JP2006135214A - 半導体発光素子用エピタキシャルウェハ及び半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子用エピタキシャルウェハ及び半導体発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】第二導電型クラッド層6のZnがアンドープ活性層5中に拡散することを抑止し、且つ抑止層の膜厚を薄くして、高出力、高信頼性、且つ低コストの半導体発光素子を提供することにある。
【解決手段】第一導電型基板1上に、第一導電型クラッド層4、アンドープ活性層5、第二導電型クラッド層6、更に第二導電型電流分散層7が順次積層された半導体発光素子において、第二導電型クラッド層6とアンドープ活性層5の間に、活性層5で発光した光に対して透明な材料を2種類以上設け、且つ前記材料を各々1層ずつ交互に重ねて計2層以上形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体発光素子(発光ダイオード、半導体レーザ)用エピタキシャルウェハ、特にp型不純物としてZn(亜鉛)を用いたAlGaInP系発光素子に適した半導体発光素子用エピタキシャルウェハ及びこれを用いて作製した高輝度、高信頼性の半導体発光素子に関するものである。
最近、AlGaInP系エピタキシャルウェハを用いて製造する高輝度の赤色および黄色発光ダイオードの需要が大幅に伸びている。主な需要は、交通用信号、自動車のブレーキランプ、フォグランプなどである。
図3に赤色帯のAlGaInP系発光ダイオードの典型的な構造を示す。全てのエピタキシャル層は有機金属気相成長法(MOVPE法)によって成長している。
図3において第一導電型基板としてのn型GaAs基板1上に、MOVPE法により、第一導電型バッファ層としてn型GaAsバッファ層(厚さ400nm、Seドープ1×1018cm-3)2、第一導電型光反射層としてn型DBR(分布ブラッグ反射)層3、第一導電型クラッド層としてn型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(厚さ400nm、Seドープ:1×1018cm-3)4、アンドープ活性層としてアンドープ(Al0.10Ga0.900.5In0.5P活性層(厚さ500nm)5、第二導電型クラッド層としてp型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(厚さ400nm、Znドープ:5×1017cm-3)6、第二導電型電流分散層としてp型GaP電流分散層(厚さ10000nm、Znドープ:3×1018cm-3)7を順次成長させて成膜する。因みに上記n型DBR層3はAlInP(50nm)とGaAs(40nm)を1つのペアとして、15ペア設けた。更に、上記n型GaAs基板1の成長層とは反対側表面全面に電極8を形成し、又、p型GaP電流分散層7上表面に直径0.12mmの円形の電極9を形成する。
このようにして構成された電極付きLED用エピタキシャルウェハを前記電極9が中心になるように0.3mm角に切断し、更にTO−18ステム上にマウント(ダイボンディング)した。更にマウントされたLEDベアチップに、ワイヤボンディングを行った。
このようにして製作されたLED素子(ベアチップ)では、アンドープ活性層5にZnが拡散しアンドープ活性層5内にpn接合が形成され、その時の発光出力は、20mA通電時で1.1mWであった。又このLED素子(樹脂でモールドされていない)の信頼性を、試験条件:25℃、50mA通電で行い、評価したところ、24時間通電後に、発光出力が約60%に低下してしまった(以降相対出力と書く)。因みに信頼性試験での出力評価時の電流値は20mAである。
上記のようにアンドープ活性層5にZnが拡散することで、発光出力が低下し、更に信頼性が悪くなっている。
そこで、図4に示すように、前記アンドープ活性層5と前記p型クラッド層(第二導電型クラッド層)6の間に、アンドープ層10を5〜200nm設ける方法(図4)や、又は該アンドープ活性層5の該第二導電型クラッド層の一部を5〜200nm、アンドープ化する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
この前記方法で、該アンドープ活性層5へのZnの拡散をある程度抑えた効果により、発光出力は向上し、信頼性も向上する。しかしながら、Znの拡散を完全に抑えきれず、未だ発光出力が低く信頼性が悪い。
更に上記したアンドープ活性層5と第二導電型クラッド層6の間に、500nm以上のアンドープ層10を設け、高出力及び高信頼性を達成した方法も開示されているが(例えば、特許文献2参照)、この方法では膜厚が厚くなることから、コスト高であると言う問題がある。
特願平7−128311号公報 特開2003−179254号公報
上記したように、図3に示した従来の構成では前記アンドープ活性層5にZnが拡散し、これにより結晶中に欠陥を作り、発光出力が低下することと、このZn拡散によりLEDの信頼性が著しく低下すると言う問題がある。この問題は、図4に示した構造の如く、前記アンドープ活性層5と前記第二導電型クラッド層6の間に500nm以上のアンドープ層10を設けることにより解決することできる。
しかしながら、アンドープ層10を500nm以上の厚さで設ける方法では、膜厚が厚くなることから、今度はコストが高くなる、と言う問題がある。
そこで、本発明の目的は、層界面にトラップさせることで、第二導電型クラッド層のZnがアンドープ活性層中に拡散することを抑止し、且つ抑止層の膜厚を薄くして、高出力、高信頼性、且つ低コストの半導体発光素子を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明に係る半導体発光素子用エピタキシャルウェハは、第一導電型基板上に、第一導電型クラッド層、アンドープ活性層、第二導電型クラッド層、更に第二導電型電流分散層が順次積層された半導体発光素子において、第二導電型クラッド層とアンドープ活性層の間に、アンドープ活性層で発光した光に対して透明な材料を2種類以上設け、且つ前記材料を各々1層ずつ交互に重ねて計2層以上形成したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、上記第二導電型クラッド層とアンドープ活性層の間に設けた層が、アンドープ層若しくは第二導電型クラッド層よりも低濃度層であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、上記第二導電型クラッド層とアンドープ活性層の間に設けた層の全厚が、50nmから2000nmであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、上記第二導電型クラッド層とアンドープ活性層の間に設けた各層の各々の膜厚が、各々3nmから500nmであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、上記第二導電型クラッド層とアンドープ活性層の間に設けた層の材料が、(AlXGa1-XYIn1-YP(0≦X≦1、0≦Y≦1)であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、上記第一導電型クラッド層、アンドープ活性層、第二導電型クラッド層を形成する主たる材料がAlGaInP又はGaInPであり、第二導電型ドーパントとしてZnMg、Beのいずれかのp型ドーパントが用いられていることを特徴とする。
請求項7の発明に係る半導体発光素子は、請求項1から6のいずれかに記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハを用いて製作したことを特徴とする。
<発明の要点>
本発明の要点は、アンドープ活性層と第二導電型クラッド層の間に、発光した光に対して透明な2種類以上の異なる材料を挿入することにより、その異なる材料でのヘテロ接合界面で効率良くZnをトラップできることを見出したことにある。つまり、本発明者等は、アンドープ活性層と第二導電型クラッド層の間に単層のアンドープ層を設けるよりも、ここに発光した光に対して透明であるヘテロ障壁を1つ又は2つ以上備えるZn拡散抑止多層構造層を設けることにより、効率良くZnの拡散を抑止できることを見出した。本発明では、この構造を採用することにより、Zn拡散抑止層の膜厚を従来よりも薄くすることができ、高出力、高信頼性及び低コストのLED、及びLED用エピタキシャルウェハが製作可能になった。
また、本発明においては、第二導電型クラッド層とアンドープ活性層の間に、多種材料での多層ヘテロ構造としたZn拡散抑止多層構造層を、アンドープ若しくは第二導電型クラッド層よりも低濃度で設けると良い。これにより、低コストに、半導体発光素子の発光出力及び信頼性の向上を図ることができる。
Zn拡散抑止多層構造層の各層の膜厚は、薄すぎるとZnのトラップ効果が薄れ、また、あまりに厚すぎるとヘテロ障壁の数が少なくなって、Znのトラップ効果が薄れる。よって、Zn拡散抑止多層構造層の各層の膜厚は、3から500nmが好ましく、5から100nm程度がより好ましい。
また、Zn拡散抑止多層構造層の全体の膜厚は、厚ければ厚いほど発光出力及び信頼性が向上するが、コストも高くなる。よって、Zn拡散抑止多層構造層11の全体の厚さは、50〜2000nmが最も適している。
本発明によれば、第一導電型半導体基板上に第一導電型クラッド層、アンドープ活性層、第二導電型クラッド層、更に第二導電型電流分散層が積層された半導体発光素子において、アンドープ活性層と第二導電型クラッド層の間に、発光した光に対して透明であるヘテロ障壁を1つ又は2つ以上備えたZn拡散抑止多層構造層を設けたので、単層のアンドープ層を設ける場合よりも薄い、従ってより安価な成膜手段にて、第二導電型クラッド層から拡散してきたZn等のドーパントがアンドープ活性層に進入することを防止し、アンドープ活性層の劣化を防止することができ、従って高信頼性、高出力の優れたLED及びLED用エピタキシャルを、低コストで得ることができた。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態にかかるAlGaInP系赤色LEDを示した断面構造図である。
第一導電型基板としてのn型GaAs基板1上に、第一導電型バッファ層としてのn型GaAsバッファ層2、第一導電型光反射層としてのn型DBR層3、第一導電型クラッド層としてのn型AlGaInPクラッド層4、アンドープ活性層としてのアンドープAlGaInP活性層5、発光した光に対して透明な2種類の異なる材料を各々2層以上形成して成るZn拡散抑止多層構造層11、第二導電型クラッド層としてのp型AlGaInPクラッド層6、第二導電型電流分散層としてのp型GaP電流分散層7を順次積層されている。
上記p型AlGaInPクラッド層6とアンドープAlGaInP活性層5の間に設けられるZn拡散抑止多層構造層11は、発光した光に対して透明なアンドープAlGaInP層11a(厚さ50nm)と、アンドープAlInP層11b(厚さ50nm)を交互に計4層又は8層積み重ねた積層構造から成る。積層数はこれより少なくても良いが、有効なZn拡散抑止効果を得るためには、発光した光に対して透明な2種類以上の材料で2層以上が必要である。
図2は本発明の第二の実施形態にかかるAlGaInP系赤色LEDを示した断面構造図である。
この実施形態は、上記p型AlGaInPクラッド層6とアンドープAlGaInP活性層5の間に設けられるZn拡散抑止多層構造層11の構成の仕方において、図1と異なっている。
図1では、発光した光に対して透明な2種類材料であるアンドープAlGaInP層11aと、アンドープAlInP層11bを交互に重ねた。しかし、発光した光に対して透明な互いに異なる材料は、各々3種類以上用意し、交互に重ねて、計6層以上の積層構造としてもよい。この図2の実施形態の場合には、発光した光に対して透明な互いに異なる4種類の材料として、アンドープ(Al0.7Ga0.30.5In0.5P(厚さ50nm)層11a、アンドープ(Al0.8Ga0.20.5In0.5P(厚さ50nm)層11c、アンドープ(Al0.9Ga0.10.5In0.5P(厚さ50nm)層11d、アンドープAl0.5In0.5P(厚さ50nm)層11bを用意し、各材料の層を一層ずつ交互に重ねて、計4層の積層構造としている。
[実施例1]
本発明の第一の実施例として、図1に示した構造の発光波長630nm付近の赤色発光ダイオード用エピタキシャルウェハを作製した。
第一導電型基板としてのn型GaAs基板1上に、MOVPE法により、第一導電型バッファ層としてのn型GaAsバッファ層(厚さ400nm、Seドープ1×1018cm-3)2、第一導電型光反射層としてのn型DBR層3、第一導電型クラッド層としてのn型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(厚さ400nm、Seドープ:1×1018cm-3)4、アンドープ活性層としてのアンドープ(Al0.10Ga0.900.5In0.5P活性層(厚さ500nm)5を順次成長させた。次いで、発光した光に対して透明な2種類の異なる材料の層を交互に積層したZn拡散抑止多層構造層11として、アンドープ(Al0.7Ga0.30.5In0.5P(厚さ50nm)層11a、アンドープAl0.5In0.5P(厚さ50nm)層11b、アンドープ(Al0.7Ga0.30.5In0.5P(厚さ50nm)層11a、アンドープAl0.5In0.5P(厚さ50nm)層11bを順次成長させた(図面における「un−」は「アンドープ」を意味する)。すなわち、この実施例の場合、Zn拡散抑止多層構造層11は、発光した光に対して透明なアンドープ(Al0.7Ga0.30.5In0.5P(厚さ50nm)層11aと、アンドープAl0.5In0.5P(厚さ50nm)層11bを、交互に重ねて、計4層の積層構造とし、これを上記p型AlGaInPクラッド層6とアンドープAlGaInP活性層5の間に設けた。そして、第二導電型クラッド層としてのp型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(厚さ400nm、Znドープ:5×1017cm-3)6、第二導電型電流分散層としてのp型GaP電流分散層(厚さ10000nm、Znドープ:3×1018cm-3)7を順次成長させて成膜した。因みに上記DBR層3はAlInP(50nm)とGaAs(40nm)を1つのペアとして、15ペア設けた。
又、前記Zn拡散抑止多層構造層11を構成する各層11a、11bの材料は上記に同じとして、各々の層11a、11bの膜厚を半分の25nmとし、8層にしたエピタキシャルウェハも製作した(AlGaInP層25nm×4層とAlInP層25nm×4層)。
なお、MOVPE成長は、成長温度700℃、成長圧力50Torr、各層の成長速度は0.3〜1.0nm/s、V/III比は300〜600で行った。
上記により製作したエピタキシャルウェハに対し、上記n型GaAs基板1の成長層とは反対側表面全面に電極8を形成し、又、p型GaP電流分散層7上の表面に直径0.12mmの円形の電極9を形成する。このようにして構成された電極付きLED用エピタキシャルウェハを前記電極9が中心になるように0.3mm角に切断し、更にTO−18ステム上にマウント(ダイボンディング)した。更にマウントされたLEDベアチップに、ワイヤボンディングを行った。
このようにして製作されたLED素子(ベアチップ)で、20mA通電時の発光出力は、それぞれ2.0mWと2.1mWであった。また順方向動作電圧も、1.94Vと1.95Vと低かった。更にこのLED素子(樹脂でモールドされていない)の信頼性を、試験条件:25℃、50mA通電で行い、評価したところ、24時間通電後に、相対出力が約95%と98%と良好であった。
このため、第二導電型クラッド層6とアンドープ活性層5の間に、アンドープの2種類の材料を交互に4層積層して成るZn拡散抑止多層構造層11を設けたことにより、低コストであり高発光出力及び高信頼性の半導体発光素子及び半導体発光素子用エピタキシャルウェハを製作することができた。
[実施例2]
本発明の第二の実施例として、図2に示した構造の発光波長630nm付近の赤色発光ダイオード用エピタキシャルウェハを作製した。
第一導電型基板としてのn型GaAs基板1上に、MOVPE法により、第一導電型バッファ層としてのn型GaAsバッファ層(厚さ400nm、Seドープ1×1018cm-3)2、第一導電型光反射層としてのn型DBR層3、第一導電型クラッド層としてのn型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(厚さ400nm、Seドープ:1×1018cm-3)4、アンドープ活性層としてのアンドープ(Al0.10Ga0.900.5In0.5P活性層(厚さ500nm)5を順次成長させた。次いで、発光した光に対して透明な4種類の異なる材料の層を交互に積層したZn拡散抑止多層構造層11として、アンドープ(Al0.7Ga0.30.5In0.5P(厚さ50nm)11a、アンドープ(Al0.8Ga0.20.5In0.5P(厚さ50nm)11c、アンドープ(Al0.9Ga0.10.5In0.5P(厚さ50nm)11d、アンドープAl0.5In0.5P(厚さ50nm)11bを順次成長させた。そして、第二導電型クラッド層としてのp型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(厚さ400nm、Znドープ:5×1017cm-3)6、第二導電型電流分散層としてのp型GaP電流分散層(厚さ10000nm、Znドープ:3×1018cm-3)7を順次成長させて成膜した。因みに上記DBR層3はAlInP(50nm)とGaAs(40nm)を1つのペアとして、15ペア設けた。
MOVPE成長条件、電極形成条件、LED素子製作条件及び方法は、実施例1と同じである。
このようにして製作されたLED素子(ベアチップ)の発光出力は、20mA通電時で1.9mWであった。また順方向動作電圧は1.93Vであった。更にこのLED素子(樹脂でモールドされていない)の信頼性を、試験条件:25℃、50mA通電で行い、評価したところ、24時間通電後の相対出力は約93%であった。
このため、第二導電型クラッド層6とアンドープ活性層5の間に、アンドープの2種類の材料を交互に計4層設けて成るZn拡散抑止多層構造層11を設けたことにより、低コストであり高発光出力及び高信頼性の半導体発光素子及び半導体発光素子用エピタキシャルウェハを製作できた。
<最適条件に付いての根拠>
Zn拡散抑止多層構造層11の各層の膜厚は、薄すぎるとZnのトラップ効果が薄れる。しかし、あまりに厚すぎるとヘテロ障壁の数が少なくなるので、Znのトラップ効果が薄れる。つまり、最適な膜厚がある。アンドープ層10の各層の膜厚は、3から500nmが好ましく、5から100nm程度がより好ましい。
Zn拡散抑止多層構造層11の全体の膜厚は、厚ければ厚いほど、発光出力及び信頼性は向上する。但し、ある一定の厚さ以上になれば、Zn拡散抑止多層構造層11の効果は小さくなり、発光出力及び信頼性の向上は、飽和状態になる。又、コストが高くなる。このため、Zn拡散抑止多層構造層11の厚さは、適当な厚さがあり、厚くしすぎるのもあまり適しない。よってZn拡散抑止多層構造層11の全体の厚さは、50〜2000nmが最も適している。
Zn拡散抑止多層構造層11に用いる材料は、11aと11bとのバンドギャップ差や組成差が大きい方が良い。それは異種材料の方が、Znのトラップ効果が大きいからである。しかし双方又は一方の材料に、発光した光に対して不透明な材料を用いるのは好ましくない。発光した光に対して不透明な材料を用いると、光吸収層になってしまい、発光出力が低下するためである。よって今回の630nm帯の発光ダイオードの場合では、Zn拡散抑止多層構造層11に用いる材料として、前記アンドープ活性層5の組成である(Al0.10Ga0.900.5In0.5PからAl0.5In0.5P、Al0.40GaAsからAlAsが好ましい。また、(Al0.20Ga0.900.5In0.5PからAl0.5In0.5P、Al0.50GaAsからAlAsがより好ましい。
<他の実施例、変形例>
(1)上記 実施例で述べたZn拡散抑止多層構造層11の材料の他、AlプラスGaとInのバランスを代える層、例えば(Al0.70Ga0.900.4In0.6Pと(Al0.70Ga0.900.5In0.5Pや(Al0.70Ga0.900.4In0.6Pと(Al0.70Ga0.900.6In0.4Pや、Al0.5In0.5PとAl0.4In0.6Pなどでも同様の効果が出ることが、容易に類推できる。
但し、あまりバランスを崩しすぎると格子整合度が大きく異なって、結晶性が悪くなったり、表面状態が悪くなったりすることがある。このため大きくバランスを崩すのは、あまり好ましくはない。
(2)上記実施例では、アンドープ活性層を単層としたが、多重量子井戸構造にしても同様のZn拡散抑止効果を得ることができる。
(3)上記実施例では、光反射層であるDBR層を挿入した構造であるが、DBR層がなくても同様のZn拡散抑止効果を得ることができる。
(4)上記実施例ではバッファ層があるが、バッファ層がなくても同様のZn拡散抑止効果を得ることができる。
(5)上記実施例では、電極9の形状は、円形であるが、異形状、例えば四角、菱形、多角形等でも同様のZn拡散抑止効果を得ることができる。
本発明の一実施例にかかるAlGaInP系赤色LED用エピタキシャルウェハの断面構造図である。 本発明の他の実施例にかかるAlGaInP系赤色LED用エピタキシャルウェハの断面構造図である。 従来例にかかるAlGaInP系赤色LED用エピタキシャルウェハの断面構造図である。 他の従来例にかかるAlGaInP系赤色LED用エピタキシャルウェハの断面構造図である。
符号の説明
1 n型GaAs基板(第一導電型基板)
2 n型GaAsバッファ層(第一導電型バッファ層)
3 n型DBR層(第一導電型光反射層)
4 n型AlGaInPクラッド層(第一導電型クラッド層)
5 アンドープAlGaInP活性層(アンドープ活性層)
6 p型AlGaInPクラッド層(第二導電型クラッド層)
7 p型GaP電流分散層(第二導電型電流分散層)
11 Zn拡散抑止多層構造層

Claims (7)

  1. 第一導電型基板上に、第一導電型クラッド層、アンドープ活性層、第二導電型クラッド層、更に第二導電型電流分散層が順次積層された半導体発光素子において、
    第二導電型クラッド層とアンドープ活性層の間に、アンドープ活性層で発光した光に対して透明な材料を2種類以上設け、且つ前記材料を各々1層ずつ交互に重ねて計2層以上形成したことを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハ。
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、
    上記第二導電型クラッド層とアンドープ活性層の間に設けた層が、アンドープ層若しくは第二導電型クラッド層よりも低濃度層であることを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハ。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、
    上記第二導電型クラッド層とアンドープ活性層の間に設けた層の全厚が、50nmから2000nmであることを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、
    上記第二導電型クラッド層とアンドープ活性層の間に設けた各層の各々の膜厚が、各々3nmから500nmであることを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、
    上記第二導電型クラッド層とアンドープ活性層の間に設けた層の材料が、(AlXGa1-XYIn1-YP(0≦X≦1、0≦Y≦1)であることを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハ。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、
    上記第一導電型クラッド層、アンドープ活性層、第二導電型クラッド層を形成する主たる材料がAlGaInP又はGaInPであり、第二導電型ドーパントとしてZnMg、Beのいずれかのp型ドーパントが用いられていることを特徴とする半導体発光素子用エピタキシャルウェハ。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の半導体発光素子用エピタキシャルウェハを用いて製作したことを特徴とする半導体発光素子。
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