JP2010065428A - 防草用防草構造体及びその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 防草区域の境界に構造物が存在する場合にも、防草区域全体を防草シートによって覆う防草構造体の施工を容易に行うことができる施工方法を得る。
【解決手段】 防草区域の境界の少なくとも一部に構造物が接する防草区域に、防草シートを含む防草構造体を設置するための防草構造体の施工方法であって、防草区域の境界の少なくとも一部に構造物が接し、構造物の防草区域に接する外壁のうち、地表下の外壁の少なくとも一部を露出させる工程と、防草シートの一つの端部である第一端部を、構造物の露出した地表下の外壁に接着し、埋設することによって、第一端部を固定する工程と、防草区域に防草シートを配置する工程と、防草シートの他の端部の少なくとも一部である第二端部を固定する工程とを含む、防草構造体の施工方法である。
【選択図】図16

Description

本発明は、草の成育を防止する必要がある場所に設置する、防草用の防草構造体及びその施工方法に関する。
道路、線路、河川、公園及び造林園並びにこれらの周辺の地面、表面及び法面などでは、美観が損なわれるなどの理由により、雑草などの草の成育を防止する必要があることが多い。場所によっては、雑草が繁茂することにより、美観が損なわれるだけでなく、交通の安全が損なわれる可能性がある。そのため、それらの場所では、草の成育を防止する必要がある。
草の成育の防止のためには、例えば、特許文献1に開示されているような防草シートが用いられている。
草の成育を防止するための構造体として、例えば、特許文献2には、法面部上端の路肩部に布設されるコンクリートブロック部と、そのコンクリートブロック部の法面側に一端部が一体的に固定された防草シート部とからなり、コンクリートブロック部を路肩部に布設した状態で、防草シート部を法面部上に展開して法面部を被覆可能とした路肩ブロックが開示されている。
特開2002−272348号公報 特開2005−307518号公報
本発明は、防草区域の境界に構造物が存在する場合にも、防草区域全体を防草シートによって覆う防草構造体の施工を容易に行うことができる施工方法を得ることを目的とする。
本発明は、防草区域の境界の少なくとも一部に構造物が接する防草区域に、防草シートを含む防草構造体を設置するための防草構造体の施工方法であって、防草区域の境界の少なくとも一部に構造物が接し、構造物の防草区域に接する外壁のうち、地表下の外壁の少なくとも一部を露出させる工程と、防草シートの一つの端部である第一端部を、構造物の露出した地表下の外壁に密着又は接着し、埋設することによって、第一端部を固定する工程と、防草区域に防草シートを配置する工程と、防草シートの他の端部の少なくとも一部である第二端部を固定する工程とを含む、防草構造体の施工方法である。
本発明の施工方法の好ましい態様を以下に示す。本発明では、これらの態様を適宜組み合わせることができる。
(1)構造物が、防草区域の境界の両端にそれぞれ接する二つの構造物であり、防草シートが、二つの防草シートを含み、第一端部を固定する工程が、二つの防草シートの第一端部のそれぞれを、二つの構造物の露出した地表下の外壁のそれぞれに密着又は接着し、埋設することを含む。
(2)第二端部を固定する工程が、二つの防草シートの第二端部を重ね合わせて重ね合わせ部を形成し、又は、二つの防草シートの間に露出する防草区域を他の防草シートで覆い、二つの防草シートと、他の防草シートとを重ね合わせて重ね合わせ部を形成し、重ね合わせ部を防草区域に固定する工程を含む。
(3)重ね合わせ部を防草区域に固定する工程が、二つの防草シートの重ね合わせ部を、加熱融着法又はテープ接着法によって接着することによって、二つの防草シートを接着することを含む。又は、重ね合わせ部を防草区域に固定する工程が、二つの防草シートと、他の防草シートとの重ね合わせ部を、加熱融着法又はテープ接着法によって接着することによって、二つの防草シートと、他の防草シートとを接着することを含む。
(4)第一端部を外壁に接着することが、接着剤を用いて行われる。
(5)構造物が、剛体製溝又は剛体製壁である。
(6)防草シートが、耐貫通型防草シートである。
また、本発明は、上述の施工方法によって設置された防草構造体である。
本発明の施工方法によって、防草区域の境界に構造物が存在する場合にも、防草区域全体を防草シートによって覆う防草構造体の施工を容易に行うことができる。
本発明は、防草区域における草の生育を防止するために、防草区域に防草シートを含む防草構造体を設置するための、防草構造体の施工方法である。本発明の防草構造体の施工方法は、防草区域の境界の少なくとも一部に構造物が接する防草区域への防草構造体の施工方法である。本発明の防草構造体の施工方法は、構造物の防草区域に接する外壁のうち、地表下の外壁の少なくとも一部を露出させる工程と、防草シートの一つの端部である第一端部を、構造物の露出した地表下の外壁に密着又は接着し、埋設することによって、第一端部を固定する工程と、防草区域に防草シートを配置する工程と、防草シートの他の端部の少なくとも一部である第二端部を固定する工程とを含む。そのため、防草区域の境界の両端に構造物が存在する場合にも、本発明の防草構造体の施工方法を用いることで、防草区域を防草シートによって覆う防草構造体の施工を容易に行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の施工方法を詳しく説明する。
本発明の防草構造体の施工方法は、防草区域21における草の生育を防止するために、防草区域21に防草シート10を含む防草構造体を設置するための、防草構造体の施工方法である。「防草区域21」とは、構造物に隣接する、草の生育を防止する地表面のことをいう。また、「防草シート10」とは、草の生育を防止するために、地表面に設置するシートのことである。
図1に、本発明の防草構造体の施工方法を用いて防草構造体を設置するのに適した防草区域21を示す。本発明の防草構造体の施工方法は、防草区域21の境界の少なくとも一部に構造物が接する防草区域21への防草構造体の施工方法である。「構造物」とは、排水溝やU字溝などの溝(剛体製溝)、コンクリート壁や石壁などの壁(剛体製壁)、電気ケーブルを収納したケーフルトラフ、建物及び舗装道路などであって、コンクリート製、石材製、金属製及びアスファルト製などの剛体製の地面に下部を埋設された剛体の建築物や敷設物をいう。図1に、構造物として剛体製溝であるU字溝25が防草区域21の境界の少なくとも一部に接している様子を例示する。
本発明の防草構造体の施工方法は、構造物の防草区域21に接する外壁のうち、地表下の外壁26の少なくとも一部を露出させる工程を含む。図2に、構造物の防草区域21に接する外壁のうち、地表下の外壁26の少なくとも一部を露出させた状態を例示する。図2の例では、「構造物の防草区域21に接する外壁26」とは、U字溝25の防草区域21に接する側の壁のことをいう。防草区域21を掘削することにより、防草区域21に掘削部31を形成する。これにより、U字溝25の地表下の外壁26を露出することができる。
本発明の防草構造体の施工方法は、次に、防草シート10の一つの端部である第一端部12を、構造物の露出した地表下の外壁26に密着又は接着し、埋設することによって、第一端部12を固定する工程を含む。防草シート10の一つの端部である第一端部12の埋設部分の長さ(深さ)は、100〜300mmの範囲が好ましく、150〜250mmの範囲であることが、埋設作業の効率と埋設固定の安定性の点でより好ましい。
なお、防草シート10の端部とは、防草シート10の端の部分であって、防草区域21や構造物に固定されるための一定の幅を有する部分である。具体的には、図3に、U字溝25の露出した地表下の外壁26に、防草シート10の第一端部12を密着又は接着した状態を例示する。さらに、図4に、掘削部31を埋設することによって、防草シート10の第一端部12を埋設し、第一端部12を固定した状態を例示する。掘削部31を埋設する際には、防草シート10が邪魔にならないように、掘削部31とは反対方向に置いておくことが、作業性の点から好ましい。この工程により、防草シート10を防草区域21の境界まで、すなわち構造物ぎりぎりまで配置することができる。また、防草シート10の第一端部12の固定は確実となる。
本発明の防草構造体の施工方法は、次に、防草区域21に防草シート10を配置する工程を含み、さらに、防草シート10の他の端部の少なくとも一部である第二端部13を固定する工程を含む。具体的には、図5に、防草区域21に防草シート10を配置すること、及び第二端部13を固定することを例示する。掘削部31とは反対方向に置いてあった防草シート10は、防草区域21へと広げられ、配置される。また、第二端部13は、例えば固定用ピン16などによって防草区域21に固定される。なお、第二端部13とは、防草シート10の第一端部12ではない端部である。防草構造体の設置後、防草シート10の捲きあがりを防止するため、第二端部13は、地表面等に全て固定することが好ましい。
また、本発明の防草構造体の施工方法の第二の態様においては、構造物が、防草区域21の境界の両端にそれぞれ接する二つの構造物である。また、防草シート10が、二つの防草シート10を含む。また、上述の第一端部12を固定する工程において、二つの防草シート10の端部のそれぞれを、二つの構造物の露出した地表下の外壁26のそれぞれに密着又は接着し、埋設することを含む。また、上述の第二端部13を固定する工程が、第二端部13を地表に固定することを含む。
次に、本発明の防草構造体の施工方法の第二の態様について説明する。本発明の施工方法の第二の態様は、防草区域21の境界の両端のそれぞれに構造物が接する場合に好適な施工方法である。具体的には、図6に例示するように、構造物としてU字溝25及びコンクリート壁29が、防草区域21の境界の両端にそれぞれ接している様子を示す。本発明の施工方法の第二の態様を用いるならば、防草区域21の境界の両端に構造物が存在する場合にも、防草シート10を、防草区域21の境界までの全体にわたって、すなわち構造物ぎりぎりまで配置することができる。また、防草区域21に隙間なく防草シート10を配置し、防草構造体を設置することができる。
本発明の施工方法の第二の態様において、防草シート10を構造物の地表下の外壁26へ固定する方法は、上述の方法と同様である。すなわち、本発明の施工方法の第二の態様では、第一端部12を固定する工程が、二つの防草シート10の端部のそれぞれを、二つの構造物のそれぞれの露出した地表下の外壁26に密着又は接着し、埋設することを含む。
具体的には、図7に示すように、防草区域21を掘削することにより、掘削を形成する。その結果、防草区域21の境界の両端に接する構造物(U字溝25及びコンクリート壁29)の、防草区域21に接する外壁のうち、地表下の外壁26の少なくとも一部を露出させることができる。
次に、二つの防草シート10の端部のそれぞれを、二つの構造物のそれぞれの露出した地表下の外壁26に密着又は接着し、埋設する。具体的には、図8に示すように、U字溝25及びコンクリート壁29の露出した地表下の外壁26に、二つの防草シート10の第一端部12をそれぞれ密着又は接着する。さらに、図9に示すように、防草区域21の境界の両端の掘削部31を埋設することによって、二つの防草シート10の第一端部12をそれぞれ埋設し、第一端部12を固定する。なお、掘削部31を埋設する際には、二つの防草シート10が邪魔にならないように、掘削部31とは反対方向に置いておくことが、作業性の点から好ましい。構造物がコンクリート壁29の場合には、防草シート10を、コンクリート壁29の上部に固定することができる。また、防草シート10を、コンクリート壁29をまたぐようにコンクリート壁29にかけておくこともできる。
次に、本発明の施工方法の第二の態様では、二つの防草シート10の第二端部13を防草区域21に固定する。具体的には、図11及び図12に示すように、二つの防草シート10の第二端部13を重ね合わせることにより重ね合わせ部を形成し、重ね合わせ部を固定用ピン16などにより、地表に固定することができる。この結果、構造物を両端に有する防草区域21を、二つの防草シート10により隙間なく覆うことができる。
また、二つの防草シート10の第二端部13を重ね合わせた重ね合わせ部を、加熱融着法又はテープ接着法によって接着することによって二つの防草シート10を接着し、重ね合わせ部を固定用ピン16などによって、地表に固定することにより、防草区域21の防草効果をより高めることができる。
また、図13に例示するように、二つの防草シート10が構造物を両端に有する防草区域21を覆うために十分な幅を有しない場合には、図14及び図15に例示するように、二つの防草シート10の間に露出する防草区域21を他の防草シートで覆い、二つの防草シート10と、他の防草シート(隙間用防草シート10a)とを重ね合わせて重ね合わせ部を形成し、重ね合わせ部を防草区域21に固定することができる。重ね合わせ部は、上述の場合と同様に、固定用ピン16などにより行うことができる。この結果、構造物を両端に有する防草区域21を、三つの防草シート10により隙間なく覆うことができる。
また、二つの防草シートの間に露出する防草区域を他の防草シート(隙間用防草シート10a)で覆う場合には、二つの防草シートと、他の防草シートとを重ね合わせた重ね合わせ部を、加熱融着法又はテープ接着法によって接着することによって、二つの防草シート10と、他の防草シート(隙間用防草シート10a)とを接着し、重ね合わせ部を固定用ピン16などにより、地表に固定することにより、防草区域21の防草効果をより高めることができる。
二つの防草シートの重ね合わせ部を接着する場合の加熱融着法及びテープ接着法は、次の通りである。
加熱融着法とは、二つの防草シート10の重ね合わせ部において、下側の防草シート10の第二端部12の上面と、上側の防草シート10の第二端部12の下面とをバーナー等で加熱することによって、防草シート10を構成する改質アスファルトを溶融させて密着、固化することにより、二つの防草シート10の重ね合わせ部を熱融着する接着方法である。二つの防草シート10と、隙間用防草シート10aとの重ね合わせ部の加熱融着法による接着も同様に行うことができる。
また、テープ接着法とは、二つの防草シートの重ね合わせ部において、下側の防草シート10の第二端部12の上面と、上側の防草シート10の第二端部12の下面との間に、両面に接着性のあるアスファルトテープを挿入し、二つの防草シートの重ね合わせ部の接着を行う方法である。二つの防草シート10と、隙間用防草シート10aとの重ね合わせ部のテープ接着法による接着も同様に行うことができる。
テープ接着法と、加熱融着法とは、ほぼ同等の接着強度を得ることができる。住宅地近傍への設置の場合や、設置箇所近傍に下草等の可燃物が多い場合など、火気の使用が制限されている場合には、テープ接着法を用いることが好ましい。
本発明の防草構造体の施工方法において、第一端部12を外壁に接着する場合には、接着剤を用いることが、第一端部12の固定を確実にする点から好ましい。接着剤は、公知のものを用いることができる。
また、本発明の防草構造体の施工方法において、第一端部12の外壁への接着を、加熱融着法又はテープ接着法によって行うことができる。これらの接着方法によっても、第一端部12の固定を確実にすることができる。
加熱融着法とは、防草シート10の第一端部12をバーナー等で加熱することによって、防草シート10を構成する改質アスファルトを溶融させ、固化することにより、第一端部12をU字溝25などの構造物に熱融着する接着方法である。
テープ接着法とは、両面に接着性のあるアスファルトテープを、第一端部12と構造物との間に挿入し、第一端部12と構造物との接着を行う方法である。テープ接着法は、加熱融着法とほぼ同等の接着強度を得ることができる。住宅地近傍への設置の場合や、設置箇所近傍に下草等の可燃物が多い場合など、火気の使用が制限されている場合には、テープ接着法を用いることが好ましい。
また、本発明の防草構造体の施工場所が火気の使用が好ましくない場合、あるいは制限されている場合には、第一端部12の外壁への接着を、接着剤を用いた接着法又はテープ接着法によって行うことが好ましい。これらの接着方法によって、火気の使用が好ましくない場合、あるいは制限されている場合にも第一端部12の固定を確実にすることができる。
また、第一端部12と外壁26との接着が十分にできない場合には、第一端部12の固定を、第一端部12と外壁26とを密着することにより行うことができる。すなわち、本発明の防草構造体の施工方法では、防草シート10の一つの端部である第一端部12を、構造物の露出した地表下の外壁26に密着させたのち埋設し、埋設箇所を転圧ローラーやスタンパー等を用いて転圧することによって外壁26に密着した第一端部12に圧力を加える。この転圧による圧力の印加により、第一端部12の密着状態を確実にすることができ、外壁26に第一端部12を固定することができる。この場合には、第一端部12と外壁26とは密着状態にあれば良く、両者の接着は必ずしも必要ではない。この方法によると、「構造物」が、電気ケーブルを収納したケーフルトラフなどのように火気の使用が制限される場合などでも、簡便にかつ確実に防草シート10の第一端部12を固定することができる。
また、防草区域21の両端部分の防草シート10の固定をより確実に行う場合には、密着又は接着に加え、図16に示すようにL字ピン30等の固定用ピンを用いることが好ましい。
本発明の防草構造体の施工方法において使用する防草シート10は、特に限定されるものではなく、市販の防草シートから適宜選択して用いることができるが、特に、可撓性、防水性及び遮光性を有し、地中埋設状態で良好な耐腐食性を有し、シート状の形状を有するものは、良好な耐久性を有することから好適に用いることができる。本発明に用いる防草シート10の具体例として、優れた可撓性、防水性及び遮光性を有し、地中埋設状態で良好な耐腐食性を有する改質アスファルト系防草シート、例えば、特開2002−272348号公報(特許文献1)に開示された改質アスファルト系防草シートを好ましく用いることができる。
「改質アスファルト系防草シート」とは、改質アスファルトを材料として含む防草シートのことをいう。改質アスファルトとしては、具体的には後述する耐貫通型防草シートの(b)層及び(d)層に用いることのできる改質アスファルトと同様のものを用いることができる。改質アスファルト系防草シートは、建築用防水シート(改質アスファルト系防水シート)を転用して用いることができる。
改質アスファルト系防草シートとしては、単層の改質アスファルトと基材層からなるシートのみならず、2層の改質アスファルト層の間に不織布等からなる基材層を含む構造のものを用いることができる。
また、改質アスファルト系防草シートは、さらに表面層及び裏面層を含むことができる。表面層には、後述する耐貫通型防草シートの(a)表面層と同様のものを用いることができる。また、裏面層には、合成樹脂フィルムを好適に用いることができる。合成樹脂フィルムとしては、具体的には、HDPEフィルム(高密度ポリエチレン)及びOPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレン)などから選択したものを好適に用いることができる。また、後述する耐貫通型防草シートの(e)裏面層と同様のものを用いることができる。
改質アスファルト系防草シートの構造の一例は、表面層、改質アスファルト層、基材層、改質アスファルト層及び裏面層をこの順番で有する構造であるが、これらの層の全てを含む必要はなく、また、さらなる層を含むこともできる。
本発明の防草構造体に含まれる防草シート10として、改質アスファルト系防草シートの1種である、後述する耐貫通型防草シートを用いることが特に好ましい。
上述した本発明の施工方法によって設置された防草構造体により、防草区域21の境界に構造物が存在する場合にも、防草構造体を構造物ぎりぎりまで配置することができる。また、防草区域21に隙間なく防草シート10を配置し、防草構造体を設置することができる。すなわち、本発明の施工方法によって、防草区域の境界に構造物が存在する場合にも、防草区域全体を防草シート10によって覆う防草構造体の施工を容易に行うことができる。また、本発明の施工方法によって、このような優れた防草構造体の施工を容易に行うことができ、得られた防草構造体は、長期にわたって良好な防草効果を発揮して、良好な景観形成に寄与できる。
<耐貫通型防草シート>
次に、本発明の防草構造体に用いることが特に好ましい防草シートについて説明する。本明細書及び特許請求の範囲では、ここで説明する防草シートのことを「耐貫通型防草シート」という。耐貫通型防草シートは、改質アスファルト系防草シートの一種である。耐貫通型防草シートは、硬く鋭い雑草の芽の防草シートに対する貫通防止性に優れるため、本発明の防草構造体に用いることが特に好ましい。
<耐貫通型防草シートの態様>
耐貫通型防草シートは、(a)無機質粒子又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含む表面層、(b)改質アスファルト層、(c)基材層、(d)改質アスファルト層及び(e)合成樹脂又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含む裏面層の少なくとも5層をこの順で積層した耐貫通型防草シートであって、(c)基材層が、織布、編み布及び不織布からなる群より選ばれる少なくとも一つである基材Aと、スクリムを有する基材Bとを含み、基材Aの織布、編み布及び不織布が、芯部と鞘部とを有する芯鞘構造の繊維を含み、芯部が融点200℃以上の繊維及び鞘部が融点200℃以上の樹脂であり、(e)裏面層の合成樹脂が硬質合成樹脂である耐貫通型防草シートである。
耐貫通型防草シートの好ましい態様を以下に示す。耐貫通型防草シートでは、これらの態様を適宜組み合わせることができる。
(1)(e)裏面層の硬質合成樹脂が、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル及びポリハロゲン化ポリビニルからなる群より選択される少なくとも一つの合成樹脂である。
(2)(e)裏面層が、厚さ10〜50μmの二軸延伸成形ポリプロピレンフィルムである。
(3)(c)基材層が、基材Aと、基材Bと、基材Aとをこの順に積層し、接着された、若しくは熱融着された三層構造を有する。
(4)芯部と鞘部とが、熱融着されている。
(5)基材Bが、複数の互いに平行な略等間隔の高強度繊維の繊維束からなる組を2組以上有し、異なった組の繊維束は、略等角度で互いに交差しあうスクリムである。
(6)基材Aと、基材Bとの接触部の少なくとも一部が、融点200℃以上の樹脂及び/又は200℃で熱分解しない接着剤により接着されている、若しくは熱融着されている。
(7)(c)基材層が、75〜500g/mの目付量を有する。
(8)(a)表面層が、天然スレート、タルク及びマイカからなる群より選ばれる少なくとも一種以上の、扁平状の無機質粒子を含む。
また、耐貫通型防草シートは、上記の防草シートを敷設した防草構造体に用いることができる。
<耐貫通型防草シートの効果>
耐貫通型防草シートにより、道路、線路、河川、公園及び造林園など並びにこれらの周辺などの地面、表面、特に法面での草の成育を防止ための、遮光性を有し、耐候性、機械的特性、不透水性に優れ、さらに硬く鋭い雑草の芽の防草シートに対する貫通防止性に優れる防草シートを得ることができる。
<耐貫通型防草シートの詳細>
図17に、耐貫通型防草シートの模式的断面図を示す。耐貫通型防草シートは、(a)無機質粒子又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含む表面層1、(b)改質アスファルト層2、(c)基材層3、(d)改質アスファルト層4及び(e)合成樹脂又は無機質粒子を含有する合成樹脂である裏面層5の少なくとも5層を、この順で積層した耐貫通型防草シートである。耐貫通型防草シートは、道路、線路、河川、公園及び造林園など並びにこれらの周辺などの地面、表面、特に法面での草の成育を防止するための、遮光性を有し、耐候性、機械的特性、不透水性に優れ、さらに硬く鋭い雑草の芽の防草シートに対する貫通防止性に優れる。以下、耐貫通型防草シートを詳細に説明する。
<(c)基材層>
(c)基材層は、織布、編み布及び不織布からなる群より選ばれる少なくとも一つである基材Aと、スクリムを有する基材Bとを含む。
<(c)基材層の基材A>
基材Aを構成する織布、編み布及び不織布は、芯部と鞘部とを有する芯鞘構造の繊維を含むものである。本明細書で「繊維」とは、単繊維、2本以上の繊維、2本以上の繊維の束(繊維束)、及び2本以上の繊維によりをかけたもの(糸)を包含する。
基材Aは、織布、編み布及び不織布から選ばれる基材であり、織布、編み布又は不織布を2以上組み合わせて用いることができる。基材Aとして、芯部が融点200℃以上の繊維と、鞘部が融点200℃以上の樹脂からなる芯鞘構造の繊維からなる織布、編み布及び/又は不織布を用いることができる。また、基材Aとして、その芯鞘構造の繊維からなる織布、編み布及び/又は不織布と、融点200℃以上の繊維からなる織布、編み布及び/又は不織布を組み合わせて用いることもできる。なお、繊維の融点の上限は特に限定されない。樹脂の融点の上限も特に限定されないが、製造の容易性及びコストの点から、500℃以下が好ましく、400℃以下がさらに好ましい。
<(c)基材層の基材A:芯鞘構造>
(c)基材層の基材Aとして用いることのできる芯鞘構造の繊維とは、一つの成分(鞘部)がもう一つの成分(芯部)の少なくとも一部の表面を包む状態の構造を有する繊維を意味する。芯鞘構造の繊維は、鞘部が芯部の表面を、50%以上、さらに70%以上、特に90%以上包む状態の構造であることが好ましい。特に、芯鞘構造の繊維は、鞘部が芯部の表面を完全に包む状態の構造の繊維であることが最も好ましい。
芯部は、融点200℃以上の繊維である。また、芯部は、低吸水性の合成樹脂や無機物であることが、耐貫通型防草シートを製造する過程での耐熱性や長期供用時の物性の安定性に優れるために好ましい。芯部は、吸水率(24時間、23℃)が好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.9%以下、特に好ましくは0.8%未満の合成樹脂や無機物が好ましく用いることができる。具体的な芯部の材料としては、低吸水性のナイロン11やナイロン12、ポリエステルやガラスなどの合成樹脂や無機物からなる繊維を用いることが、吸水性及び機械的強度などの点から好ましい。
鞘部の材料は、融点200℃以上の樹脂であることが、耐貫通型防草シートを製造する過程での耐熱性や長期供用時の物性の安定性に優れるために好ましい。融点200℃以上の樹脂としては、融点200℃以上の天然や合成の樹脂ならどのようなものでも用いることができ、特に、融点200℃以上のポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリイミド、ポリスルホン及びポリエーテルなどから選択した1種以上の樹脂を用いることができる。特に、低吸水性のナイロン11及びナイロン12から選択した1種以上が長期供用時の物性に優れることから好適に使用できる。また、融点200℃以上の樹脂としては、部分架橋あるいは架橋したゴムを用いることもできる。
また、芯部と鞘部とは、熱融着されていることが好ましい。熱融着は、芯部の材料と鞘部の材料のうち少なくともどちらか一つの融点より高い温度を加えることによって行うことができる。芯部と鞘部とは、熱融着されていることにより、耐貫通型防草シートの製造過程で溶融状態(200℃未満)の改質アスファルト中に浸漬されても優れた形状安定性を得ることができる。
基材Aに、融点200℃以上の芯鞘構造の繊維からなる織布、編み布及び不織布を用いる場合には、芯鞘構造の繊維の、(i)一部が融点200℃以上の樹脂により接着されている織布、編み布、不織布など、(ii)一部が200℃で熱分解しない接着剤及び/又は樹脂により接着されている織布、編み布、不織布など、(iii)一部が熱融着されている織布、編み布、不織布などを用いることが好ましい。なお、樹脂の融点及び接着剤の熱分解温度の上限は特に限定されないが、製造の容易性及びコストの点から、500℃以下が好ましく、400℃以下がさらに好ましい。
基材Aとして、(i)一部が融点200℃以上の樹脂により接着されている織布、編み布、不織布を用いる場合には、融点200℃以上の樹脂としては、融点200℃以上の天然や合成の樹脂であればどのようなものでも用いることができ、特に、融点200℃以上のポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリイミド、ポリスルホン及びポリエーテルなどから選択した1種以上の樹脂を用いることができる。特に、低吸水性のナイロン11及びナイロン12から選択した1種以上を好適に使用できる。融点200℃以上の樹脂としては、部分架橋あるいは架橋したゴムを用いることもできる。
基材Aとして、(ii)一部が200℃で熱分解しない接着剤及び/又は樹脂により接着されている織布、編み布、不織布を用いることができる。200℃で熱分解しない接着剤とは、熱重量分析において、空気中、5℃/分の昇温速度の条件下で、200℃で重量減少率が1%以下、さらに0.5%以下、特に0%の天然や合成の樹脂である。
200℃で熱分解しない接着剤としては、200℃で熱分解しない無機系接着剤や有機系接着剤などを用いることができる。200℃で熱分解しない接着剤としては、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤、ナイロン/エポキシ系接着剤、エラストマー/エポキシ系接着剤、ニトリル/フェノリック系接着剤、ウレタン/エポキシ系接着剤、ポリエステル/エポキシ系接着剤、ポリイソシアネート系接着剤、ポリエチレンイミン系接着剤、メラミン系接着剤、尿素系接着剤、フェノール系接着剤、ポリクロロプレン系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、再生ゴム系接着剤、SBR系接着剤及び天然ゴム系接着剤などから選択した1種以上を用いることができる。
200℃で熱分解しない接着剤として、エポキシ樹脂、後述する(a)表面層に用いることができる合成樹脂塗料などの架橋性を有する天然や合成の樹脂を用いることが好ましい。
<(c)基材層の基材A:芯鞘構造の繊維及び融点200℃以上の繊維を併用>
また、基材Aとして、融点200℃以上の繊維からなる織布、編み布及び/又は不織布を用いることもできる。この融点200℃以上の繊維からなる織布、編み布及び/又は不織布は、芯部が融点200℃以上の繊維と、鞘部が融点200℃以上の樹脂とからなる芯鞘構造の繊維からなる織布、編み布及び/又は不織布と組み合わせて用いることが、基材Aとして好ましい。融点200℃以上の繊維としては、融点200℃以上の天然、半合成及び合成樹脂の繊維や無機のガラスなどの融点200℃以上の有機質繊維や無機質繊維などにより構成されるものを用いることができる。
融点200℃以上の繊維としては、融点200℃以上の樹脂からなる、又は、融点200℃以上の樹脂を含む、繊維、ガラスなどの融点200℃以上の有機質繊維や無機質繊維などを用いることができる。なお、繊維の融点の上限は特に限定されない。
基材Aとして、融点200℃以上の芯鞘構造の繊維と、融点200℃以上の繊維とからなる織布、編み布及び不織布を用いる場合には、芯鞘構造の繊維及び/又は融点200℃以上の繊維の、(i)一部が融点200℃以上の樹脂により接着されている織布、編み布、不織布など、(ii)一部が200℃で熱分解しない接着剤及び/又は樹脂により接着されている織布、編み布、不織布など、(iii)一部が熱融着されている織布、編み布、不織布などを用いることが好ましい。なお、樹脂の融点及び接着剤の熱分解温度の上限は特に限定されないが、製造の容易性及びコストの点から、500℃以下が好ましく、400℃以下がさらに好ましい。
基材Aとして、(i)一部が融点200℃以上の樹脂により接着されている織布、編み布、不織布を用いる場合には、融点200℃以上の樹脂としては、融点200℃以上の天然や合成の樹脂であればどのようなものでも用いることができ、特に、融点200℃以上のポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリイミド、ポリスルホン及びポリエーテルなどから選択した1種以上の樹脂を用いることができる。特に、低吸水性のナイロン11及びナイロン12から選択した1種以上を好適に使用できる。融点200℃以上の樹脂としては、部分架橋あるいは架橋したゴムを用いることもできる。
基材Aとして、(ii)一部が200℃で熱分解しない接着剤及び/又は樹脂により接着されている織布、編み布、不織布を用いることができる。200℃で熱分解しない接着剤とは、熱重量分析において、空気中、5℃/分の昇温速度の条件下で、200℃で重量減少率が1%以下、さらに0.5%以下、特に0%の天然や合成の樹脂である。
200℃で熱分解しない接着剤としては、200℃で熱分解しない無機系接着剤や有機系接着剤などを用いることができる。200℃で熱分解しない接着剤としては、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤、ナイロン/エポキシ系接着剤、エラストマー/エポキシ系接着剤、ニトリル/フェノリック系接着剤、ウレタン/エポキシ系接着剤、ポリエステル/エポキシ系接着剤、ポリイソシアネート系接着剤、ポリエチレンイミン系接着剤、メラミン系接着剤、尿素系接着剤、フェノール系接着剤、ポリクロロプレン系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、再生ゴム系接着剤、SBR系接着剤及び天然ゴム系接着剤などから選択した1種以上を用いることができる。
200℃で熱分解しない接着剤として、エポキシ樹脂、後述する(a)表面層に用いることができる成樹脂塗料などの架橋性を有する天然や合成の樹脂を用いることが好ましい。
<(c)基材層の基材B>
防草シートの機械的強度を増加させるという点から、耐貫通型防草シートにおいて、(c)基材層の基材Bは、融点200℃以上の繊維からなるスクリムを有していることが好ましい。スクリムとは、あらい平織り又は綾織りの織布のことを意味する。すなわち、スクリムとは、複数の互いに平行な略等間隔の繊維及び/又は糸を有する組を2組以上有し、異なった組の繊維及び/又は糸は、略等角度で互いに交差しあう形状である。一例として、2組の複数の互いに平行な略等間隔の繊維及び/又は糸が、互いにほぼ直角に交差しあう形状のスクリムを用いることができる。また、3組が互いに約60度の角度で交差しあうスクリムを用いることもできる。繊維及び/又は糸の間隔の下限は、スクリムの重量及びコストを抑制するという点から、好ましくは3mm以上、さらに好ましくは4mm以上、より好ましくは5mm以上、特に好ましくは6mm以上のスクリムが好ましい。また、繊維及び/又は糸の間隔の上限は、必要な機械的強度の点から、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは20mm以下、より好ましくは18mm以下のスクリムが好ましい。
また、スクリムを構成する繊維及び/又は糸は、融点200℃以上であることが好ましい。また、高強度を有するため、スクリムを構成する繊維は、2本以上の高強度繊維の束(高強度繊維束)であることが好ましい。高強度繊維束の高強度繊維は、カーボン繊維、アラミド繊維、スチール繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維及びガラス繊維から選ばれる1種以上のものを好適に使用でき、価格と入手容易性の点からガラス繊維を好適に使用することができる。なお、繊維の融点の上限は特に限定されない。
<(c)基材層の構造>
(c)基材層は、基材Aと、基材Bと、基材Aとをこの順に積層した三層構造を有することが好ましい。「三層構造」とは、基材Aと、基材Bと、基材Aとをこの順に並べて接着した構造のことをいう。なお、基材Bはスクリムを有するため、繊維及び/又は糸が存在しない部分があるが、本明細書では、そのような部分も含めて「三層構造」という。(c)基材層が、三層構造を有することによって、中間に位置する基材Bの上面側と下面側とが均質構造となり、この(c)基材層を用いた耐貫通型防草シートを敷設した場合に良好な平面性が得られ、防草シート端部の反り返りを回避することができる。
(c)基材層は、基材Aと基材Bとの接着、及び基材Bが存在しない部分では二つの基材Aの接着を行うことにより形成される。基材の接着を確実にするという点から、(c)基材層は、基材Aと、基材Bとの接触部の少なくとも一部が、融点200℃以上の樹脂及び/又は200℃で熱分解しない接着剤により接着されていることが好ましい。又は、基材Aと、基材Bとの接触部の少なくとも一部が、200℃以上の温度で熱融着されていることが好ましい。二つの基材Aを接着又は融着する部分についても同様である。基材Aと基材Bとが、融点200℃以上の樹脂及び/又は200℃で熱分解しない接着剤により接着されている、又は、200℃以上の温度で熱融着されていることにより、(c)基材層を用いた耐貫通型防草シートの製造過程で、(c)基材層が溶融状態(200℃未満)の改質アスファルト中に浸漬されても(c)基材層の物性は損なわれることはなく、また優れた形状安定性を得ることができる。
(c)基材層の目付量(単位面積当たりの重量)の下限は、耐貫通型防草シートの強度を保つという点から、75g/m、好ましくは100g/m、さらに好ましくは120g/m、特に好ましくは140g/mである。また、(c)基材層の目付量の上限は、耐貫通型防草シートを施工する際の良好な作業性を確保するとともに、コストを抑えるという点から、500g/m以下、好ましくは400g/m、さらに好ましくは200g/mである。スクリムを含む基材層の目付量の具体例としては、155g/mのものを用いることができる。(c)基材層の目付量が下限値(75g/m)以上であると、好ましい引張強度や引き裂き強度を得ることができ、また上限値(500g/m)以下であると耐貫通型防草シートの強度特性が適正であるとともにシート重量が大きすぎず、敷設作業性が低下することがないことから好ましい。
<(a)表面層>
(a)表面層は、無機質粒子又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含む層である。(a)表面層は、無機質粒子又は無機質粒子を含有する合成樹脂からなる層であることが好ましい。(a)表面層に用いられる無機質粒子としては、天然スレート砂、マイカ及びタルクなどの鉱物質の扁平状無機質粒子を用いることができる。無機質粒子は、一種類又は複数種を組み合わせて用いることができる。耐貫通型防草シートでは、(a)表面層に扁平状の無機質粒子を用いることによって、耐候性塗料の塗着に頼ることなく長期供用においても耐貫通型防草シート全面が剥離することなく、変色や退色も小さく、耐貫通型防草シートの施工直後の状態を維持することができる。
さらに、耐貫通型防草シートは、扁平状の無機質粒子と改質アスファルトコンパウンドとが積層された構造を有していることから、一般的な防草シートと比較し、ポイ捨てされたタバコによる穴あき等の重大な損傷が生じにくいという効果を奏する。
無機質粒子の粒子径は、使用上問題ないものであればどのようなものでもよく、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは0.3〜8mm、さらに好ましくは0.5〜6mm、特に好ましくは1〜5mmの範囲が好ましい。なお、「粒子径」とは、無機質粒子が扁平状等の場合には、無機質粒子の任意の二点を結ぶ直線のうち、最も長いものの長さのことをいうものとする。
無機質粒子が扁平状等の場合に、無機質粒子の任意の二点を結ぶ直線のうち最も長いものの長さをX、この直線に直交する無機質粒子の任意の二点を結ぶ直線のうち最も長いものの長さをY、扁平状の無機質粒子の最も厚い部分の厚さをZとすると、Y/Xの値が好ましくは0.2〜1の範囲であり、より好ましくは0.3〜0.9の範囲であり、さらに好ましくは0.5〜0.8の範囲のものを好適に使用できる。また、Z/Xの値は好ましくは0.002〜0.4の範囲であり、より好ましくは0.01〜0.2の範囲であり、さらに好ましくは0.02〜0.1の範囲のものを好適に使用できる。
(a)表面層において、耐貫通型防草シート表面1m当たりの無機質粒子量は、好ましくは100〜2000g/m、より好ましくは200〜1500g/m、さらに好ましくは400〜1200g/mの範囲が好ましい。
無機質粒子は、必要に応じて撥水剤、塗料、顔料、増粘剤、耐光剤及び耐候剤などから選択される1種以上を添加、吹付け、塗布又は含浸したものを用いることができる。
(a)表面層において、無機質粒子を含有する合成樹脂は、(b)改質アスファルト層に例えば貼り合わせ、塗布、吹付け及び含浸などの方法により、塗膜、シート又はフィルムとして用いることができる。無機質粒子を含有する合成樹脂は、無機質粒子及び合成樹脂塗料を含むものを用いることができる。無機質粒子を含有する合成樹脂は、合成樹脂塗料100重量部に対し、無機質粒子3〜250重量部、さらに5〜200重量部、特に10〜180重量部を配合したものを用いることが好ましい。無機質粒子を含有する合成樹脂は、必要に応じて撥水剤、顔料、増粘剤、耐光剤及び耐候剤などから選択される1種以上を添加することが好ましい。
(a)表面層において、合成樹脂に含まれる無機質粒子の量は、耐貫通型防草シート表面1m当たりの無機質粒子量が、好ましくは100〜2000g/m、より好ましくは200〜1500g/m、さらに好ましくは400〜1200g/mの範囲となることが好ましい。
(a)表面層の合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸誘導体などのポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体などの主鎖に2重結合を2以上有するオレフィン重合体、ビニル重合体及び主鎖に2重結合を2以上有するオレフィンと主鎖に2重結合を1つ有するオレフィンとの共重合体などから選択される1種以上を用いることができる。合成樹脂としては耐候性の優れたものを使用することが好ましい。合成樹脂としては耐光性の優れたものを使用することが好ましい。合成樹脂としては柔軟性の優れたものを使用することが好ましい。
(a)表面層において、合成樹脂塗料としては、ポリウレタン、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエン共重合体などから選択される1種以上を用いることができる。合成樹脂塗料としては耐候性の優れたものを使用することが好ましい。合成樹脂塗料としては柔軟性の優れたものを使用することが好ましい。特に、合成樹脂塗料としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選択されるモノマーの少なくとも1種の重合体、又はモノマーの少なくとも1種とエチレンなどのα−オレフィンやスチレンなどのほかのビニル系モノマーとの共重合体が好ましい。
<(b)層及び(d)層の改質アスファルト>
(b)層及び(d)層の改質アスファルトとしては、アスファルト及びポリマーを含むもの、アスファルト、ポリマー及び無機充填材の3成分を含むものなどを用いることができる。(b)層及び(d)層の改質アスファルトとしては、アスファルト100重量部に対し、ポリマー10〜40重量部、及び無機充填材0〜20重量部を含むものを用いることが好ましい。
改質アスファルトは、アスファルト及びポリマーを含むもの、アスファルト、ポリマー及び無機充填材の3成分を含むものなどを120〜200℃で3〜30時間加熱混合して調製したものを用いることが、防水・防湿性、伸縮性などに優れているために好ましい。
改質アスファルトには、以上述べた成分のほかに、プロセスオイル、ワセリン、セレシン、石油樹脂など、一般に合成樹脂やゴムの配合で用いられる撥水剤、顔料、増粘剤、耐光剤、耐候剤などの無機や有機の配合剤を添加してもよい。
(b)層及び(d)層の改質アスファルトにおいて、アスファルトとしては、天然アスファルトやアスファルタイトなど天然に産するもの、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、カットバックアスファルト等の石油アスファルト、又はこれらのアスファルトの混合物等が好ましい。
(b)層及び(d)層の改質アスファルトにおいて、ポリマーとしては、天然ゴム、合成ゴム、天然ゴムと合成ゴムとの混合物、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンとアクリル酸誘導体との共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル及びスチレンとブタジエンとの重合体(例えば、SBSなど、SBRなど)等から選択される1種以上を使用することができる。特にSBSなどのゴム系が好適である。
(b)層及び(d)層の改質アスファルトにおいて、無機充填材としては、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、クレー、カーボンブラック、タルク、マイカ、硫酸バリウム、珪藻土及びシリカ等の粒子状無機充填材並びに石綿及びガラス繊維などの繊維状無機充填材から選択される1種以上を用いることができる。
(b)層及び(d)層の改質アスファルトは、針入度が、好ましくは10dmm〜200dmmの範囲、さらに好ましくは15dmm〜100dmmの範囲、より好ましくは20dmm〜50dmmの範囲、特に好ましくは25dmm〜35dmmの範囲が柔軟性に優れるために好ましい。
耐貫通型防草シートでは、(b)層及び(d)層として、上記組成の改質アスファルトを用いることにより、特に法面に配置した場合には、法面上部に不透水性に優れた層を形成することができる。そのため、雑草の生育に不可欠な水分を遮断できるのみならず、法面が盛土で構築されている場合には、法面上部(法肩)からの雨水の浸透に伴う法面自体の帯水を効果的に防止することにより、集中豪雨などに伴う法面地盤の崩壊を回避することができる。
<(e)裏面層>
耐貫通型防草シートは、(e)裏面層が、合成樹脂又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含む。(e)裏面層は、合成樹脂フィルム又は無機質粒子を含有する合成樹脂フィルムであることが好ましい。
(e)裏面層の合成樹脂は、硬質合成樹脂である。裏面層に、硬質合成樹脂を材料としたフィルムを用いることによって、チガヤなどの雑草の芽が、耐貫通型防草シートの(e)裏面層を貫くことが防止できる。また、合成樹脂フィルムの表面滑性を活かして、雑草の芽の成長方向をシート裏面と平行な方向に誘導することが可能となる。
(e)裏面層の合成樹脂フィルムの合成樹脂としては、耐光性及び耐候性に優れたものを使用することが好ましい。
(e)裏面層の合成樹脂としては、具体的には、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのポリハロゲン化ポリビニルなどの硬質合成樹脂をフィルム状にしたものを好ましく用いることができる。特に、二軸延伸成形工程を経て製造されるOPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレンフィルム)を好適に使用することができる。
耐貫通型防草シートに用いる(e)裏面層としては、厚さが、好ましくは10〜50μmであり、より好ましくは12〜40μmであり、さらに好ましくは15〜30μmの硬質合成樹脂フィルムを好適に使用できる。(e)裏面層である硬質合成樹脂フィルムが前記範囲(10〜50μm)の上限以下の場合、耐貫通型防草シートの柔軟性が損なわれることなく、チガヤの芽が耐貫通型防草シートを貫通するのを防止する効果は高くなる。そのため、耐貫通型防草シートを製造したのちロール状に梱包するとシート表面にシワが発生するなどの問題が生じる可能性が小さく、また施工作業においても敷設時の作業性が損なわれる可能性が小さいため好ましい。また、(e)裏面層の合成樹脂フィルムが前記範囲(10〜50μm)の下限以上の場合には、硬く鋭いチガヤの芽が耐貫通型防草シートを貫通するのを防止する効果が大きくなるため好ましい。
(e)裏面層の合成樹脂には、ゴムを添加することができる。合成樹脂に添加できるゴムとしては、明確な降伏点を有しない熱可塑性の低結晶性エラストマー又は明確な融点及び降伏点を有しない熱可塑性の非晶性エラストマーが好ましく、常温でゴム弾性を有するエラストマーを用いることができる。スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー及びポリアミド系エラストマー等から選択される1種以上の熱可塑性エラストマーを用いることができる。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBSなど)、水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBSなど)、水添スチレン−ブタジエン共重合体(HSBRなど)、水添スチレン−ブタジエン−オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBCなど)等などのブタジエン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等の全てを含む)及びその水添物、水添スチレン−イソプレン共重合体(SEPなど)、水添スチレン−ビニルイソプレン共重合体(V−SEPSなど)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SISなど)、水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SEPSなど)などのイソプレン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等の全てを含む)及びその水添物などから選択される1種以上を用いることができる。
ポリオレフィン系エラストマーとしては、非晶性ポリプロピレンなどの非晶性又は低結晶性α−オレフィン(共)重合体、ポリオレフィンとオレフィン系ゴムとの混合物等を用いることができる。ポリオレフィン系エラストマーとしては、エチレン−プロピレン系エラストマー(EPRなど)、エチレン・ブテン−1系エラストマー(EBMなど)を用いることができる。ポリエステル系エラストマーとしては、ポリエステル−ポリエーテル共重合体、ポリエステル−ポリエステル共重合体等からなるエラストマーを用いることができる。ポリアミド系エラストマーとしては、ポリアミド−ポリエステル共重合体、ポリアミド−ポリエーテル共重合体等からなるエラストマー等を用いることができる。上記のエラストマーを二種以上、混合して用いてもよい。
(e)裏面層の合成樹脂に添加できるゴムとしては、具体的には、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソブチレン、クロロプレンゴム及びニトリルゴムなどから選択される1種以上を用いることができる。
(e)裏面層が、無機質粒子を含有する合成樹脂を含む場合には、無機質粒子として、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、クレー、カーボンブラック、タルク、マイカ、硫酸バリウム、珪藻土及びシリカ等から選択される1種以上を用いることができる。
<耐貫通型防草シートの製造方法>
次に、耐貫通型防草シートの製造方法について説明する。
所定の芯部の表面に、所定の鞘部を熱融着し、芯鞘構造の繊維を作製する。この芯鞘構造の繊維を用いて織布、編み布及び/又は不織布を作製することにより、基材Aを得る。次に、所定のスクリムを有する基材Bを、2つの基材Aの間に挟む。基材Aと、基材Bと、基材Aとをこの順に積層したものを、融点200℃以上の樹脂及び/又は200℃で熱分解しない接着剤により接着する、若しくは熱融着することにより、シート状の(c)基材層を得ることができる。
次に、上記のように製造した(c)基材層を、170℃以上で200℃未満に加熱溶融混合した所定の改質アスファルト中に浸漬して通過させ、(c)基材層の両面に所定の(b)層及び(d)層の改質アスファルト層を設けた3層シートを作製する。この3層シートの一方の面(表面)に、所定の無機質粒子又は所定の無機質粒子を含有する合成樹脂を付着することにより(a)表面層を形成する。また、もう一方の面(裏面)には、所定の合成樹脂又は無機質粒子を含有する合成樹脂を含むシートを貼り合わせて(e)裏面層を形成することにより、耐貫通型防草シートを得ることができる。
<耐貫通型防草シートの特性>
本発明に用いる耐貫通型防草シート及びその他の防草シートは、下記の特性を有することが好ましい。
本発明に用いる防草シートの光線透過率は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは0%であることが好ましい。光線透過率が上記範囲内では、雑草の生育を有効に防止することができるため好ましい。
本発明に用いる防草シートの貫通抵抗力は、好ましくは100N以上、より好ましくは150N以上、さらに好ましくは200N以上、特に好ましくは250N以上が好ましい。貫通抵抗力が上記範囲では、雑草の生育を有効に防止・抑制することができるため好ましい。「貫通抵抗」とは、ASTM・D4833に準拠した測定値である。
本発明に用いる防草シートの引張強度は、好ましくは50N/cm以上、より好ましくは80N/cm以上、さらに好ましくは120N/cm以上、特に好ましくは135N/cm以上であることが好ましい。「引張強度」とは、JIS・A6013に準拠した測定値である。防草シートが上記範囲の引張強度を有することにより、防草シートの製造過程では良好な連続生産性が得られ、防草シートの施工過程では優れた取扱性が得られ、施工後の供用においては優れた耐久性を得ることができる。
本発明に用いる防草シートの引張伸び率は、好ましくは15%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上が好ましい。「引張伸び率」とは、JIS・A6013に準拠した測定値である。上記範囲では、適度の柔軟性により下地の不陸になじむため、施工時の取扱性に優れ、耐久性に優れる。また、防草シートを製造する過程での連続生産性に優れるために好ましい。
本発明に用いる防草シートの引裂強度は、好ましくは50N以上、より好ましくは70N以上、さらに好ましくは90N/cm以上、特に好ましくは110N/cm以上であることが好ましい。「引裂強度」とは、JIS・A6013に準拠した測定値である。防草シートが上記範囲の引裂強度を有することにより、防草シートの製造過程では良好な連続生産性が得られ、防草シートの施工過程では優れた取扱性が得られ、施工後の供用においては優れた耐久性を得ることができる。また、防草シートの引裂強度が前記範囲であれば、防草シートの端部を、固定ピンを用いて固定した場合にも、固定箇所(応力が集中する箇所)の耐久性を充分に確保することができる。
本発明に用いる防草シートは、(a)表面層から(e)裏面層までの5層全体の厚みが、好ましくは1mm〜10mmの範囲、より好ましくは1.5mm〜8mmの範囲、さらに好ましくは2mm〜6mmの範囲、特に好ましくは3mm〜5mmの範囲であることが、施工時の取り扱い易さや、隣り合う防草シートの熱融着部分の品質を充分に安定して確保できることから好ましい。
本発明に用いる防草シートは、引張強度の縦方向と横方向との比が、好ましくは0.60〜1.60の範囲、より好ましくは0.72〜1.40の範囲、さらに好ましくは0.74〜1.35の範囲、特に好ましくは0.75〜1.30の範囲であることが、引張強度や引裂強度などの物性がシートの方向性に依存せず、安定した耐久性が得られることから好ましい。
本発明に用いる防草シートは、引裂強度の縦方向と横方向との比が、好ましくは0.50〜2.00の範囲、より好ましくは0.80〜1.20の範囲、さらに好ましくは0.83〜1.18の範囲、特に好ましくは0.86〜1.16の範囲であることが、引張強度や引裂強度などの物性がシートの方向性に依存せず、安定した耐久性が得られることから好ましい。
機械的強度の一例として、(e)裏面層として厚さ20μmの二軸延伸成形ポリプロピレンフィルム及び目付量155g/mの基材層を用い、全体の厚さを3mmとした耐貫通型防草シートの場合には、引張強度110〜190N/cm程度、引張伸び率50〜70%程度、引裂強度85〜140N/cm程度の値を得ることできる。
以上述べたように、耐貫通型防草シートでは、織布、編み布及び不織布から選ばれる少なくとも一つである基材Aと、スクリムを有する基材Bとを含む基材層を用い、さらに裏面層に特定の樹脂フィルムを選択して用いるため、引裂強度及び引張強度に優れ、寸法安定性が優れる耐貫通型防草シートを得ることができる。また、耐貫通型防草シートを用いれば、道路、線路、河川、公園及び造林園など並びにこれらの周辺などの地面、表面、特に法面での草の成育を防止する遮光性と、非透水性とを有するとともに、集中豪雨などによる法面の帯水を防止でき、特に、硬く鋭い雑草の芽の防草シートに対する貫通防止性に優れる防草構造体を得ることができる。
<参考実施例>
以下に参考実施例として実験例を挙げて耐貫通型防草シートを説明するが、本発明に用いる耐貫通型防草シートはこれにより何ら限定されるものではない。
<評価方法>
1.引張強度、引張伸び率、引裂強度:JIS・A6013に準拠して、万能材料試験機[オリエンテック(株)製UTM−10T]を用い、引張速度100mm/分、サンプル幅50mm、チャック間100mm、試験温度22℃の条件下で一軸引張強度を測定した。
2.貫通抵抗:ASTM・D4833に準拠して行った。具体的には、防草シートの貫通抵抗力は、図20(A)及び図20(B)に示されているように、下端に先端部7を有する測定用治具6を用い、図20(C)のように展張、固定された試験用防草シート8を測定用治具6が貫通する際の抵抗力を、貫通速度300mm/分、試験温度22℃の条件下で測定した。
<実験1〜3>
雑草を刈り取った地面の表面に、下記の合成樹脂フィルムを敷設して2ヵ月後に防草効果を確認した。
1)合成樹脂フィルム
・合成樹脂フィルムa : PEフィルム(ポリエチレンフィルム)、厚さ=30μm、1m×1m。
・合成樹脂フィルムb : OPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレンフィルム)、厚さ=20μm、1m×1m。
・合成樹脂フィルムc : OPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレンフィルム)、厚さ=60μm、1m×1m。
表1及び図12に、実験1〜3のチガヤの芽の貫通状態を観察した結果を示す。
厚さ=30μmのPEフィルム(ポリエチレンフィルム)を敷設した実験3の場合、チガヤの芽がフィルムを貫通して20mm以上に成長している箇所が15箇所観察された。一方、厚さ=20μmのOPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレンフィルム)を敷設した実験1の場合、チガヤの芽がフィルムを貫通して20mm以上に成長している箇所は1箇所のみであり、厚さ=60μmのOPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレンフィルム)を敷設した実験2の場合、チガヤの芽は全くフィルムを貫通していなかった。
上記の結果から、PEフィルム(ポリエチレンフィルム)を用いた場合には防草効果を奏するといえる。また、OPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレンフィルム)を用いた場合には、より優れた防草効果を奏することができるといえる。
<実験例1〜7>
以下の手順にしたがって、表2に示す条件で防草シートを製造した。なお、実験例3〜7は、耐貫通型防草シートに該当する。
複合不織布を、190℃に加熱溶融混合した改質アスファルト中を通過させ、複合不織布の両面に改質アスファルトの層を設けた3層シートを作製した。
複合不織布(基材層)として、以下の3種類のものを用いた。
2)複合不織布
・複合不織布A : AKZO・NOBEL社製、製品名:colback;品種:SNS155(不織布−スクリム−不織布の三層構造)、上層及び下層の不織布:芯鞘構造、鞘部:ナイロン、芯部:ポリエステル、中間層:ガラス繊維束のスクリム(シートの長さ方向と、長さ方向の垂直方向に2方向補強)、目付量=155g/m、1m×6m。
・複合不織布B : AKZO・NOBEL社製、製品名:colback;品種:SNS125(不織布−スクリム−不織布の三層構造)、上層及び下層の不織布:芯鞘構造、鞘部:ナイロン、芯部:ポリエステル、中間層:ガラス繊維束のスクリム(シートの長さ方向と、長さ方向の垂直方向に2方向補強)、目付量=125g/m、1m×6m。
・複合不織布C : フロイデンベルグ社製、製品名:TERBOND・R150(不織布−ガラス繊維束の2層構造)、上層の不織布:芯鞘構造、鞘部:ナイロン、芯部:ポリエステル、下層:ガラス繊維束(シートの長さ方向に1方向補強)、目付量=150g/m、1m×6m。
ここで、製品名:colback−品種:SNS155、及び、製品名:colback−品種:SNS125は、芯鞘構造(鞘部:ナイロン、芯部:ポリエステル;PET)の繊維からなる不織布とガラス繊維のスクリムとを、不織布−スクリム−不織布の順に積層して、不織布の鞘部のナイロンの熱融着により一体に成形したものである。
改質アスファルトは、SBS改質タイプの針入度30dmm、又は、APP改質タイプの針入度29dmmのものを用いた。
3層シートの改質アスファルト層の片面(表面側)には、扁平状のスレートチップを500g/m〜1000g/mの範囲で付着させた。
他方の面(裏面側)には、下記の合成樹脂フィルムを貼り合わせ、厚さ3.2mmの5層シートを作製し、ボール紙の芯材にロール状に巻き付けて防草シートを製造した。
3)合成樹脂フィルム
・合成樹脂フィルムd : HDPEフィルム(高密度ポリエチレン)、厚さ=20μm。
・合成樹脂フィルムe : OPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレン)、厚さ=20μm。
防草シートは、連続して生産することができた。また、いずれの防草シートの光線透過率も0%で、光を透過しなかった。
得られた防草シートについて、引張強度など物性評価を行った結果を表3に示す。雑草を刈り取った地面の表面に、得られた防草シートを敷設して2ヵ月後に防草効果を評価した。また、図13に、チガヤの芽の貫通状態を観察した結果を示す。なお、表3中の「施工性」とは、シートの重量、柔軟性やシワの発生状況等、防草シートの施工作業おける取扱性及び容易性を総合的に判断したものである。
これらの結果から明らかなように、実験例1〜7のいずれの防草シートにおいても良好な防草効果が得られたが、特に、裏面層として、硬質合成樹脂の一種である二軸延伸成形ポリプロピレンを用いた場合には、高密度ポリエチレンを用いた場合と比較して、チガヤの芽の貫通数を低減し、より高い防草効果を得ることができた。
また、二軸延伸成形ポリプロピレンを用いるとともに、基材層として目付量が155g/mの複合不織布を使用した場合には、チガヤの芽が全く貫通しない(実験例6)、又は、チガヤの芽が貫通したとしてもその貫通数は極僅かであり(実験例4、実験例5及び実験例7)、貫通した目の長さも20mm未満であった。貫通したチガヤの芽が、裏面の合成樹脂フィルムを貫通したのち、20mm以上にさらに大きく成長できなかったのは、目付量の大きい複合不織布の繊維構造と、複合不織布に含浸した改質アスファルト層とが、芽の成長にとって大きな障害となったことによるものと推考される。
本発明の防草構造体を設置する場所の一例の断面模式図である。 本発明の施工方法の工程の一例の断面模式図である。 本発明の施工方法の工程の一例の断面模式図である。 本発明の施工方法の工程の一例の断面模式図である。 本発明の施工方法によって設置した防草構造体の一例の断面模式図である。 本発明の施工方法の第二の態様により防草構造体を設置する場所の一例の断面模式図である。 本発明の施工方法の第二の態様の工程の一例の断面模式図である。 本発明の施工方法の第二の態様の工程の一例の断面模式図である。 本発明の施工方法の第二の態様の工程の一例の断面模式図である。 本発明の施工方法の第二の態様の工程の一例の断面模式図である。 本発明の第二の態様の施工方法によって設置した防草構造体の一例の断面模式図である。 本発明の第二の態様の施工方法によって設置した防草構造体の一例の平面模式図である 本発明の第二の態様の施工方法の工程の別の一例の断面模式図である。 本発明の第二の態様の施工方法によって設置した防草構造体の別の一例の断面模式図である。 本発明の第二の態様の施工方法によって設置した防草構造体の別の一例の平面模式図である 本発明の第二の態様の施工方法によって設置した防草構造体の別の一例の断面模式図である。 耐貫通型防草シートの模式的断面図である。 合成樹脂フィルムを敷設して2ヵ月後の、チガヤの芽の貫通状態を示す上面図である。 防草シートを敷設して2ヵ月後の、チガヤの芽の貫通状態を示す上面図である。 防草シートの貫通試験の説明図であり、(A)貫通抵抗測定装置図、(B)測定治具の断面図、(C)測定治具を用いて防草シートの貫通試験を行った貫通状態図をそれぞれ示す。
符号の説明
1 : 表面層(無機質粒子)
2 : 改質アスファルト層
3 : 基材層
4 : 改質アスファルト層
5 : 裏面層
6 : 測定用治具
7 : 測定用治具の先端部
8 : 試験用防草シート
10 : 防草シート
10a: 隙間用防草シート
12 : 第一端部
13 : 第二端部
16 : 固定用ピン
21 : 防草区域
25 : U字溝
26 : 地表下の外壁
27 : ケーブルトラフ
28 : 電気ケーブル
29 : コンクリート壁
30 : 固定用ピン(L字ピン)
31 : 掘削部

Claims (8)

  1. 防草区域の境界の少なくとも一部に構造物が接する防草区域に、防草シートを含む防草構造体を設置するための防草構造体の施工方法であって、
    構造物の防草区域に接する外壁のうち、地表下の外壁の少なくとも一部を露出させる工程と、
    防草シートの一つの端部である第一端部を、構造物の露出した地表下の外壁に密着又は接着し、埋設することによって、第一端部を固定する工程と、
    防草区域に防草シートを配置する工程と、
    防草シートの他の端部の少なくとも一部である第二端部を固定する工程とを含む、
    防草構造体の施工方法。
  2. 構造物が、防草区域の境界の両端にそれぞれ接する二つの構造物であり、防草シートが、二つの防草シートを含み、
    第一端部を固定する工程が、二つの防草シートの第一端部のそれぞれを、二つの構造物の露出した地表下の外壁のそれぞれに密着又は接着し、埋設することを含む、請求項1記載の施工方法。
  3. 第二端部を固定する工程が、二つの防草シートの第二端部を重ね合わせて重ね合わせ部を形成し、又は、二つの防草シートの間に露出する防草区域を他の防草シートで覆い、二つの防草シートと、他の防草シートとを重ね合わせて重ね合わせ部を形成し、重ね合わせ部を防草区域に固定する工程を含む、請求項2記載の施工方法。
  4. 重ね合わせ部を防草区域に固定する工程が、
    二つの防草シートの重ね合わせ部を、加熱融着法又はテープ接着法によって接着することによって、二つの防草シートを接着すること、又は、
    二つの防草シートと、他の防草シートとの重ね合わせ部を、加熱融着法又はテープ接着法によって接着することによって、二つの防草シートと、他の防草シートとを接着すること
    を含む、請求項3記載の施工方法。
  5. 第一端部を外壁に接着することが、接着剤を用いて行われる、請求項1〜4のいずれか1項記載の施工方法。
  6. 構造物が、剛体製溝又は剛体製壁である、請求項1〜5のいずれか1項記載の施工方法。
  7. 防草シートが、耐貫通型防草シートである、請求項1〜6のいずれか1項記載の施工方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の施工方法によって設置された防草構造体。
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