JP2010065061A - ヒドロホルミル化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非イオン帯電配位子に基づく、触媒がほぼ完全に回収されるヒドロホルミル化方法の提供。
【解決手段】 本発明は、
(a)溶媒および8、9または10族金属に基づく均一触媒ならびに非イオン帯電リン配位子の存在下に、反応ゾーンで、一酸化炭素・水素ガスと1以上のエチレン性不飽和化合物を接触させて、粗ヒドロホルミル化生成物を形成させる段階;
(b)大部分の触媒が溶解している溶媒の大部分を分離させ、相分離ゾーンで粗ヒドロホルミル化生成物から回収する段階;ならびに
(c)抽出ゾーンで、非水系抽出剤を用いて、実質的に全ての溶解残留触媒を、段階(b)から得られた分離ヒドロホルミル化生成物から除去する段階
を有することを特徴とするヒドロホルミル化方法に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶媒ならびに8、9または10族金属(1997年使用のIUPAC元素分類参照)に基づく均一触媒の存在下に反応ゾーンで、エチレン性不飽和化合物を一酸化炭素・水素ガスと接触させるヒドロホルミル化方法に関するものである。
エチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化によるアルデヒドおよび/またはアルコールなどの生成物の形成は、工業的にかなり重要なものである。文献から明らかなように(例えば、“New Syntheses with Carbon Monoxide”, J.Falbe, Springer-Verlag (1980); ISBN 0-387-09674-4および“Carbonylation”, H.M.Colqhoun, D.J.Thompson and M.V.Twigg, Plenum Press, 1991; ISBN 0-306-43747-3)、8族、9族または10族金属(Fe、Ru、Os;Co、Rh、Ir;Ni、PdおよびPt)に基づく複数の触媒がヒドロホルミル化方法で用いられている。現在最も重要な工業的ヒドロホルミル化方法は、9族金属CoおよびRhに基づいたものである。10族金属Ni、PdおよびPtに基づいたヒドロホルミル化方法についても、広範囲の特許技術がある。
国際公開第95/05354号 欧州特許出願公開第0350922号
"New Syntheses with Carbon Monoxide", J.Falbe, Springer-Verlag (1980); ISBN 0-387-09674-4 "Carbonylation", H.M.Colqhoun, D.J.Thompson and M.V.Twigg, Plenum Press, 1991; ISBN 0-306-43747-3
決して失われる触媒の交換のコストのためではなく、各種の理由のために、ヒドロホルミル化生成物から触媒を回収しなければならない。しかしながら、ヒドロホルミル化生成物の単なる蒸留は触媒を失活させ、従って破壊する可能性がある。従って、破壊する傾向のある触媒は、例えば抽出によって分離する。
国際出願WO 95/05354には、反応終了後に粗生成物を混和しない2層とし、ヒドロホルミル化生成物を含む層を触媒を含む層から分離することで、触媒系の金属成分の大部分を回収する方法が開示されている。しかしながら、生成物層にはなお、活性な触媒が含まれている。その引例には、その触媒をどのようにして回収すべきかについての記載はない。
EP−A−0350922からは、非水系ヒドロホルミル化反応生成物組成物からアルデヒド生成物を分離・回収する方法が公知である。その方法では、水を加えるかあるいは水と非極性炭化水素系化合物の両方を加えることによる相分離が関与する。その引例の比較例1には、単なる相分離による回収が不十分であることが示されているが、水を加えると相分離が改善されることが示されている。しかしながら、その方法を水溶性ヒドロホルミル化触媒系の存在下に実施する場合を観察すべきである。そこで、金属錯体とともに、相分離段階で容易に分かれて水相に入るイオン的に帯電したリン配位子を用いる。比較的一般的な種類の配位子である非イオン帯電リン配位子に基づいた触媒系の場合については、当該明細書にも記載はない。
本発明者らは、非イオン帯電配位子に基づく、触媒がほぼ完全に回収されるヒドロホルミル化方法を開発すべく尽力した。
従って、
(a)溶媒および8、9または10族金属に基づく均一触媒ならびに非イオン帯電配位子の存在下に、反応ゾーンで、一酸化炭素・水素ガスと1以上のエチレン性不飽和化合物を接触させて、粗反応生成物を形成させる段階;
(b)大部分の触媒が溶解している溶媒の大部分を分離させ、相分離ゾーンで粗ヒドロホルミル化生成物から回収する段階;ならびに
(c)抽出ゾーンで、非水系抽出剤を用いて、実質的に全ての溶解残留触媒を、段階(b)から得られた分離ヒドロホルミル化生成物から除去する段階
を有することを特徴とするヒドロホルミル化方法が提供される。
段階(c)では、抽出剤として、好ましくは段階(a)で使用した溶媒と同じ物質を用いることで、循環流の汚染を回避する。
循環流を用いる(完全統合型の)方法では、抽出段階(c)は好ましくは、段階(c)で得られるヒドロホルミル化生成物中に溶解している溶媒の量に一致する量の抽出剤で(他段階にて)行う。分離段階(b)後では、ヒドロホルミル化生成物はなお、溶媒で飽和していることは留意すべき点である。例えば40℃の温度では、スルホラン飽和粗C11〜C12オレフィン由来ヒドロホルミル化生成物100gには、スルホランが約8g含有されていることから、スルホラン約8gを用いて抽出を行うべきである。明らかに、抽出剤の量は正確に一致している必要はない。その方法は、例えば0.9〜1.1倍の量で処理するよう調整することができる。
抽出段階(c)によって、触媒を含んだ抽出剤が得られる。段階(c)からの抽出剤と溶媒が同一の物質である場合は、触媒含有抽出剤を段階(a)の反応ゾーンおよび/または段階(b)の分離ゾーンに送ることができる。本発明者らは、段階(b)で分離効率の大幅向上が得られたことから、後者の実施態様が有効であることを認めている。
段階(c)から得られる溶媒抽出ヒドロホルミル化生成物には、溶媒および/または抽出剤が含まれている。その溶媒および/または抽出剤も除去する必要があるのが普通である。この時点で抽出されたヒドロホルミル化生成物は貴重な触媒を含まないことから、蒸留が一つの選択肢である。しかしながら、その分離方法は、溶媒、抽出剤および生成物が類似した沸点を有する場合には適用可能性が低いものになると考えられる。従って、洗浄による除去が好ましい。
本発明の方法の1実施態様を示す模式的ブロック図である。 本発明の方法の別の実施態様を示す模式的ブロック図である。 好適な後処理手順を示す模式的ブロック図である。
明らかに、溶媒および/または抽出剤を洗浄によって除去する場合には、洗浄に使用する媒体の存在によって、問題が大きくなってはならない。すなわち、ヒドロホルミル化生成物の該媒体への溶解度は、前記溶媒および/または抽出剤への溶解度より低いものでなければならない。さらに、洗浄媒体は好ましくは、循環流の一部になった場合に、望ましくない副作用を起こさない無害の不純物でなければならない。さらに、該媒体は安価でなければならない。
水は洗浄媒体として非常に有効であることが認められた。そこで好ましくは、(d)段階(c)から得られた抽出ヒドロホルミル化生成物から、洗浄ゾーンにて、洗浄媒体(好ましくは水)を用いて、実質的に全ての溶解している残留溶媒および/または残留抽出剤を除去し、洗浄ゾーンから得られる洗浄媒体から溶媒および/または抽出剤を分離し、適宜にそれぞれを再使用するという段階(d)を加える。
好ましくは、水洗は60℃を超える温度、より好ましくは70℃を超える温度で、粗生成物と媒体の相比が重量基準で1:0.2〜1:1となるように行う(多段階にて)。乳濁を回避するには、その低い方の温度が重要である。
抽出剤と溶媒が同じ物質である好ましい実施態様においては、単離された抽出剤を段階(c)での抽出剤として再使用することが好ましい。驚くべきことに、その少量の抽出剤が、段階(b)で得られる分離ヒドロホルミル化生成物から実質的に全ての残留触媒を効果的に除去するのに十分である。
抽出は、回転円板式接触反応器(PerryのChemical Engineers' Handbook, 6th ed., p.21-77およびそれ以降参照)または充填床カラムで実施することができる。本発明の方法では、充填床カラムの方が有効であり、望ましくない乳濁が回避されることから好ましい。最も高い抽出効率が得られるのは、充填床カラムを用い、構造化充填を行った場合である。
段階(b)から得られる分離された溶媒は貴重な触媒を含むことから、好ましくは、当該方法の段階(a)の反応ゾーンに送る。
好ましくは、段階(b)の相分離は、(単相の)ヒドロホルミル化生成物を0〜80℃の範囲、好ましくは15〜60℃の範囲の温度まで冷却することで生じる。しかしながら、各場合について、冷却の程度および相分離を起こすのに必要な溶媒の最適量を決めることは当業者の裁量の範囲内である。圧力については具体的な必要条件はない。以下に示す実験結果は、使用が好ましい溶媒の量を示しているものでもある。
本発明の方法のさらに別の実施態様は、相分離の問題に関係するものである。それらの問題は、層分離を明瞭に行う上で過度に長時間を要すること、ならびに室温での相分離の場合に室温より低い温度の冷媒を用いる必要があることに関するものである。前者の問題は、細かい乳濁液が形成されるためであると思われ、後者の問題は、温度と両層での触媒分布との間の関係によるものであると思われる。上記の第2の問題は、生成物層に溶解している触媒が抽出によって回収されることから、本発明の方法によって既に部分的に解決されていることは留意すべき点である。
本発明者らは、上記方法の段階(b)で遠心機、濾床コアレッサもしくは静電コアレッサを用いることで、貴重な材料を損失することなく、非常に適切な形で乳濁が破壊されることを見出した。他方、開放沈降機、平行板沈降機および水力サイクロンなどの従来の装置を使用すると、良好な結果が得られないことがわかっている(乳濁液を破壊する装置に関する定義については、“Perry's Chemical Engineers' Handbook”, 6 th ed., pp.21-64; 21-65 and 21-66参照)。
EP−A−0350922号にあるように、相分離の前に、粗ヒドロホルミル化生成物に液体飽和炭化水素類を加えることが有効であることが認められている。好ましくは、その炭化水素は、ライトエンド以下の沸点を有するものである(すなわち、その工程で生じるパラフィン系副産物)。実際には、ライトエンド自体を用いることができる。それによって、比較的高温であっても相分離を促進する効果などが得られる。それによって、温度がさほど低くない、従って比較的安価な冷媒を使用することができる。さらに別の利点としては、抽出の向上(飽和炭化水素中では触媒の溶解度は小さいのが普通であることから)、および抽出されたヒドロホルミル化生成物の洗浄の向上がある。好適には、炭化水素の使用量は、生成物流基準で10〜50%である。
上記のような主要工程に加えて、ヒドロホルミル化生成物の一部を反応ゾーンに循環させて、溶媒中のエチレン性不飽和化合物の溶解を促進することが有利であることが認められた。それは特に、運転開始時に有利である。好適には、20%以下のヒドロホルミル化生成物を循環させることができる。
原料として使用されるエチレン性不飽和化合物は、1個の二重結合を有する化合物であることができる。それは、骨格鎖に結合した官能基を有することができるか、あるいは骨格鎖内に炭素以外の原子を有することができる。好ましくは、1分子当たり2〜30個の炭素原子を有するものとする。それら化合物は、そのようなエチレン性不飽和化合物の混合物として使用することもできる。より好ましくは、エチレン性不飽和化合物は、1分子当たり4〜24個の炭素原子を有するオレフィンであるか、あるいはそのようなオレフィン類の混合物である。1分子当たり2個または3個のみの炭素原子を有するオレフィンを用いた場合、段階(b)での相分離を起こさせることが困難な場合がある。最も好ましくは、炭素数6〜18のオレフィンまたはそれの混合物である。そのようなオレフィン混合物は市販されていて容易に入手でき、それらの生成物は、貴重な洗剤および可塑剤中間体を提供するものである。
一酸化炭素・水素ガスは、等モル比または非等モル比、例えば5:1〜1:5の範囲内の比率で供給することができる。好ましくはそのガスは、2:1〜1:2.5の範囲内の比率で供給する。
ヒドロホルミル化は、中等度の反応条件で好適に実施することができる。従って、50〜200℃の範囲の温度が望ましく、好ましい温度は70〜160℃の範囲である。絶対圧1〜300バールの範囲の反応圧力が好適であるが、絶対圧5〜100バールの範囲が好ましい。それより低いまたは高い圧力を選択することができるが、あまり有利とは思われない。
ヒドロホルミル化生成物からほとんどの全ての触媒系を選択的に溶解させることができる好適な溶媒は、分子内において非プロトン性の極性基が存在することを特徴とするものである。不飽和原料が比較的低い分子量を有する場合、例えば、炭素数5〜7のエチレン性不飽和化合物を用いる場合、強力な極性基を有する溶媒が特に好ましい。比較的高い分子量の不飽和化合物、例えば炭素数12〜16のオレフィンのヒドロホルミル化の場合、極性の相対的に低い溶媒を用いることで、満足できる結果が得られるのが普通である。
スルホンを含む溶媒または実質的にスルホンからなる溶媒が好ましい。特に好ましい溶媒には、ジメチルスルホンおよびジエチルスルホンなどのジアルキルスルホン類、ならびにスルホラン(テトラヒドロチオフェン−2,2−ジオキサイド)、2−メチルスルホランおよび2−メチル−4−エチルスルホランなどの環状スルホンなどがある。さらに別の種類の好適な溶媒には、マロノニトリル、スクシノニトリル、アジポニトリル、ジヒドロムコニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、1,6−ジシアノシクロヘキサン、1,2,4−トリシアノブタンなどの2以上のシアノ基を有する種類の化合物、ならびにそれらの混合物でスルホランを含むものまたは含まないものなどがある。
他の混合溶媒も使用することができ、それには例えば、スルホンおよび/または2以上のシアノ基を有する化合物とアルコールなどのプロトン性溶媒との混合物などがある。オレフィンのヒドロホルミル化では、ヒドロホルミル化反応で生じるアルコールと同一または類似のアルコールを選択するのが普通である。スルホランが、本方法では好ましい溶媒である。
抽出剤はさらに、分子内に非プロトン性極性基を有することを特徴とするものでもある。従って、上記の化合物(溶媒としての)が好適な抽出剤である。好ましい実施態様においては、抽出剤および溶媒は同一のものとする。
本発明の方法で使用される溶媒の量は、かなり変動し得るものである。例えば、溶媒量は、溶媒、エチレン性不飽和化合物および触媒を含む反応混合物の体積の3〜50体積%で変動し得る。
本明細書では、触媒は、非修飾の8族、9族もしくは10族金属カルボニルならびに8族、9族もしくは10族金属水素化カルボニルとすることができるが、より好ましくは触媒は、1以上の非カルボニル配位子で修飾されたものとする。ヒドロホルミル化生成物の製造ですでに使用されている非カルボニル配位子の例としては、ホスフィン類、ホスフィンオキサイド類、亜リン酸化合物などがある。本発明は、修飾された8族、9族もしくは10族金属に基づく触媒、特にはCo、Rh、Ni、PdもしくはPtに基づく触媒を用いた場合に特に有用である。本発明は、EP−A−0220767、US−A−3527818、EP−A−0495547に記載のいずれかの触媒を用いる場合、及び特にはWO 95/05354の触媒を用いる場合に特に有用である(これらはいずれも、引用によって本明細書に含まれるものとする)。
好適な触媒系は例えば、以下のものを含有する:
(i)10族金属カチオン源;
(ii)ハライドアニオン以外のアニオン源、例えば18℃の水溶液で測定した場合のpKa値が3未満である酸から誘導したもの;及び
(iii)一般式:
P−R−PR (I)
で示される二座配位子源[上記式中、Rは架橋部に1〜10個の原子を有する二価の架橋基であり、R、R、RおよびRは独立に、置換もしくは未置換の脂肪族基を表すか、あるいはRとRおよび/またはRとRとが一体となって、5以上の環原子を有する二価の基を表すことで、2個の遊離原子価がリン原子に結合している]。
好適な金属源の例としては、酢酸パラジウム(II)およびアセチルアセトン酸白金(II)である。
ハライドアニオン以外のアニオン源としては、アニオンを発生するいかなる化合物も使用することができる。そのような化合物には、酸またはそれの塩などがあり、例えば、上記の酸のいずれかがあり、それらはまた8族、9族もしくは10族金属の塩にも含まれ得るものである。アニオンは好ましくは、強酸、すなわち18℃の水溶液で測定した場合のpKa値が3未満、好ましくは2未満の酸から誘導されるものである。それらの酸から誘導されるアニオンは、金属に配位しないか、弱く配位するものである。酸が強いほど、金属カチオンへのアニオンの配位は弱くなり、ヒドロホルミル化生成物の直線性が高くなる。
好適なアニオンの代表例は、リン酸、硫酸、スルホン酸ならびにトリフルオロ酢酸などのハロゲン化カルボン酸のアニオンである。さらに、錯アニオンも好適であり、それには例えば、BF、B(C、AlCl、SnF、Sn(CFSO、SnClもしくはGeClなどのルイス酸と、CFSOHもしくはCHSOHなどのスルホン酸などのプロトン酸またはHFもしくはHClなどのハロゲン化水素酸との組み合わせ、あるいはルイス酸とアルコールとの組み合わせによって発生するアニオン等がある。そのような錯アニオンの例としては、BF 、SnCl 、[SnCl・CFSOおよびPF がある。好ましいアニオン源は、トリフルオロメタンスルホン酸である。
Rで表されるジホスフィンにおける架橋基は代表的には、炭素原子から成るものである。好ましくは、該架橋基には、架橋部に2もしくは3個の炭素原子がある。
式(I)の配位子では、R、R、RおよびRは独立に、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子または(C〜Cアルキル)アミノ基などの置換基で置換されていても良い各種の非環状基もしくは環状基を表すことができる。その例としては、エチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基などのアルキル基;シクロペンチル基およびシクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基およびトリル基などのアリール基がある。
しかしながら好ましくは、RとRあるいはRとRの一方または両方が一体となって、二価の(置換された)基を表すものとする。
二価の(置換された)基は好ましくは、6〜9個の環原子を有し、より好ましくは8個の環原子を有する環状基である。置換基がある場合それは、炭素数1〜4のアルキル基であるのが普通である。原則として、全ての環原子が炭素原子であるが、環中に酸素原子もしくは窒素原子などの1個もしくは2個のヘテロ原子を有する二価の環状基も除外されない。好適な二価環状基の例としては、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロへプチレン基、1,4−シクロオクチレン基、1,5−シクロオクチレン基、2−メチル−1,5−シクロオクチレン基、2,6−ジメチル−1,4−シクロオクチレン基および2,6−ジメチル−1,5−シクロオクチレン基がある。
好ましい二価環状基は、1,4−シクロオクチレン、1,5−シクロオクチレンおよびそれらのメチル(ジ)置換誘導体から選択される。
異なる二価環状基を有する配位子の混合物も使用することができ、その例としては1,4−シクロオクチレン基を有する配位子および1,5−シクロオクチレン基を有する配位子の混合物などがある。従って、好ましい式(I)の二座配位子は、1,2−ビス(1,4−シクロオクチレンホスフィノ)エタン、1,2−ビス(1,5−シクロオクチレンホスフィノ)エタンおよびそれらの混合物ならびに1,3−ビス(1,4−シクロオクチレンホスフィノ)プロパン、1,3−ビス(1,5−シクロオクチレンホスフィノ)プロパンおよびそれらの混合物である。
二座配位子の製造については、例えばGB−A−1127965に開示の方法のような公知の方法を参照する。
触媒系の使用量は重要ではなく、広範囲で変動することができる。通常、エチレン性不飽和化合物1モル当たり10−8〜10−1、好ましくは10−7〜10−2モル金属原子の範囲の量を用いる。触媒系に含まれる各物質の量は、金属1モル原子当たりで、二座配位子を0.5〜10モル、好ましくは1〜6モルを用い、アニオン源もしくは錯アニオン源を0.5〜15モル、好ましくは1〜8モル用いるように適宜に選択する。
本発明の方法の好ましい特徴は、ハライドアニオン(Clアニオン、BrアニオンまたはIアニオン)源を含む助触媒の存在にある。ただし、ハライドアニオンと金属カチオンとの間のモル比は多くとも5:1でなければならない。好ましくは、ハライドアニオンと金属カチオンの間のモル比は、多くとも1:1、例えば0.02:1〜1:1である。
ハライドアニオン源として、上記反応条件下でハライドアニオンを発生させるいかなる化合物も使用することができる。
望ましいものとしては、HCl、HBrおよびHIなどのハロゲン化水素およびNaCl、MgBr、ZnCl、ZnI、KBr、RbCl、CsCl、CsI、MgIおよびCuClなどのハロゲン化金属などの無機化合物がある。塩素アニオン源を含む助触媒が特に好ましい。
本発明の方法の各種実施態様を、添付の模式的ブロック図(図1、2および3)に示してある。
これらの図において、記号は以下のものを表す:
1:一酸化炭素・水素ガス(合成ガス)
2:エチレン性不飽和化合物
3:触媒成分
4:溶媒
5:水
6:粗アルコール
7:ライトエンド
8:ヘビーエンド
9:最終品アルコール
10:水素ガス
11:1以上の気/液反応槽
12:1以上の気/液分離器
13:遠心器、コアレッサまたは沈降機
14:溶媒抽出カラム(触媒除去)
15:水抽出カラム(溶媒除去)
16:水/溶媒蒸留カラム
17:中間溶媒貯蔵槽
18:触媒調製
19:トッピング蒸留カラム(ライトエンド)
20:テーリング蒸留カラム(ヘビーエンド)
21:水素化仕上げ。
図1では、ユニット(18)で調製した触媒の入った反応槽(11)に、エチレン性不飽和化合物(2)、一酸化炭素・水素ガス(1)を導入する。生成物を1以上の気/液分離器(12)に通す。その後生成物を、遠心器、濾床コアレッサもしくは静電コアレッサ(13)のいずれかに送る。溶媒層を、触媒とともに反応槽(11)に循環させる。生成物層を溶媒抽出カラム(14)に送り、そこで残留している触媒を除去する。負荷溶媒を、導管AまたはBを通過させて、(11)および/または(13)に送る。生成物を水抽出カラム(15)に送り、そこで溶媒が除去される。水層を蒸留カラム(16)に通して、頂部から水(5)を回収し、それを(15)に循環させ、溶媒(4)を(16)の底部から回収して、それを貯蔵槽(17)に循環させる。水および溶媒を循環させるための導管には、水(5)用導入口と溶媒(4)用導入口とがある。(15)から回収された生成物層(6)は、例えば図3に開示したような好適な後処理手順に送ることができる。
図2は、好ましい実施態様を表したものであり、負荷溶媒が導管Bを通って(13)に送られる。さらにこの図には、粗反応生成物の一部を(11)に循環させる工程が描いてある。
最後に図3には、好適な後処理手順が示してあり、そこでは生成物(6)が、さらに残留する水分を除去する1以上のライトエンド蒸留カラム(9)、1以上のヘビーエンド蒸留カラム(10)および最後に水素化仕上げ反応槽(11)に送られる。蒸留カラムの前に設けるケン化ユニット(不図示)は適宜設置するものである。さらに、水からの分離後に(不図示)、ライトエンド(7)および/またはヘビーエンド(8)を、反応槽(11)に循環させることができる。それは、飽和炭化水素を加えて相分離段階を行いやすくする場合に、特に有利である。
以下の実施例によって、本発明をさらに説明する。これらの実施例では、以下の略称を用いる。
BCPE=1,2−ビス(シクロオクチレンホスフィノ)エタン、
TFSA=トリフルオロメタンスルホン酸、
NaCl=塩化ナトリウム。
参考例A
300mLのバッチ式オートクレーブ中で、ヒドロホルミル化を行った。アルゴン雰囲気下に、C11〜C12内部直鎖オレフィン62mL、水0.63mLおよびn−トリデカン0.755g(GC内部標準として)をオートクレーブに充填した。別個に、アルゴン雰囲気下で、無水スルホラン99.0g(40℃で攪拌したもの)に、酢酸Pd0.525g、BCPE1.01g、塩化亜鉛0.522gおよびTFSA0.92gを加えて、Pd濃度を約400ppmwとし、モル触媒比(Pd/BCPE/TFSA/塩化物)を1:1.4:2.6:3.2とすることで、触媒の調製を行った。その触媒ストックの1/6(16.96g)を、上記のバッチ式オートクレーブに加えた。その後、2−エチルヘキサノールも加えた。オートクレーブを閉じ、減圧および合成ガスによる加圧のサイクルを3回行うことで残留空気を除去した。中空軸攪拌機を用いて、攪拌速度を1000rpmとした。次に、圧力を56バール合成ガス(H/COのモル比2.0)に設定し、急速に昇温して90℃とした。反応開始時には温度は105℃まで上昇し、圧力は降下した。その温度および50バールの圧力にて反応を維持した(恒圧バルブによる合成ガス補給を用いて)。105℃で3時間後、反応槽内容物を冷却して室温とした。GC分析は、3時間後のオレフィン変換率が>99.9%であり、アルコール、パラフィンおよびヘビーエンドに対する選択性がそれぞれ、99.0%、0.5%および0.5%であることを示していた(アルデヒドは認められなかった)。
参考例B
参考例Aの生成物の一部を加熱して40℃とした(冷却用軟水を用いる、市販ユニットでの相分離には妥当なモデル温度)。この温度では、2つの液相が存在していた。上層は粗アルコールのほとんど白色の層であり、下層はスルホランに溶解したPd触媒の層(Pd触媒が存在するために黄色)である。これらの層を分離し、サンプリングし、n−ブタノールで希釈し、元素分析によって分析を行った。データは以下の表の通りである。
Figure 2010065061
明らかに、Pd触媒の回収率は完全なものからはほど遠い。Pdについては分配係数が最も高かったが、質量バランスからは、スルホラン層によってはPdの59%しか回収されなかったことがわかる。
参考例C
参考例Aで記載の実験を、2−エチルヘキサノールに代えて40:60(重量基準)C12/C13洗剤アルコール("DOBANOL" 23、商品名、直線性約80%)を用いて繰り返した。モル触媒比(Pd/BCPE/TFSA/Cl)は1:1.4:2.0:3.2とした。2時間後および4時間後のオレフィン変換率はそれぞれ、94.6%および>99.9%であった。4時間後の選択性はアルコール99.5%、パラフィン0.4%、アルデヒド0.1%(ヘビーエンドは検出されず)であった。4時間の反応時間経過後、生成物を冷却して60℃とし(なお、単一相)、それを3つのほぼ同量部分に分けた。これらの部分をそれぞれ、さらに25℃、35℃および45℃まで冷却したところ、これら3部分のいずれにおいても相分離が生じた。十分な平衡時間経過後、層分離を行い、両方の層からサンプリングを行い、メタノールで希釈し、Pdについて分析した。25℃、35℃および45℃でのPdについての分配係数は、それぞれ64、51および35であった。これらのデータは、参考例Bのデータと一致するものであった。やはり、Pd触媒回収は完全なものからはほど遠く、温度を下げることで分配が改善されたが、室温程度の温度であっても、アルコール相によってかなりの量のPdが失われた。25℃での質量バランスは、スルホラン層によって回収されたPdは85%に過ぎないことを示していた。
実施例1
本発明の利点を明らかにするため、原料供給ゾーン、反応槽ゾーン、第1の触媒循環用第1相分離ゾーン、ならびにPd触媒およびスルホランのほぼ完全な回収および循環のための抽出ゾーンからなる連続運転ミニパイロットプラントで実験を行った。
原料供給ゾーンによって、C11〜C12内部直鎖オレフィン(アルミナ精製によって過酸化物除去したもの)、H(Cu/アルミナ精製によって酸素除去したもの)、CO(Cu/アルミナ精製による酸素除去および活性炭精製によるカルボニル類除去を行ったもの)、BCPE(トルエンに溶解したもの)および水を供給した。運転開始に先だって、Pd触媒ストック(Pd2.7g、Pd/BCPE/TFSA/Clのモル比1:1.1:2.0:0.43、3重量%の水を含むスルホラン中3000ppmwのPd濃度)を反応槽ゾーンに加えた。触媒系の中では、実験中に補給したのはBCPEのみであった。
反応ゾーンは、1.5リットルの反応槽2槽(Inconel-600 Continuous Stirred Tank Reactors;攪拌機速度800rpm、各液体容量900mL)からなるものである。反応条件は代表的には、105℃、70バール合成ガス(H/COモル比2.0)、オレフィン供給量150〜300g/h、スルホラン15重量%、水1.6重量%、両反応槽中でのPd300〜400ppm、第1および第2の反応槽におけるオレフィン変換率がそれぞれ86〜93%および97.5〜99.5%であった。第2の反応槽の後、反応槽生成物を冷却して35〜40℃とし、減圧して1.2バールとした。
相分離は直ちに開始したが、完全ではなかった。得られた2相混合物を次に、入口から出口にかけて2mmから22mmへと徐々に大きくなる繊維を有する平坦なステンレス製フィルター要素から成る小さい濾床コアレッサ(35〜40℃)を通して下降流にて送った。生成物は完全に相分離し、それを沈殿機に導入し、そこからスルホラン相(濃縮Pd触媒を含む)を反応槽に循環させ、アルコール相(この段階でも、希釈Pd触媒およびスルホラン溶媒をかなりの量で含有している)を別個のアルコール緩衝液容器に移し入れる。
抽出ゾーンではアルコール相を、2本の向流液/液抽出カラム(ガラスカラム、直径3cm、高さ3.4m、大きさ4×4mmのステンレス製内壁)で精製した。スルホラン抽出カラムでは、清浄な循環スルホランを用いて、アルコールからほぼ全てのPd残留分を除去した(相比アルコール/スルホランは約9:1(重量基準)であり、温度は40℃であり、連続相としてスルホラン)。水抽出カラムでは、清浄な循環水を用いて、アルコールからほぼ全てのスルホランを除去した(アルコール/水の相比が約5:2(重量基準)、温度70℃、連続相として水)。スルホラン抽出カラムからの触媒含有スルホランは、濾床コアレッサに戻した。スルホラン含有水は蒸留カラムに送り込んで、頂部から清浄水(水抽出まで循環)および底部からスルホラン(若干の残留水分、約3%を含有)を得た。そのスルホランは緩衝液容器を介してスルホラン回収カラムへと循環させた。ミニパイロットプラントからの粗アルコールは、実質的にPd触媒およびスルホランを含有しなかった。
定常状態時の代表的なPd濃度は、反応槽で400ppm、スルホラン循環で2600ppmw、濾床コアレッサからの粗アルコール生成物で90ppmw、スルホラン抽出のスルホラン下層生成物で900ppmw、スルホラン抽出の上層生成物で0.2ppmwであった。他の触媒成分は概してPdと同様の挙動を示し、スルホラン抽出の上層アルコール生成物中でのリン、TFSAおよび塩化物の代表的な残留濃度は、それぞれ10ppmw、<5ppmwおよび<10ppmwである。定常状態時の代表的なスルホラン濃度は、反応槽で15重量%、水抽出カラムの前のアルコール相で8〜10重量%(飽和)、ならびに水抽出カラムのアルコール上層生成物で40ppmwであった。
実験を732時間継続したところ、良好な触媒保持以外に、優れた化学触媒安定性を有することが明らかになっている。
実施例2
モデル実験を行って、代表的な生成物アルコールからスルホランを回収する上での水抽出の効率を求めた。原料混合物は、93/7(重量基準)の比の「ドバノール(DOBANOL)23」(商品名)およびスルホランからなるものとした。この混合物に、10重量%または30重量%の水を4つの異なる温度(35℃、70℃、80℃、90℃)で加えた。混合物を攪拌して平衡状態とし、その後十分な時間を経過させて沈殿させた。得られた2層(上層がアルコール層で下層が水層)を分離し、GCによって、両層中のスルホランについての分析を行った。以下の分配係数を得た。
Figure 2010065061
好ましいことにスルホランは水層に入るが、所望の低濃度までスルホラン濃度を低下させるには多くの段階が必要であることは明らかである。温度は分離効率に対して悪影響を与える。
実施例3
スルホラン相およびアルコール相でのPdの分配係数を改善する上で添加物の効果を調べるために、実験を行った。そこで、バッチ式オートクレーブ実験を、参考例AおよびCに記載の方法に従って、300mLのバッチ式オートクレーブにて行った。C〜CもしくはC11〜C12内部直鎖オレフィン(それぞれ、IもしくはII)、水およびn−トリデカン(GC内部標準として)をオートクレーブに充填した。C〜Cオレフィンの場合にはヨウ化ナトリウムを用い、C11〜C12オレフィンの場合には塩化ナトリウムを用いて、触媒を調製した(無水スルホラン中、Pd濃度約400ppmwおよびモル触媒比Pd/BCPE/TFSA/ハライド1:1.4:2.0:0.4を得た)。次に、生成物アルコールも加えた(約40重量%)。反応は105℃、50バールで行った。105℃で2時間経過させて変換を完全に行った後に、反応槽の内容物を冷却して室温とした。次に、生成物を各種量のn−ヘプタン(0〜50重量%)と混合し、所定の温度で平衡に達せしめた。その後、両層についてサンプリングを行い、AASを用いてPd濃度を分析した。結果は下記の表の通りである。
Figure 2010065061
n−ヘプタンの添加はPd回収に有効であることが明らかである。
実施例4
有効かつ迅速な相分離を行うため、最初にバッチ遠心機を使用した。次に、連続型遠心機(Alfa-Laval LAB 102B-05)を用いて試験を行った。その遠心機には、2つの排出口を有する液−液分離に必要な種類のボウルである、いわゆる清浄器ボウルを取り付けた。実験は、流量125〜850mL/分とし、35〜50℃の温度で、回転速度1500rpmで、「ドバノール」23(商品名)およびPd触媒含有スルホラン(スルホラン13.3重量%、残量はアルコール)の十分混和された供給液を用いて行った。いずれの場合も、曇り(残留スルホラン液滴)がなく、アルコール相に(Pd触媒に関係する)黄色着色がないことからわかるように、分離は迅速かつ完全であった。
1 一酸化炭素・水素ガス(合成ガス)
2 エチレン性不飽和化合物
3 触媒成分
4 溶媒
5 水
6 粗アルコール
7 ライトエンド
8 ヘビーエンド
9 最終品アルコール
10 水素ガス
11 1以上の気/液反応槽
12 1以上の気/液分離器
13 遠心器、コアレッサまたは沈降機
14 溶媒抽出カラム(触媒除去)
15 水抽出カラム(溶媒除去)
16 水/溶媒蒸留カラム
17 中間溶媒貯蔵槽
18 触媒調製
19 トッピング蒸留カラム(ライトエンド)
20 テーリング蒸留カラム(ヘビーエンド)
21 水素化仕上げ

Claims (11)

  1. (a)非プロトン性極性溶媒およびパラジウムに基づく均一触媒ならびに非イオン帯電リン配位子の存在下に、反応ゾーンで、一酸化炭素・水素ガスと1以上のエチレン性不飽和化合物を接触させて、粗ヒドロホルミル化生成物を形成させる段階;
    (b)大部分の触媒が溶解している溶媒の大部分を分離させ、相分離ゾーンで粗ヒドロホルミル化生成物から回収する段階;ならびに
    (c)抽出ゾーンで、非水系抽出剤を用いて、実質的に全ての溶解残留触媒を、段階(b)から得られた分離ヒドロホルミル化生成物から除去する段階
    を有し、
    段階(b)から得られた分離された触媒を含む溶媒を段階(a)の反応ゾーンに送ること、ならびに段階(c)で使用される非水系抽出剤が、段階(a)で使用される溶媒と同一物質であることを特徴とするヒドロホルミル化方法。
  2. 段階(c)から得られた触媒を含む抽出剤を、段階(a)の反応ゾーンおよび/または段階(b)の分離ゾーンに送る請求項1に記載のヒドロホルミル化方法。
  3. 段階(c)で使用される抽出剤の量が、ヒドロホルミル化生成物に溶解している溶媒の量の0.9〜1.1倍である請求項1または2に記載のヒドロホルミル化方法。
  4. (d)段階(c)から得られた抽出ヒドロホルミル化生成物から、洗浄ゾーンにて、洗浄媒体を用いて、実質的に全ての溶解している残留溶媒および/または残留抽出剤を除去し、洗浄ゾーンから得られる洗浄媒体から溶媒および/または抽出剤を分離し、適宜にそれぞれを再使用する段階
    をさらに有する請求項1〜3のいずれかに記載のヒドロホルミル化方法。
  5. 洗浄媒体が水である請求項4に記載のヒドロホルミル化方法。
  6. 段階(c)の抽出を、回転板接触反応器または充填床カラムを装着したカラム中で行う請求項1〜5のいずれかに記載のヒドロホルミル化方法。
  7. 段階(b)で、前記粗ヒドロホルミル化生成物を冷却して、0〜80℃の範囲の温度とする請求項1〜6のいずれかに記載のヒドロホルミル化方法。
  8. 段階(b)の相分離を、遠心機、濾床コアレッサまたは静電コアレッサを用いて促進する請求項1〜7のいずれかに記載のヒドロホルミル化方法。
  9. 液体飽和炭化水素を、段階(b)の相分離ゾーンに送り込む請求項1〜8のいずれかに記載のヒドロホルミル化方法。
  10. 段階(b)から得られるヒドロホルミル化生成物の一部を反応ゾーンに循環させる請求項1〜9のいずれかに記載のヒドロホルミル化方法。
  11. 前記溶媒がスルホン、2以上のシアノ基を有する化合物あるいはスルホンおよび/または2以上のシアノ基を有する化合物とプロトン性溶媒を含む混合物であり;前記エチレン性不飽和化合物が、1分子当たり4〜24個の炭素原子を有するオレフィンまたはオレフィン混合物であり;一酸化炭素・水素ガスを5:1〜1:5の比率で供給し;ヒドロホルミル化工程を、50〜200℃の範囲の温度および絶対圧1〜300バールの範囲の圧力にて行う請求項1〜10のいずれかに記載のヒドロホルミル化方法。
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