JP2010084194A - 蒸着装置及び蒸着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸着装置の導入及び保守コストの増大を防ぎながら有機ガスによって流量センサに詰まりが発生したことを確実に検知する蒸着装置を提供する。
【解決手段】タンク160へ供給するバブリングガスの流量を測定する第1流量センサを含んで流量を制御する第1流量制御部と、タンク160から蒸着室へ供給する有機ガスの流量を測定する第2流量センサを含んで流量を制御する第2流量制御部と、第1及び第2流量制御部を制御する制御部とを有し、タンク圧が目標タンク圧となるように第1流量制御部に流量の指令を行い、第1流量センサが測定したバブリングガスの流量と、第2流量センサが測定した有機ガス180の流量と、タンクの温度及び気相部容積からタンク内圧の変化量を理論タンク圧変化量として演算し、タンク圧の実際の変化量を実タンク圧力変化量として求め、それらの変化量の差が予め設定した許容範囲になければ、異常が発生したと判定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、蒸着装置に有機ガスを導入する有機ガス供給装置を備えた蒸着装置、及び、有機ガスを導入しながら光学部材に蒸着を行なう蒸着方法に関する。
眼鏡用プラスチックレンズ等の光学部材の製造においては、レンズの光学面に複数の薄膜を形成し、反射防止などの光学特性の改善や撥水性などの機能を付与する多層コート技術が適用されるものがある。このような光学部材への反射防止膜の形成は、反射防止膜が無機酸化物からなる多層蒸着膜である場合、一般に真空蒸着装置を用いて行われる。
ところで、近年、眼鏡用プラスチックレンズの耐衝撃性、耐摩耗性、耐熱性、及び、耐アルカリ性、並びに、反射防止膜の密着性の向上を目的として、反射防止膜の構成層のうちの少なくとも1層に無機物質および有機物質よりなる層(以下、単にハイブリッド層ともいう)を設けたものが知られている(例えば、特許文献1)。
上記特許文献1に記載されている光学部材は、プラスチック基材と、その基材上に真空蒸着により形成された多層反射防止膜とを有している。そして、この反射防止膜の少なくとも1層が、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも1種の無機物質と、常温、常圧下で液体である有機ケイ素化合物及び/又は常温、常圧下で液体であるケイ素非含有有機化合物からなる有機物質とを蒸着原料として形成されるハイブリット層からなっている。このようなハイブリット層の形成方法としては、前記有機物質を貯蔵するタンクを加熱・減圧してこの有機物質を気化し、この気化した有機物質を含有する気体を蒸着装置の蒸着室(チャンバー)内に供給しながら、前記無機物質の蒸着を行なう方法が示されている。また、このハイブリット層の密着性を向上するために、酸素ガス及び/またはアルゴンガスを用いたイオンアシスト法でハイブリット層を形成することも示されている。
特開2004−206024号公報
有機物質を含有するガス(以下単に有機ガスともいう)を蒸着室に供給しながら無機物質からなる蒸着材料を蒸着してハイブリット層を形成する場合、蒸着中に蒸着室へ供給される有機ガスは、所定通りの流量(好ましくは一定の流量)になるように制御することが、良好なハイブリット層を得るために重要である。そこで、本発明者は有機ガスの流量を制御する方法とし、有機ガスを蒸着室へ供給する管路の途中に流量コントローラ(流量センサと流量制御弁を備え、目標とする流量値と流量センサにより測定された流量値とが一致するように流量制御弁を制御して流体の流量を調整する機器)を設けて蒸着室に供給する有機ガスの流量を制御することを考えた。このような有機ガスの流量制御に利用できる流量コントローラとしては、例えば、マスフローセンサを備えたマスフローコントローラがある。マスフローコントローラは、一般的に、主たる管路とその管路から分岐されその後再び合流する分岐管路を内部に有し、その分岐管路にマスフローセンサが設けられている(以下、マスフローセンサが設けられた分岐管路をセンサ用管路ともいう)。また、センサ用管路が合流した後の主管路には流量制御バルブが設けられている。そして、マスフローセンサの検知信号に基づいて、このマスフローコントローラ内を通る流体の流量が測定されるとともに、マスフローセンサにより検知した流量値と、設定された目標流量値とを比較し、流量制御バルブの開度を調整することにより、流量が目標流量値になるように制御している。
しかしながら、このようなマスフローコントローラを用いて有機ガスの流量を制御する場合、ハイブリット膜の蒸着原料として用いられる有機物質の分子量が比較的大きいことから、気化した有機物質が、マスフローコントローラ内の管路で液化してしまい正確な流量制御を行うことができない場合があった。すなわち、センサ管路や、センサ管路分岐後合流するまでの間の主管路に、液化した有機ガスが付着しそれら管路を狭めたり、塞いだりしてしまうと、マスフローセンサにより測定された流量値が正確な流量を示さなくなり、その誤った測定流量値に基づいてバルブ制御が行なわれるため、蒸着室に供給される流量が目標流量と異なってしまったり、流量の変動が大きくなってしまったりする場合があった。このようなマスフローコントローラの流量制御の不具合を解消するために、マスフローコントローラの流量制御を監視するための流量センサや流量コントローラ(例えばマスフローセンサやマスフローコントローラ)をセンサ管路合流後の主管路にさらに設けることも考えられるが、この場合は、追加した流量センサや流量コントローラにおいても同様の問題が生じる可能性があり、また、追加する流量センサや流量コントローラの導入コストや保守の手間が増大するという問題がある。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、蒸着装置へ供給する有機ガスの流量を正確に制御して良好な蒸着膜を形成することを目的とし、また、流量コントローラの異常を容易に検知できる方法および装置を提供することを目的とする。
本発明の蒸着装置は、レンズの表面に蒸着膜を形成する蒸着装置において、レンズを収装する蒸着室と、前記蒸着室内に有機ガスを供給する有機ガス供給部と、前有機ガス供給部を制御する制御部とを有し、 前記有機ガス供給部は、低活性ガスまたは不活性ガスからなるバブリングガスを供給するバブリングガス供給部と、有機液体を収容し、前記有機液体を気化させた気体と前記バブリングガスとを混合した有機ガスを生成し、前記蒸着室に供給するタンクと、 前記バブリングガス供給部からタンクへ供給するバブリングガスの質量流量を測定する第1の流量センサを含んでバブリングガスの流量を制御する第1の流量制御部と、 前記タンクから蒸着室へ供給する有機ガスの質量流量を測定する第2の流量センサを含んで有機ガスの流量を制御する第2の流量制御部と、 前記タンク内の気圧を測定する圧力センサとを備え、前記制御部は、前記圧力センサの測定値をタンク圧測定値として取得して、前記タンク圧測定値が予め設定された目標タンク圧となるように前記第1の流量制御部に流量の指令を行う圧力調整部と、前記第1の流量センサが測定したバブリングガスの質量流量と、前記第2の流量センサが測定した有機ガスの質量流量と、タンク内の気相部分の容積とから、気体の状態方程式に基づいてタンク内圧の変化量を理論タンク圧変化量として演算し、前記圧力センサが測定したタンク圧測定値の変化量を実タンク圧力変化量として演算し、前記理論タンク圧変化量と実タンク圧力変化量の差が予め設定した許容範囲以内でなければ、前記有機ガス供給部に異常が発生したことを判定するバランスチェック部とを含む。
また、本発明の蒸着方法は、蒸着装置を用いてレンズの表面に蒸着膜を形成する方法において、前記蒸着装置は、レンズを収装する蒸着室と、無機材料からなる蒸着材料を加熱して蒸着させる加熱部と、前記蒸着室内に有機ガスを供給する有機ガス供給部とを有し、前記有機ガス供給部は、低活性ガスまたは不活性ガスからなるバブリングガスを供給するバブリングガス供給部と、有機液体を収容し、前記有機液体を気化させた気体と前記バブリングガスとを混合した有機ガスを生成し、前記蒸着室に供給するタンクと、前記バブリングガス供給部からタンクへ供給するバブリングガスの質量流量を測定する第1の流量センサを含んでバブリングガスの流量を制御する第1の流量制御部と、前記タンクから蒸着室へ供給する有機ガスの質量流量を測定する第2の流量センサを含んで有機ガスの流量を制御する第2の流量制御部と、前記タンク内の気圧を測定する圧力センサとを備え、前記有機ガス供給部は、前記無機材料からなる蒸着材料を蒸着しているときに蒸着室内に有機ガスを供給して、有機物質と無機物質とから形成されるハイブリッと層を形成し、前記第1の流量センサが測定したバブリングガスの質量流量と、前記第2の流量センサが測定した有機ガスの質量流量と、タンク内の気相部分の容積とから、気体の状態方程式に基づいてタンク内圧の変化量を理論タンク圧変化量として演算し、前記圧力センサが測定したタンク圧測定値の変化量を実タンク圧力変化量として演算し、前記理論タンク圧変化量と実タンク圧力変化量の差が予め設定した許容範囲以内でなければ、前記有機ガス供給部に異常が発生したことを判定することを特徴とする。
本発明によれば、第1の流量センサが測定した不活性ガスの流量と第2の流量センサが測定した混合ガスの流量とタンク内の状態(圧力、温度)から気体の状態方程式に基づく理論タンク圧変化量を求め、この理論タンク圧変化量と実際のタンク圧変化量の差分が第1の許容範囲以内でなければ警告を発生するので、第2の流量制御部に有機液体が詰まった場合などの不具合を的確に検知できる、これにより、新たなセンサなどを付加することがないため、装置の導入及び保守コストの増大を防ぎながら、レンズに蒸着させる膜を安定して形成することができる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、眼鏡用プラスチックレンズに反射防止膜や撥水コート等の薄膜を連続的に形成する連続型真空蒸着装置1に、本発明を適用した一例を示す。この連続型真空蒸着装置1は、成型された眼鏡用プラスチックレンズ(以下、単にレンズともいう)の光学面に、真空蒸着室内で蒸着物質を蒸着させて反射防止膜や撥水膜等を連続的に形成するものである。
図1は、連続型真空蒸着装置1の概要を示す概略図である。この連続型真空蒸着装置1には、レンズ20を加熱する予熱室100と、反射防止膜をレンズ20に形成する第1蒸着室200と、反射防止膜を形成したレンズ20に撥水膜等を形成する第2蒸着室300を備えている。また、予熱室100、第1蒸着室200、第2蒸着室300は、所定の気圧の真空になるようにそれぞれに図示しない真空装置が配設される。
連続型真空蒸着装置1におけるレンズ20の蒸着工程の概略について説明する。
まず、複数のレンズ20をコートドーム2に配置し、1ロットを構成する。コートドーム2は、複数のレンズ20に蒸着膜が同時かつ均等に蒸着されるように複数のレンズ20を保持する保持手段であって、外周が円形の凹曲面形状をしており、レンズ20の径と同程度の円形の孔が多数形成され、そこにレンズ20が蒸着したい面を下向きににして配置される。
レンズが配置されたコートドーム2は予熱室100の開閉台103上に支持された支持台101に載せられる。そして、支持台101の下部を支持する開閉台103を上昇させ、予熱室100の底部の開口を密閉することにより、支持台101に乗せられたコートドーム2は予熱室100内に収容される。
また、コートドーム2の上部は連続型真空蒸着装置1の内部に設けられた図示しない搬送手段500に支持されて、予熱室100から第1蒸着室200を経て第2蒸着室300まで移動可能となっている。なお、搬送手段500が各真空室100、200、300を移動する際に通る図示しない連絡口(予熱室100と第1蒸着室200を繋ぐ連絡口、及び、第1蒸着室200と第2蒸着室300を繋ぐ連絡口)は、搬送手段500が移動する時だけ開き、搬送手段500移動後すぐに気密に閉じられるように構成されている。また、搬送手段500に支持された状態のコートドーム2は、図示しないアクチュエータにより回転可能となっている。
予熱室100には、制御装置12によって駆動されるヒータ(ハロゲンヒータなど)102が設けられており、コートドーム2を回転させながらヒータ102により加熱することによりコートドーム2に配置されたレンズ20を均等に予熱する。予熱が完了すると、制御装置12は搬送手段500を駆動してコートドーム2を第1蒸着室200へ移動させる。
第1蒸着室200では、コートドーム2を回転させながら、複数の蒸着原料41、42を加熱源である電子銃30、31で加熱し、蒸着原料41、42を蒸発(気化)させてレンズ20に反射防止膜等の所定の膜を形成する。さらに、第1蒸着室200には、レンズ20に形成する膜の強度や密着性を向上させるため、イオンビームをレンズに照射するイオン源としてのイオン銃14を備える。また、第1蒸着室には、有機ガスを生成して供給する有機ガス供給装置16が設けられており、この有機ガス供給装置16により生成された有機ガスが有機ガス供給管路1604を通って、第1蒸着室200内に供給されるようになっている。そして、蒸着原料を蒸着している間に、有機ガスを供給することによりハイブリット膜が生成される(第1蒸着室の構成や制御については、後で詳しく説明する)。なお、電子銃30、31の駆動や蒸着原料41、42の選択は、制御装置12によって制御される。また、第1蒸着室200には、薄膜の形成状況を監視するための光学式膜厚計10が備えられ、監視結果は制御装置12へ送られて電子銃30、31の制御などを行う。なお、蒸着原料が一つの場合には、電子銃30または31のいずれか一方を作動させればよい。また、イオン銃14は、レンズ20にイオンビームを照射することで、レンズ20に形成される膜のはく離強度(または膜の密着性)を向上させて、膜の耐久性を向上させる。
反射防止膜の形成が完了すると、制御装置12は搬送手段500を駆動してコートドーム2を第2蒸着室300へ移動させる。
第2蒸着室300は、底部の開口が昇降可能な開閉台303により密閉されており、この開閉台303上には、コートドーム2を支持する支持台301と、制御装置12によって制御されるヒータ(ハロゲンヒータなど)302と、ヒータ302により加熱される蒸着原料340を収容するための容器341が配置されている。そして、コートドーム2を回転させながら、ヒータ302で容器341を加熱して容器341に収容されている蒸着原料340を蒸発させることにより、コートドーム2に配置されたレンズ20に撥水膜を形成する。
レンズ20に撥水膜の形成が完了すると、コートドーム2が支持台301に支持された状態で支持台301の下部を支持する開閉台303が下降して第2蒸着室の真空破壊されコートドームが外部に取り出され、蒸着工程が完了する。なお、反対側の面も蒸着する場合は、コートドーム2にその反対側の面を下向きにして配置して、上記工程を繰り返して蒸着工程を完了する。この後、コートドーム2は支持台301から取り出され、コートドーム2上のレンズ20は取り外されて次工程へ運ばれる。
なお、上記では第1蒸着室200で反射防止膜を、第2蒸着室300で撥水膜を形成したが、蒸着原料41、42、340を変更することにより、任意の薄膜を蒸着することができる。また、第1蒸着室200では、同時に2つの蒸着原料41、42を蒸発させるだけでなく、電子銃30、31の一方のみを作動させて、一つの蒸着原料による蒸着を行っても良い。また、この例では第2蒸着室にコートドーム2を取り出すための開閉機構である開閉台303を設けているが、第2蒸着室に開閉機構を設けずに、連絡口を介して第2蒸着室に機密に連結される真空室をさらに設けて、第2蒸着室からその真空室にコートドーム2を移動させた後、その真空室に設けられた開閉機構からコートドーム2を取り出すようにしてもよい。また、この例は連続して配置された蒸着室が二つの場合であるが、一つでも三つ以上であっても良い。
次に、上記した連続真空蒸着装置の第1蒸着室についてさらに詳細に説明する。図2は第1の成膜室となる第1蒸着室200と制御装置12を示す。
第1蒸着室200内では、予熱室100から移動してきたコートドーム2が搬送手段500により所定の位置である第1蒸着室200内の上部に位置決めされる。
第1蒸着室200の上部には、所定の位置に薄膜の形成状況を検出する光学式膜厚計10が設置され、光学式膜厚計10を構成するモニターガラス51は、第1蒸着室200内の所定の位置に配置されて、蒸着原料41、42の蒸気を受けることが可能となっている。
第1蒸着室200の下部には、反射防止膜蒸着原料(成膜材料)41、42を収装するルツボやハースで構成される容器40を有するハース部400と、容器の蒸着原料41、42に電子ビームを当てて気化させる電子銃30、31と、蒸着原料41、42の蒸気を選択的に遮断するシャッタ5と、蒸着する薄膜の強度や膜質(緻密性など)を改善するため、供給されたイオン化ガス(窒素また酸素など)からイオンビームを発生させ放出するイオン源としてのイオン銃14と、イオン銃14にイオン化ガスを供給するガス供給装置15と、ハイブリット膜成膜の際の有機物の蒸着原料となる有機ガスを生成する有機ガス供給装置(ガスユニット)16と、有機ガス供給装置16によって生成された有機ガスを第1蒸着室200内へ導入する有機ガス供給管路1604等が設けられている。
なお、本発明において有機ガスとは、気化した有機物質、または、その気化した有機物質と不活性ガスや窒素などの低活性のガスとの混合気体である。有機ガスの原料となる有機物質の具体例については後述する。
なお、イオン銃14には、イオン銃14本体を保護するためのシャッタ(イオン銃シャッタ)141が設けられており、シャッタ141を開いたときにイオンビームを照射することができる。また、シャッタ5及びシャッタ141にはアクチュエータ(図示省略)が設けられ、後述の制御装置12によって制御される。また、蒸着原料41、42は異なる種類の物質で、例えば、蒸着原料41が低屈折率物質で、蒸着原料42が高屈折率物質である。
上部のコートドーム2の近傍には、コートドーム2に保持された被成膜体としてのレンズ20の温度を計測するための基板温度計6が設けられ、さらに、第1蒸着室200内の気圧(真空度)を計測するための真空計7及び第1蒸着室200内を減圧して真空にするための真空装置8が設けられている。また、コートドーム2に保持されたレンズ20を加熱するためのヒータ9が設けられている。なお、ヒータ9はハロゲンヒータなどで構成される。
制御装置12は、シーケンサユニットと、このシーケンサユニットに指令を送るCPU(プロセッサ)、メモリ、ディスク装置などから構成されるコンピュータを含み、後述するように、制御装置12は、予熱室100、第1蒸着室200、第2蒸着室300の各機器の制御を後述するように行う。
制御装置12には各機器へ指令を送るためのキーボードやマウス、ディスプレイなどを含む入出力部12aが接続されるとともに、上述の電子銃30、31、シャッタ5、真空装置8、ヒータ9、イオン銃14、シャッタ141、ガス供給装置15、有機ガス供給装置16等の制御対象と、基板温度計6、真空計7、光学式膜厚計10(膜厚モニタ11)等のセンサが接続されており、制御装置12は、各センサからの入力情報等に基づいて上記制御対象を制御する。さらに制御装置12には、予熱室100のヒータ102、第2蒸着室300のヒータ302、予熱室100から第1蒸着室200を経て第2蒸着室300までを結ぶ搬送手段500、予熱室100及び第2蒸着室300の開閉台103、303の昇降装置(図示省略)がそれぞれ接続される。また、制御装置12には、各蒸着装置の動作状態などを表示するための表示装置(図示省略)を備える。
制御装置12は、真空計7の情報に基づいて真空装置8や電子銃30、31及びイオン銃14を制御し、第1蒸着室200内を所定の気圧の真空にする。また、制御装置12は、基板温度計6の情報に基づいてヒータ9を制御して被成膜体であるレンズ20を所定の温度にする。そして、制御装置12は、上記光学式膜厚計10のモニターガラス51に形成された薄膜の時々刻々の光学膜厚に依存する時々刻々の光量値が、基準光量値データ格納手段に格納されている値と等しくなるように、電子銃30、31に印加する電力(電流及び/又は電圧)を制御する場合もある。また、形成する薄膜の種類や気化させる蒸着原料41、42の種類に応じて、イオン銃14へのイオン化ガスの供給とイオンビームの照射を行い、また、ハイブリット膜のように有機物質を蒸着して成膜する場合には、制御装置12は有機ガス供給装置16の有機ガスの生成と生成された有機ガスの第1蒸着室200内への供給を制御する。この制御装置12による有機ガス供給装置16の制御の詳細については後述する。
また、コートドーム2は、図示しないアクチュエータにより回転可能となっており、蒸着室で加熱されて飛散する蒸発物の分布のばらつきを低減させるためや加熱ムラをなくすために回転する。
電子銃30、31は、容器に収納された蒸着原料(物質)41、42を加熱することにより、蒸発させて、レンズ20及びモニターガラス51に蒸着原料(物質)を蒸着・堆積させて薄膜を形成する。
容器40は、蒸着物質41、42を保持するために用いられる水冷式のルツボやハースライナである。
シャッタ5は、蒸着を開始するとき開き、または終了するときに閉じるように制御されるもので、薄膜の制御を行いやすくするものである。ヒータ9は、レンズ20に蒸着される薄膜の密着性などの物性を出すため、レンズ20を適切な温度に加熱する加熱手段である。
光学式膜厚計10は、表面に透明薄膜を形成した透明基体に光を照射すると、薄膜表面からの反射光と透明基体表面からの反射光とが両者の位相差によって干渉をおこす現象を利用したものである。すなわち、上記位相差が薄膜の屈折率及び光学膜厚によって変化し、干渉の状態が変化して反射光の光量が薄膜の屈折率及び光学膜厚に依存して変化する。なお、反射光が変化すれば必然的に透過光も変化するので、透過光の光量を計測することによっても同様のことができるが、以下では反射光を用いた場合を説明する。
光学式膜厚計10は、上記コートドーム2のほぼ中心部に保持されたモニターガラス51に所定の波長の光を照射し、その反射光を測定する。モニターガラス51に形成される薄膜は、各レンズ20に形成される薄膜に従属しているとみることができるので、各レンズ20に形成される薄膜を推測できる(再現できる)情報を得ることができる。モニターガラス51に形成される膜厚の測定については、特開2003−202404号公報などと同様であり、受光センサが検出した光量のピークの数に基づいて、膜厚の増大(成膜の進行)を検出することができる。
<有機ガス供給装置>
次に、第1蒸着室200に有機ガスを供給する有機ガス供給装置16について、図3を参照しながら説明する。
有機ガス供給装置16は、制御装置12によって制御されて、有機ガスを生成し、その生成した有機ガスを第1蒸着室200へ供給する装置である。
有機ガス供給装置16は、有機液体170を収容して有機ガスを生成するタンク160と、このタンク160に不活性ガスや窒素などの気体(以下バブリングガスともいう)を供給するガスボンベ161と、ガスボンベ161からタンク160に供給する気体(バブリングガス)の流量を制御するバブリングガス用マスフローコントローラ162と、タンク160から第1蒸着室200へ有機ガスを供給する流量を制御する有機ガス用マスフローコントローラ163と、タンク160の有機液体170を加熱して有機ガスを蒸発させるタンクヒータ164と、タンク内の気圧を測定する圧力センサ165と、タンク内の温度を測定する温度センサ166とを主体にして構成される。
バブリングガス用マスフローコントローラ162は、管路1601を介してガスボンベ161に接続されるとともに、管路1602を介してタンク160に接続されている。そして、ガスボンベ161からタンク160へ供給するバブリングガスガスの流量(質量流量)を測定するマスフローメータ(流量センサ)と流量制御弁を備え、マスフローメータによって測定される流量(バブリングガス測定流量)が制御装置12から司令された流量(バブリングガス設定流量)となるように流量制御弁を制御して、タンク160に供給されるバブリングガスの流量(質量流量)を制御する。
有機ガス用マスフローコントローラ163は、管路1603を介してタンク160に接続されるとともに、管路1604を介して第1蒸着室200に接続されている。そして、タンク160内で生成され、タンク160から第1蒸着室200へ供給する有機ガス180の流量(質量流量)を測定するマスフローメータ(流量センサ)と流量制御弁を備え、マスフローメータによって測定される流量(有機ガス測定流量)が制御装置12から司令された流量(有機ガス設定流量)となるように流量制御弁を制御して、有機ガス管路1604を介して第1蒸着室200へ供給される有機ガス180の流量(質量流量)を制御する。
タンク160内は、有機液体170からなる液相部分と、その上部の気相部分とからなっており、タンクヒータ164でタンク160内の有機液体170を加熱して気化させている。また、タンク160に供給されたバブリングガスは、タンク160の底部に設けた気体導入管167から有機液体170中に供給されて、有機液体170中を泡となりながら上昇し気相部分に移動する。これによりバブリングガスからなる泡と有機液体170との接触により有機液体170の気化が促進される。このようにして、バブリングガスと有機液体が気化した気体との混合ガスである有機ガス180が、タンク160の気相部分に生成される。前記圧力センサ165はタンク160内の気相の圧力を測定して、その測定値を制御装置12に送出しており、温度センサ166はタンク160内の液相の温度を測定して、その測定値を制御装置12に送出している。タンク160内の温度は所定の温度で一定になるように、制御装置12は温度センサ166の測定値に基づいてタンクヒータ164を制御している。
タンク160内は、第1蒸着室より高い気圧に維持されるので、タンク160内に生成した有機ガス180は、タンク160の上部に設けた有機ガス収集管路168から管路1603を介して有機ガス用マスフローコントローラ163へ流入し、この有機ガス用マスフローコントローラ163により流量が制御されて、管路1604を介して第1蒸着室に供給される。
有機ガス180を第1蒸着室200へ供給する条件として、有機ガス供給装置16は、タンク160の内圧(以下、タンク圧とする)を所定値(例えば、50Torr)に保ち、かつ、有機ガス180を第1蒸着室200内に、所定の流量(例えば12sccm)導入する必要がある。
タンク160の内圧を所定値に保ち、かつ、有機ガス180を所定流量で第1蒸着室200内に供給するために、有機ガス用マスフローコントローラ163の設定流量は所定値に設定するとともに、バブリングガス用マスフローコントローラ162の設定流量は、タンク160の内圧の所定値と圧力センサ165の測定値との差に基づいてPD制御のようなフィードバック制御によって制御されることにより、タンク160内の圧力が所定値に保たれる。
ここで、上記課題でも述べたように、有機ガス180の流量を制御する有機ガス用マスフローコントローラ163では、有機ガス180の流量を測定するマスフローメータに有機ガスの液体が詰まる場合があり、マスフローメータの測定値が実際の有機ガス180の流量と乖離して、高性能反射防止膜の成膜が正常に行うことができない場合があった。
そこで、本願発明では、有機ガス用マスフローコントローラ163の下流に新たなマスフローメータを設置することなく、制御装置12がタンク160内の気圧とと有機ガス用マスフローコントローラ163の測定流量とバブリングガス用マスフローコントローラ162の測定流量から有機ガス用マスフローコントローラ163の異常(例えばマスフローメータの詰まり)が無いか監視し、異常を検知したときには入出力部12aから警告を発生するものである。
本発明により、有機ガス用マスフローコントローラ163の異常の有無を容易に監視でき、また、異常が発生した場合には、制御装置12が自動的に入出力部12aに警報を出力することができるので、蒸着処理の開始する度に有機ガス用マスフローコントローラ163のマスフローメータを検査する必要がなくなって、タクトタイムを短縮することができ、連続型真空蒸着装置1の生産性を向上させることができるのである。
以下に、制御装置12で実行する制御について詳述する。
<制御の概要>
図4は、第1蒸着室200で反射防止膜をレンズ20に形成する蒸着処理を行う際に、制御装置12で行われる処理のソフトウェア構成を示すブロック図である。図4は、蒸着処理で機能する親スレッドを示し、各親スレッドは子スレッドを生成して第1蒸着室200の各機器を制御する。
電子銃操作部S1は、ハース部400の蒸着原料41,42を加熱して気化させる電子銃30,31のON、OFFと出力及びスキャン範囲などを制御し、また、シャッタ5の開閉を制御してコートドーム2のレンズ20への蒸着原料41,42の蒸着を制御する。
イオン銃操作部S2は、イオン銃14のON、OFFと出力の制御、シャッタ141の開閉制御、ガス供給装置15の制御を行い、コートドーム2のレンズ20へのイオンビームの照射を制御する。
有機ガス供給装置操作部S3は、有機ガス供給装置16に対してバブリングガス用マスフローコントローラ162と有機ガス用マスフローコントローラ163とタンクヒータ164を後述するように制御して、第1蒸着室200内へ有機ガス180が所定の流量の供給されるように制御する。そして、有機ガス供給装置操作部S3は、有機ガス用マスフローコントローラ163に詰まりなどの異常が発生したと判定した場合には、入出力部12aへ警告を出力する。
その他操作部S4は、第1蒸着室200の真空装置8やヒータ9などの制御を行って、第1蒸着室200の気圧や温度を所定の範囲に制御する。これらの制御は、従来例と同様であるので本実施形態では詳述しない。
制御装置12のプロセッサは、上記各操作部S1〜S4を並列的に実行して第1蒸着室200の各機器を制御し、レンズ20に所定の膜を形成する。
<ガス供給装置操作部の概要>
図5は、図4に示した有機ガス供給装置操作部S3の詳細な構成を示すブロック図である。有機ガス供給装置操作部S3は、バブリングガス用マスフローコントローラ162や有機ガス用マスフローコントローラ163等の有機ガス供給装置16の各種機器に対して目標値の司令や起動などの司令を行うユニット制御手続S11と、バブリングガス用マスフローコントローラ162や有機ガス用マスフローコントローラ163の測定流量、タンク160内の温度等に異常が無いかどうかを監視する監視手続S12と、タンク圧が所定値(または所定の範囲)となるようにバブリングガス用マスフローコントローラ162の流量をフィードバック制御などによって調整するバブリングフィードバック(F/B)制御手続S13と、有機ガス用マスフローコントローラ163にマスフローメータの詰まりなどの異常が生じたか否かを、バブリングガス用マスフローコントローラ162の測定流量、有機ガス用マスフローコントローラ163の測定流量、タンク160圧等を基に判定するバランスチェック手続S14と、蒸着を開始する前に、タンク160の内圧を所定値に調整するタンク圧調整手続S15から構成される。なお、タンク圧調整手続S15は、蒸着処理を行っていないときに親スレッドである有機ガス供給装置操作部S3で発行される処理である。したがって、蒸着処理中は、ユニット制御手続S11〜バランスチェック手続S14の4つの子スレッドが有機ガス供給装置操作部S3から発行されて、制御装置12のプロセッサで並列的に実行される。
ユニット制御手続S11では、有機ガス用マスフローコントローラ163の起動と、有機ガス用マスフローコントローラ163から第1蒸着室200内に供給する有機ガス180の流量の司令と、バブリングガス用マスフローコントローラ162の起動と、バブリングガス用マスフローコントローラ162がタンク160に供給するバブリングガスの流量の司令と、有機液体170の温度が所定の範囲となるようにタンクヒータ164の通電制御等が行われる。
監視手続S12では、バブリングガス用マスフローコントローラ162や有機ガス用マスフローコントローラ163の測定流量の目標流量に対するずれ量、タンク160内の温度測定値の目標値に対するずれ量を監視して、許容範囲を超えたときにエラーを表示する。
バブリングF/B制御手続S13は、蒸着処理中(有機ガスを第1蒸着室に供給中)にタンク圧とバブリングガス流量を監視して、タンク圧が所定の範囲となるようにバブリング流量をPD制御する。
バランスチェック手続S14は、バブリングガス流量の変化量と、有機ガス流量の変化量から、気体状態方程式により、理論上のタンク圧を変化量を計算し、実際に測定されたタンク圧の変化量との差が許容範囲以上の場合に、有機ガス用マスフローコントローラ163の障害が発生したと判定し、警告を行う処理である。
以下、各処理の詳細について説明する。
<タンク圧調整手続>
図6は、図5のS15に示したタンク圧調整手続の処理の一例を示すフローチャートである。制御装置12は、蒸着開始前(有機ガス180を第1蒸着室200に供給開始する前)に、タンク160の内圧(気圧)を、予め設定した目標タンク圧Ttp(例えば、50Torr)となるようにバブリングガス用マスフローコントローラ162によるバブリングガスのタンク160への供給と有機ガスのタンク160からの放出を行って、タンク圧を調整する。
ステップS21では、制御装置12がタンク160の気圧を測定する圧力センサ165からタンク圧測定値Tpを読み込み、また、予め設定した目標タンク圧Ttpを取得する。
次にステップS22で、タンク圧測定値Tpと目標タンク圧Ttpの差分ΔPtを求めて、差分ΔPtが予め設定した許容範囲以内であるかを判定する。なお、許容範囲は、所定の上限値と下限値で構成され、測定精度等を考慮して適宜設定する。タンク圧測定値Tpと目標タンク圧Ttpの差分ΔPtが許容範囲ΔPth以内であればタンク圧Tpは目標タンク圧Ttp近傍に維持されているのでタンク圧調整手続きを終了する。
タンク圧測定値Tpと目標タンク圧Ttpの差分ΔPtが許容範囲ΔPth以内になければ、タンク160のタンク圧Tpを調整するためにステップS23に進む。ステップS23では、タンク圧測定値Tpが目標タンク圧Ttp未満であるか否かを判定する。タンク圧測定値Tpが目標タンク圧Ttp未満であれば、ステップS24へ進んでバブリングガス用マスフローコントローラ162のバブリングガス流量として所定値(一定値)を指令してバブリングガス用マスフローコントローラ162を開弁し、バブリングガスをタンク160に供給することでタンク160の内圧を上昇させる。
一方、タンク圧測定値Tpが目標タンク圧Ttp以上であれば、ステップS25へ進んで有機ガス用マスフローコントローラ163の有機ガス流量として所定値(一定値)を設定して有機ガス用マスフローコントローラ163を開弁し、有機ガス180を放出することでタンク160の内圧を減圧させる。
次に、ステップS26では、所定時間だけ待機してから、前記ステップS24またはS25で開弁したバブリングガス用マスフローコントローラ162または有機ガス用マスフローコントローラ163を閉止する。そして上記ステップS21に戻って、タンク圧測定値Tpと目標タンク圧Ttpの差分ΔPtが許容範囲ΔPth以内になるまで上記処理を行う。
上記タンク圧調整手続を蒸着処理の開始前に実行することで、タンク160のタンク圧Ttpを目標タンク圧Ttp近傍に設定する。
<バブリングF/B手続>
次に、蒸着処理の開始に伴って有機ガス供給装置16から有機ガス180を第1蒸着室200へ導入する処理では、有機ガスマスフローコントローラ163の有機ガス流量を目標値に設定して、有機ガス180を第1蒸着室200に供給している状態で、タンク160圧が目標値を保つように、バブリングガス用マスフローコントローラ162のバブリングガス流量をフィードバック制御する図5のバブリングF/B手続S13が行われる。
バブリングF/B手続の処理の一例を図7のフローチャートに示す。まず、有機ガスマスフローコントローラ163は有機ガス目標流量で有機ガス180を第1蒸着室200に供給をしている常態において、ステップS31では、圧力センサ165からタンク圧測定値Tpを読み込み、有機ガス用マスフローコントローラ163から有機ガス流量(測定流量)Mfを読み込み、予め設定した目標タンク圧Ttpを読み込む。
ステップS32では、タンク圧測定値Tpが目標タンク圧Ttpを超え、かつ、有機ガス流量(測定流量)Mfがあらかじめ設定した所定値Mfth未満であるかを判定する。タンク圧測定値Tpが目標タンク圧Ttpを超えて有機ガス流量Mfが所定値Mfth未満の場合には、タンク160の内圧が上昇しすぎるのを防ぐため、ステップS33へ進んで、バブリングガス用マスフローコントローラ162を閉弁して、タンク160へのバブリング不活性ガスの供給を停止する。
一方、ステップS32の条件を満たしていない場合には、タンク圧測定値Tpが目標タンク圧Ttp以下またはマスフロー流量Mfが所定値Mfth以上であるので、ステップS34に進む。
ステップS34では、タンク圧測定値Tpと目標タンク圧Ttpの差分ΔPtが、予め設定した許容範囲ΔPthより大きいか否かを判定する。タンク圧測定値Tpが目標タンク圧Ttpに対して許容範囲ΔPth内にあればステップS39へ進み、許容範囲ΔPthになければステップS35に進む。
ステップS35では、タンク圧測定値Tpが目標タンク圧Ttpを超えているか否かを判定する。そして、タンク圧測定値Tpが目標タンク圧Ttpを超えていればステップS36に進んでバブリングガス用マスフローコントローラ162のバブリング流量Bfを予め設定した最小流量に設定し、タンク160の内圧の上昇を抑制する。一方、タンク圧測定値Tpが目標タンク圧Ttp以下の場合には、ステップS37に進んでバブリングガス用マスフローコントローラ162のバブリング流量Bfを予め設定した最大流量に設定し、タンク160の内圧を増大させる。これらステップS36とS37は、上記ステップS34でタンク圧測定値Tpが許容範囲ΔPthを超えているので、早くタンク圧を調整するためである。
ステップS39では、タンク圧測定値Tpが許容範囲ΔPth内であるので、PD制御などのフィードバック制御によってバブリング流量Bfを設定する。
次に、ステップS40では、上記S36、S37、S40の何れかで設定したバブリング流量Bfでガスボンベ161からのバブリングガスをタンク160に供給するため開弁する。なお、バブリング流量Bfでガスボンベ161の開弁が完了している場合には、上記S36、S37、S40のバブリング流量Bfを達成するように開弁量を制御する。
以上の処理が繰り返し実行されることにより、バブリングガス流量は、タンク圧測定値とタンク圧目標値との差に基づいてリアルタイムにフィードバック制御されることにより、タンク圧が、目標のタンク圧に保たれ、第1蒸着室200内への有機ガス180が導入が安定して行われる。
<バランスチェック手続>
制御装置12では、上記バブリングF/B手続の処理と並行して図5に示したバランスチェック手続S14が実行され、有機ガス用マスフローコントローラ163の有機液体170の詰まり等による異常発生を検知する。
図8は、バランスチェック手続の一例を示すフローチャートである。この処理は蒸着処理が終了するまで繰り返して実行される。
まず、ステップS41では、制御装置12が圧力センサ165からタンク圧測定値Tpを読み込み、有機ガス用マスフローコントローラ163から有機ガス流量Mfを読み込み、バブリングガス用マスフローコントローラ162からバブリングガス流量Bfを読み込む。さらに制御装置12は、前回のバランスチェック手続を開始した時刻と、現在時刻を取得する。
ステップS42では、初回のバランスチェックであるか否かを判定する。これは、カウンタCtの値が0であれば、今回のバランスチェックが初回であることを判定することができる。初回のバランスチェックであれば、ステップS43に進んで各パラメータの初期化を行う。一方、2回目以降のバランスチェックであればステップS44へ進む。
初回の場合のステップS43では、タンク160の圧力変化量を気体状態方程式により算出した理論値である理論タンク圧力変化量ΔTpを0に設定し、初期タンク圧Tp0にステップS41で取得したタンク圧測定値Tpを設定し、タンク160に供給されたバブリングガスの流量とタンク160から放出された有機ガスの流量の総和(以下、単に流量総和ともいう)Smfに0を設定し、初期時刻T0にステップS41で取得した現在時刻を設定する。また、カウンタCtをインクリメントしておく。ステップS43の初期化が終了するとバランスチェックの処理を終了し、次回の制御開始では、ステップS44以降の処理を行う。
2回目以降のバランスチェックの処理で実行されるステップS44では、流量総和Smfの計算と、カウンタCtのインクリメントを実施する。カウンタCtのインクリメントは、カウンタCtに1を加算する。
流量総和Smfは、現在時刻から前回時刻を引いた値を時間変化量ΔTimeとすると、次のようにして求められる。
ΔSmf = (Bf−Mf)×ΔTime ………(1)
Smf = ΣΔSmf ………(2)
次に、ステップS45では、カウンタCtの値を所定値(規定回数)と比較して、バランスチェックの回数が規定回数に達した否かを判定する。バランスチェックの回数が規定回数に達していなければ処理を終了して次回のバランスチェック処理に備える。一方、バランスチェックの回数が規定回数に達していれば、ステップS46に進む。
ステップS46では、現在のタンク圧測定値Tpと初期タンク圧力Tp0の差から実タンク圧力変化量ΔTprを、
ΔTpr=Tp−Tp0 ………(3)
より算出する。
理論タンク圧変化量ΔTpは次のようにして求める。
いま、タンク160の内の圧力をP、タンク160の容積(気体部分)をV、タンク160内の温度をTとし、気体常数をRとすると、気体状態方程式PV=nRT(nは気体のモル数)が成り立つ。なお、タンク160の気体部分の容積は、有機液体170の液面高さ(底面から液面までの距離など)を一定とした場合には固定値であり、有機液体170の液面が変動する場合では、液面のレベル(高さ)を測定するセンサを設け、このセンサの検出値に応じてタンク160の気体部分の容積を求めてもよいが、有機液体170の蒸発によるタンク160の容積の変化量は非常に小さいので、一定とみなして定数として扱うことができる。また、タンク160の温度Tもタンクヒータ164によってほぼ一定の温度に保たれているため、ほとんど変化はないので、定数として扱うことができる。
ここで理論タンク圧変化量ΔTpは次の式により求められる。
ΔTp = K×Smf ………(4)
ここで、Kは(VとTを含めた)比例定数である。
次に、ステップS47では、上記で求めた実タンク圧力変化量ΔTprと理論タンク圧変化量ΔTpの差が、あらかじめ設定してある許容範囲圧力量ΔPthm以内であるか否かを次式に基づいて判定する。
|ΔTpr−ΔTp|≦ΔPthm ………(5)
上記(5)式を満足している場合には、タンク160内は気体状態方程式に沿っているので、有機ガス用マスフローコントローラ163異常はないと判定できる。一方、上記(5)式を満足していない場合、すなわち、理論タンク圧変化量ΔTptと実タンク圧力変化量ΔTprの差が許容範囲圧力量ΔPthm以内でなければ、有機ガス用マスフローコントローラ163の流量制御が正常に行われていないと判定してステップS49へ進み、入出力部12aに異常が発生したことを示す警告を出力する。
次に、ステップS48では、カウンタCtの値を初期化してバランスチェックの処理回数をリセットし、次回のバランスチェックの処理に備える。
以上のように、バランスチェック手続では、規定回数に達する度に、タンク160へ流入するバブリングガスの流量と、タンク160から放出される有機ガス180の流量から、気体の状態方程式に基づいてタンク160の内圧が変化すると予測される理論タンク圧変化量を求め、この理論タンク圧変化量と実際に測定した実タンク圧力変化量が所定の範囲を超えていれば、有機ガス用マスフローコントローラ163に詰まりなどの流量に関する異常が発生したことを容易にリアルタイムに判定することができる。
なお、上記では有機ガス供給装置16に異常が発生したときに、制御装置12の入出力部12aに警告を出力する例を示したが、図示はしないが第1蒸着室200の蒸着の進行を停止するようにしても良い。
このように、本発明では、有機ガス用マスフローコントローラ163の下流に流量センサを設けることなく、レンズの蒸着処理を行いながら有機ガス用マスフローコントローラ163の詰まりやバブリングガス用マスフローコントローラ162の異常を検知することができ、有機ガス用マスフローコントローラ163等の点検に要する時間を短縮しながらも、有機ガス180を安定して供給し、品質の高い反射防止膜をレンズ20に形成することが可能となる。また、新たなセンサを設ける必要がないため、設備投資の増大を抑制することができる。
次に、上記ステップS47のバランスチェックの処理を行う周期について検討する。いま実際に正常に動作することが判っている第1蒸着室200の有機ガス供給装置16を測定すると、タンク内圧力が、10Torr変化するのに、120秒要し、マスフローコントローラ162の流量の測定値は30sccmであった。上記(1)式より、
10 = K×30×120
これより、定数Kは、
K=10/(30×120)≒0.002778[Torr/sccm×sec]
となる。
ここで、タンク160の内圧が0.1Torr変化することを考えると、制御装置12の気圧の分解能を4095とした場合、4095分解能で、0−100%であるから、4095×0.1/100=4.095となり、およそ、制御装置12内の数値で4程度変化する。 よって、0.1Torr(分解能4)変化するのに、1.2sec.(有機ガス流量30sccm)、0.1Torr(分解能4)変化するのに、3.6sec.(有機ガス流量10sccm)、0.25Torr(分解能10)変化するのに、9.0sec.(有機ガス流量10sccm)となる。
従って、分解能が10の変化を見る(判定する)のには、概ね10秒毎にステップS47の処理を実施すればよい。この周期は、有機ガス供給装置16をリアルタイムに監視するのに十分短い時間である(蒸着層の蒸着時間は、短くても、数十秒から、長いもので、数100秒に及ぶため)。
以上のように、成膜中に、気体方程式のずれを監視すれば、有機ガス用マスフローコントローラ163流量に問題があることが容易に判定できる。
ここで、バブリングガス用マスフローコントローラ162と有機ガス用マスフローコントローラ163の両者が同程度に詰まっている場合は、上記の気体状態方程式が成り立ってしまうので、バランスチェック手続では検知できない可能性がある。
しかしながら、上記図の監視手続のステップS27において、所定のタンク圧(例えば50Torr)に調整するまでの時間を監視(確認)することで、バブリングガス用マスフローコントローラ162と有機ガス用マスフローコントローラ163の何れかに問題があることを判定することができる。
したがって、タンク圧調整手続S15でエラーが発生せず、バランスチェック手続S14において、気体状態方程式に大きく、ずれが生じてきたら、バブリングガス用マスフローコントローラ162と有機ガス用マスフローコントローラ163の何れかに詰まりなどの障害が発生したことを判定できるのである。また、バブリングガス用マスフローコントローラ162は、有機ガスを扱わないため詰まりが発生することは極めて希であり、したがって、上記バランスチェック手続S14によって有機ガス用マスフローコントローラ163を主に監視することで、有機ガスを供給する成膜中の不具合を抑制することが可能となる。
なお、上記実施形態では、連続型蒸着装置に本発明を適用した例を示したが、バッチ型の蒸着装置に適用しても良い。
以上のように、本発明によれば、有機ガスを供給する蒸着装置に適用することができ、特に、反射防止膜をレンズ20に形成する蒸着装置に好適である。
本発明の一実施形態を示し、連続型真空蒸着装置の概略図。 第1蒸着室の概略図。 有機ガス供給装置の構成を示すブロック図。 制御装置のソフトウェア構成を示すブロック図。 有機ガス供給装置操作部の内容を示すブロック図。 有機ガス供給装置操作部のタンク圧自動調整手続の一例を示すフローチャート。 有機ガス供給装置操作部のバブリングF/B制御手続の一例を示すフローチャート。 有機ガス供給装置操作部のバランスチェック手続の一例を示すフローチャート。
符号の説明
1 連続型真空蒸着装置
8 真空装置
12 制御装置
14 イオン銃
15 ガス供給装置
16 有機ガス供給装置
20 レンズ
30、31 電子銃
41、42 蒸着原料
160 タンク
161 ガスボンベ
162 バブリングガス用マスフローコントローラ
163 有機ガス用マスフローコントローラ
165 圧力センサ
170 有機液体
180 有機ガス
200 第1蒸着室

Claims (2)

  1. レンズの表面に蒸着膜を形成する蒸着装置において、
    レンズを収装する蒸着室と、
    前記蒸着室内に有機ガスを供給する有機ガス供給部と、
    前有機ガス供給部を制御する制御部とを有し、
    前記有機ガス供給部は、
    低活性ガスまたは不活性ガスからなるバブリングガスを供給するバブリングガス供給部と、
    有機液体を収容し、前記有機液体を気化させた気体と前記バブリングガスとを混合した有機ガスを生成し、前記蒸着室に供給するタンクと、
    前記バブリングガス供給部からタンクへ供給するバブリングガスの質量流量を測定する第1の流量センサを含んでバブリングガスの流量を制御する第1の流量制御部と、
    前記タンクから蒸着室へ供給する有機ガスの質量流量を測定する第2の流量センサを含んで有機ガスの流量を制御する第2の流量制御部と、
    前記タンク内の気圧を測定する圧力センサとを備え、
    前記制御部は、
    前記圧力センサの測定値をタンク圧測定値として取得して、前記タンク圧測定値が予め設定された目標タンク圧となるように前記第1の流量制御部に流量の指令を行う圧力調整部と、
    前記第1の流量センサが測定したバブリングガスの質量流量と、前記第2の流量センサが測定した有機ガスの質量流量と、タンク内の気相部分の容積とから、気体の状態方程式に基づいてタンク内圧の変化量を理論タンク圧変化量として演算し、前記圧力センサが測定したタンク圧測定値の変化量を実タンク圧力変化量として演算し、前記理論タンク圧変化量と実タンク圧力変化量の差が予め設定した許容範囲以内でなければ、前記有機ガス供給部に異常が発生したことを判定するバランスチェック部と、
    を含むことを特徴とする蒸着装置。
  2. 蒸着装置を用いてレンズの表面に蒸着膜を形成する方法において、
    前記蒸着装置は、レンズを収装する蒸着室と、
    無機材料からなる蒸着材料を加熱して蒸着させる加熱部と、
    前記蒸着室内に有機ガスを供給する有機ガス供給部とを有し、
    前記有機ガス供給部は、
    低活性ガスまたは不活性ガスからなるバブリングガスを供給するバブリングガス供給部と、
    有機液体を収容し、前記有機液体を気化させた気体と前記バブリングガスとを混合した有機ガスを生成し、前記蒸着室に供給するタンクと、
    前記バブリングガス供給部からタンクへ供給するバブリングガスの質量流量を測定する第1の流量センサを含んでバブリングガスの流量を制御する第1の流量制御部と、
    前記タンクから蒸着室へ供給する有機ガスの質量流量を測定する第2の流量センサを含んで有機ガスの流量を制御する第2の流量制御部と、
    前記タンク内の気圧を測定する圧力センサとを備え、
    前記有機ガス供給部は、前記無機材料からなる蒸着材料を蒸着しているときに蒸着室内に有機ガスを供給して、有機物質と無機物質とから形成されるハイブリッと層を形成し、
    前記第1の流量センサが測定したバブリングガスの質量流量と、前記第2の流量センサが測定した有機ガスの質量流量と、タンク内の気相部分の容積とから、気体の状態方程式に基づいてタンク内圧の変化量を理論タンク圧変化量として演算し、前記圧力センサが測定したタンク圧測定値の変化量を実タンク圧力変化量として演算し、前記理論タンク圧変化量と実タンク圧力変化量の差が予め設定した許容範囲以内でなければ、前記有機ガス供給部に異常が発生したことを判定することを特徴とする蒸着方法。
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