JP2006306815A - アルデヒドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非環状有機ホスファイト配位子の分解が低減され、かつ、選択性の良好な、特に高沸点副生物の生成が少ないアルデヒドの製造方法を提供すること。
【解決手段】 8〜10族金属および非環状有機ホスファイト化合物を含むヒドロホルミル化触媒の存在下、オレフィン性不飽和化合物を一酸化炭素および水素と反応させてアルデヒドを製造する方法において、リンに対する水のモル比が25〜120となるように反応領域に水を存在させることを特徴とするアルデヒドの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、非環状有機ホスファイト化合物を配位子として含有する8〜10族金属触媒の存在下、オレフィン性不飽和化合物を一酸化炭素および水素と反応させてアルデヒドを製造する方法に関する。
コバルト、ロジウムなどの周期表8〜10族金属及び有機ホスファイト配位子を触媒とするヒドロホルミル化反応は、オレフィン性不飽和化合物、水素及び一酸化炭素ガスからアルデヒドを製造する方法として知られている(特許文献1)。
有機ホスファイト配位子は、有機ホスフィン配位子に比べて高い活性と優れた選択性をもつが、価格が高く、かつ反応系で比較的速やかに分解するので触媒活性が低下しやすいという問題がある。そこで、反応系内の水を積極的に除去し、有機ホスファイト配位子の分解を抑制する方法が提案されている(特許文献2)。この方法によれば、配位子の分解は抑制されるが、工業的に有利に実施するためには更なる改良が求められている。
特開昭57−123134号公報 特開2001−342162号公報
従って、本発明は、有機ホスファイト配位子の分解が低減され、かつ、選択性の良好な、特に高沸点副生物の生成が少ないアルデヒドの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み本発明者等は鋭意検討を重ねた結果、有機ホスファイトとして非環状有機ホスファイトを用い、かつリンに対する水のモル比が25〜120となるように反応領域に水を存在させると、有機ホスファイト配位子の分解が低減され、また、高沸点副生物の生成が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、8〜10族金属および非環状有機ホスファイト化合物を含むヒドロホルミル化触媒の存在下、オレフィン性不飽和化合物を一酸化炭素および水素と反応させてアルデヒドを製造する方法において、リンに対する水のモル比が25〜120となるように反応領域に水を存在させることを特徴とするアルデヒドの製造方法に存する。
反応領域にリンに対し所定モル比となるように水を存在させることにより、ヒドロホルミル化反応触媒の損失を抑制し、目的とするアルデヒドを高効率で生産することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
8〜10族金属としては、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、白金等が挙げられ、中でもコバルト、ロジウム、特にロジウムが好ましく用いられる。
本発明において、8〜10族金属に対する配位子として用いる非環状有機ホスファイト化合物とは、リン原子と酸素原子を含む環状構造をもたない有機ホスファイト化合物を意味する。このものは単座又は多座配位子としての能力を有するものであればよく、具体的には、下記一般式(1)又は(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006306815
式中、R〜Rはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。好ましくはR〜Rは、アルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基、ナフチル基などのアリール基である。これらの炭化水素基に結合する置換基としては、炭化水素基がアルキル基の場合には、アリール基やシクロアルキル基、シクロアルキル基の場合にはアルキル基、アリール基の場合には、アルキル基やアリール基などの炭化水素基であることが好ましい。
一般式(1)で示される化合物としては、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、n−ブチルジエチルホスファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリ−n−プロピルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリ−n−オクチルホスファイト、トリ−n−ドデシルホスファイト等のトリ(シクロ)アルキルホスファイト;トリフェニルホスファイト、トリナフチルホスファイト、特開平6−122642号公報に記載のビス(3,6,8−トリ−t−ブチル−2−ナフチル)フェニルホスファイト、ビス(3,6,8−トリ−t−ブチル−2−ナフチル)4−ビフェニルホスファイト等のトリアリールホスファイト;ジメチルフェニルホスファイト、ジエチルフェニルホスファイト、エチルジフェニルホスファイト等のアルキルアリールホスファイト;などが挙げられる。これらの中で最も好ましいのは、環にアルキル基、通常は炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいトリフェニルホスファイトである。
Figure 2006306815
式(2)中、R及びRはそれぞれ独立して、フェニル基やナフチル基などのアリール基を表し、これらの基には置換基が存在していてもよい。
mは2〜4、好ましくは2の整数を表し、各−O−P(OR)(OR)は互いに異なっていてもよい。
Xとしては、フェニレン基、ナフチレン基などのアリーレン基、アリーレン基が2〜3個結合した基又はアリーレン基に2価の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基が結合した基であるのが好ましい。これらのアリーレン基や脂肪族炭化水素基には置換基が結合していてもよい。アリーレン基に結合する置換基としてはアルキル基やアリール基が、脂肪族炭化水素基に結合する置換基としてはアリール基やシクロアルキル基が挙げられる。
式(2)で表される化合物としては、下記のものが挙げられる。
Figure 2006306815
これらの非環状有機ホスファイト化合物は単独で使用しても、複数を併用してもよい。
非環状有機ホスファイト化合物の使用量は、特に制限されるものではないが、一般に、8〜10族金属に対する非環状有機ホスファイトのモル比が、通常0.1〜50、好ましくは1〜25となる量である。特にビスホスファイトを用いる場合には、8〜10族金属に対する非環状有機ホスファイトのモル比は、1〜10が好ましい。非環状有機ホスファイトは錯体触媒の安定性を増大させるので、過剰量、好ましくは8〜10族金属に対してリンとして4モル以上を反応媒体中に存在させるのが好ましい。
8〜10族金属および非環状有機ホスファイト化合物を含むヒドロホルミル化触媒は、8〜10族金属化合物と非環状有機ホスファイト化合物から公知の錯体形成方法により調製することができる。ヒドロホルミル化触媒は、予め調製して反応領域に供給してもよく、また8〜10族金属化合物と非環状ホスファイト化合物とを反応領域に供給して反応領域内で形成しても良い。
8〜10族金属化合物としては、鉄化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、ルテニウム化合物、パラジウム化合物、ロジウム化合物、イリジウム化合物、オスミウム化合物、白金化合物等が挙げられるが、中でもコバルト化合物やロジウム化合物等が好ましく、特にロジウム化合物が好ましい。これらの化合物の種類は任意であるが、具体例としては、上記遷移金属の酢酸塩、アセチルアセトネイト化合物、ハライド、硫酸塩、硝酸塩、有機塩、無機塩、アルケン配位化合物、アミン配位化合物、ピリジン配位化合物、一酸化炭素配位化合物、ホスフィン配位化合物、ホスファイト配位化合物等が挙げられる。
鉄化合物としては、Fe(OAc)2、Fe(acac)3、FeCl2、Fe(NO33等が挙げられる。
コバルト化合物としては、Co(OAc)2、Co(acac)2、CoBr2、Co(NO32等が挙げられる。
ニッケル化合物としては、NiCl2、NiBr2、Ni(NO32、NiSO4、Ni(cod)2、NiCl2(PPh33等が挙げられる。
ルテニウム化合物としては、RuCl3、Ru(OAc)3、Ru(acac)3、RuCl2(PPh33等が挙げられる。
パラジウム化合物としては、Pd(0)、PdCl2、PdBr2、PdCl2(cod)、PdCl2(PPh32、Pd(PPh34、Pd2(dba)3、K2PdCl4、K2PdCl6、PdCl2(PhCN)2、PdCl2(CH3CN)2、Pd(dba)2、Pd(NO32、Pd(OAc)2、Pd(CF3COO)2、PdSO4、Pd(acac)2、その他、カルボキシレート化合物、オレフィン含有化合物、Pd(PPh34等のような有機ホスフィン含有化合物、アリルパラジウムクロライド二量体等が挙げられる。
ロジウム化合物としては、RhCl3、Rh(OAc)3、[Rh(OAc)22、Rh(acac)(CO)2、[Rh(OAc)(cod)]2、[RhCl(cod)]2等が挙げられる。イリジウム化合物としては、IrCl3、Ir(OAc)3、[IrCl(cod)]2が挙げられる。
オスミウム化合物としては、OsCl3、Os(OAc)3等が挙げられる。
白金化合物としては、Pt(acac)2、PtCl2(cod)、PtCl2(CH3CN)2、PtCl2(PhCN)2、Pt(PPh34、K2PtCl4、Na2PtCl6、H2PtCl6が挙げられる。
なお、codは1,5−シクロオクタジエンを、dbaはジベンジリデンアセトンを、acacはアセチルアセトネイトを、Acはアセチル基をそれぞれ表す。
ヒドロホルミル化反応は、8〜10族金属と非環状有機ホスファイトを含む錯体触媒の存在下に、オレフィン性不飽和化合物を水素及び一酸化炭素と反応させることにより行われる。
オレフィン性不飽和化合物としては、分子内にオレフィン性二重結合を少なくとも1つ有する有機化合物であれば、任意のものを用いることができる。オレフィン性二重結合は、分子鎖の末端にあっても内部にあってもよく、分子を構成する炭素鎖は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。また、分子中には実質上ヒドロホルミル化反応に不活性な基、例えばカルボニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子などを含有していてもよい。
オレフィン性不飽和化合物の例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ヘキサデセン、オクタデセン、エイコセン、ドコセン、3−シクロヘキシル−1−ブテン等のモノオレフィン;ブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン等のジオレフィン;プロピレン〜ブテン混合物、1−ブテン〜2−ブテン〜イソブチレン混合物、1−ブテン〜2−ブテン〜イソブチレン〜ブタジエン混合物等の低級オレフィン混合物;プロピレン、n−ブテン、イソブチレン等の低級オレフィンの二量体〜四量体のようなオレフィンオリゴマー異性体混合物;アリルアルコール、オクタ−1−エン−4−オール、オレイルアルコール等のアルケノール;1−ヒドロキシ−2,7−オクタジエン、3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエン等のジオレフィン系アルコール;酢酸ビニル、酢酸アリル、酢酸3−ブテニル、プロピオン酸アリル等のアルカン酸アルケニル;アクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、オレイン酸メチル、n−プロピル−7−オクテノエート等のアルケン酸アルキル;ビニルエチルエーテル、ビニルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、1−メトキシ−2,7−オクタジエン等のアルケニルアルキルエーテル;スチレン、α−メチルスチレン、3−フェニル−1−プロペン等の芳香環で置換されているオレフィン類;アクリロニトリル、3−ブテンニトリル、5−ヘキセンアミド等の極性基で置換されているオレフィン類等が挙げられる。
なかでも、分子内にオレフィン性二重結合を1つだけ有するモノオレフィン系の不飽和化合物が好ましく、特に炭素数2〜20のオレフィン系炭化水素が好ましい。とりわけプロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、ブテンの異性体混合物、1−オクテン、オクテンの異性体混合物が好ましく用いられる。
ヒドロホルミル化反応の反応媒体としては、原料及び触媒を溶解し、反応に不活性なものであればよく、具体的には、トルエン、キシレン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ−テル類、酢酸エチル、ジ−n−オクチルフタレ−ト等のエステル類、n−ブチルアルデヒド、i−ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、ノニルアルデヒド等のアルデヒド類、アルデヒド縮合体等のヒドロホルミル化反応時に副生する高沸点成分混合物等が挙げられる。なかでも、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヒドロホルミル化反応の生成物であるアルデヒド、副生物である高沸点成分混合物が好ましい。反応媒体は単独で用いても複数を併用してもよい。
ヒドロホルミル化反応における錯体触媒の濃度は、反応溶媒中の8〜10族金属の割合で、通常0.05mg/L〜1g/L、好ましくは10〜500mg/Lである。
ヒドロホルミル化反応は公知の条件で行えばよく、反応温度は、通常15〜200℃、好ましくは30〜170℃、特に好ましくは50℃〜150℃である。反応圧力は、通常常圧〜20MPaG、好ましくは0.1〜10MPaG、特に好ましくは0.3〜8MPaGである。反応帯域に供給する水素と一酸化炭素のモル比(H/CO)は通常10/1〜1/10、好ましくは1/2〜6/1の範囲である。
本発明に係る方法おいては、反応領域における非環状有機ホスファイトのリンに対する水のモル比が25〜120、好ましくは50〜120になるように水を存在させる。水が少なすぎると非環状有機ホスファイト配位子が分解しやすくなり、触媒活性が低下する。また、水の存在量はモル比で120倍もあれば十分であり、これ以上存在させることはかえって有害であると考えられる。
ヒドロホルミル化反応では水が副生するが、経済性のある条件においては、副生水だけではこの比を満足することができないので、反応領域に水を供給して、リンに対する水のモル比が上記範囲となるように調整する。水の供給は連続でも間欠でもよい。反応領域に水を供給する方法は特に限定されず、原料や循環される反応液や触媒に同伴させて供給すればよい。
反応領域に添加する水は、水に塩基を添加して、塩基性、特にpH8.5〜9.5に調整したものを用いるのが好ましい。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア等の無機窒素塩基等の無機塩基、アミン等の有機窒素塩基が挙げられ、なかでも無機塩基が好ましい。
ヒドロホルミル化反応は、通常連続方式で行われるが、回分方式であってもよい。また、反応槽としては、攪拌型反応槽、気泡塔型反応槽等の公知のものを用いることができる。
連続方式の主なものにストリッピング方式と液循環方式がある。
ストリッピング方式は、触媒液を反応領域内に保持し、オレフィン、オキソガスを連続的に供給し、反応によって生成したアルデヒドを反応領域内で気化させ、系外に取り出す方法である。
液循環方式は、触媒を含む反応媒体、オレフィン、及びオキソガスを連続的に反応領域に供給する方法で、生成したアルデヒド、触媒、反応媒体等を含む反応液が連続的に反応領域外に抜き出される。この反応領域から抜き出された反応液は、例えば未反応ガスによるストリッピング、蒸留等の公知の分離操作によって、生成アルデヒドと触媒液に分離される。得られたアルデヒドは系外に抜き出され、触媒液を含む反応液はそのまま、又は触媒を含む反応液から触媒を回収して反応領域に供給される。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
反応器(1)にオキソガス、管(11)を経て系外からプロピレン及び管(18)を経て触媒液を連続的に供給して、温度70℃、圧力0.98MPaでヒドロホルミル化反応を行った。
反応生成液は管(13)を経て抜き出し、向流接触塔(2)において系外から管(12)を経て供給されるオキソガス(H/CO=1/1(モル比))でストリッピングして、未反応のプロピレンを除去した。向流接触塔から流出するプロピレンを含むオキソガスは管(15)を経て反応器に供給した。管(12)を経て供給されるオキソガスの量は、管(11)を経て供給されるプロピレン1molに対し、オキソガス2mol(H:1mol、CO:1mol)であった。
向流接触塔の塔底から回収された反応生成液は、管(14)を経て気液分離器(3)に供給し、気相は管(17)を経て系外に抜き出した。液相は管(16)を経て触媒分離塔(4)に供給し、塔底温度72.7℃、塔底圧力500mmHgの減圧下で蒸留して、生成したブチルアルデヒドを管(19)を経て系外に抜き出した。
生成したブチルアルデヒドを蒸留により留去し、塔底にて濃縮された触媒液は、ロジウムを195mg/L、上記(L−5)で表されるビスホスファイト化合物を0.77重量%、ノルマルブチルアルデヒドを約47.0重量%、高沸点副生物を約51.8重量%含有しており、これは管(18)を経て反応器(1)に循環した。反応器(1)に供給されるプロピレン1kgに対する触媒液の供給量はロジウムとして1.1gである。
なお、触媒液の一部は系外に抜き出し、代わりに新しい触媒液を補充して、触媒液組成が常にほぼ一定に保たれるようにした。
また、触媒液には、ヒドラジン(N)、Na2HPO(リン酸ナトリウム)を添加した水を加熱して、発生した蒸気を凝縮することにより得られたpH9.2の水を管(24)を経て供給し、反応塔(1)から抜き出される反応生成液中のリンに対する水のモル比が34となるようにした。
このような条件で反応を継続したところ、下式により求められる高沸点生成物の収率は0.22%であった。また下式により求められるビスホスファイト化合物の消失速度は0.0020%/Hrであった。
高沸点生成物の収率
=高沸点生成物の生成モル量/供給プロピレンのモル量×100
ビスホスファイト化合物の消失速度=(L−L)/L×100/t
:ビスホスファイト化合物の測定開始時における装置内存在モル量
:ビスホスファイト化合物のt時間後における装置内存在モル量
<実施例2>
反応器に供給される触媒液が、ロジウムを194mg/L、ビスホスファイト化合物を0.79重量%、ノルマルブチルアルデヒドを約49.0重量%、高沸点物質を約49.9重量%の割合で含有するようにし、かつ管(24)から供給する水を、反応器から抜き出される反応生成物中のリンに対する水のモル比が54となるようにした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
その結果、高沸点生成物の収率は0.13%、ビスホスファイト化合物の消失速度は0.0013%/Hrであった。
<実施例3>
反応器に供給される触媒液が、ロジウムを178mg/L、ビスホスファイト化合物を0.69重量%、ノルマルブチルアルデヒドを約53.6重量%、高沸点副生物を約45.0重量%含有するようにし、かつ管(24)から供給する水を、反応器から抜き出される反応生成物中のリンに対する水のモル比が112となるように供給した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
その結果、高沸点生成物の収率は0.16%、ビスホスファイト化合物の消失速度は測定限界(0.0005%/Hr)以下であった。
<比較例1>
反応器に供給される触媒液が、ロジウムを194mg/L、ビスホスファイト化合物を0.79重量%、ノルマルブチルアルデヒドを約49.0重量%、高沸点副生物を約49.9重量%含有するようにし、かつ水の供給を行わなかった以外は実施例1と同様にして反応を行った。
その結果、反応器から抜き出される反応生成物中のリンに対する水のモル比は2であり、高沸点生成物の収率は0.22%、ビスホスファイト化合物の消失速度は0.0033%/Hrであった。
結果をまとめて表−1に示す。
Figure 2006306815
実施例及び比較例で用いた反応装置のフローシート
符号の説明
1 反応器
2 向流接触塔
3 気液分離器
4 触媒分離塔
11 プロピレン
12 オキソガス
18 触媒液
19 生成アルデヒド
24 水

Claims (3)

  1. 8〜10族金属および非環状有機ホスファイト化合物を含むヒドロホルミル化触媒の存在下、オレフィン性不飽和化合物を一酸化炭素および水素と反応させてアルデヒドを製造する方法において、リンに対する水のモル比が25〜120となるように反応領域に水を存在させることを特徴とするアルデヒドの製造方法。
  2. リンに対する水のモル比が50〜120となるように反応領域に水を存在させることを特徴とする請求項1に記載のアルデヒドの製造方法。
  3. 反応領域に塩基性の水を供給してリンに対する水のモル比を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載のアルデヒドの製造方法。
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