JP2002180247A - 透明導電積層体の製造方法および製造装置 - Google Patents

透明導電積層体の製造方法および製造装置

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JP2002180247A
JP2002180247A JP2000377678A JP2000377678A JP2002180247A JP 2002180247 A JP2002180247 A JP 2002180247A JP 2000377678 A JP2000377678 A JP 2000377678A JP 2000377678 A JP2000377678 A JP 2000377678A JP 2002180247 A JP2002180247 A JP 2002180247A
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plasma emission
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JP2000377678A
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English (en)
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Kazuaki Sasa
和明 佐々
Kazunori Kawamura
和典 河村
Kazuyoshi Uemori
一好 上森
Keiko Toyosawa
圭子 豊澤
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属ターゲットを使用した反応性スパッタ成
膜により、透明な高分子基板上に透明導電膜を有する透
明導電積層体を製造するにあたり、透明導電膜の長時間
にわたる膜質安定化をはかる。 【解決手段】 透明な高分子基板4を移送しながらこの
基板4に対向配設した1個または複数個のスパッタカソ
ード6を放電して、各カソード6に装着した金属ターゲ
ット5を上記基板4上に反応性スパッタ成膜して透明導
電膜を形成する透明導電積層体の製造方法において、各
カソード6のプラズマ発光強度を測定し、これが設定値
と等しくなるように各カソード6の反応性ガス流量を制
御し、さらに各カソード6の放電電圧を測定し、これに
基づいて各カソード6のプラズマ発光強度の設定値を修
正することを特徴とする透明導電積層体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明な高分子基板
上に透明導電膜を有する透明導電積層体の製造方法およ
び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】透明な高分子基板上にSnを添加したI
2 3 や、ZnO、SnO2 などの導電材料からなる
透明導電膜を形成した透明導電積層体は、液晶ディスプ
レイ、タッチパネルにおける透明電極などの分野に、広
く用いられている。
【0003】この透明導電積層体は、真空蒸着法、イオ
ンプレーティング法、スパッタ法などにより製造される
が、制御性や再現性が良好であるという観点より、通常
は、スパッタ法を用いて製造されている。このスパッタ
法には、従来より、膜組成と同一の金属酸化物ターゲッ
トを用いる方法と、In−Sn合金、Sn、Znなどの
金属ターゲットを用いてこれを酸素ガスなどの反応性ガ
スと不活性ガスとのガス雰囲気中で反応性スパッタする
方法とが知られている。
【0004】金属酸化物ターゲットを用いる方法は、膜
質制御が比較的容易であるため、広く利用されている
が、成膜速度が遅く、生産性の面で不利であった。特開
平9−195035号公報には、スパッタカソードを増
やして成膜速度を上げる試みがなされているが、カソー
ド数を増やすと、製造装置の大型化、消費電力量の増大
化などをきたし、製品のコストアップにつながり、また
本質的に金属ターゲットによる反応性スパッタに匹敵す
る成膜速度は得られない。
【0005】金属ターゲットによる反応性スパッタは、
成膜速度が速く、生産性の面で有利であるが、高分子基
板上に形成される透明導電膜の膜質制御が難しいという
問題があった。とくに、金属ターゲットを装着したスパ
ッタカソードを増やして、生産性のさらなる向上をはか
ろうとすると、膜質制御が著しく難しくなり、また長時
間にわたり連続成膜すると、金属ターゲットのエロージ
ョン形成状態、表面の反応状態などが変化するため、均
一な膜質を安定して得にくかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に照らし、金属酸化物ターゲットよりも生産性にす
ぐれる金属ターゲットを用いた反応性スパッタ成膜によ
って、透明な高分子基板上に透明導電膜を有する透明導
電積層体を製造するにあたり、上記透明導電膜の膜質安
定化をはかることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、透明な高分子基
板を移送しながらこの基板に対向配設した1個または複
数個のスパッタカソードを放電して、各カソードに装着
した金属ターゲットを上記基板上に連続的に反応性スパ
ッタ成膜するにあたり、各カソードのプラズマ発光強度
を測定して、これと設定値とが等しくなるように各カソ
ードの反応性ガス流量を制御し、さらに各カソードの放
電電圧を測定し、これに基づいて各カソードのプラズマ
発光強度の設定値を修正する方式によると、上記基板上
に膜質の安定した透明導電膜を連続的に高速で成膜する
ことができ、これにより透明導電積層体を生産性および
膜質安定性良好に製造できることを知り、本発明を完成
した。
【0008】すなわち、本発明は、透明な高分子基板を
移送しながらこの基板に対向配設した1個または複数個
のスパッタカソードを放電して、各カソードに装着した
金属ターゲットを上記基板上に反応性スパッタ成膜して
透明導電膜を形成する透明導電積層体の製造方法におい
て、各カソードのプラズマ発光強度を測定し、これが設
定値と等しくなるように各カソードの反応性ガス流量を
制御し、さらに各カソードの放電電圧を測定し、これに
基づいて各カソードのプラズマ発光強度の設定値を修正
することを特徴とする透明導電積層体の製造方法に係る
ものである。
【0009】また、本発明は、上記の製造方法にしたが
った製造装置として、真空排気手段を付設した真空槽内
に、透明な高分子基板の移送手段、1個または複数個の
スパッタカソードおよび各カソードごとのガス導入手段
を有し、上記基板を移送しながらこの基板に対向配設し
た各カソードを放電して、各カソードに装着した金属タ
ーゲットを上記基板上に反応性スパッタ成膜して透明導
電膜を形成する透明導電積層体の製造装置において、各
カソードのプラズマ発光強度を測定するモニタと、これ
による測定値が設定値と等しくなるように各カソードの
反応性ガス流量を制御する流量制御手段と、さらに各カ
ソードの放電電圧の測定に基づいて各カソードのプラズ
マ発光強度の設定値を修正する手段とを設けたことを特
徴とする透明導電積層体の製造装置に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参考にして説明する。図1は、本発明の製造
装置の一例を示す概略断面図である。図において、真空
排気手段1を付設した真空槽2の内部に、巻き出しロー
ル31、巻き取りロール32および成膜ロール33など
からなる透明な高分子基板4の移送手段3が設けられて
いる。また、金属ターゲット5(5a,5b,5c)を
装着したスパッタカソード6(6a,6b,6c)が、
成膜ロール33上に巻き付けられた透明な高分子基板4
に対向して、3個配設されている。
【0011】各カソード6a,6b,6cは、その周囲
にそれぞれ隔壁20(20a,20b,20c)が設け
られて、この隔壁20により、取り囲まれている。この
隔壁20の内部には、金属ターゲット5を装着したスパ
ッタカソード6のほかに、反応性ガスを導入するガス導
入管7(7a,7b,7c)およびスパッタガスを導入
するガス導入管8(8a,8b,8c)が配置されてい
る。ガス導入管7は、真空槽2の外部に設けられたガス
流量調整弁9(9a,9b,9c)を介して、ボンベな
どのガス供給源10と接続されており、ガス導入管8
は、同じく、ガス流量調整弁11(11a,11b,1
1c)を介して、ボンベなどのガス供給源12と接続さ
れている。つまり、ガス導入管7,8を隔壁20の内部
に配置することにより、反応性ガスおよびスパッタガス
のガス雰囲気を各カソード6a,6b,6cごとに設定
できるような構成とされている。
【0012】また、各カソード6a,6b,6cには、
隔壁20におけるプラズマ発光領域を監視できる位置
に、プラズマ発光強度(放電中のイオンの発光強度)を
計測するモニタ13(13a,13b,13c)が設け
られており。この測定値はモニタ制御装置14(14
a,14b,14c)に送られてプラズマ発光強度の設
定値と比較演算され、上記測定値が上記設定値と等しく
なるようにガス流量調整弁9(9a,9b,9c)を自
動調整して、各カソード6a,6b,6cの反応性ガス
流量を制御できる構成となっている。つまり、上記モニ
タ制御装置14とガス流量調整弁9とにより、流量制御
手段が構成されている。
【0013】さらに、各カソード6a,6b,6cに
は、スパッタ用の電源15(15a,15b,15c)
から定電力が供給される。ここで、各電源15a,15
b,15cでは、各カソードの放電電圧を0.1Vまで
の精度で測定し、この放電電圧が一定となるように、各
カソードのモニタ制御装置14a,14b,14cに信
号を送って、各カソードのプラズマ発光強度の設定値を
修正し、これに基づいて各ガス流量調整弁を介して各カ
ソードの反応性ガス流量を調整できるようになってい
る。つまり、上記電源15がモニタ制御装置14と組み
合わされ、各カソードのプラズマ発光強度の設定値を修
正する手段を構成している。
【0014】上記スパッタ用の電源15の作動につい
て、図2を用いて、さらに説明する。ここでは、金属タ
ーゲット5としてIn−Sn合金を、反応性ガスとして
酸素ガス(O2 )を、スパッタガスとしてArガスを、
それぞれ用い、成膜ロール33上の高分子基板4に対し
て、Snを添加したIn2 3 膜であるITO膜を形成
する例である。上記スパッタ用の電源15には、直流の
定電力電源を用い、たとえば3kw一定で成膜する場
合、電極間の放電電圧は、装置の系、気圧、金属ターゲ
ットの酸化状態などにより、大体は決まるものの、一定
ではなく変動する。この電圧の変動を上記スパッタ用の
電源15で検知し、これに基づき電流を変動させて3k
w一定の電力を出力できるように構成してある。
【0015】このような装置構成に基づき、巻き出しロ
ール31から巻き出した高分子基板4を成膜ロール33
上を移送しながら、これに対向配設したスパッタカソー
ド6a,6b,6cを同時放電して、各カソードに装着
した金属ターゲット5a,5b,5cを高分子基板4上
に連続的に反応性スパッタ成膜して透明導電膜を形成
し、透明導電積層体として巻き取りロール32に巻き取
る。この方式によると、金属酸化物ターゲットなどをス
パッタ成膜する方法に比べ、成膜速度を速くできるうえ
に、金属ターゲットを装着したスパッタカソードを3個
としてこれらを同時放電するため、上記速度をより一段
と速くすることができる。
【0016】一方、反応性スパッタ成膜、とくに上記の
ようにスパッタカソードの数を増やして反応性スパッタ
成膜を行うと、従来では、膜質制御が難しく、長時間に
わたり安定して均一な膜質を得にくかった。これは、た
とえば、図3に示すように、透明導電膜としてSnを添
加したIn2 3 膜を反応性スパッタ成膜する場合、反
応性ガスとして導入される酸素の量により、透明導電膜
の抵抗値および透過率が大きく変動し、低抵抗値でかつ
高透過率の透明導電膜を成膜することができる酸素量の
適正範囲が非常に狭いことに起因している。とくにスパ
ッタカソードの数を増やして、反応性ガスとしての酸素
の量を上記良好な成膜を可能とする適正範囲に設定する
ことは容易なことではなかった。
【0017】ところが、上記の装置構成によると、この
ような難点も克服できる。すなわち、まず、各カソード
6a,6b,6cにプラズマ発光強度を測定するモニタ
13a,13b,13cを設け、この測定値が設定値と
等しくなるようにモニタ制御装置14a,14b,14
cおよびガス流量調整弁9a,9b,9cにより、各カ
ソードの反応性ガス流量を制御できる構成としているこ
とにより、各カソードごとに反応性ガス流量を適正範囲
に設定でき、これにより均質な反応性スパッタ成膜が可
能となり、金属状態のターゲットを金属化合物状態(金
属酸化物や金属窒化物など)の薄膜に均質に成膜するこ
とができる。
【0018】しかし、上記のようにプラズマ発光強度を
一定にする制御方式をとっても、これだけの手段では、
スパッタ成膜の膜質を長時間にわたり安定化させられな
い。これは、金属ターゲット表面の酸化状態や形状が経
時的に変化したり、ターゲットの掘れ、真空槽内のガス
成分の変動などがあり、これら変動要因によりスパッタ
成膜の膜質が変わってくるためである。したがって、成
膜途中において膜の抵抗値や透過率などの特性を測定
し、これに基づいて各カソード6のモニタ制御装置14
a,14b,14cにおけるプラズマ発光強度の設定値
を修正する必要がある。しかしながら、このような修正
はかなり面倒であり、またカソードが1個の場合、上記
修正は可能であるが、複数個の場合、どのカソードのプ
ラズマ発光強度の設定値をどのように修正すればよいの
か判定しにくい。
【0019】本発明者らは、この問題を克服するため、
鋭意検討した結果、各カソード6の放電電圧に着目し、
各金属ターゲット5の表面に十分に安定な酸化膜層が形
成されたのちでは、上記放電電圧が上昇すると酸素過多
の膜になり、上記放電電圧が下降すると酸素不足の膜と
なることがわかった。この現象を利用して、成膜中の膜
特性を調べなくても、金属ターゲット5の酸化状態など
によって変動する各カソード6の放電電圧を測定するこ
とで、スパッタ成膜の酸素の過不足がリアルタイムで判
定することができ、これに基づいて各カソード6のプラ
ズマ発光強度の設定値を適正に修正して、反応性ガスの
導入量を調整すると、スパッタ成膜の膜質を長時間にわ
たって安定化させるうることがわかった。
【0020】すなわち、本発明の前記の装置構成による
と、スパッタ用電源15a,15b,15cをモニタ制
御装置14a,14b,14cと組み合わせて、各カソ
ード6a,6b,6cの放電電圧を測定し、これに基づ
いて各カソード6a,6b,6cのプラズマ発光強度の
設定値を修正する構成していることにより、長時間の連
続成膜において膜質の安定した透明導電膜を形成するこ
とができる。とくに、この方法にしたがうと、カソード
6が1個の場合はもちろん、複数個の場合でもスパッタ
成膜の長時間の膜質安定性を確実にはかれるのである。
【0021】このような効果は、以下の試験結果から
も、明らかである。図1に示す装置構成(3個のカソー
ド)において、透明な高分子基板4としてポリエステル
フィルム〔三菱化学(株)製の「T609フィルム」〕
を使用し、金属ターゲット5としてIn−10重量%S
n合金ターゲットを使用し、反応性スパッタ成膜によっ
て、上記の高分子基板上に厚さが23μmのSnを添加
したIn2 3 膜からなる透明導電膜を有し、この透明
導電膜の目標抵抗値が400Ω/□となる透明導電積層
体を全長3,000mの長さで製造した。スパッタガス
はArガスを、反応性ガスは酸素ガスを、それぞれ使用
し、処理気圧は0.4Paとした。プラズマ発光強度の
測定モニタと反応性ガスの流量制御手段を組み合わせた
装置としては、市販のアルデンネ社製の「PEM05」
をベースとした独自システムを使用した。また、スパッ
タ用DC電源は、ENI社製の「DCG100」を使用
し、放電電圧は外部設定より取り出した。
【0022】この製造試験において、始めの1,000
mは放電電圧のフイードバックなしで、Inのプラズマ
発光強度が一定になるように成膜した。その結果、0〜
300mまでは、ほぼ400Ω/□の透明導電膜が得ら
れたが、300mを過ぎると抵抗値の変動が起こり1K
Ω/□までの間で抵抗値のふらつき現象がみられた。そ
の間、インラインの抵抗測定値と透過率測定値とにより
Inのプラズマ発光強度の設定値を修正したが、的を得
た修正ができず目標抵抗値に戻すことはできなかった。
その間、約5%の放電電圧の変動があった。
【0023】その後、1,000mからは抵抗値が目標
の400Ω/□になるように、各カソードのプラズマ発
光強度測定モニタと反応性ガス流量制御手段を組み合わ
せた装置に、放電電圧修正システムも加えて、制御し
た。これは、各カソードの放電電圧がある値上昇すると
金属ターゲット表面が酸素過多になっていると判断し、
1nのプラズマ発光強度の設定値を上げるように(導入
酸素量が減るように)修正をかけ、逆に、各カソードの
放電電圧がある値下降すると金属ターゲット表面が酸素
不足になっていると判断し、Inのプラズマ発光強度の
設定値を下げるように(導入酸素量が増えるように)修
正をかけた。このように放電電圧修正システムも加えて
制御した1,000m以降は、3個のカソードでの安定
成膜が得られて、抵抗値が400Ω/□でほぼ一定とな
り、各カソードでの放電電圧もほぼ一定となった。この
結果から、複数個のカソードを用いた反応性スパッタ成
膜で膜質安定な透明導電積層体を高速で製造できること
が確認された。
【0024】なお、図1に示す装置構成では、スパッタ
カソード6を3個使用した例を示しているが、上記のカ
ソード6は、高分子基板4の移送手段3を構成する成膜
ロール33の大きさや数に応じて、2個または4個以上
の複数個とすることができ、1個とすることもできる。
このカソード6ごとに、金属ターゲット5、隔壁20、
ガス導入管7,8、ガス流量調整弁9,11、プラズマ
発光強度の測定モニタ13およびモニタ制御装置14、
電源15などが設けられる。また、これらは、いわゆる
ロールコータ形式であるが、これ以外に、カソードが平
行に並んで高分子基板も平行に走行する形式の装置構成
にも適用することができる。
【0025】また、透明な高分子基板4には、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど
のポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカ
ーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンなどの各種プラスチック(単独重合体や共重合体な
ど)からなるものが用いられる。この高分子基板は、単
独フィルムであっても積層フィルムであってもよく、そ
の厚さは、用途目的に応じて適宜設定することができ、
とくに限定されない。
【0026】金属ターゲット5には、Sn、In、C
d、Zn、Ti、InとSnの合金、InとSbの合
金、InとAlの合金など、反応性スパッタ成膜によっ
て、透明導電膜として、透明導電性を有する金属化合物
膜、たとえば、金属酸化物膜や金属窒化物膜を付与する
ものであれば、広く使用できる。このような金属ターゲ
ット5を用いて、高分子基板4上に反応性スパッタ成膜
される透明導電膜には、SnO2 、In2 3 、Cd
O、ZnO、Snを添加したIn2 3 (通常、ITO
という)、Znを添加したIn2 3 、Sbを添加した
In2 3 、Alを添加したIn2 3 (通常、ATO
という)などの金属酸化物膜や、TiN、ZrNなどの
金属窒化物膜などの金属化合物膜が挙げられる。
【0027】ガス導入管7から導入される反応性ガスに
は、金属酸化物膜を成膜する場合は酸素、金属窒化物膜
を成膜する場合は窒素などがあり、これらのガスは適宜
混合して用いてもよく、またこれらのガス以外に、亜酸
化窒素ガス、水蒸気などの他のガスを使用することもで
きる。また、ガス導入管8から導入されるスパッタガス
には、Ar、He、Ne、Kr、Xeなどの不活性ガス
が挙げられ、これらのガスは単独で用いても、混合して
用いてもよい。
【0028】このように、本発明は、透明な高分子基板
を移送しながらこの基板に対向配設した1個または複数
個のスパッタカソードを放電して、各カソードに装着し
た金属ターゲットを上記基板上に連続的に反応性スパッ
タ成膜するにあたり、各カソードのプラズマ発光強度を
測定して、これと設定値とが等しくなるように各カソー
ドの反応性ガス流量を制御し、さらに各カソードの放電
電圧を測定し、これに基づいて各カソードのプラズマ発
光強度の設定値を修正する構成としたことにより、上記
基板上に膜質の安定した透明導電膜を連続的に高速で成
膜でき、これにより透明導電積層体を膜質安定性良好に
製造することができる。
【0029】また、この方法は、真空排気手段を付設し
た真空槽内に、透明な高分子基板の移送手段とともに、
1個または複数個のスパッタカソードを上記基板に対向
して配設し、かつ各カソードごとのガス導入手段を設
け、さらに各カソードのプラズマ発光強度を測定するモ
ニタと、これによる測定値が設定値と等しくなるように
各カソードの反応性ガス流量を制御する流量制御手段
と、各カソードの放電電圧の測定に基づいて各カソード
のプラズマ発光強度の設定値を修正する手段とを設ける
ようにした前記構成の製造装置により、容易に実施でき
る。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明は、金属ターゲッ
トを使用した反応性スパッタ成膜によって、透明な高分
子基板上に透明導電膜を有する透明導電積層体を高速で
長時間安定して製造することができる、生産性および膜
質安定性にすぐれる透明導電積層体の製造方法と製造装
置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明導電積層体の製造装置の一例を示
す概略断面図である。
【図2】スパッタ用電源の作動を示す説明図である。
【図3】金属ターゲットを使用して反応性スパッタ成膜
する際の反応性ガス(酸素)量と膜特性との関係を示す
特性図である。
【符号の説明】
1 真空排気手段 2 真空槽 3(31,32,33) 高分子基板の移送手段 4 透明な高分子基板 5(5a,5b,5c) 金属ターゲット 6(6a,6b,6c) スパッタカソード 7(7a,7b,7c) 反応性ガスのガス導入管 8(8a,8b,8c) スパッタガスのガス導入管 9(9a,9b,9c) 反応性ガスのガス流量調整弁 10 反応性ガスのガス供給源 11(11a,11b,11c) スパッタガスのガス
流量調整弁 12 スパッタガスのガス供給源 13(13a,13b,13c) プラズマ発光強度の
測定モニタ 14(14a,14b,14c) モニタ制御装置 15(15a,15b,15c) スパッタ用電源 20(20a,20b,20c) 隔壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上森 一好 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 豊澤 圭子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H092 HA04 MA05 NA29 4K029 AA11 BA50 BC09 BD00 BD03 CA06 DA06 DC03 DC04 DC16 EA04 EA06 EA09 KA03 5E032 AB10 BA15 BB20 CB03 CC14 5G323 BA01 BB05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な高分子基板を移送しながらこの基
    板に対向配設した1個または複数個のスパッタカソード
    を放電して、各カソードに装着した金属ターゲットを上
    記基板上に反応性スパッタ成膜して透明導電膜を形成す
    る透明導電積層体の製造方法において、各カソードのプ
    ラズマ発光強度を測定し、これが設定値と等しくなるよ
    うに各カソードの反応性ガス流量を制御し、さらに各カ
    ソードの放電電圧を測定し、これに基づいて各カソード
    のプラズマ発光強度の設定値を修正することを特徴とす
    る透明導電積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 真空排気手段を付設した真空槽内に、透
    明な高分子基板の移送手段、1個または複数個のスパッ
    タカソードおよび各カソードごとのガス導入手段を有
    し、上記基板を移送しながらこの基板に対向配設した各
    カソードを放電して、各カソードに装着した金属ターゲ
    ットを上記基板上に反応性スパッタ成膜して透明導電膜
    を形成する透明導電積層体の製造装置において、各カソ
    ードのプラズマ発光強度を測定するモニタと、これによ
    る測定値が設定値と等しくなるように各カソードの反応
    性ガス流量を制御する流量制御手段と、さらに各カソー
    ドの放電電圧の測定に基づいて各カソードのプラズマ発
    光強度の設定値を修正する手段とを設けたことを特徴と
    する透明導電積層体の製造装置。
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