JP6792231B2 - トランスファプレスシステム - Google Patents
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- B21D43/04—Advancing work in relation to the stroke of the die or tool by means in mechanical engagement with the work
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- B30—PRESSES
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Description
サーボトランスファプレスシステムにおいては、連続加工のためにプレス装置と搬送装置とを同期させて稼働させる必要があり、このためマスター位相信号同期方式が開発されている(特許文献1)。
プレス装置に同期して動く搬送装置は、稼働するプレス装置に侵入離脱を繰り返してワークを搬入及び搬出するものであり、サーボトランスファプレスシステムを用いるにあたって搬送装置とプレス装置が互いの動作に干渉しないように両者の運転を調整する必要がある。
この確認作業は、プレス装置のモーション及び搬送装置のモーションのいずれかを変更するたびに、発生するものである。また、プレス装置の金型や、搬送装置のワークを把持する冶具を変更するたびに発生するものであり、手間と時間を要する。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の座標比率は図示の比率に限られるものではない。
トランスファプレスシステムAは、ワークWを搬送するための基部1a及びアーム部1bを有する搬送装置1と、ワークWをプレスするためのプレス装置2と、搬送装置1及びプレス装置2を制御するための制御部(図4参照)と、を有する。
ここで、ワークWの搬送方向をx軸、ワークWの搬送方向に直交する幅方向(クランプ方向)をy軸とし、x軸及びy軸に直交する方向(リフト方向)をz軸とする。右アーム部1b1及び左アーム部1b2は、いずれもx軸、y軸及びz軸方向それぞれ設けられたレールに沿って移動可能となっている。右アーム部1b1と左アーム部1b2は、協働してワークWを両側から把持して搬送するものである。
これにより、シンプルな構造でワークWを素早く、かつ自在に搬送することが可能となる。
1サイクルの運転終了位置を、運転開始位置と同一に設定することにより、プレス装置2は連続してプレス加工を行うことが可能となる。
ワークWはプレス装置2によりプレスされたのち、搬送装置1により下流のプレス装置2’に搬送される。
図2(A)は、搬送装置1がプレス装置2に接近する動作を示す正面図である。図2(B)は、搬送装置1の持ち上げ動作を示す正面図である。図2(C)は、搬送装置1の搬出動作を示す側面図である。図2(D)は、搬送装置1のプレス装置2への搬入動作を示す正面図である。図2(E)は、搬送装置1のプレス装置2からの離脱を示す正面図である。図2(F)は、搬送装置1の動作開始位置への復帰を示す側面図である。
搬送装置1は図2(A)〜図2(F)の一連の動作を1サイクルとして、ワークWを搬送する。
図3は、搬送装置の動作の軌跡を示す模式図である。1サイクルの動作により、搬送装置1のアーム部1bは、図3に示すような軌跡を描く。
図3の(A)〜(F)は、図2(A)、図2(B)、図2(C)、図2(D)、図2(E)及び図2(F)にそれぞれ対応する。
制御部3は、座標記憶手段4と、モーション記憶手段5と、干渉判定手段6と、モーション調整手段7と、を備える。
尚、基準干渉線記憶手段8については後述する。
座標記憶手段4は、アーム部1bの先端の座標及びプレス装置2に取り付けた金型の角部21の座標を記憶するものである。
上述したように、モーション記憶手段5は、搬送装置1の運転搬送モーション及びプレス装置2の運転プレスモーションを記憶するものである。
干渉判定手段6は、運転プレスモーションから算出される角部21の座標と、運転干渉線Rとを比較して干渉の有無を判定する。運転干渉線Rは、運転搬送モーション及び運転プレスモーションから角部21に対するアーム部1bの先端の軌跡として作成される。
干渉判定手段6が干渉があると判定した場合に、モーション調整手段7は、運転搬送モーション及び/又は運転プレスモーションを変更する。
制御部3並びに制御部3が備える座標記憶手段4、モーション記憶手段5、干渉判定手段6及びモーション調整手段7には、通常のコンピュータを利用することができる。
座標記憶手段4及びモーション記憶手段5にはコンピュータのメモリーが、干渉判定手段6及びモーション調整手段7にはコンピュータのCPUが、それぞれ相当する。
x軸、y軸及びz軸における座標は空間座標として、(x,y,z)で表される。
これにより、上型とフィンガーの空間内での位置が把握される。
ここでは、プレス装置2及び搬送装置1の運転開始位置における座標を記録するものとする。
搬送装置1についていえばアーム部1b先端に設けられたフィンガーの先端の座標である。
これらの座標を記録し、運転干渉線Rの作成及び干渉の判定に用いることにより、少数の座標で干渉の判定を行うことができ、干渉の判定を即時に行うことが可能となる。
これにより、例えばプレス装置2の上型を変更した場合や、搬送装置1のフィンガー部分を変更した場合、変更前の冶具の寸法と変更後の冶具の寸法の差から、容易に座標を修正することが可能となる。
運転干渉線Rは、搬送装置1がプレス装置2に対する最も干渉し易い一点、すなわち、アーム部1bのフィンガーの先端の、角部21に対する軌跡である。
仮に、下型が稼働するようなプレス装置2を用いる場合、下型の座標を座標記憶手段4に記憶させ、後述する干渉の判定を行うことができる。
図5は、トランスファプレスシステムの干渉の有無の判定を示すフローチャートである。
最初に、製造するワークWに応じ、これを実現するため運転プレスモーション及び運転搬送モーションに要求される作成条件を設定する。これらの作成条件から運転プレスモーション及び運転搬送モーションを作成し、モーション記憶手段5に記憶させる。モーション記憶手段5は、記憶された運転プレスモーション及び運転搬送モーションから運転干渉線図Rを作成する。
ここで、上述した通り、金型(上型)の寸法及び搬送装置の寸法がある場合(図5でYの場合)、これらを座標記憶手段4に読み込み、記憶させることで、干渉の基準となる金型の角部21及びアーム1bの先端の座標が算出され、当該座標が座標記憶手段4に記憶される。
これらの情報をもとに、干渉判定手段6が作成された運転プレスモーション及び運転搬送モーションにおいて、干渉回避が可能か否かを判別する。まず、プレス装置2の上型が、上死点で動かないモーションを運転プレスモーションとして設定し、座標干渉判定手段6aによる干渉判定を行う。
プレス装置2の上型が上死点で動かない場合、最もプレス装置2と搬送装置1との干渉可能性が低い。換言すれば、かかる運転プレスモーションにおいても干渉が発生する場合は、干渉回避が不可能であり、当該運転搬送モーションは採用しえないものと判断できる。この場合、運転プレスモーション及び運転干渉モーション作成条件の設定から、再度やり直されることとなる。
この座標と、運転干渉線Rを比較することにより、角部21の座標が運転干渉線Rと干渉する場合(図7で、角部21の座標が運転干渉線Rよりも右下側に位置する場合)、又は角部21の座標が運転干渉線Rをまたいで移動する場合、干渉があると判定できる。
図1の例では、yz平面についての運転干渉線Rと上型の座標を比較しており、xz平面における干渉の有無が判定される。
これをyz平面、xy平面それぞれについて行うことにより、プレス装置2と搬送装置1の干渉の有無を判定することができる。
モーションの変更は、位相差の変更、運転プレスモーションの変更、及び運転搬送モーションの変更から選択される1つ以上により行われる。具体的には、運転搬送モーションの開始タイミング、運転搬送モーションの開始位置、運転搬送モーションの動作速度、運転プレスモーションの開始タイミング、運転プレスモーションの開始位置及び運転プレスモーションの動作速度からなる群より選択される1つ以上を変更することにより行う。
例えば、図6のモーションのうち、プレス装置2がプレスを開始するタイミングを変更すると、図6の運転干渉線Rは運転干渉線R’のようになる。
モーション調整手段7が行うモーションの変更は、上述の群から1サイクルの時間が最も短くなるパラメータを選択して変更を行う他、種々の条件を設定できる。例えば、上型と下型がワークWを挟む時間は変更しない、搬送装置1が運転干渉線R図の干渉領域外にある時点のモーションを優先的に変更する等の条件が考えられる。
これにより、加工速度及び加工精度を維持しながら、プレス装置2と搬送装置1の干渉が発生しないモーションを作成することが可能となる。
これを繰り返すことにより、簡単かつ正確に干渉の発生しない運転プレスモーション及び運転搬送モーションをモーション記録手段に記録し、トランスファプレスシステムAを用いてプレス加工を行うことができる。また、干渉の有無を判定するに当たり、基準干渉線の作成を要さず、必ずしも目視による確認を要さない。
干渉が発生しない運転プレスモーション及び運転搬送モーションが得られた場合、これらをそれぞれ実際にプレス装置2に及び搬送装置1を稼働させるための、実際運転プレスモーション及び実際運転搬送モーションとする。
すなわち、干渉線の比較により干渉の有無を判定する場合、干渉の発生が未確認な領域が存在する。
具体的には、基準となる干渉線の内側はすべて干渉の発生が未確認な領域であり、この未確認な領域に運転干渉線が侵入すれば、直ちに干渉が生じるものと判定されてしまう。例えば、図7における運転干渉線図R2は、実際のプレス装置2及び搬送装置1では干渉が発生しないものであるが、基準干渉線図Bとの比較により干渉の有無を判定すると、干渉が発生するものとして判定されてしまう。
これに対し、座標と運転干渉線Rの比較を行う場合、基準干渉線Bにおいて干渉の発生が未確認となっている領域においても、設定した運転プレスモーションと運転搬送モーションを基準に、実機を稼働させることなく干渉の有無を判定することが可能となる。
このため、簡単かつ正確な干渉の判定が可能となり、より運転干渉線Rに座標が接近する運転プレスモーション及び運転搬送モーションを採用することが可能になる。したがって、生産効率の高いモーションを採用することができる。
図5に戻り、運転プレスモーション及び運転搬送モーションから運転干渉線Rを作成する点までは、上述の干渉判定手段6を用いた判定と同様である。
基準干渉判定手段6bを用いる干渉の判定は、図5でいう点線で囲まれた部分のフローにより行われる。
基準干渉判定手段6bを用いる場合、当該搬送装置1及びプレス装置2について、干渉がないことが予め確認されている基準干渉線Bを基準干渉線記憶手段8に読み込み、記憶させる。干渉が発生しないプレス装置2の非干渉プレスモーション及び搬送装置1の非干渉搬送モーションにおいて、基準干渉線Bは角部21に対するフィンガーの先端の軌跡である。
基準干渉線記憶手段8には、上述したコンピュータのメモリーを用いることができる。
さらに、座標干渉判定手段6aを用いる場合同様、モーション記憶手段5に運転プレスモーション及び運転搬送モーションを記憶させる。
基準干渉判定手段は6bは、座標干渉判定手段6a同様に、モーション記憶手段5に記憶された運転プレスモーション及び運転搬送モーションから運転干渉線Rを作成する。
基準干渉判定手段6bは、運転干渉線R及び基準干渉線Bを比較して、基準干渉線Bにより画される干渉未確認領域と運転干渉線Rが接触する場合、例えば、図7における運転干渉線がR1又はR2であるような場合、プレス装置2と搬送装置1との干渉が発生するものと判定する。
干渉の有無の判定においては、干渉判定手段6を用いる場合と同様に、上型が上死点で静止した運転プレスモーションを用いて干渉回避が可能か否かを判別し、不可能と判別された場合は運転プレスモーション及び運転搬送モーションの作成条件の設定をやり直す。
干渉回避が可能と判別された場合、実際の運転プレスモーション及び運転搬送モーションから得られた運転干渉線Rと基準干渉線Bの比較により、干渉の有無を判別する。
基準干渉判定手段6bが干渉が発生すると判定した後は、座標干渉判定手段6aを用いる場合と同様、モーション調整手段7が運転プレスモーション及び/又は運転搬送モーションを変更し、プレス装置2と搬送装置1が干渉しない運転搬送モーションを得る。
このような場合に、基準干渉判定手段6bを用いることで当該基準干渉線Bを利用して干渉の有無を判定することが可能となり、座標の計測が不要となる。
これにより、不必要な寸法の計測や干渉線図の作成を省き、プレス加工を開始することが可能となる。
又、ワークWが小型かつ軽量であるような場合、右アーム部1b1又は左アーム部1b2のいずれか一方のみによりワークWを搬送することができる。
1・・・搬送装置
1a・・・基部
1a1・・・右基部
1a2・・・左基部
1b・・・アーム部
1b1・・・右アーム部
1b2・・・左アーム部
2、2’・・・プレス装置
21・・・角部
3・・・制御部
4・・・座標記憶手段
5・・・モーション記憶手段
6・・・干渉判定手段
6a・・・座標干渉判定手段
6b・・・基準干渉判定手段
7・・・モーション調整手段
8・・・基準干渉線記憶手段
R、R’、R1〜3・・・運転干渉線
B・・・基準干渉線
W・・・ワーク
Claims (6)
- ワークを搬送するための基部及びアーム部を有する搬送装置と、
前記ワークをプレスするためのプレス装置と、
前記搬送装置及び前記プレス装置を制御するための制御部と、を有するトランスファプレスシステムであって、
前記制御部が、前記ワークの搬送方向をx軸、前記ワークの搬送方向に直交する幅方向をy軸とし、前記x軸及び前記y軸に直交する方向をz軸とし、任意の点を原点とした場合に、前記アーム部の先端の前記x軸、前記y軸及び前記z軸の座標並びに前記プレス装置に取り付けた金型の角部の前記x軸、前記y軸及び前記z軸の座標を記憶する座標記憶手段と、
前記搬送装置の運転搬送モーション及び前記プレス装置の運転プレスモーションを記憶するモーション記憶手段と、
前記運転搬送モーション及び前記運転プレスモーションから、前記金型の角部に対する前記アーム部の先端の軌跡として作成される運転干渉線、並びに、前記運転プレスモーションから算出される前記角部の座標、を比較して干渉の有無を判定する干渉判定手段と、
該干渉判定手段が干渉があると判定した場合、前記運転搬送モーション及び/又は前記運転プレスモーションを変更するモーション調整手段と、を備えるトランスファプレスシステム。 - 前記角部が、前記運転プレスモーションにおける前記運転干渉線に対する距離が最短となる前記金型の部分である請求項1に記載のトランスファプレスシステム。
- 前記基部が右基部と左基部とからなり、
前記アーム部が右アーム部と左アーム部とからなり、
前記右アーム部は前記右基部に設けられるものであり、前記左アーム部は前記左基部に設けられるものであり、
前記右基部と前記左基部は前記プレス装置の両側に配置されるものであり、
前記右アーム部及び前記左アーム部がいずれもx軸、y軸及びz軸方向に移動可能であり、
前記右アーム部及び前記左アーム部が協働して前記ワークを両側から把持して搬送するものである請求項1又は2に記載のトランスファプレスシステム。 - 前記右アーム部及び前記左アーム部がいずれもロボットアームである請求項3記載のトランスファプレスシステム。
- 前記モーション調整手段が、
前記運転搬送モーションの開始タイミング、前記運転搬送モーションの開始位置、前記運転搬送モーションの動作速度、前記運転プレスモーションの開始タイミング、前記運転プレスモーションの開始位置及び前記運転プレスモーションの動作速度からなる群より選択される1つ以上を変更するものである請求項1〜4いずれか1項に記載のサーボトランスファプレスシステム。 - ワークを搬送するための基部及びアーム部を有する搬送装置と、
前記ワークをプレスするためのプレス装置と、
前記搬送装置及び前記プレス装置を制御するための制御部とを有するトランスファプレスシステムであって、
前記制御部が、前記アーム部の運転搬送モーション及び前記プレス装置の運転プレスモーションを記憶するモーション記憶手段と、
予め干渉がないことが確認された前記搬送装置の非干渉搬送モーション及び前記プレス装置の非干渉プレスモーションにおける、金型の角部に対する前記アーム部の先端の軌跡である基準干渉線を記憶する基準干渉線記憶手段と、
前記運転搬送モーション及び前記運転プレスモーションから前記金型の角部に対する前記アーム部の先端の軌跡として作成される運転干渉線、並びに、前記基準干渉線、を比較して干渉の有無を判定する基準干渉判定手段と、
該基準干渉判定手段が干渉があると判定した場合、前記運転搬送モーション及び/又は前記運転プレスモーションを変更するモーション調整手段と、
前記ワークの搬送方向をx軸、前記ワークの搬送方向に直交する幅方向をy軸とし、前記x軸及び前記y軸に直交する方向をz軸とし、任意の点を原点とした場合に、
前記アーム部の先端の前記x軸、前記y軸及び前記z軸方向の座標と前記プレス装置に取り付けた前記金型の角部の前記x軸、前記y軸及び前記z軸の座標を記憶する座標記憶手段と、
前記運転プレスモーションから算出される前記角部の座標及び前記運転干渉線を比較して干渉の有無を判定する座標干渉判定手段と、
を備え、
前記座標干渉判定手段又は前記基準干渉判定手段が干渉の有無を判定し、
前記モーション調整手段が、前記座標干渉判定手段又は前記基準干渉判定手段が干渉があると判定した場合に、前記運転搬送モーション及び/又は前記運転プレスモーションを変更するトランスファプレスシステム。
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