JPH08337550A - アルデヒド類の製造方法 - Google Patents
アルデヒド類の製造方法Info
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- JPH08337550A JPH08337550A JP8081401A JP8140196A JPH08337550A JP H08337550 A JPH08337550 A JP H08337550A JP 8081401 A JP8081401 A JP 8081401A JP 8140196 A JP8140196 A JP 8140196A JP H08337550 A JPH08337550 A JP H08337550A
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Abstract
錯体触媒の損失をできるだけ少なくして、高沸点副生物
の一部を除去することのできる方法を提供する。 【解決手段】 第8族金属−ホスファイト系錯体触媒の
存在下、液相で、オレフィン系不飽和化合物を一酸化炭
素及び水素とヒドロホルミル化反応させてアルデヒド類
を製造する方法において、反応により得られる錯体触媒
及び高沸点副生物を含む反応生成液を、極性溶媒を含む
抽出溶液と緊密に接触させて、錯体触媒及び高沸点副生
物のいずれか一方を選択的に抽出させ、抽出溶液層を反
応生成液層から相分離する。
Description
ファイト系錯体触媒の存在下に、オレフィン系不飽和化
合物をヒドロホルミル化反応させてアルデヒド類を製造
する方法に関する。
ィン系不飽和化合物を一酸化炭素及び水素と反応させる
ことによりアルデヒド類を製造するプロセスは広範に工
業化されている。このヒドロホルミル化反応における触
媒としては、ロジウム等の第8族金属を3価のリンの化
合物のような配位子で修飾した錯体触媒が用いられてお
り、ヒドロホルミル化反応の活性や選択性を向上させる
ために、種々の配位子についての検討がなされている。
トリアリールホスフィンやトリアリールホスファイト等
の3価リン化合物配位子で修飾されたロジウム触媒が有
効であることが開示されている。中でも、ホスファイト
配位子で修飾された触媒は、ヒドロホルミル化反応にお
いて高い活性と優れた選択性を示すことが知られてい
る。
に開示されているように、トリフェニルホスファイト等
のホスファイト配位子では、ヒドロホルミル化反応系中
で配位子が比較的速やかに分解し、それに伴い触媒活性
が低下することが知られており、ホスファイト配位子を
連続的に補給することが必要である。したがって、単に
触媒の活性及び選択性を改良するためだけでなく、ホス
ファイト配位子の減損による触媒活性の低下を小さくす
るために、各種のホスファイト配位子が提案されてい
る。
開平4−290551号には、ホスファイト配位子の分
解を抑制するために、ホスファイト自体の安定性を改良
することが開示されている。また、特開昭60−156
636号には、ヒドロホルミル化反応帯域に3級アミン
を存在させてホスファイト配位子の安定化を図る方法が
開示されている。
−49190号には吸着法が、特開昭57−12294
8号には晶析法が、特開平2−231435号には膜分
離法が開示されており、特開昭56−2994号には、
ロジウム−ホスフィン系錯体触媒を使用するヒドロホル
ミル化反応により得られる触媒液をパラフィンもしくは
シクロパラフィンおよび極性有機溶媒と接触させて二相
分離し、極性有機溶媒相にロジウム錯体の大部分を得る
方法が開示されている。しかし、工業的には蒸留による
分離が用いられることが多い。
ミル化反応の反応媒体としては、芳香族炭化水素等の不
活性溶媒が用いられるほか、アルデヒド生成物の縮合反
応により生成する高沸点副生物が用いられることが多
い。いずれの媒体を使用した場合にもこの高沸点副生物
は経時的に生成し、抜き出しを行わなければ次第に蓄積
する。この高沸点副生物の蓄積はそのマスバランス的な
問題の他に、場合によっては触媒の被毒物質となりうる
ために、連続的又は間欠的に高沸点副生物の一部を系外
に抜き出す必要がある。
する場合には、第8族金属が高価であるために、触媒を
連続的に再循環することが必須である。従って、上記の
ような高沸点副生物の一部をパージする際には、第8族
金属錯体触媒の損失を可能な限り少なくするように、選
択的に高沸点副生物を抜き出す必要がある。この高沸点
副生物を抜き出すための分離方法として、従来のホスフ
ィン系プロセスにおいては通常蒸留が用いられてきた。
いられるベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族
炭化水素溶媒を使用した場合、触媒液の沸点は非常に高
くなる。そのため、蒸留により高沸点副生物と触媒成分
の分離を行う場合、蒸留塔の釜の温度を低下させるため
の一つの手段として水蒸気蒸留が用いられることもあ
る。これらの蒸留塔の釜の温度は120℃から場合によ
っては170℃以上になることがある。
触媒の配位子としてトリフェニルホスフィンに代表され
るような有機ホスフィン化合物を使用する場合、上記の
ような高い温度条件下であっても通常何ら支障をきたさ
ない。ところがホスフィン系配位子に比べ反応において
は高活性、高選択性であるホスファイト系配位子を使用
しようとする場合、ホスファイトは熱安定性の面でホス
フィンよりもはるかに劣るため、上記のような高温での
蒸留による高沸点副生物の分離方法ではホスファイトの
急速な分解がおこり、実質的にホスファイトを工業的に
使用することは不可能であった。また、温度を下げるた
めに水蒸気蒸留を使用する場合においては、ホスファイ
トの加水分解性の高さのために更に激しい分解が引き起
こされる。
するため、プロセス中の水分はホスファイトの分解を促
進するものであることから、できるだけ水分を少なくす
る方法が考えられていた。もっとも、少量の水であれば
存在させるほうがむしろ好ましいことが、特開平6−1
99728号に開示されている。しかし、それでも多す
ぎる水分、例えば抽出分離操作の際、有機相と水相の2
相に分離するほどの量の水分を添加することは、同出願
においても好ましくないことが述べられている。つま
り、従来の知見では、ホスファイト系プロセスにおいて
水系の抽出操作により、錯体触媒又は高沸点副生物を分
離することは困難であった。
能のホスファイト系配位子を工業的に利用する場合に
は、ホスファイト配位子の分解を抑制し、且つ、錯体触
媒の損失をできるだけ少なくして、高沸点副生物の一部
を抜き出す方法の確立が一つの重要な課題であった。
につき鋭意検討を重ねた結果、第8族金属−ホスファイ
ト系錯体触媒を用いたヒドロホルミル化反応生成液を極
性溶媒を含む抽出溶液と緊密に接触させることで、ホス
ファイト配位子を分解させることなしに、選択的に錯体
触媒又は高沸点副性物を分離することが可能であること
を見出して、本発明を完成した。
ファイト系錯体触媒の存在下、液相で、オレフィン系不
飽和化合物を一酸化炭素及び水素とヒドロホルミル化反
応させてアルデヒド類を製造する方法において、反応に
より得られる錯体触媒及び高沸点副生物を含む反応生成
液を、極性溶媒を含む抽出溶液と緊密に接触させて、錯
体触媒及び高沸点副生物のいずれか一方を選択的に抽出
させ、抽出溶液層を反応生成液層から相分離することを
特徴とするアルデヒド類の製造方法、に存する。
本発明におけるヒドロホルミル化反応により得られる反
応生成液は、少なくとも(i)高沸点副生物、(ii)
第8族金属及びホスファイト化合物を含む錯体触媒、及
び(iii)反応媒体を含むものであり、本発明は、こ
の反応生成液を極性溶媒を含む抽出溶液と緊密に接触さ
せることで、錯体触媒及び高沸点副生物のいずれか一方
を選択的に抽出溶液側に移行させ、その後、反応生成液
層と抽出溶液層とを二相分離する方法である。
物のいずれか一方を選択的に抽出させる方法としては、
以下の(I)(II)の方法が挙げられる。 (I)まず、抽出溶液の種類を選ぶことにより、高沸点
副生物を選択的に抽出し、触媒成分、例えば触媒活性の
ある第8族金属−ホスファイト系錯体や過剰のホスファ
イト化合物の抽出率ができるだけ少なくなるよう操作す
る方法がある。こうして、触媒成分を含有する反応生成
液層をヒドロホルミル化反応器へ再循環させることがで
きるので、ヒドロホルミル化製造系から触媒を著しく損
失することがない。
により、錯体触媒を選択的に抽出するよう操作する方法
がある。錯体触媒が含まれる抽出溶液層から逆抽出等の
方法により触媒成分を非極性層に移した後、ヒドロホル
ミル化反応器へ戻すことができる。高沸点副生物を含む
反応生成液層は、通常の蒸留等の方法により反応溶媒を
回収した後、再使用される。
アルデヒド生成物を蒸留等の方法で分離した後に抽出操
作に用いられるが、反応生成液を直接抽出操作に用いて
もよい。また、反応生成液の全量について抽出操作を行
う必要は必ずしもなく、場合によってはその一部を抜き
出して抽出操作を行ってもよい。
と二相分離できる種々の極性溶媒を含有し得る。また、
極性溶媒自体はヒドロホルミル化反応生成液と二相分離
しなくても、例えば水と混合することにより二相分離す
るようなもの、即ち抽出溶液が複数成分から成るもので
もよい。これらの極性溶媒としては、水、アセトン、メ
チルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、
ジエチルケトン等のケトン類、プロパノール、ブタノー
ル等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジプロピルエ
ーテル、ジオキサン、ジグライム、トリグライム等のエ
ーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニト
リル類、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミ
ド、アセトアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル
ピロリドン等のアミド類、エチレングリコール、プロパ
ンジオール、ブタンジオール等のジオール類、低級カル
ボン酸、更にはジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、2−メトキシエタノール等の2種以上の官能基を持
つ化合物等が挙げられる。これらの溶媒の中でも、錯体
触媒を抽出せず、高沸点副生物のみを選択的に抽出する
ものが好ましく、そのような溶媒としては、例えば炭素
原子を3個まで有するアルカノール類、特に第1アルカ
ノール類であるメタノール又はエタノールを使用すると
特に良好な結果が得られ、また、ギ酸、酢酸等のカルボ
ン酸類、エチレングリコール、ブタンジオール等のジオ
ール類、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
等のアミド類を用いても同様に良好な結果が得られる。
のみを選択的に抽出する溶媒もまた好ましい。例えば、
トリエチルアミン、トリオクチルアミン等のアルキルア
ミン、メタノールアミン、エタノールアミン等のアルカ
ノールアミン、ピリジン等の環式アミン類等が挙げら
れ、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン類、ジオキサン等のエーテル類
等も好ましく用いられる。
生成液と二相分離するものであれば、抽出溶液中に必ず
しも水の存在は必要ではない。しかし、多くの場合、水
の存在は二相分離の効果だけでなく、抽出効率にも効果
的に作用する。抽出溶液を構成している極性溶媒と水の
相対量は、回収すべき高沸点副生物又は錯体触媒の種類
及び使用した反応溶媒等に依存して実質的に変化し得る
が、通常極性溶媒と水との体積比率で20:1〜1:2
0であり、好ましくは5:1〜1:1の範囲内を用いる
のがよい。
の間の、錯体触媒又は高沸点副生物の分配は平衡過程で
あり、抽出操作の際の抽出溶液と反応生成液との相対体
積は、使用される溶液中での錯体触媒又は高沸点副生物
の溶解度、抽出溶液中の極性溶媒含有量、及び分離すべ
き錯体触媒又は高沸点副生物の量によって決まる。例え
ば、高沸点副生物を抽出する場合、分離すべき高沸点副
生物が抽出溶液中で高い溶解度を示し、且つ反応生成液
中に比較的低濃度で存在する場合には、反応生成液に対
して小さい体積比率の抽出溶液を使用して、高沸点副生
物を実用的に抽出することが可能である。また、高沸点
副生物の濃度が高いほど、反応生成液から高沸点副生物
を実用的に抽出するために使用しなげればならない抽出
溶液の反応生成液に対する比率は通常高くなる。高沸点
副生物が抽出溶液中で比較的低い溶解度を示す場合に
は、上記した抽出溶液の相対体積が増加する。通常、抽
出溶液と反応生成液との体積比率は10:1〜1:10
の範囲で変動し得るが、反応生成液と抽出溶液の比率を
慎重に選定することによって、上記体積比率のうち1:
1〜1:4の範囲内がほとんどの高沸点副生物の分離に
採用することができる。錯体触媒を抽出する場合におい
ても全く同様である。
化反応温度(例えば70〜125℃)よりも高い温度を
用いることによって実現される利点は何もなく、ヒドロ
ホルミル化反応温度よりも低い抽出温度を用いることに
より、優れた結果が得られる。この操作は、抽出効率、
平衡到達温度及びエネルギー問題の観点から10〜60
℃、更には10〜45℃の温度範囲で行うことが、実用
的で好ましい。しかしながら、抽出時に何らかの反応を
伴う場合はこの限りではない。例えば、高沸点副生物を
抽出する際に高沸点副生物を抽出溶液層に抽出されやす
い形態に反応によって変化させる場合がある。この場
合、それぞれの反応における最適な温度が存在する。
を接触させておく時間、即ち二相分離前の時間は、相が
平衡状態に到達する速度に依存する。実際には、これは
1分以内から3時間を超える長い時間まで変動しうる。
本発明における抽出プロセスは、二つの別々の液体相に
溶解している特定化合物の平衡過程である。本抽出プロ
セスの効率は、化合物Xの分配係数Kpによって測定す
ることができ、これは以下のように定義される。
(抽出後の反応生成液中のXの濃度)
ホルミル化反応生成液と抽出溶液との間で高沸点副生物
を分配させる場合、錯体触媒のKp値は通常抽出プロセ
スの経済性により左右されるが、0.2以下、好ましく
は0.06以下、更に好ましくは0.03以下に抑制す
ることができる。この場合、高沸点副生物のKp値はで
きるだけ高いことが好ましく、Kp値が高いと抽出効率
が高くなり、抽出溶液の必要量が少なくなる。錯体触媒
を分配させる場合も同様である。また、反応溶媒のKp
値が低い値であることが、溶媒のロスを減少できるとい
う点で望ましい。
第8族金属源とホスファイト化合物とを直接ヒドロホル
ミル化反応器に供給して、ヒドロホルミル化反応系内で
形成させてもよいが、反応器外で一酸化炭素、水素及び
ホスファイト化合物と共に、溶媒中で高い温度・圧力の
条件下で反応させて、あらかじめ錯体触媒を調製してお
くこともできる。触媒調製の際に使用する溶媒は、通常
後述する反応溶媒の中から選ばれるが、必ずしも反応溶
媒と同一の溶媒でなくてもよい。調製条件は通常、圧力
が常圧〜100kg/cm2G、温度が常温〜150℃
で行われる。
Ru3 (CO)12、Ru(NO3 ) 3 、RuCl2 (P
h3 P)4 、Ru(acac)3 等のルテニウム化合
物、PdCl2 、Pd(OAc)2 、Pd(acac)
2 、PdCl2 (COD)、PdCl2 (Ph3 P)2
等のパラジウム化合物、Os3 (CO)12、OsCl3
等のオスミウム化合物、Ir4 (CO)12、IrSO4
等のイリジウム化合物、K2 PtCl4 、PtCl
2 (PhCN)2 、Na2 PtCl6 ・6H2 O等の白
金化合物、CoCl2 、Co(NO3 )2 、Co(OA
c)2 、Co2 (CO)8 等のコバルト化合物、アルミ
ナ、シリカ、活性炭等の担体に担持されたRh金属、R
hCl3 、Rh(NO3 )3 等の無機塩、Rh(OA
c)3 、Rh(OCOH)3 等の有機塩、Rh2 O3 等
のロジウム酸化物、Rh(acac)(CO)2 等のR
hのキレート化合物、塩化ロジウム酸ナトリウム、塩化
ロジウム酸カリウムのようなロジウムの無機または有機
塩基酸塩、〔Rh(OAc)(COD)〕2 、Rh
4 (CO)12、Rh6 (CO)16、μ,μ′−Rh2C
l2 (CO)4 、RhH(CO)(Ph3 P)3 、〔R
h(OAc)(CO)2 〕2 、〔RhCl(COD)〕
2 、〔Rh(μ−S(t−Bu))(CO)2 〕2等の
Rhのカルボニル錯化合物等のロジウム化合物(ここで
acacはアセチルアセトネート基、Acはアセチル
基、CODはシクロオクタジエン、Phはフェニル基を
各々表わす)が挙げられ、中でもロジウム化合物を用い
るのが好ましい。
ァイト配位子及び遊離ホスファイト配位子としては、ト
リアリールホスファイト、トリアルキルホスファイト、
アリールアルキルホスファイト等の任意のホスファイト
化合物を使用することができる。また、これらの組合せ
を同一分子内にもつビスホスファイト、ポリホスファイ
ト化合物等も使用できる。
温でもアルデヒド化合物と容易に反応し配位子の減損が
生じる。従って、ホスファイト化合物の内、本発明の目
的のために好ましい化合物としては、分子構造中の立体
障害等によりアルデヒドや水等との反応が抑制され、安
定性を向上させたホスファイト化合物が挙げられる。
物は、例えば以下のような2つの化合物群に分類するこ
とができる。第1の化合物群は、リン原子を含む環状構
造を分子内に持たないホスファイト化合物であり、第2
の化合物群はリン原子を含む環状構造を分子内に持つホ
スファイト化合物である。
持たないホスファイト化合物の例としては、ホスファイ
ト化合物の少なくとも1つのアルコール成分が、芳香環
に直接結合する水酸基を有し、該水酸基の結合する炭素
原子の隣接炭素原子に炭化水素置換基を有する芳香族ア
ルコールであるものを用いるのが好ましい。例えば次の
一般式(1)で表わされるのホスファイト化合物が挙げ
られる。
わし、その少なくとも1つは、下記一般式(2)
(R11)で表わされる基又は置換基を有していてもよい
アリール基を表し、R9,R10及びR11は互いに異なっ
ていてもよく、それぞれ水素原子、炭化水素基又はフッ
素化炭化水素基を表し、R5,R6,R7及びR8は互いに
異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は有機基を表
す。)で表される置換フェニル基を表す。]
してイソプロピル基以上の嵩高さを持つものがよい。こ
れらの化合物の具体例としては、ジフェニル(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニル
(2−イソプロピルフェニル)ホスファイト、ビス(2
−t−ブチル−4−メチルフェニル)フェニルホスファ
イト等が挙げられる。
及びR3のすべてが一般式(2)表される置換フェニル
基である化合物が更に好ましい。これらの化合物の具体
例としては、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−
4−メトキシフェニル)ホスファイト、トリス(o−フ
ェニルフェニル)ホスファイト、トリス(o−メチルフ
ェニル)ホスファイト等が挙げられる。
持たないホスファイト化合物の好ましい別の例として
は、次の一般式(1’)のホスファイト化合物等が挙げ
られる。
わし、その少なくとも1つは、下記一般式(3)
(R11)で表わされる基又は置換基を有していてもよい
アリール基を表し、R9,R10及びR11は互いに異なっ
ていてもよく、それぞれ水素原子、炭化水素基又はフッ
素化炭化水素基を表し、R12,R 13,R14,R15及びR
16は互いに異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は
有機基を表す。)で表される置換−2−ナフチル基を表
す。]
としてイソプロピル基以上の嵩高さをもつものがよい。
これらの化合物の具体例としては、ジフェニル(3,6
−ジ−t−ブチル−2−ナフチル)ホスファイト等が挙
げられる。このうち、一般式(1’)においてR1,R2
及びR3が互いに異なっていてもよく、それぞれ置換さ
れていてもよい2−ナフチル基であり、且つ、R1,R2
及びR3のうち少なくとも1つの2−ナフチル基の置換
基R4が上記一般式(3)で定義したものである化合物
がより好ましい。
(2−ナフチル)(3,6−ジ−t−ブチル−2−ナフ
チル)ホスファイト等が挙げられる。このうち、一般式
(1’)において、R1,R2及びR3の少なくとも1つ
が一般式(3)で表される置換−2−ナフチル基であっ
て、他の基が一般式(2)で表される置換フェニル基で
あるものが更に好ましい。
(3,6−ジ−t−ブチル−2−ナフチル)(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(3,6
−ジ−t−ブチル−2−ナフチル)(2−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト等が挙げられる。
R2及びR3のすべてが一般式(3)で表される置換−2
−ナフチル基である化合物が最も好ましい。これらの化
合物の具体例としては、トリス(3,6−ジ−t−ブチ
ル−2−ナフチル)ホスファイト、トリス(3,6−ジ
−t−アミル−2−ナフチル)ホスファイト等が挙げら
れる。
般式(1’)においてR1及びR2が、それぞれ少なくと
もその3位、6位および8位が互いに異なっていてもよ
い炭化水素基で置換されており、且つ、他に置換基を有
していてもよい2−ナフチル基であり、R3がアルキル
基、シクロアルキル基またはm位および/またはp位に
のみ置換基を有していてもよいフェニル基であるホスフ
ァイト化合物がある。
(3,6,8−トリ−t−ブチル−2−ナフチル)フェ
ニルホスファイト、ビス(3,6,8−トリ−t−ブチ
ル−2−ナフチル)(p−トリル)ホスファイト等が挙
げられる。また、本発明で使用しうるホスファイト化合
物のうち、リン原子を含む環状構造を分子内に持たない
ホスファイト化合物の中で、好ましい化合物の別の例と
しては、次の一般式(4)で示されるビスホスファイト
化合物及びポリホスファイト化合物等が挙げられる。
てもよい芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基
の少なくとも1つは、酸素原子に結合する炭素原子の隣
接炭素原子に炭化水素基を有し、A1は、それぞれ置換
基を有していてもよい脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素
又は芳香族炭化水素の部分構造を含有するn価の有機基
を表す。また、各[−O−P(OR17)(OR18)]基
は互いに異なっていてもよく、nは2〜4の整数を表
す。)
又はR18の少なくとも1つが、前記一般式(2)で表さ
れる置換フェニル基、又は前記一般式(3)で表される
置換−2−ナフチル基であるホスファイト化合物を用い
るのがよい。
びR18のいずれもが前記一般式(2)で表される置換フ
ェニル基であるホスファイト化合物を用いるのが更に好
ましい。これらの化合物の具体例としては、以下の式に
示すような化合物が挙げられる。
うち、もう一方の化合物群であるリン原子を含む環状構
造を分子内に持つホスファイト化合物としては、次の一
般式(5)で表されるホスファイト化合物が挙げられ
る。
の一価炭化水素基を表す。)
機基としては、二価の脂肪族基又は二価の芳香族基等が
挙げられる。二価の脂肪族基としては、アルキレン、ア
ルキレンオキシアルキレン、アルキレン−NX−アルキ
レン(Xは水素又は一価炭化水素基)、アルキレン−S
−アルキレン、シクロアルキレン基等が挙げられる。二
価の芳香族基としては、アリーレン、アリーレンアルキ
レン、アリーレンアルキレンアリーレン、アリーレンオ
キシアリーレン、アリーレンオキシアルキレン、アリー
レン−NX−アリーレン、アリーレン−NX−アルキレ
ン(Xは水素又は一価炭化水素基)、アリーレン−S−
アルキレン及びアリーレン−S−アリーレン基等が挙げ
られる。
い化合物の例としては、次式(6)に示されるような、
式(5)における二価の有機基Zと一価の炭化水素基W
とが結合したような、3価の有機基Z’を含む二環性又
は多環性のホスファイト化合物等が挙げられる。
チル−2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ
[2.2.2]オクタン、4−エチル−2,6,7−ト
リオキサ−1−ホスファビシクロ[2.2.2]オクタ
ン、4−エトキシメチル−2,6,7−トリオキサ−1
−ホスファビシクロ[2.2.2]オクタン、4−アセ
トキシメチル−2,6,7−トリオキサ−1−ホスファ
ビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
例としては、一般式(5)で表される化合物のうち次の
一般式(7)で表されるホスファイト化合物等が挙げら
れる。
アルキル基を表し、置換基を有していてもよく、相互に
異なっていてもよい。nは0〜4の整数を表す。)
エチル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、ナフチ
ル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、トリ
フルオロメチル基等が挙げられる。
けるWが一般式(2)又は(3)で表されるような、酸
素原子に結合する炭素原子の隣接炭素原子に炭化水素基
を有するアリール基であるホスファイト化合物を用いる
のがよい。また、好ましいホスファイト化合物の別の例
としては、次の一般式(8)で表されるホスファイト化
合物等が挙げられる。
Rは炭化水素基であり、Rはベンゼン環と縮合して縮合
芳香環を形成していてもよい。)
基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシ
ルオキシ基及び置換基を有していてもよいアリール基
等、またRがベンゼン環と縮合したナフタレン環等の縮
合芳香環等が挙げられる。
けるWが一般式(2)又は(3)で表されるような、酸
素原子に結合する炭素原子の隣接炭素原子に炭化水素基
を有するアリール基であるホスファイト化合物を用いる
のがよい。また、好ましいホスファイト化合物の別の例
としては、一般式(5)で表される化合物のうち次の一
般式(9)で表されるホスファイト化合物等が挙げられ
る。
置換又は未置換のアリーレン基であり、yは0又は1を
表し、QはCR19R20、O、S、NR21、SiR22R23
及びCO(ここでR19及びR20は水素、炭素数1〜12
のアルキル基、フェニル基、トリル基又はアニシル基で
あり、R21、R22及びR23は水素又はメチル基であ
る。)よりなる群から選ばれる二価の基であり、nは0
又は1を表す。]
は、一般式(5)で表される化合物のうち、次の一般式
(10)又は(11)で表されるホスファイト化合物等
が挙げられる
あり、R24及びR25は水素又はアルキル基を表し、Wは
置換又は未置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換基
を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリー
ル基を表し、Z1、Z2、Y1及びY2は、、炭素数1〜8
のアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、脂
環式基、ヒドロキシ基及びヒドロカルビルオキシ基より
なる群から選ばれる基を表す。) これらの化合物の具体例としては、以下に示すような化
合物等が挙げられる。
うち、リン原子を含む環状構造を分子内に持つホスファ
イト化合物の別の例としては、次の一般式(12)に示
すようなビスホスファイト化合物又はポリホスファイト
化合物等が挙げられる。
価の有機基を表し、Wは置換又は未置換のm価の炭化水
素基を表す。mは2〜6を表す。)
は、次の一般式(13)で示されるような、一般式(1
2)におけるZが、前記一般式(7)、(8)又は
(9)で定義したZである化合物、又は各Zが前記式の
組合せで表されるホスファイト化合物等が挙げられる。
及び(9)で定義したものと同じものを表し、各Zは互
いに異なっていてもよい。Wは置換又は未置換のm価の
炭化水素基を表し、各R基は個々に、アルキル、アリー
ル、アルカリール、アラルキル及び脂環式基等の置換又
は未置換の一価炭化水素基よりなる群から選ばれる基を
表す。m1、m2及びm3はそれぞれ0〜6であり、m1+
m2+m3は2〜6でmはm1+m2+m3に等しい。)
しては、一般式(12)におけるZが、前記一般式
(9)と同様に定義されたホスファイト化合物が挙げら
れる。また、更に好ましいホスファイト化合物として
は、一般式(12)におけるZが、前記一般式(10)
及び/又は(11)と同様に定義されたホスファイト化
合物が挙げられる。これらの化合物の具体例としては、
以下に示すような化合物等が挙げられる。
うち、リン原子を含む環状構造を分子内に持つポリホス
ファイトとしては、次の一般式(14)のホスファイト
化合物等が挙げられる。
水素基を表し、Zは一般式(5)におけと同様に二価の
有機基を表し、各Zは互いに異なっていてもよい。ま
た、各Rは置換又は未置換の一価の炭化水素基であり、
m1及びm2はそれぞれ1〜6の値を有し、m1+m2は2
〜6であり、mはm1+m2に等しい。)
は、一般式(14)におけるZが、前記一般式(7)、
(8)、(9)で定義したZである化合物、又は各Zが
前記式の組合せで表されるホスファイト化合物等が挙げ
られる。
物としては、次の一般式(15)及び(16)で示され
るような、一般式(14)におけるZが前記式(10)
又は(11)で定義したZである化合物、又は、各Zが
前記式の組合せで表されるホスファイト化合物が挙げら
れる。
アリーレン−(CH2)2−(Q)n(CH2)2−アリー
レン−(各アリーレン基は置換基を有していてもよ
い。)よりなる群から選ばれる置換又は未置換の二価の
炭化水素基であり、QはCR26R27、O、S、NR28、
SiR29R30及びCO(ここでR26及びR27は水素又は
アルキル基を表し、R28、R29及びR30は水素又はメチ
ル基である。)よりなる群から選ばれる二価の基であ
り、nは0又は1を表し、Rは、アルキル基、アリール
基、アルカリール基、アラルキル基、脂環式基等の置換
又は未置換の炭化水素基を表す。また、Y1、Y2、Z1
及びZ2は式(10)におけると同様である。] これらの化合物の具体例としては、以下に示す化合物等
が挙げられる。
しては、同一分子内に部分構造としてホスファイト構造
と、例えばホスフィン構造のような配位能力のある部分
構造を合わせ持つような化合物を用いてもよい。
31R32、−OPR31R32、−P(O)(OR31)、−N
R31R32、−NR31C(O)R32、−SR31のような不
対電子対を持つものがあり、ここで、R31及びR32はそ
れぞれ異なっていてもよく、水素又は一価の炭化水素基
を表し、R31とR32が結合して環状構造になっていても
よい。
前記式(1)におけるR1、R2又はR3、前記式(4)
におけるA1、前記式(5)、(12)又は(14)に
おけるWで示される置換基として、上記配位能力のある
部分構造を合わせ持つホスファイト化合物等が挙げられ
る。これらの化合物の具体例としては、以下の式に示す
ような化合物等が挙げられる。
セス中に存在する遊離ホスファイト配位子はどんな過剰
量存在していてもよく、例えば反応媒体中に存在する第
8族金属1モル当たり少なくとも1モルであり、100
モルまで或いはそれより多くすることができる。一般
に、反応媒体中に存在する第8族金属に結合(錯形成)
したホスファイトの量と遊離(非錯形成)のホスファイ
トの量との和は、第8族金属1モル当たり約4〜約50
0モルあれば大部分の用途に適する。また、反応媒体中
に所定量の遊離配位子を維持するために、任意の態様で
反応媒体中に補給用ホスファイト配位子を供給してもよ
い。また、第8族金属−ホスファイト系錯体触媒のホス
ファイト配位子と遊離ホスファイト配位子とは通常同じ
種類の配位子を用いるが、必要によりそれぞれ別のホス
ファイト配位子を使用してもよく、また、2種以上の異
なるホスファイト配位子の混合物を使用することもでき
る。
媒体中に存在する第8族金属−ホスファイト系錯体触媒
の量は、使用すべき所定の第8族金属濃度をもたらすの
に必要な最低量あればよく、少なくとも触媒量の第8族
金属に関する基準を満たす量であればよい。第8族金属
としてロジウムを用いた場合、ヒドロホルミル化反応媒
体中のロジウム濃度は、一般に金属ロジウムとして計算
して、1ppm〜1000ppmの範囲で十分であり、
10〜500ppmを用いることが好ましく、25〜3
50ppmがより好ましい。
合物は、単品でも混合物としても用いることができ、直
鎖状、分岐鎖状又は環状構造でもよい。好適なオレフィ
ン系不飽和化合物は炭素数2〜20のオレフィンであ
り、2個以上のエチレン性不飽和基を含んでいてもよ
い。また、本発明で用いる抽出溶液に対して溶解度の低
いオレフィンを使用するのが好ましい。ヒドロホルミル
化反応に実質的に悪影響を与えないカルボニル基、カル
ボニルオキシ基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロキシ
基、オキシカルボニル基、ハロゲン原子、アルコキシ
基、アリール基、アルキル基、ハロアルキル基等を含有
していてもよい。
α−オレフィン、内部オレフィン、アルケン酸アルキ
ル、アルカン酸アルケニル、アルケニルアルキルエーテ
ル、アルケノール等が挙げられ、具体的には、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテ
ン、ノネン、デセン、ドデセン、オクタデセン、シクロ
ヘキセン、プロピレン二量体混合物、プロピレン三量体
混合物、プロピレン四量体混合物、ブテン二量体混合
物、ブテン三量体混合物、スチレン、3−フェニル−1
−プロペン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジ
エン、3−シクロヘキシル−1−ブテン等のオレフィン
系炭化水素、アリルアルコール、1−ヘキセン−4−オ
ール、1−オクテン−4−オール、酢酸ビニル、酢酸ア
リル、酢酸−3−ブテニル、プロピオン酸アリル、酢酸
アリル、メタクリル酸メチル、ビニルエチルエーテル、
ビニルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、n−プ
ロピル−7−オクテノエート、3−ブテンニトリル、5
−ヘキセンアミド等が挙げられる。このうち、オレフィ
ン系炭化水素が好ましく、中でもモノオレフィンが更に
好ましい。また、モノオレフィンの中でも、プロピレ
ン、ブテンが最も好ましい。
は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
その他の反応溶媒を用いることもでき、原料オレフィン
自体を用いてもよく、また2種以上の混合物を用いるこ
ともできる。アルデヒド生成物及び/又は反応系中で形
成される高沸点のアルデヒド縮合副生物を用いることも
好ましい。例えば、連続プロセスの開始時には任意の一
次溶媒を用いた場合でも、連続プロセスという性質上、
一次溶媒は通常順次に置換されて最終的にはアルデヒド
生成物と高沸点のアルデヒド縮合副生物とを主成分とす
るようになる。所望により、このアルデヒド縮合副生物
を予備形成させてもよい。
でなく、所定プロセスに望まれる特定の金属錯体触媒濃
度を維持し、且つ反応媒体としての役割を果たすのに十
分な量であればよい。一般に、溶媒量は、反応媒体の総
重量に対し約5重量%〜約95重量%が用いられる。ま
た本発明においては、抽出の際に二相分離を行わなけれ
ばならないという観点では、反応溶媒が、用いる抽出溶
媒の密度と少なくとも0.05g/mlの差がある密度
を有することが好ましく、水不溶性溶媒又は非極性溶媒
を用いるのが好ましい。特定のヒドロホルミル化反応溶
媒については、満足な相分離を実現するために、特別の
溶媒と水の比率からなる抽出溶液を使用する必要があ
る。
素、一酸化炭素及びオレフィン系不飽和化合物の総気体
圧力が500kg/cm2G未満でヒドロホルミル化プ
ロセスを作動させることが好ましく、200kg/cm
2G未満がより好ましい。最低限の総気体圧力は、反応
の初期速度を達成するのに必要な反応体量により限定さ
れる。更に、本発明のヒドロホルミル化反応における一
酸化炭素分圧は、好ましくは0.1〜100kg/cm
2、より好ましくは1〜7kg/cm2であり、また水素
分圧は好ましくは0.1〜100kg/cm2、より好ま
しくは1〜8kg/cm2である。一般に、水素と一酸
化炭素ガスのモル比(H2:CO)は1:10〜10
0:1であり、より好ましくは1:1〜10:1であ
る。
実施でき、反応温度50℃〜120℃の範囲内が多くの
オレフィン出発原料に対して好ましい。120℃を大幅
に上回る反応温度では、実質的な利益は観察されず、ま
た、特表昭61−501268号に開示されているよう
に、触媒活性の減退が見込まれるために一般に好ましく
ない。
常連続式の反応器に原料であるオレフィン系不飽和化合
物、オキソガス(一酸化炭素−水素混合ガス)及び触媒
液を連続的に供給し、上記ヒドロホルミル化反応条件下
にて実施される。
点副生物は、主としてヒドロホルミル化反応で生成する
アルデヒドの2次的副反応により生成するものである。
例えば、プロピレンのヒドロホルミル化反応において
は、直鎖状のn−ブチルアルデヒドと分岐鎖状のイソブ
チルアルデヒドとが生成するが、これらのアルデヒド生
成物は反応性に富み、それ自体、触媒の不存在下で、し
かも比較的低温においてもゆっくりと重合反応又は縮合
反応を起こし、高沸点の重縮合生成物を生成する。
n−ブチルアルデヒドについては、その自己重合物であ
る二量体及び三量体、縮合二量体である2−エチルヘキ
セナール、その水素化物である2−エチルヘキサナール
及び2−エチルヘキサノール、n−ブチルアルデヒドの
水素化物であるn−ブタノール、あるいはn−ブチルア
ルデヒドのジブチルアセタール等が挙げられる。また、
イソブチルアルデヒドからもn−ブチルアルデヒドと同
様な反応で自己縮合物である二量体、三量体が生成し、
さらにn−ブチルアルデヒドとイソブチルアルデヒドと
の交互重合生成物である二量体、三量体及びそれらの誘
導体も生成する。また、ヒドロホルミル化反応において
は、本発明で使用するホスファイト化合物よりも沸点の
高い高沸点副生物も副生する。
詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り
以下の実施例によって限定されるものではない。 実施例1〜19 [Rh(OAc)(COD)]2と下記式のホスファイ
ト化合物(A)をトルエンに溶解し、80℃、オキソガ
ス圧10kg/cm2Gで、1時間プレカルボニル化反
応を行った。このプレカルボニル化触媒液に、以下の実
験により得られた高沸点副生物と、反応系で生成すると
予想されるn−ブタノールを添加し、モデル触媒液を調
製した。
ロジウム濃度で300mg/L、トリフェニルホスフィ
ン25wt%の触媒液を用い、トルエンを溶媒として、
攪拌槽型反応器でプロピレンを100℃、17kg/c
m2Gでヒドロホルミル化反応させ、ブチルアルデヒド
を製造するプロセスにおいて得られた。反応生成液から
オキソガスと未反応プロピレンを分離した後、アルデヒ
ド生成物を連続蒸留により圧力490mmHg、蒸留釜
温度119℃で分離し、触媒液はヒドロホルミル化反応
工程にリサイクルされた。このプロセスにおいて32回
リサイクルを実施した触媒液より、連続蒸留により圧力
70mmHg、蒸留釜温度150℃で溶媒を取り除いた
後、更に圧力30mmHg、蒸留釜温度153℃で連続
的に水蒸気蒸留を行うことによって、主としてアルデヒ
ド2〜3量体からなる高沸点副生物が得られた。
りである。 Rh :50mg/L ホスファイト化合物(A):0.2wt% n−ブタノール :2.1wt% 高沸点副生物 :48.6wt% トルエン :49.3wt%
た。モデル触媒液に対する抽出溶液の体積比は1:1と
した。抽出温度は25℃で、触媒液と抽出溶液を混合し
た後の振盪時間は30分であった。その後、30分から
150分静置させたが、ほとんどの場合で60分以内に
二相に分離した。ヒドロホルミル化反応液層と抽出溶液
層中の錯体触媒と高沸点副生物をそれぞれ分析し、錯体
触媒のKp値(錯体)と高沸点副生物のKp値(高沸)
を求めた。結果を表−1に示した。
て高沸点副生物が選択的に抽出された例である。また、
実施例14〜18は錯体触媒が選択的に抽出された例で
あり、この場合には、抽出溶液層から触媒成分を逆抽出
して回収することができ、高沸点副生物を含むヒドロホ
ルミル化反応液からは、蒸留により大部分のトルエン溶
媒を回収することができた。また、以上の操作において
ホスファイトの分解は観察されなかった。
抽出溶液と触媒液との体積比率を表−2に示したように
したこと以外は、実施例1〜18と同様にして抽出実験
を行った。いずれの操作においてもホスファイトの分解
は観察されなかった。結果を表−2に示した。
ト化合物(B)をトルエンに溶解し、ロジウム濃度が1
00mg/L、P/Rh(モル比)が8となるようにし
た。この液に実施例1〜18で用いたものと同じ高沸点
副生物を添加し、モデル触媒液を調製した。
りである。 Rh :50mg/L ホスファイト化合物(B):0.4wt% n−ブタノール :1.8wt% 高沸点副生物 :48.8wt% トルエン :49.0wt%
と同様の抽出条件を用いて実験を行った。この操作にお
いてホスファィトの分解は観察されなかった。結果を表
−3に示した。
フィンを用いたこと以外は実施例21と同様にしてモデ
ル触媒液を調製した。
りである。 Rh :50mg/L トリフェニルホスフィン :4.0wt% n−ブタノール :1.7wt% 高沸点副生物 :48.7wt% トルエン :45.6wt% このモデル触媒液を用い、実施例1〜18と同様の抽出
条件を用いて実験を行った。結果を表−4に示した。
較すると、この系では錯体触媒と高沸点副生物とがほぼ
同じ割合で抽出されていることが分かる。
フィン系配位子よりも分解性の高いホスファイト系配位
子をヒドロホルミル化反応に使用する場合であっても、
配位子の分解を抑制し、且つ、触媒成分の損失をできる
だけ少なくして、高沸点副生物の一部を分離することが
できるため、工業的な利用価値が高い。
Claims (7)
- 【請求項1】 第8族金属−ホスファイト系錯体触媒の
存在下、液相で、オレフィン系不飽和化合物を一酸化炭
素及び水素とヒドロホルミル化反応させてアルデヒド類
を製造する方法において、反応により得られる錯体触媒
及び高沸点副生物を含む反応生成液を、極性溶媒を含む
抽出溶液と緊密に接触させて、錯体触媒及び高沸点副生
物のいずれか一方を選択的に抽出させ、抽出溶液層を反
応生成液層から相分離することを特徴とするアルデヒド
類の製造方法。 - 【請求項2】 反応生成液を抽出溶液と緊密に接触させ
て、高沸点副生物を選択的に抽出する請求項1に記載の
アルデヒド類の製造方法。 - 【請求項3】 抽出溶液がアルカノール類、カルボン酸
類、ジオール類又はアミド類を含むものである請求項1
又は2に記載のアルデヒド類の製造方法。 - 【請求項4】 反応生成液を抽出溶液と緊密に接触させ
て、錯体触媒を選択的に抽出する請求項1に記載のアル
デヒド類の製造方法。 - 【請求項5】 抽出溶液がアミン類、ニトリル類、ケト
ン類又はエーテル類を含むものである請求項1又は4に
記載のアルデヒド類の製造方法。 - 【請求項6】 抽出溶液が水を含むものである請求項1
〜5のいずれかに記載のアルデヒド類の製造方法。 - 【請求項7】 オレフィン系不飽和化合物がオレフィン
系炭化水素である請求項1〜6のいずれかに記載のアル
デヒド類の製造方法。
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