JP2010085676A - プロジェクタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロジェクタ装置本体の電源が遮断された後、色合成光学系の要所の光学阻止を加熱して温度が露点以下とならないようにし、冷却器によって生じた結露水の蒸発による水蒸気により光学素子に結露が発生するのを防止する。
【解決手段】光源ランプと、前記光源ランプから出射される光を分離する色分離光学系と、前記色分離光学系により分離された少なくとも3原色の光を画像情報に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子により変調された光を合成する色合成光学系とを備えるプロジェクタ装置であって、装置の内部に断熱空間として形成され、前記色分離光学系および前記色合成光学系が配設される断熱室と、冷却器により熱交換された冷気を前記断熱室に供給する冷却室と、前記色分離光学系および/または前記色合成光学系に設けられた加熱手段と、を備え、自装置の運転が停止されたとき、前記加熱手段を起動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも3原色の光を画像情報により変調して合成することにより投写光を生成し、投写レンズを介してスクリーンに映像を投影するプロジェクタ装置(投写型映像表示装置)に関するものである。
従来の多くのプロジェクタ装置においては、3原色の光を生成するための光源にメタルハライドランプや超高圧水銀ランプなどの光源ランプが採用され、いわゆる3板式による場合は、光源ランプが発する白色光をダイクロイックミラーにより赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3原色に分離し、この3原色を画像情報により変調して色合成プリズム(ダイクロイックプリズム)で合成した後、投写レンズを介して映像をスクリーンに拡大表示するようにしている。
ところで、このような光源ランプを採用したプロジェクタ装置は、劇場、大会議場あるいは屋外でも使用されるに傾向にあり、このような用途においては明るさが重要な課題となることから高輝度化が著しくなっている。
このような高輝度化を実現するために、高出力の光源ランプを採用したり多灯化が試みられているが、これに伴って発熱の問題が大きくなっている。特に投写光を生成する色合成光学系の光学素子は、光源ランプの出射光の吸光により温度が上昇するため冷却が不可欠である。このような色合成光学系において最も熱的影響を受け易いのが液晶ライトバルブであり、この液晶ライトバルブの液晶パネルの液晶が高温になって液晶状態から液体状態に近づくと、光の制御が難しくなり、結果的に透過率が低下してしまう問題が発生する。
このような問題に対処するため本発明の出願人は、プロジェクタ装置の本体の内部を仕切り部材により第1の区画と第2の区画に仕切り、第1の区画に圧縮機、放熱器、減圧装置を設ける一方、色合成光学系の光学素子を配設した第2の区画に冷却器を設け、この冷却器により熱交換された冷却空気を第2の区画内で循環し、色合成光学系の光学素子を冷却するシステムを提案している(特許文献1参照)。
特開2008−112094号公報
上記特許文献1による冷却システムによる場合は、冷却装置を用いて色合成光学系の光学素子を局部的に強制冷却することから高い冷却効果が得られる。ところが、プロジェクタ装置には、このような温度対策とともに解決しなければならない結露対策がある。上記特許文献1において色合成光学系の光学素子を配設した第2の区画を完全密閉し、内部を完全除湿した場合はこのような問題は発生しないが、僅かな隙間があると運転中に湿度を含んだ外気が浸入し、運転を停止した後に色合成光学系の光学素子の表面に結露が発生してしまうことになる。
また、冷却システムを内蔵したプロジェクタ装置においては、その冷却器(蒸発器)が色合成光学系を冷却する冷気循環路に臨んでおり、装置が運転されている状態では冷却器と色合成光学系は等位の温度となっている。ところが、運転を停止すると冷却器は熱交換率が高いことから、直ちに温度の上昇が始まる一方、色合成光学系の光学素子において、特に色合成プリズム、コンデンサレンズは熱容量が大きいことから温度の上昇が遅くなる。このような状態に至ると、冷却器に付着した結露水あるいは結露水貯留部の結露水が蒸発を開始し、その水蒸気が冷却器とは相対的に低温状態、即ち、露点以下にある前記光学素子の表面に付着し、結露が発生してしまうことになる。
このような結露が色合成プリズム、コンデンサレンズの表面に発生すると、投写光の生成に影響が生じるのは明らかであり、結露が蒸発した場合においてもその表面に染み汚れや付着した塵埃が残存してしまうと、投写映像の品質を低下してしまうことから清掃が不可欠となる。ところが、前記各光学素子が配設された部分は、構造的に狭隘な部分であることから清掃作業も容易でなく、清掃作業を行ったとしても光学素子や配線類を損傷する虞があり、この部分についてはメンテナンスフリーであることが望まれている。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、少なくとも3原色の光を画像情報により変調して合成することにより投写光が得られるようにしたプロジェクタ装置において、投写光を生成するための色合成光学系を構成する光学素子である色合成プリズム、コンデンサレンズなどを効果的に冷却するとともに、運転を停止した後における結露の発生を確実に防止できるようにすることを目的とするものである。
そこで本発明は、以下に述べる各手段により上記課題を解決するようにした。即ち、請求項1記載の発明では、光源ランプと、前記光源ランプから出射される光を分離する色分離光学系と、前記色分離光学系により分離された少なくとも3原色の光を画像情報に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子により変調された光を合成する色合成光学系とを備えるプロジェクタ装置であって、装置の内部に断熱空間として形成され、前記色分離光学系および前記色合成光学系が配設される断熱室と、冷却器により熱交換された冷気を前記断熱室に供給する冷却室と、前記色分離光学系および/または前記色合成光学系に設けられた加熱手段と、を備え、自装置の運転が停止されたとき、前記加熱手段が起動することを特徴とする。
請求項2記載の発明では、上記請求項1記載のプロジェクタ装置において、前記断熱室の外部に配設される補助電源を更に備え、外部電源の供給が遮断されたとき、前記補助電源から前記加熱手段へ電力が供給されることを特徴とする。
請求項3記載の発明では、上記請求項1または請求項2に記載のプロジェクタ装置において、前記冷却室から前記断熱室へ冷気が流出することを阻止するダンパー機構を備えたことを特徴とする。
本発明のプロジェクタ装置によれば、装置本体の運転が停止されたとき、色分離光学系および/または色合成光学系に設けた加熱手段を起動して温度が露点以下とならないようにしたので、冷却器によって生じた結露水の蒸発に起因して発生する色分離光学系および/または色合成光学系の結露の発生を防止することができる。また補助電源を備えた場合には、プロジェクタ装置が外部電源の供給遮断による停止(停電などの事故による異常な停止)の場合でも光学素子に結露が発生するのを確実に防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態を図にもとづいて詳細に説明する。以下の実施例においては、放電型の光源ランプを採用した実施例に基づいて説明するが、3原色毎の半導体レーザ素子を用いたプロジェクタ装置においても本発明の実施が可能であり、光源の種類に限定されることはない。
図1は、本発明に係るプロジェクタ装置Pの構成を概略的に示す図であり、光源となる均一照明光学系は、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプなどの複数(本実施例では4基)の光源ランプ1Aを備える。この光源ランプ1Aは、その出射光が前方へ反射されるようにリフレクタ1Bに取り付けられており、すべての光は全反射ミラー1Cにより集光され、平行光束となり均一照明が可能となる。
色分離光学系は、均一照明光学系から入射した平行光束を3原色(R)、(G)、(B)に分離するもので、第1ダイクロイックミラーM1、第2ダイクロイックミラーM2および反射ミラーM3、M4、M5により構成されている。第1ダイクロイックミラーM1は赤色(R)の波長帯域の光を透過し、シアン系の波長帯域の光を反射する。第1ダイクロイックミラーM1を透過した赤色(R)の波長帯域の光は、反射ミラーM3にて光路が変更され色合成光学系へ入射する。
第1ダイクロイックミラーM1で反射され光路が変更されたシアン系の波長帯域の光は、第2ダイクロイックミラーM2へ導かれる。この第2ダイクロイックミラーM2は、青色(B)の波長帯域の光を透過し、緑色(G)の波長帯域の光を反射して光路が変更され色合成光学系へ入射する。第2ダイクロイックミラーM2を透過した青色(B)の波長帯域の光は、反射ミラーM5にて光路が変更され色合成光学系へ入射する。
つぎに、色合成光学系は、その構成要素である各光学素子が図1に示すように色分離光学系の中央に配置されるもので、色合成プリズム(ダイクロイックプリズム)2の3側面に、前述のようにして色分離光学系により生成された3原色の原色光の照射面2R、2G、2Bが形成されている。前記照射面2Rには赤色原色光(R)がコンデンサレンズ6Rを介して照射され、照射面2Gには緑色原色光(G)がコンデンサレンズ6Gを介して照射され、照射面2Bには青色原色光(B)がコンデンサレンズ6Bを介して照射される。
前記コンデンサレンズ6R、6G、6Bを透過した各原色光(R)、(G)、(B)は、画像情報により変調されるようにするため、液晶ライトバルブ7R、7G、7Bへ入射する。赤色(R)用の液晶ライトバルブ7Rは、入射側偏光板4Rと出射側偏光板5Rとの間に液晶パネル3Rが配置され、緑色(G)用の液晶ライトバルブ7Gは、入射側偏光板4Gと出射側偏光板5Gとの間に液晶パネル3Gが配置され、青色(B)用の液晶ライトバルブ7Bは、入射側偏光板4Bと出射側偏光板5Bとの間に液晶パネル3Bが配置されている。
前記液晶ライトバルブ7R、7G、7Bにおいては、液晶パネル3R、3G、3Bに特定の直線偏光成分を入射させるため、入射側偏光板4R、4G、4Bにおいて各原色光(R)、(G)、(B)の光束を所定の偏光方向(P偏光)に揃え、そのP偏光が液晶パネル3R、3G、3Bで変調された後、変調光のS偏光成分のみが出射側偏光板5R、5G、5Bから透過される。このようにして変調された各原色光(R)、(G)、(B)は、色合成プリズム2の照射面2R、2G、2Bから入射し、合成されて投写光となり出射面2Sから出射して投写レンズLからスクリーンなどに拡大投影される。
このように構成された色分離光学系および色合成光学系は、図1に示すようにプロジェクタ装置Pの箱型ユニット10の内部に断熱壁DHで覆われた断熱室HMに配設される。さらに、この断熱室HMの一部は断熱壁DH1により仕切られ、その内部が気密状態の冷却室RMとなるようにしている。この冷却室RMには冷却器11が設けられており、この冷却器11により熱交換された冷気は送気ファン12により一方向に流れ、開口部13、14を介して断熱室HM内を循環する。
前記開口部13、14にはダンパー機構15、16を備え、装置本体の運転が停止されたとき、このダンパー機構15、16により開口部13、14を塞ぎ、冷却室RM内部の冷気が断熱室HMに流れ込まないようにし、光学素子の防露処理の効率が高くなるようにしている。なお、前記「運転が停止されたとき」とは、プロジェクタ装置の運転を正常に停止した場合と、外部電源の供給遮断(停電などの事故)による異常な停止のいずれの場合も含む。また、前記冷却器11は熱電変換素子(ペルチェ素子)を採用することもできるが、より高い冷却効果を得るためには、蒸気圧縮式の冷凍回路(冷凍ユニット)に接続する。
この冷凍回路は、装置本体の外部に別設してもよいが、以下の説明では装置本体の吸排気機能を備えた放熱室NMに内蔵した例に基づいて説明する。図1において、圧縮機17で圧縮された高温高圧の冷媒は、凝縮器18の送風ファン19により外気と熱交換して温度が下がり、低温高圧の冷媒となる。次いで、減圧器20にて流路を絞り減圧された後、冷却器11にて蒸発され、この際の吸熱作用により冷却が行われる。なお、電磁弁21は凝縮器18と減圧器20との間の冷媒通路を開閉し、電磁弁22は冷却器11と圧縮機17との間の冷媒通路の開閉を行う。
このように冷凍回路は放熱室NMに配設されるが、均一照明光学系を構成する光源ランプ1A、リフレクタ1B、全反射ミラー1Cおよび投写レンズLは、吸排気機能を備えた光源室KMに配設される。そして、断熱壁DHには、均一照明光学系から出射される平行光束を断熱室HMへ導くために形成した透光窓23に透光部材23aを配設し、また、色合成光学系の色合成プリズム2から出射される出射光を投写レンズLに導くために形成した透光窓24に透光部材24aを配設して気密状態が保たれるようにしている。
本発明のプロジェクタ装置Pは以上のように構成されていることから、装置本体の運転が開始されると、冷凍回路が作動を開始して冷却室RMで生成された冷気が、ダンパー機構15、16により開放されている開口部13、14から断熱室HMに循環されるようにし、色合成光学系の色合成プリズム2、コンデンサレンズ6R、6G、6B、液晶ライトバルブ7R、7G、7Bなどの冷却が可能となる。
即ち、以上に説明した構成による場合は、色合成光学系を断熱室HM内で一括して冷却するようにしたものであるが、色合成光学系の原色毎の各要素を個別に冷却することも、以下に説明する構成により可能である。図3は、このような分散冷却方式の例を示すもので、冷気導入口が流入側ダクト50に接続され、冷気導出口が流出側ダクト51の出口51Aに接続されている。そして、流入側ダクト50と流出側ダクト51を連通する冷気通路は、3つの分流ダクト52A、52B、52Cで構成され、流入側ダクト50から流入する冷気が3つの分流ダクト52A、52B、52Cに分流し、流出側ダクト51へ流れる。
分流ダクト52Aの開口上部の空間には、色合成プリズム2の照射面2Rおよびコンデンサレンズ6R、液晶ライトバルブ7Rが臨む。また、分流ダクト52Bの開口上部の空間には、色合成プリズム2の照射面2Gおよびコンデンサレンズ6G、液晶ライトバルブ7Gが臨む。そして、分流ダクト52Cの開口上部の空間には、色合成プリズム2の照射面2Bおよびコンデンサレンズ6B、液晶ライトバルブ7Bが臨む。
分流ダクト52A、52B、52Cには、それらの一部分に設けたファンケーシング54A、54B、54Cに、それぞれ電動機で回転する冷気循環用送風機53A、53B、53Cが収容されている。この冷気循環用送風機53A、53B、53Cは、シロッコファンやターボファンの如く、軸方向から流入した冷気を円周方向へ流出する形式のものである。
送気ファン12と、冷気循環用送風機53A、53B、53Cの運転により冷却室RMの冷気は、開口部13から流入側ダクト50を通り、分流ダクト52A、52B、52Cを流れ、流出側ダクト51を経て開口部14へ戻る。これにより、冷却室RMの冷却器11で生成された冷気により色合成光学系の各要素を冷却することができる。
このように構成したことにより、液晶ライトバルブ7R、7G、7Bの発熱量が異なる場合、例えば、発熱量の大きい液晶ライトバルブに対応する分流ダクトを流れる冷気の量を多くし、発熱量の小さい液晶バルブに対応する分流ダクトを流れる冷気の量が少なくなるように、冷気循環用送風機53A、53B、53Cの回転数を可変制御することにより、液晶ライトバルブ7R、7G、7Bを適正な冷却状態とすることができる。
つぎに、本発明における色合成光学系を構成する色合成プリズム2、コンデンサレンズ6R、6G、6Bの結露対策の構成について以下に説明する。既述のように、色合成光学系の各要素が結露水の温度より低くなると結露が発生する。このため、色合成プリズム2、コンデンサレンズ6R、6G、6Bおよび結露水の温度を常に監視している必要がある。そして、装置本体の運転を停止し、電源が遮断されたとき、色合成プリズム2、コンデンサレンズ6R、6G、6Bは、結露水の温度上昇に先行して温度が上昇することが理想的な状態となる。
そこで、本発明では、プロジェクタ装置Pの内部の要所に温度センサおよび電熱ヒータを設け、色合成光学系の光学素子である色合成プリズム2、コンデンサレンズ6R、6G、6Bを加熱するようにした。即ち、図4に示すように、色合成プリズム2の伝熱フレーム2aに電熱ヒータTH1、コンデンサレンズ6R、6G、6Bの伝熱フレーム6aに電熱ヒータTH2を貼着し、各々の電熱ヒータTH1、TH2を制御部CRで制御される補助電源PAに接続する。
なお、前記電熱ヒータTH1、TH2は、熱伝変換素子(ペルチェ素子)を採用することもでき、また、色合成プリズム2、コンデンサレンズ6R、6G、6Bの表面に酸化錫などで薄膜の透明ヒータを形成するようにしてもよい。また、補助電源PAは、一次電池(乾電池)あるいは二次電池(充電池)などを適宜に採用する。
さらに、色合成プリズム2に温度センサTS1、コンデンサレンズ6R、6G、6Bに温度センサTS2を設け、各々の温度センサTS1、TS2により検出された温度検出信号を制御部CRに導くようにしている。また、この制御部CRには冷却器11の結露水貯留部に設けられた温度センサTS3からの温度検出信号が導かれるようにしている。これにより、温度センサTS1、TS2と温度センサTS3とが検出した温度検出信号により結露水と色合成プリズム2、コンデンサレンズ6R、6G、6Bとの相対温度差の検出が可能となる。
さらに本発明では、装置内部の光源室KMに温度センサTS4を設け、断熱室HMの透光窓23、24の近傍に温度センサTS5、TS6を配設し、この温度センサTS5、TS6により検出された温度検出信号を制御部CRに導くようにしている。これにより、光源室KMと断熱室HMとの相対的温度差の検出が可能となる。また、本発明では、透光窓23、24の透光部材23a、24aに向け送風し、この透光部材23a、24bに結露が発生しないようにする送風ファン25、26を備え、この送風ファン25、26も制御部CRにより制御されるようにしている。
本発明はこのように構成されており、結露防止に至る制御の流れを図5にもとづいて以下に説明する。本発明のプロジェクタ装置Pの運転が継続され、この運転を停止するため装置電源が遮断される時刻P1までは、補助電源PAからの電熱ヒータTH1、TH2への電力の供給は停止されている。
そして、プロジェクタ装置Pの運転が停止された時刻P1において装置電源の供給が停止されると、光源ランプ1Aの発光が停止されるとともに、冷凍機の運転が停止する。これと同時に送気ファン12の作動を停止し、ダンパー機構15、16が作動して開口部13、14を塞いで冷却室RMから断熱室HMへの冷気の流入が阻止されるとともに、補助電源PAから電熱ヒータTH1、TH2への電力の供給が開始される。なお、このとき、電磁弁21、22により冷凍回路の流路を閉じることにより、冷却器11に高温の冷媒が流入するのを防止し、冷却器11の温度上昇を防ぐことができる。
温度センサTS1は色合成プリズム2を、温度センサTS2はコンデンサレンズ6R、6G、6Bを、温度センサTS3は結露水貯留部の結露水の温度を、それぞれ常に監視しており、装置本体の運転が停止されるまでは、結露水の温度T1は色合成プリズム2、コンデンサレンズ6R、6G、6Bの温度T2より低い温度となっていることを制御部CRで判断されている。かかる状態において装置本体の運転が停止され、色合成プリズム2、コンデンサレンズ6R、6G、6Bを加熱せずに放置した場合、それまで冷却されていた色合成プリズム2、コンデンサレンズ6R、6G、6Bの温度T2は緩やかに上昇するのに対し、結露水の温度T1は相対的に急速に上昇し、色合成プリズム2、コンデンサレンズ6R、6G、6Bに結露が発生してしまうことになる。
ところが、本発明では、装置本体の運転が停止されると同時に補助電源PAから電熱ヒータTH1、TH2に電力が供給されるので、その加熱により色合成プリズム2、コンデンサレンズ6R、6G、6Bの温度T2は直ちに上昇を開始し、結露水の温度T1より高い状態を保つことができ、結露の発生を防止することができる。即ち、プロジェクタ装置Pの電源スイッチにより電源を遮断した場合、あるいは事故など異常な原因で電源が遮断され制御機能が果たされず、ダンパー機構15、16により開口部13、14が塞がれない場合においても、補助電源PAによる防露処理が確実に開始され、結露の発生を防止することができる。なお、異常な原因によらず、正常に電源が遮断された場合には、補助電源PAから供給される電力に代えて、外部電源により生成された電力を電熱ヒータTH1、TH2に供給するようにしてもよい。
このようにして、電熱ヒータTH1、TH2による加熱が継続され、温度センサTS3により検出されている結露水の温度T1が、温度センサTS4〜TS6が検出している温度に近づいた時点に至ると、補助電源PAからの電熱ヒータTH1、TH2への電力の供給を停止し、送風ファン25、26の作動を停止する。これ以後は、結露水および色合成プリズム2、コンデンサレンズ6R、6G、6Bは雰囲気温度と等位となる飽和状態となるため、結露が発生する要因は解消されたことになる。
なお、補助電源PAからの電熱ヒータTH1、TH2への電力の供給を停止する時期を温度センサTH4〜TH6による検出温度から相対的に判断する例について説明したが、装置電源の供給が停止された時点で作動するタイマーにより、色合成プリズム2、コンデンサレンズ6R、6G、6Bおよび結露水が飽和温度となるに必要な予め設定した時間を経過した後に電力の供給を停止するようにしてもよい。
本発明のプロジェクタ装置の構成の概略を示す平面図である。 本発明の色合成光学系の構成を説明する図である。 本発明における冷却機構の他の例を示す図である。 本発明を実施した色合成光学系の構成を示す斜視図である。 本発明により結露防止に至る制御の流れを説明する図である。
符号の説明
P・・・・・・プロジェクタ装置
1A・・・・・光源ランプ
1B・・・・・リフレクタ
1C・・・・・全反射ミラー
2・・・・・・色合成プリズム
3R、3G、3B・・・・・液晶パネル
4R、4G、4B・・・・・入射側偏光板
5R、5G、5B・・・・・出射側偏光板
6R、6G、6B・・・・・コンデンサレンズ
7R、7G、7B・・・・・液晶ライトバルブ
10・・・・・箱型ユニット
11・・・・・冷却器
12・・・・・送気ファン
13、14・・・・・開口部
15、16・・・・・ダンパー機構
17・・・・・圧縮機
18・・・・・凝縮器
19・・・・・送風ファン
20・・・・・減圧器
21、22・・・・・電磁弁
23、24・・・・・透光窓
23a、24a・・・・・透光部材
25、26・・・・・送風ファン
L・・・・・投写レンズ
M1・・・・・第1ダイクロイックミラー
M2・・・・・第2ダイクロイックミラー
M3、M4、M5・・・・・反射ミラー
HM・・・・・断熱室
KM・・・・・光源室
RM・・・・・冷却室
NM・・・・・放熱室
CR・・・・・制御部
PA・・・・・補助電源
TH1、TH2・・・・・電熱ヒータ
TS1〜TS6・・・・・温度センサ

Claims (3)

  1. 光源ランプと、前記光源ランプから出射される光を分離する色分離光学系と、前記色分離光学系により分離された少なくとも3原色の光を画像情報に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子により変調された光を合成する色合成光学系とを備えるプロジェクタ装置であって、
    装置の内部に断熱空間として形成され、前記色分離光学系および前記色合成光学系が配設される断熱室と、
    冷却器により熱交換された冷気を前記断熱室に供給する冷却室と、
    前記色分離光学系および/または前記色合成光学系に設けられた加熱手段と、
    を備え、
    自装置の運転が停止されたとき、
    前記加熱手段が起動することを特徴とするプロジェクタ装置。
  2. 前記断熱室の外部に配設される補助電源を更に備え、
    外部電源の供給が遮断されたとき、前記補助電源から前記加熱手段へ電力が供給されることを特徴とする請求項1記載のプロジェクタ装置。
  3. 装置本体の運転が停止されたとき、
    前記冷却室から前記断熱室へ冷気が流出することを阻止するダンパー機構を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプロジェクタ装置。
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