JP5315899B2 - 発光素子 - Google Patents
発光素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5315899B2 JP5315899B2 JP2008255143A JP2008255143A JP5315899B2 JP 5315899 B2 JP5315899 B2 JP 5315899B2 JP 2008255143 A JP2008255143 A JP 2008255143A JP 2008255143 A JP2008255143 A JP 2008255143A JP 5315899 B2 JP5315899 B2 JP 5315899B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- barrier layer
- type
- barrier
- type cladding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 230000004888 barrier function Effects 0.000 claims abstract description 170
- 239000000758 substrate Substances 0.000 claims abstract description 54
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 claims abstract description 27
- 150000001875 compounds Chemical class 0.000 claims abstract description 25
- 238000005253 cladding Methods 0.000 claims description 118
- 239000000203 mixture Substances 0.000 claims description 73
- 230000008859 change Effects 0.000 claims description 7
- 230000008901 benefit Effects 0.000 abstract description 5
- 239000012535 impurity Substances 0.000 description 32
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 24
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 description 22
- 239000000969 carrier Substances 0.000 description 18
- 229910001218 Gallium arsenide Inorganic materials 0.000 description 15
- 238000000034 method Methods 0.000 description 13
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 12
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 8
- 238000002488 metal-organic chemical vapour deposition Methods 0.000 description 8
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 6
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 6
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 5
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 5
- 230000031700 light absorption Effects 0.000 description 5
- 238000001947 vapour-phase growth Methods 0.000 description 5
- 239000000463 material Substances 0.000 description 4
- 230000006798 recombination Effects 0.000 description 4
- 238000005215 recombination Methods 0.000 description 4
- 230000007704 transition Effects 0.000 description 4
- 238000011109 contamination Methods 0.000 description 3
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 3
- 238000013461 design Methods 0.000 description 3
- 239000002019 doping agent Substances 0.000 description 3
- 238000002248 hydride vapour-phase epitaxy Methods 0.000 description 3
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 3
- 229910000980 Aluminium gallium arsenide Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 2
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 2
- 238000005530 etching Methods 0.000 description 2
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 2
- 238000000605 extraction Methods 0.000 description 2
- 230000001629 suppression Effects 0.000 description 2
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 2
- 239000012808 vapor phase Substances 0.000 description 2
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 description 1
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 1
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 1
- 238000005286 illumination Methods 0.000 description 1
- 230000001771 impaired effect Effects 0.000 description 1
- 238000002513 implantation Methods 0.000 description 1
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 1
- 230000008569 process Effects 0.000 description 1
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 1
- 230000000717 retained effect Effects 0.000 description 1
- 230000005641 tunneling Effects 0.000 description 1
- 230000005428 wave function Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Led Devices (AREA)
Description
ここで、AlGaInP系発光素子ではAlGaAs若しくはGaPが窓層として用いられる。しかしAlGaAs層は、水分に対して劣化するという特性上の問題があり、一般的にはGaPが窓層に用いられている。
この場合、他方の窓層も、貼り合わせ、若しくは結晶成長によって形成されることになるが、発光層を形成する際に下地として用いたGaAs基板は光吸収層として機能するため、窓層形成前にGaAs基板を除去する必要がある。
AlGaInP系とGaAs系は格子整合系ながら、選択エッチング法の利用が可能であり、そのため、選択エッチングに要する層を適切にGaAs基板とAlGaInP層との間に挿入することでGaAs基板をきれいに除去することができる。
そこでGaAs基板の除去前に、機械的強度を保つための強度保持板(あるいは強度保持ウエハ)を、発光層の最表面側に貼り付けてからGaAs基板を除去する方法も考えられる。この場合、除去されたGaAs基板面側にGaP基板の貼り付け等行うわけだが、GaP基板を貼り付けた後、強度保持板(あるいはウエハ)を剥離(除去)しなければならず、剥離に伴って洗浄が必要であったり、更に汚染などの懸念もあり、工業的にはコストが上がるばかりであまりメリットがない。
このような厚膜GaP層を結晶成長で形成する場合、工業的工程を通すために十分な機械的強度を持たせるために必要なGaP層の厚さは20μm以上である。しかし20μm以上の膜厚のGaP層を結晶成長するためには数〜十数時間が必要である。GaP層は厚膜になるほど側面光取り出しが増大するため、成長時間が長くなることはあっても短くなる事はない。
また、GaP層の成長に要する温度は、一般に発光層を成長する際の温度より同等以上の高温が必要であり、発光層部はMOVPE成長時の温度、若しくはそれより高い温度に長時間さらされることになる。
このp型クラッド層にはMgやZnなどのp型不純物がドーピングされており、加熱されることで熱力学に従って濃度の高い方から低い方へ拡散する。このため、当然活性層中にも拡散する可能性がある。そして活性層中に拡散したp型不純物は欠陥を形成しやすいため、通電などによる素子寿命試験時に欠陥を形成し、その結果、キャリア注入効率の低下、光吸収の増大等を引き起こし、光出力の低下現象を引き起こす。
例えば、活性層は通常Al組成xが少ないため、活性層中の不純物拡散速度は、Al組成xの高いクラッド層より相対的に早く、不純物が滞在しにくい。
また、活性層への注入効率を落とさないため、クラッド層はある程度以上の濃度の不純物を保持していなければならず、このためクラッド層に存在する不純物は活性層中へ拡散する。しかし不純物の拡散があっても、活性層の厚さがある程度以上の厚さを有していれば不純物拡散による顕著な影響が起こる不純物濃度以下の活性層を設計することができる。
このようなMQW構造をとることにより、量子井戸への閉じ込め効果によって発光効率を高めることができる。しかしながら、MQWの各層の厚さは数〜十数nmと半導体内の電子のド・ブロイ波長程度であるため、バルク活性層と比べると大幅に各層の厚さは薄く、前述したように活性層に与える不純物拡散の影響が大きくなる。MQWにおける活性層を増やせば解決できる可能性もあるが、大幅に層数を増やす必要があり、活性層の自己吸収で内部量子効率は低下する。
また障壁層の厚さを10〜20nm程度まで減らしても、直列抵抗成分はバルク活性層の1〜2割程度高い水準に留まると共に、障壁層の厚さを減らすことで閉じ込め効果が弱まり、発光出力も低下する。前述の膜厚よりも薄くすると、活性層の厚さは変わらなくなるため、活性層における量子効果を利用することができず、直列抵抗成分の高いだけのバルク型活性層と同様の特性を示すにとどまる。
従って、n型またはp型、あるいはp側とn側両者に30μm以上の厚い膜厚を有するGaP窓層を有するAlGaInP系発光素子において、高い内部量子効率と低い直列抵抗成分と、長寿命を有する発光素子を実現することは現状の技術では困難であった。
これによって、n型キャリアに対してはp型クラッド層近傍まで拡散できるようになる。また、p型キャリアに対してはn型キャリアより有効質量が重いため、障壁層におけるキャリアホッピング確率がn型キャリアに比べて低かったが、n型クラッド層に近い側の障壁層に比べてp型クラッド層に近い側の方のバンドギャップを同じか小さくすることで障壁層でのホッピング確率を増加させることができる。これによって、p/nジャンクション付近でのp型キャリアの滞在確率を増加させることができる。これらの結果、均一の障壁を有する従来の発光素子より、活性層中にn型、p型両者のキャリアを均一に分布させることができる。よって、直列抵抗の減少と同時に内部量子効率の向上を図ることができる。従って、低抵抗且つ高発光効率な発光素子とすることができる。
また多重活性層構造を取っているため、不純物拡散の影響を低減でき、長寿命とすることができる。
前記n型クラッド層に近い側の活性層は、前記p型クラッド層に近い側の活性層に比べて厚さが薄いものであることを特徴とする発光素子を提供する。
また多重活性層構造であるため、長寿命となっている。
障壁層が上述のような組成を有するものであれば、障壁層での不純物の拡散速度を活性層と比較して遅くすることができ、これによって、不純物が活性層に滞留することを抑制することができる。従って、キャリア注入効率の上昇や光吸収の抑制を実現できる。
このように、n型クラッド層からの距離がp型クラッド層からの距離と比べて同じか近い障壁層のAlの組成比xを上述の範囲とすることによって、より直列抵抗の低い障壁層とすることができる。また、障壁層における不純物の拡散速度を活性層と比較して遅くすることができるため、不純物が活性層に滞留することを抑制することができ、キャリア注入効率の上昇や光吸収の抑制を達成することができる。これによって発光輝度を更に高いものとすることができる。
このように、活性層の厚さを、キャリアが留まる確率を増加させることができる5nm以上にすることで、より発光効率を高めることができる。
このように、障壁層の厚さを、トンネル効果によるキャリアの透過を抑制することができる5nm以上にすることで、キャリアの閉じ込め効果をより増加させることができ、更に発光効率を高めることができる。
また50nm以下とすることで、キャリアホッピング確率が低下してしまうことを抑制することができる。
このように、各々の中ではAlの組成比xおよび(AlxGa1−x)の組成比yが変化しない構造の障壁層であれば、キャリアの閉じ込め効果をより高いものとすることができるため、より発光効率を高いものとすることができる。
このように、p型クラッド層からの距離が、n型クラッド層からの距離と比べて近い障壁層のAlの組成比を0.3以上0.9未満とすることで、更に、直列抵抗の低い障壁層とすることができる。
そして図1(b)に示すように、この化合物半導体基板100は、少なくとも、第一層としてのn型GaP基板101、第二層としてのn型InGaP緩衝層102、第三層としてn型AlGaInP層103、第五層としてp型AlGaInP層109、第六層としてp型InGaP緩衝層110、第七層としてp型GaP窓層111を有し、第三層と第五層の間の第四層として発光層107からなるものである。
またこの障壁層106は、図1(c)に示したように、活性層105よりバンドギャップが同じか大きく、またn型クラッド層104及びp型クラッド層108よりバンドギャップが同じか小さいものであり、かつ活性層105と障壁層106は1回以上交互に積層されたものとなっている。
更に、障壁層106はn型クラッド層104に近い側の障壁層に比べてp型クラッド層108に近い側の方がバンドギャップが同じか小さくなっている。また、p型クラッド層108に最も近い障壁層は、n型クラッド層104に最も近い障壁層に比べてバンドギャップが小さいものとなっている。
また、p型キャリアはn型キャリアより有効質量が重く、障壁層を飛び越えるキャリアホッピングの確率がn型キャリアに比べて低かった。しかし本発明によれば、障壁層でのホッピング確率を増加させることができる。そのため、活性層中でのp型キャリアの滞在確率が増加する。
その結果、従来のような均一の障壁の発光素子と比較して、活性層中にn型、p型両者のキャリアが均一に分布することになる。これによって、直列抵抗の減少と同時に内部量子効率の向上を図ることができ、低抵抗且つ高発光効率な発光素子とすることができる。
また発光寿命が長い多重活性層構造の化合物半導体を用いて製造された発光素子であるため、長寿命な発光素子とすることができる。
具体的には、p型クラッド層108は(AlX3Ga1−X3)yIn1−yP(0.5<X3<0.7,0.45<y<0.55)、p型AlGaInP層109は(AlX4Ga1−X4)yIn1−yP(0.6<X4<1,0.45<y<0.55)とすることが望ましい(但しX3<X4)。
ここでp型クラッド層108とp型AlGaInP層109のAl組成の構成が逆になっているのは、有効質量の重い正孔が活性層105へ到達する確率を損なわないようにするためである。
そして図2(b)に示すように、化合物半導体基板200は、少なくとも、第一層としてのn型GaP基板201、第二層としてのn型InGaP緩衝層202、第三層としてn型AlGaInP層203、第五層としてp型AlGaInP層209、第六層としてp型InGaP緩衝層210、第七層としてp型GaP窓層211を有し、第三層と第五層の間の第四層として発光層207からなるものである。
そしてこの発光層207は、n型クラッド層204、p型クラッド層208、5層の活性層205、4層の障壁層206からなるものである。また図2(c)に示すように、障壁層206のバンドギャップが、n型クラッド層204側からp型クラッド層208に近づくにつれて徐々に減少していく構造となっている。
そして図3(b)に示すように、化合物半導体基板300は、少なくとも、第一層としてのn型GaP基板301、第二層としてのn型InGaP緩衝層302、第三層としてn型AlGaInP層303、第五層としてp型AlGaInP層309、第六層としてp型InGaP緩衝層310、第七層としてp型GaP窓層311を有し、第三層と第五層の間の第四層として発光層307からなるものである。そしてこの発光層307は、n型クラッド層304、p型クラッド層308、5層ある活性層305、4層ある障壁層306からなるものである。
そして図3(c)に示すように、この4層ある障壁層のうち、p型クラッド層308に近い方からの2層のバンドギャップが活性層と同じになった場合である。実質的には、3層ある活性層305、2層ある障壁層306に相当する。
そしてこの2層ある活性層のうち、n型クラッド層404に近い方の活性層の厚さが、p型クラッド層408に近い方の活性層の厚さに比べて薄くなっているものである。図3(c)は図4(c)において活性層が2層の場合に相当する。
またp型クラッド層に近い側の活性層の方が厚く、このためn型キャリアに比べて障壁層のホッピング確率が低いp型キャリアが活性層に滞在する確率を高くなっている。
このため活性層中のn型、p型両者のキャリアが均一に分布する。これによって、直列抵抗の減少と同時に内部量子効率の向上を図ることができ、低抵抗且つ高発光効率な発光素子となる。
また多重活性層構造の化合物半導体基板を用いたものであるため、長寿命な発光素子とすることができる。
尚、上記図4では、活性層が2層、障壁層が1層の場合について示したが、もちろんこれに限定されるものではなく、活性層が3層で障壁層が2層の場合や、活性層が5層で障壁層が4層であっても、n型クラッド層に近い側の活性層の厚さがp型クラッド層に近い側の活性層の厚さに比べて薄ければ本発明の効果は達成される。
このように、障壁層のAlの組成比xが上述の範囲であれば、直列抵抗がより低い障壁層とできる。そして、障壁層での不純物の拡散速度を活性層と比較して遅くすることができ、これによって、不純物が活性層に滞留することが抑制されるため、キャリア注入効率の上昇や光吸収の抑制を実現することができる。
このように、活性層の厚さを5nm以上にすることで、キャリアが留まる確率を増加させることができ、発光効率をより高めることができる。
上述のような厚さの障壁層であれば、トンネル効果によるキャリアの透過を抑制することができるため、キャリアの閉じ込め効果をより増加させることができる。よって、更に発光効率を高めることができる。
また50nm以下であれば、キャリアホッピング確率が低下してしまうことを抑制することができる。
このように、障壁層の各々の中で、Alの組成比xおよび(AlxGa1−x)の組成比yが変化しない構造とすることによって、キャリアの閉じ込め効果がより高いものとなるため、発光効率がより高いものとなる。
そして、障壁層は、各々の中で連続的に変化する組成比xを有し、活性層に接する部分の組成比xは、障壁層中央部に比べて小さいものとすることもできる。
更に障壁層は、各々の中で組成比xが連続的に変化する部分と均一な部分を有し、活性層に接する部分の組成比xは、障壁層中央部に比べて小さいものとすることもできる。
本発明は、障壁層を、n型クラッド層に近い側の障壁層に比べてp型クラッド層に近い側の方のバンドギャップを同じか小さくし、また、p型クラッド層に最も近い障壁層を、n型クラッド層に最も近い障壁層に比べてバンドギャップが小さいものとするものであるため、図5(a)の障壁層506aの形態の他、図5(b)の障壁層506bのような形態や、図5(c)の障壁層506cのような形態をとっても良い。
この例示においても、図6(a)の障壁層606aの形態の他、図6(b)の障壁層606b、図6(c)の障壁層606c、図6(d)の障壁層606d、図6(e)の障壁層606e、図6(f)の障壁層606fのような形態とすることができる。
このため、各々の障壁層の組成は、ある程度自由に設計することができる。すなわち、設計の自由度を高いものとすることができ、例えば、気相成長の際の原料ガスのコントロールの精度に余裕を持たせることができる。これによって制御が困難な条件で製造する必要がなく、製造コストの低減を図ることができる。
そして、先に導入したGaAs基板上に、n型InGaP緩衝層、更にn型AlGaInP層をエピタキシャル成長させる。
更に、n型AlGaInP層の表面上に、MOCVD法により、n型クラッド層をエピタキシャル成長させる。
ここで、障壁層のバンドギャップが、活性層より同じか大きく、且つn型クラッド層及びp型クラッド層より同じか小さくなるようにする。
また、図1(b)に示すような構造の化合物半導体基板を製造する場合は活性層は少なくとも3層以上、障壁層は少なくとも2層以上気相成長させる。図4(b)に示すような構造の化合物半導体基板を製造する場合は活性層は2層、障壁層は1層気相成長させる。
そして、活性層と障壁層は交互に積層させる。更に障壁層と障壁層は、互いに隣接させず、更にn型クラッド層とp型クラッド層にも接しない構造となるようにする。
次に、p型GaP窓層を形成する。
この窓層の形成では、先に得たMOエピタキシャル基板をMOCVDのリアクターから取り出し、HVPE法のリアクター内に入れる。そして、Znをドープし、p型GaP窓層をエピタキシャル成長させる。
そして、GaAs基板を除去することで露出したn型InGaP緩衝層の表面に、n型GaP基板を貼り付けるか、またはHVPE法を用いエピタキシャル成長によりn型GaP層を形成することで、化合物半導体基板を得ることができる。
上記MOCVD法やHVPE法によって気相成長させる際には一般的な条件を用いればよい。
上述の第一の形態(図1)のような発光素子において、障壁層105を9層とし、n型クラッド層104から数えて6層の組成を固定し、p型クラッド層108から数えて3層のAlの組成比xのみを0〜0.9までの範囲で変えた場合の発光素子の特性の変化を図7に示す。尚n型クラッド層に近い側の6層のAl組成比xは0.9で固定した。図7(a)は障壁層のAl組成比と内部量子効率の関係を示した図であり、図7(b)は障壁層のAl組成比と20mAの電流を流すのに要する電圧の関係を示した図である。
ここで、図7における従来技術とは、9層の障壁層のバンドギャップが、全てn型クラッド層やp型クラッド層と等しい場合のことである。
その一方、図7(a)に示したように、内部での光発生を示す内部量子効率は、直列抵抗の変化分に対して大きく変化しない。以上の結果から、正孔の障壁層でのホッピング確率の増大に伴う活性層全体での正孔分布改善と、障壁層のAl組成比の減少に伴うp型ドーパント拡散抑止という2つの効果によって、発光に寄与する発光層の特性強化が表れていることがわかった。
本発明の第二の形態(図2)のような発光素子において、障壁層206の数を変えた場合の結果を図8に示す。図8(a)は障壁層の数と内部量子効率の関係を示した図であり、図8(b)は障壁層の数と20mAの電流を流すのに要する電圧の関係を示した図である。尚、障壁層206の組成は(AlxGa1−x)yIn1−yP(x〜0.85,y〜0.5)一定とした。また活性層の数は(障壁層の数+1)とした。
ここで、図8における従来技術とは、障壁層のバンドギャップが、全てn型クラッド層やp型クラッド層と等しい場合、もしくは障壁層がない場合のことである。
一方、図8(a)に示すように、内部量子効率は層の数が4層程度までは大きく減少しない。
ここで製品特性上、許容される直列抵抗分は10%程度であり、活性層を多重化することによる直列抵抗を10%以下に抑えるためには、20mA時点での電圧値を2.1V程度に抑制する必要がある。20mA時での電圧値を2.1V以下に抑制するために、障壁層は8層以下であることが望ましい。ただ抵抗分は低い方が良いため、内部量子効率との兼ね合いから、障壁層の数は4〜6層程度がより好適である。
11,21,31,41…電極、
100,200,300,400…化合物半導体基板、
101,201,301,401…n型GaP基板、
102,202,302,402…n型InGaP緩衝層、
103,203,303,403…n型AlGaInP層、
104,204,304,404…n型クラッド層、
105,205,305,405…活性層、
106,206,306,406,506a,506b,506c,606a,606b,606c,606d,606e,606f…障壁層、
107,207,307,407…発光層、
108,208,308,408…p型クラッド層、
109,209,309,409…p型AlGaInP層、
110,210,310,410…p型InGaP緩衝層、
111,211,311,411…p型GaP窓層。
Claims (9)
- 少なくとも、p型クラッド層と少なくとも3層以上の活性層と少なくとも2層以上の障壁層とn型クラッド層とを有する(AlxGa1−x)yIn1−yP(0<x<1,0.4<y<0.6)からなる発光層を有する化合物半導体基板を用いて製造された発光素子であって、
前記障壁層は、前記活性層よりバンドギャップが同じか大きく、且つ前記n型クラッド層及び前記p型クラッド層よりバンドギャップが同じか小さく、障壁層は前記n型クラッド層に近い側の障壁層に比べてp型クラッド層に近い側の方がバンドギャップが同じか小さく、
前記p型クラッド層に最も近い障壁層は、前記n型クラッド層に最も近い障壁層に比べてバンドギャップが小さいものであり、
前記障壁層と前記活性層が各々半導体内の電子のド・ブロイ波長以上の膜厚を有する多重活性層型のものであることを特徴とする発光素子。 - 前記障壁層は、Alの組成比xが0<x<0.9であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
- 前記n型クラッド層からの距離が前記p型クラッド層からの距離と比べて同じか近い障壁層は、Alの組成比xが0.6<x<0.9であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光素子。
- 前記障壁層は、厚さが50nm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発光素子。
- 前記障壁層は、当該障壁層の中ではAlの組成比xおよび(AlxGa1−x)の組成比yが変化しないものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光素子。
- 前記障壁層は、当該障壁層の中で階段状に変化する組成比xを有し、前記活性層に接する部分の組成比xは、障壁層中央部に比べて小さいものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光素子。
- 前記障壁層は、当該障壁層の中で連続的に変化する組成比xを有し、前記活性層に接する部分の組成比xは、障壁層中央部に比べて小さいものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光素子。
- 前記障壁層は、当該障壁層の中で組成比xが連続的に変化する部分と均一な部分を有し、前記活性層に接する部分の組成比xは、障壁層中央部に比べて小さいものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光素子。
- 前記p型クラッド層からの距離が、前記n型クラッド層からの距離と比べて近い障壁層のAlの組成比xが0.3≦x<0.9であることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の発光素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008255143A JP5315899B2 (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 発光素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008255143A JP5315899B2 (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 発光素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010087270A JP2010087270A (ja) | 2010-04-15 |
JP5315899B2 true JP5315899B2 (ja) | 2013-10-16 |
Family
ID=42250932
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008255143A Active JP5315899B2 (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 発光素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5315899B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7077659B2 (ja) | 2018-02-27 | 2022-05-31 | 富士通株式会社 | 発振回路及び発振回路の制御方法 |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4984095B2 (ja) * | 2009-09-04 | 2012-07-25 | 信越半導体株式会社 | 発光素子 |
US20120201264A1 (en) * | 2010-12-08 | 2012-08-09 | Shatalov Maxim S | Light emitting device with varying barriers |
JP5648475B2 (ja) * | 2010-12-28 | 2015-01-07 | 信越半導体株式会社 | 発光素子 |
WO2012120798A1 (ja) * | 2011-03-09 | 2012-09-13 | 信越半導体株式会社 | 化合物半導体基板及び化合物半導体基板の製造方法並びに発光素子 |
KR101244583B1 (ko) * | 2011-05-16 | 2013-03-25 | 한국광기술원 | 톱니 형태의 에너지 밴드갭을 가지는 활성층을 구비한 발광 소자 |
DE112012005796T5 (de) * | 2012-01-31 | 2014-10-16 | Soitec | Photoaktive Bauelemente mit einer verbesserten Verteilung von Ladungsträgern sowie Verfahren zum Ausbilden derselben |
US8686398B2 (en) | 2012-03-02 | 2014-04-01 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Semiconductor light emitting device |
JP2013214700A (ja) * | 2012-03-07 | 2013-10-17 | Toshiba Corp | 半導体発光素子 |
CN103545406A (zh) | 2012-07-16 | 2014-01-29 | 展晶科技(深圳)有限公司 | 多量子阱结构及发光二极管 |
US10276749B2 (en) | 2013-01-09 | 2019-04-30 | Sensor Electronic Technology, Inc. | Ultraviolet reflective rough adhesive contact |
WO2014110197A1 (en) * | 2013-01-09 | 2014-07-17 | Sensor Electronic Technology, Inc. | Ultraviolet reflective rough adhesive contact |
US9768357B2 (en) | 2013-01-09 | 2017-09-19 | Sensor Electronic Technology, Inc. | Ultraviolet reflective rough adhesive contact |
DE102015100029A1 (de) * | 2015-01-05 | 2016-07-07 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | Optoelektronisches Bauelement |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58222577A (ja) * | 1982-06-18 | 1983-12-24 | Nec Corp | 発光素子 |
US20010020703A1 (en) * | 1998-07-24 | 2001-09-13 | Nathan F. Gardner | Algainp light emitting devices with thin active layers |
US6504171B1 (en) * | 2000-01-24 | 2003-01-07 | Lumileds Lighting, U.S., Llc | Chirped multi-well active region LED |
JP2003031902A (ja) * | 2001-07-16 | 2003-01-31 | Denso Corp | 半導体レーザ |
JP4061040B2 (ja) * | 2001-07-31 | 2008-03-12 | アンリツ株式会社 | 多重量子井戸半導体素子 |
TWI275220B (en) * | 2001-11-05 | 2007-03-01 | Nichia Corp | Nitride semiconductor device |
JP3857295B2 (ja) * | 2004-11-10 | 2006-12-13 | 三菱電機株式会社 | 半導体発光素子 |
JP4977377B2 (ja) * | 2006-02-22 | 2012-07-18 | 日本オプネクスト株式会社 | 半導体発光装置 |
-
2008
- 2008-09-30 JP JP2008255143A patent/JP5315899B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7077659B2 (ja) | 2018-02-27 | 2022-05-31 | 富士通株式会社 | 発振回路及び発振回路の制御方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010087270A (ja) | 2010-04-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5315899B2 (ja) | 発光素子 | |
JP5407359B2 (ja) | 発光ダイオード | |
JP5648475B2 (ja) | 発光素子 | |
US8525203B2 (en) | Semiconductor light emitting device | |
KR101964890B1 (ko) | 나노구조의 발광소자 | |
JP2007305851A (ja) | 窒化物半導体発光素子 | |
JP2012015535A (ja) | インジウムを含むキャッピング構造を有する第iii属窒化物ベースの量子井戸発光デバイス構造 | |
US10756960B2 (en) | Light-emitting device | |
KR101199677B1 (ko) | 반도체 발광 소자 및 그 제조 방법 | |
JP2000228536A (ja) | 発光ダイオード | |
JP2007109885A (ja) | 半導体発光装置及びその製造方法 | |
JP2010040838A (ja) | 発光装置 | |
JP2011171368A (ja) | 半導体発光素子 | |
JP5346450B2 (ja) | 窒化物半導体発光素子 | |
JP5309971B2 (ja) | 発光素子 | |
JP2004304090A (ja) | 発光ダイオード | |
JP2010067792A (ja) | 半導体発光素子 | |
JP4984095B2 (ja) | 発光素子 | |
JP2009158550A (ja) | 半導体発光素子及びこれを用いた表示装置 | |
JPH10284756A (ja) | 発光ダイオード | |
JP2004297060A (ja) | 発光ダイオード素子とその製造方法 | |
JP2008166399A (ja) | 発光素子、発光素子用エピタキシャルウェハ及びその製造方法 | |
JP2013016873A (ja) | 半導体発光素子 | |
JP2011091103A (ja) | 発光素子 | |
JP2005175473A (ja) | 発光ダイオード |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101122 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120425 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120501 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120628 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120904 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130115 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130412 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20130419 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130611 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130624 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5315899 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |