JP2010077200A - ポリエステル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】色調に優れ、光学用途に適したポリエステル樹脂組成物の製造方法。
【解決手段】アルデヒド酸、テレフタル酸及び/またはナフタレンジカルボン酸と、エチレングリコールからエステル化反応、重縮合反応を経て、ポリエステル樹脂組成物を製造する方法において、エステル化反応終了後から固有粘度が0.3に到達するまでの間に、ホスホナイト化合物及び/又はホスファイト化合物をリン原子として10ppm以上200ppm以下含有するように添加し、かつ、式(I)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
0.5≦P/AA≦3.0 (I)
(但し、P、AAはそれぞれリン原子の含有量、アルデヒド酸の添加量を表し、単位はmol/ton(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
【選択図】 なし

Description

本発明はポリエステル樹脂組成物の製造方法に関するものである。特に、色調に優れる成形物を容易に形成し得るポリエステル樹脂組成物の製造方法に関する。
ポリエステルは優れた物理的、化学的特性を有しており、フィルム、繊維、シートなどに広く使用されている。特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐溶剤性、機械的特性、光学特性において優れた性質を有するために、磁気記録材料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁材料、光学材料、一般工業材料等、多くの用途に用いられている。
特に、光学用ポリエステル樹脂は、色調、光線透過率、異物などが重要視されるため、高純度の原料が主に使用されているが、まだ十分ではなく、様々な添加物による改良が行われている。
例えば、特許文献1には、ホスファイト化合物を二軸押出機にて混練することにより色調、耐熱性を改善したポリエステル組成物について記載があるが、単にホスファイト化合物を添加するだけでは過剰なホスファイト化合物により、三酸化アンチモンが還元されるため、大幅にL値が低下し、光学用途としては不適である。
特許文献2は、特許文献1と同じ出願人が、ホスファイト化合物のみではL値が低下するため不十分であるとの比較例を提示しており、その改良としてホウ素化合物によるb値、L値の改善方法について記載があるが、ホウ素化合物は一般にポリエステルに使用されているリン化合物に比べ、取り扱いにくく、副生物の危険性が高い。
特開2006−274147号公報 特開2007−145940号公報
本発明の目的は、色調に優れ、光学用途に適したポリエステル樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、ポリエステル樹脂組成物に対して0.5〜5mol/tonのアルデヒド酸と、テレフタル酸及び/またはナフタレンジカルボン酸と、エチレングリコールからエステル化反応、重縮合反応を経て、ポリエステル樹脂組成物を製造する方法において、エステル化反応終了後から固有粘度が0.3に到達するまでの間に、ホスホナイト化合物及び/又はホスファイト化合物をリン原子として30ppm以上200ppm以下含有するように添加し、かつ、式(I)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法である。
0.5≦P/AA≦3.0 (I)
(但し、P、AAはそれぞれリン原子の含有量、アルデヒド酸の添加量を表し、単位はmol/ton(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
本発明によれば、色調に優れ、光学用途に適したポリエステル樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法は、ポリエステル樹脂組成物に対して0.5〜5mol/tonのアルデヒド酸と、テレフタル酸及び/またはナフタレンジカルボン酸と、エチレングリコールからエステル化反応、重縮合反応を経て、ポリエステル樹脂組成物を製造する方法において、エステル化反応終了後から固有粘度が0.3に到達するまでの間に、ホスホナイト化合物及び/又はホスファイト化合物をリン原子として30ppm以上200ppm以下含有するように添加し、かつ、式(I)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法である。
0.5≦P/AA≦3.0 (I)
(但し、P、AAはそれぞれリン原子の含有量、アルデヒド酸の添加量を表し、単位はmol/ton(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
具体的には、エステル化反応工程、エステル化反応終了後から固有粘度が0.3に達するまでの間に触媒、リン化合物などの添加物を添加する工程、重縮合反応工程とに分けることができる。
本発明のエステル化反応工程について詳細に説明する。
本発明のエステル化反応は、溶融状態のビスヒドロキシエチレンテレフタレート、および/またはビスヒドロキシエチレンナフタレートに、アルデヒド酸、テレフタル酸、および/またはナフタレンジカルボン酸、エチレングリコールを添加し、加熱しながら反応を行うことが必要である。
アルデヒド酸、テレフタル酸、および/またはナフタレンジカルボン酸、エチレングリコールの添加方法としては、個別に添加する方法、エチレングリコールスラリーとして添加する方法、テレフタル酸、および/またはナフタレンジカルボン酸、アルデヒド酸、エチレングリコールの混合スラリーとして添加する方法、アルデヒド酸を含有するテレフタル酸、および/またはナフタレンジカルボン酸を粉体、またはエチレングリコールスラリーとして添加する方法が挙げられ、中でもアルデヒド酸を含有するテレフタル酸、および/またはナフタレンジカルボン酸をエチレングリコールスラリーとして添加する方法が、生産性の点から好ましい。
アルデヒド酸を含有するテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸とは、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸の製造時に副生したアルデヒド酸を完全除去することなく製造されたテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のことであり、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸に対する含有量の目安は5ppm以上である。
アルデヒド酸の添加量としては、ポリエステル樹脂組成物の色調の点から、少ないほど良いが、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸の精製コスト、生産性、色調の点から、ポリエステル樹脂組成物に対して0.5〜5mol/tonであることが必要であり、さらには0.5〜3mol%であることが好ましい。
アルデヒド酸の添加量を、ポリエステル樹脂組成物に対して、0.5mol/ton未満とするには、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸を高精度に精製し、純度を高める必要があるため、生産性が低下し、高コストになる。また5mol/tonを越えると、重合反応性や色調が著しく悪化することがある。
本発明におけるアルデヒド酸としては、例えば、テレフタルアルデヒド酸、イソフタルアルデヒド酸、フタルアルデヒド酸、6−ホルミル−2−ナフトエ酸などを挙げることができるが、これらに限定するものではない。これらのアルデヒド酸は、テレフタル酸やナフタレンジカルボン酸を製造する際に副生することがある。
本発明におけるエステル化反応の反応温度は、反応性の点から240℃〜250℃とすることが好ましく、酸化劣化を抑制する点から、窒素雰囲気下で反応させることが好ましい。
次に、エステル化反応終了後から固有粘度が0.3に達するまでの間に触媒、リン化合物などの添加物を添加する工程について詳細に説明する。
本発明における触媒としては、重縮合反応触媒、助触媒を挙げることができる。
具体的には、重縮合触媒としてアンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、アルミニウム化合物などを挙げることができるが、中でも、安価で汎用性に優れるアンチモン化合物が好ましい。
助触媒としては、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、ナトリウム化合物、リチウム化合物、カリウム化合物などを挙げることができ、中でも酢酸塩や、アルカリ金属の水酸化物であることが反応性の点で好ましい。
特に、マグネシウム化合物は、製膜時の静電印加特性を付与するために重要であり、ポリエステル樹脂組成物に対して20〜100ppm含有することが好ましく、さらには色調の点から20〜60ppm含有することが好ましい。
本発明のリン化合物とは、ホスホナイト化合物、および/またはホスファイト化合物であり、ポリエステル樹脂組成物に対して、リン原子として30〜200ppm含有するように添加することが必要であり、さらには50〜150ppmとすることが好ましい。リン原子が30ppm未満では十分な色調改善効果が得られず、200ppmを越えると重合反応性が低下したり、色調におけるL値が低下することがある。
本発明におけるホスホナイト化合物としては、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−tert−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4‘−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,4−tert−ブチルフェニル−5−メチル)(1,1−ビフェニル)−4,4‘−ジイルビスホスホナイトなどが挙げられるが、中でもテトラキス(2,4−tert−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4‘−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,4−tert−ブチルフェニル−5−メチル)(1,1−ビフェニル)−4,4‘−ジイルビスホスホナイトがb値低減効果が大きく好ましい。
一方、本発明におけるホスファイト化合物としては、亜リン酸、亜リン酸トリエチル、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト,トリス(2,4−tert−ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(2,4,6−トリ−ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、4,4−イソプロピリデン−ジ−フェノール−ジ−ホスファイト−ジ−アルキル(C=12〜16)などを挙げることができる。これらの中でも、ビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、4,4−イソプロピリデン−ジ−フェノール−ジ−ホスファイト−ジ−アルキル(C=12〜16)が好ましく、化合物の耐熱性または耐加水分解性に優れる事から、ビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、4,4−イソプロピリデン−ジ−フェノール−ジ−ホスファイト−ジ−アルキル(C=12〜16)が好ましい。
また、本発明のホスホナイト化合物、ホスファイト化合物は、化合物の耐熱性、耐加水分解性の点から、一分子内に2つ以上リン原子を含んでいることが好ましい。
このようなホスホナイト化合物、ホスファイト化合物は、下記式(I)を満足するように添加する必要がある。
0.5≦P/AA≦3.0 (I)
(但し、P、AAはそれぞれリン原子の含有量、アルデヒド酸の添加量を表し、単位はmol/ton(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
さらには、色調、重合反応性の点から、下記(IIi)式を満足することが好ましい。
0.8≦P/AA≦2.0 (III)
ここで、ポリエステル樹脂組成物に対するリン原子の含有量とは、通常、リン化合物は重縮合反応時に系外へ飛散するため、添加量=含有量とはならない。そして、系外へ飛散するリン化合物は、色調に対してほとんど効果がないため、リン化合物の飛散量を見越した量を添加する必要がある。
ホスホナイト化合物、および/またはホスファイト化合物の添加方法としては、粉体、原液をそのまま添加してもよいが、ハンドリング性の点から、化合物として20重量%以下の濃度のエチレングリコールのスラリー、または溶液として添加することが好ましい。さらには、他の重縮合触媒、助触媒とは別の添加口から添加することが好ましく、添加するタイミングも、重縮合触媒、および助触媒と5分以上の間隔をあけて添加することが好ましい。添加時に同じ添加口から添加したり、ほぼ同時に添加したりすると、重縮合触媒や助触媒とホスホナイト化合物やホスファイト化合物が反応し、触媒が失活するとともに、ホスホナイト化合物、ホスファイト化合物が消費されるため色調改善が不十分になることがある。
このようなホスホナイト化合物、ホスファイト化合物の他にもリン化合物を添加することもできるが、その含有量はポリエステル樹脂組成物に対して20ppm以下とすることが重合反応性の点から好ましい。
その他の添加剤として、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、難燃剤、酸化防止剤などを添加しても良い。
特に、重合触媒として、アンチモン化合物を選択した場合、酸化防止剤を下記式(II)を満足するように添加することが、色調におけるL値低減抑制の点から好ましい。
0.05≦A/P≦0.5 (II)
(但し、P、Aはそれぞれリン原子、酸化防止剤の含有量を表し、単位はmol/ton(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
さらには、L低減抑制の点から、下記式(IV)を満足することが好ましい。
0.1≦A/P≦0.5 (IV)
本発明における酸化防止剤とは、リン系酸化防止剤以外の酸化防止剤である。なかでも、ヒンダートフェノール系酸化防止剤であることが重合反応性、色調の点から好ましい。酸化防止剤とリン原子の比が0.05未満の場合、アンチモン化合物が還元されて、アンチモン金属が析出し、L値が低下することがある。また、0.5を越える場合は、重合反応が遅延したり、発泡によって液面上昇することがある。
具体的な化合物としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N‘−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]などを挙げることができる。特に、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]であることが耐熱性の点から好ましい。
このような酸化防止剤は、単独で添加しても、混合して添加しても構わないが、色調、ハンドリングの点から、エチレングリコールの溶液、またはスラリーとして添加することが好ましく、特に、ホスホナイト化合物、およびホスファイト化合物と混合したエチレングリコールスラリー、または溶液とすることが好ましい。
酸化防止剤とホスホナイト化合物、および/またはホスファイト化合物のエチレングリコールに対する濃度としては、ハンドリング性の点から20重量%以下であることが好ましい。
本発明における重縮合反応工程について詳細に説明する。
本発明における重縮合反応は、公知の方法で実施することができる。すなわち、エステル化反応終了後、低分子量体を所定量、重合缶または中間反応槽に移行し、重合触媒や各種添加物の添加が終了したあとに、段階的に昇温、減圧をしながら重合反応を行う。
このときの重合反応温度は、240〜260℃を開始温度とし、徐々に昇温して、280〜290℃とすることが色調、反応性の点から好ましい。
また、減圧については、大気圧から徐々に減圧を行い、最終的に1torr以下の真空度で反応を行うことが色調、反応性の点から好ましい。
このようにして得られたポリエステル樹脂組成物は、公知の方法により吐出、チップ化することができる。
本発明における製造方法により得られたポリエステル樹脂組成物は、公知の方法によりフィルム、繊維などに加工することができ、色調に優れるため、光学フィルム用原料、表面保護フィルム用原料などに好適に使用することができる。
以下本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。なお、実施例中の特性は次のようにして測定した。
(A.固有粘度)
o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
(B.ポリエステルチップのb値、L値の測定)
スガ試験機(株)製 SM−カラーコンピュータ(SM−T)を用い、反射法にて測定した。
(C.ポリエステル樹脂組成物中の金属原子量)
アンチモン原子、チタン原子、リン原子、マグネシウム原子については蛍光X線分析法(堀場製作所社製、MESA−500W型)による定量を行った。

(D.アルデヒド酸量の測定)
テレフタル酸0.1gを0.5Nアンモニア水7ml、内標液(ニトロベンゼン0.1mlg/アセトニトリル1ml)3mlで溶解し、5μlを注入してHPLCで分析した。
分析条件は以下の通り。
カラム:CAPCELL PAC C18 4.6φ×25cm
TYPE UG 120Å 5μm
移動相:A液 1%酢酸水溶液
B液 アセトニトリル
検出器:UV 254nm(RANGE=0.002AUFS)
カラム温度:50℃
移動相流量:1.2ml/min(0分)→1.44ml/min(80分)
Graduent条件:アセトニトリル濃度 10%(0分)→22.8%(80分)
分析時間:80分
(E.重合反応性評価)
固有粘度0.60に到達するまでの時間を比較例1と比較し以下の様に評価した。
◎・・・遅延が15分未満
○・・・遅延が15分以上30分未満
△・・・遅延が30分以上45未満
×・・・遅延が45分以上
(実施例1)
ビスヒドロキシエチルテレフタレート132.3重量部(テレフタルアルデヒド酸0.027g含有)を250℃、窒素雰囲気下で溶融、攪拌する。(以降、反応系内は全て窒素雰囲気下)その後、テレフタル酸(テレフタルアルデヒド酸0.027g含有)86.5重量部、エチレングリコール36.5重量部のスラリーをスネークポンプで3.5時間かけて供給、245℃〜250℃の範囲でエステル化反応を実施し、反応率90%で、重合缶へ反応生成物132.3重量部を移行した。酢酸マグネシウム4水和物0.035重量部、三酸化アンチモン0.012重量部、ビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化製:PEP24G)0.1重量部をそれぞれ5分間隔で添加し、重合反応を開始した。最終到達温度は290℃、真空度は0.1torr未満、重合反応時間は2時間30分であった。
得られたポリエステル樹脂組成物を160℃、0.1torr未満、4時間の条件で乾燥後、単軸の押出機を用いて、静電印加キャスト法による二軸延伸を行ったところ、製膜性に問題はなかった。
(比較例1)
ビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化製:PEP24G)0.1重量部をリン酸0.005重量部とする以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物を得た。
実施例1と同様に製膜を行ったが製膜性に問題はなかった。
(実施例2)
PEP24Gを0.1重量部、IRGANOX1010(チバ・ジャパン製)を0.1重量部混合し、エチレングリコールの10重量%スラリーとして添加する以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物を得た。
参考例1と同様に製膜を行ったが製膜性に問題はなかった。
(実施例3〜5)
PEP24G、IRGANOX1010FPの添加量を変更する以外は実施例2と同様にしてポリエステル樹脂組成物を得た。
参考例1と同様に製膜を行ったが製膜性に問題はなかった。
(実施例6)
酢酸マグネシウムの添加量を変更する以外は実施例2と同様にしてポリエステル樹脂組成物を得た。
参考例1と同様に製膜を行ったが、キャスティングドラムへの密着性が増加した以外は製膜性に問題はなかった。
(実施例7)
酢酸マグネシウムを添加しない以外は実施例2と同様にしてポリエステル樹脂組成物を得た。
参考例1と同様に製膜を行ったが、キャスティングドラムへの密着性が低下した以外は製膜性に問題はなかった。
(実施例8)
ビスヒドロキシエチルテレフタレート132.3重量部(テレフタルアルデヒド酸0.010g含有)を250℃、窒素雰囲気下で溶融、攪拌する。(以降、反応系内は全て窒素雰囲気下)その後、テレフタル酸(テレフタルアルデヒド酸0.010g含有)86.5重量部、エチレングリコール36.5重量部のスラリーをスネークポンプで3.5時間かけて供給、245℃〜250℃の範囲でエステル化反応を実施し、反応率90%で、重合缶へ反応生成物132.3重量部を移行した。次に、ビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化製:PEP24G)0.05重量部とIRGANOX1010(チバ・ジャパン製)0.05重量部のエチレングリコールスラリー(10重量%)、酢酸マグネシウム4水和物0.035重量部、三酸化アンチモン0.012重量部、をそれぞれ5分間隔で添加し、重合反応を開始した。最終到達温度は290℃、真空度は0.1torr未満、重合反応時間は2時間30分であった。
得られたポリエステル樹脂組成物を160℃、0.1torr未満、4時間の条件で乾燥後、単軸の押出機を用いて、静電印加キャスト法による二軸延伸を行ったところ、製膜性に問題はなかった。
(実施例9)
ビスヒドロキシエチルテレフタレート132.3重量部(テレフタルアルデヒド酸0.054g含有)を250℃、窒素雰囲気下で溶融、攪拌する。(以降、反応系内は全て窒素雰囲気下)その後、テレフタル酸(テレフタルアルデヒド酸0.054g含有)86.5重量部、エチレングリコール36.5重量部のスラリーをスネークポンプで3.5時間かけて供給、245℃〜250℃の範囲でエステル化反応を実施し、反応率90%で、重合缶へ反応生成物132.3重量部を移行した。次に、ビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化製:PEP24G)0.18重量部とIRGANOX1010(チバ・ジャパン製)0.10重量部のエチレングリコールスラリー(10重量%)、酢酸マグネシウム4水和物0.035重量部、三酸化アンチモン0.012重量部、をそれぞれ5分間隔で添加し、重合反応を開始した。最終到達温度は290℃、真空度は0.1torr未満、重合反応時間は2時間30分であった。
得られたポリエステル樹脂組成物を160℃、0.1torr未満、4時間の条件で乾燥後、単軸の押出機を用いて、静電印加キャスト法による二軸延伸を行ったところ、製膜性に問題はなかった。
実施例10〜12、比較例2
リン化合物の種類、添加量、酸化防止剤の種類を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物の製造を試みた。
その結果、比較例2では重合反応が頭打ちし、ポリマーの固有粘度0.6に到達することができなかった。
実施例10〜12についてはポリエステル樹脂組成物が得られたため、実施例1と同様にして製膜を行ったが、製膜性に問題はなかった。
比較例1は一般的に行われている製造方法によるポリエステル樹脂組成物であるが、b値が高く光学用途には適さない。これに対し、実施例1では、PEP24G(ホスファイト化合物)を添加することにより、L値が若干低下するものの、b値が改善していることから光学用途に適用可能である。
さらに実施例2では、ヒンダートフェノール系の酸化防止剤であるIRGANOX1010を併用することにより、L値が向上し、b値が改善していることがわかる。これは、酸化防止剤により三酸化アンチモンの還元反応が抑制され、アンチモンメタルの生成量が減少したためと考えられる。
また実施例2に対して、実施例3では、PEP24Gをさらに増量することでb値が改善され、実施例4ではIRGANOSX1010を増量した結果、色調はほぼ同等であったが、実施例3に比べ、重縮合反応時に約10%の液面上昇が確認された。
実施例5においては、比較例1に比べてb値低減効果はあるものの、添加量が少ないため、実施例2よりもb値が高くなっている。
実施例6においては、マグネシウム量を増量した結果、実施例2に比べてb値が高く、製膜時においてもキャスティングドラムへの密着力が増加する傾向にあった。
実施例7においては、マグネシウム化合物を添加せずに重合を行ったところ、実施例2に比べてb値は小さくなっているが、製膜時においてはキャスティングドラムへの密着力が低下する傾向にあった。
実施例2に対して、実施例8では、テレフタルアルデヒド酸の含有量が少なくなっているため、少量のPEP24Gで十分な色調改善効果を得ている。これに対して実施例9においては、テレフタルアルデヒド酸が3mol/tonを越えているため、色調を改善するために多量のPEP24Gを添加している。このため、色調改善効果はあるが、L値が低めであり、重合反応時間も少し長くなっている。
実施例10においては、リン化合物をA1500に変更しているが、PEP24Gと同様の効果があることがわかる。
実施例11においては、還元力の強いホスホナイト化合物のGSY−P101を用いているため、IRGANOX1010を多めに添加しているが、L値は低めであった。
実施例12においては、酸化防止剤としてIRGANOX1076を用いたが、分子量が小さいためIRGANOX1010より多めに添加した子と以外は実施例2とほぼ同等の色調であった。
比較例2においては、式(I)、(II)を満足するようにリン酸を添加したところ、重合反応が頭打ちし、固有粘度0.6のポリエステル樹脂組成物を得ることができなかった。
Figure 2010077200
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Claims (5)

  1. ポリエステル樹脂組成物に対して0.5〜5mol/tonのアルデヒド酸と、テレフタル酸及び/またはナフタレンジカルボン酸と、エチレングリコールからエステル化反応、重縮合反応を経て、ポリエステル樹脂組成物を製造する方法において、エステル化反応終了後から固有粘度が0.3に到達するまでの間に、ホスホナイト化合物及び/又はホスファイト化合物をリン原子として30ppm以上200ppm以下含有するように添加し、かつ、式(I)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
    0.5≦P/AA≦3.0 (I)
    (但し、P、AAはそれぞれリン原子の含有量、アルデヒド酸の添加量を表し、単位はmol/ton(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
  2. マグネシウム化合物をマグネシウム原子として20ppm以上100ppm以下含有するように添加することを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  3. 重合触媒がアンチモン化合物であり、かつ、ホスホナイト化合物及び/またはホスファイト化合物と酸化防止剤と下記式(II)を満足するように混合して添加することを特徴とする請求項1または2に項記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
    0.05≦A/P≦0.5 (II)
    (但し、P、Aはそれぞれリン原子含有量、酸化防止剤の添加量を表し、単位はmol/ton(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
  4. ホスホナイト化合物及び/またはホスファイト化合物と酸化防止剤の混合物をエチレングリコールのスラリーまたは溶液として、20重量%以下の濃度で添加することを特徴とする請求項3のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  5. ホスファイト化合物及びホスホナイト化合物が、1分子内に2つ以上リン原子を含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
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