JP2010069474A - 流通式超臨界水熱合成によるナノ粒子の合成方法及びその装置 - Google Patents

流通式超臨界水熱合成によるナノ粒子の合成方法及びその装置 Download PDF

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Shui En
秀懿 閻
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明 鈴木
Kiwamu To
究 陶
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裕司 石井
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Abstract

【課題】流通式で、超臨界水熱合成によりナノ粒子を合成する方法、及びその装置を提供する。
【解決手段】原料として、反応場で、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を用いて、超臨界水熱合成を行う際に、反応場に、アルカリ水溶液を供給して、反応場のpHを制御して、合成微粒子の粒子径を制御すること、また、反応場に、アルカリ水溶液を供給する際に、常温で、アルカリ水溶液と金属塩水溶液を混合せず、高温高圧水とアルカリ水溶液を直接混合し、その後、アルカリを含む高温高圧水と上記金属塩水溶液を混合する2段の混合部により混合すること、あるいは、高温高圧水、アルカリ、金属塩水溶液を同時に1段で混合する1段の混合部により混合すること、からなる超臨界水熱合成方法、及び上記2段の混合部、又は1段の混合部、を具備した超臨界水熱合成装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、流通式超臨界水熱合成によるナノ粒子の合成方法及びその装置に関するものであり、更に詳しくは、高温高圧水と、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を直接的に混合して反応を行う流通式超臨界水熱合成技術において、反応場に、アルカリ水溶液を供給して、反応場のpHを制御して、合成微粒子の粒子径を制御すること、及び、反応場に、アルカリ水溶液を供給する際に、高温高圧水とアルカリ水溶液を直接混合し、アルカリを含む高温高圧水と上記金属塩水溶液を直接混合する2段の混合方式、あるいは、高温高圧水、アルカリ水溶液、金属塩水溶液を同時に混合する1段の混合方式により、上記混合を行うことで特徴付けられる超臨界水熱合成方法及び装置に関するものである。
本発明は、上記超臨界水熱合成方法及び装置を提供するものであり、より具体的には、合成反応場で生じる酸による腐食や、溶出金属による合成微粒子の汚染を抑制することを可能とする水熱合成プロセスと、少なくとも混合部ユニット、反応部ユニット、急冷部ユニット、冷却部ユニットを有し、それらの内部に耐食材料をライニングした高耐食性デバイスと配管を用いた水熱合成装置からなる新しい流通式超臨界水熱合成技術に関する新技術・新製品を提供するものである。
金属酸化物微粒子やナノ粒子は、例えば、磁性体、蛍光体、導電体、透明電極等の様々な分野で使用されている。また、現在、使用されている微粒子よりも、より高機能化を目指して、種々の金属酸化物微粒子の合成方法の検討が進められている。微粒子は、特に、10nm以下になると、量子効果が出現すると考えられている。この様なナノ粒子は、既存の微粒子で得られた性能、特徴、効果を、大きく変革することが期待されている。
微粒子の合成方法としては、例えば、ブレイクダウン方式である粉砕法と、ビルドアップ方式である気相法、液相法、水熱合成法、超臨界水熱合成法、が挙げられる。これらのうち、粉砕法は、ボールミル等で粉砕する方式により、粗大粒子を機械的に粉砕しながら微粒化する方法である。本方式では、粗大粒子として、単一酸化物、複合酸化物が得られれば、基本的に粉砕できるため、本方法の適用範囲は広い。また、粉砕過程で反応を行わせる方式もあり、例えば、メカノケミカル固相反応法により複数種類の固体を同時に粉砕すると、ナノサイズの粒子ができることが報告されている。
次に、気相法は、多くの分野で採用されており、本方式では、ガス中で微粒子を合成するため、コンタミが少なく、高純度の微粒子の合成が可能である。本方法は、原料となる蒸気及び反応ガスの発生方法の種類により大別されるが、原料の濃度、キャリアガス等の選択により、微粒子の大きさ、結晶構造等を制御することができる。しかし、その製造工程は、複雑で、厳密な意味で、粒子径、組成等を制御することは困難である。
その具体的手法としては、電子ビーム等を照射して、物理的に気化させて、気相中で析出させるPVD方法(Physical Vapor Deposition)や、気相中で化学反応を生じさせて微粒子を生成させるCVD方式(Chemical Vapor Deposition)等が用いられる。
これらの方法では、単一酸化物から複合酸化物までの合成が可能である。気相法は、反応場に水が存在しない高温条件下で、微粒子を合成するため、結晶性が非常に良いものが得られる。ただし、粒子径分布が広く、小粒径から比較的大きな粒子が混在したものまで得られる。
次に、液相法は、広く応用されており、本方法では、溶液中で反応を生じさせ、その反応を停止させる手段を設けて、任意の大きさに微粒子を制御することが可能である。合成される微粒子は、溶媒分散系であり、ほぼ球形の粒子が合成され、固相法、気相法等のドライ系では合成できない、複雑な化合物の合成が可能である。
液相法では、核形成、核の成長、及び反応の停止を制御することにより、粒子径の制御、溶媒への分散能、粒子表面の電荷等をコントロールすることが可能である。液相法は、溶液中でpHや溶解度調整を行って微粒子を合成するため、均質な溶液環境を作りやすいので、微粒子の粒子径は小さく、かつ分布が狭いものが得られる。ただし、溶液中での合成であるため、内部に結晶水を含み、結晶性は低い。
次に、水熱合成法は、人工水晶の合成等に実用化されて久しい。通常は、大型のオートクレーブを用いて、300〜400℃、100〜150MPaの高温高圧で、かつアルカリ環境下で合成を行う。本方法では、オートクレーブの下部は、加熱により原料を溶解させ、上部の低温域に保持されている種結晶の表面に再析出して結晶を成長させる。水熱合成法は、高アルカリで、低温の反応場であるため、結晶性は、必ずしも高くなく、表面や内部に、水酸化物イオン、すなわち結晶水を含む場合が多い。
次に、超臨界水熱合成法は、阿尻らにより開発が進められ、現在、広く研究が進められている(非特許文献1〜3)。本方法は、金属塩水溶液と、必要に応じて、アルカリを混合し、超臨界水と直接混合することにより、反応温度まで急速に昇温し、金属酸化物微粒子を得る方法である。
超臨界水熱合成法は、高温高圧の合成場を用いており、気相法と液相法の中間的な結晶性が得られ、かつ液相法に準じる小さい粒子径、狭い粒度分布の微粒子を得ることができるため、その将来性が高く期待されている合成法である。
超臨界水熱合成法に関する先行技術は、種々報告されている。ここで、幾つか例示すると、先行技術文献では、例えば、200℃以上、160kg/cm(16MPa)以上の条件で、流通式反応器による水熱合成を行い、かつ水溶液に還元性ガス、あるいは酸化性ガスを導入することからなる金属酸化物微粒子の製造方法が提案されている(特許文献1)。
また、他の先行技術文献では、バリウムフェライト微粒子を、250℃以上、200kg/cm(20MPa)以上の条件で製造する方法が提案されている(特許文献2)。また、他の先行技術文献では、常温で、鉄、バリウムの硝酸塩を常温混合し、ライン上でKOH水溶液と常温混合した直後に第1段超臨界水と混合して結晶核を生成させ、その後、第2段混合で結晶を成長させる、バリウムフェライト微粒子の製造方法が提案されている(特許文献3)。第1段混合温度は、260〜290℃、第2段混合温度は、380〜420℃、が好ましいとされている。
また、他の先行技術文献では、マンガン塩水溶液は、硝酸、酢酸、硫酸等とし、リチウム塩水溶液は、水酸化リチウム、硝酸、酢酸等とし、更に、反応場をアルカリ雰囲気で合成することにより、スピネル相(立方晶)ではなく、斜方晶若しくは単斜晶のマンガン酸リチウムを合成する二次電池の正極用粉末材料の製造方法が提案されている(特許文献4)。本方法でも、金属塩水溶液とアルカリは、常温で混合している。
また、他の先行技術文献では、立方晶チタン酸バリウムの合成方法において、チタン化合物水溶液とバリウム塩水溶液を混合し、その後、アルカリ水溶液を添加した後に、超臨界水と混合して、水熱反応を行う、高結晶性チタン酸バリウム超微粒子の製造方法が提案されている(特許文献5)。
また、他の先行技術文献では、流通式超臨界水熱合成装置において、超臨界水と混合する金属塩水溶液を、混合直前まで、水の臨界温度、固体析出温度よりも低温に冷却し、また、超臨界水ラインの加熱器を複数段制御し、高温高圧水を上方から下方へ、また、金属塩水溶液を水平方向から混合する、ことからなる微粒子の製造方法、及びその装置が提案されている(特許文献6)。
また、他の先行技術文献では、超臨界水熱合成で得られる微粒子をin−situで有機修飾することを特徴とする有機修飾金属酸化物ナノ粒子の製造法が提案されている(特許文献7〜9)。本方法では、微粒子の種類、合成条件によって、修飾しやすい有機物は変化するものの、それらを最適化することで、非常に凝集が少なく、かつ有機溶媒相で分散状態を保つ微粒子を合成している。
更に、他の先行技術文献では、反応場のpHを変化させることで、酸化ジルコニウムの結晶構造を変化させること、酸性領域で単斜晶、中性及びアルカリ領域で正方晶となること、を特徴とする酸化ジルコニウム結晶粒子の製造方法が提案されている(特許文献10)。
このように、従来、超臨界水熱合成技術に関する研究開発例としては、種々提案がなされているが、現在までの超臨界水熱合成技術は、合成条件の検討が主であり、プロセス開発側からの検討は不十分であると考えられる。本発明者らは、混合技術の検討を進める中で、常温で混合されている酸とアルカリの混合手法に関する検討を行ったところ、混合性能の高い混合器を用いて、酸とアルカリを常温で混合すると、濃度にもよるが、ゾルが生じる場合が多く見られた。すなわち、混合器で均質混合を行うと、ゾルを生じ、そのゾルは、常温で生成された核であり、それにより、水熱合成粒子の粒子径が大きくなる。そのゾルを含む流体を超臨界水と混合すると、粗大粒子が生成するため、圧力変動を生じ、最終的には閉塞に至る場合が多々見られた。
また、超臨界水熱合成では、金属塩水溶液のアニオンは、概ね、硝酸、硫酸、塩酸を生じる金属塩を多用しているため、反応場は、腐食環境におかれる。既往の特許出願、研究開発において、超臨界水熱合成で使用されている合成装置の材質は、ステンレスやインコネル製であり、処理水のpHが2以下の酸性で、配管から金属溶出を生じる。溶出金属は、微粒子の着色を招く場合が多く、腐食対策を実施しない限り、微粒子の純度に課題を残しているのが現状である。そこで、当技術分野では、これらの問題を解決できる新しい超臨界水熱合成技術を開発することが強く要請されていた。
特許第3047110号公報 特許第2777044号公報 特許第3628354号公報 特開2001−202947号公報 特開2003−261329号公報 特許第3663408号公報 特許第3925932号公報 特許第3925936号公報 特開2006−282503号公報 特開2005−255450号公報
T.Adschiri,et al.,J.Am.Ceram.Soc.,75,9(1992)2615 T.Adschiri,et al.,J.Am.Ceram.Soc.,75,4(1992)1019 S.−I.Kawasaki,et.al.,Proceedings of 11th European Meeting on Supercritical Fluids,(2008),P PR 36
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、超臨界水熱合成法において、酸とアルカリを常温で混合した際に、粗大粒子が生成して圧力変動が生じることがなく、それにより、混合器が閉塞に至ることがなく、また、反応場が腐食環境におかれても、金属溶出を生じることがない、新しい混合技術及びその装置を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、高温高圧水とアルカリを混合し、その後に、金属塩水溶液を混合する2段階の混合を行うこと、また、耐食材料を接液部に施行した特定の装置を用いることで、所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)流通方式で、超臨界状態の高温高圧水を用いて、水熱合成を行う超臨界水熱合成方法において、
原料として、反応場で、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を用いて、水熱合成を行う際に、反応場に、アルカリ水溶液を供給して、反応場のpHを制御して、合成微粒子の粒子径を制御することを特徴とする超臨界水熱合成方法。
(2)高温高圧水と、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を直接的に混合して水熱合成反応を行う方法において、
反応場に、アルカリ水溶液を供給する際に、常温で、アルカリ水溶液と金属塩水溶液を混合せず、高温高圧水とアルカリ水溶液を直接混合し、その後、アルカリを含む高温高圧水と上記金属塩水溶液を直接混合する2段の混合部ユニットにより混合するか、あるいは、高温高圧水、アルカリ水溶液、金属塩水溶液を同時に1段で直接混合する1段の混合部ユニットにより混合する、前記(1)に記載の超臨界水熱合成方法。
(3)アルカリ水溶液の高温高圧水との混合後の物性が、アルカリの固体析出温度未満に制御されている、前記(2)に記載の超臨界水熱合成方法。
(4)アルカリ水溶液の、高温高圧水、金属塩水溶液との混合後の物性が、添加したアルカリにより生じる塩類の固体析出温度未満である380〜450℃に制御されている、前記(2)に記載の超臨界水熱合成方法。
(5)アルカリが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、アンモニア、又はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドである、前記(1)から(4)のいずれかに記載の超臨界水熱合成方法。
(6)金属塩水溶液が、硝酸塩、硫酸塩、又は塩化物塩である、前記(1)から(5)のいずれかに記載の超臨界水熱合成方法。
(7)流通方式で、超臨界状態の高温高圧水を用いて、水熱合成を行う超臨界水熱合成方法において、
原料として、反応場で、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を用いて、水熱合成を行う際に、反応場に、アルカリ水溶液を供給して、反応場のpHを制御して、合成微粒子の粒子径を制御する超臨界水熱合成方法であって、
高温高圧水と金属塩水溶液及び/又はアルカリ水溶液を混合する混合部ユニットの下流に、任意の滞留時間を保持できる反応部ユニットを設けて、該反応部ユニットの温度を混合部ユニットより高温にすることにより、微粒子の結晶性を向上させることを特徴とする超臨界水熱合成方法。
(8)流通方式で、超臨界状態の高温高圧水を用いて、水熱合成を行う流通式超臨界水熱合成方法に使用する流通式超臨界水熱合成装置において、
高温高圧水と、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を直接的に混合して水熱合成反応を行う際に、常温で、アルカリ水溶液と金属塩水溶液を混合せず、高温高圧水とアルカリ水溶液を直接混合し、その後、アルカリを含む高温高圧水と上記金属塩水溶液を直接混合するための2段の混合部ユニット、あるいは、高温高圧水、アルカリ、金属塩水溶液を同時に1段で直接混合するための1段の混合部ユニット、を有することを特徴とする超臨界水熱合成装置。
(9)高温高圧水、アルカリ水溶液、金属塩水溶液の2段若しくは1段の混合部ユニットが、内部流路が0超〜1mmであり、流路形状が、ティ、クロス、Y型、若しくは旋回流を生じさせることができる構造、又は中心衝突流による衝突混合構造の高温高圧マイクロミキサー、又はこれらの組合せ構造を有する、前記(8)に記載の超臨界水熱合成装置。
(10)高温高圧水、アルカリ、金属塩水溶液を混合する混合部ユニットの下流に、任意の滞留時間を保持できる反応部ユニットを有している、前記(8)又は(9)に記載の超臨界水熱合成装置。
(11)1種類、若しくは複数種のアルカリ水溶液と、1種類、若しくは複数種の金属塩水溶液を混合した後、超臨界水と混合するシステムと、高温高圧水とアルカリ水溶液を混合した後に、金属塩水溶液を混合する2段の混合部ユニットと、高温高圧水、アルカリ水溶液、金属塩水溶液を同時に混合する1段の混合部ユニットのいずれかで構成される混合部ユニット、該混合部ユニットの下流に、任意の滞留時間を保持できる反応部ユニット、反応後の流体を急冷する急冷部ユニット、反応後の流体、若しくは急冷後の流体を、常温まで冷却を行う冷却部ユニット、それぞれのユニットに接続される配管ユニットの一部、若しくは全部において、接液部を耐食材料で施工した高温高圧デバイス及び/又は配管、を有することを特徴とする超臨界水熱合成装置。
(12)耐食材料が、チタン、チタン合金、タンタル、タンタル合金、白金若しくは金、又はこれらの組み合わせである、前記(11)に記載の超臨界水熱合成装置。
(13)接液部を耐食材料で施工した高温高圧デバイスが、内部流路が0超〜1mmであり、流路形状が、ティ、クロス、Y型、若しくは旋回流を生じさせることができる構造、又は中心衝突流による衝突混合構造、又はこれらの組合せ構造の高温高圧マイクロミキサーを有し、耐食材料の外部には高温強度を有する材料を施工し、実質的に、内部材料は、耐食を担保し、外部材料は、高温強度を担保するライニング構造を有する、前記(11)又は(12)に記載の超臨界水熱合成装置。
(14)内部には、耐食材料として、チタン、チタン合金、タンタル、タンタル合金、白金若しくは金、又はこれらの組み合わせを、外部には、高温強度を有する材料として、ステンレス、インコネル若しくはハステロイを用いた二重構造の配管を有する、前記(11)から(13)のいずれかに記載の超臨界水熱合成装置。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
超臨界水熱合成法では、常温で供給される金属塩水溶液と超臨界水を混合する方法が用いられる。しかし、反応場で、金属塩水溶液由来の酸が生成するため、反応装置の腐食が生じ、反応管から溶出した金属が合成微粒子を汚染し、微粒子純度を低下させる。従来法では、そのような腐食に対する検討や対策は行われていないのが実情である。
本発明者らは、超臨界水熱合成法を用い、反応条件、装置構成の両面から研究を重ねる中で、アルカリの効率的な添加による耐食プロセスの検討と、アルカリ添加による積極的な粒子制御の検討を進め、アルカリを用いない場合、蒼黒く着色した処理水に加えて、腐食性ガスを生じること、着色源は、装置の配管からの鉄、ニッケル、クロムの溶出で、微粒子、溶液のいずれからも検出されることを見出した。
そして、その腐食対策として、常温で、原料塩水溶液にアルカリを添加した結果、平均粒子径は大きく、かつ粒度分布が広い粒子が生成し、装置の圧力変動、流路の閉塞を生じた。
その原因を調べたところ、両液を常温混合した際に、微粒子前駆体のゾルの沈澱を生じ、このゾルが微粒子の合成に大きく影響を及ぼし、粗大粒子の生成、流路の閉塞に至ることが分かった。そこで、アルカリの混合方式について種々検討を加え、アルカリを反応場に供給する際に、はじめに、超臨界水にアルカリを直接混合し、その後に、金属塩水溶液を混合する2段の混合方式、あるいは、これらを同時に1段で直接混合する1段の混合方法で微粒子を合成することにより、沈澱性のゾル生成を抑制することができ、装置の圧力変動、流路の閉塞を抑制できることを見出し、本発明を創出するに至った。
本発明は、流通方式で、超臨界状態の高温高圧水を用いて、水熱合成を行う超臨界水熱合成方法において、原料として、反応場で、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を用いて、水熱合成を行う際に、反応場に、アルカリ水溶液を供給して、反応場のpHを制御して、合成微粒子の粒子径を制御すること、を特徴とするものである。
本発明では、高温高圧水と、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を直接的に混合して水熱合成反応を行う方法において、反応場に、アルカリ水溶液を供給する際に、常温で、アルカリ水溶液と金属塩水溶液を混合せず、高温高圧水とアルカリ水溶液を直接混合し、その後、アルカリを含む高温高圧水と上記金属塩水溶液を直接混合する2段の混合部ユニットにより混合するか、あるいは、高温高圧水、アルカリ水溶液、金属塩水溶液を同時に1段で直接混合する1段の混合部ユニットにより混合することが好適である。
また、本発明は、流通方式で、超臨界状態の高温高圧水を用いて、水熱合成を行う超臨界水熱合成方法において、 原料として、反応場で、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を用いて、水熱合成を行う際に、反応場に、アルカリ水溶液を供給して、反応場のpHを制御して、合成微粒子の粒子径を制御する超臨界水熱合成方法であって、高温高圧水と金属塩水溶液及び/又はアルカリ水溶液を混合する混合部ユニットの下流に、任意の滞留時間を保持できる反応部ユニットを設けて、該反応部ユニットの温度を混合部ユニットより高温にすることにより、微粒子の結晶性を向上させることを特徴とするものである。
更に、本発明は、流通方式で、超臨界状態の高温高圧水を用いて、水熱合成を行う流通式超臨界水熱合成方法に使用する流通式超臨界水熱合成装置において、高温高圧水と、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を直接的に混合して水熱合成反応を行う際に、常温で、アルカリ水溶液と金属塩水溶液を混合せず、高温高圧水とアルカリ水溶液を直接混合し、その後、アルカリを含む高温高圧水と上記金属塩水溶液を直接混合するための2段の混合部ユニット、あるいは、高温高圧水、アルカリ、金属塩水溶液を同時に1段で直接混合するための1段の混合部ユニット、を有する、ことを特徴とするものである。
本発明では、高温高圧水と、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を直接的に混合して反応を行う超臨界水熱合成方法及びその流通式超臨界水熱合成装置において、常温で、アルカリ水溶液と金属塩水溶液を混合せず、はじめに、高温高圧水とアルカリ水溶液を直接混合し、その後、アルカリを含む高温高圧水と上記金属塩水溶液を直接混合する2段の混合部ユニットにより混合するか、あるいは、高温高圧水、アルカリ水溶液、金属塩水溶液を同時に1段で直接混合する1段の混合部ユニットにより混合する。
常温で、アルカリと金属塩水溶液を混合すると、ゾルを生じる可能性が高い。ゾルは、結晶核となり、ゾルのサイズが、水熱合成微粒子のサイズに大きな影響を及ぼすと考えられる。ゾルは、それほど小さな粒子を生成することはないため、水熱合成の反応場において、粗大粒子が生成し、圧力変動、最終的には流路の閉塞を生じる可能性がある。本発明では、好適には、はじめに、高温高圧水とアルカリを混合し、その後に、金属塩水溶液を混合する2段階の混合を行う。
また、本発明では、高温高圧水と、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を直接的に混合して反応を行う超臨界水熱合成方法及びその流通式超臨界水熱合成装置において、常温で、アルカリ水溶液と金属塩水溶液を混合せず、好適には、高温高圧水、アルカリ、金属塩水溶液を同時に1段で直接混合する1段階の混合を行う。
前述の通り、常温で、アルカリと金属塩水溶液を混合すると、ゾルを生成する場合が多いため、本発明では、超臨界水熱合成の反応場に至るまでの事前混合は行わない。また、本発明では、高温高圧水とアルカリの混合後の物性が、アルカリの固体析出温度未満に制御される。アルカリ水溶液は、例えば、高温高圧水と混合された後の条件で、気液状態となっていれば、中和剤として、アルカリが寄与すると考えられる。
一方、アルカリ水溶液は、固体として析出すれば、中和に寄与せずに、金属塩水溶液が水熱合成により酸化金属微粒子を合成すると同時に酸が生じるため、その酸により、反応管は、腐食を受けることになる。それを防ぐためには、高温高圧水とアルカリの混合後の物性がアルカリの固体析出温度未満となるように制御することが重要であることが明らかとなった。本発明は、高温高圧水、アルカリ、金属塩水溶液の混合後の物性が、添加したアルカリにより生じる塩類の固体析出温度未満である380〜450℃に制御されること、を好ましい実施の態様としている。
本発明では、アルカリ、若しくは金属塩水溶液の濃度、若しくは流量を調節して、合成処理水のpHが2〜13となるように、反応場に存在する酸に対するアルカリ添加量を制御し、合成微粒子の粒子径を制御する。例えば、混合部ユニット内の流れ場を変化させないように、アルカリ、金属塩水溶液の流量は一定とし、アルカリの濃度を僅かに変えて、反応場のアルカリ添加量、すなわちモニタリングデータとしては、処理水のpHが2〜13と変化する条件で合成を行う。アルカリ添加量が多くなるにつれて、合成微粒子の粒子径は大きくなり、また、粒子径が大きくなるに伴い、結晶性も向上する。
本発明では、アルカリとして、水溶液の無機アルカリ、若しくは有機アルカリを用い、具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等が用いられる。特に好ましくは、水酸化カリウムを用いる。例えば、30MPa一定条件下で、塩化物塩を水酸化カリウムで中和した場合に生じる塩化カリウムは、水酸化ナトリウムで中和した場合に生じる塩化ナトリウムよりも固体が析出する温度(三相平衡温度)が高い。
すなわち、中和した塩は、30MPa条件では、塩化カリウムの方が高温で析出しにくいことが報告されている(S.−I.Kawasaki,et.al.,J.of Supercritical Fluids,42(2007)241−254)。従って、中和剤として用いるアルカリは、水酸化カリウムが特に好適である。また、本発明では、金属塩水溶液として、硝酸塩、硫酸塩、塩化物塩等の反応場で強酸を生じる原料塩や、これらの酸のオキシ塩、酢酸塩等が用いられる。
本発明の超臨界水熱合成装置では、高温高圧水、アルカリ水溶液、金属塩水溶液の2段の混合部ユニット、若しくは1段の混合部ユニットの構成として、混合部ユニットの内部流路が、0超〜1mm、好ましくは、0.3〜1mmであり、流路形状がティ、クロス、Y型、若しくは旋回流を生じさせることができる構造を有すること、中心衝突流による衝突混合構造、又はこれらの組合せ構造等の高温高圧マイクロミキサーを用いること、を好ましい実施の態様としている。
上記混合部ユニットの形状及び構造は、急速昇温速度に直接的に影響を及ぼす。また、上記高温高圧マイクロミキサーを用いると、高温高圧水と金属塩水溶液の混合が促進され、急速に反応温度まで昇温される。その結果、微粒子の粒子径は小さくなり、粒度分布は、非常に狭くなることが報告されている(非特許文献3)。また、混合部ユニットの検討を進めた結果として、本発明では、マイクロ流路により形成されるティ、クロス、Y型、旋回流構造、中心衝突型、又はこれらの組合せ構造等の構造を有するマイクロミキサーを用いること、を好ましい実施の態様としている。
本発明の超臨界水熱合成装置は、高温高圧水と金属塩水溶液及び/又はアルカリ水溶液を混合する混合部ユニットの下流に、任意の滞留時間を保持できる反応部ユニットを有しており、反応部ユニットの温度を、混合部ユニットより高温にすることにより、微粒子の結晶性を向上させることが可能となる。
本発明では、一例として、高温高圧水とアルカリの1段の混合部の温度が、420℃、その後の金属塩水溶液混合部の温度が、400℃の場合、反応部ユニットの温度を、400℃から500℃に上昇させると、粒子径の成長はないものの、TG−DTA(差動型示差熱天秤)より、結晶性の向上が見られる。
本発明の超臨界水熱合成装置は、常温で、1種類、若しくは複数種のアルカリ水溶液と、1種類、若しくは複数種の金属塩水溶液を直接混合した後、超臨界水と混合するシステムと、高温高圧水とアルカリを混合した後に、金属塩水溶液を混合する2段の混合部ユニットと、高温高圧水、アルカリ、金属塩水溶液を同時に直接混合する1段の混合部ユニットとの、いずれかのシステムで構成される混合部ユニットを有している。
また、上記混合部ユニットの下流に、任意の滞留時間を保持できる反応部ユニット、反応後の流体を、必要に応じて、急冷水と混合して急冷を行う急冷部ユニット、反応後の流体、若しくは急冷後の流体を、常温まで冷却を行う冷却部ユニット、また、それぞれのユニットに接続される配管ユニットの全ユニット、若しくは何れかのユニットにおいて、接液部を耐食材料で施工した高温高圧デバイス、また、配管を有している。
これまで、超臨界水熱合成装置では、腐食対策について言及されたものはない。しかし、反応場で生じる酸により腐食を生じ、反応管の材質由来の溶出金属が合成微粒子の着色の問題を生じていることは明らかであると考えられる。本発明者らは、腐食対策の一環として、反応場へのアルカリの供給を検討してきた結果、腐食対策に加えて、粒子径制御が可能であることを明らかにして本発明に至った。また、本発明者らは、装置開発として、耐食材料を接液部に施工した高耐食性デバイスを同時に開発しており、これらを用いることにより、中和剤を供給せずに、高濃度の合成が可能となることを明らかにした。
本発明の超臨界水熱合成装置は、耐食材料が、チタン、チタン合金、タンタル、タンタル合金、白金若しくは金、又はこれらの組み合わせであること、また、酸に対する耐食性が高い材料であり、これらを、それぞれ、若しくは組み合わせて使用することを好ましい実施の態様としている。上記に挙げた材料は、いずれも一般的な酸に対して耐食性が高い材料として認知されているが、超臨界水熱合成における腐食環境に合わせて、最適な材料を選択するのが望ましい。例えば、チタンは、上記材料の中では比較的安価で、加工性にも優れるが、リン酸が発生する環境においては、耐食性が低いため、使用に適さず、この場合、タンタル等の方が適している。
本発明は、接液部を耐食材料で施工した高温高圧デバイスとして、内面の耐食材料がチタン、チタン合金、タンタル、タンタル合金、白金若しくは金、又はこれらの組み合わせで、内部流路が、0超〜1mmであること、流路形状が、ティ、クロス、Y型、若しくは旋回流を生じさせることができる構造であること、中心衝突流による衝突混合構造、又はこれらの組合せ構造等の高温高圧マイクロミキサーを用いること、配管とのシール部に関しても、耐食材料で製作し、耐食材料の外部には、ステンレスやインコネル等の高温強度を有する材料を施工すること、が好適である。
また、本発明では、実質的に、内部材料は、耐食を、外部材料は、高温強度を担保するライニング構造デバイスを用いる。チタン、タンタルは、高温強度を有していないため、無垢材としてデバイス、配管を製作できない。本発明では、内面に、チタン、チタン合金、タンタル、タンタル合金、白金若しくは金、又はこれらの組み合わせを、外面に、ステンレス、インコネルやハステロイ等のNi合金等の高温強度を有する材料を用いたデバイス、二重構造の配管を製作する。
本発明の適用分野の一例として、色素増感型太陽電池があるが、この色素増感型太陽電池は、シリコン型に発電効率は及ばないものの、製造コストが低く、次世代太陽電池として期待されており、発電効率向上の課題の一つとして、電子導電体である酸化チタンの微粒化、均質化が挙げられる。本発明者らは、この課題に対して、超臨界水熱合成法を用い、反応条件、装置構成の両面から開発を進めている。
しかし、従来の合成法では、常温で供給される金属塩水溶液と超臨界水を直接混合する昇温方法を用いているため、迅速かつ均質に反応温度まで昇温できるデバイスの開発が不可欠である。また、反応場で、金属塩水溶液由来の酸が生成するため、腐食が生じ、反応管からの溶出した金属が合成微粒子を汚染し、微粒子純度を低下させている。
既存の混合プロセスでは、常温で、金属塩水溶液とアルカリを混合した後に、超臨界水と混合し、反応温度まで昇温する。その後、任意の滞留時間を保持できるコイルリアクターを経て、急冷・間接冷却により、常温まで冷却され、背圧弁を経て、ナノ粒子を含む処理水として回収される。配管、継手は、すべて、SUS316製である。図1に、既存方式の超臨界水熱合成装置、図2に、本発明に係る超臨界水熱合成装置の概略を示す。
合成条件は、反応温度T3が400℃、反応圧力P5が30MPa、滞留時間2sである。SCW流量は、33g/min、アルカリ、硫酸チタンは、それぞれ6g/min、急冷水は65g/minとした。原料は、硫酸チタン(IV)の硫酸水溶液(Ti濃度0.04mol/L)とし、アルカリは、水酸化カリウムを用い、両液混合後のpHが2〜11となる濃度に調整した。
アルカリを用いない場合、茶黒く着色した処理水に加えて、腐食性ガスを生じる。着色源は、装置の配管からの鉄、ニッケル、クロム等の溶出で、微粒子、溶液の何れにも着色が見られる。そこで、腐食対策として、アルカリを添加して、既存方式で、硫酸チタンにアルカリを常温混合して実験を行った。
その結果、平均粒子径は大きく、かつ粒度分布が広い粒子が生成し、圧力変動・閉塞を生じた。これは、両液を常温混合した際に、水酸化チタン、若しくは非晶質の酸化チタンと考えられるゾルの沈殿を生じ、このゾルが、酸化チタン微粒子の合成に大きく影響を及ぼし、粗大粒子の生成、流路の閉塞に至ったためと考えられる。
そこで、本発明では、はじめに、超臨界水に水酸化カリウムを混合し、その後に、硫酸チタンを混合する2段の混合方式で、酸化チタン微粒子を合成した。同じ実験条件で、混合方式のみ変更し、混合部は、内径0.8mmのマイクロミキサーを用いた。また、水酸化カリウムの濃度を変化させ、処理水のpHを3〜11まで変化させた。
本発明の混合方式を用いることで、沈殿性のゾル生成を抑制でき、圧力変動・流路閉塞は生じなかった。アルカリ混合後の温度t3が420℃、反応温度t5が400℃の条件では、水酸化カリウムの固体析出温度に達しないと推測され、何れのアルカリ添加率であっても、処理水の着色、微粒子の着色は、低減され、中和効果が見られた。
本発明では、混合部ユニットを構成する継手構造としては、例えば、3方向からの中空パイプを接合した継手構造において、継手本体がT字状に形成され、その3方向に連通する開孔を有し、内部には、継手インナーが、鋳造品の加工、若しくは鋳造成型等で一体に内臓され、該継手インナーに嵌合孔を有し、各嵌合孔に、アダプタ部材が収納され、各パイプに、フランジが一体に設けられ、該フランジと係合するナット部材が継手本体の内壁に形成された螺刻と歯合されている継手構造、が好適なものとして例示される。しかし、その具体的形状及び構造は、適宜設計することができる。
アルカリ混合後の温度t3が420℃、反応温度t5が400℃の条件では、アルカリの固体析出温度に達しないと考えられ、何れのアルカリ添加であっても、本発明の混合方式では、処理水の着色、微粒子の着色は低減され中和効果が見られることが分かった。また、アルカリの添加量が多いほど、結晶成長効果が見られ、積極的な粒子径を制御できることが分かった。本発明は、超臨界水熱合成による装置の腐食の抑制と、合成粒子の粒子径を積極的に制御することを可能とする新しい超臨界水熱合成技術を提供するものとして有用である。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)超臨界水熱合成による装置の腐食の抑制と、合成粒子の粒子径を積極的に制御することを可能とする新しい超臨界水熱合成技術を提供することができる。
(2)本発明では、アルカリと金属塩水溶液を常温で混合するのではなく、はじめにアルカリを超臨界水に、その後、金属塩水溶液を混合することにより、安定的に合成、中和が可能であり、それにより、超臨界水熱合成を用いた微粒子合成技術を大きく改善することができる。
(3)アルカリの添加量によって、合成される微粒子の粒子径を積極的に制御することができる。
(4)これらは、混合性能が良好なマイクロミキサーを用いることにより好適に達成される。
(5)耐食材料を内部にライニングした高耐食性デバイスを用いることにより、更に、反応管金属からの溶出を根本的に低減することが可能となり、非常に高純度な微粒子の合成が可能となる。
(6)多用されている硝酸塩はもちろんのこと、硝酸塩より安価であるが高腐食性を示す塩化物塩、硫酸塩等を原料として用いることができる。
従来の超臨界水熱合成装置の概略図を示す。 本発明の超臨界水熱合成装置の概略図を示す。 従来法(pH2)での合成運転圧力変動のトレンドを示す。 従来法(pH11)での合成運転圧力変動のトレンドを示す。 本発明による合成運転(pH2)のトレンドを示す。 本発明による合成運転(pH11)のトレンドを示す。 透過型電子顕微鏡(TEM)により得られた微粒子の写真を示す。 300個以上の微粒子の粒子径を測定して得た粒子分布を示す。 反応部温度を400、450、500℃と変化させた場合の粒子径分布を示す。 反応部温度を400、450、500℃と変化させた場合のTG変化を示す。 高耐食性特殊継手の一例の断面構造を示す。 高耐食性特殊継手の性能評価試験のフローの概略図を示す。 インコネル625/Ta耐食継手・配管に対する腐食試験における処理水への母材金属の溶出を調査した結果を示す。 インコネル625/Ti耐食継手・配管に対する腐食試験における処理水への母材金属の溶出を調査した結果を示す。 従来型継手・配管の組み合わせと高耐食性二重構造継手・配管を採用した場合における処理水への母材金属の溶出を比較した結果を示す。
次に、比較例(従来例)及び本発明の実施例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の例によって何ら限定されるものではない。
比較例(従来例)
既存の超臨界水熱合成装置の概略を示す図1では、原料の金属塩水溶液として、一例として、硫酸チタンTi(SO水溶液を用いて、酸化チタン微粒子を合成する場合を示している。硫酸チタン水溶液は、アルカリ水溶液(Alkali)と常温で混合され、その後、超臨界状態の高温高圧水(超臨界水SCW)と混合されて、酸化チタン微粒子の合成を行っている。ここで、反応温度は、混合部温度T3で、反応圧力は、P5で規定される。
また、必要に応じて、任意の滞留時間を保持できる反応部を有しており、一般的には、コイルリアクターを用いている。また、必要に応じて、反応部温度T4を高くすることもできる。その後、必要に応じて、急冷水を直接混合して、200℃以下まで冷却して、反応を停止させることができる。また、その後、間接熱交換器(コイルシェル型や二重管型等)により、常温まで冷却され、背圧弁を経て、減圧される。
原料である硫酸チタン水溶液は、硫酸チタンの安定化のため、硫酸が添加されており、トータルの硫酸濃度としては、硫酸チタン由来の1.5倍モルの硫酸イオンを含んでいる。これによって、酸化チタン合成後の硫酸濃度は、合成濃度にもよるが、すぐにpHが2以下の酸性となり、超臨界水熱合成装置で腐食を生じた。
具体的条件は、SCW流量が33g/min、硫酸チタン水溶液が12g/minの場合、硫酸チタンのタンク濃度が、Tiベースで0.04mol/Lとすると、中和剤を添加しない場合、反応場のpHは1.4となった。反応温度T3は、400℃、反応部温度T4は、400℃、反応部滞留時間は、約2s、反応圧力P5は、30MPaであった。
この条件で合成を行うと、茶色の着色を呈した微粒子が合成され、メンブレンフィルターで微粒子を除去した後の処理水にも着色が見られ、更に、腐食性ガスも生成した。ここで、アルカリとして、水酸化カリウムを、トータル硫酸に対して当モル程度の濃度に調整して、6g/minの流量で供給し、常温で混合した。
この場合、MM1(マイクロミキサー)において、条件によって、ゾルが生じることが分かった。このゾルの生成が、水熱合成反応場(MM2出口)での粗大粒子の生成に直接的に影響を及ぼすと考えられた。特に、アルカリ添加量(濃度)が高くなると、ゾル生成が顕著となり、水熱合成プロセスのポンプ圧力(P1〜P3)の変動、また、最終的には、閉塞を生じる結果となった。図3、4に、それぞれ、処理水のpHが2、11の際の、既存法における、合成運転圧力変動のトレンドを示す。何れも、圧力変動を伴っており、安定的に、長時間合成することは、困難であることが分かった。
本実施例では、本発明のプロセス及び超臨界水熱合成装置の例を具体的に説明する。図2に、本発明のプロセス及び超臨界水熱合成装置の実施例を示す。図において、図1の既存例と異なる点は、超臨界水に、予めアルカリを混合することである。この方式は、アルカリを混合した後の温度t3が、アルカリが固体として析出する温度以上であることが重要である。すなわち、アルカリが、超臨界水中に気液状態で存在し、固体を生じる前の条件であれば、中和剤として寄与することが期待できる。図の装置は、図1の既存例と同様に、硫酸チタン、水酸化カリウムを想定して構築したものである。
アルカリ水溶液を混合後、温度t3は、420℃、硫酸チタン水溶液混合後の反応温度t5は、400℃であった。反応部温度t6は、400℃で、かつ反応圧力p5は、30MPaであった。合成運転圧力変動トレンドを、図5、6に示す。これらの図から明らかなように、何れの条件であっても、圧力変動を生じることはなく、安定的な運転が、数時間達成できた。すなわち、アルカリの混合方式を確立することにより、好適な中和作用及びプロセスの安定化を達成することができた。
本実施例では、図2に記載のプロセス及び超臨界水熱合成装置で、水酸化カリウム水溶液、硫酸チタン水溶液のそれぞれの流量を6g/min一定とし、アルカリの濃度を変化させて、処理水のpHを、2〜11と変化させた。その結果、何れの条件でも、微粒子への着色は見られず、添加したアルカリ水溶液は、中和に寄与していると考えられた。また、透過型電子顕微鏡(TEM)により得られた微粒子の写真を、図7の(a)〜(d)に示す。また、TEM写真から、300個以上の微粒子の粒子径を測定して得た粒子径分布を、図8に示す。
アルカリ水溶液の添加量が増加するほど(処理水のpHが3,4,5,11と増加するほど)、得られる平均粒子径は、順に、13,17,20,30nmとなり、標準偏差/変動係数も、それぞれ6.6/0.5,9.5/0.6,9.1/0.5,15.3/0.5と均質な微粒子を得た。また、標準偏差値は、アルカリ水溶液の添加量が多いほど大きくなるため、ピーク形状がブロードを呈していることが分かる。
本実施例では、図2に記載のプロセス及び超臨界水熱合成装置で、反応部温度T6を、400、450、500℃と変化させた。その場合の結果について説明すると、反応管の長さは、変化させていないため、滞留時間は、2、0.8、0.6sと減少していた。その場合の粒子径分布を、図9に、TG変化を、図10に示す。図9より、粒子径分布は、ほぼ変化しないものの、図10に示すTG曲線は、反応部温度が高温ほど、結晶の重量変化は小さく、もともとの微粒子の結晶性が高いことが分かる。
本実施例では、超臨界水熱合成混合ユニットとして、高耐食性特殊継手を作製し、性能評価試験を行った。以下、図11,12を参照しつつ、実施の形態について説明する。図11に、高耐食性特殊継手の一例の構造を表す断面図を示す。内面部材は、高腐食性流体に曝されるため、耐食材チタンTiあるいはタンタルTaで構成し、これらの欠点である高温強度不足を補うために、外側部材として、高温強度に優れるインコネル625を用いた。
半割りした外側部材aで、両側から内面部材bを嵌め込み、半割り外側部材同士をレーザ溶接することにより、高耐食性と高温強度を併せ持つ二重構造デバイスを作製した。更に、同じく二重構造を有する配管との接続のためのインコネル625製ナット部品cを、レーザ溶接し、高耐食性特殊継手とした。
配管にも、高耐食性と高温強度を併せ持たせるために、内面部材に、チタン又はタンタルを使用し(継手内面部材と一致させる)、外側部材に、インコネル625を用いた二重構造配管を採用した。図11に示すように、二重構造配管dの先端は、継手受け面との形状にあわせて、適切なテーパ角に切削加工した上で、更に、配管外面に、インコネル625製カラーeをレーザ溶接し、これをボルトfで押し込むことにより、継手受け面との間のシール力を付与した。
また、継手受け面と二重構造配管先端との間には、継手内面部と同材のフェラル部品gを挿入した。このフェラル部品の調心効果により、二重配管側と継手側で少々の寸法精度差があった場合でも、より緊密な係合状態が実現される。更に緊密な係合状態を実現するためには、二重構造配管先端角度αをフェラル受け面角度βよりも、やや小さく設定することが好適である。同様に、フェラル先端と継手受け面の係合面に関しても、フェラル先端角を継手受け面角よりも、やや小さく設計することが好適である。
図12に、高耐食性継手の性能評価試験のフローの概略図を示す。図中、点線内の領域は、恒温槽により、400℃程度に保った。超臨界水(SCW)及び強酸溶液(Acid)は、市販SUS316製継手h,iにより、SUS316配管から、図中、太線で示す二重構造配管に変換され、高耐食性継手jに供給し、混合した。混合液は、恒温槽を出た直後に、二重構造配管のまま、冷却器kにおいて、急速に室温まで冷却され、その後、市販SUS316製継手lによりSUS316配管に変換され、減圧弁mを経て、処理水nとして採取した。
すなわち、高温かつ強酸性流体の両条件を満たす強腐食領域は、二重構造配管・継手を用いて、高耐食仕様とした。試験条件としては、SCW流量8.2ml/min.、Acid流量1.8ml/min.とし、処理水のpHが1〜2となるように、Acidタンク濃度を調整した。混合場の圧力(P)は、30MPa、継手混合直後の温度(TC)は、400〜440℃の範囲で設定した。
上記性能評価試験において採取した処理水への、継手及び配管金属からの腐食溶出を分析した。耐食継手・配管の外側部材であるインコネル625の主要成分であるNi,Crと、内面部材であるTa,Ti、及び室温部配管SUS316の主要成分であるFeについて、処理水中の濃度を調査した。図13、14に、処理水中の濃度を、Acid通液開始からの積算通液時間に対してプロットした結果を示す。
図中の温度は、通液試験時における継手混合直後の温度(TC)を示している。これらの図から、内面部材に、タンタル及びチタンのいずれを採用した継手においても、配管母材金属の溶出は、0.1ppm以下と、極めて低濃度であるとともに、本高耐食性シール構造に十分な耐久性があることが確認された。
また、高耐食性特殊継手との性能比較のために、従来型継手・配管の組み合わせについても、同様の評価試験を行った。従来型継手には、市販されている高圧用継手(スウェージロック社継手に代表されるCompression fitting方式)をインコネル625(INC625)で構成したものを用い、これに接続する配管として、インコネル625単管及びインコネル625/Ti二重構造配管のそれぞれの組み合わせを評価した。
Acid通液開始から5時間経過時点での処理水中の配管母材金属溶出濃度を比較した。その結果を、図15に示す。図より、従来型継手・配管の組み合わせでは、配管母材の腐食溶出が激しく、合成微粒子の純度が著しく低下することが明らかである。また、配管のみ耐食二重構造とした場合でも、依然として、継手部で腐食が起きていることが明らかであり、継手シールが経時劣化し、いずれ破綻する事態が想起される。これらに対し、継手・配管ともに耐食二重構造とした場合では、配管母材の溶出を、ほぼ完全に抑制できることが分かる。
以上の実施例により、従来型継手・配管から、高耐食性継手・配管に変更することによって、微粒子の合成を実施した際に、顕著な純度の向上が実現される。
以上詳述したように、本発明は、流通式超臨界水熱合成によるナノ粒子の合成方法及びその装置に係るものであり、本発明により、超臨界水熱合成を用いた微粒子合成方法において、反応場のpHを制御することにより、合成微粒子の粒子径を制御することができる。また、本発明により、アルカリと金属塩水溶液を常温で混合するのではなく、アルカリを超臨界水に、その後、金属塩水溶液を混合することにより、安定的に微粒子の合成、中和が可能となる。また、本発明では、アルカリの添加量によって、合成される微粒子の粒子径を積極的に制御することができる。本発明の流通式超臨界水熱合成は、混合性能が良好なマイクロミキサーを用いることにより達成される。また、耐食材料を内部にライニングした高耐食性デバイスを用いることにより、更に、本発明では、反応管金属からの溶出を根本的に低減することが可能となり、非常に高純度な微粒子を合成することが可能である。本発明は、超臨界水熱合成による装置の腐食の抑制と、合成粒子の粒子径を積極的に制御することを可能とする新しい超臨界水熱合成技術を提供するものとして有用である。

Claims (14)

  1. 流通方式で、超臨界状態の高温高圧水を用いて、水熱合成を行う超臨界水熱合成方法において、
    原料として、反応場で、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を用いて、水熱合成を行う際に、反応場に、アルカリ水溶液を供給して、反応場のpHを制御して、合成微粒子の粒子径を制御することを特徴とする超臨界水熱合成方法。
  2. 高温高圧水と、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を直接的に混合して水熱合成反応を行う方法において、
    反応場に、アルカリ水溶液を供給する際に、常温で、アルカリ水溶液と金属塩水溶液を混合せず、高温高圧水とアルカリ水溶液を直接混合し、その後、アルカリを含む高温高圧水と上記金属塩水溶液を直接混合する2段の混合部ユニットにより混合するか、あるいは、高温高圧水、アルカリ水溶液、金属塩水溶液を同時に1段で直接混合する1段の混合部ユニットにより混合する、請求項1に記載の超臨界水熱合成方法。
  3. アルカリ水溶液の高温高圧水との混合後の物性が、アルカリの固体析出温度未満に制御されている、請求項2に記載の超臨界水熱合成方法。
  4. アルカリ水溶液の、高温高圧水、金属塩水溶液との混合後の物性が、添加したアルカリにより生じる塩類の固体析出温度未満である380〜450℃に制御されている、請求項2に記載の超臨界水熱合成方法。
  5. アルカリが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、アンモニア、又はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドである、請求項1から4のいずれかに記載の超臨界水熱合成方法。
  6. 金属塩水溶液が、硝酸塩、硫酸塩、又は塩化物塩である、請求項1から5のいずれかに記載の超臨界水熱合成方法。
  7. 流通方式で、超臨界状態の高温高圧水を用いて、水熱合成を行う超臨界水熱合成方法において、
    原料として、反応場で、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を用いて、水熱合成を行う際に、反応場に、アルカリ水溶液を供給して、反応場のpHを制御して、合成微粒子の粒子径を制御する超臨界水熱合成方法であって、
    高温高圧水と金属塩水溶液及び/又はアルカリ水溶液を混合する混合部ユニットの下流に、任意の滞留時間を保持できる反応部ユニットを設けて、該反応部ユニットの温度を混合部ユニットより高温にすることにより、微粒子の結晶性を向上させることを特徴とする超臨界水熱合成方法。
  8. 流通方式で、超臨界状態の高温高圧水を用いて、水熱合成を行う流通式超臨界水熱合成方法に使用する流通式超臨界水熱合成装置において、
    高温高圧水と、合成後に酸を生じる金属塩水溶液を直接的に混合して水熱合成反応を行う際に、常温で、アルカリ水溶液と金属塩水溶液を混合せず、高温高圧水とアルカリ水溶液を直接混合し、その後、アルカリを含む高温高圧水と上記金属塩水溶液を直接混合するための2段の混合部ユニット、あるいは、高温高圧水、アルカリ、金属塩水溶液を同時に1段で直接混合するための1段の混合部ユニット、を有することを特徴とする超臨界水熱合成装置。
  9. 高温高圧水、アルカリ水溶液、金属塩水溶液の2段若しくは1段の混合部ユニットが、内部流路が0超〜1mmであり、流路形状が、ティ、クロス、Y型、若しくは旋回流を生じさせることができる構造、又は中心衝突流による衝突混合構造の高温高圧マイクロミキサー、又はこれらの組合せ構造を有する、請求項8に記載の超臨界水熱合成装置。
  10. 高温高圧水、アルカリ、金属塩水溶液を混合する混合部ユニットの下流に、任意の滞留時間を保持できる反応部ユニットを有している、請求項8又は9に記載の超臨界水熱合成装置。
  11. 1種類、若しくは複数種のアルカリ水溶液と、1種類、若しくは複数種の金属塩水溶液を混合した後、超臨界水と混合するシステムと、高温高圧水とアルカリ水溶液を混合した後に、金属塩水溶液を混合する2段の混合部ユニットと、高温高圧水、アルカリ水溶液、金属塩水溶液を同時に混合する1段の混合部ユニットのいずれかで構成される混合部ユニット、該混合部ユニットの下流に、任意の滞留時間を保持できる反応部ユニット、反応後の流体を急冷する急冷部ユニット、反応後の流体、若しくは急冷後の流体を、常温まで冷却を行う冷却部ユニット、それぞれのユニットに接続される配管ユニットの一部、若しくは全部において、接液部を耐食材料で施工した高温高圧デバイス及び/又は配管、を有することを特徴とする超臨界水熱合成装置。
  12. 耐食材料が、チタン、チタン合金、タンタル、タンタル合金、白金若しくは金、又はこれらの組み合わせである、請求項11に記載の超臨界水熱合成装置。
  13. 接液部を耐食材料で施工した高温高圧デバイスが、内部流路が0超〜1mmであり、流路形状が、ティ、クロス、Y型、若しくは旋回流を生じさせることができる構造、又は中心衝突流による衝突混合構造、又はこれらの組合せ構造の高温高圧マイクロミキサーを有し、耐食材料の外部には高温強度を有する材料を施工し、実質的に、内部材料は、耐食を担保し、外部材料は、高温強度を担保するライニング構造を有する、請求項11又は12に記載の超臨界水熱合成装置。
  14. 内部には、耐食材料として、チタン、チタン合金、タンタル、タンタル合金、白金若しくは金、又はこれらの組み合わせを、外部には、高温強度を有する材料として、ステンレス、インコネル若しくはハステロイを用いた二重構造の配管を有する、請求項11から13のいずれかに記載の超臨界水熱合成装置。
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