JP2010075936A - プレスラインの運転条件設定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プレスラインの運転条件設定方法は、ワークと下型との間のクリアランスが最小になるように搬送経路を設定する搬送経路設定工程(S4)と、搬出するワークとこ搬入するワークとの間のクリアランスが最小になるように、各搬送装置間の搬送動作の位相差を設定する搬送装置間位相差設定工程(S7)と、設定された各搬送装置の搬送経路、搬送装置間位相差、ラインSPM、およびプレスSPMに基づいて、プレス−搬送間位相差を設定するプレス搬送間位相差設定工程(S11)と、を含む。
【選択図】図3
Description
図1は、本発明の一実施形態に係る運転条件設定方法が適用されたプレスライン1の概略構成を示す図である。
先ず、前プレス工程に対応するプレス機2の上型22と下型21との間へ、クロスバー32を復路CBに沿って移動する。
次に、バキュームカップ31で加工後のワークWを吸引し、このワークWを保持する。
次に、次プレス工程に対応するプレス機2の上型22と下型21との間へ、ワークWを保持したまま、クロスバー32を往路COに沿って移動する。
次に、保持したワークWをプレス機2の下型21に設置する。
プレスモーションを規定するプレスモーションデータには、各プレス機2の上型22を駆動する速度、位置、および時刻等のプレスモーションに関する情報が含まれる。この上型22を駆動する速度は、プレス機2のワークの加工能力を示す加工速度、すなわち、プレスSPMとして特徴付けられる。したがって、このプレスSPMが大きいほど、上型22を昇降する周期が短くなる。
またさらに、周期的なプレスモーションを繰り返す各プレス機2と、周期的な搬送モーションを繰り返す各搬送装置3とを制御するため、搬送モーションデータには、各プレス機2の搬送モーションと各搬送装置3の搬送モーションとの間の位相差(以下、「プレス−搬送間位相差」という)に関する情報が含まれる。
搬送モーション演算装置5は、入力装置51と、記憶装置52と、演算装置53と、を含んで構成される。
記憶装置52は、ハードディスクやCDROMなどのハードウェアで構成される。この記憶装置52には、各種データが記憶されており、記憶されたデータは、演算装置53に適宜入力される。
計算用データ処理部532は、計算用データ読込部531により読み込まれたCADデータに前処理を施し計算にかかる負荷を軽減する(後述の図3のステップS2を参照)。
搬送経路評価部534は、搬送経路算出部533により算出された搬送経路Cを評価し、実際に搬送装置Cに沿ったワークの搬送が可能であるか否かを判別する(後述の図3のステップS5参照)。
モーションデータ出力部538は、以上のようにして算出されたプレスモーションデータおよび搬送モーションデータを、制御装置4に送信する(後述の図3のステップS16を参照)。
また、このステップにおいて、ラインSPMは暫定的に最大値に設定される。ここで最大値に設定されたラインSPMは、後に詳述するステップS7〜S11の工程において、適切な値に再設定される。
図4は、搬送経路Cとこの搬送経路Cに沿って移動する搬送装置3のクロスバー32の構成を示す模式図である。
図4に示すように、搬送経路Cは、搬送装置3またはこの搬送装置3により搬送されるワークWと、下型21との間のクリアランスΔD1またはΔD2が最小になるように設定される。
搬送経路Cのうち往路COでは、搬送装置3はワークWを保持しながら移動する。このため、往路COは、搬送装置3により保持されたワークWと下型21との間のクリアランスD2が最小になるように設定される。
このように、下型21とのクリアランスが最小となるように、搬送経路Cを設定することにより、下型21に対し昇降する上型22と搬送装置3との干渉を避け易くすることができる。
図5は、プレス機2の型内に2つの搬送装置3A,3Bが同時に存在した状態を示す図である。より具体的には、図5は、プレス機2でワークWAを加工した後、この加工後のワークWAを搬送装置3Aで搬出しながら、加工前のワークWBを搬送装置3Bで搬入する状態を示す図である。
図7に示すように、プレス−搬送間位相差には、上型と搬送装置とが干渉し搬出できない領域と、搬入できない領域とが含まれる。そこで、作業可能範囲は、搬出および搬入が可能な領域に限られる。
このステップでは、各プレス機に対して、図7に示すような、プレス−搬送間位相差を設定可能な作業可能範囲を算出する。
この判別がYESの場合には、ステップS11に移り、作業可能範囲の略中心にプレス−搬送間位相差ΔTPを設定した後、ステップS12に移る。
この判別がNOの場合には、ステップS10に移り、ラインSPMをより小さな値に設定した後、ステップS7に移る。すなわち、全プレス機に作業可能範囲が確保されるまで、ラインSPMを低減する。
この判別がYESの場合、すなわち、作業可能範囲に余剰がある場合、ステップS13に移り、余剰があるプレス機におけるプレスSPMをより小さな値に設定した後、ステップS14に移る。ステップS14では、設定されたプレスSPMのもとで作業可能範囲を再び算出し、ステップS12に移る。
この判別がNOの場合には、プレスモーションデータ、および搬送モーションデータの設定を終了し、ステップS15に移る。
図9は、プレスSPMを低減した場合における上型22から視た搬送装置3のクロスバー32の軌跡の変化を示す図である。
したがって、ステップS12〜S14では、設定された各搬送装置の搬送経路C、各搬送装置間位相差ΔTH、ラインSPM、およびプレス−搬送間位相差ΔTPのもとで、上型22とクロスバーの軌跡との間のクリアランスΔU1,ΔU2が最小になるまで、プレスSPMが低減される。
(1)搬送装置3の搬送経路Cは、ラインSPMを設定した上で、搬送装置3またはこの搬送装置3により搬送されるワークと、下型21との間のクリアランスΔD1,ΔD2が最小になるように設定されるため、上型22との干渉を最小限にすることができる。また、搬送装置間位相差ΔTHは、プレス機2のプレスSPMを設定した上で、プレス機2から搬出するワークとこのプレス機に搬入するワークとの間のクリアランスΔLが最小となるように設定されるため、2つの搬送装置が同時に1つのプレス機2内に滞在する型内時間を最小にすることができる。また、各プレス機2のプレスモーションと各搬送装置3の搬送モーションとの間のプレス−搬送間位相差ΔTPは、以上のように設定された各搬送装置の搬送経路、各搬送装置間の搬送動作の位相差、ラインSPM、およびプレスSPMに基づいて設定される。
上記実施形態では、4つの工程、すなわち、4台のプレス機2を備えるプレスライン1の運転条件設定方法について説明したが、プレスラインが備えるプレス機の数は、これに限るものではない。
2…プレス機
21…下型
22…上型
3…搬送装置
4…制御装置
5…搬送モーション演算装置
Claims (4)
- 下型に対し上型を昇降することでワークをプレス加工する複数のプレス機と、
これらプレス機の間で、所定の搬送経路に沿ってワークを搬送する複数の搬送装置と、
各プレス機の周期的な昇降動作、並びに、各搬送装置の搬送経路に沿った周期的な搬送動作を制御する制御装置と、を備えたプレスラインの運転条件設定方法であって、
前記プレスラインにおけるワークの生産能力を示すライン速度を設定するライン速度設定工程と、
前記搬送装置または当該搬送装置により搬送されるワークと、前記下型との間のクリアランスが最小になるように、前記搬送装置の搬送経路を設定する搬送経路設定工程と、
前記プレス機のワークの加工能力を示す加工速度を設定する加工速度設定工程と、
プレス機から搬出するワークと当該プレス機に搬入するワークとの間のクリアランスが最小になるように、各搬送装置間の搬送動作の位相差を設定する搬送装置間位相差設定工程と、
前記工程において設定された各搬送装置の搬送経路、各搬送装置間の搬送動作の位相差、ライン速度、および加工速度に基づいて、各プレス機の昇降動作と各搬送装置の搬送動作との間の位相差を設定するプレス搬送間位相差設定工程と、を含むことを特徴とするプレスラインの運転条件設定方法。 - 前記ライン速度設定工程および前記加工速度設定工程では、前記ライン速度および前記加工速度を、それぞれ最大値に設定することを特徴とする請求項1に記載のプレスラインの運転条件設定方法。
- 前記プレス搬送間位相差設定工程において設定された各プレス機の昇降動作と各搬送装置の搬送動作との間の位相差を、作業可能範囲内で設定可能であるか否かを判定する作業可否判定工程をさらに含み、
前記作業可否判定工程において、作業可能範囲内で位相差を設定可能でないと判定された場合には、ライン速度をより小さな値に設定するとともに、前記搬送装置間位相差設定工程、前記プレス搬送間位相差設定工程、および前記作業可否判定工程を再び実行し、
前記作業可否判定工程において、作業可能範囲内で位相差を設定可能であると判定された場合には、当該位相差を作業可能範囲内で設定することを特徴とする請求項2に記載のプレスラインの運転条件設定方法。 - 設定された各搬送装置の搬送経路、各搬送装置間の搬送動作の位相差、ライン速度、加工速度、および各プレス機の昇降動作と各搬送装置の搬送動作との間の位相差のもとで、搬送装置およびこの搬送装置に保持されたワークと前記上型との間のクリアランスが最小になるように、加工速度をより小さな値に設定する加工速度最適化工程をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のプレスラインの運転条件設定方法。
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