JP4141629B2 - 画像読取り装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル的に生成された画像情報すなわち画像データを、高品質の画像を表すように処理する画像処理装置,これに電子的画像読取器を組合せてそれが発生する画像データを高品質の画像を表すように処理する画像読取り装置、ならびに、前記画像処理装置又は画像読取り装置にプリンタを組合せて、画像処理装置が処理した画像データが表す画像を用紙上に形成する画像形成装置、に関する。これらは、例えば原稿スキャナ,ファクシミリ,イメージプリンタ,デジタル複写機あるいはファイリング装置に実施される。
【0002】
【従来技術】
MFP(コピー,FAX,プリンタ,スキャナ等、各種機能を搭載した複合機能機)に於いて、原稿読み取り信号の画像処理,メモリへの画像蓄積,プリンタ出力用画像信号への画像処理および変換,複数機能の並行動作、ならびに、それぞれの画像処理を最適化する「画像処理装置」が使用されており、その一形態が特開平8−274986号公報に開示されている。この特開平8−274986号公報に開示のものは、各種の画像処理機能を1つの画像処理装置構成で実行できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、周辺ユニットの付加接続や周辺ユニットの同時動作等が難しく、システムの更なる有効活用に適する制御構成の提供が望ましい。具体的には、複数のI/Oデバイスを接続するのが難しい。つまり接続するデバイスが複数ある場合、接続されたデバイスの数だけ画像バスを用意するか、または1つの画像バスを共有して使うことになる。前者の場合はシステム全体のコスト増加という問題につながる。一方、後者については、画像信号はデバイスが動作開始すると転送を中断することができない場合が多いため、この点を十分留意して画像バスを共通利用しなければならないという使用上の問題がある。つまり、画像バスの構成および画像データの転送方法はシステム全体の性能を左右すると言っても過言ではない。
【0004】
上記問題と密接に関連するものとして、画像処理の速度が挙げられる。画像データは非常に膨大なデータ量であり、それを高速に処理できないと、画像バスによる画像転送が高速にできる場合においても、その性能を十分に発揮できないという問題になってしまう。例えば、A4,600dpi,1画素あたり8bitの画像データの場合は、A4の1枚分の画像データ量が、約36メガバイトにもなるため、例えば1分間に60枚画像処理することができるシステムにおいては、毎秒36メガバイトのデータ処理を行わなければならない。画像処理は一般的に複雑になればなるほど高画質化が可能であるが、その反面処理速度が低下するという問題がある。逆に言えば、処理速度を速くすることが可能であれば、それだけ高画質な画像処理が可能であると考えられる。
【0005】
メモリを持たない入出力デバイスからの画像信号は、基本的に画像転送が開始されたら途中で転送を中断させることはできない(画像データの転送条件)。よって、複数のユニット(例えば原稿スキャナとイメージプリンタ)を同時で動作させる場合に、両者が同じ速度で動作するのであれば、画像は連続的に流すことができるため、メモリ等の速度緩衝部を必要としない。
【0006】
逆に言えば、動作速度が異なる場合にはメモリ等の速度緩衝部が必要となる。これはメモリが必要となるので不利と思われるが、入出力デバイスが互いに相手のことを考えずに独立に動作可能であることを考えると、逆に大きなメリットである。このようなメモリを介在したシステムにおいては、メモリと各デバイス間でのデータ転送が課題となる。
【0007】
データ転送を考えた場合、複数のデバイスがバスをどう使用するかを管理することも大きな課題であるが、それとは別にバスにどんな画像データを流すかも重要である。画像は通常、画像データの転送条件を満たせない場合には転送できない。よって、画像バスを構築する際には、予め想定される複数デバイスの最大同時動作から画像バスの速度やバス幅を決定する。つまり、最大同時動作数が多ければ多いほど、画像バスの速度を向上させる、または画像バス幅を大きくする必要が出てくる。これは、最大同時動作がかなり低い確率で起こりうる場合でも、その動作を保証するためにハードウェア的に高速もしくは大規模にしなければならないという、コスト面で大きな問題となる。
【0008】
一方、この点と同じレベルの問題として画像処理速度がある。一般的に高画質な画像処理は複雑であり、処理時間がかかる。画像データは非常に膨大なデータ量であり、それを高速に処理するために、従来は専用のハードウェア(ASIC:Application Specific IC)を利用するのが多かった。ASICは高速であるが、その性格上、汎用性に乏しい。
【0009】
これに対して、近年では汎用プロセッサを使用した画像処理も登場してきており、少々の画像処理の変更が可能なものとなっている。画像処理を高速化する場合に、まずは画像処理部単体の速度向上を考えてしまうが、それは過剰な処理性能向上になってしまう危険性を持っている。これは、上記のようなシステムにおいて、速度ネックとなっている箇所が必ずしも画像処理部ではない可能性が出てくるからである。
【0010】
メモリ上に記憶されている画像に対して高速にアクセスする方法の1つに、専用の画像バスを設けることが考えられる。通常、メモリが接続されている共通な画像バスを使用する場合には、メモリ上でのアクセスが重ならないように、メモリ管理手段が調停する必要がある。その場合、調停に必要な作業が必ず入るため、処理速度が低下する可能性がある。システム的に考えて、メモリのアクセス速度に十分な余裕があるときにはあまり問題にならないが、そうでない場合には、システム全体の処理速度の低下になってしまう。
【0011】
近年、汎用プロセッサを用いた画像処理が登場してきている。汎用プロセッサを利用するメリットとしては、多様化する画像処理に柔軟に対応できる点が主として挙げられる。しかし、汎用であるが故に冗長な部分もあり、処理速度の点においても専用のハードウェアと同等以下であるのが現状である。メモリに蓄えられている画像を処理して出力する際には、その過程であれば画像処理部分はどこにおかれても構わない。1箇所で集中して行っても良く、または分散して行っても結果的には同じである。
【0012】
本発明は、高画質化処理を容易にすることを第1の目的とし、画像処理速度向上を容易にすることを第2の目的とし、画像処理システム全体での高画質化処理および処理速度向上を容易にすることを第3の目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1) 画像読取手段(200);
データバス(Pb);
メモリ装置(MEM);
前記画像読取手段で読み取られた画像データの前記画像読取手段の画像読み取りの歪みによる劣化を補正する読取画像処理機能、および該読取画像処理機能で補正した劣化補正画像データを出力用の画像データに変換する階調処理機能を有する第1の画像処理手段(IPP1);
劣化補正画像データに前記第1の画像処理手段の前記読取画像処理機能および階調処理機能による画像処理とは別個のフィルタ処理を行う第2の画像処理手段(IPP2);
前記画像読取手段(200)から出力される画像データを第1の画像処理手段(IPP1)の読取画像処理機能に送信し該読取画像処理機能で補正された劣化画像データを前記データバス(Pb)に送出し、前記メモリ装置(MEM)から前記データバス(Pb)に送出された第2の画像処理手段でフィルタ処理された画像データを第1の画像処理手段(IPP1)の階調処理機能に送信する画像データ送受を管理する画像バス管理手段(CDIC);および、
前記データバス(Pb)に送出された劣化補正画像データを前記メモリ装置(MEM)に送り前記メモリ装置(MEM)から読出した第2の画像処理手段でフィルタ処理された画像データを前記データバス(Pb)に送る、前記メモリ装置(MEM)に対する前記データバス(Pb)の画像データ送受を管理し、かつ、前記メモリ装置(MEM)から第2の画像処理手段(IPP2)に劣化補正画像データを送り第2の画像処理手段(IPP2)でフィルタ処理された画像データを前記メモリ装置(MEM)に送る、第2の画像処理手段(IPP2)に対する画像データ送受を管理する、メモリ管理手段(IMAC);
を備え
第1の画像処理手段(IPP1)の前記階調処理機能は更に、前記画像バス管理手段(CDIC)から送信された、前記第2の画像処理手段でフィルタ処理された画像データを、出力用の画像データに変換する;
画像読取り装置。
【0014】
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素の符号又は対応事項を、参考までに付記した。以下も同様である。
【0015】
これによれば、第2の画像処理手段(IPP2)を付加したので、画像読取り手段(200)で得た画像データを第1の画像処理手段(IPP1)で処理してメモリ装置(MEM)に蓄積し、そして第2画像処理手段(IPP2)で処理するので、画像処理機能を第1の画像処理手段(IPP1)から分散してその負担を軽減し処理速度低下を避けることができる。画像読取り速度の低下を回避ししかも高画質化した読取り画像データを得ることができる。メモリ管理手段(IMAC)が、メモリ装置(MEM)に対する、前記データバスの画像データ送受アクセスを管理し、しかも、第2の画像処理手段(IPP2)も管理制御するので、第2の画像処理手段(IPP2)のメモリアクセスと、第1の画像処理手段(IPP1)あるいは他のデバイスに対する画像データ送受のためのメモリ管理手段(IMAC)のアクセスの競合は避けられる。システム全体での画像処理速度向上を容易に行うことができ、高画質で高速な画像処理システムが実現可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(2)第2の画像処理手段(IPP2)が前記メモリ装置(MEM)に直接にアクセスしてデータを読み書きするための専用のバス(68);を更に備え、第2の画像処理手段(IPP2)は、該専用のバス(68)を介して前記メモリ装置(MEM)に直接にアクセスするアクセス制御機能を含む;上記(1)に記載の画像読取り装置。
【0017】
これによれば、第2の画像処理手段(IPP2)がメモリ(MEM)上の画像データに対して直接画像処理を行うことができ、システム全体での画像処理速度向上を容易に行うことができ、高画質で高速な画像処理システムが実現可能となる。
【0018】
(3)前記メモリ管理手段(IMAC)は、第2の画像処理手段(IPP2)の前記メモリ装置(MEM)に対する直接のアクセスの可否を制御する、上記(2)に記載の画像読取り装置。
【0019】
これによれば、メモリ管理手段(IMAC)が、他の部分で行われている画像処理を考慮して、自分の管理する画像処理部分の画像処理を動的に変更するが、その際にメモリ装置(MEM)へのアクセスが必要であると、第2の画像処理手段(IPP2)にはアクセス不可信号を与え、メモリ管理手段(IMAC)のメモリアクセスの必要性が無くなると、第2の画像処理手段(IPP2)にアクセス許可信号を与える。第2の画像処理手段(IPP2)が、アクセス許可信号がある間に直接にメモリ装置にアクセスすることにより、メモリ管理手段(IMAC)を煩わすことなく、したがってシステム全体での画像処理速度向上を容易に行うことができ、高画質で高速な画像処理システムが実現可能となる。
【0020】
(4)第2の画像処理手段(IPP2)は、前記メモリ装置(MEM)の画像データに像域分離処理(62:エッジ/網点判定)を適用して画像データが表す画像がエッジか網点領域かを含む特徴(文字エッジ/文字なか/絵柄)を検出し、特徴に基づいて、前記メモリ装置(MEM)の画像データに特徴を強調するエッジ強調/平滑化フィルタ処理を加え、該フィルタ処理後の画像データに前記メモリ装置(MEM)の画像データを書き換える;上記(1),(2)又は(3)に記載の画像読取り装置。
【0021】
これによれば、以後の画像データの補正又はプリント出力用画像信号への変換を、画像の特徴(文字エッジ/文字なか/絵柄)にあったフィルタ処理にして、高品質の画像をあらわす画像信号を生成できる。
【0022】
(4−1)第2の画像処理手段(IPP2)は、検出した特徴に対応したエッジ強調/平滑化フィルタ処理(63)を画像データに施し、この処理後の画像データに、前記メモリ装置(MEM)の画像データを書き換える、上記(4)に記載の画像読取り装置。
【0023】
これによれば、エッジ強調/平滑化フィルタ処理(63)を終えた画像データがメモリ装置(MEM)上にあるので、メモリ装置(MEM)から画像データを読み出してエッジ強調/平滑化フィルタ処理した画像データをプリント出力又はファクシミリ送信する処理を高速に行うことができる。
【0024】
(4−2)第2の画像処理手段(IPP2)は、エッジ強調/平滑化フィルタ処理(63)を施した画像データから、地肌レベルを抽出し(64)、この地肌レベルを除去し(65)、地肌レベルを除去した画像データに、前記メモリ装置(MEM)の画像データを書き換える、前記(4−1)の画像読取り装置。
【0025】
これによれば、エッジ強調/平滑化フィルタ処理(63)を終えそして地肌を除去した画像データがメモリ装置(MEM)上にあるので、メモリ装置(MEM)から画像データを読み出して地肌除去した画像データをプリント出力又はファクシミリ送信する処理を高速に行うことができる。
【0026】
(5)第2の画像処理手段(IPP2)は、前記メモリ装置(MEM)の画像データに像域分離処理(62:エッジ/網点判定)を適用して画像データが表す画像がエッジか網点領域かを含む特徴(文字エッジ/文字なか/絵柄)を検出し、特徴をあらわす特徴データを前記メモリ装置(MEM)に蓄積する、上記(1),(2),(3)又は(4)に記載の画像読取り装置。
【0027】
(6)第1の画像処理手段(IPP1)は、前記メモリ装置(MEM)の特徴データに基づいて階調処理を制御する;上記(5)に記載の画像読取り装置。
【0028】
第2の画像処理手段(IPP2)がメモリ装置(MEM)上の画像データに基づいて特徴データを生成してメモリに蓄積しておくので、その後の、メモリ装置(MEM)から画像データを読み出してプリント出力又はファクシミリ送信するときの、第1の画像処理手段(IPP1)の画質処理を高速に行うことができる。
【0029】
(7)上記(1),(2),(3),(4),(5)又は(6)に記載の画像読取り装置;および、第1の演算処理手段(IPP1)の階調処理機能が出力する画像出力用の画像データが表す画像を用紙上に形成するプリンタ(400);を備える画像形成装置。これによれば、高画質化した画像データを用紙上にプリントアウトできる。
【0030】
本発明の他の目的および特徴は図面を参照した以下の実施例の説明により明らかになろう。
【0031】
【実施例】
本発明の第1実施例の機構の概要を図1に示す。この実施例は、デジタルフルカラー複写機である。カラー画像読み取り装置(以下、スキャナという)200は、コンタクトガラス202上の原稿180の画像を照明ランプ205、ミラー群204A、204B、204Cなど、およびレンズ206を介してカラーセンサ207に結像して、原稿のカラー画像情報を、例えば、ブルー(以下、Bという)、グリーン(以下、Gという)およびレッド(以下、Rという)の色分解光毎に読み取り、電気的な画像信号に変換する。カラーセンサ207は、この例では、3ラインCCDセンサで構成されており、B、G、Rの画像を色ごとに読取る。スキャナ200で得たB、G、Rの色分解画像信号強度レベルをもとにして、図示省略された画像処理ユニットにて色変換処理を行い、ブラック(以下、Bkという)、シアン(以下、Cという)、マゼンダ(以下、Mという)およびイエロー(以下、Yという)の記録色情報を含むカラー画像データを得る。
【0032】
このカラー画像データを用い、次に述べるカラー画像記録装置(以下、カラープリンタという)400によって、Bk、C、M、Yの画像を中間転写ベルト上に重ね形成し、そして転写紙に転写する。スキャナ200は、カラープリンタ400の動作とタイミングをとったスキャナースタート信号を受けて、照明ランプ205やミラー群204A、204B、204Cなどからなる照明・ミラー光学系が左矢印方向へ原稿走査し、1回走査毎に1色の画像データを得る。そして、その都度、カラープリンタ400で順次、顕像化しつつ、これらを中間転写ベルト上に重ね合わせて、4色のフルカラー画像を形成する。
【0033】
カラープリンタ400の、露光手段としての書き込み光学ユニット401は、スキャナ200からのカラー画像データを光信号に変換して、原稿画像に対応した光書き込みを行い、感光体ドラム414に静電潜像を形成する。光書き込み光学ユニット401は、レーザー発光器441、これを発光駆動する発光駆動制御部(図示省略)、ポリゴンミラー443、これを回転駆動する回転用モータ444、fθレンズ442、反射ミラー446などで構成されている。感光体ドラム414は、矢印で示す如く反時計廻りの向きに回転するが、その周りには、感光体クリーニングユニット421、除電ランプ414M、帯電器419、感光体ドラム上の潜像電位を検知する電位センサー414D、リボルバー現像装置420の選択された現像器、現像濃度パターン検知器414P、中間転写ベルト415などが配置されている。
【0034】
リボルバー現像装置420は、BK現像器420K、C現像器420C、M現像器420M、Y現像器420Yと、各現像器を矢印で示す如く反時計回りの向きに回転させる、リボルバー回転駆動部(図示省略)などからなる。これら各現像器は、静電潜像を顕像化するために、現像剤の穂を感光体ドラム414の表面に接触させて回転する現像スリーブ420KS、420CS、420MS、420YSと、現像剤を組み上げ・撹拌するために回転する現像パドルなどで構成されている。待機状態では、リボルバー現像装置420はBK現像器420で現像を行う位置にセットされており、コピー動作が開始されると、スキャナ200で所定のタイミングからBK画像データの読み取りがスタートし、この画像データに基づき、レーザー光による光書き込み・潜像形成が始まる。以下、Bk画像データによる静電潜像をBk潜像という。C、M、Yの各画像データについても同じ。このBk潜像の先端部から現像可能とすべく、Bk現像器420Kの現像位置に潜像先端部が到達する前に、現像スリーブ420KSを回転開始して、Bk潜像をBkトナーで現像する。そして、以後、Bk潜像領域の現像動作を続けるが、潜像後端部がBk潜像位置を通過した時点で、速やかに、Bk現像器420Kによる現像位置から次の色の現像器による現像位置まで、リボルバー現像装置420を駆動して回動させる。この回動動作は、少なくとも、次の画像データによる潜像先端部が到達する前に完了させる。
【0035】
像の形成サイクルが開始されると、感光体ドラム414は矢印で示すように反時計回りの向きに回動し、中間転写ベルト415は図示しない駆動モータにより、時計回りの向きに回動する。中間転写ベルト415の回動に伴って、BKトナー像形成、Cトナー像形成、Mトナー像形成およびYトナー像形成が順次行われ、最終的に、BK、C、M、Yの順に中間転写ベルト415上に重ねてトナー像が形成される。BK像の形成は、以下のようにして行われる。すなわち、帯電器419がコロナ放電によって、感光体ドラム414を負電荷で約−700Vに一様に帯電する。つづいて、レーザーダイオード441は、Bk信号に基づいてラスタ露光を行う。このようにラスタ像が露光されたとき、当初、一様に荷電された感光体ドラム414の露光された部分については、露光光量に比例する電荷が消失し、静電潜像が形成される。リボルバー現像装置420内のトナーは、フェライトキャリアとの撹拌によって負極性に帯電され、また、本現像装置のBK現像スリーブ420KSは、感光体ドラム414の金属基体層に対して図示しない電源回路によって、負の直流電位と交流とが重畳された電位にバイアスされている。この結果、感光体ドラム414の電荷が残っている部分には、トナーが付着せず、電荷のない部分、つまり、露光された部分にはBkトナーが吸着され、潜像と相似なBk可視像が形成される。中間転写ベルト415は、駆動ローラ415D、転写対向ローラ415T、クリーニング対向ローラ415Cおよび従動ローラ群に張架されており、図示しない駆動モータにより回動駆動される。さて、感光体ドラム414上に形成したBkトナー像は、感光体と接触状態で等速駆動している中間転写ベルト415の表面に、ベルト転写コロナ放電器(以下、ベルト転写部という。)416によって転写される。以下、感光体ドラム414から中間転写ベルト415へのトナー像転写を、ベルト転写と称する。感光体ドラム414上の若干の未転写残留トナーは、感光体ドラム414の再使用に備えて、感光体クリーニングユニット421で清掃される。ここで回収されたトナーは、回収パイプを経由して図示しない排トナータンクに蓄えられる。
【0036】
なお、中間転写ベルト415には、感光体ドラム414に順次形成する、Bk、C、M、Yのトナー像を、同一面に順次、位置合わせして、4色重ねのベルト転写画像を形成し、その後、転写紙にコロナ放電転写器にて一括転写を行う。ところで、感光体ドラム414側では、BK画像の形成工程のつぎに、C画像の形成工程に進むが、所定のタイミングから、スキャナ200によるC画像データの読み取りが始まり、その画像データによるレーザー光書き込みで、C潜像の形成を行う。C現像器420Cは、その現像位置に対して、先のBk潜像後端部が通過した後で、かつ、C潜像先端が到達する前に、リボルバー現像装置の回転動作を行い、C潜像をCトナーで現像する。以降、C潜像領域の現像をつづけるが、潜像後端部が通過した時点で、先のBk現像器の場合と同様にリボルバー現像装置420を駆動して、C現像器420Cを送り出し、つぎのM現像器420Mを現像位置に位置させる。この動作もやはり、つぎのM潜像先端部が現像部に到達する前に行う。なお、MおよびYの各像の形成工程については、それぞれの画像データの読み取り、潜像形成、現像の動作が、上述のBk像や、C像の工程に準ずるので、説明は省略する。
【0037】
ベルトクリーニング装置415Uは、入口シール、ゴムブレード、排出コイルおよび、これら入口シールやゴムブレードの接離機構により構成される。1色目のBk画像をベルト転写した後の、2、3、4色目を画像をベルト転写している間は、ブレード接離機構によって、中間転写ベルト面から入口シール、ゴムブレードなどは離間させておく。
【0038】
紙転写コロナ放電器(以下、紙転写器という。)417は、中間転写ベルト415上の重ねトナー像を転写紙に転写するべく、コロナ放電方式にて、AC+DCまたは、DC成分を転写紙および中間転写ベルトに印加するものである。
【0039】
給紙バンク内の転写紙カセット482には、各種サイズの転写紙が収納されており、指定されたサイズの用紙を収納しているカセットから、給紙コロ483によってレジストローラ対418R方向に給紙・搬送される。なお、符号412B2は、OHP用紙や厚紙などを手差しするための給紙トレイを示している。像形成が開始される時期に、転写紙は前記いずれかの給紙トレイから給送され、レジストローラ対418Rのニップ部にて待機している。そして、紙転写器417に中間転写ベルト415上のトナー像の先端がさしかかるときに、丁度、転写紙先端がこの像の先端に一致する如くにレジストローラ対418Rが駆動され、紙と像との合わせが行われる。このようにして、転写紙が中間転写ベルト上の色重ね像と重ねられて、正電位につながれた紙転写器417の上を通過する。このとき、コロナ放電電流で転写紙が正電荷で荷電され、トナー画像の殆どが転写紙上に転写される。つづいて、紙転写器417の左側に配置した図示しない除電ブラシによる分離除電器を通過するときに、転写紙は除電され、中間転写ベルト415から剥離されて紙搬送ベルト422に移る。中間転写ベルト面から4色重ねトナー像を一括転写された転写紙は、紙搬送ベルト422で定着器423に搬送され、所定温度にコントロールされた定着ローラ423Aと加圧ローラ423Bのニップ部でトナー像を溶融定着され、排出ロール対424で本体外に送り出され、図示省略のコピートレイに表向きにスタックされる。
【0040】
なお、ベルト転写後の感光体ドラム414は、ブラシローラ、ゴムブレードなどからなる感光体クリーニングユニット421で表面をクリーニングされ、また、除電ランプ414Mで均一除電される。また、転写紙にトナー像を転写した後の中間転写ベルト415は、再び、クリーニングユニット415Uのブレード接離機構でブレードを押圧して表面をクリーニングする。リピートコピーの場合には、スキャナの動作および感光体への画像形成は、1枚目の4色目画像工程にひきつづき、所定のタイミングで2枚目の1色目画像工程に進む。中間転写ベルト415の方は、1枚目の4色重ね画像の転写紙への一括転写工程にひきつづき、表面をベルトクリーニング装置でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像がベルト転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。
【0041】
図1に示すカラー複写機は、パーソナルコンピュータ等のホストから、LAN又はパラレルI/Fを通じてプリントデ−タが与えられるとそれをカラープリンタ400でプリントアウト(画像出力)でき、しかもスキャナ200で読取った画像データを遠隔のフアクシミリに送信し、受信する画像データもプリントアウトできる複合機能つきのカラー複写機である。この複写機は、構内交換器PBXを介して公衆電話網に接続され、公衆電話網を介して、ファクシミリ交信やサ−ビスセンタの管理サ−バと交信することができる。
【0042】
図2に、図1に示す複写機の電気系システムを示す。原稿を光学的に読み取る原稿スキャナ200は、読み取りユニット4にて、原稿に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子207に集光する。受光素子(本実施例ではCCD)は、センサー・ボード・ユニットSBU(以下単にSBUと称す)にあり、CCDに於いて電気信号に変換された画像信号は、SBU上でデジタル信号すなわち読取った画像デ−タに変換された後、SBUから、圧縮/伸張及びデータインターフェース制御部CDIC(以下単にCDICと称す)に出力される。
【0043】
すなわちSBUから出力される画像デ−タは、CDICに入力される。機能デバイス及びデータバス間における画像データの伝送は、CDICが全て制御する。すなわちCDICは、画像データに関し、SBU,パラレルバスPb,第1の画像信号処理装置IPP1(以下単にIPP1と称す)間のデータ転送、ならびに、図2に示すデジタル複写機全体制御を司るシステムコントローラ6と、プロセスコントローラ1間の、画像データ転送およびその他の制御に関する通信を行う。システムコントローラ6とプロセスコントローラ1は、パラレルバスPb,CDIC及びシリアルバスSbを介して相互に通信を行う。CDICは、その内部に於いてパラレルバスPbとシリアルバスSbとのデータインターフェースのためのデータフォーマット変換を行う。
【0044】
SBUからの読取り画像デ−タは、CDICを経由してIPP1に転送され、IPP1が、光学系及びデジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化:スキャナ特性による読取り画像デ−タの歪)を補正し、再度CDICへ出力する。CDICは、該画像デ−タを複写機能コントロ−ラMFCに転送してメモリMEMに書込む。又は、IPP1の、プリンタ出力のための処理系に戻す。
【0045】
すなわち、CDICには、読取り画像デ−タをメモリMEMに蓄積して再利用するジョブと、メモリMEMに蓄積しないでビデオ・データ制御VDC(以下、単にVDCと称す)に出力してレ−ザプリンタ400で作像出力するジョブとがある。メモリMEMに蓄積する例としては、1枚の原稿を複数枚複写する場合、読み取りユニット4を1回だけ動作させ、読取り画像デ−タをメモリMEMに蓄積し、蓄積データを複数回読み出す使い方がある。メモリMEMを使わない例としては、1枚の原稿を1枚だけ複写する場合、読取り画像デ−タをそのままプリンタ出力用に処理すれば良いので、メモリMEMへの書込みを行う必要はない。
【0046】
まず、メモリMEMを使わない場合、IPP1からCDICへ転送された画像データは、再度CDICからIPP1へ戻される。IPP1に於いてCCDによる輝度データを面積階調に変換するための画質処理(図3の15)を行う。画質処理後の画像データはIPPからVDCに転送する。面積階調に変化された信号に対し、ドット配置に関する後処理及びドットを再現するためのパルス制御をVDCで行い、レ−ザプリンタ400の作像ユニット5に於いて転写紙上に再生画像を形成する。
【0047】
メモリMEMに蓄積し、それからの読み出し時に付加的な処理、例えば画像方向の回転,画像の合成等を行う場合は、IPP1からCDICへ転送されたデータは、CDICからパラレルバスPbを経由して画像メモリアクセス制御IMAC(以下単にIMACと称す)に送られる。ここではシステムコントローラ6の制御に基づき画像データとメモリモジュ−ルMEM(以下単にMEMと称す)のアクセス制御,外部パソコンPC(以下単にPCと称す)のプリント用データの展開(文字コ−ド/キャラクタビット変換),メモリー有効活用のための画像データの圧縮/伸張を行う。IMACへ送られたデータは、データ圧縮後MEMへ蓄積し、蓄積データを必要に応じて読み出す。読み出しデータは伸張し、本来の画像データに戻しIMACからパラレルバスPb経由でCDICへ戻される。
【0048】
CDICからIPP1への転送後は、IPP1での画質処理及びVDCでのパルス制御を行い、作像ユニット5に於いて転写紙上に顕像(トナ−像)を形成する。
【0049】
画像データの流れに於いて、パラレルバスPb及びCDICでのバス制御により、デジタル複写機の複合機能を実現する。複写機能の1つであるFAX送信機能は、スキャナ200の読取り画像データをIPP1にて画像処理を実施し、CDIC及びパラレルバスPbを経由してFAX制御ユニットFCU(以下単にFCUと称す)へ転送する。FCUにて公衆回線通信網PN(以下単にPNと称す)へのデータ変換を行い、PNへFAXデータとして送信する。FAX受信は、PNからの回線データをFCUにて画像データへ変換し、パラレルバスPb及びCDICを経由してIPPへ転送される。この場合特別な画質処理は行わず、VDCにおいてドット再配置及びパルス制御を行い、作像ユニット5に於いて転写紙上に顕像を形成する。
【0050】
複数ジョブ、例えばコピー機能,FAX送受信機能およびプリンタ出力機能、が並行に動作する状況に於いて、読み取りユニット4、作像ユニット5及びパラレルバスPb使用権のジョブへの割り振りを、システムコントロ−ラ6及びプロセスコントローラ1にて制御する。
【0051】
プロセスコントローラ1は、画像データの流れを制御し、システムコントローラ6はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。このデジタル複写機能複写機の機能選択は、操作ボ−ドOPBにて選択入力し、コピー機能,FAX機能等の処理内容を設定する。
【0052】
図3に、IPP1の画像処理機能の概要を示す。読取り画像デ−タは、SBUからCDICを介してIPP1の入力I/F(インタ−フェイス)11からスキャナ画像処理12へ伝達される。読取りによる画像情報の劣化の補正を主目的にして、スキャナ画像処理12は、シェーディング補正,スキャナγ補正およびMTF補正等を行う。補正処理ではないが、拡大/縮小の変倍処理も行う。読取り画像データの補正処理終了後、出力I/F13を介してCDICへ画像データを転送する。転写紙への出力は、CDICからの画像データを入力I/F14より受け、画質処理15に於いて面積階調処理を行う。画質処理後のデータは出力I/F16を介してVDCへ出力される。面積階調処理は、濃度変換,ディザ処理,誤差拡散処理等が有り、階調情報の面積近似を主な処理とする。
【0053】
一旦スキャナ画像処理12を施した画像データをメモリMEMに蓄積しておけば、画質処理15で施す処理を変える事によって種々の再生画像を確認することができる。例えば再生画像の濃度を振ってみたり、ディザマトリクスの線数を変更してみたりする事で、再生画像の雰囲気を変更できる。この時処理を変更する度に画像をスキャナ200で読み込み直す必要はなく、MEMから格納画像を読み出せば同一データに対し、何度でも異なる処理を実施できる。
【0054】
図6に、第2の画像信号処理装置IPP2(以下単にIPP2と称す)の機能構成の概要を示す。この実施例では、一旦スキャナ画像処理12を施した画像データをメモリMEMに蓄積して、第2の画像信号処理装置IPP2(以下単にIPP2と称す)でメモリMEM上の画像データに、高画質化処理を施すこともできる。この実施例では、この高画質化処理では、像域分離61でメモリMEM上の画像データから、それが文字エッジ部か、文字なかか、あるいは絵柄(網点領域)か、すなわち画像の特徴を判定して、その結果を示す2ビットの特徴データを生成し、これに基づいて、エッジ強調/平滑フィルタ処理63で、文字エッジ部にはエッジ強調の、文字なかには濃度均一化の、また、絵柄には平滑化の、各種フィルタ処理すなわち「エッジ強調/平滑フィルタ処理」を施し、そして処理後の画像データから、地肌抽出64によって、特徴データに対応して地肌レベルを抽出し、次の地肌除去65で、該画像データから地肌レベルを減算して地肌除去した画像データを生成し、メモリMEMに書きこむ。すなわち、メモリMEM上の画像データを、地肌除去した画像データと特徴データとの組データに書き換える。
【0055】
この高画質化処理を施した画像データをメモリMEMから読出すときには、図3に示すIPP1の画質処理15で、読み出しデータ(地肌除去した画像データ)に、地肌除去による画像データのレベル低下を補償する、画像の特徴に合わせたコントラスト補正を特徴データに基づいて実施し、それから、特徴データに基づいて、面積階調処理を制御する。
【0056】
図4に、CDICの機能構成の概要を示す。画像データ入出力制御21は、SBUからの読取り画像データを入力し、IPP1に対してデータを出力する。画像データ入力制御22には、IPP1のスキャナ画像処理12でスキャナ画像補正された画像データが入力される。入力データは、パラレルバスPbでの転送効率を高めるためにデータ圧縮部23に於いて、データ圧縮を行う。圧縮した画像デ−タは、パラレルデータI/F25を介してパラレルバスPbへ送出される。パラレルデータバスPbからパラレルデータI/F25を介して入力される画像データは、バス転送のために圧縮されており、データ伸張部26で伸張される。伸張された画像データは、画像データ出力制御27によってIPP1へ転送される。CDICは、パラレルデータとシリアルデータの変換機能を併せ持つ。システムコントローラ6は、パラレルバスPbにデータを転送し、プロセスコントローラ1は、シリアルバスSbにデータを転送する。2つのコントローラ6,1の通信のために、デ−タ変換部24およびシリアルデ−タI/F29で、パラレル/シリアルデータ変換を行う。シリアルデータI/F28は、IPP1用であり、IPP1ともシリアルデ−タ転送する。
【0057】
図5に、VDCの機能構成の概要を示す。VDCは、IPP1から入力される画像データに対し作像ユニット5の特性に応じて、追加の処理を行う。エッジ平滑処理によるドットの再配置処理,ドット形成のための画像信号のパルス制御を行い、画像データは作像ユニット5を対象として出力される。画像データの変換とは別に、パラレルデータとシリアルデータのフォーマット変換機能33〜35を併せ持ち、VDC単体でもシステムコントローラ6とプロセスコントローラ1の通信に対応できる。
【0058】
図6に示すIPP2での画像処理であるが、IPP1で行われている画像処理を考慮して、動的に変更させるのが良い。IPP2は対象をメモリMEM上の画像としているため、広範囲の参照が可能等のメリットがあるが、その反面、他のデバイスがメモリMEMを利用しているときには、メモリアクセスを共有しながら行う必要があり、処理速度が低下する可能性がある。一方、IPP1はそのような点を考慮する必要はなく、高速に処理が可能である。この両者の特徴をうまく生かすには、IPP1で行っている画像処理とメモリアクセス状況とを考慮して、IPP2で画像処理を行うことが良く、そのような管理ができる部分としてはIMACが最適である。
【0059】
図7に、IMACの機能構成の概略を示す。パラレルデータI/F41に於いて、パラレルバスPbに対する画像データの入,出力を管理し、MEMへの画像データの格納/読み出しと、主に外部のPCから入力されるコードデータの画像データへの展開を制御する。PCから入力されたコードデータは、ラインバッファ42に格納する。すなわち、ローカル領域でのデータの格納を行い、ラインバッファ42に格納したコードデータは、システムコントローラI/F44を介して入力されたシステムコントローラ6からの展開処理命令に基づき、ビデオ制御43に於いて画像データに展開する。展開された画像データもしくはパラレルデータI/F41を介してパラレルバスPbから入力された画像データは、MEMに格納される。この場合、データ変換部45に於いて格納対象となる画像データを選択し、データ圧縮部46においてメモリ使用効率を上げるためにデータ圧縮を行い、メモリアクセス制御部47にてMEMのアドレスを管理しながらMEMに画像データを格納する。MEMに格納された画像データの読み出しは、メモリアクセス制御部47にて読み出し先アドレスを制御し、読み出された画像データをデータ伸張部48にて伸張する。伸張された画像データをパラレルバスPbへ転送する場合、パラレルデータI/F41を介してデータ転送を行う。
【0060】
図7に示すように、メモリ管理手段であるIMACのIPP制御部49に、第2の画像処理手段であるIPP2が接続されている。IPP制御部49が、IMACに接続されたIPP2に対して命令のダウンロード、実行・停止等の管理を制御する。IPP2はIMAC経由でメモリ上の画像データに対して前述の画像処理を行うことができる。IPP1に対するIPP2の特徴は、画像全体を参照することが可能な点である。IPP1はCDICから転送される画像に対して処理を行うので、参照できる画像は自らが保持しているメモリ範囲内でしかない。それに対して、IPP2は画像メモリMEMに対して処理を行うことができるので、前述の像域分離(絵文字分離処理)および地肌検出のように画像の広範囲部分を参照する処理に適している。なお、IPP2に対する指令はIMACが行うので、メモリMEMに対して他のデバイスから使用要求があっても、IMACが該デバイスおよびIPP2に対処するので、問題はなく、しかもMEMの読み書きの効率がよい。
【0061】
図8にFCUの機能構成の概要を示す。FAX送受信部FCUは、画像データを通信形式に変換して外部回線PNに送信し、又、外部回線PNからのデータを画像データに戻して外部I/F部51及びパラレルバスPbを介して作像ユニット5において記録出力する。FAX送受信部FCUは、FAX画像処理52,画像メモリ53,メモリ制御部55,ファクシミリ制御部54,画像圧縮伸張56,モデム57及び網制御装置58からなる。この内、FAX画像処理52に関し、受信画像に対する二値スムージング処理は、VDCのエッジ平滑処理31において行う。又画像メモリ53に関しても、出力バッファ機能に関してはIMAC及びMEMでその機能の一部をおぎなう。
【0062】
この様に構成されたFAX送受信部FCUでは、画像情報の伝送を開始するとき、ファクシミリ制御部54がメモリ制御部55に指令し、画像メモリ53から蓄積している画像情報を順次読み出させる。読み出された画像情報は、FAX画像処理52によって元の信号に復元されるとともに、密度変換処理及び変倍処理がなされ、ファクシミリ制御部54に加えられる。ファクシミリ制御部54に加えられた画像信号は、画像圧縮伸張部56によって符号圧縮され、モデム57によって変調された後、網制御装置58を介して宛先へと送出される。そして、送信が完了した画像情報は、画像メモリ53から削除される。
【0063】
受信時には、受信画像は一旦画像メモリ53に蓄積され、その時に受信画像を記録出力可能であれば、1枚分の画像の受信を完了した時点で記録出力される。又、複写動作時に発呼されて受信を開始したときは、画像メモリ53の使用率が所定値、例えば80%に達するまでは画像メモリ53に蓄積し、画像メモリ53の使用率が80%に達した場合には、その時に実行している書き込み動作を強制的に中断し、受信画像を画像メモリ53から読み出し記録出力させる。このとき画像メモリ53から読み出した受信画像は画像メモリ53から削除し、画像メモリ53の使用率が所定値、例えば10%まで低下した時点で中断していた書き込み動作を再開させ、その書き込み動作を全て終了した時点で、残りの受信画像を記録出力させている。又、書き込み動作を中断した後に、再開できるように中断時に於ける書き込み動作のための各種パラメータを内部的に退避させ、再開時に、パラメータを内部的に復帰させる。
【0064】
以上の例において、画像バス管理手段であるCDICとメモリ管理手段であるIMACは、1組の画像バスであるパラレルバスPbで接続されている。各独立した、画像読みとり手段であるSBU、書き込み手段であるVDCおよび画像信号処理手段であるIPPは直接画像バスPbに接続せずに画像バス管理手段CDICに接続するため、事実上、画像バスPbの使用管理は、画像バス管理手段CDICとメモリ管理手段IMACによってのみ行われる。よってバスPbの調停や転送の制御が容易であり、かつ効率的である。
【0065】
−第2実施例−
図9に、本発明の第2実施例の、第1実施例とは異なる部位を示す。図9に示すように、IPP2とメモリMEMが専用の画像バス68で結ばれているのが特徴である。この実施例では、メモリMEMに蓄積する画像データは圧縮するので、IPP2は、画像バス68に接続したメモリアクセス制御に加えて、データ圧縮部およびデータ伸張部を備えている。すなわち、図9に示すIMACのメモリアクセス制御47,データ圧縮部46およびデータ伸張部48に相当する機能を含む。
【0066】
これによればIMAC経由でメモリに対する画像処理を行っていたIPP2が、直接メモリMEMに対して画像処理を行うことができるので、高速化が可能である。この第2実施例のIMACは、IPP2以外のデバイスへの画像データ入、出力のために自己がメモリMEMにアクセスするときに、IPP制御部49からIPP2への制御信号線を、IPP2のアクセスを禁止するレベルに設定し、自己のアクセスが不要なときには制御信号線を、IPP2のアクセスを許可するレベルに設定する。
【0067】
−第3実施例−
図10に、本発明の第3実施例の、電気系統の構成を示す。これは、図1に示すプリンタ400およびファクシミリユニットFCUがない、スキャナ200単体の、画像読取り装置の実施態様である。このシステム構成において、第1実施例のMFPと大きく異なる点は、作像ユニットが無い事である。作像ユニットが不要なのでVDCも装着されない。コネクタ接続により、プリンタ(400)を図2に示すように接続することにより、MFCを構成できる。あるいは、IMACを、一台以上のプリンタ(400)又はファクシミリが接続したLANに接続することにより、プリントアウト又はファクシミリ送信が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例のデジタルカラー複写機の機構概要を示す縦断面図である。
【図2】 図1に示す複写機の電気制御システムの構成の概要を示すブロック図である。
【図3】 図2に示す第1の画像信号処理装置IPP1の機能構成を示すブロック図である。
【図4】 図2に示す圧縮/伸張及びデータインターフェース制御部CDICの機能構成を示すブロック図である。
【図5】 図2に示すビデオ・デ−タ制御VDCの機能構成を示すブロック図である。
【図6】 図2に示す第2の画像信号処理装置IPP2の機能構成を示すブロック図である。
【図7】 図2に示す画像メモリアクセス制御IMACの機能構成を示すブロック図である。
【図8】 図2に示すFAX送受信部FCUの機能構成を示すブロック図である。
【図9】 本発明の第2実施例の主要部の機能構成を示すブロック図である。
【図10】 本発明の第3実施の電気制御システムの構成の概要を示すブロック図である。
【符号の説明】
200:原稿読取りスキャナ 400:フルカラープリンタ
IPP:画像信号処理装置
CDIC:圧縮/伸張及びデータインターフェース制御部
VDC:ビデオ・デ−タ制御 IMAC:画像メモリアクセス制御
FCU:FAX送受信部 SBU:センサー・ボ−ド・ユニット
PN:公衆回線

Claims (7)

  1. 画像読取手段;
    データバス;
    メモリ装置;
    前記画像読取手段で読み取られた画像データの前記画像読取手段の画像読み取りの歪みによる劣化を補正する読取画像処理機能、および該読取画像処理機能で補正した劣化補正画像データを出力用の画像データに変換する階調処理機能を有する第1の画像処理手段;
    劣化補正画像データに前記第1の画像処理手段の前記読取画像処理機能および階調処理機能による画像処理とは別個のフィルタ処理を行う第2の画像処理手段;
    前記画像読取手段から出力される画像データを第1の画像処理手段の読取画像処理機能に送信し該読取画像処理機能で補正された劣化画像データを前記データバスに送出し、前記メモリ装置から前記データバスに送出された第2の画像処理手段でフィルタ処理された画像データを第1の画像処理手段の階調処理機能に送信する画像データ送受を管理する画像バス管理手段;および、
    前記データバスに送出された劣化補正画像データを前記メモリ装置に送り前記メモリ装置から読出した第2の画像処理手段でフィルタ処理された画像データを前記データバスに送る、前記メモリ装置に対する前記データバスの画像データ送受を管理し、かつ、前記メモリ装置から第2の画像処理手段に劣化補正画像データを送り第2の画像処理手段でフィルタ処理された画像データを前記メモリ装置に送る、第2の画像処理手段に対する画像データ送受を管理する、メモリ管理手段;
    を備え
    第1の画像処理手段の前記階調処理機能は更に、前記画像バス管理手段から送信された、前記第2の画像処理手段でフィルタ処理された画像データを、出力用の画像データに変換する;
    画像読取り装置。
  2. 第2の画像処理手段が前記メモリ装置に直接にアクセスしてデータを読み書きするための専用のバス;を更に備え、第2の画像処理手段は、該専用のバスを介して前記メモリ装置に直接にアクセスするアクセス制御機能を含む;請求項1に記載の画像読取り装置。
  3. 前記メモリ管理手段は、第2の画像処理手段の前記メモリ装置に対する直接のアクセスの可否を制御する、請求項2に記載の画像読取り装置。
  4. 第2の画像処理手段は、前記メモリ装置の画像データに像域分離処理を適用して画像データが表す画像がエッジか網点領域かを含む特徴を検出し、特徴に基づいて、前記メモリ装置の画像データに特徴を強調するエッジ強調/平滑フィルタ処理を加え、該フィルタ処理後の画像データに前記メモリ装置の画像データを書き換える;請求項1,請求項2又は請求項3に記載の画像読取り装置。
  5. 第2の画像処理手段は、前記メモリ装置の画像データに像域分離処理を適用して画像データが表す画像がエッジか網点領域かを含む特徴を検出し、特徴をあらわす特徴データを前記メモリ装置に蓄積する、請求項1,請求項2,請求項3又は請求項4に記載の画像読取り装置。
  6. 第1の画像処理手段は、前記メモリ装置の特徴データに基づいて階調処理を制御する;請求項5に記載の画像読取り装置。
  7. 請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5又は請求項6に記載の画像読取り装置;および、第1の画像処理手段の階調処理機能が出力する画像出力用の画像データが表す画像を用紙上に形成するプリンタ;を備える画像形成装置。
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