JP2001115260A - 薄膜形成方法及び装置 - Google Patents

薄膜形成方法及び装置

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JP2001115260A JP29249699A JP29249699A JP2001115260A JP 2001115260 A JP2001115260 A JP 2001115260A JP 29249699 A JP29249699 A JP 29249699A JP 29249699 A JP29249699 A JP 29249699A JP 2001115260 A JP2001115260 A JP 2001115260A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学的性質の一定した薄膜を再現性よく自動
的に形成することを可能にする薄膜形成方法及び装置を
提供する。 【解決手段】 蒸着原料4を電子銃3によって蒸発させ
て、コートドーム2に保持したレンズ2aに反射防止膜
を堆積させる。光学式膜厚計10によって時々刻々測定
される透過又は反射の光量値が規準光量値データ格納手
段に格納されている規準光量値に近似又は等しくなるよ
うに、電子銃3に印加する電力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の技術分野】本発明は、プラスチックまたはガ
ラス素材等の表面上に薄膜を形成する方法及び装置にか
かり、特に、光学的性質の一定した薄膜を再現性良く形
成可能であり、眼鏡レンズに反射防止膜を形成する際等
に好ましく用いられるものに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックまたはガラス素材の表面上
に薄膜を形成する場合には、再現性良く、同一品質物を
全自動で形成することが望ましい。その試みとして、特
開平3−50501号公報には、電子銃に供給される電
流値を監視し、この電流値と、予め、設定しておいた基
準デ−タとを比較し、両者に偏差が生じた場合には、そ
の偏差に応じて、電子銃に供給する電流値を修正、制御
する方法、装置が開示されている。
【0003】また、特開昭61−147874号公報に
は、水晶振動子に薄膜を付着させてその質量変化に比例
する固有振動数の変化を検出して膜厚を算出する水晶振
動子法により蒸着膜厚を検出し、電子銃に供給する電流
値を修正、制御する方法及び装置が開示されている。さ
らに、特開平7−180055号公報には、水晶膜厚計
を用いて、成膜に要する目標時間と同一になるように、
蒸発源の電流値を補正することにより、成膜に要する時
間を管理し、蒸発レートを一定にする制御方法が開示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−50501
号公報及び特開平7−180055号公報に開示されて
いる方法は、薄膜形成装置を繰り返し使用していくごと
に、蒸着物質の蒸発する程度が変化する現象に対応しづ
らい。特に眼鏡レンズに施す反射防止膜のような薄膜の
品質に関する誤差の許容差の少ない光学物品に関して
は、再現性良く、同一品質物を全自動で形成することに
は問題がある。なぜならば、特開平3−50501号公
報及び特開平7−180055号公報に開示されている
方法の場合においては、電子銃の電流値をいかに正確に
制御しても、電子銃のフィラメントの状態、基板温度、
真空条件等が設定した場合と異なると、施される薄膜は
意図したものと大きく異なることがあるからである。
【0005】また、特開昭61−147874号公報及
び特開平7−180055号公報に開示されている水晶
発振板を用いて、電子銃に供給する電流値を修正、制御
する方法には以下の問題があった。すなわち、水晶振動
子法は、測定物理量が水晶振動板に付着する膜の質量変
化に起因する振動数の変化である。したがって、振動数
を介して計測しているのは膜の質量であって、光学膜厚
ではない。光学膜厚は、膜の幾何学的厚さと屈折率との
積によって決まるもので、質量によって一義的に定まる
ものではない。
【0006】このように、水晶振動子法は、光学膜厚と
一義的関係のない質量を計測しているものである。それ
ゆえこの質量から光学膜厚を知るためには、経験則に基
づく適当な換算係数を決めて算出する必要がある。しか
し、この換算係数は、成膜の条件その他諸々の条件に依
存するものであるので、これらの条件が異なると、それ
がそのまま換算誤差につながることになる。それゆえ、
適切な換算係数を定めるのが困難であると共に、原理的
には、上述の電子銃の電流を制御する方法と大差はな
い。
【0007】しかも、この方法は、成膜室内に水晶振動
子を配置してこれに被成膜体と同様の成膜を施し、この
ときの水晶振動子の振動数を微弱な電気信号として電気
的に計測するものであるので、電気的ノイズに極めて弱
い。しかるに、通常、成膜室内は、電気的ノイズ源で満
されているといっても過言でない程、ノイズ源がある。
したがって、これらのノイズを除去して信号を検出する
ことが現実的には必ずしも容易でないという問題もあ
る。
【0008】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたもので、成膜過程において、時々刻々変化する光
学膜厚に一義的に依存する計測量が規準計測量になるよ
うに飛翔させる成膜材料の量を制御することによって、
光学的性質の一定した薄膜を再現性よく自動的に形成す
ることを可能にした薄膜形成方法及び装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【発明を解決するための手段】上述の課題を解決する手
段として、本発明者は、成膜材料を飛翔させて被成膜体
表面に堆積させることによって成膜を行う薄膜形成方法
において、薄膜が形成された被成膜体に所定の光を照射
したときの透過又は反射光量が前記薄膜の膜厚に依存す
ることを利用して前記薄膜の膜厚を測定する光学式膜厚
計を用い、成膜過程において、前記光学式膜厚計によっ
て時々刻々測定される透過又は反射の光量値が規準光量
値に近似又は等しくなるように、飛翔させる成膜材料の
量を制御することを特徴とする薄膜形成方法を提供し
た。
【0010】また、本発明者は、成膜室内において成膜
材料を飛翔させて被成膜体表面に堆積させる成膜手段を
有する薄膜形成装置において、薄膜が形成された被成膜
体に所定の光を照射したときの透過又は反射の光量が前
記薄膜の膜厚に依存することを利用して前記薄膜の膜厚
を測定する光学式膜厚計と、前記光学式膜厚計で被成膜
体に所定の光を照射したときに測定される透過又は反射
の成膜過程における各時点での規準光量値又は各時点で
の光量値の変化量の規準値を格納する格納手段と、前記
光学式膜厚計で測定される成膜過程の各時点における透
過又は反射の光量値又は各時点での光量値の変化量と、
前記格納手段に格納されている成膜過程の各時点におけ
る透過又は反射の規準光量値又は各時点での光量値の変
化量の規準値とが近似もしくは等しくなるように、前記
成膜手段において飛翔させる成膜材料の量を制御する制
御手段とを有することを特徴とする薄膜装置を提供し
た。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態にか
かる薄膜形成装置の構成を示す図である。以下図1を参
照にしながら、一実施の形態を説明する。なお、この実
施の形態は、被成膜体たるプラスチック製の眼鏡レンズ
に薄膜たる反射防止膜を形成する場合に本発明を適用し
た例である。
【0012】図1において、成膜室たる真空チャンバー
1内には、上部にコートドーム2が設置され、下部に、
電子銃3、ルツボ4及びシャッター5等が設けられてい
る。また、コートドーム2の近傍には、コートドーム2
に保持された被成膜体であるレンズ2aの温度を計測す
るための基板温度計6が設けられ、さらに、真空チャン
バー1内の真空度を計測するための真空計7及び真空チ
ャンバー1内を排気するための排気ユニット8が設けら
れている。また、コートドーム2に保持されたレンズ2
aを加熱するためのハロゲンヒータ9が設けられてい
る。
【0013】さらに、真空チャンバー1の外部上部には
光学式膜厚計10が設けられている。該光学式膜厚計1
0は膜厚モニター11を介して制御装置12に接続され
ている。制御装置12には、規準光量値データ格納手段
13や入力手段12aが接続され、さらに、上述の電子
銃3、シャッター5、基板温度計6、真空計7、排気ユ
ニット8及びハロゲンヒータ9が電気的に接続されてお
り、制御装置12は、これらと情報交換しながら各種の
制御を行う。
【0014】すなわち、制御装置12は、真空計7の情
報に基づいて真空排気ユニット8を制御し、真空チャン
バー1内を所定の真空度にする。
【0015】また、制御装置12は、基板温度計6の情
報に基づいてハロゲンヒーター9を制御して被成膜体で
あるレンズ2aを所定の温度にする。
【0016】そして、制御装置12は、上記光学式膜厚
計10で測定される上記モニターガラス2bに形成され
た薄膜の時々刻々の光学膜厚に依存する時々刻々の光量
値が、規準光量値データ格納手段に格納されている値と
等しくなるように、電子銃3に印加する電力(電流及び
/又は電圧)を制御する。
【0017】ここで、コ−トド−ム2は、被成膜体であ
るレンズ2aに薄膜である反射防止膜等が蒸着されるよ
うに、レンズ2aを保持する保持手段である。複数のレ
ンズ2aが同時に蒸着できるよう、円形をしており、全
てのレンズが同一品質の反射防止膜になるようにコ−ト
ド−ムは曲率を有している。
【0018】電子銃3は、ルツボ4に収納された蒸着物
質(原料)4aを該蒸着物質(原料)4aの溶融温度まで加
熱することにより、蒸発させて、レンズ2a及びモニタ
−ガラス2bに蒸着物質(原料)を蒸着・堆積させて薄膜
を形成する。
【0019】ルツボ4は、蒸着物質4aを保持するため
に用いられる公知の容器である。電子銃3による蒸着物
質の加熱により、蒸着物質が突沸しないように、ルツボ
4は冷却されるか、材質として、熱伝導率が低い物質が
好ましく用いられる。
【0020】シャッタ−5は、蒸着を開始するとき開
き、または終了するときに閉じるもので、薄膜の制御を
行いやすくするものである。
【0021】ハロゲンヒ−タ−9は、レンズ2aに蒸着
される薄膜の密着性などの物性を出すため、レンズ2a
を適切な温度に加熱する加熱手段である。
【0022】光学式膜厚計10は、表面に透明薄膜を形
成した透明基体に光を照射すると、薄膜表面からの反射
光と透明基体表面からの反射光とが両者の位相差によっ
て干渉をおこす現象を利用したものである。すなわち、
上記位相差が薄膜の光学膜厚によって変化し、干渉の状
態が変化して反射光の光量が光学膜厚に依存して変化す
る。なお、反射光が変化すれば必然的に透過光も変化す
るので、透過光の光量を計測することによっても同様の
ことができるが、以下では反射光を用いた場合を説明す
る。
【0023】図2はガラス表面に蒸着を施して薄膜を形
成していく場合における反射光量の変化を示す図であ
る。図の縦軸が光量(相対値:単位;%)であり、横軸
が蒸着時間である。蒸着する膜の厚さが厚い場合には光
量は光学膜厚が増すにしたがって、周期的に増減を繰り
返す。この光学膜厚に一義的に対応する光量の変化を利
用すれば、一義的に光学膜厚の測定及び/又は制御がで
きる。この場合、各周期における極大値と極小値との差
をのび量という。一般的には、のび量l1,l2,l3
は、互いに必ずしも一致しない場合がある。
【0024】のび量l1,l2,l3 …が一致しない場合
を考慮して、実際の制御は、のび量の全領域を用いず、
その一部を利用することもできる。図3はのび量のうち
で制御に利用する領域を示した図である。図3に示した
ように、光量値の最小が20%、最大が70%であっ
て、のび量が50%である場合には、上下の5%の領域
は用いず、光量値が25%〜65%の領域部分を利用し
て制御を行うようにする。
【0025】この実施の態様においては、光学式膜厚計
10は、上記コートドーム2の中心部に保持されたモニ
ターガラス2bに光を照射し、その反射光を測定する。
モニターガラス2bに形成される薄膜は、各レンズ2a
に形成される薄膜と等しいとみることができるので、各
レンズ2aに形成の薄膜と同じ情報を得ることができ
る。
【0026】そして、制御装置12は、上記光学式膜厚
計10で測定される上記モニターガラス2bに形成され
た薄膜からの時々刻々の光量値が、規準光量値データ格
納手段に格納されている光量値と等しくなるように、電
子銃3に印加する電力(電流及び/又は電圧)を制御す
る。
【0027】以下、本実施の形態にかかる薄膜形成方法
をより具体的に説明する。まず、コートドーム2に被成
膜体たるレンズ2a及びモニターガラス2bをセット
し、ルツボ4に蒸着原料4aをセットする。ついで、真
空チャンバー1内を所定の真空度にし、ハロゲンヒータ
ー9によってレンズ2aを所定の温度にする。しかる
後、電子銃3に印加する電力の制御を開始して蒸着を開
始する。
【0028】蒸着膜の成膜が開始されるのは、シャッタ
ー5が開いてからである。よって、シャッターが開いた
時を0にとり、その後の経過時刻をt(秒)とする。一
般には、シャッター5が開くと、光学式膜厚計10の光
量が変化し始める。ただし、現実には、時として、この
光量の変化の開始が、遅れる場合がある。このような場
合には、所定時間経過後に強制的に電子銃3に所定の電
力を印加して制御を開始することができる。
【0029】最初に、電子銃パワー(電流値)等の諸条
件を最良の成膜を行うことができる条件に設定し、規準
の成膜を行う。この規準の成膜は、要するに、結果的に
所望の反射防止膜が形成される成膜である。したがっ
て、装置の種々の条件が良好の場合には電子銃への印加
電力を一定にするだけでよい場合もある。また、場合に
よっては、熟練者の経験とカンによって種々の条件を制
御しながらの成膜である場合もある。
【0030】上記規準の成膜において、成膜の過程にお
ける時刻t(秒)に対する光学式膜厚計の光量l(%)
を、サンプリング間隔Tsmp(秒)に従って、随時、記録
していき、時刻と光量が対になった光量値データを作成
する。上記の光量値データを基準光量値データとし、規
準光量値格納手段13に格納する。
【0031】次からの成膜は、コンピュータによるソフ
トウェア制御を行い、上記規準光量値格納手段13に格
納されている規準光量値データを呼び出し、実測される
光量値と比較し、両者が一致するように、電子銃3の電
流値を調整する。
【0032】電子銃の電流値の制御は次の通りに行われ
る。まず、シャッター開からの時刻ti-1(実時刻)に
おける光量をli-1(実測値=実光量)とし、このli-1
に等しい規準光量ls(=Ii-1)を基準データから検
索する(iは、制御回数i回目)。同一の値がない場合
には、近似値を算出する。そして、この光量lsに対応
する時刻ts(基準時刻)を基準データから算出する。
【0033】次に、実時刻ti-1から制御間隔Δt
(秒)後の時刻tiに対応する光量(実測値=実光量)
をliとする。また、基準データから、規準時刻ts’
(=ts +Δt)に対応する規準光量ls’を得る。このと
き、 ΔIi≡Ii−Ii-1 ΔIsi≡Is’−Is とし、ここで、 Ri≡I−ΔIi/ΔIsi あるいは、 Ri≡(Is’−Ii)/(Is’−Is) とする。図4は実光量の変化と規準光量の変化とを図で
表したものである。
【0034】このRiに対して、さらに、次のような変
換を行う。 Qi≡kRi|Ri| ここで、kは、任意の定数である。 このQiに対して、
PID制御(比例、積分、微分制御)を行い、随時、電子
銃パワー値Piを決定する。以下に、電子銃パワー値Pi
を決定するPID制御式を記す。 Pi≡Pi-1+Kp・Qi+Ki・ΣQi+Kd・de
tQi
【0035】ここで、Kp、Ki、Kdは、それぞれ、任意の
定数である。また、
【数1】 detQi≡Qi−Qi-1 である。以上の制御を制御間隔Δti(秒)毎に行う。
【0036】ただし、上記の制御間隔Δti(秒)は、
一致率(Ri)に応じて変化させる。一般には、一致率
が高い(Riが0に近い)ほど制御間隔Δtiを大きくと
る。なお、Riに対して、PID制御(比例、積分、微分制
御)を行ない、随時、電子銃パワー値Piを決定すること
が可能であるが、次の式、 Qi≡kRi|Ri| に変換して、Δlsi 及びΔliの値が近似している場
合において、適度な電子銃の電流値が設定されるように
することもできる。
【0037】上述の方法及び装置を用いて、実際に単層
膜(1/2λ(λ=500nm)層)を形成した例を以
下に掲げる。図5は蒸着原料AN2を用いて成膜した例
を示す表であり、図6は蒸着原料AN3を用いて成膜し
た例を示す表である。
【0038】ここで、蒸着原料AN2は、ZrO2から
なる蒸着物質であり、蒸着原料AN3は、Ta25,Z
rO2,Y23,Al23の混合物からなる蒸着物質で
ある。
【0039】また、他の条件は以下の通りである。 レンズ基板:チオウレタンプラスチックレンズ レンズ加熱温度:約70℃ 真空条件:3.6〜5.0×10-3Pa 光学式膜厚計:OPM−V1(シンクロン製) 蒸着装置:BMC-1050HP(シンクロン製)
【0040】図5及び図6に示された結果から、AN2
の場合は、電子銃の初期パワー(蒸着開始パワー)が、
それぞれ異なっているにも関わらず、蒸着時間の差は、
多くて10秒程度である。最終パワーを比較しても、ほぼ
147mAと一定値を示している。伸び量も、ほぼ一様であ
ることが分かる。
【0041】また、 AN3の場合も、 AN2と同様、
電子銃の初期パワー(蒸着開始パワー)が、それぞれ異
なっているにも関わらず、蒸着時間の差は、10秒未満で
ある。蒸着時間が長いせいか、AN2よりも精度がよ
い。最終パワーも実によく一致している。測定伸び量と
基準伸び量とは、ほぼ一様であり、同一特性の薄膜であ
るということができる。
【0042】すなわち、上記結果は、本発明が、光学式
膜厚計より計測される光量に着目して電子銃の電流値を
制御しているので、仮に、他の条件(基板温度、真空度
等)が設定値と異なっても、反射防止特性においてばら
つきの少ない反射防止膜を人手を介さずに施すことを可
能にするものであることを示すものである。すなわち、
光学式膜厚計によって計測される光量は、薄膜の光学膜
厚に一義的に依存する量である。したがって、この光量
値が規準の光量値に等しくなるように制御することによ
って、仮に装置の条件その他の因子が変動した場合で
も、結果的に、成膜の各時点での光学膜厚が同一という
条件を充たしながら成膜された薄膜が得られ、最終的に
ほぼ同一の光学性能を有する薄膜を確実に得ることがで
きる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、成膜材
料を飛翔させて被成膜体表面に堆積させることによって
成膜を行う薄膜形成方法において、薄膜が形成された被
成膜体に所定の光を照射したときの透過又は反射光量が
前記薄膜の膜厚に依存することを利用して前記薄膜の膜
厚を測定する光学式膜厚計を用い、成膜過程において、
前記光学式膜厚計によって時々刻々測定される透過又は
反射の光量値が規準光量値に近似又は等しくなるよう
に、飛翔させる成膜材料の量を制御することを特徴とす
るもので、これにより、光学的性質の一定した薄膜を再
現性よく自動的に形成することを可能にした薄膜形成方
法及び装置を得ているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の態様にかかる薄膜形成装置の
構成を示す図である。
【図2】ガラス表面に蒸着を施して薄膜を形成していく
場合における反射光量の変化を示す図である。
【図3】のび量のうちで制御に利用する領域を示した図
である。
【図4】実光量の変化と規準光量の変化とを図で表した
ものである。
【図5】蒸着原料AN2を用いて成膜した例を示す表で
ある。
【図6】蒸着原料AN3を用いて成膜した例を示す表で
ある。
【符号の説明】
1 真空チャンバー 2 コートドーム 3 電子銃 4 ルツボ 5 シャッター 6 基板温度計 7 真空計 8 排気ユニット 9 ハロゲンヒーター 10 光学式膜厚計 11 膜厚モニター 12 制御手段 13 規準光量値データ格納手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2K009 AA02 BB02 BB11 DD00 DD03 DD09 4K029 AA09 AA11 BC08 BD00 DB21 EA00 EA01 EA02 EA09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜材料を飛翔させて被成膜体表面に堆
    積させることによって成膜を行う薄膜形成方法におい
    て、 薄膜が形成された被成膜体に所定の光を照射したときの
    透過又は反射光量が前記薄膜の膜厚に依存することを利
    用して前記薄膜の膜厚を測定する光学式膜厚計を用い、 成膜過程において、前記光学式膜厚計によって時々刻々
    測定される透過又は反射光量値が規準光量値に近似又は
    等しくなるように、飛翔させる成膜材料の量を制御する
    ことを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 成膜材料を飛翔させて被成膜体表面に堆
    積させることによって成膜を行う薄膜形成方法におい
    て、 薄膜が形成された被成膜体に所定の光を照射したときの
    透過又は反射光量が前記薄膜の膜厚に依存することを利
    用して前記薄膜の膜厚を測定する光学式膜厚計を用い、 成膜過程において、前記光学式膜厚計によって時々刻々
    測定される透過又は反射の光量値の各時点における変化
    量が規準値に近似又は等しくなるように、飛翔させる成
    膜材料の量を制御することを特徴とする薄膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記成膜材料を飛翔させる方法として、
    成膜材料を電子銃で加熱して飛翔させる方法を用いるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜形成方法。
  4. 【請求項4】 前記成膜過程における各時点での規準光
    量値は、規準の成膜を行った際における前記光学式膜厚
    計によって時々刻々測定される透過又は反射の各時点で
    の光量値であることを特徴とする請求項1又は3記載の
    薄膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記成膜過程における各時点での光量値
    の変化量の規準値は、規準の成膜を行った際における前
    記光学式膜厚計によって時々刻々測定される透過又は反
    射の光量値の各時点における変化量であることを特徴と
    する請求項2又は3記載の薄膜形成方法。
  6. 【請求項6】 成膜室内において成膜材料を飛翔させて
    被成膜体表面に堆積させる成膜手段を有する薄膜形成装
    置において、 薄膜が形成された被成膜体に所定の光を照射したときの
    透過又は反射光量が前記薄膜の膜厚に依存することを利
    用して前記薄膜の膜厚を測定する光学式膜厚計と、 前記光学式膜厚計で被成膜体に所定の光を照射したとき
    に測定される透過又は反射の成膜過程における各時点で
    の規準光量値又は各時点での光量値の変化量の規準値を
    格納する格納手段と、 前記光学式膜厚計で測定される成膜過程の各時点におけ
    る透過又は反射光量値又は各時点での光量値の変化量
    と、前記格納手段に格納されている成膜過程の各時点に
    おける透過又は反射の規準光量値又は各時点での光量値
    の変化量の規準値とが近似もしくは等しくなるように、
    前記成膜手段において飛翔させる成膜材料の量を制御す
    る制御手段とを有することを特徴とする薄膜装置。
  7. 【請求項7】 前記成膜手段は、成膜材料を加熱して飛
    翔させる電子銃を有することを特徴とする請求項6記載
    の薄膜形成装置。
  8. 【請求項8】 前記格納手段は、規準成膜時の際の時間
    (ts1,ts2,ts3・・・…,tsm)ごとの前記規
    準反射光量値デ−タ(ls1,ls2,ls 3, ・・・
    …,lsm,)を格納するするものであり、 前記測定手段は、成膜過程における各時点の薄膜の反射
    光量値(l1, l2,l3・・・…,ln)を単位時間
    (t1,t2,t3, ・・・…,tn)ごとに測定するも
    のであり、 前記制御手段は、 前記測定手段により得られた任意の時間後(△t=ti
    −ti-1)における光量変化量(△l=li−li-1)を
    算出する測定光量変化量算出手段と、 任意の時間(ti-1)において前記測定手段で得られた
    光量値(li-1)と同一または近似した光量値(ls)
    及びその時間(ts)を規準光量値デ−タ格納手段の中
    から検索または算出する処理手段と、 前記任意の時間後(△t=ti−ti-1)における規準光
    量値(ls’)を求め、前記光量値(ls)と規準光量
    値(ls’)との変化量(△lsi=ls’−ls)と
    を求める規準光量変化量算出手段と、 前記測定光量変化量算出手段で求めた測定光量変化量
    (△li=li−li-1)と前記規準光量変化量算出手段
    で求めた規準光量変化量(△lsi=ls’−ls)と
    を用いて前記電子銃に印加する電力を制御するフィード
    バック制御手段とを有するものであることを特徴とする
    請求項6又は7記載の薄膜形成装置。
  9. 【請求項9】 前記フィードバック制御手段は、Ri≡
    1−(△li /△lsi)と変換後,Qi≡kRi|R
    i|(kは、任意の定数である)と変換して、このQi
    が最小になるようにPID(比例、積分、微分)制御に
    より印加電力を制御するものであることを特徴とする請
    求項8記載の薄膜形成装置。
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