JP6007439B2 - 末端アルコールの製造方法 - Google Patents
末端アルコールの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6007439B2 JP6007439B2 JP2013036101A JP2013036101A JP6007439B2 JP 6007439 B2 JP6007439 B2 JP 6007439B2 JP 2013036101 A JP2013036101 A JP 2013036101A JP 2013036101 A JP2013036101 A JP 2013036101A JP 6007439 B2 JP6007439 B2 JP 6007439B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reaction
- catalyst
- compound
- group
- rhodium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 0 Cc1c(*)c(*c2c(*3)c(P(*)*)c(*)c(*)c2*)c3c(P(*)**)c1C Chemical compound Cc1c(*)c(*c2c(*3)c(P(*)*)c(*)c(*)c2*)c3c(P(*)**)c1C 0.000 description 7
- LQFBLHDRHXLAHI-UHFFFAOYSA-N C(C1)CC1c1c(cccc2)c2ccc1 Chemical compound C(C1)CC1c1c(cccc2)c2ccc1 LQFBLHDRHXLAHI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- WLICDAAXPBHICO-UHFFFAOYSA-N CC(C(c1ccccc1)O)NCCNCCO Chemical compound CC(C(c1ccccc1)O)NCCNCCO WLICDAAXPBHICO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- AJAKVPMSAABZRX-UHFFFAOYSA-N CCOc1ccc2ncccc2c1 Chemical compound CCOc1ccc2ncccc2c1 AJAKVPMSAABZRX-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- SSXRXRIFOZZQFH-UHFFFAOYSA-N C[O](c1ccccc1)(c1ccccc1)c1c(CNC(CCCC2)C2N)cccc1 Chemical compound C[O](c1ccccc1)(c1ccccc1)c1c(CNC(CCCC2)C2N)cccc1 SSXRXRIFOZZQFH-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- QPUYECUOLPXSFR-UHFFFAOYSA-N Cc1cccc2c1cccc2 Chemical compound Cc1cccc2c1cccc2 QPUYECUOLPXSFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
しかしながら、本手法においては、共存するロジウム−単座トリアルキルホスフィン触媒により、低い直鎖選択性のアルデヒドの生成が併発的に進行するため、得られるアルコールのL/B比は必ずしも十分に高い値となっていない。
即ち、第1の方法は、非特許文献1、非特許文献2、及び特許文献1に記載されるような、1種類の触媒系で行なう方法であり、第2の方法は、特許文献2に記載されるような、高直鎖選択性のアルデヒドを製造する触媒と当該アルデヒドを水素化させる触媒との2種類の触媒を併用する方法である。
後者の手法においては、系中で生成してくるアルデヒドの効率的な水素化反応が重要な要素となってくる。
すなわち、本発明の目的は、触媒の存在下、内部オレフィン性化合物を水素及び一酸化炭素と反応させて一段階の反応工程でアルコールを製造する方法において、従来よりも高い直鎖選択性を有する末端アルコールを高収率で製造する方法を提供することに存する。
−X−H …(I)
(式中、Xはヘテロ原子を含み、且つ、該ヘテロ原子が水素原子と結合する連結基を表す。)
ロジウム化合物、
二座の有機リン化合物、
及び
ロジウムを除く周期表第8〜10族遷移金属を一種以上含む化合物
の存在下に、極性溶媒を用いて、内部オレフィン性化合物を水素及び一酸化炭素と反応させて末端アルコールを製造することを特徴とする。
<ロジウム化合物>
本発明に係るヒドロホルミル化反応用触媒として用いることができるロジウム化合物は、ヒドロホルミル化反応に対する触媒作用を発揮するものであれば良く、特に制限はないが、例えばその形態としては、アセチルアセトネイト化合物、ハライド、硫酸塩、硝酸塩、有機塩、無機塩、アルケン配位化合物、アミン配位化合物、ピリジン配位化合物、一酸化炭素配位化合物、ホスフィン配位化合物、ホスファイト配位化合物等を挙げることができる。
本発明に用いることのできる二座の有機リン系化合物(以下「有機リン系配位子」と称す場合がある。)は、好ましくは、ロジウム化合物と共に用いて、オレフィン性化合物と水素及び一酸化炭素との反応でアルデヒドを製造する場合に、得られるアルデヒドのL/B比が4.0以上、すなわち直鎖選択性が80%以上となる能力を有する二座の有機リン系化合物であり、特にその構造に制限はない。
R21〜R24は、それぞれ独立に、鎖状又は環状のアルキル基、或いはアリール基を表す。これらの基は、更に置換基を有していても良く、R21とR22、及びR23とR24は、それぞれ、互いに結合を形成して環状構造を形成しても良い。)
R41〜R44は、それぞれ独立に、鎖状又は環状のアルキル基、或いはアリール基を表す。これらの基は、更に置換基を有していても良く、R41とR42、及びR43とR44は、それぞれ、互いに結合を形成して環状構造を形成しても良い。
A1及びA2は、それぞれ独立に、O、S、SiRaRb、NRc、又はCRdReを表し、ここで、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、それぞれ独立に、水素原子、鎖状又は環状のアルキル基、或いはアリール基を表す。)
R61〜R64は、それぞれ独立に、鎖状又は環状のアルキル基、或いはアリール基を表す。これらの基は、更に置換基を有していても良く、R61とR62、及びR63とR64は、それぞれ、互いに結合を形成して環状構造を形成しても良い。)
<水素化触媒用遷移金属化合物>
本発明においては、上記ロジウム化合物及び二座の有機リン化合物と共に、アルデヒドの選択的水素化反応用触媒として、ロジウム以外の周期表第8〜10族(IUPAC無機化学命名法改訂版(1998)による)に属する遷移金属からなる群より選ばれる一種以上の遷移金属を含む化合物を用いる。
本発明においては、アルデヒドの選択的水素化反応用触媒として上述した種々の水素化触媒用遷移金属化合物を任意に用いることができるが、原料の内部オレフィン性化合物を水素化させることなく、反応系中で生成したアルデヒドのみを選択的に水素化させるためには、当該選択的水素化反応用触媒の中心金属には、反応中に下記一般式(I)で表される有機基を含む助剤が配位していることが好ましい。
(式中、Xはヘテロ原子を含み、ヘテロ原子で水素原子と結合する2価の連結基を表す。)
(式中、RAは水素原子又は置換基を有していてもよい一価の有機基を表し、RBは置換基を有していてもよい一価の有機基を表す。)
アルデヒドの選択的水素化反応用触媒の調製は、別途設けた触媒調製槽で予め調製してから当該触媒を反応系に加えても良いし、水素化反応用触媒原料である水素化触媒用遷移金属化合物と配位子をそれぞれ個別に反応系に添加して反応系内で触媒調製を行っても良い。また、反応後、生成物系と触媒系とを分離し、その触媒を再び反応系にリサイクルして用いても良い。この場合、触媒の劣化や消失の度合いに応じて、適宜水素化触媒用遷移金属化合物、及び配位子、また、必要に応じて後述する塩基性化合物のいずれか、又はすべてを追加して補充することが望ましい。
また、場合によっては、触媒を調製して反応系に導入する前に、加熱処理や触媒活性種への変換に必要なガス処理、例えば水素や一酸化炭素等のガスとの加圧接触を予め行ってから触媒を反応系に導入しても良い。
本発明の末端アルコールの製造方法に適用される原料内部オレフィン性化合物としては、炭素数4以上の化合物であって分子内にオレフィン性二重結合を少なくとも1つ有する化合物であれば特にその構造に制限されるものではなく、飽和炭化水素基のみによって置換されたオレフィン性化合物、不飽和炭化水素基を含む炭化水素基によって置換されたオレフィン性化合物、又は、ヘテロ原子を含む官能基により置換されたオレフィン性化合物等、いずれの内部オレフィン性化合物にも適用できる。
なお、内部オレフィン性化合物の炭素数の上限については特に制限はないが、溶解性の問題、粘度の問題、原料確保の容易さなどを考慮して通常50以下である。
本発明においては、極性溶媒を用いて反応を行うことを必要とする。内部オレフィン性化合物よりもアルデヒドへの選択的水添反応を優先させるために、触媒は分子内に電荷の偏りを有する設計がなされているが、同時に不安定である。極性溶媒を用いることで溶媒和の作用で触媒自体の安定性を改善し、またアルデヒドの水素化反応中の遷移状態も安定化することで、効率よくアルデヒドの水添反応が進行すると考えられる。
また、本発明における選択的水素化反応用触媒の好適な助剤として弱塩基性を示すアミン系化合物をしばしば用いるため、アミンの配位力を保持できる中性又はアルカリ性を示す溶媒を使用することが好ましい。
この他、本反応の副生物として生成するアルデヒドのアセタール反応体やアルドール縮合体といった目的とするアルコールよりも高い沸点を有する高沸物が挙げられる。
本発明の末端アルコールの製造方法における好適な反応条件は次の通りである。
水素分圧、一酸化炭素分圧、原料、生成物、溶媒等の蒸気圧の総和で形成される反応圧力は、通常0.01MPa以上、好ましくは0.05MPa以上、より好ましくは0.1MPa以上であり、通常10MPa以下、好ましくは8MPa以下、より好ましくは5MPa以下である。
反応圧力が低すぎるとヒドロホルミル化反応用触媒及びアルデヒドの選択的水素化反応用触媒の触媒金属化合物が失活してメタル化してしまう懸念がある他、ヒドロホルミル化反応用触媒及びアルデヒドの選択的水素化反応用触媒の触媒活性自体十分に発現せず、アルコール収率が低下することが予想される。また、逆に高すぎると得られるアルコールの直鎖選択性が低下する傾向が見られるため好ましくない。
本発明に係る触媒系は、ヒドロホルミル化反応用触媒のロジウム化合物及び二座の有機リン系化合物(有機リン系配位子)と、アルデドの選択的水素化反応用触媒との組み合わせからなり、この組み合わせの量比が反応成績に影響する。
原料の内部オレフィン性化合物からの末端オレフィンへの異性化反応は、ヒドロホルミル化反応用触媒のロジウム金属上で起こっていると考えられるが、そこに選択的水素化反応用触媒の水素化触媒用遷移金属化合物が共存すると、水素化触媒用遷移金属化合物と有機リン系配位子とで錯体を形成することで、反応系内の遊離の有機リン系配位子濃度が低下してしまい、有機リン系配位子濃度の低下で直鎖選択性(L/B比)が低下してしまうが、逆に有機リン系配位子が多すぎると選択的水素化反応用触媒を失活させてしまう。このため、有機リン系配位子の量は、ヒドロホルミル化反応用触媒のロジウム化合物と選択的水素化反応用触媒の水素化触媒用遷移金属化合物に対して、所定の範囲内に設定されることが好ましい。
水素と一酸化炭素のモル比は、1:10〜10:1であり、より好ましくは1:5〜5:1であり、更に好ましくは1:2〜2:1である。
反応温度は、通常80℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上であり、通常300℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。即ち、本発明の反応においては80℃以上の反応温度で実施することが好ましい。これは、低い温度条件では一酸化炭素が選択的水素化反応用触媒に強く配位し、水素化反応触媒活性を大きく低下させるからであり、反応温度を高めることによって選択的水素化反応用触媒から熱エネルギーによって一酸化炭素が解離できる条件にする必要があるからである。また、逆に、反応温度が高すぎると得られるアルコールの直鎖選択性の低下や配位子の熱分解による消失やヒドロホルミル化反応用触媒又はアルデヒドの選択的水素化反応用触媒の分解に伴う失活などが予想される。
本発明の反応方式としては特に制限はなく、撹拌型反応槽、又は気泡塔型反応槽中で、連続式、半連続式、又はバッチ式操作のいずれでも容易に実施し得る。
未反応原料の内部オレフィン性化合物や生成物類と触媒との分離は、通常、単蒸留、減圧蒸留、薄膜蒸留、水蒸気蒸留等の蒸留操作のほか、気液分離、蒸発(エバポレーション)、ガスストリッピング、ガス吸収及び抽出等の公知の方法で行うことができる。
蒸留条件は特に制限されるものではなく、生成物の揮発性、熱安定性、及び触媒成分の揮発性、熱安定性等を考慮して望ましい結果が得られるように任意に設定されるが、通常、50〜300℃の温度、760〜0.01mmHgの圧力条件の範囲から選ばれる。
分離した触媒を含む残液からは、公知の方法により触媒成分であるロジウムやロジウムを除く周期表第8〜10族遷移金属を回収することができる。或いは残液の全量若しくは一部を反応工程にリサイクルして触媒を再利用することもできる。
本発明の反応における目的物は末端アルコールであるため、末端アルコールの収率に関しては40%以上であることが好ましく、より好ましくは60%以上である。
末端アルコールの収率を60%以上にするためには、基本的に反応を十分に押し切る条件(即ち、ほぼ全ての内部オレフィン性化合物原料を末端オレフィンに異性化させた上で生成物に転化させる条件)を採用すれば達成される。例えば、前述のA値を好適な範囲に調整することや、触媒濃度を高めること、反応ゾーンにおける滞留時間を長く取る等の手法が挙げられる。その他、比較的高い反応温度(例えば120〜160℃程度)や水素分圧を高める(例えば120〜160℃/0.5〜5MPa程度)など、アルコール生成に適した反応条件を採用すれば末端アルコールの収率を高めることができる。
本発明は、高い直鎖選択性を有する末端アルコールを製造することを目的とし、このため、本発明の末端アルコールの製造方法におけるL/B比は、10以上、特に20以上であることが好ましい。このようなL/B比を実現するために、本発明においては前述のヒドロホルミル化反応用触媒とアルデヒドの選択的水素化反応用触媒とを併用する他、例えば前述のA値を好適な範囲に調整する、ヒドロホルミル化反応時の圧力を調整する、或いは、更に一酸化炭素分圧をヒドロホルミル化反応の触媒活性に悪影響が出ない範囲内で極力低くすることが好ましい。
触媒調製用のガラス容器を3つ用意し、各ガラス容器に窒素雰囲気下で、アルデヒドの選択的水素化反応用触媒原料の水素化触媒用遷移金属化合物としてCp*Ru(cod)Cl(5.7mg、0.015mmol)、水素化反応用触媒の助剤として前記化合物A−46(3.5mg、0.015mmol)、塩基性化合物としてt−ブトキシカリウム(1.7mg、0.015mmol)をそれぞれ加え、これらを順番にガラス容器A(水素化触媒用遷移金属化合物)、B(助剤)、C(塩基性化合物)とした。
別に、容器内に磁性攪拌子を入れた内容量50mlのステンレス鋼オートクレーブに、ヒドロホルミル化反応用触媒のロジウム化合物としてRh(acac)(CO)2(5.2mg、0.020mmol)と、ヒドロホルミル化反応用触媒の配位子として前記二座の有機リン化合物L−22(42.9mg、0.040mmol)を量り取った。
その結果、ウンデカナール収率は4.0%であり、ウンデカノール収率は62.2%であった。また、ウンデカノールにおける分岐型アルコール(2−メチル−1−デカノール等)に対する直鎖型アルコール(1−ウンデカノール)の比(L/B比)は17(直鎖選択性=94%)であった。その結果を表1に示す。
実施例1における反応溶媒である1,4−ジオキサンをテトラヒドロフラン(THF)に変えた以外は同様にして反応を行った。その結果を表1に示す。
実施例1における反応溶媒である1,4−ジオキサンをジメチルホルムアミド(DMF)に変えた以外は同様にして反応を行った。その結果を表1に示す。
実施例1における反応溶媒である1,4−ジオキサンをジメチルアセトアミド(DMA)に変えた以外は同様にして反応を行った。その結果を表1に示す。
実施例1における反応溶媒である1,4−ジオキサンをトルエンに変えた以外は同様にして反応を行った。その結果を表1に示す。
なお、実施例1〜4及び比較例1における触媒使用量は、ロジウム化合物Rh(acac)(CO)2:0.020mmol、ルテニウム化合物Cp*Ru(cod)Cl:0.015mmol、有機リン系配位子L−22:0.040mmolであり、[M]/[Rh]=0.75、[L]/([Rh]+[M])=1.14で、前記A値は1.52である。
実施例1におけるヒドロホルミル化反応圧力を表2に示す値に変えた以外は同様にして反応を行った。その結果を実施例1の結果と共に表2にまとめて示す。
実施例1における有機リン系配位子L−22の添加量を、表3に示す値に変えた以外は同様にして反応を行った。その結果を実施例1の結果と共に表3にまとめて示す。
実施例1における選択的水素化反応用触媒のルテニウム化合物Cp*Ru(cod)Clと有機リン系配位子L−22の添加量を、表4に示す値に変えた以外は同様にして反応を行った。その結果を実施例1の結果と共に表4にまとめて示す。
図1より、A={[M]/[Rh]}/{[L]/([Rh]+[M])}であるグラフの傾きが0.5〜20、特に1〜2.5の範囲において、アルコール収率と直鎖選択性(L/B比)が共に高い結果が得られることが分かる。
触媒調製用のガラス容器に、アルゴン雰囲気下、選択的水素化反応用触媒として下記構造のRu化合物(A)(16.3mg、Ru換算で0.030mmol)および1,4−ジオキサン(3.0ml)を加えて攪拌することで、水素化反応用触媒溶液を調製した。なお、この水素化反応用Ru触媒は、前記化合物A−2を配位子として持つ化合物と見なすことができる。
実施例14における反応原料をcis−2−オクテンからtrans−2−オクテン(2.0mmol)に変えた以外は同様にして反応を行なった。結果を表5に示す。
実施例14における反応原料をcis−2−オクテンからtrans−4−オクテン(2.0mmol)に変えた以外は同様にして反応を行なった。結果を表5に示す。
実施例14における反応原料をcis−2−オクテンから末端オレフィンである1−オクテン(2.0mmol)に変えた以外は同様にして反応を行なった。結果を表6に示す。
実施例14における反応原料をcis−2−オクテン(2.0mmol)からオレイン酸メチル(2.3mmol)に変え、同様に120℃で反応を行なった。ただし、ガスクロマトグラフィー分析の内部標準物質であるn−ドデカンは加えずに反応を行ない、反応時間としては7日間反応させた。
反応後、反応液に所定量の2,4,6−トリメトキシベンゼンを加え、生成物の収率を1H−NMRを用いて分析した。その結果、反応原料のオレイン酸メチルの転化率は100%であり、アルデヒド収率はほぼ0%であり、アルコール収率は40%であった。得られたアルコールの内、分岐型のアルコール収率に対する直鎖型のアルコール収率の比率(L/B比)は2.4であった。
実施例17においても[L]/([Rh]+[M])=0.80、[M]/[Rh]=1.50であり、前記A値は0.53であるが、オレイン酸メチル(CH3−(CH2)7−CH=CH−(CH2)7−COOCH3)のような炭素−炭素二重結合が末端炭素原子から数えて9番目と10番目の炭素原子間にあるような化合物であっても、末端に二重結合が異性化された上でヒドロホルミル化反応がかかり、かつ水素化され、直鎖型のアルコールが分岐型のアルコールよりも2.4倍も多く製造できることが分かる。
実施例17におけるRu触媒の調製において、Ru化合物(A)の他に新たにRu3(CO)12(4.2mg、Ru換算で0.020mmol)を加えて調製した以外は同様にして反応を行なった。
その結果、反応原料のオレイン酸メチルの転化率は100%であり、アルデヒド収率はほぼ0%であり、アルコール収率は76%であった。得られたアルコールの内、分岐型のアルコール収率に対する直鎖型のアルコール収率の比率(L/B比)は3.5であった。
実施例18においては、[L]/([Rh]+[M])=0.57、[M]/[Rh]=2.50であり、前記A値は0.23であるが、Ru3(CO)12の共存によってオレイン酸メチルの炭素−炭素二重結合の異性化が加速され、アルコール収率が大きく改善され、かつ、直鎖型のアルコールが分岐型のアルコールよりも3.5倍も多く製造できることが分かる。
実施例1,5,6,7における選択的水素化反応用触媒のルテニウム化合物Cp*Ru(cod)Clを添加しない以外は同様にして反応を行った。その結果を表6にまとめて示す。
比較例2において、ヒドロホルミル化反応圧力を2.0MPaとしたこと以外は同様にして反応を行った。結果を表6に示す。
比較例5において、有機リン系配位子L−22を有機リン系配位子L−11に変更した以外は同様にして反応を行った。その結果を表6に示す。
Claims (7)
- 前記極性溶媒がヘテロ原子を含む化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の末端アルコールの製造方法。
- 前記ロジウムを除く周期表第8〜10族遷移金属が、ルテニウム、イリジウム、パラジウム及び白金からなる群より選ばれる遷移金属であることを特徴とする請求項1又は2に記載の末端アルコールの製造方法。
- 前記ロジウムを除く周期表第8〜10族遷移金属を一種以上含む化合物が、下記一般式(I)で表される有機基を含む助剤を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の末端アルコールの製造方法。
−X−H …(I)
(式中、Xはヘテロ原子を含み、且つ、該ヘテロ原子が水素原子と結合する連結基を表す。) - 前記助剤が、少なくとも一つの窒素原子を有し、該窒素原子で前記ロジウムを除く周期表第8〜10族遷移金属に配位しており、該窒素原子に少なくとも一つの水素原子が結合していることを特徴とする請求項4に記載の末端アルコールの製造方法。
- 前記助剤が、2つ以上の結合点で、前記ロジウムを除く周期表第8〜10族遷移金属に配位する多座配位子の構造を有していることを特徴とする請求項5に記載の末端アルコールの製造方法。
- 前記反応時の一酸化炭素分圧を0.1MPa以上、0.5MPa以下とすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の末端アルコールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013036101A JP6007439B2 (ja) | 2012-03-07 | 2013-02-26 | 末端アルコールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012050549 | 2012-03-07 | ||
JP2012050549 | 2012-03-07 | ||
JP2013036101A JP6007439B2 (ja) | 2012-03-07 | 2013-02-26 | 末端アルコールの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013213022A JP2013213022A (ja) | 2013-10-17 |
JP6007439B2 true JP6007439B2 (ja) | 2016-10-12 |
Family
ID=49586662
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013036101A Active JP6007439B2 (ja) | 2012-03-07 | 2013-02-26 | 末端アルコールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6007439B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6426437B1 (en) * | 2000-12-13 | 2002-07-30 | Arco Chemical Technology, L.P. | Hydroformylation process |
DE102004033410A1 (de) * | 2004-02-14 | 2005-09-01 | Oxeno Olefinchemie Gmbh | Verfahren zur Herstellung von Olefinen mit 8 bis 12 Kohlenstoffatomen |
JP5493497B2 (ja) * | 2009-02-23 | 2014-05-14 | 三菱化学株式会社 | アルコールの製造方法 |
-
2013
- 2013-02-26 JP JP2013036101A patent/JP6007439B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013213022A (ja) | 2013-10-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Börner et al. | Hydroformylation: Fundamentals, Processes, and Applications in Organic Synthesis, 2 Volumes | |
KR100855517B1 (ko) | 비-사이클릭 올레핀의 텔로머화 방법 | |
JP5386968B2 (ja) | n−ブタノールの製造方法 | |
KR101003298B1 (ko) | 비환식 올레핀의 텔로머화 방법 | |
CN107580593B (zh) | 制备不饱和羧酸盐的方法 | |
US11072569B2 (en) | Normal alpha olefin synthesis using dehydroformylation or dehydroxymethylation | |
JP5493497B2 (ja) | アルコールの製造方法 | |
Kumar et al. | Hydroformylation of olefins by metals other than rhodium | |
JP2015515461A (ja) | エチレングリコールの製造のための均一系水素化触媒の不活性化 | |
BRPI1010643B1 (pt) | processo para hidroformilação de álcool alílico para produzir 4-hidroxibutiraldeído | |
JP2008137996A (ja) | ノルマルブタノールとイソブチルアルデヒドの併産方法 | |
JP5194542B2 (ja) | アルコールの製造方法 | |
WO2020161175A1 (en) | Process for the production of acetals from carbon dioxide | |
JP6007439B2 (ja) | 末端アルコールの製造方法 | |
JP2006312612A (ja) | アルコールの製造方法 | |
JP5487537B2 (ja) | アルコールの製造方法 | |
JP2008303160A (ja) | アルコールの製造方法 | |
JP5974378B2 (ja) | アルコールの製造方法 | |
JP2006306815A (ja) | アルデヒドの製造方法 | |
US6753289B2 (en) | One-step production of 1,3-propanediol from ethylene oxide and syngas with a catalyst with a phospholanoalkane ligand | |
TW200418785A (en) | Process for preparing aldehydes by hydroformylation of olefinically unsaturated compounds, catalyzed by unmodified complexes of metals of groups 8 to 10 of the PTE in the presence of cyclic carbonic esters | |
JP6835403B2 (ja) | ジアルデヒド化合物の製造方法 | |
Haynes | Carbonylations Promoted by Third‐Row Transition Metal Catalysts | |
KR101729869B1 (ko) | 알데하이드화합물의 정제방법 | |
JP5652052B2 (ja) | アルデヒドの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150807 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160226 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160308 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160426 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160809 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160822 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6007439 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |