以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像読取装置および画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像読取装置を備えた画像形成装置の全体構成を説明する構成説明図である。図1の画像形成装置10は、デジタル複合機に用いた例を示したもので、大別すると画像読取部20、システムコントローラ30、画像形成部70などを備え、システムコントローラ30には、操作表示部40、FAX部50、I/F部60が接続されている。
画像読取部20は、原稿の表面と裏面を読取ることができる両面読取手段としての両面読取機構を備えている。この両面読取機構は、原稿21の表面(ここでは、図の下側の面)を原稿台22に沿って可動な露光ランプ23を副走査方向に移動させてスキャン露光を行い、その反射光をミラー24a,24b,24cで反射させ、CCD(イメージセンサ)25によって光電変換を行い、光の強弱に応じた電気信号とする。IPU(イメージプロセッシングユニット)26は、CCD25からの電気信号に対してシェーディング補正を行い、アナログ/デジタル変換(A/D変換)を行うことにより8ビットのデジタル信号とする。IPU26は、さらに変倍処理、ディザ処理等の画像処理を行った画像信号を、画像同期信号と共に後述するシステムコントローラ30に送られる。
また、原稿21の裏面(ここでは、図の上側の面)に沿って、裏面用のランプ22を副走査方向に移動させてスキャン露光を行い、裏面で反射した反射光をコンタクトイメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor)28上に結像させる。このCIS28からの電気信号も上記と同様にIPU26内で画像処理を行った画像信号を、画像同期信号と共にシステムコントローラ30に送られる。
上記したように、図1では、原稿台22上の原稿21に対して読取機構側を移動させて、画像の読取りを行っているが、両面読取機構を原稿の搬送路の途中に配置し、原稿を一度搬送する間に両面画像を読取る機構としても良い。また、画像読取部20における原稿サイズ比較手段としての原稿サイズ検知部19は、読取り対象の原稿サイズを検知し、これと両面読取機構で読取った両面の画像データをフレームごとに記憶する一次記憶手段としてのフレームメモリ(図9のDRAM305など)に記憶可能な最大の原稿サイズとを比較し、読取り対象の原稿サイズの方が大きい場合にスキャナ制御部29に通知を行う。これは、読取り対象の原稿が、両面読取り可能な原稿サイズか否かを判別するものである。さらに、スキャナ制御部29は、画像読取部20の読取りプロセスを実行するため、各センサからの検知データを取得して、各駆動部に対して駆動制御を行うと共に、IPU26に対して各種パラメータの設定等を行うものである。
続いて、図1のシステムコントローラ30は、制御手段としてのシステム制御部33、一次記憶手段を含む記憶部32、セレクタ部31などを備えており、FAX部50、I/F部60、表示手段、入力手段、および設定動作指定手段としての操作表示部40との間で画像データや制御信号等のやり取りが行われる。
システム制御部33は、オペレータによる操作表示部40への入力状態を検知し、画像読取部20、記憶部32、画像形成部70、FAX部50、I/F部60への各種パラメータの設定やプロセス実行指示等を通信にて行うものである。また、システム制御部33は、システム全体の状態を操作表示部40にて表示し、システム制御部33への指示は、オペレータが操作表示部40のキー入力によりなされる。
記憶部32は、通常はIPU26から入力される原稿の画像データを記憶するところで、リピートコピー、回転コピー等の複写アプリケーションに使用される。また、記憶部32は、FAX部50からの二値画像データを一時記憶させるバッファメモリとしても使用される。さらに、記憶部32は、画像読取部20や画像形成部70の固有情報を記憶する手段としても使用される。これら記憶部32に対するデータ記憶の指示は、システム制御部33によってなされる。
セレクタ部31は、システム制御部33からの指示により、セレクタの状態を変化させて、画像形成を行う画像データのソースを、画像形成部70、記憶部32、FAX部50、I/F部60の何れかを選択して、送出するようにする。
FAX部50は、システム制御部33からの指示によって、送られてきた画像データをG3、G4FAXのデータ転送規定に基づいて二値圧縮を行い、電話回線へ転送する。また、電話回線よりFAX部50に転送されてきたデータは、復元されて二値の画像データとし、画像形成部70の書込部71へ送って、顕像化される。
I/F部60は、システム制御部33からの指示によって、記憶部32のデータを外部へ送信したり、外部から受信して記憶部32へ格納したりする。また、I/F部60は、システム制御部33からの指示により、コマンドを送受信したりする。
続いて、図1の画像形成部70は、画像読取部20で読取った画像データに基づいて画像の書込みを行う書込部71、画像形成部70を制御するプロッタ制御部72、形成した画像を転写紙に転写する後述の転写機構などで構成されている。この転写機構は、帯電チャージャ74によって一様に帯電された一定回転する感光体75を、書込部71からの画像データによって変調されたレーザ光により露光する。露光によって感光体75に静電潜像が形成され、それを現像装置76によってトナーで現像することにより、顕像化されたトナー像となる。
このトナー像が転写される転写紙は、給紙トレイ73に収納されていて、給紙コロ77によって給紙トレイ73より給紙搬送され、レジストローラ78で待機していた転写紙を感光体75とタイミングを図りながら転写位置へ搬送する。転写紙は、転写チャージャ79によって感光体75上に形成されたトナー像が静電転写され、分離チャージャ80によって感光体より分離される。その後、転写紙上に転写されたトナー像は、定着装置81により加熱定着されて、排紙ローラ82により排紙トレイ83に排紙される。一方、静電転写後の感光体75に残留したトナー像は、クリーニング装置84を感光体75に圧接することにより除去し、除電チャージャ85によって感光体75上の静電気が除電される。画像形成部70のプロッタ制御部72は、以上の画像形成プロセスを実行するため、各種センサから検知情報を取得し、駆動モータ等を制御している。
図2は、図1の画像読取部における原稿と原稿台とを上方から見た平面図である。図2に示すように、原稿台22上の原稿21の画像読取りは、主走査方向の読取り動作を繰り返しながら、読取り位置を副走査方向に移動させることによって、原稿21の全面の画像を読取ることができる。
図3は、図1の画像読取部のIPUより出力される信号波形図である。図3の一番上のフレームゲート信号(/FGATE)は、図2の副走査方向の画像エリアに対する画像有効範囲を表す信号であり、この信号がローレベル(ローアクティブ)の間の画像データが有効とされる。また、このフレームゲート信号(/FGATE)は、二番目のライン同期信号(/LSYNC)の立ち下がりエッジでアサート、あるいはネゲートされる。このライン同期信号(/LSYNC)は、三番目の画像同期信号(PCLK)の立ち上がりエッジで所定クロック数だけアサートされ、この信号の立ち上がり後、所定クロック後に主走査方向の画像データが有効とされる。送られてくる画像データは、画像同期信号(PCLK)の1周期に対して1つであり、図2の黒三角部分より400dpi相当に分割されたものである。画像データは、図2の黒三角部分を先頭に、ラスタ形式のデータとして送出される。また、画像データの副走査有効範囲は、通常、転写紙サイズによって決まる。
図4は、図1のシステムコントローラの記憶部内の構成ブロック図である。記憶部32は、記憶データ量検出手段としての画像入出力部(DMAC)321、一次記憶手段としての画像メモリ322、メモリ制御部323、画像転送部(DMAC)324、符号転送部(DMAC)325、圧縮伸張器326、HDDコントローラ327、およびHD328などで構成されている。
画像入出力部(DMAC)321は、CPUおよびロジックで構成されており、メモリ制御部323と通信を行ってコマンドを受信し、そのコマンドに応じた動作設定を行うと共に、自身の状態を知らせるためのステータス情報を送信する。画像入力のコマンドを受けた場合は、入力画像データを入力画像同期信号に従って8画素単位のメモリデータとしてパッキングし、メモリ制御部323に対してメモリアクセス信号と共に随時出力する。画像出力のコマンドを受けた場合は、メモリ制御部323からの画像データを出力画像同期信号に同期させて出力する。
画像メモリ322は、画像データを記憶するところであり、DRAM等の半導体記憶素子で構成されている。このメモリ量の合計は、ここでは400dpiの場合に、二値画像データのA3サイズ分の4MBと、電子ソート蓄積用のメモリ4MB、データ転送用ワーク領域6MB、画像データ管理領域2MBの合計16MBとしている。この画像メモリ322に対する読出し制御と書込み制御は、メモリ制御部323によって行われる。
メモリ制御部323は、CPUおよびロジックで構成されており、システム制御部33と通信を行ってコマンドを受信し、そのコマンドに応じた動作設定を行うと共に、画像メモリ322の状態を知らせるためのステータス情報を送信する。システム制御部33からメモリ制御部323が受信する動作コマンドには、画像入力、画像出力、圧縮、伸張等があり、画像入力、画像出力のコマンドは画像入出力部(DMAC)321に、圧縮関連のコマンドは画像転送部(DMAC)324、符号転送部(DMAC)325、および圧縮伸張器326に送信される。
画像転送部(DMAC)324は、CPUおよびロジックで構成されており、メモリ制御部323と通信を行ってコマンドを受信し、そのコマンドに応じた動作設定を行うと共に、自身の状態を知らせるためのステータス情報を送信する。画像転送部(DMAC)324が圧縮のコマンドを受信した場合は、メモリ制御部323にメモリアクセス要求信号を出力し、メモリアクセス許可信号がアクティブの場合に画像データを受け取って圧縮伸張器326に転送する。また、メモリアクセス要求信号に応じてカウントアップするアドレスカウンタを内蔵しており、画像データが格納される格納場所を示す22ビットのメモリアドレスを出力する。
符号転送部(DMAC)325は、CPUおよびロジックで構成されており、メモリ制御部323と通信を行ってコマンドを受信し、そのコマンドに応じた動作設定を行うと共に、自身の状態を知らせるためのステータス情報を送信する。符号転送部(DMAC)325が伸張のコマンドを受けた場合は、メモリ制御部323に対してメモリアクセス要求信号を出力し、メモリアクセス許可信号がアクティブの場合に画像データを受け取って圧縮伸張器326に転送する。また、メモリアクセス要求信号に応じてカウントアップするアドレスカウンタを内蔵しており、画像データが格納される格納場所を示す22ビットのメモリアドレスを出力する。DMAC(Direct Memory Access Controller)におけるディスクリプタアクセス動作については後述する。
圧縮伸張器326は、CPUおよびロジックで構成されており、メモリ制御部323と通信を行ってコマンドを受信し、そのコマンドに応じた動作設定を行うと共に、自身の状態を知らせるためのステータス情報を送信する。また、二値データをMH符号化方法にて処理する。
HDDコントローラ327は、CPUおよびロジックで構成されており、メモリ制御部323と通信を行ってコマンドを受信し、そのコマンドに応じた動作設定を行うと共に、自身の状態を知らせるためのステータス情報を送信する。また、HDDコントローラ327は、HD328のステータスの読み出し、あるいはデータ転送などを行う。HD328は、2次記憶装置であるハードディスクのことである。
図5は、図4のメモリ制御部の詳細構成を説明するブロック図である。図5のメモリ制御部323は、入出力画像アドレスカウンタ部3231、転送画像アドレスカウンタ部3232、ライン設定部3233、差分算出部3234、差分比較部3235、アドレスセレクタ部3236、アービタ部3237、要求マスク部3238、およびアクセス制御回路3239などで構成されている。
入出力画像アドレスカウンタ部3231は、入出力メモリアクセス要求信号に応じてカウントアップするアドレスカウンタであり、入出力画像データが格納される格納場所を示す22ビットのメモリアドレスを出力する。メモリアクセス開始時にアドレスはいったん初期化される。
転送画像アドレスカウンタ部3232は、転送メモリアクセス許可信号に応じてカウントアップするアドレスカウンタであり、転送画像データが格納される格納場所を示す22ビットのメモリアドレスを出力する。メモリアクセス開始時にいったんアドレスは初期化される。
ライン設定部3233は、画像入力時のバッファとして半導体メモリを使用する場合の差分比較部3235で、差分算出部3234から出力された入力処理ラインと転送ラインの差分結果とを比較する値をシステム制御部33から設定するものである。任意の値を設定することが可能である。
差分算出部3234は、画像入力時に圧縮伸張器326が出力する転送処理ライン数から画像入出力部(DMAC)321が出力する入出力処理ライン数を減算し、その結果を差分比較部3235に出力するものである。
差分比較部3235は、画像入力時に差分算出部3234が出力する差分ライン数と、ライン設定部3233が出力する設定値とを大小比較し、差分ライン数=設定値の場合はエラー信号を出力し、差分ライン数=0の場合はアービタ部3237に出力する比較結果の転送要求マスク信号をアクティブとする。また、上記以外の場合、または入出力画像が動作中でない状態では、アクティブを出力しない。
アドレスセレクタ部3236は、アービタ部3237により選択されるセレクタであって、入力画像または転送画像のアドレスのどちらが選択される。
アービタ部3237は、圧縮伸張器326のアクセスのための転送メモリアクセス許可信号を出力するものである。アドレス比較信号がアクティブで、入出力メモリアクセス要求信号が非アクティブの条件の場合に、転送メモリアクセス許可信号を出力する。
要求マスク部3238は、処理ライン数比較器からの比較結果にて圧縮伸張器326のアクセスのための転送メモリアクセス要求信号をマスク(ディスイネーブル状態にすること)し、転送処理を停止させるものである。
アクセス制御回路3239は、入力される物理アドレスを半導体メモリであるDRAMに対応したロウアドレス、カラムアドレスに分割し、11ビットのアドレスバスに出力するものである。また、アービタ部3237からのアクセス開始信号に従って、DRAM制御信号(RAS、CAS、WE)を出力する。
このように、システムコントローラ30の記憶部32は、図4に示すように構成されており、図4の記憶部32のメモリ制御部323は、さらに図5に示すように構成されている。すなわち、記憶部32の全体動作は、画像入力およびデータ蓄積に関し、システム制御部33からの指示により画像データを画像メモリ322の所定の画像領域に画像転送部(DMAC)324により書き込んだり、読み出したりする。このとき、画像転送部(DMAC)324では、画像ライン数をカウントしている。
また、図4の記憶部32のメモリ制御部323は、システム制御部33からの画像入力指示によって初期化され、画像データの待ち状態となって、画像読取部20が動作することにより記憶部32に画像データが入力される。
記憶部32に入力された画像データは、一旦半導体メモリに書き込まれる。この半導体メモリに書き込まれた画像データの処理ライン数は、記憶部32の画像入出力部(DMAC)321で計数され、メモリ制御部323へ入力される。記憶部32の圧縮伸張器326は、画像転送のコマンドを受けて転送メモリアクセス要求信号をメモリ制御部323へ出力するが、メモリ制御部323の要求マスク部3238で要求信号がマスクされるため、実際のメモリアクセスは行われていない。画像入出力部(DMAC)321からの入力データが1ライン終了すると、転送メモリアクセス要求信号のマスクが解除され、半導体メモリの読み出しが行われて、画像データの圧縮伸張器326への転送動作が開始される。また、動作中も差分算出部3234で2つの処理ライン数の差を算出し、差が「0」となればアドレスの追い越しがないように転送メモリアクセス要求信号にマスクをかける。
図6は、第1の実施の形態にかかる画像読取装置を用いた画像形成装置のソフトウェア構成図である。ここでは、画像形成装置10として、プリンタ、コピー、ファクシミリおよびスキャナなどの各装置の機能を1つの筐体内に収納した複合機を用いている。画像形成装置10は、図6に示すように、ソフトウェア群100と、複合機起動部180と、スキャナやファクシミリなどのハードウェアリソース171、白黒レーザプリンタ(B&W LP)172、カラーレーザプリンタ(Color LP)173を含むハードウェア資源170とを備えている。
ソフトウェア群100は、アプリケーション層110と、プラットフォーム140とを有している。複合機10は、各アプリケーションで共通的に必要な処理をプラットフォーム140で一元的に処理することができる。
アプリケーション層110は、プリンタ、コピー、ファックスおよびスキャナなどの画像形成にかかるユーザサービスにそれぞれ固有の処理を行うプログラムを有している。アプリケーション層110は、ページ記述言語(PDL)、PCLおよびホストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ111と、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ112と、ファックス用アプリケーションであるファックスアプリ113と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ114とを有している。
プラットフォーム140は、アプリケーション110からの処理要求を解釈してハードウェア資源170の獲得要求を発生するコントロールサービス層120と、1つ以上のハードウェア資源170の管理を行ってコントロールサービス120からの獲得要求を調停するSRM(システムリソースマネージャ)129と、SRM129からの獲得要求に応じてハードウェア資源170の管理を行うハンドラ層130と、汎用OSとを有している。
コントロールサービス層120は、複数のサービスモジュールから構成されており、NCS(ネットワークコントロールサービス)121と、DCS(デリバリーコントロールサービス)122と、OCS(オペレーションパネルコントロールサービス)123、FCS(ファックスコントロールサービス)124、ECS(エンジンコントロールサービス)125、MCS(メモリコントロールサービス)126、UCS(ユーザインフォメーションコントロールサービス)127、SCS(システムコントロールサービス)128などから構成されている。なお、プラットフォーム140は、予め定義されている関数により、アプリケーション110からの処理要求を受信可能とするAPI150を有している。
OSは、UNIX(登録商標)などの汎用オペレーティングシステムであり、アプリケーション層110およびプラットフォーム140の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。
NCS121のプロセスは、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供するものであり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分けたり、各アプリケーションからのデータをネットワーク側に送信する際の仲介を行ったりする。
例えばNCS121は、ネットワークを介して接続されるネットワーク機器とのデータ通信をhttpd(HyperText Transfer Protocol Daemon)により、HTTP(HyperText Transfer Protocol)で制御する。
DCS122のプロセスは、蓄積文書の配信などの制御を行う。OCS123のプロセスは、オペレータと本体制御との間の情報伝達手段となるオペレーションパネルの制御を行う。FCS124のプロセスは、アプリケーション層110からPSTNまたはISDN網を利用したファックス送受信、バックアップ用のメモリで管理されている各種ファックスデータの登録/引用、ファックス読み取り、ファックス受信印刷などを行うためのAPIを提供する。
ECS125のプロセスは、ハードウェアリソース171、白黒レーザプリンタ172、カラーレーザプリンタ173などのエンジン部の制御を行う。MCS126のプロセスは、メモリの取得および開放、HDDの利用などのメモリ制御を行う。UCS127は、ユーザ情報の管理を行うものである。
SCS128のプロセスは、アプリケーション管理、操作部制御、システム画面表示、LED表示、ハードウェアリソース管理、割り込みアプリケーション制御などの処理を行う。
SRM129のプロセスは、SCS128と共にシステムの制御およびハードウェア資源170の管理を行うものである。例えばSRM129のプロセスは、白黒レーザプリンタ172やカラーレーザプリンタ173などのハードウェア資源170を利用する上位層からの獲得要求に従って調停を行い、実行制御する。
具体的には、SRM129のプロセスは獲得要求されたハードウェア資源170が利用可能であるか(他の獲得要求により利用されていないかどうか)を判定し、利用可能であれば獲得要求されたハードウェア資源170が利用可能である旨を上位層に通知する。また、SRM129のプロセスは上位層からの獲得要求に対してハードウェア資源170を利用するためのスケジューリングを行い、要求内容(例えば、プリンタエンジンによる紙搬送と作像動作、メモリ確保、ファイル生成など)を直接実施している。
ハンドラ層130は、後述するFCU(ファックスコントロールユニット)の管理を行うFCUH(ファックスコントロールユニットハンドラ)131と、プロセスに対するメモリの割り振り及びプロセスに割り振ったメモリの管理を行うIMH(イメージメモリハンドラ)132とを有している。SRM129およびFCUH131は、予め定義されている関数によりハードウェア資源170に対する処理要求を送信可能とするエンジンI/F160を利用して、ハードウェア資源170に対する処理要求を行う。
複合機起動部180は、画像形成装置10である複合機の電源投入時に最初に実行され、アプリケーション層110およびプラットフォーム140を起動する。例えば、複合機起動部180は、アプリケーション層110およびプラットフォーム140のプログラムを、HDD208(図7参照)などから読み出し、読み出した各プログラムをMEM−P202(図7参照)のメモリ領域に転送して起動する。
図7は、図6の画像形成装置のハードウェア構成図である。画像形成装置としての複合機は、コントローラボード200と、オペレーションパネル210と、PCIバスと、FCU220と、USBデバイス230と、IEEE1394デバイス240と、両面読取手段としてのエンジン部{スキャナエンジン(「画像読取装置」ともいう)、プリンタエンジン)}250とを備えている。
コントローラボード200は、制御手段としてのCPU201と、MEM−P(システムメモリ)202と、NB(ノースブリッジ)203と、SB(サウスブリッジ)204と、ASIC205と、一次記憶手段としてのMEM−C(ローカルメモリ:一次記憶部)207と、二次記憶手段としてのHDD(二次記憶部)208とを備えている。
CPU201は、NB203を介して、MEM−P(システムメモリ)202およびASIC206と接続されている。このように、NB203を介してCPU201とASIC20とを接続することにより、CPU201のインタフェースが公開されていない場合にも対応可能となっている。また、ASIC206とNB203とは、AGP(Accelerated Graphics Port)205を介して接続されている。このように、図1のアプリケーション層5やプラットフォーム6を形成する一つ以上のプロセスを実行制御するため、ASIC206とNB203とを低速のPCIバスでなくAGP205を介して接続し、パフォーマンスの低下を防いでいる。
CPU201は、複合機全体を制御するものである。CPU201は、図6のNCS121、DC122、OCS123、FCS124、ECS125、MCS126、UCS127、SCS128、SRM129、IMH130およびFCUH131をOS上にそれぞれプロセスとして起動して実行させると共に、アプリケーション層110を形成するプリンタアプリ111、コピーアプリ112、ファックスアプリ113、スキャナアプリ114を起動して実行させる。
NB203は、CPU201、MEM−P(システムメモリ)202、SB204およびASIC206を接続するためのブリッジである。MEM−P(システムメモリ)202は、複合機100の描画用メモリなどとして用いるメモリである。SB204は、NB203とROM、PCIバス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。また、MEM−C(ローカルメモリ)207はコピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるメモリである。
ASIC206は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICである。HDD208は、画像データの蓄積、文書データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積などを行うためのストレージである。また、オペレーションパネル210は、オペレータからの入力操作を受け付けると共に、オペレータに向けた表示を行う操作部であり、表示手段、入力手段、および設定動作指定手段などを構成している。
オペレーションパネル210は、コントローラボード200のASIC206に接続されている。また、FCU220、USBデバイス230、IEEE1394デバイス240およびエンジン部250は、コントローラボード200のASIC206にPCIバスで接続されている。
図8は、図7のASICの機能を説明する図である。図8に示すように、ASIC206は、画像を転送するDMAコントローラの機能を有しており、PCIバスを通してエンジン部250のスキャナエンジンおよびプリンタエンジンと接続されている。ASIC206は、ビデオ入力DMAコントローラを2チャンネル、ビデオ出力DMAコントローラを1チャンネル備えており、それぞれ異なるPCIバスのアドレスが割り振られていて、エンジン部250のスキャナ入力1、スキャナ入力2、プロッタ出力のビデオデータの転送を並行して行うことができる。ASIC206のビデオ入力DMAコントローラおよびビデオ出力DMAコントローラと、一次記憶部であるMEM−C(ローカルメモリ)207と、二次記憶部であるHDD208とで図1の記憶部(一次記憶手段)32が構成されている。
エンジン部250のスキャナエンジンが読み取った両面画像をMEM−C(ローカルメモリ)207に転送する場合は、SRM129から来たプロセス要求に対して、IMH132が転送画像サイズ分のメモリをMEM−C207に確保して転送画像サイズXw、Ywと確保したメモリのアドレスをビデオ入力DMAコントローラに設定することにより転送可能となる。
図9は、両面原稿の表面と裏面の読取りを実現するエンジン部の機能ブロックの一例を示す図である。エンジン部250は、第1画像入力部(表)301と、第2画像入力部(裏)302と、第1シェーディング部(表)303と、第2シェーディング部(裏)304と、DRAM305と、第1階調処理部306と、第2階調処理部307と、GAVD(出力手段)308と、画像データ制御IFコントローラ400とを備えている。
第1画像入力部(表)301および第2画像入力部(裏)302は、CCDやCISなどによる両面読取手段である。第1画像入力部(表)301は、両面原稿の表面の画像データを読取り、第2画像入力部(裏)302は、その裏面の画像データを読取ることにより、両面原稿の表面および裏面の読み取りを実現している。
画像データ制御IFコントローラ400は、CPU201により直接制御される。画像データ制御IFコントローラ400は、第1入力IF(表)401、第2入力IF(裏)403、DRAMコントローラ402、マスク部404、フィルタ部405、変倍部406、領域拡張/縮小部407、画像圧縮部408、白紙検知部409、セレクタ414、PCI転送コントローラ415、PCI_IF416、画像伸張部417、領域拡張/縮小部418、印字合成部419、出力IF420、階調処理データ入力IF421、GAVD_IF423、ステータスレジスタ424、コントロールレジスタ425、CPU_IF426、制御IC427、ホストIF428、および画像入力コントローラ429などを備えている。
画像データ制御IFコントローラ400は、PCI_IF416を介してPCIバスに接続されており、このPCIバスを介して、記憶部へのデータ出力、記憶部からのデータ入力が可能となっている。DRAM305は、第1画像入力部(表)301および第2画像入力部(裏)302から入力される画像データを一時的に保存するための一次記憶手段としてのフレームメモリである。このDRAM305は、両面読取りの際に表面と裏面の画像入力のタイミングや、PCIバスへのデータ転送速度を調整する場合に利用される。DRAMコントローラ402は、DRAM305への画像データの書き込みと、DRAM305からの画像データの読み出しを並行して実行可能な構成となっている。また、DRAMコントローラ402は、両面原稿の両面読み取りを実行する際には、DRAM305への表面画像の書き込みと、裏面画像の書き込みとを並行して実行可能な構成となっている。セレクタ414は、複数の画像入力部と複数の画像出力部を有し、入力された画像データを任意の画像出力部へ出力するための画像データ切替えを行う機能を有している。PCI転送コントローラ415は、セレクタ414より出力された複数の画像データをPCIバスを介して、記憶部へ出力する機能を有している。セレクタ414とPCI転送コントローラ415とは、画像データ毎に記憶部へ出力するために必要なデータ容量や画像データ転送速度の設定が可能となっている。
つぎに、エンジン部250において、両面原稿を読み取って記憶部に転送する両面画像読取動作について図9を参照して説明する。両面画像読取動作は、(1)両面原稿読取装置(第1画像入力部(表)301、第2画像入力部(裏)302等)により入力された画像データをDRAM305に保存する動作(画像読取りプロセス)と、(2)DRAM305に保存された画像データを読み出して、PCIバスを介して記憶部に転送する動作(画像データ転送プロセス)とからなる。この(1)、(2)の動作を原稿の表面の画像データを読み取る場合について説明する。
まず、上記(1)の動作を説明する。第1画像入力部(表)301から入力された画像データは、第1シェーディング部(表)303を介して、第1入力IF401に入力される。第1入力IF401に入力された画像データはDRAMコントローラ402に転送される。DRAMコントローラ402は、転送されてくる画像データをDRAM305に順次書き込んで保存する。
つぎに、上記(2)の動作を説明する。DRAM305に保存された画像データは、DRMAコントローラ402により順次読み出されて、画像データ処理ブロック(マスク部404、フィルタ部405、変倍部406、領域拡張/縮小部407、画像圧縮部408)を介して、セレクタ414によりPCI転送コントローラ415に転送される。PCI転送コントローラ415は、入力される画像データをPCIバスを介して記憶装置に転送する。
また、DRAM305のメモリ制御方法は、通常の両面原稿の読取り時の場合、DRAM305内を第1および第2のメモリ領域に分けて、第1のメモリ領域を表面画像データ用とし、第2のメモリ領域を裏面画像データ用として利用する。そして、このフレームメモリであるDRAM305に対する表面と裏面のデータの入出力は、それぞれ独立して実行することができる。
また、長尺原稿の読み取り時の場合は、DRAM305の第1および第2のメモリ領域を1つのメモリ領域として利用し、かつリングバッファモードで動作させることによって、長尺原稿の読取りを実現している。
このように、本実施の形態にかかる画像形成装置10は、PCIバスのデータパスによって複数のデータを送受信することが可能となっており、データ転送のチャネルを比較的容易に増設してデータ転送の制御を行うことが可能な構成となっている。
第1の実施の形態にかかる画像読取装置を用いた画像形成装置は、以上のように構成されており、以下その動作について説明する。図10は、第1の実施の形態にかかる基本的な原稿読取り動作を説明するフローチャートである。
まず、図1に示すように、オペレータは、原稿読取り前に両面読取りか片面読取りかを指定する(ステップS100)。両面読取りを指定した場合は、図1の両面読取機構を使って、原稿21の表面と裏面の読取りプロセスをそれぞれ起動し(ステップS101)、原稿の搬送を開始し(ステップS102)、原稿の両面読取りが開始される(ステップS103)。第1の実施の形態では、両面読取機構が原稿搬送路の途中に設けられており、原稿の搬送を開始すると、原稿の両面読取り動作も開始される。つまり、図9に示す第1画像入力部(表)301からDRAM305への表面の画像データの入力と、第2画像入力部(裏)302からDRAM305への裏面の画像データの入力、および、DRAM305から画像データ制御IFコントローラ400で画像処理されて、PCIバス経由で画像が転送される。
そして、ステップS104において原稿の読取りと画像処理が終了したか否かが判断され、処理が終了した場合は、読取った原稿を排紙トレイへ排紙する。そして、次の原稿の有無を確認し(ステップS106)、読取り原稿が残っている場合は、ステップS100に戻り、上記原稿の読取り動作が繰り返される。
また、ステップS100で、片面読取りが選択された場合は、片面の読取りを行った後、ステップS104に移行し、上記したステップS104〜ステップS106までの処理が行われる。
図11は、図10の両面読取り動作開始のサブルーチンを説明するフローチャートであり、第1の実施の形態にかかる特徴的な動作である。両面読取り動作が開始されると、まず、図9の第1画像入力部(表)301からDRAMコントローラ402を介して、DRAM305の表面画像用の前半領域の先頭アドレスから記憶される。また、図9の第2画像入力部(裏)302からDRAMコントローラ402を介して、DRAM305の裏面画像用の後半領域の先頭アドレスから記憶される。
両面読取りの開始後、図1の原稿サイズ検知部19によって読取り対象の原稿のサイズを検知し(ステップS200)、当該画像形成装置10に搭載されている記憶部32のフレームメモリ(DRAM305)に両面画像データを記憶させることができる最大の原稿サイズより大きいか否かを比較し、その比較結果に基づいてメモリ容量を超える原稿サイズか否かを判断する(ステップS201)。
両面読取り開始後に、読取り対象の原稿のサイズが、記憶部32のフレームメモリ(DRAM305)に記憶可能な最大の原稿サイズよりも大きいことがわかった場合、つまり、読取り対象の原稿が両面読取りではメモリ内に収まらない原稿サイズであることが分かった場合は、CPU201はメモリの最大記憶容量となる原稿長位置まで原稿を搬送して読取りを継続し(ステップS202)、その後原稿の搬送と読取り動作を停止する(ステップS203)。
図1のシステム制御部33のCPU(201)は、操作表示部40の表示パネルに「両面読取りを指定されていますが、長尺原稿が設置されています」というメッセージ表示を行って、オペレータに両面読取りできない原稿サイズが設置されていることを警告する(ステップS204)。本実施の形態では、オペレータに対して表示パネルを使い、文字表示を行って通知(警告)しているが、文字表示に限らず、音や光の点滅などによって通知しても良い。
また、CPU201は、ここでは操作表示部40の表示パネルに、上記警告メッセージに加えて「次の動作から処理を指定してください。A:読取りを終了する。B:片面読取りに変更して読取り動作を継続する。C:読取り可能な原稿サイズを指定する。」という動作選択メッセージを表示し、オペレータに動作停止後の処理を選択させる(ステップS205)。
オペレータは、このメッセージ表示を見て、A,B,Cの中から1つを選択し(ステップS206)、Aを選択した場合は、CPU201が読取り動作を終了して(ステップS207)、最大メモリ容量まで読取ったメモリ内の画像データを破棄する(ステップS208)。
また、オペレータがBを選択した場合は、CPU201がメモリ内の裏面データを破棄し(ステップS209)、表面の長尺読取りモードに切替えて(ステップS210)、読取り動作を再開し、画像処理と転送が行われる(ステップS211)。ここでは、片面読取りを表面読取りとして説明しているが、これとは逆に、ステップS209で表面データを破棄し、ステップS210で裏面の長尺読取りモードに切替えるようにしても良い。
さらに、オペレータがCを選択した場合は、CPU201が操作表示部40の表示パネルにオペレータからの指定原稿サイズの入力画面を表示させる(ステップS212)。オペレータは、この画面から指定原稿サイズを入力すると(ステップS213)、最大メモリ容量まで読取った画像データを使って、指定サイズの原稿として画像処理が行われ、転送される(ステップS214)。また、上記ステップS201において、読取り対象の原稿サイズが、当該画像形成装置10に搭載されている記憶部32のフレームメモリ(DRAM305)に両面画像データを記憶させることができる最大の原稿サイズより小さい場合(規定のメモリ容量を超えない原稿サイズの場合)は、通常の読取り動作と画像処理が行われる(ステップS215)。このように、図11の読取り開始のサブルーチン処理を行った後、図10に戻ってステップS104以下の処理が行われる。
以上説明したように、第1の実施の形態にかかる画像読取装置を用いた画像形成装置によれば、オペレータが両面読取りモードを指定し、原稿の搬送を開始し、読取り開始後に、読取り対象の原稿サイズが、両面画像データをDRAM305に記憶できる最大の原稿サイズを超えた長尺原稿であることがわかった場合でも、CPU201が記憶データ量検出手段である画像入出力部(DMAC)321によってDRAM305の最大記憶容量に達するまで両面の読取り動作を継続して、読取り動作を停止させる。このため、異常動作や異常画像の発生を防止することができる。また、読取り動作停止後、警告メッセージや選択メッセージを表示させ、それに対してオペレータの指示があると、その指示に従った事後処理を行うことにより、既に読取った画像データを有効利用できると共に、オペレータの要望に応じた読取り処理を行うことができる。
特に、メッセージ表示を行うため、オペレータが異常動作の発生に気づくことができ、さらに、選択メッセージ表示を行ってオペレータに選択させることで、異常動作発生後の対処方法もオペレータの要望に沿って行うことができる。
また、オペレータがメモリに両面画像データを記憶させることのできる最大の原稿サイズを超えた長尺原稿を画像読取装置にセットし、両面読取りモードを指定するといった設定ミスを犯したとしても、異常動作発生前に装置を自動停止させ、異常画像が発生するのを防止できる上、片面読取りモードに変更して読取り動作を継続させるといった動作途中での設定モードの変更ができるため、自由度の高い対処法が可能となる。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、両面画像データをメモリに記憶させることのできる最大の原稿サイズを超えた長尺原稿であることが分かってから、メッセージ表示を行い、オペレータがそのメッセージを見ながら選択を行っていたが、第2の実施の形態では、読取り開始後に長尺原稿であることが分かった場合に、どのように対処するのかを事前に設定できる点に特徴がある。
第2の実施の形態にかかる画像読取装置とそれを用いた画像形成装置の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、構成説明は省略する。図12は、第2の実施の形態にかかる動作を説明するフローチャートである。図12のフローチャートは、第1の実施の形態にかかる図11の動作フローの接続子「1」以降の動作を示したものであり、「1」以前の動作については、説明を省略する。
第2の実施の形態では、オペレータが第1の実施の形態で説明したA,B,Cの動作指定の中から設定動作指定手段としての操作表示部40を使って予め指定しておき、読取り開始後に両面画像データをメモリに記憶させることのできる最大の原稿サイズを超えた長尺原稿であることが分かった場合は、その設定内容に従って動作が行われる。例えば、図11のステップS203において、原稿の搬送と読取り動作が停止された後、図12のステップS300に移行して、CPU201は、予め設定されている設定情報を確認し、予め指定されている選択肢がA,B,Cのいずれであるかを判別する(ステップS300)。
Aが予め指定されている場合は、CPU201が読取り動作を終了させ(ステップS301)、最大メモリ容量まで読取ったメモリ内の画像データを破棄する(ステップS302)。
また、オペレータがBを予め指定している場合は、CPU201がメモリ内の裏面データを破棄し(ステップS303)、表面の長尺読取りモードに切替えて(ステップS304)、読取り動作を再開し、画像処理と転送が行われる(ステップS305)。ここでは、片面読取りを表面読取りとして説明しているが、これとは逆に、ステップS303で表面データを破棄し、ステップS304で裏面の長尺読取りモードに切替えるようにしても良い。
さらに、オペレータがCを予め指定している場合は、CPU201がメモリ内の画像データを予め指定されたサイズの原稿として画像処理を行って、転送する(ステップS306)。このように、図12の処理を行った後は、図10に戻ってステップS104以下の処理が行われる。
以上説明したように、第2の実施の形態にかかる画像読取装置を用いた画像形成装置によれば、オペレータが両面読取りモードを指定し、原稿の搬送を開始し、読取り開始後に、読取り対象の原稿サイズが、両面画像データをDRAM305に記憶できる最大の原稿サイズを超えた長尺原稿であることがわかった場合でも、CPU201が記憶データ量検出手段である画像入出力部(DMAC)321によってDRAM305の最大記憶容量に達するまで両面の読取り動作を継続して、読取動作を停止させる。このため、異常動作や異常画像の発生を防止することができる。また、読取り動作停止後、予め設定されている設定内容、あるいはオペレータが事前に指示した設定内容に従って事後処理が行われるため、既に読取った画像データを有効利用することができると共に、オペレータの要望に応じた読取り処理を行うことができる。
特に、読取動作停止後の対処法については、オペレータが操作表示部40を使って予め設定することができるため、オペレータがメモリに両面画像データを記憶させることのできる最大の原稿サイズを超えた長尺原稿を画像読取装置にセットし、両面読取りモードを指定するといった設定ミスを犯したとしても、事前に設定した内容に従って事後処理が行われ、煩わしい操作が不要となり、迅速に処理することができる。