JPH10251844A - 薄膜付き基材の製造方法および製造装置ならびに薄膜付き基材 - Google Patents

薄膜付き基材の製造方法および製造装置ならびに薄膜付き基材

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JPH10251844A
JPH10251844A JP7884797A JP7884797A JPH10251844A JP H10251844 A JPH10251844 A JP H10251844A JP 7884797 A JP7884797 A JP 7884797A JP 7884797 A JP7884797 A JP 7884797A JP H10251844 A JPH10251844 A JP H10251844A
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Jun Torikai
潤 鳥飼
Tsutomu Aoyanagi
力 青柳
Kiyoto Mochizuki
清人 望月
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成膜レート測定装置のセンサの寿命に制限さ
れることなく、安定かつ高精度に薄膜付き基材を製造す
る。 【解決手段】 真空槽内に配置された蒸発源から基材に
向けて成膜用粒子を飛翔させ、粒子の飛翔経路に成膜レ
ート測定装置のセンサ部を間欠的に暴露し、該暴露中の
前記成膜レート測定装置による測定値が所望の値となる
ように前記蒸発源からの粒子飛翔量を制御することを特
徴とする、薄膜付き基材の製造方法、およびそれによっ
て製造された薄膜付き基材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成膜レート測定装
置を用いて薄膜付き基材を製造する方法、製造装置なら
びに薄膜付き基材に関し、さらに詳しくは、長尺のロー
ル状に巻かれた基材の上に連続して長時間安定に薄膜を
形成することが可能な、薄膜付き基材の製造方法および
製造装置ならびにその方法により製造された薄膜付き基
材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、真空蒸着装置を用いて薄膜付
き基材を製造するに際し、たとえば水晶振動子式成膜レ
ート測定装置を用いて成膜レートを測定し、この成膜レ
ートを所望の値に制御することによって均一な膜厚分布
の薄膜付き基材を製造していた。ここで水晶振動子式成
膜レート測定装置とは、水晶振動子の固有振動数Fが水
晶振動子の上に堆積した物質の質量によって変化するこ
とを利用したものであり、一定時間毎の水晶振動子の固
有振動数Fの変化ΔFを求めることにより、単位時間当
たりの成膜レートを測定するものである。
【0003】しかし、従来の測定方法では、水晶振動子
の上に成膜用粒子が堆積していくにつれ、共振のシャー
プさが失われて測定精度が低下したり、水晶振動子表面
に堆積した成膜用粒子の不均一さによってノイズが発生
したりし、長時間の使用には耐えられなかった。そこ
で、回転式ホルダーに複数のセンサを設置し、センサの
寿命がくると新しいセンサに交換して生産を継続すると
いう方式が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基材と
してロール状に巻かれた高分子フィルム等を用いて連続
に生産しようとすると、上記のような回転式センサを用
いても、千m程度の生産しかできず、特に基材フィルム
を往復動させて基材上に多層膜を形成する場合には、高
々3〜4百mの生産にしか耐えられなかった。
【0005】本発明の課題は、上記欠点を解決し、基材
としてロール状に巻かれた高分子フィルム等を用いて薄
膜付き基材を連続的に生産する場合においても、成膜レ
ート測定装置のセンサの寿命に実質的に制限されること
なく、安定かつ高精度に薄膜付き基材を製造することの
できる方法、および製造装置、ならびにそれらの方法や
装置によって製造された薄膜付き基材を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の薄膜付き基材の製造方法は、真空槽内に配
置された蒸発源から基材に向けて成膜用粒子を飛翔さ
せ、粒子の飛翔経路に成膜レート測定装置のセンサ部を
間欠的に暴露し、該暴露中の前記成膜レート測定装置に
よる測定値が所望の値となるように前記蒸発源からの粒
子飛翔量を制御することを特徴とする方法からなる。
【0007】この製造方法においては、前記基材として
ロール状に巻かれた長尺物を用い、該基材を巻き戻しな
がら前記粒子の飛翔経路に暴すことができる。
【0008】また、前記粒子飛翔量の制御に、前記暴露
中の測定値のうち、暴露開始後一定時間経過した後の一
定時間内の測定値の平均値を用いるようにすることもで
きる。前記平均値を求めるに際し、上限値と下限値を設
け、測定値が上限値よりも大きい場合にはその測定値を
上限値に置き換え、上限値と下限値の間にある場合には
測定値をそのまま使用し、下限値よりも小さい場合には
その測定値を下限値に置き換えて平均値を求めるように
することが好ましい。また、前記センサ部の暴露時間と
非暴露時間の割合を、1:1から1:10の範囲内にす
ることが好ましい。
【0009】本発明に係る薄膜付き基材は、このような
方法により製造されたものである。
【0010】また、本発明に係る薄膜付き基材の製造装
置は、真空槽と、該真空槽内に配置された蒸発源と、基
材を前記蒸発源に対向配置する基材の支持手段と、前記
蒸発源からの成膜用粒子の飛翔量を測定する成膜レート
測定装置と、該成膜レート測定装置のセンサ部を間欠的
に粒子の飛翔経路に暴露する手段と、該暴露中の前記成
膜レート測定装置による測定値が所望の値となるように
前記蒸発源からの粒子飛翔量を制御する手段とを備えて
なることを特徴とするものからなる。
【0011】この成膜レート測定装置が水晶振動子式成
膜レート測定装置であることが好ましい。
【0012】また、前記基材がロール状に巻かれた長尺
物からなり、該基材を巻き戻す手段と、該基材を巻き取
る手段とを有する構成とすることができる。
【0013】また、前記成膜レート測定装置が測定値の
平均値を求める手段を有する構成、さらに、前記成膜レ
ート測定装置が、前記センサ部による測定値を出力する
センサ測定値出力手段と、上限値と下限値とが設けら
れ、前記センサ測定値出力手段からの入力値が上限値よ
りも大きい場合には上限値を出力信号とし、上限値と下
限値の間にある場合には入力値をそのまま出力信号と
し、下限値よりも小さい場合には下限値を出力信号とす
る上下限制限手段と、該上下限制限手段の出力信号を入
力信号とする前記平均値を求める手段とを有する構成と
することができる。また、前記センサ部の暴露時間と非
暴露時間の割合を、少なくとも1:1から1:10の範
囲内で調整できる手段を備えていることが好ましい。
【0014】本発明において薄膜とは、たとえばAl、
Al2 3 、Zn、ZnO、Sn、SnO2 、Si、S
iO2 、Ti、TiO2 、MgF2 、ZrO2 、In、
ITO(インジウム錫酸化物)等の母材を単独または複
合して蒸発または飛散させることによって基材上に1〜
1000nmの厚さに堆積させた膜をいう。
【0015】また、本発明で言う基材とは、基本的にロ
ール状に巻かれた高分子フィルム等の、薄膜が形成され
るべき面を有する部材をいうが、平板状のガラス板やプ
ラスチック板、レンズ等の曲面を有する部材等の枚様部
材が連続してまたは断続的に搬送される形態のものであ
ってもよい。
【0016】ここで、高分子フィルムとは、有機高分子
を溶融押し出しして、必要に応じ長手方向および/また
は幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであ
り、有機高分子としてはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6ナフタレート、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン6
6、ナイロン12、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリアミド、ポ
リスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェ
ニレンオキサイド等を用いることができる。また、これ
らの(有機重合体)有機高分子は他の有機重合体を少量
重合したり、ブレンドしたりしてもよい。
【0017】さらに、この有機高分子には公知の添加
剤、例えば紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、
着色剤等が添加されていてもよい。
【0018】本発明の高分子フィルムは本発明の目的を
損なわない限りにおいて、薄膜層を積層するに先行して
該フィルムをコロナ放電処理、グロー放電処理、その他
の表面粗面化処理を施してもよく、また公知のアンカー
コート処理、印刷、装飾が施されていてもよい。
【0019】本発明における基材としての高分子フィル
ムは、その厚さとして5〜500μmの範囲が好まし
く、さらに好ましくは8〜300μmの範囲である。
【0020】また、基材上に薄膜を堆積させる方法とし
ては、電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、高周波誘導加熱
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CV
D法等が用いられる。
【0021】さらに、蒸発源は一つに限定するものでは
なく、フィルムの幅方向に複数設置してもよい。このと
きには成膜レート測定装置を蒸発源に対応させて複数設
置することは言うまでもない。
【0022】また、反応性ガスとして酸素、窒素、水蒸
気等を導入したり、オゾン、イオンアシスト等を用いる
反応性蒸着を適用することもできる。
【0023】成膜レート測定装置、とくに水晶振動子式
成膜レート測定装置のセンサ部を間欠的に蒸発粒子の飛
翔経路に暴露する手段としては、該センサの前部に回転
式や、往復動式の機械的シャッタ機構を設ければよい。
【0024】また、該センサ部を間欠的に蒸発粒子に暴
露する暴露時間と非暴露時間の割合は、所望する延命率
(連続して使用した場合に比して、センサの見かけ寿命
を延ばせる割合)に応じて定めればよいが、大きな延命
率で使用する場合には、蒸発部へ加えるパワーが一定で
無制御状態の定値駆動期間が長くなり、プロセスの変動
により成膜される膜厚が許容値を越えることがあるの
で、必要最低限の延命率で使用するのが好ましい。
【0025】また、水晶振動子式成膜レート測定装置
は、水晶振動子の固有振動数Fが水晶振動子の上に堆積
した物質の質量によって変化することを利用したもので
あるが、水晶振動子の固有振動数Fは水晶振動子の温度
によっても変化する。そのため、センサ部を間欠的に蒸
発粒子に暴露すると、水晶振動子の上に堆積した物質の
質量による固有振動数Fの変化と、飛翔してきた成膜用
粒子が発した熱に起因する水晶振動子の昇温による固有
振動数Fの変化が同時に発生し、暴露直後の値は正しい
成膜レートを示してはいない。この水晶振動子の昇温は
暴露後10〜20秒で安定するので、暴露後一定時間経
過した後、たとえば15秒以降、さらに好ましくは30
秒以降の測定値を使用するのがよい。
【0026】また、水晶振動子式成膜レートセンサの出
力には、種々の原因によりノイズが重畳していることが
多い。そのため、たとえ暴露後所定のウオームアップ時
間を経過したとしても、一回の測定値で蒸発部へ加える
パワーを制御すると、ノイズの値に応答して不必要に大
きく投入パワーを変更し、成膜系そのものが不安定にな
りやすい。そこで、蒸発部へ加えるパワーを制御するた
めに使用する測定値としては、暴露後所定のウオームア
ップ時間を経過した後の一定時間内の測定値の平均値を
用いる方がよい。
【0027】この平均値を求めるための時間としては、
成膜系の安定性にもよるが、10秒以上が好ましい。さ
らに、前述したように水晶振動子式成膜レートセンサの
出力には種々の原因によりノイズが重畳していることが
多いので、平均値を求めるに当たって、上限値と下限値
を設け、測定値が上限値よりも大きい場合には上限値に
置き換え、上限値と下限値の間にある場合には測定値を
そのまま使用し、下限値よりも小さい場合には下限値に
置き換えて平均値を求めるのが好ましい。
【0028】また、生産開始直後等の成膜系そのものが
定常状態になく、成膜レートの変化が大きい場合には、
公知のPID制御等により連続制御を行い、成膜系が定
常状態に達したら本発明による間欠制御に切り替えるこ
とが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、本発明による薄膜付き基材
の製造装置の望ましい実施の形態を、図面を参照して説
明する。図1は、本発明の一実施態様に係る薄膜付き基
材の製造装置を示している。蒸着室1は真空槽2によっ
て大気と遮断され、図示しない真空ポンプによって1×
10-3〜1Paの真空度に保たれている。
【0030】蒸着室1内には、成膜用材料を蒸発させる
ことにより成膜用粒子を上方に飛翔させる蒸発源3、電
子銃4、水晶振動子式成膜レート測定装置5の水晶セン
サ部6、基材としてのロール状に巻かれたフィルム7の
送り出し手段8、処理後のフィルム7の巻取手段9が設
けられている。水晶センサ6の前面側、つまり蒸発源3
からの粒子の飛翔経路10に臨むセンサ面側には、回転
式シャッタ11が設けられている。
【0031】蒸着室1の外には、成膜レート測定装置5
の信号処理部12および蒸着システム全体の制御装置、
とくに電子銃4の出力を制御して蒸発源3からの粒子飛
翔量を制御する制御装置13が設けられている。水晶セ
ンサ6の測定出力(測定値信号)が信号処理部12に入
力され、信号処理部12の出力が前記制御装置13に入
力されている。この制御装置13より電子銃4への制御
信号が出力されている。また、制御装置13から、上記
シャッタ11の駆動装置14にシャッタ11の開閉作
動、作動時間等を制御する信号が出力されている。
【0032】信号処理部12は、本実施態様では、水晶
センサ6からの測定値を出力するセンサ測定値出力手段
15と、該センサ測定値出力手段15からの出力信号が
入力され、上限値と下限値とが設けられ、前記センサ測
定値出力手段15からの入力値が上限値よりも大きい場
合には上限値を出力信号とし、上限値と下限値の間にあ
る場合には入力値をそのまま出力信号とし、下限値より
も小さい場合には下限値を出力信号とする上下限制限手
段16と、該上下限制限手段16の出力信号を入力信号
とし、センサ6による測定値の平均値を算出する平均値
算出手段17とが設けられている。この平均値算出手段
17からの出力信号が制御装置13に送られる。
【0033】ここで水晶振動子式成膜レートセンサ6
は、水晶振動子の固有振動数Fが水晶振動子の上に堆積
した物質の質量によって変化することを利用したもので
あり、一定時間毎の水晶振動子の固有振動数Fの変化Δ
Fを求めることにより、単位時間当たりの成膜レートを
測定するものである。原理的には高精度な測定が可能で
あるが、実際には種々の原因により大きな振幅の高周波
ノイズが重畳した測定信号となっている。
【0034】さて、薄膜を形成する基材であるフィルム
7は、連続的にフィルムの送り出し手段8より一定速度
で送り出され、フィルムの巻取手段9によって巻き取ら
れる。このとき、電子銃4より放射された電子ビームに
よって蒸発源3の表面から薄膜を構成すべき金属分子、
金属酸化物分子等が放出され、その粒子が飛翔経路10
を飛翔して、移動中のフィルム7の表面に堆積する。
【0035】フィルム7の薄膜が形成される部分はある
大きさの開口部となるので、形成された薄膜の厚みは蒸
発源3から放出される分子の単位時間当たりの割合と、
フィルム7の移動速度との関数となる。フィルム7の上
に形成される薄膜の厚み分布を長手方向に均一にするた
めには、蒸発源3から放出される分子の単位時間当たり
の割合を測定して所望の値に制御する必要がある。
【0036】さて蒸着開始とともに、駆動手段14によ
り回転式シャッタ11が一定時間毎に回転して水晶セン
サ6のセンサ部を間欠的に蒸発粒子に暴露する。すると
水晶振動子式成膜レート測定装置5は直ちに出力を出し
始めるが、冷えたセンサ部の上に熱い成膜粒子が堆積す
るので、堆積粒子の質量による周波数変化以外に水晶振
動子の温度変化による周波数変化が発生し正しい成膜レ
ートを示していない。そこで、シャッタ開後、水晶振動
子の温度変化が一定の範囲に収まるまでの測定値は使用
しない。
【0037】このウオームアップ時間が終了したら測定
を行うが、水晶振動子成膜レート測定装置5の出力には
ノイズが重畳していることが多いので、一定時間の平均
値を取って測定値としたほうがよい。
【0038】また、ノイズを含んだ信号をそのまま平均
値を求めると、ノイズによって平均値がバイアスを受け
ることがある。そこで上限値と下限値を設け、測定値が
上限値よりも大きい場合には上限値に置き換え、上限値
と下限値の間にある場合には測定値をそのまま使用し、
下限値よりも小さい場合には下限値に置き換えて平均値
を求めると、ノイズの影響が低減して正しい平均値を求
めることができる。これら一連の信号処理が、センサ測
定値出力手段15、上下限制限手段16、平均値算出手
段17によって行われる。
【0039】このようにして求めた平均値と目標値との
偏差を求め、該偏差にプロセスゲインを掛けた値を電子
銃制御信号に加えると所望の値を中心としたごくわずか
の範囲のばらつきでプロセスを制御することができる。
【0040】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1 幅500mm、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを、真空中で2m/分の速度で巻き返しな
がら、SiO2 を1nm/秒の成膜レートで連続して蒸
着した。水晶振動子成膜レート測定装置は回転式ホルダ
ーに6個のセンサを設置し、センサの寿命がくると新し
いセンサに交換して生産を継続した。回転式シャッタ1
1は、1分30秒間閉じた後に、45秒間開くという間
欠動作を行わせた(延命率:3)。
【0041】また、回転式シャッタ11が開いている最
初の30秒間のセンサ出力は使用せず、残りの15秒間
のデータを収集した後平均値を求め、上限値を平均値の
5%増、下限値を平均値の5%減の値とし前記収集デー
タにこれらの上下限値を用いて上下限制限を行った後、
再度平均値を求めて測定出力とした。該測定出力と目標
成膜レートの偏差に別に求めたプロセスゲインを乗じ、
現在の電子銃制御出力に足し合わせた。
【0042】この結果、平均して水晶振動子センサ1枚
当たりSiO2 が6,100nmの厚さに付着するまで
使用できた。これにより水晶振動子センサ1枚当たりの
使用時間は6,100秒であるが、延命率3の間欠測定
を行っているので、水晶振動子式センサ1枚当たりの蒸
着時間は3倍の18,300秒=305分であった。ま
た、6個のセンサを切り替えて使用したので最終的な蒸
着時間は6倍の1,830分であり、これにより連続
3,660mの蒸着が行え、膜厚のばらつきも目標値±
3%以内であった。
【0043】比較例1 実施例1と同じ条件で、回転式シャッタ11を用いずに
水晶振動子式成膜レート測定装置で連続測定を行い、測
定結果を用いてPID制御を行いながら生産を行った。
実施例1と同じように、水晶振動子式成膜レート測定装
置には回転式ホルダーに6個のセンサを設置し、センサ
の寿命がくると新しいセンサに交換して生産を継続し
た。
【0044】この結果、平均して水晶振動子センサ1枚
当たりSiO2 が6,050nmの厚さに付着するまで
使用できた。これにより水晶振動子式センサ1枚当たり
の使用時間は6,050秒であり、6個のセンサを切り
替えて使用したので最終的な蒸着時間は6倍の36,3
00秒=605分であった。この結果連続1,210m
の生産しかできなかった。また、新しいセンサに交換す
る前でセンサの寿命に近い部分では測定信号にスパイク
状の大きなノイズが重畳し、PID制御がこのスパイク
ノイズを制御しようとして過応答状態となり、膜厚のば
らつきも目標値±5%を越える部分が発生し、製品とし
てはその部分を除去する必要があり収率低下となった。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば以下
に述べるような効果を得ることができる。簡便な間欠測
定構成により、基材としてロール状に巻かれた高分子フ
ィルムを用いて連続的に生産する場合において、水晶振
動子式成膜レート測定装置の寿命に制限されることな
く、安定かつ高精度に薄膜付き基材を製造することがで
きる。
【0046】さらに、水晶振動子式成膜レートセンサは
水晶振動子の上に蒸発物が堆積することによる固有振動
数の変化を測定するものであるが、堆積物が増えるに従
って重畳するノイズが増大して使用できなくなるという
問題があったが、本発明によるデータ処理を用いれば少
々のノイズが重畳していても安定に生産できるために、
水晶振動子成膜レートセンサの長寿命化の効果もあり、
収率向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜付き基材の製造装置の一実施
態様を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 蒸着室 2 真空槽 3 蒸発源 4 電子銃 5 水晶振動子式成膜レート測定装置 6 水晶センサ 7 基材としてのフィルム 8 フィルムの送り出し手段 9 フィルムの巻取手段 10 粒子の飛翔経路 11 回転式シャッタ 12 信号処理部 13 制御装置 14 駆動手段 15 センサ測定値出力手段 16 上下限制限手段 17 平均値算出手段

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽内に配置された蒸発源から基材に
    向けて成膜用粒子を飛翔させ、粒子の飛翔経路に成膜レ
    ート測定装置のセンサ部を間欠的に暴露し、該暴露中の
    前記成膜レート測定装置による測定値が所望の値となる
    ように前記蒸発源からの粒子飛翔量を制御することを特
    徴とする、薄膜付き基材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基材としてロール状に巻かれた長尺
    物を用い、該基材を巻き戻しながら前記粒子の飛翔経路
    に暴す、請求項1に記載の薄膜付き基材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記粒子飛翔量の制御に、前記暴露中の
    測定値のうち、暴露開始後一定時間経過した後の一定時
    間内の測定値の平均値を用いる、請求項1または2に記
    載の薄膜付き基材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記平均値を求めるに際し、上限値と下
    限値を設け、測定値が上限値よりも大きい場合にはその
    測定値を上限値に置き換え、上限値と下限値の間にある
    場合には測定値をそのまま使用し、下限値よりも小さい
    場合にはその測定値を下限値に置き換えて平均値を求め
    る、請求項3に記載の薄膜付き基材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記センサ部の暴露時間と非暴露時間の
    割合を、1:1から1:10の範囲内にする、請求項1
    ないし4のいずれかに記載の薄膜付き基材の製造方法。
  6. 【請求項6】 真空槽と、該真空槽内に配置された蒸発
    源と、基材を前記蒸発源に対向配置する基材の支持手段
    と、前記蒸発源からの成膜用粒子の飛翔量を測定する成
    膜レート測定装置と、該成膜レート測定装置のセンサ部
    を間欠的に粒子の飛翔経路に暴露する手段と、該暴露中
    の前記成膜レート測定装置による測定値が所望の値とな
    るように前記蒸発源からの粒子飛翔量を制御する手段と
    を備えてなることを特徴とする、薄膜付き基材の製造装
    置。
  7. 【請求項7】 前記成膜レート測定装置が水晶振動子式
    成膜レート測定装置である、請求項6に記載の薄膜付き
    基材の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記基材がロール状に巻かれた長尺物か
    らなり、該基材を巻き戻す手段と、該基材を巻き取る手
    段とを有する、請求項6または7に記載の薄膜付き基材
    の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記成膜レート測定装置が測定値の平均
    値を求める手段を有する、請求項6ないし8のいずれか
    に記載の薄膜付き基材の製造装置。
  10. 【請求項10】 前記成膜レート測定装置が、前記セン
    サ部による測定値を出力するセンサ測定値出力手段と、
    上限値と下限値とが設けられ、前記センサ測定値出力手
    段からの入力値が上限値よりも大きい場合には上限値を
    出力信号とし、上限値と下限値の間にある場合には入力
    値をそのまま出力信号とし、下限値よりも小さい場合に
    は下限値を出力信号とする上下限制限手段と、該上下限
    制限手段の出力信号を入力信号とする前記平均値を求め
    る手段とを有する、請求項9に記載の薄膜付き基材の製
    造装置。
  11. 【請求項11】 前記センサ部の暴露時間と非暴露時間
    の割合を、少なくとも1:1から1:10の範囲内で調
    整できる手段を備えている、請求項6ないし10のいず
    れかに記載の薄膜付き基材の製造装置。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    製造方法により製造された薄膜付き基材。
JP7884797A 1997-03-12 1997-03-12 薄膜付き基材の製造方法および製造装置ならびに薄膜付き基材 Pending JPH10251844A (ja)

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