JPH10284756A - 発光ダイオード - Google Patents

発光ダイオード

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JPH10284756A
JPH10284756A JP8417797A JP8417797A JPH10284756A JP H10284756 A JPH10284756 A JP H10284756A JP 8417797 A JP8417797 A JP 8417797A JP 8417797 A JP8417797 A JP 8417797A JP H10284756 A JPH10284756 A JP H10284756A
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JP
Japan
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layer
light emitting
impurity
semiconductor layer
emitting diode
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Application number
JP8417797A
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English (en)
Inventor
Toshinori Sone
豪紀 曽根
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発光層内への不純物拡散に起因する発光出力や
信頼性の低下を抑制し得る発光ダイオードを提供する。 【解決手段】第3クラッド層20と活性層16との間
に、その第3クラッド層20よりも低いキャリア濃度で
同様な不純物(Zn)がドーピングされた第2クラッド層
18が設けられる。そのため、第3クラッド層20と活
性層16との間に設けられたその第2クラッド層18に
よって、その第3クラッド層20内において結晶格子間
に存在する不純物(Zn)が活性層16内に拡散すること
が抑制されると共に、その第2クラッド層18は第3ク
ラッド層20よりもキャリア濃度が低くされてその内部
において格子間に存在する不純物(Zn)量が第3クラッ
ド層20よりも少なくされていることから、その第3ク
ラッド層20が活性層16に直に接している場合よりも
活性層16内に拡散する不純物(Zn)量が少なくされ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光ダイオードの
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】基板上に発光層とその発光層を挟んで位
置させられた第1半導体層および第2半導体層とを含む
複数の化合物半導体層が積層されて成り、それら複数の
化合物半導体層の表面と裏面との間に通電することによ
りその発光層で発生した光をその表面から取り出す形式
の発光ダイオードが知られている。例えば、AlGaAs系、
GaAsP 系、GaP 系、或いはInGaAlP 系等の化合物半導体
から成り可視光領域の発光が得られる発光ダイオードは
その一例である。これらのうち、InGaAlP 系の化合物半
導体から成るものは、発光波長555 〜650 (nm)程度(緑
色乃至赤色)の発光が他の材料系に比較して高輝度で得
られるという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、上記のような
発光ダイオードは、第1半導体層および第2半導体層の
それぞれにZn(亜鉛)やMg(マグネシウム)等のp型の
ドーパントとなる不純物、或いはSe(セレン)やSi(珪
素)等のn型のドーパントとなる不純物がドーピングさ
れることによって、所定のキャリア濃度とされた互いに
導電型の異なるp型半導体層およびn型半導体層が発光
層を挟んで設けられた構造とされている。
【0004】しかしながら、一般に、これら第1半導体
層および第2半導体層にドーピングされた不純物は必ず
しも全てが結晶構成原子と置換すなわち活性化されず、
一部は結晶格子間に入り込む。そのため、格子間に入っ
た不純物が、エピタキシャルウェハの結晶成長中、結晶
成長後のチップ製作工程、または実際にチップを使用し
ている通電時等において発光層中に拡散し、発光ダイオ
ードの特性を低下させるという問題があった。この場
合、特に大きな問題は発光出力および信頼性の低下であ
る。ここで、信頼性の低下とは、経時的な発光出力の低
下すなわち劣化を意味する。第1半導体層或いは第2半
導体層中にドーピングされ活性化していない不純物が発
光層中に拡散して入り込むと非発光再結合中心として働
くため、発光出力が低下するのである。なお、活性化さ
れた不純物すなわち結晶構成原子と置換された不純物が
化合物半導体層内で移動(拡散)することは、殆ど生じ
ないと考えられている。
【0005】特に、前記のInGaAlP 系化合物半導体では
不純物の活性化率が低いことから、所望のキャリア濃度
を得るためにはAlGaAs系化合物半導体等に比べて高濃度
でドーピングをする必要があるが、これにより活性化さ
れない不純物量が増大させられて結晶中を拡散する不純
物が増加させられるため、上記の問題が一層顕著とな
る。なお、活性化されない不純物量を低下させる目的で
ドーピング量を減らすとキャリア濃度が低くなるため、
結晶の抵抗率が高くなって発光ダイオードの動作電圧が
増大させられるという問題が生じる。
【0006】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、発光層内への不純物拡散
に起因する発光出力や信頼性の低下を抑制し得る発光ダ
イオードを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、発光層と、その発光
層を挟んで位置させられた所定の第1のキャリア濃度と
なるように第1の不純物がドーピングされた第1半導体
層および所定の第2のキャリア濃度となるように第2の
不純物がドーピングされた第2半導体層とを含む複数の
化合物半導体層が積層されて成り、それら複数の化合物
半導体層の表面と裏面との間に通電することによりその
発光層で発生した光をその表面から取り出す形式の発光
ダイオードにおいて、(a) 前記第1半導体層と前記発光
層との間に、前記第1のキャリア濃度よりも低い第3の
キャリア濃度となるように前記第1の不純物がドーピン
グされた第3半導体層を設けたことにある。
【0008】
【発明の効果】このようにすれば、第1半導体層と発光
層との間に、第1のキャリア濃度よりも低い第3のキャ
リア濃度となるように第1の不純物がドーピングされた
第3半導体層が設けられる。そのため、第1半導体層と
発光層との間に設けられた第3半導体層によって、その
第1半導体層内において結晶格子間に存在する第1の不
純物が発光層内に拡散することが抑制されると共に、そ
の第3半導体層は第1半導体層よりもキャリア濃度が低
くされてその内部において格子間に存在する第1の不純
物量が第1半導体層よりも少なくされていることから、
その第3半導体層から発光層内に拡散する第1の不純物
量は、その第1半導体層が発光層に直に接している場合
よりも少なくなる。したがって、発光層内への不純物拡
散量が少なくされて、それに起因する発光出力や信頼性
の低下を抑制し得る発光ダイオードが得られる。この効
果は、発光ダイオードがInGaAlP 系化合物半導体から成
る場合に特に顕著である。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記発光ダイオ
ードは、(b) 前記第2半導体層と前記発光層との間に、
前記第2のキャリア濃度よりも低い第4のキャリア濃度
となるように前記第2の不純物がドーピングされた第4
半導体層を更に設けたものである。このようにすれば、
第2半導体層と発光層との間に、その第2半導体層のキ
ャリア濃度である第2のキャリア濃度よりも低い第4の
キャリア濃度となるように第2の不純物がドーピングさ
れた第4半導体層が設けられることから、前記第3半導
体層を第1半導体層と発光層との間に設けた場合と同様
な作用によって発光層内に拡散する第2の不純物量が少
なくされる。したがって、第1の不純物および第2の不
純物の何れもが発光層内に拡散することが抑制されるた
め、発光層内への不純物拡散に起因する発光出力や信頼
性の低下が一層抑制される。
【0010】また、好適には、前記発光層、前記第1半
導体層、および前記第2半導体層は、何れもInGaAlP 系
化合物半導体である。このようにすれば、InGaAlP 系化
合物半導体では一般に抵抗率が高く且つ不純物の活性化
率が低いことから、発光ダイオードの動作電圧を可及的
に低くするために十分な前記第1のキャリア濃度或いは
第2のキャリア濃度が高くなると共に、それらのキャリ
ア濃度を得るために必要な不純物ドーピング量が多くな
るため、第1半導体層および第2半導体層内において格
子間に存在する活性化されていない第1の不純物および
第2の不純物の量が多くなる。この場合において、それ
ら第1半導体層および第2半導体層と発光層との間に、
それらよりも不純物ドーピング量が少ない第3半導体層
或いは第4半導体層が設けられることにより、第1の不
純物および第2の不純物が発光層内に拡散することが抑
制される。したがって、高輝度が得られる一方で発光出
力や信頼性の低下が生じ易かったInGaAlP 系化合物半導
体から成る発光ダイオードにおいて、発光出力や信頼性
の低下を抑制できる。
【0011】また、好適には、前記第1の不純物は、p
型のドーパントである。このようにすれば、第1半導体
層が一般に高い活性化率を得難いp型ドーパントがドー
ピングされたものである場合にも、少なくともその第1
半導体層と発光層との間に第1の不純物のドーピング量
が少なくされた第3半導体層が備えられる。そのため、
その第1半導体層において所定の第1のキャリア濃度を
得るために不純物のドーピング量延いては格子間に存在
する第1の不純物量が多くなる場合にも、格子間不純物
量が少ない第3半導体層によって発光層への第1の不純
物の拡散が抑制されることから、その第1の不純物の拡
散に起因する発光出力や信頼性の低下が抑制される。な
お、一層好適には、上記第1の不純物はZnである。Znは
p型のドーパントの中でも特に結晶中での拡散速度が速
く拡散し易いことから、第3半導体層を設ける効果が著
しい。
【0012】また、好適には、前記第3半導体層は、0.
05乃至0.5(μm)の厚さで設けられたものである。また、
好適には、前記第4半導体層は、0.05乃至0.5(μm)の厚
さで設けられたものである。このようにすれば、第3半
導体層或いは第4半導体層の厚さは、第1半導体層或い
は第2半導体層から発光層内への第1の不純物或いは第
2の不純物の拡散を十分に抑制し得る範囲で十分に薄く
されている。そのため、発光層内への不純物拡散に起因
する発光出力や信頼性の低下を抑制しつつ、電気抵抗の
増大に起因する動作電圧の上昇が抑制される。因みに、
電気抵抗はキャリア濃度が低下するに従って増大する傾
向にあることから、第3半導体層および第4半導体層は
第1半導体層および第2半導体層に比較して電気抵抗が
高くなる。そのため、駆動電圧の上昇を抑制するために
は、この高抵抗の第3半導体層および第4半導体層が可
及的に薄くされることが望まれる一方、薄くなり過ぎる
と第1半導体層および第2半導体層から発光層への不純
物拡散を抑制する効果が殆ど得られなくなるため、両層
の厚さは上記の範囲が好ましいのである。
【0013】また、好適には、前記第3半導体層および
第4半導体層は、それぞれキャリア濃度が1 ×1017 (cm
-3) 以下とされる。このようにすれば、キャリア濃度が
十分に低くされていることから、第3半導体層および第
4半導体層内に存在し得る格子間不純物量が十分に少な
くされて、その不純物の発光層内への拡散に起因する発
光出力や信頼性の低下が抑制される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において
各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0015】図1は、本発明の一実施例の発光ダイオー
ド10の構成を示す図である。図において、発光ダイオ
ード10は、例えば有機金属気相エピタキシー(MOVPE
:Metal Organic Vapor Phase Epitaxy )法等のよく
知られた結晶成長技術によって、基板12上に順次結晶
成長させられた第1クラッド層14、活性層16、第2
クラッド層18、第3クラッド層20、および電流拡散
層22と、基板12の下面および電流拡散層22の上面
にそれぞれ固着された下部電極24および上部電極26
とから構成されている。
【0016】上記の基板12は、例えば350(μm)程度の
厚さのn-GaAs単結晶から成る化合物半導体であり、n型
のドーパントであるSi(珪素)が不純物としてドープさ
れることによってキャリア濃度が1 ×1018 (cm-3) 程度
とされている。また、第1クラッド層14は、例えば1
(μm)程度の厚さのn-In0.5(Ga0.4Al0.6)0.5P 単結晶か
ら成る化合物半導体であり、n型のドーパントであるSe
(セレン)が不純物としてドープされることによってキ
ャリア濃度が5 ×1017 (cm-3) 程度とされている。ま
た、活性層16は、例えば0.5(μm)程度の厚さのun-In
0.5(Ga0.9Al0.1)0.5P単結晶から成る化合物半導体であ
り、その極性を決定する不純物は何らドープされていな
い。本実施例においては、上記の第1クラッド層14が
第2半導体層に、n型のドーパントであるSeが第2の不
純物にそれぞれ相当し、第2のキャリア濃度は5 ×1017
(cm-3) 程度である。
【0017】また、第2クラッド層18は、例えばt=
0.2(μm)程度の厚さのp-In0.5(Ga0. 4Al0.6)0.5P 単結晶
から成る化合物半導体であり、p型のドーパントである
Zn(亜鉛)が不純物としてドープされることによってキ
ャリア濃度が7 ×1016 (cm-3) 程度とされている。この
第2クラッド層18は、キャリア濃度が低いことから基
板12や他の層に比較して抵抗値が高くなっているが、
厚みtが十分に小さくされていることから、発光ダイオ
ード10全体の抵抗値(シリーズ抵抗)は殆ど高くなっ
ていない。また、第3クラッド層20は、例えば1(μm)
程度の厚さのp-In0.5(Ga0.4Al0.6)0.5P 単結晶から成る
化合物半導体であり、p型のドーパントであるZnが不純
物としてドープされることによってキャリア濃度が5 ×
1017 (cm -3) 程度とされている。したがって、一対の電
極24、26間に所定の駆動電圧を印加することによっ
て活性層16で発生させられる光は、波長が640(nm) 程
度の可視光となる。なお、第2クラッド層18と第3ク
ラッド層20とは、キャリア濃度が異なる他は同様な化
合物半導体から構成されていることから、不純物の活性
化率も同様である。そのため、それらの不純物ドーピン
グ量の比がキャリア濃度の比に応じた値となって、第2
クラッド層18に対する不純物ドーピング量は第3クラ
ッド層20に対する不純物ドーピング量よりも少なくな
っている。本実施例においては、上記の第2クラッド層
が第3半導体層に、第3クラッド層が第1半導体層に、
p型のドーパントであるZnが第1の不純物にそれぞれ相
当し、第3のキャリア濃度は7 ×1016 (cm-3) 程度、第
1のキャリア濃度は5 ×1017 (cm-3) 程度すなわち第2
のキャリア濃度と同様にされている。
【0018】また、電流拡散層22は、例えば5(μm)程
度の厚さのp-GaP 単結晶から成る化合物半導体であり、
p型のドーパントであるZnが不純物としてドープされる
ことによってキャリア濃度が1 ×1018 (cm-3) 程度とさ
れている。この電流拡散層22を構成するGaP は可視光
に対して透明であることから、活性層16で発生した光
はこれに妨げられることなく、効率よく表面28側から
取り出される。
【0019】また、前記の下部電極24は、例えば1(μ
m)程度の厚さであって、基板12の下面全面にその基板
12側から順にAu−Ge合金、NiおよびAuが積層形成され
たものである。また、上部電極26は、例えば1(μm)程
度の厚さであって、電流拡散層22の表面28の中央部
においてその電流拡散層22側から順にAu−Zn合金およ
びAuが積層形成されたものである。これら下部電極24
および上部電極26は何れもオーミック電極である。
【0020】以上のように構成される発光ダイオード1
0は、例えば、原料ガスとしてトリメチルガリウム(T
MG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチ
ルインジウム(TMI)、アルシン(AsH3)、およびホ
スフィン(PH3 )、p型のドーパントガスとしてジエチ
ル亜鉛(DEZ)、n型のドーパントガスとしてセレン
化水素(H2Se)を用い、MOVPE装置によって基板1
2上に第1クラッド層14乃至電流拡散層22を順次結
晶成長させることにより製造される。この結晶成長の過
程において、各層の組成に応じて結晶成長装置内に導入
される原料ガスの種類および量比が適宜変更されると共
に、各層の極性およびキャリア濃度に応じてドーパント
ガスの種類および量比が適宜変更されることによって、
図1に示されるように層毎に組成およびキャリア濃度の
異なるエピタキシャルウェハが得られることとなる。
【0021】そして、上記のようにして得られたウェハ
の両面に前記下部電極24および上部電極26を形成
し、更に、ダイシングによって個々の発光ダイオードに
対応するチップ毎に切断することにより、前記の発光ダ
イオード10が得られる。なお、発光ダイオード10
は、例えば図示しないTO18フラットステム等にダイ
ボンディングされ且つシールされた状態で上部電極26
に正電圧を、下部電極24に負電圧をそれぞれ印加して
用いられる。
【0022】ここで、図2および図3は、上記の発光ダ
イオード10の特性評価結果を、第2クラッド層18に
対応する化合物半導体層が設けられていない他は同様な
構成とされた従来の発光ダイオードと対比して示すもの
である。図において「○」は本実施例の発光ダイオード
10の測定値を、「×」は従来の発光ダイオードの測定
値をそれぞれ表す。図2は、定電流を印加したときの発
光出力(相対値)をそれぞれ示したものである。図に示
されるように、本実施例の発光ダイオード10によれ
ば、従来の発光ダイオードの1.5 倍程度の発光出力が得
られる。また、図3は、発光ダイオードに連続して通電
した場合の発光出力の変化を、初期値を100(%) として
相対値で表したものである。本実施例によれば、1000
(時間) 通電後にも殆ど発光出力の低下が見られないの
に対し、従来の発光ダイオードでは、10 (時間) 程度の
連続通電でも明らかな発光出力低下が生じ、1000 (時
間)程度連続通電すると発光出力が50 (%) 程度まで低
下する。すなわち、従来の発光ダイオードでは当初から
それほど高い出力が得られず、しかも、連続通電によっ
て出力が大きく低下するが、本実施例によれば高出力が
長時間に亘って維持されことから高い信頼性が得られる
のである。
【0023】すなわち、本実施例によれば、第3クラッ
ド層20と活性層16との間に、その第3クラッド層2
0よりも低いキャリア濃度で同様な不純物(Zn)がドー
ピングされた第2クラッド層18が設けられる。そのた
め、第3クラッド層20と活性層16との間に設けられ
たその第2クラッド層18によって、その第3クラッド
層20内において結晶格子間に存在する不純物(Zn)が
活性層16内に拡散することが抑制されると共に、その
第2クラッド層18は第3クラッド層20よりもキャリ
ア濃度が低くされてその内部において格子間に存在する
不純物(Zn)量が第3クラッド層20よりも少なくされ
ていることから、その第3クラッド層20が活性層16
に直に接している場合よりも活性層16内に拡散する不
純物(Zn)量が少なくされる。したがって、活性層16
内への不純物拡散量が少なくされて、それに起因する発
光出力や信頼性の低下を抑制し得る発光ダイオード10
が得られる。
【0024】しかも、本実施例においては、第1クラッ
ド層14、活性層16、および第3クラッド層20は、
何れもInGaAlP 系化合物半導体である。このInGaAlP 系
化合物半導体では抵抗率が高く且つ不純物の活性化率が
低いことから、発光ダイオード10の動作電圧を可及的
に低くするために前述のように第1、第2クラッド層1
4、20のキャリア濃度を高くする必要があると共に、
それら第1のキャリア濃度或いは第2のキャリア濃度を
得るために必要な不純物ドーピング量が多くなって、第
3クラッド層20および第1クラッド層14内において
格子間に存在する不純物(ZnおよびSe)の量が多くな
る。この場合において、活性層16と第3クラッド層2
0との間に、その第3クラッド層20よりも不純物ドー
ピング量が少ない第2クラッド層18が設けられること
により、不純物(Zn)が活性層16内に拡散することが
抑制されるため、高輝度が得られる一方で発光出力や信
頼性の低下が生じ易かったInGaAlP 系化合物半導体から
成る発光ダイオード10において、発光出力や信頼性の
低下が抑制される。
【0025】また、本実施例においては、前記第2クラ
ッド層18は、t=0.2(μm)程度の厚さで設けられてい
る。そのため、第2クラッド層18の厚さは、第3クラ
ッド層20から活性層16内への不純物(Zn)の拡散を
十分に抑制し得る範囲で十分に薄くされていることか
ら、活性層16内への不純物拡散に起因する発光出力や
信頼性の低下を抑制しつつ、電気抵抗の増大に起因する
動作電圧の上昇が抑制される。
【0026】また、好適には、前記第2クラッド層18
は、キャリア濃度が7 ×1016 (cm-3) 程度とされてい
る。そのため、キャリア濃度が十分に低くされているこ
とから、第2クラッド層18内に存在し得る格子間不純
物量が十分に少なくされて、その不純物の活性層16内
への拡散に起因する発光出力や信頼性の低下が抑制され
る。
【0027】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前述の実施例と共通する部分
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0028】図4は、前記図1の要部に対応する部分を
拡大して示す図である。本実施例においては、前記第2
クラッド層18は設けられず、第1クラッド層14と活
性層16との間に第4クラッド層30が設けられてい
る。他の構成は前述の実施例と同様である。上記の第4
クラッド層30は、例えば、t=0.2(μm)程度の厚さの
n-In0.5(Ga0.4Al0.6)0.5P 単結晶から成る化合物半導体
であり、n型のドーパントであるSeが不純物としてドー
プされることによってキャリア濃度が7 ×1016 (cm-3)
程度とされたものである。すなわち、第1クラッド層1
4よりも十分に低いキャリア濃度で十分に薄い厚さに形
成されている。本実施例においては、第1クラッド層1
4が第1半導体層に、第4クラッド層30が第3半導体
層に相当し、第3のキャリア濃度は7 ×1016 (cm-3) 程
度である。したがって、本実施例においては、第1クラ
ッド層14内に存在する格子間不純物(Se)が活性層1
6内に拡散することに起因する発光性能の低下が抑制さ
れる。すなわち、低キャリア濃度層は、基板側に設けら
れた第1半導体層と発光層との間に設けられてもよいの
である。
【0029】図5は、更に他の実施例を説明するための
図であって、図4に対応する図である。本実施例におい
ては、第1クラッド層14と活性層16との間に第4ク
ラッド層30が、第3クラッド層20と活性層16との
間に第2クラッド層18がそれぞれ設けられている。こ
れら第4クラッド層30および第2クラッド層18は、
前記図1および図4に記載されたものと同様なものであ
り、それぞれの厚さtn 、tp は何れも0.2(μm)程度と
されている。本実施例においては、第1クラッド層14
が第2半導体層に、第2クラッド層18が第3半導体層
に、第3クラッド層20が第1半導体層に、第4クラッ
ド層30が第4半導体層にそれぞれ相当する。このよう
にすれば、第1クラッド層14および第3クラッド層2
0の何れの層内に存在する不純物(Zn、Se)共に、活性
層16内に拡散することが第4クラッド層30或いは第
2クラッド層18によってそれぞれ抑制されるため、一
層確実に発光性能の低下が抑制される。
【0030】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施され
る。
【0031】例えば、実施例においては、本発明がInGa
AlP 系ダブルヘテロ構造の発光ダイオード10に適用さ
れた場合について説明したが、InGaAs系、AlGaAs系、Ga
AsP系等の他のダブルヘテロ構造の発光ダイオードや、
単なるpn接合の発光ダイオード等にも本発明は同様に
適用される。
【0032】また、実施例においては、基板12がGaAs
化合物半導体から構成されると共に、電流拡散層22が
GaP 化合物半導体から構成され、n型のドーパントとし
てSeが、p型のドーパントとしてZnがそれぞれ用いられ
ていたが、これらを構成する化合物半導体やドーパント
の種類は適宜変更される。例えば、基板12としてはGa
P やInP 等が用いられてもよく、また、電流拡散層22
としてはInGaAlP 化合物半導体やGaAlAs等が用いられて
もよい。また、n型のドーパントとしてはSiが用いられ
てもよく、p型のドーパントとしてはMg等が用いられて
もよい。
【0033】また、実施例では第1クラッド層14乃至
電流拡散層22がMOVPE法によって結晶成長させら
れた発光ダイオード10に本発明が適用された場合につ
いて説明したが、各層が分子線エピタキシー(MBE:
Molecular Beam Epitaxy)法、液相エピタキシー(LP
E:Liquid Phase Epitaxy)法等の他のエピタキシャル
成長技術を用いて形成された発光ダイオードにも本発明
は同様に適用される。
【0034】また、実施例においては、第2クラッド層
18および第4クラッド層30のキャリア濃度が何れも
7 ×1016 (cm-3) 程度とされていたが、これらのキャリ
ア濃度は、1 ×1017 (cm-3) 程度以下の範囲で適宜変更
される。
【0035】また、基板12、第1クラッド層14乃至
電流拡散層22の各々の厚さは適宜変更される。但し、
第3クラッド層18および第4クラッド層30の厚さ
は、第1クラッド層14或いは第3クラッド層20内の
格子間不純物の拡散を十分に抑制すると共にシリーズ抵
抗を可及的に低くするために、0.05〜0.5(μm)程度の範
囲、更に好適には0.2 〜0.3(μm)程度の範囲に設定され
ることが好ましい。
【0036】また、実施例においては、活性層16がun
-In0.5(Ga0.9Al0.1)0.5P単結晶から構成されていたが、
不純物が予めドーピングされることにより活性層16が
p型或いはn型とされている場合にも本発明は同様に適
用される。また、活性層16は、例えば、量子井戸から
構成されていてもよい。
【0037】また、図1、図4、および図5等に示され
る素子構成において、第1クラッド層14と基板12と
の間に半導体多層膜反射層(DBR)等が備えられてい
てもよい。
【0038】また、実施例においては、全面発光型の発
光ダイオード10に本発明が適用されていたが、上部電
極26が表面28の周縁部に設けられると共に、活性層
16の積層面に沿った方向の中央部のみに通電される電
流狭窄構造を備えた点発光型発光ダイオードにも本発明
は同様に適用される。
【0039】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の発光ダイオードの構成を模
式的に示す図である。
【図2】図1の発光ダイオードの発光出力を従来の発光
ダイオードと比較して示す図である。
【図3】図1の発光ダイオードの寿命特性を従来の発光
ダイオードと比較して示す図である。
【図4】本発明の他の実施例の発光ダイオードの構成を
示す図であって、図1の要部拡大図に対応する図であ
る。
【図5】本発明の更に他の実施例の発光ダイオードの構
成を示す図であって、図4に対応する図である。
【符号の説明】
10:発光ダイオード 14:第1クラッド層(第2半導体層) 16:活性層(発光層) 18:第2クラッド層(第3半導体層) 20:第3クラッド層(第1半導体層) 30:第4クラッド層(第4半導体層)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光層と、該発光層を挟んで位置させら
    れた所定の第1のキャリア濃度となるように第1の不純
    物がドーピングされた第1半導体層および所定の第2の
    キャリア濃度となるように第2の不純物がドーピングさ
    れた第2半導体層とを含む複数の化合物半導体層が積層
    されて成り、該複数の化合物半導体層の表面と裏面との
    間に通電することにより該発光層で発生した光を該表面
    から取り出す形式の発光ダイオードにおいて、 前記第1半導体層と前記発光層との間に、前記第1のキ
    ャリア濃度よりも低い第3のキャリア濃度となるように
    前記第1の不純物がドーピングされた第3半導体層を設
    けたことを特徴とする発光ダイオード。
  2. 【請求項2】 前記第2半導体層と前記発光層との間
    に、前記第2のキャリア濃度よりも低い第4のキャリア
    濃度となるように前記第2の不純物がドーピングされた
    第4半導体層を更に設けたものである請求項1の発光ダ
    イオード。
  3. 【請求項3】 前記発光層、前記第1半導体層、および
    前記第2半導体層は、何れもInGaAlP 系化合物半導体で
    ある請求項1または2の発光ダイオード。
  4. 【請求項4】 前記第1の不純物は、p型のドーパント
    である請求項1または3の発光ダイオード。
  5. 【請求項5】 前記第3半導体層は、0.05乃至0.5(μm)
    の厚さで設けられたものである請求項1、3、および4
    の何れかの発光ダイオード。
  6. 【請求項6】 前記第4半導体層は、0.05乃至0.5(μm)
    の厚さで設けられたものである請求項2または3の発光
    ダイオード。
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