JP4516890B2 - パネル製品定義システム及びその方法 - Google Patents

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Description

この発明はパネル製品定義システム及びその方法に関し、さらに詳細には、パネル製品の各部分の形状を区分し定義し、入力データにより前記各部分の形状の位置、大きさ等を特定し前記パネル製品を再定義するパネル製品定義システム及びその方法に関する。
従来、例えば専用曲げ加工機(例えばパネルベンダ)の制御装置では、製品形状の情報を取得する。そして、前記制御装置は、取得した製品形状の情報を参照し、自動運転データの生成を行う。
ここで、パネル製品形状は一定形状のパネル製品(例えば標準フランジのみのパネル製品)である。そして、例えば切り起こしフランジ等を含む複雑なパネル製品に対しては、例えばCAD/CAMシステムによりパネル製品の形状を新たに作成し加工プログラムの作成を行っていた。
特許文献1。
特開平08−117868号公報
このような従来の方法では、以下のような問題があった。すなわち、専用曲げ加工機(例えばパネルベンダ)は、同一又は類似の製品を専用に加工する加工機であるので生産性が高い。その一方で、加工形状の制限が多く、加工できるパネル製品の種類が少ないという問題があった。
また、ユーザが手動で製品図面からプログラムを作成すると、プログラムエラーが起こりやすく、製品加工の生産性が低下するという問題があった。
さらに、加工できない部分を含む製品については汎用曲げ加工機により、初めから加工を行っているため、生産能率が悪いという問題があった。
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので請求項1に係る発明は、曲げ加工機で加工されるパネル製品の形状を定義するパネル製品定義システムにおいて、パネル製品の形状に係る所定の情報を取得する情報取得手段と、前記情報に基づき前記パネル製品の形状を定義する定義手段と、前記パネル製品の形状データを記憶するメモリとを備え、前記定義手段は、少なくとも底面形状と、前記底面の端辺から繋がる標準フランジのフランジ形状と、標準フランジの接続角度と、前記底面あるいは標準フランジから繋がる切り起こしフランジの接続位置と、この切り起こしフランジ形状と、切り起こしフランジの接続角度とによりパネル製品の形状を定義する際に、複数の製品形状のパターンを、それぞれ底面形状と、前記底面の端辺から繋がる標準フランジ形状と、前記底面あるいは標準フランジから繋がる適数の切り起こしフランジ形状とに区分しメモリに記憶しておき、取得したパネル製品の形状を定義する所定の情報を参照し、複数の製品形状パターンと区分毎に一致する形状を検索してパネル製品の形状を特定するものであり、前記パネル製品の形状に係る所定の情報は、画面から製品形状入力部を介し入力され、底面形状を基準とした標準フランジ形状を設定するためのフランジ高さと幅、及びフランジ角度の数値であると共に、切り起こしフランジ形状を設定するためのフランジ高さと幅、及びフランジ角度の数値であり、さらに、底面形状における前記標準フランジ及び前記切り起こしフランジの各位置であるパネル製品定義システム。
請求項2に係る発明は、前記定義されたパネル製品の曲げ位置と部分曲げ位置を算出する手段を備え、形状がディスプレイに表示される画面より数値入力することで、前記パネル製品の形状に係る所定の数値を読み込み、当該数値に基づき所定算出式による演算処理を実行し、前記曲げ位置情報及び部分曲げ位置情報を求める請求項1記載のパネル製品定義システムである。
請求項3に係る発明は、前記パネル製品を折り曲げ加工する曲げ加工機の数値制御を行う制御データを生成する手段を備えた請求項1又は2記載のパネル製品定義システムである。
請求項4に係る発明は、曲げ加工機で加工されるパネル製品の形状を定義するパネル製品定義方法において、パネル製品の形状に係る所定の情報を取得する情報取得工程と、前記情報に基づき前記パネル製品の形状を定義する定義工程と、前記パネル製品の形状データを記憶するメモリ工程とを含み、前記定義工程は、少なくとも底面形状と、前記底面の端辺から繋がる標準フランジのフランジ形状と、標準フランジの接続角度と、前記底面あるいは標準フランジから繋がる切り起こしフランジの接続位置と、この切り起こしフランジ形状と、切り起こしフランジの接続角度とによりパネル製品の形状を定義する際に、複数の製品形状のパターンを、それぞれ底面形状と、前記底面の端辺から繋がる標準フランジ形状と、前記底面あるいは標準フランジから繋がる適数の切り起こしフランジ形状とに区分しメモリに記憶しておき、取得したパネル製品の形状を定義する所定の情報を参照し、複数の製品形状パターンと区分毎に一致する形状を検索してパネル製品の形状を特定するものであり、前記パネル製品の形状に係る所定の情報は、画面から製品形状入力部を介し入力され、底面形状を基準とした標準フランジ形状を設定するためのフランジ高さと幅、及びフランジ角度の数値であると共に、切り起こしフランジ形状を設定するためのフランジ高さと幅、及びフランジ角度の数値であり、さらに、底面形状における前記標準フランジ及び前記切り起こしフランジの各位置であるパネル製品定義方法。
上述の如く本発明によれば、パネル製品の形状を底面と、底面の端辺から繋がる標準フランジと、底面あるいは標準フランジから繋がる切り起こしフランジにより定義することができるため複雑な形状のパネル製品を容易に定義できる。
これにより、複雑な形状の前記パネル製品の曲げ位置Yと部分曲げ金型位置を算出することができ、さらに、前記パネル製品を折り曲げ加工する折り曲げ加工機の制御データを自動で作成できパネル製品加工を行うことができる。そして、生産効率が向上するという効果がある。
本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1はパネル製品定義システム1の概略を示している。
前記パネル製品定義システム1は、コンピュータ本体3と、ディスプレイ7と、キーボード・マウス9とを備えている。
前記コンピュータ本体3は、主制御部13と、制御データメモリ19とを備えている。前記主制御部13は、製品形状定義部15と制御データ生成部17とを有している。
前記製品形状定義部15は取得したパネル製品の形状を定義する所定の情報により加工対象の製品形状を特定する(例えば、複数の製品形状のパターンを、それぞれ底面と、前記底面の端辺から繋がる標準フランジと、前記底面あるいは標準フランジから繋がる適数の切り起こしフランジとに区分しメモリに記憶しておき、取得したパネル製品の形状を定義する所定の情報を参照し、複数の製品形状パターンと区分毎に一致する形状を検索してパネル製品の形状を特定する方法がある)。
なお、パネル製品の形状を定義する所定の情報は、例えば、底面形状(幅/長さ)と、底面の端辺から繋がる標準フランジのフランジ形状(幅/長さ)と、底面に対する標準フランジの接続角度と、底面あるいは標準フランジから繋がる切り起こしフランジの接続位置と、この切り起こしフランジ形状(幅/長さ)と、底面あるいは標準フランジに対する切り起こしフランジの接続角度とのデータを含む。
前記制御データ生成部17は取得した製品形状の情報を参照し、曲げ加工機5を制御するための制御データの生成し制御データメモリ19に格納する。
制御データメモリ19に格納されている制御データに制御され曲げ加工機5がワークWに曲げ加工を行う。
ここで、前記コンピュータ本体3と、前記ディスプレイ7と、前記キーボード・マウス9が一体として数値制御装置として構成され、曲げ加工機5と接続されるものでもよい。
制御データにより制御される曲げ加工機5の構成を示す。本例でいう曲げ加工機は専用曲げ加工機(例えば、パネルベンダ)を想定している。すなわち、同一又は類似の製品のみを大量、迅速に加工するための専用曲げ加工機である。
前記曲げ加工機5は既に公知であるので概略を説明する。曲げ加工機5は、ワークWを載せるフロントテーブル21と、前記ワークWをクランプ23で把持し移動を行うマニピュレータ25、マニピュレータ25で位置決めされたワークWを固定するクランプビーム27と、固定されたワークWに対して曲げ加工を行うベンドビーム29とを備えている。そして、制御データに数値制御され所定の位置に位置決めされたワークWに曲げ加工を行う。
図2に前記ディスプレイ7に表示される画面の一例を示す。図2(a)に示すようにディスプレイ7に表示される画面からは、標準フランジを形状を設定するためにフランジ高さ、フランジ角度等を入力する。図2(b)に示すようにディスプレイ7に表示される画面からは、切り起こしフランジの形状を設定するためにフランジ高さ、フランジ角度等を入力する。これらの入力データはキーボード・マウス9、及び製品形状入力部11を介して行われる。図の例は曲げ辺3に係るボタンBTが選択されハイライト表示されている。これにより、曲げ辺3に係る形状定義を行うことができる。
図3にパネル製品の種類を示す。図3(a)を参照するに、パネル製品は、標準フランジ301aと、この標準フランジ301aの片側に切り起こしフランジ303aを有している。
図3(b)においては、パネル製品は、標準フランジ301bと、この標準フランジ301bの両側に切り起こしフランジ303b、305bを有している。
また、図3(c)では、パネル製品は、標準フランジ301cと、この標準フランジ301cの中に切り起こしフランジ303cを有している。
図3(d)では、パネル製品は第1の切り起こしフランジ301dと第2の切り起こしフランジ303dとを有している。そして、第1の切り起こしフランジ301dと、第2の切り起こしフランジ303dとの曲げ方向が逆になっている。
上述のように、パネル製品は種々の形状パターンのものがあるが、標準フランジと、切り起こしフランジとにより定義することにより複雑な形状のパネル製品に対応することができる。
なお、上述の説明では、特定のフランジの例にとって説明したが本実施例ではパネル製品が有する全てのフランジに適応されることは当然である。
図4を参照する。切り起こしフランジとワーク(パネル製品の全体の形状)との位置関係を定義するために、以下のような設定項目を設ける。
すなわち、図4(a)に示すように、切り起こしフランジの(曲げ)長さDを設定する。この切り起こしフランジの長さDは、ディスプレイ7に表示されている画面に設定され、製品形状定義部15が読み込む。
図4(b)に示すように、切り起こしフランジの位置Xを設定するには、ワークの底辺中心C1と切り起こしフランジ中心C2までの距離Bをディスプレイ7に表示されている画面に設定する。ここで、設定された距離Bは製品形状定義部15に読み込まれる。
ここで、機械にオペレータが向かった状態で切り起こし中心が右にある場合を(正の値’+’)と製品形状定義部15は定義する。また、機械に向かった状態で切り起こし中心が左にある場合を(負の値’−’)と製品形状定義部15は定義する。上記の例では負の値となる。
図4(c)を参照する。標準フランジの幅、及び位置を定義するために以下の項目を設ける。すなわち、標準フランジの(曲げ)長さEを設定するためディスプレイ7の画面に長さの数値を設定する。製品形状定義部15は上記標準フランジの長さEを読み込む。
図4(d)を参照する。標準フランジ位置Xを設定する場合である。ワークの底辺中心C1と標準フランジの中心C3までの距離Fをディスプレイ7の画面に設定する。この距離Fは製品形状定義部15に読み込まれる。
オペレータが機械に向かった状態で切り起こし中心が右にある場合を(正の値’+’)と製品形状定義部15は定義する。機械に向かった状態で切り起こし中心が左にある場合を(負の値’−’)と製品形状定義部15に定義する。上記の例では正の値となる。
図5を参照する。切り起こしフランジの種類を示す。切り起こしが繋がっているのは基準のどのフランジ(標準フランジのどの部分)かを定義するフランジ番号である。
図5(a)に示すように、一般に、パネル製品の底辺は4角形のため前後左右に辺−1、辺−2、辺−3、辺−4を有している。上記各辺にフランジ[1]〜フランジ[L]というように端面側(外側)から1〜Lの順に付番するように製品形状定義部15が定義する。そして、上記各フランジ[1]〜フランジ[L]に対して、切り起こしフランジがそれぞれ繋がる場合、フランジ[1]−切り起こしフランジ[1]−1〜切り起こしフランジ[1]−Mのように製品形状定義部15が定義する。同様にフランジ[L]−切り起こしフランジ[L]−1〜切り起こしフランジ[L]−Pのように製品形状定義部15が定義する。
例外として切り起こしフランジが底辺にN個繋がっている場合は[0]と製品形状定義部15に定義する。例えば、切り起こしフランジ[0]−1〜切り起こしフランジ[0]−Nのように定義する。
すなわち、図5(b)に示すように基準のフランジ[1]のデータがディスプレイ7から製品形状定義部15に入力された場合、切り起こしフランジ503bが基準の第1フランジ501bに繋がっているものと製品形状定義部15が判断する。
図5(c)に示すように基準のフランジ[2]のデータがディスプレイ7から製品形状定義部15に入力された場合、切り起こしフランジ503cは基準の第2フランジ501cに繋がっていると製品形状定義部15が判断する。
図5(d)に示すように基準のフランジ[0]のデータがディスプレイ7から製品形状定義部15に入力された場合、切り起こしフランジ503dがワークの底面501dに繋がっていると製品形状定義部15が判断する。
図6、及び図7を参照する。切り起こしフランジの切り起こし位置Yを定義する場合を示す。すなわち、標準フランジ先端から切り起こしフランジが繋がっている位置までの距離を標準フランジよりも外か内かを正負で表し、このデータをディスプレイ7から製品形状定義部15が読み込み認識する。
図6(a)に示すように、基準のフランジが[1]の場合(標準フランジのどの部分かを特定する)の切り起こし位置を定義している。この場合、切り起こし位置603aは負の値(−)で設定されているので基準の第1フランジ601aの内側の位置であると製品形状定義部15は定義する。
図6(b)に示すように、基準のフランジ[1]の場合の切り起こし位置を定義している。この場合、切り起こし位置603bは正の値(+)で設定されているので基準の第1フランジ601bの外側に位置すると製品形状定義部15は定義する。
図6(c)に示すように、基準フランジ[2]の場合の切り起こし位置を定義している。この場合、切り起こし位置603cは負の値(−)で設定されているので基準の第2フランジ603cの内側に位置すると製品形状定義部15は定義する。
図6(d)に示すように、基準フランジ[2]の場合の切り起こし位置を定義している。この場合、切り起こし位置603dは正の値(+)で設定されているので基準の第2フランジ601dの外側に位置すると製品形状定義部15は定義する。
図7(a)に示すように、基準フランジ[0]の場合の切り起こし位置を定義している。この場合、切り起こし位置703aは負の値(−)に設定しているので底面701aの内側に位置すると製品形状定義部15は定義する。
図7(b)に示すように、基準フランジ[0]の場合の切り起こし位置を定義している。この場合、切り起こし位置703bは正の値(+)に設定しているので、底面701bの外側に位置すると製品形状定義部15は定義する。
図8、及び図9を参照する。上述のようにディスプレイ7からの入力データを製品形状定義部15が読み込みパネル製品の形状を定義するが、以下では実際にパネル製品の形状を定義するための各寸法を設定するディスプレイ7に表示される画面の1例を説明する。
図8(a)に示すように、上述のように標準フランジが[0]の場合、標準フランジ801a、切り起こしフランジ803aを定義する。切り起こし位置XをB1寸法として定義する。切り起こし幅をD1寸法として定義する。標準フランジ幅をE寸法として定義する。標準フランジ位置XをF寸法として定義する。切り起こし位置YをC1寸法で定義する。
これらの寸法値を製品形状定義部15が読み込み、パネル製品の形状を定義する。
図8(b)に示すように、標準フランジが[0]の場合、標準フランジ801b、第1の切り起こしフランジ803b、第2の切り起こしフランジ805bを定義する。
第1の切り起こし位置XをB1寸法として定義する。第2の切り起こし位置XをB2寸法で定義する。切り起こし位置YをC1,C2寸法で定義する。
さらに、第1の切り起こし幅はD1寸法で定義する。第2の切り起こし幅はD2寸法で定義する。そして、標準フランジ幅はE寸法で定義する。標準フランジ位置XはF寸法で定義する(本例ではF=0)。これらの寸法値を製品形状定義部15が読み込みパネル製品の形状を定義する。
図9(a)を参照する。標準フランジが[2]の場合である。標準フランジ901aの中に切り起こしフランジ903aが存在する。切り起こし位置XはB1寸法で定義する。切り起こし位置YはC1寸法で定義する。切り起こし幅はD1寸法で定義する。標準フランジ幅はEで定義する。これらの寸法値を製品形状定義部15が読み込みパネル製品の形状を定義する。
図9(b)を参照する。標準フランジが[1]の場合である。標準フランジ901bと切り起こしフランジ903bとが存在する。
ここで、図中のA(例えばA1=1、A2=1)は基準とするフランジ番号を指定するものである。
第1の切り起こし位置XをB1寸法で定義する。第2の切り起こし位置XをB2寸法で定義する。第1の切り起こし位置YをC1寸法で定義する。第2の切り起こし位置YをC2寸法で定義する。第1の切り起こし幅をD1寸法で定義する。第2の切り起こし幅をD2寸法で定義する。標準フランジ幅をE寸法で定義する。標準フランジ位置XをF寸法で定義する。これらの寸法値を製品形状定義部15が読み込みパネル製品の形状を定義する。なお、上述の各寸法値は曲げ後の形状寸法を使用してもよい。
これにより、パネル製品の底面と、底面の端辺から繋がる標準フランジと、底面あるいは標準フランジから繋がる切り起こしフランジにより、パネル製品の形状を製品形状定義部15が認識することができる。
上記の方法で、部分曲げを含むワークの形状をCADデータ無しでディスプレイ7に表示される画面より数値入力することで、NC内部の演算処理により、ワークの曲げ位置(Y軸位置決め情報)、部分曲げ金型位置(SA軸位置決め情報)が演算可能になる他に、その他マテハンの際のワーク形状認識が可能となり、ワーク、機械の干渉回避が可能になる。以下に詳細に説明する。
図10を参照する。パネル製品の形状が定義された後に、制御データ生成部17が使用曲げ金型を特定する処理の動作を示す。
初めに、ステップS1001では、パネル製品の曲げ位置Yの算出を行う。
ステップS1003では、曲げ順の決定を行う。
ステップS1005では、使用曲げ金型の選択が行われる。例えば、金型の全長、部分曲げ金型の選択が行われる。
ステップS1007では、選択された金型は部分曲げ金型かどうかの判断を行う。ステップS1007の判断で選択された金型が部分曲げ金型と判断されたとき処理はステップS1009に進む。選択された金型が部分曲げ金型でないと判断したとき処理は終了する。
ステップS1009では、部分曲げ金型位置、部分曲げ金型の長さの決定が行われる。
以下の上述の各ステップの詳細について以下に詳細に説明する。
図11に曲げ位置の算出例を示す。図11(a)、(b)を参照するに、パネル製品の標準フランジが[0]の場合である。制御データ生成部17は、切り起こし位置XのB1寸法値、切り起こし位置YのC1寸法値を読み込む。そして、切り起こし幅のD1寸法値、標準フランジ幅のE寸法値、標準フランジ位置XのF寸法値、底辺のY寸法値を読み込む。
図11(c)に示すように、制御データ生成部17は、標準フランジの高さ(曲げ位置)H1L、H2L値、及び切り起こしフランジの高さ(曲げ位置)PH1L、PH2Lを読み込む。ここで、展開した形状の寸法ではなく出来上がり寸法でもよい。
なお、曲げ加工機の機種はバックゲージではなく、ワークをクランプするマニピュレータにより曲げ位置への位置決めを行っているのでワーク底辺中心からの距離が重要になる。
曲げ位置の算出方法を説明する。
標準フランジの場合、制御データ生成部17は、展開長=H1L+H2L+Y/2を算出する。ここで、各曲げの「伸び」等の調整値を加減することが望ましい。
さらに、制御データ生成部17は、H1曲げの位置=H2L+Y/2を算出し、H2曲げ位置=Y/2を算出する。
切り起こしの場合、制御データ生成部17は、展開長=PH1L+PH2L+C1+Y/2を算出する。そして、PH1曲げ位置=PH2L+C1+Y/2を算出する。さらに、PH2曲げ位置=C1+Y/2を算出する。
これにより、標準フランジと切り起こしフランジとの曲げ位置が決まる。
曲げ順の決定について説明する。制御データ生成部17は求められた全ての曲げ位置Yを値の大きな順に並べ替え曲げ順を決定する(ワーク端から加工する場合を想定する)。
初めに、図11(c)に示すように、制御データ生成部17は、H1曲げ位置、H2曲げ位置、PH1曲げ位置、PH2曲げ位置の順の場合、H1曲げ位置、PH1曲げ位置、PH2曲げ位置、H2曲げ位置の順番で加工するよう並べ替える。
図12を参照し、使用曲げ金型の選択について説明する。
曲げ金型には、全長を曲げるための曲げ金型と、部分曲げ金型の2種類を想定する。前記金型の何れかの金型を使用するかを判断する。
パネルベンダは、X軸方向にワークを位置決めする軸は保有しておらず、通常はワークの中心(正確には、ワーク底面中心)を機械センターに合わせて曲げ加工を行う。
この場合に、対象とする曲げ線の両端方向に障害となるフランジが存在しない場合には、金型長さが曲げ長さより長ければ、その加工において問題が発生しない。これは、部分曲げ金型を用いない通常の加工に該当する(これを通常曲げという)。
しかし、形状が複雑になり、対象曲げ線の両端方向あるいは、片側方向に障害となるフランジが存在する場合があり、このとき部分曲げ金型を使用する(これを部分曲げ金型という)。すなわち、部分曲げ金型は、金型長さの片端あるいは両端の位置がワーク形状により拘束される場合に使用されるものである。
図12(a)に示すように、制御データ生成部17は、各曲げ位置に対して以下の判断を行う。すなわち、曲げ位置は切り起こし展開長より長いかどうかの判断を行う(曲げ位置H1>切り起こしフランジ展開長PH1)。
上述では、標準フランジを例にしたが、図12(b)に示すように制御データ生成部17は、切り起こしフランジは標準フランジの中に存在する場合、曲げ位置が標準最終曲げ位置より短いかどうかの判断を行う(曲げ位置H2<標準最終曲げ位置PH2)。
これらの条件を満たす場合、全長の金型を使用する。これ以外の場合、部分曲げ金型を使用する。
なお、上述では標準フランジを例にしたが、切り起こしフランジの場合、曲げ位置>標準フランジ展開長、曲げ位置<標準最終曲げ位置となる。
図13(a)、(b)を参照する。曲げ位置のみで判断できない場合を示す。この場合、制御データ生成部17は、フランジ幅E1、底辺寸法E2等で判断する。
図14は曲げ位置のみで判断できない場合の金型選択の動作を示す。
初めに、ステップS1401では、制御データ生成部17が曲げ位置が切り起こし展開長より長いかどうかの判断を行う。切り起こし展開長より短いと判断したとき処理はステップS1403に進む。切り起こし展開長より長いと判断したとき処理はステップS1407に進む。
ステップS1403では、制御データ生成部17が曲げ位置が切り起こし最終展開長より短いかどうかを判断する。曲げ位置が切り起こし最終展開長より短いと判断したとき処理がステップS1405に進む。曲げ位置が切り起し最終曲げ位置より長いと判断したとき処理はステップS1409に進む。
ステップS1405では、制御データ生成部17がフランジ幅E1と底辺寸法E2が同一の長さかどうかを判断する(許容誤差は同一とする)。同一と判断したとき処理はステップS1407に進む。同一でないと判断したとき処理はステップS1409に進む。
ステップS1407では全長金型と判断する。ステップS1409では、部分曲げ金型と判断する。
図15を参照する。部分曲げ金型位置(横方向)の計算を説明する。部分曲げの場合、制御データ生成部17は、軸で動作する部分曲げ金型に位置と必要な部分曲げ金型の長さを計算する(部分曲げ金型の変更は手段取りを含む)。
制御データ生成部17は、部分曲げ金型位置は機械センター位置を’0’とし、左右に’+’あるいは’−’の位置座標を持っていると定義する。部分曲げ金型の位置決め標準はそれぞれ内側(機械中心に近い位置)と定義する。
図15(a)に示すように、制御データ生成部17は、B1が0より大きい(0<B1)場合:部分曲げ金型目標位置=部分曲げ位置X(’0’からの+方向へのB1寸法位置)−D1/2を算出する。また、B1が0より小さい場合(B1<0):部分曲げ金型目標位置=部分曲げ位置X(’0’から−方向へのB1寸法位置)+D1/2を算出する。なお、1505a、1507aはそれぞれ金型である。
図15(b)を参照する。上述の説明では左の切り起こしを左の金型で、右の切り起こしは右の金型で曲げることを想定している。一方、逆の場合は以下に説明するように、金型長さを考慮する必要がある。
制御データ生成部17は、B1が0より大きく(0<B1)右の切り起こしを左の金型で曲げる場合:部分曲げ金型目標=B1−D1/2+左部分曲げ金型長さを算出する。なお、1505b、1507bはそれぞれ金型である。
図15(c)を参照する。制御データ生成部17は、オフセット加工で機械中心とワーク底辺中心がずれている場合、そのオフセット量OSを考慮する。すなわち、部分曲げ金型目標=オフセット量OS+部分曲げ位置X(’0’からの+方向へのB1寸法位置)+D1/2を算出する。なお、1507cは金型である。
図16を参照する。部分曲げ金型長さは図16(a)に示すように、制御データ生成部17は、曲げフランジ幅W1が底辺寸法より小さい(曲げフランジ幅W1<底辺寸法)の場合、曲げフランジ幅W1=部分曲げ金型長さを算出する。
図16(b)に示すように、制御データ生成部17は、曲げフランジが底辺端に接している場合は、曲げフランジ幅より部分曲げ金型長さW2が大きい(曲げフランジ幅<部分曲げ金型長さW2)ように設定する。
すなわち、図17に示すように、ステップS1701では、制御データ生成部17は、−(底辺寸法/2)<(曲げ位置X−曲げ幅/2)、かつ、(曲げ位置X+曲げ幅/2)<(底辺寸法/2)の条件を満たしているかどうかを判断する。この条件を満たしていると判断したとき処理はステップS1705に進む。条件を満たしていないと判断したとき処理はステップS1703に進む。
ステップS1703では、制御データ生成部17は、曲げ幅は部分曲げ金型長さより小さく設定する(曲げ幅<部分曲げ金型長さ)。
ステップS1705では、制御データ生成部17は、曲げ幅は部分曲げ金型長さと同一(許容誤差を含む)に設定する(曲げ幅=部分曲げ金型長さ)。
なお、本発明は、上述した実施の態様の例に限定されることなく、適宜の変更を加えることにより、その他の態様で実施できるものである。
パネル製品定義システムの概略を説明する概略図である。 (a)、(b)はディスプレイに表示される画面を説明する説明図である。 (a)〜(d)はパネル製品の種類を説明する説明図である。 (a)〜(d)はパネル製品の形状の定義を説明する説明図である。 (a)〜(d)は切り起こしの種類を説明する説明図である。 (a)〜(d)は切り起こし定義方法を説明する説明図である。 (a)、(b)は切り起こし定義方法を説明する説明図である。 (a)、(b)はパネル製品の種類毎の形状定義を説明する説明図である。 (a)、(b)はパネル製品の種類毎の形状定義を説明する説明図である。 ワーク形状より加工制御の決定を説明するフローチャートである。 (a)〜(c)は曲げ位置・曲げ順の決定を説明する説明図である。 (a)、(b)は使用金型の決定を説明する説明図である。 (a)、(b)は使用金型の決定を説明する説明図である。 使用金型を決定する動作を説明するフローチャートである。 (a)〜(c)は部分曲げ金型の位置の決定を説明する説明図である。 (a)、(b)は部分金型長さの決定を説明する説明図である。 部分曲げ金型決定の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 パネル製品定義システム
3 コンピュータ本体
5 曲げ加工機
7 ディスプレイ
9 キーボード・マウス
13 主制御部
15 製品形状定義部
17 制御データ生成部
19 制御データメモリ
21 フロントテーブル
23 クランプ
25 マニピュレータ
27 クランプビーム
29 ベンドビーム

Claims (4)

  1. 曲げ加工機で加工されるパネル製品の形状を定義するパネル製品定義システムにおいて、
    パネル製品の形状に係る所定の情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報に基づき前記パネル製品の形状を定義する定義手段と、
    前記パネル製品の形状データを記憶するメモリとを備え、
    前記定義手段は、少なくとも底面形状と、前記底面の端辺から繋がる標準フランジのフランジ形状と、標準フランジの接続角度と、前記底面あるいは標準フランジから繋がる切り起こしフランジの接続位置と、この切り起こしフランジ形状と、切り起こしフランジの接続角度とによりパネル製品の形状を定義する際に、複数の製品形状のパターンを、それぞれ底面形状と、前記底面の端辺から繋がる標準フランジ形状と、前記底面あるいは標準フランジから繋がる適数の切り起こしフランジ形状とに区分しメモリに記憶しておき、取得したパネル製品の形状を定義する所定の情報を参照し、複数の製品形状パターンと区分毎に一致する形状を検索してパネル製品の形状を特定するものであり、
    前記パネル製品の形状に係る所定の情報は、画面から製品形状入力部を介し入力され、底面形状を基準とした標準フランジ形状を設定するためのフランジ高さと幅、及びフランジ角度の数値であると共に、切り起こしフランジ形状を設定するためのフランジ高さと幅、及びフランジ角度の数値であり、さらに、底面形状における前記標準フランジ及び前記切り起こしフランジの各位置であることを特徴とするパネル製品定義システム。
  2. 前記定義されたパネル製品の曲げ位置と部分曲げ位置を算出する手段を備え、形状がディスプレイに表示される画面より数値入力することで、前記パネル製品の形状に係る所定の数値を読み込み、当該数値に基づき所定算出式による演算処理を実行し、曲げ位置情報及び部分曲げ位置情報を求めることを特徴とする請求項1記載のパネル製品定義システム。
  3. 前記パネル製品を折り曲げ加工する曲げ加工機の数値制御を行う制御データを生成する手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のパネル製品定義システム。
  4. 曲げ加工機で加工されるパネル製品の形状を定義するパネル製品定義方法において、
    パネル製品の形状に係る所定の情報を取得する情報取得工程と、
    前記情報に基づき前記パネル製品の形状を定義する定義工程と、
    前記パネル製品の形状データを記憶するメモリ工程とを含み、
    前記定義工程は、少なくとも底面形状と、前記底面の端辺から繋がる標準フランジのフランジ形状と、標準フランジの接続角度と、前記底面あるいは標準フランジから繋がる切り起こしフランジの接続位置と、この切り起こしフランジ形状と、切り起こしフランジの接続角度とによりパネル製品の形状を定義する際に、複数の製品形状のパターンを、それぞれ底面形状と、前記底面の端辺から繋がる標準フランジ形状と、前記底面あるいは標準フランジから繋がる適数の切り起こしフランジ形状とに区分しメモリに記憶しておき、取得したパネル製品の形状を定義する所定の情報を参照し、複数の製品形状パターンと区分毎に一致する形状を検索してパネル製品の形状を特定するものであり、
    前記パネル製品の形状に係る所定の情報は、画面から製品形状入力部を介し入力され、底面形状を基準とした標準フランジ形状を設定するためのフランジ高さと幅、及びフランジ角度の数値であると共に、切り起こしフランジ形状を設定するためのフランジ高さと幅、及びフランジ角度の数値であり、さらに、底面形状における前記標準フランジ及び前記切り起こしフランジの各位置であることを特徴とするパネル製品定義方法。
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