の膜厚が500nm程度である場合は、550nm程度の均一で一様組成の活性層を設けておけば、不純物の拡散があっても活性層における発光再結合は維持される。ただし、この例示における50nmの不純物拡散汚染層は非発光再結合が他の活性層より大きい層でもあり、発光効率が低下する要因になる。便宜上、この型の活性層をバルク型活性層と呼ぶ。
このようなバルク型活性層は不純物拡散の影響抑止という点では利点がある活性層だが、これではp型とn型のクラッド層に挟まれたキャリア閉じ込め効果しか期待できない上、不純物で汚染された部位は非発光再結合層の機能を有するため、発光効率を上げることができない。そしてこのようなバルク型活性層は60%程度の内部量子効率しかなく、さらに内部量子効率を高める必要がある。
内部量子効率を高める方法として、例えば特許文献2などに示されているように活性層を少なくとも2層以上設け、活性層と活性層の間に障壁層を設けた多重量子井戸(MQW)構造を用いる方法がある。
このようなMQW構造をとることにより、量子井戸への閉じ込め効果によって発光効率を高めることができる。しかしながら、MQWの各層の厚さは数〜十数nmと半導体内の電子のド・ブロイ波長程度であるため、バルク活性層と比べると大幅に各層の厚さは薄く、前述したように活性層に与える不純物拡散の影響が大きくなる。MQWにおける活性層を増やせば解決できる可能性もあるが、大幅に層数を増やす必要があり、活性層の自己吸収で内部量子効率は低下する。
また、MQWに擬似的な形で、ド・ブロイ波長以上の膜厚に各層を設定して、少ない層数で発光効率を高める方法もある。この場合、不純物拡散は適切に制御されるため、寿命実験時に問題がおきにくく、長寿命の発光素子の作製が可能である。AlGaInP系以外の別の材料系でも別組成の層を挟むことでMg拡散抑制の効果が示されており、例えば特許文献3などに同様の効果を見ることができる。
しかし、各層の膜厚がド・ブロイ波長以上の場合は、活性層と活性層の間に設ける障壁層におけるトンネル現象は起こらないため、活性層から隣接する他の活性層へのキャリア輸送減少はホッピングに頼るしかない。電子は有効質量が小さいため、ホッピングは比較的容易だが、正孔は有効質量が電子よりも大幅に大きく、障壁層を越えるホッピングの統計的確率は電子に比べて低下する。このため、特にキャリアが少ない低電流域では、活性層におけるキャリア注入効率の低下とそれに伴う発光効率の低下が発生する。
また、キャリア注入効率が低下すると直列抵抗成分の増大を招く。この効果は発光ダイオードのような低電流域で使用するデバイスにおいては大きな問題となる。例えば、活性層よりワイドバンドギャップの材料を挿入することによって直列抵抗成分が増大することは、特許文献4に示されている。しかし、キャリアのホッピングがしにくくなるという事はキャリアの閉じ込め効果が増すことと同義であり、活性層に閉じ込められるキャリアの効果により発光効率は上昇する。
具体的には、特許文献5のような構造において、活性層の厚さを50nm、障壁層の厚さを50nmと設定して、量子効果を用いない9層障壁層を設けた多重活性層型AlGaInP系発光素子において、発光出力はバルク型活性層を有する構造の発光素子と比べて増大する。また、MQWのような数〜十数nm程度の極薄膜構造と比べて光活性部を構成する各層の膜厚が比較的厚いため、特許文献2に示される効果により、GaP厚膜成長中のMg拡散がMQW構造に比べて抑制されるため、長寿命の発光ダイオードが実現できる。
しかしながら、活性層と活性層の間に波動関数が重ならない活性層よりもバンドギャップの大きい障壁層が挿入されているため、20mAの電流を流すのに必要な電圧値が2.5〜3.0V程度と、バルク型活性層の場合の電圧値1.9Vより著しく増大する。
また障壁層の厚さを10〜20nm程度まで減らしても、直列抵抗成分はバルク活性層の1〜2割程度高い水準に留まると共に、障壁層の厚さを減らすことで閉じ込め効果が弱まり、発光出力も低下する。前述の膜厚よりも薄くすると、活性層の厚さは変わらなくなるため、活性層における量子効果を利用することができず、直列抵抗成分の高いだけのバルク型活性層と同様の特性を示すにとどまる。
従って、n型またはp型、あるいはp側とn側両者に30μm以上の厚い膜厚を有するGaP窓層を有するAlGaInP系発光素子において、高い内部量子効率と低い直列抵抗成分と、長寿命を有する発光素子を実現することは現状の技術では困難であった。
Applied Physics Letters Vo.74 No.15 pp.2230−2232 特開2006−32837号公報 特開2003−46200公報 特開平06−283825公報 特開平11−251687公報 特開2004−128443公報
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、GaP厚膜の成長を伴う発光素子において、従来のバルク型活性層の長寿命、低抵抗という利点を維持しつつ、多重活性層型発光素子の持つ長寿命と高い発光効率(特に内部量子効率)を両立させた発光素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、少なくとも、p型クラッド層と少なくとも3層以上の活性層と少なくとも2層以上の障壁層とn型クラッド層とを有する(AlGa1−xIn1−yP(0<x<1,0.4<y<0.6)からなる発光層を有する化合物半導体基板を用いて製造された発光素子であって、前記障壁層は、前記活性層よりバンドギャップが同じか大きく、且つ前記n型クラッド層及び前記p型クラッド層よりバンドギャップが同じか小さく、障壁層は前記n型クラッド層に近い側の障壁層に比べてp型クラッド層に近い側の方がバンドギャップが同じか小さく、前記p型クラッド層に最も近い障壁層は、前記n型クラッド層に最も近い障壁層に比べてバンドギャップが小さいものであることを特徴とする発光素子を提供する(請求項1)。
このように、障壁層のバンドギャップを、活性層より同じか大きく、且つn型クラッド層及びp型クラッド層より同じか小さいものとし、またn型クラッド層に近い側の障壁層に比べてp型クラッド層に近い側の方のバンドギャップを同じか小さくする。そしてp型クラッド層に最も近い障壁層のバンドギャップをn型クラッド層に最も近い障壁層のバンドギャップに比べて小さくする。
これによって、n型キャリアに対してはp型クラッド層近傍まで拡散できるようになる。また、p型キャリアに対してはn型キャリアより有効質量が重いため、障壁層におけるキャリアホッピング確率がn型キャリアに比べて低かったが、n型クラッド層に近い側の障壁層に比べてp型クラッド層に近い側の方のバンドギャップを同じか小さくすることで障壁層でのホッピング確率を増加させることができる。これによって、p/nジャンクション付近でのp型キャリアの滞在確率を増加させることができる。これらの結果、均一の障壁を有する従来の発光素子より、活性層中にn型、p型両者のキャリアを均一に分布させることができる。よって、直列抵抗の減少と同時に内部量子効率の向上を図ることができる。従って、低抵抗且つ高発光効率な発光素子とすることができる。
また多重活性層構造を取っているため、不純物拡散の影響を低減でき、長寿命とすることができる。
また、本発明では少なくとも、p型クラッド層と少なくとも2層以上の活性層と少なくとも1層以上の障壁層とn型クラッド層とを有する(AlGa1−xIn1−yP(0<x<1,0.4<y<0.6)からなる発光層を有する化合物半導体基板を用いて製造された発光素子であって、前記障壁層は、前記活性層よりバンドギャップが大きく、且つ前記n型クラッド層及び前記p型クラッド層よりバンドギャップが同じか小さく、
前記n型クラッド層に近い側の活性層は、前記p型クラッド層に近い側の活性層に比べて厚さが薄いものであることを特徴とする発光素子を提供する(請求項2)。
このように、n型クラッド層に近い側の活性層の厚さを、p型クラッド層に近い側の活性層の厚さに比べて薄いものとすることによって、p型キャリアに比べて障壁層のホッピング確率が高いn型キャリアが、障壁層を超えた場合でもp型クラッド層に近い側の活性層に滞在する確率を増加させることができる。またp型クラッド層に近い側の活性層の方が厚いため、n型キャリアに比べて障壁層のホッピング確率が低いp型キャリアを活性層に多く滞在させることができる。これによって活性層中にn型、p型両者のキャリアが均一に分布するようになる。従って、直列抵抗の減少と同時に内部量子効率の向上を図ることができ、低抵抗且つ高発光効率な発光素子とすることができる。
また多重活性層構造であるため、長寿命となっている。
そして、前記障壁層のAlの組成比xを0<x<0.9とすることが好ましい(請求項3)。
障壁層が上述のような組成を有するものであれば、障壁層での不純物の拡散速度を活性層と比較して遅くすることができ、これによって、不純物が活性層に滞留することを抑制することができる。従って、キャリア注入効率の上昇や光吸収の抑制を実現できる。
また、前記n型クラッド層からの距離が前記p型クラッド層からの距離と比べて同じか近い障壁層のAlの組成比xを0.6<x<0.9とすることが好ましい(請求項4)。
このように、n型クラッド層からの距離がp型クラッド層からの距離と比べて同じか近い障壁層のAlの組成比xを上述の範囲とすることによって、より直列抵抗の低い障壁層とすることができる。また、障壁層における不純物の拡散速度を活性層と比較して遅くすることができるため、不純物が活性層に滞留することを抑制することができ、キャリア注入効率の上昇や光吸収の抑制を達成することができる。これによって発光輝度を更に高いものとすることができる。
また、前記活性層は、厚さが5nm以上とすることが好ましい(請求項5)。
このように、活性層の厚さを、キャリアが留まる確率を増加させることができる5nm以上にすることで、より発光効率を高めることができる。
そして、前記障壁層は、厚さが5nm以上50nm以下とすることが好ましい(請求項6)。
このように、障壁層の厚さを、トンネル効果によるキャリアの透過を抑制することができる5nm以上にすることで、キャリアの閉じ込め効果をより増加させることができ、更に発光効率を高めることができる。
また50nm以下とすることで、キャリアホッピング確率が低下してしまうことを抑制することができる。
そして、前記障壁層は、各々の中ではAlの組成比xおよび(AlGa1−x)の組成比yが変化しないものとすることができる(請求項7)。
このように、各々の中ではAlの組成比xおよび(AlGa1−x)の組成比yが変化しない構造の障壁層であれば、キャリアの閉じ込め効果をより高いものとすることができるため、より発光効率を高いものとすることができる。
また、前記障壁層は、各々の中で階段状に変化する組成比xを有し、前記活性層に接する部分の組成比xは、障壁層中央部に比べて小さいものとすることができ(請求項8)、そして、前記障壁層は、各々の中で連続的に変化する組成比xを有し、前記活性層に接する部分の組成比xは、障壁層中央部に比べて小さいものとすることができ(請求項9)、更に前記障壁層は、各々の中で組成比xが連続的に変化する部分と均一な部分を有し、前記活性層に接する部分の組成比xは、障壁層中央部に比べて小さいものとすることができる(請求項10)。
このように、障壁層が各々の中でその組成が変化する構造であっても、n型クラッド層に近い側の障壁層に比べてp型クラッド層に近い側の方のバンドギャップが同じか小さく、かつp型クラッド層に最も近い障壁層がn型クラッド層に最も近い障壁層に比べてバンドギャップが小さければ、本発明の効果を達成することができるため、各々の障壁層はその中で組成をある程度自由に変更することができ、設計の自由度を向上させることができる。例えば、気相成長の際のガスコントロールの自由度に余裕を持たせることができ、これによって制御が困難な条件で気相成長する必要をなくすことができる。よって製造コストの低減を図ることができる。
また、前記p型クラッド層からの距離が、前記n型クラッド層からの距離と比べて近い障壁層のAlの組成比xを0.3≦x<0.9とすることが好ましい(請求項11)。
このように、p型クラッド層からの距離が、n型クラッド層からの距離と比べて近い障壁層のAlの組成比を0.3以上0.9未満とすることで、更に、直列抵抗の低い障壁層とすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、GaP厚膜の成長を伴う発光素子において、従来のバルク型活性層の長寿命、低抵抗という利点を維持しつつ、多重活性層型発光素子の持つ長寿命と高い発光効率(特に内部量子効率)を両立させた発光素子が提供される。
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は、本発明の発光素子を、それに用いられる化合物半導体基板の概略の一例と、発光層のバンドギャップの一例を示した図である。
図1(a)に示したように、本発明の発光素子10は、少なくとも、化合物半導体基板100と、その表面上に形成された電極11からなるものである。
そして図1(b)に示すように、この化合物半導体基板100は、少なくとも、第一層としてのn型GaP基板101、第二層としてのn型InGaP緩衝層102、第三層としてn型AlGaInP層103、第五層としてp型AlGaInP層109、第六層としてp型InGaP緩衝層110、第七層としてp型GaP窓層111を有し、第三層と第五層の間の第四層として発光層107からなるものである。
そしてこの発光層107は、(AlGa1−xIn1−yP(0<x<1,0.4<y<0.6)からなるn型クラッド層104、p型クラッド層108、第三層及び第五層のいずれの層よりもAl組成の少ない少なくとも3層以上(図1では5層)の活性層105、活性層105と活性層105の間に活性層105よりも大きなバンドギャップを有する少なくとも2層以上(図1では4層)の障壁層106からなるものである。
またこの障壁層106は、図1(c)に示したように、活性層105よりバンドギャップが同じか大きく、またn型クラッド層104及びp型クラッド層108よりバンドギャップが同じか小さいものであり、かつ活性層105と障壁層106は1回以上交互に積層されたものとなっている。
更に、障壁層106はn型クラッド層104に近い側の障壁層に比べてp型クラッド層108に近い側の方がバンドギャップが同じか小さくなっている。また、p型クラッド層108に最も近い障壁層は、n型クラッド層104に最も近い障壁層に比べてバンドギャップが小さいものとなっている。
このような構造であれば、n型キャリアがp型クラッド層近傍まで拡散することが容易になる。
また、p型キャリアはn型キャリアより有効質量が重く、障壁層を飛び越えるキャリアホッピングの確率がn型キャリアに比べて低かった。しかし本発明によれば、障壁層でのホッピング確率を増加させることができる。そのため、活性層中でのp型キャリアの滞在確率が増加する。
その結果、従来のような均一の障壁の発光素子と比較して、活性層中にn型、p型両者のキャリアが均一に分布することになる。これによって、直列抵抗の減少と同時に内部量子効率の向上を図ることができ、低抵抗且つ高発光効率な発光素子とすることができる。
また発光寿命が長い多重活性層構造の化合物半導体を用いて製造された発光素子であるため、長寿命な発光素子とすることができる。
この時、n型AlGaInP層103とn型クラッド層104はAlの組成のみ違うものとすることが望ましい。Al組成が低い方が不純物の拡散が抑制されるため、n型AlGaInP層103の方を、基板101からのドーパント不純物拡散抑制のため、n型クラッド層104より低Al組成に設計することが望ましい。
具体的には、例えばn型AlGaInP層103は(AlX1Ga1−X1In1−yP(0.5<X<0.7,0.45<y<0.55)、n型クラッド層104は(AlX2Ga1−X2In1−yP(0.6<X<1,0.45<y<0.55)の組成とすることができる(但しX<X)。
また、p型クラッド層108とp型AlGaInP層109も、同様に組成の異なるものとすることが望ましい。p型クラッド層108の方を、p型GaP窓層111からのドーパント不純物の拡散が活性層に影響が及ぶ可能性を低減するため、p型AlGaInP層109よりAl組成を低く設計する。
具体的には、p型クラッド層108は(AlX3Ga1−X3In1−yP(0.5<X<0.7,0.45<y<0.55)、p型AlGaInP層109は(AlX4Ga1−X4In1−yP(0.6<X<1,0.45<y<0.55)とすることが望ましい(但しX<X)。
ここでp型クラッド層108とp型AlGaInP層109のAl組成の構成が逆になっているのは、有効質量の重い正孔が活性層105へ到達する確率を損なわないようにするためである。
本発明の第二の形態として、図2(a)に示すように、少なくとも、化合物半導体基板200と、その表面上に形成された電極21からなる発光素子20である。
そして図2(b)に示すように、化合物半導体基板200は、少なくとも、第一層としてのn型GaP基板201、第二層としてのn型InGaP緩衝層202、第三層としてn型AlGaInP層203、第五層としてp型AlGaInP層209、第六層としてp型InGaP緩衝層210、第七層としてp型GaP窓層211を有し、第三層と第五層の間の第四層として発光層207からなるものである。
そしてこの発光層207は、n型クラッド層204、p型クラッド層208、5層の活性層205、4層の障壁層206からなるものである。また図2(c)に示すように、障壁層206のバンドギャップが、n型クラッド層204側からp型クラッド層208に近づくにつれて徐々に減少していく構造となっている。
本発明の第三の形態は、第一の形態や第二の形態と同等の効果を得るために、図3(a)に示すように、少なくとも、化合物半導体基板300と、その表面上に形成された電極31からなる発光素子30である。
そして図3(b)に示すように、化合物半導体基板300は、少なくとも、第一層としてのn型GaP基板301、第二層としてのn型InGaP緩衝層302、第三層としてn型AlGaInP層303、第五層としてp型AlGaInP層309、第六層としてp型InGaP緩衝層310、第七層としてp型GaP窓層311を有し、第三層と第五層の間の第四層として発光層307からなるものである。そしてこの発光層307は、n型クラッド層304、p型クラッド層308、5層ある活性層305、4層ある障壁層306からなるものである。
そして図3(c)に示すように、この4層ある障壁層のうち、p型クラッド層308に近い方からの2層のバンドギャップが活性層と同じになった場合である。実質的には、3層ある活性層305、2層ある障壁層306に相当する。
そして、本発明の別の実施形態として、図4(a)に発光素子40を示す。この発光素子40は、少なくとも、化合物半導体基板400と、その表面上に形成された電極41からなるものである。ここまでは上述の実施形態と同じである。
そして図4(b)に示すように、化合物半導体基板400は、少なくとも、第一層としてのn型GaP基板401、第二層としてのn型InGaP緩衝層402、第三層としてn型AlGaInP層403、第五層としてp型AlGaInP層409、第六層としてp型InGaP緩衝層410、第七層としてp型GaP窓層411を有し、第三層と第五層の間の第四層として発光層407からなるものである。そしてこの発光層407、n型クラッド層404、p型クラッド層408、2層の活性層405、1層の障壁層406からなるものである。
そしてこの2層ある活性層のうち、n型クラッド層404に近い方の活性層の厚さが、p型クラッド層408に近い方の活性層の厚さに比べて薄くなっているものである。図3(c)は図4(c)において活性層が2層の場合に相当する。
このような構造とすることによって、p型キャリアに比べて障壁層のホッピング確率が高いn型キャリアが、障壁層を超えた場合でもp型クラッド層に近い方の活性層に滞在する確率が高くなる。
またp型クラッド層に近い側の活性層の方が厚く、このためn型キャリアに比べて障壁層のホッピング確率が低いp型キャリアが活性層に滞在する確率を高くなっている。
このため活性層中のn型、p型両者のキャリアが均一に分布する。これによって、直列抵抗の減少と同時に内部量子効率の向上を図ることができ、低抵抗且つ高発光効率な発光素子となる。
また多重活性層構造の化合物半導体基板を用いたものであるため、長寿命な発光素子とすることができる。
尚、上記図4では、活性層が2層、障壁層が1層の場合について示したが、もちろんこれに限定されるものではなく、活性層が3層で障壁層が2層の場合や、活性層が5層で障壁層が4層であっても、n型クラッド層に近い側の活性層の厚さがp型クラッド層に近い側の活性層の厚さに比べて薄ければ本発明の効果は達成される。
ここで、障壁層は組成比xが0<x<0.9とすることができる。また、n型クラッド層からの距離がp型クラッド層からの距離に比べて同じか近い方の障壁層のAlの組成比xを0.6<x<0.9とすることができる。更に、p型クラッド層からの距離がn型クラッド層からの距離と比べて近い障壁層のAlの組成比xは、好ましくは、0.3≦x<0.9とすることがよい。
このように、障壁層のAlの組成比xが上述の範囲であれば、直列抵抗がより低い障壁層とできる。そして、障壁層での不純物の拡散速度を活性層と比較して遅くすることができ、これによって、不純物が活性層に滞留することが抑制されるため、キャリア注入効率の上昇や光吸収の抑制を実現することができる。
また、活性層は、厚さが5nm以上とすることができる。
このように、活性層の厚さを5nm以上にすることで、キャリアが留まる確率を増加させることができ、発光効率をより高めることができる。
そして、障壁層は、厚さが5nm以上50nm以下とすることができる。
上述のような厚さの障壁層であれば、トンネル効果によるキャリアの透過を抑制することができるため、キャリアの閉じ込め効果をより増加させることができる。よって、更に発光効率を高めることができる。
また50nm以下であれば、キャリアホッピング確率が低下してしまうことを抑制することができる。
ここで、障壁層は、その障壁層の中ではAlの組成比xおよび(AlGa1−x)の組成比yが変化しないものとすることができる。
このように、障壁層の各々の中で、Alの組成比xおよび(AlGa1−x)の組成比yが変化しない構造とすることによって、キャリアの閉じ込め効果がより高いものとなるため、発光効率がより高いものとなる。
また、障壁層は、各々の中で階段状に変化する組成比xを有し、活性層に接する部分の組成比xは、障壁層中央部に比べて小さいものとすることができる。
そして、障壁層は、各々の中で連続的に変化する組成比xを有し、活性層に接する部分の組成比xは、障壁層中央部に比べて小さいものとすることもできる。
更に障壁層は、各々の中で組成比xが連続的に変化する部分と均一な部分を有し、活性層に接する部分の組成比xは、障壁層中央部に比べて小さいものとすることもできる。
上述のような障壁層の例として、例えば、図5(a)に示したように、障壁層506aが活性層に接する部分のバンドギャップを中央部より小さくしたものがある。
本発明は、障壁層を、n型クラッド層に近い側の障壁層に比べてp型クラッド層に近い側の方のバンドギャップを同じか小さくし、また、p型クラッド層に最も近い障壁層を、n型クラッド層に最も近い障壁層に比べてバンドギャップが小さいものとするものであるため、図5(a)の障壁層506aの形態の他、図5(b)の障壁層506bのような形態や、図5(c)の障壁層506cのような形態をとっても良い。
その他の例示としては、図6(a)に示したように、障壁層606aの一方の活性層に接する部分のバンドギャップを他方より小さくしたものが挙げられる。
この例示においても、図6(a)の障壁層606aの形態の他、図6(b)の障壁層606b、図6(c)の障壁層606c、図6(d)の障壁層606d、図6(e)の障壁層606e、図6(f)の障壁層606fのような形態とすることができる。
このように、障壁層が各々の中でその組成が変化する構造であっても、n型クラッド層に近い側の障壁層に比べてp型クラッド層に近い側の方のバンドギャップが同じか小さく、かつp型クラッド層に最も近い障壁層がn型クラッド層に最も近い障壁層に比べてバンドギャップが小さければ、本発明の効果を達成することができる。この場合、障壁層の大小関係はその平均値で勘案する。
このため、各々の障壁層の組成は、ある程度自由に設計することができる。すなわち、設計の自由度を高いものとすることができ、例えば、気相成長の際の原料ガスのコントロールの精度に余裕を持たせることができる。これによって制御が困難な条件で製造する必要がなく、製造コストの低減を図ることができる。
そしてこのような発光素子の製造方法について、以下に説明するが、もちろんこれに限定されるものではない。
先ず、成長用単結晶基板としてn型のGaAs基板を準備し、洗浄した後にMOCVDのリアクターに入れる。
そして、先に導入したGaAs基板上に、n型InGaP緩衝層、更にn型AlGaInP層をエピタキシャル成長させる。
更に、n型AlGaInP層の表面上に、MOCVD法により、n型クラッド層をエピタキシャル成長させる。
次に、n型クラッド層の表面上に、活性層、障壁層を、Alの組成比xを変更して、所望の構造となるように、適宜MOCVD法でエピタキシャル成長させて発光層を形成する。
ここで、障壁層のバンドギャップが、活性層より同じか大きく、且つn型クラッド層及びp型クラッド層より同じか小さくなるようにする。
また、図1(b)に示すような構造の化合物半導体基板を製造する場合は活性層は少なくとも3層以上、障壁層は少なくとも2層以上気相成長させる。図4(b)に示すような構造の化合物半導体基板を製造する場合は活性層は2層、障壁層は1層気相成長させる。
そして、活性層と障壁層は交互に積層させる。更に障壁層と障壁層は、互いに隣接させず、更にn型クラッド層とp型クラッド層にも接しない構造となるようにする。
その後、p型クラッド層、p型AlGaInP層、p型InGaP緩衝層を、最表面側の活性層の表面上にMOCVD法によりエピタキシャル成長させて、MOエピタキシャル基板を得る。
次に、p型GaP窓層を形成する。
この窓層の形成では、先に得たMOエピタキシャル基板をMOCVDのリアクターから取り出し、HVPE法のリアクター内に入れる。そして、Znをドープし、p型GaP窓層をエピタキシャル成長させる。
次に、GaAs基板を除去する。これによりn型InGaP緩衝層を露出させる。
そして、GaAs基板を除去することで露出したn型InGaP緩衝層の表面に、n型GaP基板を貼り付けるか、またはHVPE法を用いエピタキシャル成長によりn型GaP層を形成することで、化合物半導体基板を得ることができる。
上記MOCVD法やHVPE法によって気相成長させる際には一般的な条件を用いればよい。
そしてこの得られた化合物半導体基板を切断し、チップに加工して、電極付け等を行うことで、発光素子が得られる。
以下、実験例を示して本発明をより具体的に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定されるものではない。
(実験例1)
上述の第一の形態(図1)のような発光素子において、障壁層105を9層とし、n型クラッド層104から数えて6層の組成を固定し、p型クラッド層108から数えて3層のAlの組成比xのみを0〜0.9までの範囲で変えた場合の発光素子の特性の変化を図7に示す。尚n型クラッド層に近い側の6層のAl組成比xは0.9で固定した。図7(a)は障壁層のAl組成比と内部量子効率の関係を示した図であり、図7(b)は障壁層のAl組成比と20mAの電流を流すのに要する電圧の関係を示した図である。
ここで、図7における従来技術とは、9層の障壁層のバンドギャップが、全てn型クラッド層やp型クラッド層と等しい場合のことである。
図7(b)に示したように、Alの組成比xが0.6前後のところで変曲点を持つが、これは組成比xの減少に伴って、20mA時の電圧が低減(すなわち直列抵抗が減少)することを示している。この0.6前後の変曲点は、その組成付近でAlGaInPが直接遷移型から間接遷移型に変移し、X−Γ遷移に変移することに起因すると考えられる。
その一方、図7(a)に示したように、内部での光発生を示す内部量子効率は、直列抵抗の変化分に対して大きく変化しない。以上の結果から、正孔の障壁層でのホッピング確率の増大に伴う活性層全体での正孔分布改善と、障壁層のAl組成比の減少に伴うp型ドーパント拡散抑止という2つの効果によって、発光に寄与する発光層の特性強化が表れていることがわかった。
(実験例2)
本発明の第二の形態(図2)のような発光素子において、障壁層206の数を変えた場合の結果を図8に示す。図8(a)は障壁層の数と内部量子効率の関係を示した図であり、図8(b)は障壁層の数と20mAの電流を流すのに要する電圧の関係を示した図である。尚、障壁層206の組成は(AlGa1−xIn1−yP(x〜0.85,y〜0.5)一定とした。また活性層の数は(障壁層の数+1)とした。
ここで、図8における従来技術とは、障壁層のバンドギャップが、全てn型クラッド層やp型クラッド層と等しい場合、もしくは障壁層がない場合のことである。
図8(b)に示したように、障壁層の数を減らしていくと20mAにおける電圧、すなわち直列抵抗は単調に減少する。
一方、図8(a)に示すように、内部量子効率は層の数が4層程度までは大きく減少しない。
ここで製品特性上、許容される直列抵抗分は10%程度であり、活性層を多重化することによる直列抵抗を10%以下に抑えるためには、20mA時点での電圧値を2.1V程度に抑制する必要がある。20mA時での電圧値を2.1V以下に抑制するために、障壁層は8層以下であることが望ましい。ただ抵抗分は低い方が良いため、内部量子効率との兼ね合いから、障壁層の数は4〜6層程度がより好適である。
上記2つの実験例の発光素子に対して寿命試験を実施したが、従来のバルク型活性層構造の発光素子と比較して遜色ない結果が得られた。また、電流を20mA流すのに必要な電圧値が従来技術の発光素子では2.5〜3.0Vが限界であったのに対して、本発明によれば高くても2.15Vと低く抑えられることが判った。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の発光素子に用いられる化合物半導体基板の概略の一例を示した図である。 本発明の発光素子に用いられる化合物半導体基板の他の一例の概略を示した図である。 本発明の発光素子に用いられる化合物半導体基板のその他の一例の概略を示した図である。 本発明の発光素子に用いられる化合物半導体基板の別の一例の概略を示した図である。 本発明の発光素子に用いられる化合物半導体基板の発光層のバンドギャップの大きを示したその他の一例の概略図を示した図である。 本発明の発光素子に用いられる化合物半導体基板の発光層のバンドギャップの大きを示したその他の一例の概略図を示した図である。 実験例1における発光素子の、(a)障壁層のAl組成比と内部量子効率の関係を示した図であり、(b)障壁層のAl組成比と20mAの電流を流すのに要する電圧の関係を示した図である。 実験例2における発光素子の、(a)障壁層の数と内部量子効率の関係を示した図であり、(b)障壁層の数と20mAの電流を流すのに要する電圧の関係を示した図である。
符号の説明
10,20,30,40…発光素子、
11,21,31,41…電極、
100,200,300,400…化合物半導体基板、
101,201,301,401…n型GaP基板、
102,202,302,402…n型InGaP緩衝層、
103,203,303,403…n型AlGaInP層、
104,204,304,404…n型クラッド層、
105,205,305,405…活性層、
106,206,306,406,506a,506b,506c,606a,606b,606c,606d,606e,606f…障壁層、
107,207,307,407…発光層、
108,208,308,408…p型クラッド層、
109,209,309,409…p型AlGaInP層、
110,210,310,410…p型InGaP緩衝層、
111,211,311,411…p型GaP窓層。

Claims (11)

  1. 少なくとも、p型クラッド層と少なくとも3層以上の活性層と少なくとも2層以上の障壁層とn型クラッド層とを有する(AlGa1−xIn1−yP(0<x<1,0.4<y<0.6)からなる発光層を有する化合物半導体基板を用いて製造された発光素子であって、
    前記障壁層は、前記活性層よりバンドギャップが同じか大きく、且つ前記n型クラッド層及び前記p型クラッド層よりバンドギャップが同じか小さく、障壁層は前記n型クラッド層に近い側の障壁層に比べてp型クラッド層に近い側の方がバンドギャップが同じか小さく、
    前記p型クラッド層に最も近い障壁層は、前記n型クラッド層に最も近い障壁層に比べてバンドギャップが小さいものであることを特徴とする発光素子。
  2. 少なくとも、p型クラッド層と少なくとも2層以上の活性層と少なくとも1層以上の障壁層とn型クラッド層とを有する(AlGa1−xIn1−yP(0<x<1,0.4<y<0.6)からなる発光層を有する化合物半導体基板を用いて製造された発光素子であって、
    前記障壁層は、前記活性層よりバンドギャップが大きく、且つ前記n型クラッド層及び前記p型クラッド層よりバンドギャップが同じか小さく、
    前記n型クラッド層に近い側の活性層は、前記p型クラッド層に近い側の活性層に比べて厚さが薄いものであることを特徴とする発光素子。
  3. 前記障壁層は、Alの組成比xが0<x<0.9であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光素子。
  4. 前記n型クラッド層からの距離が前記p型クラッド層からの距離と比べて同じか近い障壁層は、Alの組成比xが0.6<x<0.9であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発光素子。
  5. 前記活性層は、厚さが5nm以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光素子。
  6. 前記障壁層は、厚さが5nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の発光素子。
  7. 前記障壁層は、当該障壁層の中ではAlの組成比xおよび(AlGa1−x)の組成比yが変化しないものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の発光素子。
  8. 前記障壁層は、当該障壁層の中で階段状に変化する組成比xを有し、前記活性層に接する部分の組成比xは、障壁層中央部に比べて小さいものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の発光素子。
  9. 前記障壁層は、当該障壁層の中で連続的に変化する組成比xを有し、前記活性層に接する部分の組成比xは、障壁層中央部に比べて小さいものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の発光素子。
  10. 前記障壁層は、当該障壁層の中で組成比xが連続的に変化する部分と均一な部分を有し、前記活性層に接する部分の組成比xは、障壁層中央部に比べて小さいものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の発光素子。
  11. 前記p型クラッド層からの距離が、前記n型クラッド層からの距離と比べて近い障壁層のAlの組成比xが0.3≦x<0.9であることを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれか1項に記載の発光素子。
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