JP2002535321A - ホルミルテトラヒドロフラン及びその水和物の混合物水溶液の製造 - Google Patents

ホルミルテトラヒドロフラン及びその水和物の混合物水溶液の製造

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JP2002535321A JP2000594795A JP2000594795A JP2002535321A JP 2002535321 A JP2002535321 A JP 2002535321A JP 2000594795 A JP2000594795 A JP 2000594795A JP 2000594795 A JP2000594795 A JP 2000594795A JP 2002535321 A JP2002535321 A JP 2002535321A
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Abstract

(57)【要約】 2,5−ジヒドロフラン(2,5−DHF)のロジウム触媒作用ヒドロホルミル化によって製造されたホルミルテトラヒドロフラン(FTHF)の回収方法であって、FTHFが、3−FTHFが2,5−DHFのヒドロホルミル化により製造されるヒドロホルミル化工程からの液体生成物分離物として得られた、ロジウム触媒、2−及び3−FTHF並びに有機ヒドロホルミル化溶媒からなるヒドロホルミル化生成物溶液からの、2−及び3−FTHF並びにそれらの水和物である2−及び3−[ジ(ヒドロキシ)メチル]テトラヒドロフランの平衡混合物として回収される方法が開示される。3−FTHFは、例えば、3−メチルテトラヒドロフラン及び3−アミノ−メチルテトラヒドロフランの製造に於いて有用である価値のある有機中間体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、2,5−ジヒドロフラン(2,5−DHF)のロジウム触媒作用ヒ
ドロホルミル化により製造されたホルミルテトラヒドロフラン(FTHF)の回
収方法に関する。更に詳しくは、本発明は、3−FTHFが2,5−DHFのヒ
ドロホルミル化により製造されるヒドロホルミル化工程からの液体生成物として
得られた、ロジウム触媒、ホスフィン助触媒、2−及び3−FTHF並びにヒド
ロホルミル化溶媒からなる溶液からの、2−及び3−FTHF並びにそれらの水
和物である2−及び3−[ジ(ヒドロキシ)メチル]テトラヒドロフラン(DH
MTHF)の平衡混合物の製造に関する。3−FTHFは、種々の医薬品及び農
業製品の製造に於いて有用な価値ある有機中間体である。更に詳しくは、3−F
THFは、3−ヒドロキシメチルテトラヒドロフラン、3−メチルアミノテトラ
ヒドロフラン及び3−メチルテトラヒドロフランのような異例の3−置換テトラ
ヒドロフラン誘導体へのアクセスを提供する。
【0002】 ヒドロホルミル化反応は、当該技術分野に於いて、炭素−炭素二重結合への、
水素及び一酸化炭素のそれぞれ1個の分子の付加による、オレフィンの、出発モ
ノオレフィンよりも1個多い炭素を有するアルデヒド生成物への接触転化方法と
して公知である。殆どの商業的ヒドロホルミル化設備に於いては、ロジウム並び
に第三級(三置換された)、モノ−及びビス−ホスフィンのような有機ホスフィ
ン化合物からなる触媒系が使用されている。例えば、米国特許第3,527,8
09号には、ロジウム及びトリフェニルホスフィン(TPP)のような有機リン
化合物からなる触媒系並びに500psigより低い反応器圧力を使用するオレフィ
ンのヒドロホルミル化が開示されている。他の有機ホスフィン化合物と組み合わ
せたロジウムからなる触媒系を使用し、低い乃至中度の反応器圧力で運転される
ヒドロホルミル化方法は、米国特許第3,239,566号(トリ−n−ブチル
ホスフィン)及び米国特許第4,873,213号(トリベンジルホスフィン)
に記載されている。
【0003】 ヒドロホルミル化工程の最も広範囲の使用は、プロピオンアルデヒド及び異性
体ブチルアルデヒドを製造するエチレン及びプロピレンのヒドロホルミル化に於
けるものである。これらの低沸点アルデヒドは、反応器内に含まれる高沸点反応
混合物から蒸気としてアルデヒド生成物を掃引するために未反応ガスを使用する
、ガスストリップ型反応器手段によって回収することができる。このような蒸気
分離工程は、米国特許第4,287,369号に開示されている。この方法は、
ヒドロホルミル化工程が運転される温度での、それらの比較的高い蒸気圧のため
に、比較的低沸点アルデヒド生成物について十分に機能する。この方法は、アル
デヒド生成物の沸点が上昇するに従って、次第にあまり実用的ではなくなり、当
量の生成物を除去するために、ストリッピングガス流の体積の実質的な増加を必
要とする。
【0004】 他の伝統的な生成物分離技術には、触媒系を含む高沸点残渣又は「ヒール(h
eel)」からのアルデヒド生成物の蒸留がある。例えば、米国特許第4,13
7,240号には、ロジウム及び亜リン酸トリフェニルからなる触媒系を使用す
る、アクロレインの環式アセタールのヒドロホルミル化が記載されている。この
開示された工程の高沸点生成物は、高温真空蒸留により触媒ヒールから分離され
、金属ロジウムを生成し、きわめて価値のある金属ロジウムが工程装置の表面上
に析出し、そしてヒドロホルミル化工程から失われるので、特に好ましくない。
【0005】 米国特許第4,533,757号には、ロジウム及びトリフェニルホスフィン
を含むヒドロホルミル化混合物からの高沸点アルデヒドであるノナナールの回収
に関する上記の蒸気ストリッピングの改良が開示されている。この特許によれば
、ノナナール、触媒成分及び高沸点溶媒の溶液からなる液体反応器排液が、低圧
排出(let−down)タンクに供給される。このタンク内で、反応器からの
ストリッピングガスは触媒溶液を通って分散上昇し、アルデヒド生成物を蒸発さ
せ、より低い圧力で分離する。より低い圧力では、ヒドロホルミル化反応器内で
、より高い圧力で試みた場合に必要なストリッピングガスよりも少ないストリッ
ピングガスを必要とする。この方法は、反応器に再循環する低圧ストリッピング
ガスの再圧縮の形で、顕著な量のエネルギーの使用を必要とする。
【0006】 下記の特許、即ち、米国特許第2,894,038号−ロジウム/コバルト触
媒を使用する4−ホルミルシクロヘキセンのヒドロホルミル化;米国特許第3,
966,827号−4−ヒドロキシ−2−メチルブテン−1のヒドロホルミル化
;米国特許第4,275,243号−4−ヒドロキシブチルアルデヒドの回収で
は、官能基を有するオレフィンのヒドロホルミル化により製造された高沸点アル
デヒドの単離に於いて蒸留法を使用することが言及されている。上記の多数の種
々の種類のアルデヒドから、一般的な蒸留技術により高沸点アルデヒドを単離す
るのに必要な、高温を使用しない生成物分離方法についてのニーズが存在するこ
とは明らかである。
【0007】 アルデヒドからヒドロホルミル化触媒を分離する多数の異なった技術が、文献
に記載されている。米国特許第4,144,191号及び同第4,262,14
7号には、ポリマー担体上でアミン基に結合した特異混合ロジウム/コバルトカ
ルボニルクラスター触媒の使用が記載されている。この触媒は、三環式ジメタノ
ール生成物への転化のためにジシクロペンタジエンを使用する、「ワンポット(
one pot)」逐次ヒドロホルミル化及び還元段階のために具体的に設計さ
れた。米国特許第4,533,757号には、この系は、ロジウムが樹脂担体か
らオキソ生成物の方に失われることが開示されている。
【0008】 文献に開示されている他のアプローチは、官能化された水溶性有機リン化合物
をロジウムと組み合わせて使用することである。米国特許第3,857,895
号には、アミノアルキル及びアミノアリール有機ホスフィン化合物を、ロジウム
と組み合わせて使用することが開示されている。アルデヒド生成物を含む触媒溶
液は酸水溶液によって抽出され、アルデヒド含有有機溶液からロジウム及び有機
ホスフィン触媒成分が回収される。触媒を、反応器に再添加できる形で回収する
ために、この酸は中和しなくてはならないので、この方法は塩廃棄の問題を生ず
る。
【0009】 触媒含有溶液から4−ヒドロキシブチルアルデヒド生成物を分離するために、
水性抽出が使用されてきた、アリルアルコールのヒドロホルミル化に関する多数
の特許がある。この特別のケースは、アリルアルコール供給原料及び生成物の4
−ヒドロキシブチルアルデヒドの両方の実質的な水溶解度を反映している。従っ
て、米国特許第4,215,077号に開示されているように、ヒドロホルミル
化反応器内で、アリルアルコールの、好ましくは95%を越える非常に高い転化
率が達成されることが重要である。この具体的技術(4−ヒドロキシブチルアル
デヒドの製造)の他の面は、4−ビドロキシブチルアルデヒドの水性抽出液から
ロジウム触媒を分離する問題である。実際に、この水性抽出液は、触媒系がロジ
ウム及びトリフェニルホスフィンからなっていた米国特許第4,567,305
号に指摘されているように、ロジウムの水相への損失を阻止するために、約10
%の4−ヒドロキシブチルアルデヒドに制限されている。米国特許第4,678
,857号には、4−ヒドロキシブチルアルデヒド濃度が38重量%であったと
き、水相の1リットル当たり5mgのロジウムが水相の中に抽出されたことが開示
されている。
【0010】 上記の抽出方法に固有の問題点は、4−ヒドロキシブチルアルデヒド含有水性
抽出液からの、ロジウム含有有機相の分離である。米国特許第4,678,85
7号では、この問題点は、ハロゲン化芳香族化合物を使用して、有機層と水層と
の間の密度差を増加させることによって克服できることが提案されている。一般
的に、ブロム化芳香族化合物は、毒性及び潜在的触媒毒の観点から望ましくない
。1,4−ブタンジオールへの接触水素化のために、供給原料として4−ヒドロ
キシブチルアルデヒドの水性抽出液を使用することが、米国特許第4,083,
882号及び同第4,064,145号に開示されている。再び、この水素化で
使用される水溶液中の4−ヒドロキシブチルアルデヒドの比較的低い濃度のため
に、希薄な1,4−ブタンジオール生成物から水を除去するために大量のエネル
ギーが必要である。
【0011】 米国特許第5,138,101号には、混合物を、メタノールのような第一級
アルカノール及び水からなる溶液と緊密に接触させる(抽出する)ことによる、
高沸点アルデヒド、ロジウム及び有機ホスフィン化合物からなる触媒成分並びに
ヒドロホルミル化溶媒を含むヒドロホルミル化溶液からの高沸点アルデヒドの分
離が開示されている。ヒドロホルミル化溶液及びアルカノール/水溶液からなる
抽出混合物を、2個の相、即ち、触媒成分を含有するヒドロホルミル化溶媒相と
アルデヒドを含有するアルカノール/水相とに分離させる。ヒドロホルミル化溶
媒相をヒドロホルミル化反応器に戻すことができ、アルデヒド含有アルカノール
/水相を更に処理して、アルデヒドを回収するか又はアルデヒドを他の化合物に
転化させることができる。アルカノール、特にメタノールは、米国特許第5,1
38,101号に記載されている方法の必須の特徴である。
【0012】 米国特許第4,376,208号には、第三級アミン共触媒の存在下にロジウ
ム−トリアリールホスフィン錯体からなる触媒系を使用する2,5−ジヒドロフ
ランのヒドロホルミル化が開示されている。また、Polo他、Organom
etallics、第11巻、第3525頁(1992年)には、ジヒドロフラ
ンのヒドロホルミル化が開示され、最も有効な触媒は、亜リン酸トリアルキルを
助触媒とするロジウム触媒であることが教示されている。これらの場合のそれぞ
れに於いて、触媒系は、反応条件に決定的に依存する3−FTHFの収率をもた
らした。これについての一つの理由は、触媒系の構成成分が塩基性アミンであり
、このアミンが、ヒドロホルミル化に加えて、ホルミル反応生成物のアルドール
縮合を促進したことである。それ故、3−FTHFの初期収率が高い条件下でも
、単離収率は高くない。
【0013】 FTHF、特に3−異性体は、商業的化合物の製造に有用な価値ある中間体で
ある。FTHFは、2,5−DHFを、一酸化炭素及び水素からなる合成ガスと
、ロジウム−リン触媒系及びヒドロホルミル化溶媒の存在下に、公知のヒドロホ
ルミル化方法に従って接触させることによって製造することができる。2,5−
DHFのこのようなヒドロホルミル化によって、典型的に、2−FTHF及び3
−FTHFが、ほぼ0.001:1〜3.5:1のモル比で製造される。
【0014】 3−FTHF生成物の回収は、ヒドロホルミル化生成物からのヘミアセタール
オリゴマー、アセタールオリゴマー及びアルドール縮合化合物の生成のような技
術的困難を示す。これらの副生物の生成は、ヒドロホルミル化触媒のホスフィン
及び亜リン酸エステル化合物のような塩基性物質により触媒化されるか又は特に
高温度での蒸留の間に自発的に起こる。蒸留又はガス分散により生成物を除去し
た後に触媒系を再循環することには、触媒を損傷することなく、これらの高沸点
副生物を除去する問題が伴なわれる。通常、高沸点副生物は、触媒が阻止され、
活性を失うようになるまで、蓄積し続ける。この点で、唯一の取り得る方法は、
失活した触媒を廃棄し、新しい触媒装入物で開始することである。塩基触媒作用
縮合により促進された高沸点副生物の生成及び蓄積によって、蒸留によるヒドロ
ホルミル化生成物溶液からの3−FTHFの回収方法を非実用的にする。
【0015】 ヒドロホルミル化反応の間の高沸点副生物の通常の生成は、典型的には、低い
反応温度の結果として全生成物の2%より少ない量である。FTHFの高い沸点
及び誘電定数は、2メガパスカルの反応圧力でガス分散回収を非実用的にする。
130℃以下の底部ポット温度での真空蒸留により、存在するFTHFの40〜
70%が回収されるに過ぎない。この蒸留釜ポット温度で生成されるオリゴマー
副生物は、物質収支の残りを占める。これらのオリゴマーの塊はヘミアセタール
であり、これは加熱すると、熱促進化解オリゴマー化(deoligomeri
zation)により遊離のモノマーを放出する。例えば、ポット温度を185
℃まで加熱することによって、全FTHF回収率は、製造された全量の80〜9
6%のような多い割合まで増加する。しかしながら、多くのロジウム/ホスフィ
ン触媒系は、米国特許第4,277,627号及びその他の文献に開示されてい
るように、高い反応温度に対して感受性である。130℃を越えると、ヒドロホ
ルミル化触媒はホスフィンにより分解し始めて側鎖基のロジウム促進ロスを生じ
、ロジウム金属自体が結局、析出する。
【0016】 本発明者は、FTHF及びその水和物、即ちDHMTHFの平衡混合物は、F
THF、ロジウム及び有機リン化合物からなる触媒成分並びにヒドロホルミル化
溶媒を含むヒドロホルミル化溶液から、この混合物を、アルカノールを本質的に
含まない水と緊密に接触させる(水で抽出する)ことによって分離できることを
見出した。ヒドロホルミル化溶液及び水溶液からなる抽出混合物は、2相、即ち
、触媒成分を含むヒドロホルミル化溶媒相と2−及び3−FTHF並びに2−及
び3−DHMTHFを含む水相とに分離させる。このヒドロホルミル化溶媒相を
更に処理することなくヒドロホルミル化反応器に戻すことができ、そしてFTH
F及びその水和物を含む水相を更に処理して、アルデヒドを回収するか又はアル
デヒドを他の化合物に転化させることができる。1サイクルの間に抽出されない
全てのFTHFは、ヒドロホルミル化溶媒と一緒にヒドロホルミル化反応器に戻
り、次の抽出で回収することができる。ヒドロホルミル化の間に製造される僅か
ながらのオリゴマー物質の大部分は水相中に抽出され、それによって触媒溶液が
精製され、触媒交換が必要になる前のヒドロホルミル化サイクルの数が増える。
例えば、パイロット研究の間に、19回の抽出後に再循環された触媒溶液中に残
留するオリゴマー性高沸点含有物が回収され、0.5%未満に残留したヒドロホ
ルミル化反応器に再循環される。
【0017】 蒸留回収方法と抽出回収方法とを比較すると、蒸留によって行うことができる
最良のものは、抽出による99%以上の回収に比較して、FTHFの80〜96
%回収である。交換が必要になる前の触媒の再循環の回数は、典型的には、蒸留
回収で1〜12回であるのに対し、本明細書に記載した抽出方法の使用によって
少なくとも60回以上の再循環が可能となる。触媒交換の前の触媒活性に於ける
低下は、抽出によるロスが無いのに対して、蒸留条件の厳しさに依存して1回の
再循環当たり数%である。生成物又は触媒の、抽出の間の唯一のロスは、相の不
完全な分離及び廃棄されたスリップストリーム(slip−stream)によ
り起こされる物理的ロスである。
【0018】 従って、本発明の方法は、本質的にアルカノールを含まず、式:
【0019】
【化2】
【0020】 を有する化合物の混合物を含む水溶液を製造するための手段であって、 (1)(i)20〜80重量%の式(I)のアルデヒド;(ii)ロジウム及び
有機リン化合物からなるヒドロホルミル化触媒成分並びに(iii )80〜20重
量%の有機ヒドロホルミル化溶媒を含むヒドロホルミル化生成物溶液を、本質的
にアルカノールを含まない水と緊密に接触させる工程; (2)工程(1)の混合物を2相混合物に分離する工程並びに (3)この2相混合物を分離して、(a)触媒成分を含むヒドロホルミル化溶
媒相並びに(b)式(I)及び(II)の化合物を含む水相を得る工程からなり、
工程(1)で使用する水のヒドロホルミル化生成物溶液に対する体積比が、0.
1:1〜4:1であり、工程(1)で使用するヒドロホルミル化生成物溶液に、
15重量%より少ない、2,5−DHF、2,3−DHF、テトラヒドロフラン
(THF)又はこれらの全ての2種若しくはそれ以上の混合物が含まれ、そして
化合物(I)の化合物(II)に対するモル比が、0.05:1〜20:1である
手段を提供する。
【0021】 存在する化合物(II)の濃度は、水溶液中のアルデヒドの濃度に依存する。例
えば、アルデヒド(I)及びジオール(II)の濃度が90%であると、ジオール
は、化合物(I)及び(II)の合計の約65%を構成し、アルデヒド(I)及び
ジオール(II)の濃度が50%であると、ジオールは、化合物(I)及び(II)
の合計の約80%を構成し、そしてアルデヒド(I)及びジオール(II)の濃度
が10%であると、ジオールは、化合物(I)及び(II)の合計の約98%を構
成する。事実、化合物(II)の高い%は、非常に最低の水の濃度を除いて、FT
HFが水にしっかりと保持される程度を増強する。驚くことではないが、水が不
十分なときに、アルデヒド(I)はジオール(II)と反応して、アルデヒド(I
)のヘミアセタールを生成する。しかしながら、ヘミアセタール濃度は、典型的
には、アルデヒド(I)及びジオール(II)の濃度が約60%であると、存在す
る全FTHFの2%より低く、通常0.5%以下である。この方法は、それによ
って、触媒系成分、例えば、触媒的に活性の錯体ロジウム−リン化合物及び追加
の又は過剰のホスフィン又はホスファイト(亜リン酸エステル)が、本質的に水
溶液によって抽出されない様式で運転することができる。従って、この回収方法
の運転によって、触媒成分を含むヒドロホルミル化溶媒相をヒドロホルミル化反
応器に再循環することができるので、ヒドロホルミル化製造系からの触媒の如何
なる顕著な損失にもならない。この水相は、そこで式(I)及び(II)の化合物
が、水素化によりアルカノールのような他の化合物に転化される他の方法への供
給原料として使用することができる。また、このアルデヒドは減圧下での蒸留に
より水を除去することによって単離することができるが、この精製された乾燥ア
ルデヒド(I)の回収は、以下に説明する理由のために非常に効率的ではない。
【0022】 水の豊富な条件下でのジオール(II)の生成及び水の低い条件下でのヘミアセ
タールの生成は、一般的にヒドロキシル含有物質と反応するアルデヒド(I)の
強い傾向に基づいている。しかし、アルデヒド(I)とヒドロキシル含有物質と
の間の反応生成物は、より高い分子量を有してはいるが、それ自体ヒドロキシ含
有物質である。そこで、非常に低い水含有量で、増加し続ける分子量のヘミアセ
タールオリゴマーが生成され、成長するオリゴマーの中に増加し続ける%の遊離
アルデヒド(I)が含まれる。
【0023】 この増加し続けるヘミアセタールオリゴマーの分子量の結果は多様である。第
一に、蒸留ポット内の温度が上昇する。これらのより高い温度での、ヘミアセタ
ールオリゴマーの生成は、結局はアルデヒド(I)の放出を逆にし、結局は水の
放出も逆にする。しかし、上昇する温度によって、また、不純物が、ヘミアセタ
ールオリゴマー、遊離アルデヒド(I)及びジオール(II)の、水の放出による
アセタールオリゴマー、アルドール縮合生成物及びティチェンコ(Tische
nko)エステルのような他の物質への不可逆的転化に触媒作用する。これらの
不可逆副生物が生成される程度まで、純粋な遊離アルデヒド(I)の回収は低下
する。この損失の程度は、元の生成物中の不純物の程度に依存するが、典型的な
不純物レベル条件下で、2%から70%のように大幅に変化する。
【0024】 ヘミアセタールオリゴマーの生成は、遊離アルデヒド(I)及び水の放出を可
逆的にし得るので、より高い分子量のオリゴマーを生成する傾向の第二の結果は
、留出した生成物が決して完全に乾燥状態にならないことである。この解オリゴ
マー化により放出された水の大部分は、水と遊離アルデヒド(I)との間の沸点
の50℃以上の差のために、留出物を通過して真空トラップの中にフラッシュす
る。それにも拘わらず、アルデヒド(I)が水を保持する強い頑固さのために、
200PPM より低い水レベルを達成することは困難である。
【0025】 他の関連する結果は、25mmHgの圧力での沸点に於けるそれらの25℃の差に
も拘わらず、2−FTHFを3−FTHFから分離することに於ける問題である
。この分離は、ヘミアセタールの解オリゴマー化が低沸点異性体である2−FT
HFを放出し始めるまでは容易である。生成する間に、ヘミアセタールオリゴマ
ーは、2−FTHF及び3−FTHF遊離アルデヒド(I)をランダムに含む。
それ故、熱分解の間に、これらは2−FTHF及び3−FTHF遊離アルデヒド
(I)をランダムに放出する。そこで、予め低沸点2−FTHFを除去した3−
FTHFを精留法により蒸留することは、再び2−FTHFによって汚染される
ことになる。本発明者は、この分離が、蒸留ポット温度を110℃より低く保持
することによって可能であることを見出した。この温度まで、ヘミアセタールオ
リゴマーの解オリゴマー化は顕著ではなく、それで2−FTHF汚染物質の放出
も顕著ではない。しかしながら、この温度で、全遊離アルデヒド(I)及びジオ
ール(II)の30〜70%は、オリゴマー物質内に結合されたままである。この
時点で次の分離のために2−FTHF及び3−FTHFを回収する唯一の代替は
、次の再精留のために解オリゴマー化によって放出され、一緒になった遊離アル
デヒド(I)を集めることである。本発明者は、110℃〜185℃の蒸留ポッ
ト温度での解オリゴマー化から集められた遊離アルデヒド(I)が、この再処理
に適していることを見出した。追加の少量の物質を185℃〜230℃の蒸留ポ
ット温度から集めることができる。しかしながら、その色はますますより黒い黄
色になり、その遊離アルデヒド(I)及びジオール(II)含有量は、ポット温度
が上昇すると、ますます低くなる。この第二の2−FTHF及び3−FTHF回
収の後でポット内に残留している物質は、最初に供給された遊離アルデヒド(I
)及びジオール(II)の量の2%〜30%を示す。
【0026】 オリゴマーの増加する分子量の最終の結果は、水を避けることが、それらの生
成を防止しないことである。ヒドロキシル含有物質に対する遊離アルデヒド(I
)の親和性は、任意の電子対供与体が満足し得る電子欠損によって起こされる。
他の電子対供与体の非存在下において、遊離アルデヒド(I)のカルボニル基の
電子対は、不可逆的にポリアセタールに至るのに十分である。そこで、無水遊離
アルデヒド(I)の蒸留によって、オリゴマーの生成は防止されない。反対に、
これは、より多量の可逆的オリゴマーを生成するヒドロキシル含有物質とは対照
的に、不可逆的オリゴマーの生成を増加させることにより遊離アルデヒド(I)
の損失を増加させる。
【0027】 換言すると、減圧での分別蒸留による水除去は、水含量が10重量%より下に
落ちるまで容易である。この点で、蒸留ポット混合物は、主として遊離アルデヒ
ド[FTHF、化合物(I)]及びジェムグリコール[DHMTHF、化合物(
II)]を含む。存在する任意の遊離水は、水及び化合物(I)を作るための平衡
移動によって化合物(II)から放出された一次水である。しかしながら、化合物
(I)の量が増加するに従って、ヒドロキシル基について化合物(II)内で、水
を放出する移動平衡と競合する。化合物(I)が化合物(II)と反応するとき、
これは2に等しいnを有する化合物(III )であるヘミアセタール(これはまた
、FTHFの2単位オリゴマーである)を生成する。
【0028】
【化3】
【0029】 2又はそれ以上のnを有するヘミアセタール形である場合には、化合物(III
)は水を放出しない。たとえ、それが系内の他の成分となお平衡状態にあっても
、これは、最初に、化合物(I)のn−1単位と化合物(II)の1単位とに順次
分解しなくてはならず、その後化合物(II)は、化合物(I)のもう1個の単位
及び水に分解する。化合物(III )はそれ自体ジオールであるので、これは存在
する遊離化合物(I)を加えて、1ほど増加したnを有する他の化合物(III )
を生成することができる。実際に、遊離親水性化合物(I)の濃度が、それと反
応するための水OH基の不十分な量を伴って十分に高く上昇するとき、これは正
確に起こることである。この効果は2倍である。第一に、FTHFは、水除去が
進行すると一層しっかりと水に有効に保持され、第二に、ヘミアセタールの平均
分子量は同時に増加する。
【0030】 蒸留ポット内の全ての存在する化合物(III )は、結局は、最初に供給された
遊離アルデヒドのかなり多量を含有する。化合物(III )の中へのホルミルテト
ラヒドロフランの含有は、バルク溶液中に最初に存在していたものに比例して、
ランダムに2−ホルミルテトラヒドロフラン及び3−ホルミルテトラヒドロフラ
ンからなる。しかしながら、化合物(III )の分解はランダムではなく、より大
きなヘミアセタールオリゴマーは、主鎖をモノマー化合物(I)及び水に分解す
るためにより高い温度を必要とする傾向がある。これは、水及び遊離FTHF異
性体の最後のトレース量の両方を分離する際の主な問題点を構成する。
【0031】 沸点に於ける23℃の差(2−FTHF沸点、39〜42℃/14mm及び3−
FTHF沸点、62〜64℃/14mm)で、この二つの異性体は、僅かな理論段
数の蒸留塔で容易に分離されるはずである。しかしながら、殆ど全ての遊離の低
沸点2−FTHFが除去され、より高い沸点の遊離の3−FTHFが蒸留を開始
するとき、ポット温度も上昇する。この温度上昇は、次第に多くのランダム化合
物(III )を解オリゴマー化させる。それらの沸点よりも実質的に高い温度で、
蒸留ポット内の新しく単離された水及び2−FTHFにより、これらは生成物の
中にフラッシュし、それによってそれを汚染し、異性体の定量的分離及び脱水を
非常に困難にする。
【0032】 前記のように、本発明で使用されるヒドロホルミル化生成物溶液は、少なくと
も1種の前記のアルデヒドに加えて、ロジウム及び有機ホスフィン化合物からな
る触媒系並びにヒドロホルミル化溶媒からなる。この触媒系のロジウム成分は、
その中でヒドロホルミル化を実施する有機反応媒体中に可溶性である種々のロジ
ウム化合物の何れか1種により準備することができる。このような可溶性ロジウ
ム化合物の例には、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムクロリド、トリ
ス(トリフェニルホスフィン)ロジウムブロミド、トリス(トリフェニルホスフ
ィン)ロジウムヨージド、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムフルオリ
ド、2−エチルヘキサン酸ロジウム二量体、酢酸ロジウム二量体、プロピオン酸
ロジウム二量体、酪酸ロジウム二量体、吉草酸ロジウム二量体、炭酸ロジウム、
オクタン酸ロジウム二量体、ドデカカルボニルテトラロジウム、2,4−ペンタ
ンジオン酸ロジウム(III )、ロジウム(I)ジカルボニルアセトニルアセトネ
ート、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムカルボニルヒドリド[(Ph
3P:)3Rh(CO)−H]並びにロジウム(シクロオクタジエン)ビス(ト
リベンジルホスフィン)テトラフルオロボラート及びロジウム(ノルボルナジエ
ン)ビス(トリフェニルホスフィン)ヘキサフルオロホスフェートのようなカチ
オン性ロジウム錯体が含まれる。
【0033】 この触媒系の活性及び選択率は、通常、ロジウムの原料に対して比較的非感受
性である。触媒溶液中のロジウム[Rh]の濃度は、0.1〜100,000pp
m の範囲内であってもよいが、ロジウムの非常に低い濃度は、反応速度が許容さ
れないほど低いので、商業的に望ましくない。ロジウム濃度の上限は、臨界的で
はなく、基本的にロジウムの高い費用によって決定される。従って、触媒溶液中
のロジウム[Rh]の濃度は、好ましくは、10〜10,000ppm 、最も好ま
しくは、100〜5000ppm の範囲内である。
【0034】 この触媒系の有機ホスフィン又はホスファイト成分の例は、その中に引用され
ている文献を含む本明細書で参照した特許に記載されている。追加の有機ホスフ
ィンは、米国特許第4,742,178号、同第4,755,624号、同第4
,774,362号、同第4,871,878号、同第4,873,213号及
び同第4,960,949号に開示されている。触媒系の有機リン化合物として
、第三級(3置換された)ホスフィン及びホスファイト化合物を使用することが
できる。このようなホスフィン及びホスファイトの例には、トリブチルホスフィ
ン、トリブチルホスファイト、ブチルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニル
ホスファイト、ジブチルフェニルホスファイト、トリベンジルホスフィン、トリ
ベンジルホスファイト、トリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホ
スファイト、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジ
フェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ブタンビス(ジベンジルホスファイト
)、2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−1,1′−ビフェニル及
び1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ベンゼンが含まれる。典型的な
ホスフィン及びホスファイト配位子は、一般式:
【0035】
【化4】
【0036】 (式中、R1 ,R2 及びR3 は、同じか又は異なっており、それぞれ炭素数12
以下のヒドロカルビルであり、そしてR4 は、炭素数2〜8の鎖によって2個の
リン原子に結合している2価のヒドロカルビレン基である) によって表すことができる。R1 ,R2 及びR3 が表すことができるヒドロカル
ビル基の例には、ベンジルのようなアリール置換アルキルを含むアルキル、シク
ロヘキシル及びシクロペンチルのようなシクロアルキル並びにフェニル及び1個
又はそれ以上のアルキル基によって置換されたフェニルのようなアリールが含ま
れる。エチレン、トリメチレン及びヘキサメチレンのようなアルキレン、シクロ
ヘキシレンのようなシクロアルキレン並びにフェニレン、ナフチレン及びビフェ
ニレンが、R4 が表すことができるヒドロカルビレン基の例である。
【0037】 この触媒系の有機リン化合物は、好ましくは、上記式(I)を有するもののよ
うな3置換モノホスフィン化合物である。トリフェニルホスフィン、トリシクロ
ヘキシルホスフィン及びトリベンジルホスフィンが、最も好ましい有機リン化合
物である。この触媒系中に存在する、有機リン化合物のモルの、ロジウムのグラ
ム原子に対する比は、典型的に、2:1〜10,000:1であり、2.5:1
〜1000:1の範囲内の比が好ましく、3:1〜100:1が最も好ましい。
【0038】 ヒドロホルミル化生成物溶液の溶媒成分は、標準温度及び圧力で液体であり、
そして使用される水抽出溶媒の密度から少なくとも0.02g/mL異なっている
密度を有する、種々のアルカン、シクロアルカン、アルケン、シクロアルケン及
び炭素環式芳香族化合物から選択することができる。脂肪族溶媒及びシクロ脂肪
族溶媒の数種中のホルミルテトラヒドロフラン溶解度は限定されるが、この事実
は、ヒドロホルミル化反応及び同様の速度で抽出機の中に入る二つの反応相を保
持するように十分な攪拌が与えられる限り次の抽出の間に問題を起こさない。同
様に、アルケン及びシクロアルケンの数種は、それ自体ヒドロホルミル化反応を
受けるが、この事実もまた、オレフィン置換が、2,5−ジヒドロフランのヒド
ロホルミル化に対して小さく、そのヒドロホルミル化を保持するために十分であ
る限り、問題を起こさない。このような溶媒の具体例には、ドデカン、デカリン
、オクタン、イソオクタン混合物、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロド
デカン、メチルシクロヘキサンのようなアルカン及びシクロアルカン;ベンゼン
、トルエン、エチルベンゼン、キシレン異性体、テトラリン、クメンのような芳
香族炭化水素、ジイソプロピルベンゼン、トリイソプロピルベンゼン及びter
t−ブチルベンゼンの異性体のようなアルキル置換芳香族化合物並びに1,7−
オクタジエン、ジシクロペンタジエン、1,5−シクロオクタジエン、オクテン
−1、オクテン−2、4−ビニルシクロヘキセン、シクロヘキセン、1,5,9
−シクロドデカトリエン、ペンテン−1のようなアルケン及びシクロアルケン並
びにナフサ及びケロセンのような粗製炭化水素混合物が含まれる。
【0039】 一般的に、極性官能基、例えばケトン及びエステル又は炭素及び水素以外の原
子を有する溶媒は好ましくない。それは、このような溶媒が、大きすぎる水溶解
度及び/若しくは満足できる分配特性を与えるようにエマルジョンを形成する傾
向を有しそして/又は触媒系に悪影響を与えるためである。しかしながら、イソ
酪酸イソブチル及びフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)のような、より高い分
子量の極性ケトン、エーテル及びエステル極性化合物は、良好な結果を与えるこ
とを見出した。好ましいヒドロホルミル化溶媒は、0.6〜0.9の範囲内の密
度を有し、炭素数6〜20のエステル、炭素数5〜20のアルカン、炭素数7〜
15のアルキル置換ベンゼン、テトラヒドロナフタレン及びデカヒドロナフタレ
ンから選択される。
【0040】 ヒドロホルミル化生成物溶液中のFTHFの濃度は、臨界的ではなく、広い範
囲で許容できる結果を与える。例えば、ヒドロホルミル化生成物溶液中のFTH
Fの濃度は、ヒドロホルミル化生成物溶液の全重量基準で、20〜80重量%、
好ましくは50〜70重量%の範囲内であってよい。同様に、ヒドロホルミル化
生成物溶液中のヒドロホルミル化溶媒の濃度は、広く変化させることができる。
実際的な上限は、循環させようとする生成物に対する溶媒の限界に依存し、大体
積を循環させる際に特別の利点又は欠点はない。生成物1体積当たり3又は4の
溶媒体積で、好ましい上限は、80体積%の溶媒である。実際的な下限は、ヒド
ロホルミル化溶媒相が、向流の水相から分離し、水相を通って上昇するように、
全有機相の密度をヒドロホルミル化生成物溶液の密度よりも少なくとも0.02
g/mL小さくすべきであるという条件で、有機ヒドロホルミル化溶媒の密度及び
水性抽出剤の密度に依存する。例えば、溶媒としてトルエン(d=0.8669
)及び水性抽出剤として純粋な水(d=1)で、実際的な低い好ましい範囲は、
35体積%の溶媒である。ヒドロホルミル化溶媒は、好ましくは、ヒドロホルミ
ル化生成物溶液の全体積の40〜70重量%、最も好ましくは35〜50重量%
を構成する。ロジウム及び有機リン触媒成分は、典型的にヒドロホルミル化生成
物溶液の10重量%未満を構成する。
【0041】 ヒドロホルミル化溶媒の選択に影響を与える他の要因は、水相の中への溶媒の
溶解度又は分配である。水相中のヒドロホルミル化溶媒の溶解度が、触媒成分よ
りも大きい場合には、再循環触媒中で触媒濃度が徐々に上昇し、補充溶媒の添加
が必要である。水相中のヒドロホルミル化溶媒の溶解度が、触媒成分よりも小さ
い場合には、再循環触媒中で触媒濃度が徐々に低下し、補充触媒の添加が必要で
あろう。触媒系及び有機ヒドロホルミル化溶媒の両方は、水相中で幾らかの溶解
度を示すので、ヒドロホルミル化/抽出方法の長期間の運転に亘って、再循環触
媒に溶媒及び触媒成分を添加することが通常必要である。好ましい補充速度は、
向流抽出機内で異常な量のエマルジョンが生成されるか又は溶媒が水性抽出剤中
で異常な溶解度を有する場合を除いて、通常、1サイクル当たり全再循環触媒体
積の1〜5体積%である。
【0042】 本発明の抽出方法の第一の工程に従って、上記のヒドロホルミル化生成物溶液
を水と緊密に接触させる。水:ヒドロホルミル化生成物溶液の重量比は、典型的
に、0.1:1から4:1まで変化させることができる。実際の比は、その全体
積よりも反応混合物中のFTHF含有量に一層依存する。従って、水のFTHF
含有量に対する3:1〜1:3の重量比が好ましく、2:1〜1:2の重量比が
最も好ましい。45〜60体積%の最も好ましい溶媒濃度内で、水の全反応混合
物に対する最も好ましい比は、1.3:1〜1:10の重量比になる。
【0043】 ジオール(II)及びオリゴマー(III )の生成についての証拠は、下記の実験
で示された。FTHFは、単純誘電溶媒相互作用(simple dielectric solvent
interactions)を外見上越えた、水との強い相互作用のために高い水溶解度を示
す。従って、粗製ヒドロホルミル化生成物溶液の水抽出の間に温度は15℃を越
えて上昇し、純粋な水(d=1)又は純粋な3−ホルミルテトラヒドロフラン(
d=1.078)のものよりも顕著に高い水性生成物密度によって、抽出の間の
1種又はそれ以上の新しい高密度物質の生成が示唆される。23℃での3−FT
HFの水溶液の密度を、表Iに示す。表Iに於いて、FTHF濃度は、本質的に
純粋な水中の3−FTHFの重量%濃度である。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】 表I中に示す最大密度は、3−DHMTHFについての組成物にほぼ対応する
。3−DHMTHFには、1個の3−FTHF分子(MW=100.11831
)及び1個のH2 O分子(MW=18.01534)の要素が含まれている。従
って、3−DHMTHF中の3−FTHFの重量%当量は、100.11831
/(100.11831+18.01534)=84.75重量%であり、これ
は、3−FTHF重量%対密度チャートに於ける80重量%での最大値に匹敵す
る。3−FTHFを水に添加したときの3−DHMTHFの生成の証拠は、プロ
トン核磁気共鳴分光法から得られる。室温で、水性3−FTHFの50重量%溶
液は、2種の成分、即ち、79モル%の3−DHMTHF及び僅か21モル%の
3−FTHFを示す。更に、水濃度を直接的に又は水混和性溶媒を使用すること
によって変化させることによって、3−DHMTHF:3−FTHFモル比が可
逆的に変化し、2種の成分の間の迅速に確立された平衡が示され、同様にそれら
の相対的安定性が示される。プロトン核磁気共鳴分光法によって求めたときの、
変化した水/3−FTHF濃度での3−FTHF及び3−DHMTHFの相対量
を表IIに示す。表IIに於いて、「水」、「3−FTHF」及び「溶媒」について
示される値は、3成分組成物の全重量基準の重量%であり、「溶媒」はCD3
OCD3 (NMR溶媒)を指す。
【0047】
【表3】
【0048】 表IIに於いて、3−FTHF成分について示される値は、水溶液中でこれは3
−FTHF及び3−DHMTHFの両方として存在するが、組成物中に溶解して
いる3−FTHFの量である。また、水溶液中の3−FTHFの幾らかは、例え
ば、濃度に依存して、(非常に高い濃度で)約70モル%までアセタールの形で
存在するが、通常、(50重量%濃度で)僅かに約0.5モル%の3−FTHF
が、構造:
【0049】
【化5】
【0050】 (式中、nは2である) を有するアセタールの形である。
【0051】 追加の確認証拠は、水相中の水の濃度への、下記に定義される抽出係数(K)
の直線依存性(下記の表III 参照)に見出すことができる。二つの相の間の単純
溶媒和平衡
【0052】
【数1】
【0053】 により必要なような残りの定数の代わりに、水の濃度への直線依存性は、下記の
平衡:
【0054】
【数2】
【0055】 (ここで、二つの平衡化成分の溶解度は、2個の相の間で異なっている) を示唆する。
【0056】 本発明者は、触媒及びFTHFの両方の抽出が、それらの分配係数によって最
も良く表されることを見出した。例えば、水相とトルエン相との間で分配するF
THFについて下記に定義されるような分配係数は、室温で水相中の50重量%
水濃度(31モル濃度)で5.9である。 [3−FTHF]3FTHF =5.9=──────────── [3−FTHF]トルエン
【0057】 この場合に、K3FTHF は、3−FTHFについての分配係数であり、[3−F
THF]は、水相中の3−FTHFの濃度であり、[3−FTHF]トルエン は、トルエン相中の3−FTHFの濃度である。抽出水の濃度への分配係数の直
線依存性は、表III 中に見ることができる。表III に於いて、Mは水のモル濃度
であり、K(トルエン)は、水と溶媒トルエンとの間の分配係数であり、そして
K(3fthf)は、水と基体3−FTHFとの間の分配係数である。
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】 3回の抽出サイクル等価(equivalent)は、ヒドロホルミル化溶媒
相からFTHFを本質的に定量的に回収するのに十分である。抽出の間のエマル
ジョンの生成は、より低い抽出効率になり得るが、回収されなかったFTHFは
、ヒドロホルミル化反応器に戻る再循環触媒と一緒に単に再循環し、ここでこれ
らは変化しないままであり、次の水性抽出の間に回収することができる。このよ
うなエマルジョンは、完全に分離するために2〜48時間又はそれより長い時間
を必要とし得るので、それらは可能なとき、それらの分離を助けるために凝集剤
を使用するときでも避けるべきである。本発明の方法では、好ましくは、(エマ
ルジョンの生成を起こす)乱流を最小にし、エマルジョン生成が小さいままであ
るように凝集機として作用する向流抽出機が使用される。
【0061】 FTHF抽出へのエマルジョン生成の影響は、二つの理由のために最小である
。第一に、この抽出は、FTHFを有機相から水相の中へ移動させ、そこで向流
抽出機が、水相及びそのエマルジョンを数回抽出することができる。従って、1
の分配係数でも、3サイクル抽出等価で生成物の88%を除去するために十分で
ある。第二に、10%のエマルジョン(大きい数字)でも、5.9の分配係数を
4.8まで下げるのみである。この場合に、3サイクル抽出等価は、抽出機に入
るFTHFの99%以上を回収するために依然十分である。
【0062】 FTHF及びDHMTHFは、二次抽出溶媒として作用するので、ヒドロホル
ミル化触媒系のロジウム及び有機リン成分の若干、例えば2重量%以下は、水性
抽出相の中に抽出することができる。水相の中に抽出された触媒成分の量は、通
常、その分配係数についての如何なる有利な値に無関係に、大量のエマルジョン
が生成したとき、顕著に大きい。この場合に、下記に定義されるような水相とト
ルエン相との間の分配係数は、室温で水相中の50重量%水で、0.0043で
ある。 [ホスフィン]ホスフィン=0.0043=─────────── [ホスフィン]トルエン
【0063】 この場合に、Kホスフィンは、トリフェニルホスフィンについての分配係数で
あり、[ホスフィン]は、水相中のトリフェニルホスフィンの濃度であり、[
ホスフィン]トルエンは、トルエン相中のトリフェニルホスフィンの濃度である
。また、この場合に、3−FTHF及び3−DHMTHFが(それらの水依存性
濃度で)二次抽出溶媒として作用することのみを除いて、分配係数は水依存性を
示す。触媒の他の成分であるロジウムは、主として、ロジウム(I)ヒドリドカ
ルボニルビス(トリフェニルホスフィン)錯体として存在し、同様の分配係数で
トリフェニルホスフィンを随伴する。3サイクル等価抽出は、トルエン相内にト
リフェニルホスフィン及びロジウムの98.7%を残す。しかし、10%のエマ
ルジョンは、有効分配係数を0.095に変化させ、そうしてトルエン相内に残
留するトリフェニルホスフィン及びロジウムは、供給された量の76%に過ぎな
い。
【0064】 この大きさの触媒損失及び付随する下流の生成物汚染は許容できない。両方の
場合に、特に後者の場合に、水性抽出相を、上記の方法から得られた水相が、実
質的に汚染されていないヒドロホルミル化溶媒と緊密に接触される第二の抽出に
付すことが有利であるか又は必要でさえあろう。第二の抽出では、有機溶媒中で
、第一又は主抽出で水相の中に抽出される全ての触媒成分、即ち、ロジウム及び
/又は有機リン化合物が回収されるのみならず、水相から、所望の3−異性体の
純度を改良するための水相の蒸留に悪影響を有する触媒物質が除去される。好ま
しくは、第二の抽出は、有機ヒドロホルミル化溶媒及び水性抽出相の向流抽出を
使用し、水相の1体積当たり少なくとも0.05体積の有機溶媒を使用して実施
される。有機溶媒の水相に対する更に好ましい体積比は、典型的に、0.1:1
〜0.5:1の範囲内である。第二の抽出は、0〜70℃の温度で実施すること
ができ、15〜35℃の範囲が好ましい。次いで、触媒成分及び逆抽出されたF
THFを含む有機溶媒をヒドロホルミル化反応器に再循環させて、この抽出から
回収された触媒成分及びFTHFを回収することができる。しかしながら、追加
の溶媒によるヒドロホルミル化触媒溶液の過剰の希釈を防止するために、第二抽
出で使用された追加の溶媒の大部分は、通常、第二の抽出で再使用するために最
初に回収されるべきである。
【0065】 この例に於いて、新鮮なトルエンによる水相のこのような逆抽出は正当化され
る。逆抽出の間に、乳剤%が20%(起こりそうもないこと)まで上昇した場合
でも、3サイクル等価抽出は、最初に供給されたホスフィン及びロジウムの0.
3%を回収するために十分である。殆ど全ての他のケースは、このケースよりも
良い。そして触媒成分の高いコストでは、殆ど定量的な回収が重要である。
【0066】 FTHFの高い水溶解度のために、未変性の水抽出剤の中へのそれらの早い完
全な抽出を確実にするのに、他の添加剤は必要ではない。FTHF及び特にDH
MTHFの高い極性は、比較的非極性のヒドロホルミル化溶媒及び触媒成分の最
少の抽出を確実にし、そうしてこれらの分離もほぼ完全である。更に詳しくは、
アルカノール及び/又は塩変性剤の添加は、単に、再循環触媒中の水の溶解度並
びに水相中のヒドロホルミル化溶媒及び触媒成分の溶解度を増加させるために機
能するにすぎない。更に重要なことに、このような変性剤は、実質的に純粋な最
終製品を得るために続いて除去しなくてはならない汚染物質を表す。
【0067】 本発明者はまた、出発物質である2,5−ジヒドロフラン及びその異性体であ
る2,3−ジヒドロフランが、比較的非極性のヒドロホルミル化溶媒を水性抽出
媒体の中に溶解するための及び逆に水をヒドロホルミル化溶媒の中に溶解するた
めの優れた可溶化剤(テトラヒドロフランと同様)であることを見出した。従っ
て、ヒドロホルミル化反応器内で、出発物質である2,5−ジヒドロフランの、
有機ヒドロホルミル化溶媒の中への水への可溶化効果によって、出発物質のヒド
ロホルミル化ではなくて、テトラヒドロフランへの出発物質の水素化のような反
応障害を回避する際に重要である均一な反応媒体が確実になる。それ故、新鮮な
溶媒での逆抽出による触媒成分の回収の必要性を最小にするために、最終抽出性
生成物中のこれらのテトラヒドロフラン様物質の高い濃度を回避することが重要
である。これは、ヒドロホルミル化を、2,5−ジヒドロフランの2,3−ジヒ
ドロフランへの異性化を回避するために低い温度でヒドロホルミル化を行い、過
剰量のテトラヒドロフランの生成を回避するために必要な1:1化学量論を越え
た実質的過剰の水素を含まない合成ガスを使用し、そしてヒドロホルミル化生成
物溶液中の顕著な量の2,5−ジヒドロフランを回避するために高い転化率まで
反応を行うことを意味する。また、これらの化合物は、抽出の前に、低温度ガス
ストリッピング又は蒸留によって除去することができる。これらの3成分が、生
成物中の全てのフラン誘導体の50%よりも少なく残っている限り、この範囲の
高い端で両抽出相の顕著な交差汚染があろうとも、抽出は作動する(即ち、これ
は二つの相に分離するであろう)。より望ましい濃度は、これらの3種のテトラ
ヒドロフラン様成分を、生成物中の全てのフラン誘導体の35%より低く保持す
る。しかしながら、本発明に従って抽出に付されたヒドロホルミル化生成物溶液
には、15重量%より少ない、好ましくは、10重量%より少ない2,5−DH
F、2,3−DHF、THF又はこれらの全ての2種若しくはそれ以上の混合物
が含有されている。
【0068】 本発明者は、水抽出剤中のFTHFの溶解度が、より低い抽出温度でより高い
ことを見出した。従って、ヒドロホルミル化反応温度、例えば、50〜85℃の
ものよりも高い温度を使用して利点は達成されず、優れた結果は、抽出温度が、
特に水性抽出の間に起こる溶媒和/反応に付随する15℃以下の発熱を有するヒ
ドロホルミル化反応器のものよりも低いとき得られる。抽出工程は、好ましくは
0〜70℃の範囲内、最も好ましくは、25〜45℃の範囲内の初期温度で実施
される。25〜45℃の範囲は、抽出効率、平衡に達する速度及び溶媒和/反応
発熱の観点から最も実際的である。
【0069】 ヒドロホルミル化生成物溶液と水とが接触する、即ち、相分離の前の時間は、
相が平衡に達する速度に依存性である。実際に、これは1分以下から3時間を越
える実際的でない長い混合時間まで変化し得る。
【0070】 ヒドロキシブチルアルデヒドへのそのヒドロホルミル化の間、成功する水性生
成物抽出のために、アリルアルコールの高い転化についての公表された必要条件
とは反対に、本発明者は、前記した低い2,5−ジヒドロフラン転化戦略が運転
可能であるのみならず、非常に低レベルの望まない2−FTHFを含有する生成
物を製造するために好ましいことを見出した。遙かに高い沸点及びヒドロキシル
基の存在のために、この運転方式は、アリルアルコールのヒドロホルミル化に続
く水性抽出生成物回収に於いては適していない。2,5−DHFは、2,5−D
HFのヒドロホルミル化よりも遙かに遅い速度ではあるが、2−FTHFにヒド
ロホルミル化される2,3−DHFに異性化され得るが、2,5−DHFは3−
FTHFにのみヒドロホルミル化されるので、この運転方式は2,5−DHFで
成功する。水性抽出の前の、反応混合物からの未反応DHFの分離は、それらの
低い沸点のために簡単である。従って、低い2,5−DHF転化率で反応を停止
することは、2,3−DHF濃度を低レベルで保持することによって、2−FT
HFの生成を最小に保持する。部分的に完結した反応から未反応DHFを分離す
ることによって、望まない2,3−DHFの除去及び精製した2,5−DHFの
ヒドロホルミル化反応器への戻しを伴う、これらの次の蒸留分離が可能になる。
2,5−DHF転化率を50%より低く保持するこの運転技術を使用することに
よって、95%の2,5−DHF転化率で、2,3−DHFとして除去される5
%の物質よりも低いコストで、2−FTHF不純物含有量をその値の10〜0.
1%まで下げられる。得られる抽出された水性生成物は、典型的な反応条件で2
00:1〜20,000:1の3−FTHF:2−FTHFの比を示す。
【0071】 2,5−DHFのヒドロホルミル化は、40〜180℃の範囲内の温度で実施
することができる。しかしながら、2,5−DHF反応剤の2,3−ジヒドロフ
ラン(2,3−DHF)への異性化を最小にするために、このヒドロホルミル化
は、通常、50〜85℃の範囲内の温度で実施されるであろう。2,5−DHF
反応剤の2,3−DHFへの異性化は、2−FTHF及び3−FTHFの混合物
の生成に至る。これらの異性体の共生成は、それらの抽出分離に於いて問題を示
さないが、2,3−DHFは3:1の比で2−FTHF及び3−FTHFを生成
するので、これは所望の3−FTHFの上限収率を30%に限定する。ヒドロホ
ルミル化に使用される全圧力は、0.01〜35mPa (1.5〜5000psig)
の範囲内であってよく、0.35〜7mPa (50〜1000psig)の範囲内の全
圧力が好ましい。合成ガス内の一酸化炭素の水素に対するモル比は、3:1〜0
.3:1であってよく、2:1〜0.5:1のモル比が更に一般的である。前記
のように、過剰量のテトラヒドロフランの生成を避けるために、合成ガスには、
好ましくは、実質的過剰の水素は含有されていない。
【0072】 本発明の方法を、下記の実施例によって更に示す。下記の参考例は、本発明の
方法で使用されるヒドロホルミル化生成物溶液及びホルミルテトラヒドロフラン
の製造のためのヒドロホルミル化手順を記載する。本明細書で使用する反応剤の
転化率%は、 転化された反応剤のモル数 ───────────── × 100 供給された反応剤のモル数 であり、特定の化合物の選択率%は、 所望の生成物に転化された反応剤のモル数 ──────────────────── × 100 転化された反応剤のモル数 である。
【0073】参考例1 300mLのステンレススチール製オートクレーブに、150mLの2,5−DH
F(d=0.927、139g、1.93モル)、37.6mgのジカルボニルロ
ジウム(I)アセチルアセトネート(0.147ミリモル)及び95.4mgのト
リフェニルホスフィン(0.364ミリモル)を装入した。リン対ロジウム原子
比は2.50であり、ロジウムの濃度は100ppm (w/v)であった。このオ
ートクレーブを密閉し、この系に2.17mPa (300psig)の合成ガス(水素
対一酸化炭素比=1.01:1)を装入し、急速に攪拌し、そしてオートクレー
ブ内容物を70℃に加熱することによって運転を始めた。反応の過程の間に、合
成ガスをリザーバーから間欠的に再装入することによって、合成ガス圧力を2.
17mPa (300psig)に維持した。42時間かかって、合成ガス圧力低下は合
計で45.95mPa (6650psig)に達し、この時点で、吸収は殆ど停止した
【0074】 反応生成物混合物のサンプルのガスクロマトグラフィー(GC)分析によって
、95.4%の出発物質転化率、94.7%の3−FTHFへの選択率及び2.
2%の2−FTHFへの選択率が示された。この生成物の蒸留によって、83.
5〜85.5℃/32トール又は74.0〜75.5℃/17トールで沸騰する
物質(示されたGC分析は98.9%純度の3−FTHFであった)が得られた
。この分別蒸留の経過の間に、ポット温度は127℃の最高にまで達し、生成物
回収は僅か54%であった。蒸留が完結した後の蒸留ポット残渣のガスクロマト
グラフィー分析により、おそらく、生成物中のアルデヒドのホスフィン補助アル
ドール縮合により起こされた、多数のオリゴマー性副生物が示された。 この参考例は、2,5−DHFから得られたヒドロホルミル化生成物を、蒸留
により回収したとき得られた結果を示す。
【0075】参考例2 2,5−DHF反応剤を75mLまで減少させ、そして75mLのトルエン溶媒を
添加した以外は、参考例1を繰り返した。GC分析により測定された、出発物質
の95%転化率を達成するために必要な時間は、23.0時間であった。3−F
THFの2−FTHFに対する選択率及び比は、本質的に例1に於けるものと同
じであった。これらのトルエン溶媒を含有する一緒にした実験の幾つかの生成物
の蒸留による99.0%純度の3−FTHFの回収率は49%であった。
【0076】参考例3 合成ガス圧力が4.58mPa (650psig)であった以外は、参考例2を繰り
返した。GC分析により測定された、出発物質の95%転化率を達成するために
必要な時間は、23.5時間であった。3−FTHFの2−FTHFに対する選
択率及び比は、本質的に例1に於けるものと同じであった。
【0077】参考例4 合成ガス圧力が0.79mPa (100psig)であった以外は、参考例2を繰り
返した。GC分析により測定された、出発物質の95%転化率を達成するために
必要な時間は、19.5時間であった。3−FTHFの2−FTHFに対する選
択率及び比は、本質的に例1に於けるものと同じであった。
【0078】参考例5 12:1のリン:ロジウム原子比を得るために、トリフェニルホスフィンの量
を増加させた以外は、参考例2を繰り返した。出発物質の95%転化率を達成す
るために必要な時間は、18.0時間であった。3−FTHFへの選択率は91
.9%であり、2−FTHFへの選択率は7.9%であった。
【0079】参考例6 初期の2,5−DHF装入量が150mLであり、トルエン溶媒を削除した以外
は、参考例5を繰り返した。2,5−DHFの95%転化率を達成するために必
要な時間は、39.0時間であった。3−FTHFへの選択率は92.7%であ
り、2−FTHFへの選択率は7.1%であった。この例は、不活性反応溶媒の
不存在は、触媒のホスフィン成分に於ける顕著な変化でも、ヒドロホルミル化反
応の結果に影響と有しないことを示している。
【0080】参考例7 トリフェニルホスフィンをトリシクロヘキシルホスフィンで置き換えた以外は
、参考例5を繰り返した。2,5−DHFの95%転化率を達成するために必要
な時間は、16.5時間であった。この時点での生成物のGC分析により、3−
FTHFへの選択率91.0%及び2−FTHFへの選択率8.2%が示された
【0081】参考例8 トリフェニルホスフィン触媒成分を等モル量の亜リン酸トリメチルで置き換え
た以外は、参考例5を繰り返した。2,5−DHFの95%転化率を達成するた
めに必要な時間は、24.0時間であった。生成物のGC分析により、3−FT
HFへの選択率89.2%及び2−FTHFへの選択率9.1%が示された。
【0082】参考例9 合成ガス中の水素の一酸化炭素に対する比を、1:1ではなくて2:1に維持
した以外は、参考例5を繰り返した。2,5−DHFの95%転化率を達成する
ために必要な時間は、9.5時間であった。生成物のGCにより、3−FTHF
への選択率65.8%、2−FTHFへの選択率25.0%及びテトラヒドロフ
ランへの選択率9.0%が示された。この例は、反応の結果への、合成ガス中の
水素の一酸化炭素に対する比を変化させることの影響を示している。
【0083】参考例10 ロジウム源を、100ppm のロジウム濃度で2−エチルヘキサン酸ロジウム(
II)に変えた以外は、参考例5を繰り返した。2,5−DHFの95%転化率を
達成するために必要な時間は、18.5時間であった。3−FTHFへの選択率
は94.0%であり、2−FTHFへの選択率は3.7%であった。
【0084】参考例11 ロジウム濃度が200ppm であり、12:1のリン対ロジウム原子比を維持す
るようにトリフェニルホスフィンの量を増加させた以外は、参考例10を繰り返
した。2,5−DHF出発物質の95%転化率を達成するために必要な時間は、
8.5時間であった。3−FTHFへの選択率は94.1%であり、2−FTH
Fへの選択率は2.8%であった。
【0085】参考例12 ロジウム濃度が400ppm であり、12:1のリン対ロジウム原子比を維持す
るようにトリフェニルホスフィンの量を増加させた以外は、参考例10を繰り返
した。2,5−DHF反応剤の95%転化率を達成するために必要な時間は、7
.5時間であった。3−FTHFへの選択率は95.3%であり、2−FTHF
への選択率は1.8%であった。
【0086】参考例13 溶媒がイソオクタンであった以外は、参考例2を繰り返した。GC分析により
測定された、出発物質の95%転化率を達成するために必要な時間は、21.5
時間であった。3−FTHFの2−FTHFに対する選択率及び比は、本質的に
例1に於けるものと同じであった。
【0087】参考例14 溶媒が1,3−ジイソプロピルベンゼンであった以外は、参考例2を繰り返し
た。GC分析により測定された、出発物質の95%転化率を達成するために必要
な時間は、19.5時間であった。3−FTHFの2−FTHFに対する選択率
及び比は、本質的に例1に於けるものと同じであった。
【0088】参考例15 溶媒が2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール モノイソブチレ
ートであった以外は、参考例2を繰り返した。GC分析により測定された、出発
物質の95%転化率を達成するために必要な時間は、23.5時間であった。3
−FTHFの2−FTHFに対する選択率及び比は、本質的に例1に於けるもの
と同じであった。
【0089】参考例16 溶媒がフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)であった以外は、参考例2を繰り
返した。GC分析により測定された、出発物質の95%転化率を達成するために
必要な時間は、21.5時間であった。3−FTHFの2−FTHFに対する選
択率及び比は、本質的に例1に於けるものと同じであった。
【0090】例1〜36 抽出例は、窒素下で、分離漏斗内で、抽出された相の体積を測定するために目
盛付きメスシリンダーを使用し、抽出の温度を測定するために補正していない温
度計を使用して実施した。最終分析は、初期発熱が少なくなり、全てのエマルジ
ョンが完全に分離された後、実施した。各相を、ガスクロマトグラフィーにより
、20M×0.25mm DB1701毛管カラムを使用し、3.5cc/分のヘリ
ウムの流速で分析した。エタノールが、水相のアリコートのための内部標準であ
り、n−ドデカンが触媒相のアリコートのための内部標準であった。それぞれの
場合に、結果が2℃以内に一致するように、温度を点検した。
【0091】 例1〜36で使用した物質の量を、表IVに示す。表IVに於いて、3−FTHF
、トルエン及び水について示される値は、トルエン中の3−FTHFの溶液を、
特定した相対量の水で抽出したそれぞれの抽出例で使用したこれらの物質の相対
体積量である。
【0092】
【表6】
【0093】
【表7】
【0094】 例1〜36の抽出で達成された結果を表Vに示す。表Vに於いて、Volにつ
いて示される値は、各例に於けるトルエン相及び水相の相対体積であり、3−F
THF、トルエン(Tol)及び水について示される値は、(各相の合計重量基
準の)トルエン相及び水相中の各成分の重量%であり、そしてKについて示され
る値は、 [3−FTHF]3-FTHF=──────────── [3−FTHF]トルエン (式中、K3-FTHFは、3−FTHFについての分配係数であり、[3−FTHF
は、水相中の3−FTHFの濃度であり、[3−FTHF]トルエンは、ト
ルエン相中の3−FTHFの濃度である) から計算した3−FTHFについての分配係数である。分配係数の計算は、溶媒
、水及び3−FTHFの幾つかの異なった初期濃度で行った。結果の一致を点検
するために、これらの分析の数件を繰り返し、全ての場合に繰り返しはお互いの
10%以内で一致した。繰り返した場合、示した分析値は、複数の分析の平均で
ある。これらの実験の結果を、下記の表Vに要約する。これらの例の目的は、分
配係数計算の一致性及び水濃度への分配係数の依存性を示すことである。
【0095】
【表8】
【0096】
【表9】
【0097】
【表10】
【0098】例37〜44 例1〜36について上記した手順を使用して、炭化水素溶媒であるデカン、イ
ソオクタン、p−キシレン及び1,3−ジイソプロピルベンゼン(DIPB)を
使用する水中への3−FTHFの抽出について分配係数を決定した。また、同じ
手順により、不活性有機溶媒である1−デカノール(アルコール)、イソ酪酸ブ
チル(エステル、IBIB)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ
ール モノイソブチレート(アルコールエステル、TMPD−MIB)及びテレ
フタル酸ジメチル(芳香族ジエステル、DMT)を使用するために、分配係数を
決定した。例37〜44のそれぞれで使用した3−FTHF:溶媒:水体積比は
、3:3:4であった。この分配係数を表VIに示す。表VIに於いて、溶媒中の3
−FTHF溶解度について特定された値は重量%であり、Tempについて示さ
れた値は温度(℃)であり、K3FTHF は上記のようにして決定された3−FTH
Fの分配係数であり、そしてK溶媒は、二つの相内のその溶解度から決定され、
3−FTHF基体の存在によって影響を受けるそれぞれの例に使用された溶媒に
ついての分配係数である。
【0099】
【表11】
【0100】例45〜56 例1〜36について上記した手順を使用して、全て水で抽出した、試験した全
ての溶媒について及びトルエン中のトリフェニルホスフィンについて、分配係数
を決定した。更に、水中へのトルエンの分配係数への3−FTHFの影響を、抽
出媒体として水性3−FTHFの異なった濃度を使用することによって調査した
。その結果を表VII に要約する。表VII に於いて、CS:S比は、共溶媒:溶媒
体積比であり、H2 O:(S+CS)比は、水:溶媒プラス共溶媒(存在する場
合)体積比であり、DIPB、TMPD−MIB及びIBIBは、上記の意味を
有し、そしてDMPはフタル酸ジメチルである。
【0101】 例45〜56の実験の目的は、限定された水溶解度の物質の、水の中への分配
の程度及びそれに反して3−FTHFがこの分配にどのように影響を与えるかを
示すことである。これらの例には、この反応及び抽出のための溶媒として作用し
得る物質が含まれる。
【0102】
【表12】
【0103】例57 上記の例に記載した手順を、トリフェニルホスフィン:トルエンの50:1体
積比及び水:トリフェニルホスフィン+トルエンの1:1体積比を使用して繰り
返した。トルエンと水との間のトリフェニルホスフィンの分配係数は、0.00
433であると決定された。
【0104】例58〜61 例1〜36からの手順を使用して、トルエンと水との間の3−ホルミルテトラ
ヒドロフランについての分配係数を、数個の温度で求めた。その結果を表VIIIに
要約する。表VIIIに於いて、3−FTHF:トルエン比及びH2 O:FTHF+
トルエン比は、体積比である。
【0105】
【表13】
【0106】例62〜69 参考例2,5,10,11,12,13,14,15及び16で製造したヒド
ロホルミル化生成物溶液を、向流抽出機を使用して、0.6:1(体積:体積)
の初期水対有機供給物比で、本発明に従った水性抽出に付して、生成物を回収し
た。一次抽出機は、3.5リットルの内体積を有する、直径が2.5インチで長
さが48インチのガラス管であり、これに1/4インチのペン・ステート(Pe
nn State)充填物が充填されていた。二次抽出機は、1.375インチ
の直径及び30インチの長さ、0.7リットルの内体積を有するガラス管であり
、これにも1/4インチのペン・ステート充填物が充填されていた。供給速度は
、1時間当たり1〜3リットルであった。この抽出機を3回単純抽出に等価で運
転した。抽出機内の温度は、環境温度(26.5℃)から43.7℃までの範囲
であり、抽出溶媒和/反応に付随する自己温度上昇を示した。この抽出機からの
排液中の濁り及びときにはかすかな黄色は、溶媒相からの水相の不完全な分離を
示した。触媒成分は反応溶媒相中に残留した。この相の全ての部分が、水相中に
残留するか又は水相から除去されなかった場合、これは最終生成物を汚染したで
あろう。それ故、第一の抽出機から得られた水相を、新鮮な溶媒と共に第二の向
流抽出に付して、この汚染を除去した。水相の新鮮な溶媒に対する供給比は、1
0:1(体積:体積)であった。第二向流抽出機内の温度勾配は、抽出に付随す
る溶媒和/反応の熱は第一抽出機内で殆ど出たので、最小であった。
【0107】 これらの抽出の結果を表IXに示す。表IXに於いて、溶媒及びSolvは、各例
で使用したヒドロホルミル化生成物溶液のヒドロホルミル化溶媒成分を示し、I
sooctはイソオクタンを示し、DIPB及びTMPD−MIBは、上に示す
意味を有し、DOPはフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)であり、HPSはヒ
ドロホルミル化生成物溶液を示し、Rhはロジウムを示し、TPPはトリフェニ
ルホスフィンを示し、そしてFTHFは2−及び3−FTHFを示す。HPS成
分について示される値は、その合計が100%に等しいHPSの全重量基準の重
量%であり、HPSの初期水(第一)抽出で製造される水相の成分について示さ
れる値は、揮発性有機成分[溶媒及びFTHF]についてガスクロマトフラフィ
ー分析により、ロジウム触媒成分について原子吸光により、そしてホスフィン触
媒成分(結合した成分及び遊離の成分の両方)についてP−31核磁気共鳴分光
法により決定される相対重量%である。記載した数字は、100を有する水相中
のその物質の全量マイナス他の溶媒相に入るその物質の相対量であるこの値を表
す。第一の抽出水相を新鮮な溶媒と共に第二の向流抽出に付すことによって製造
される水相(第二)の成分について示される値は、各成分について同じ方法によ
って求めた相対重量%である。この場合において、報告した数字は、第一の抽出
からの相対数字(相対数字マイナス相対数字は他の溶媒相の中に入った物質の量
である)に、第二の報告数字を加える。この方法で値を報告することによって、
HPS中の量に、他の層の何れかの中のその成分の相対%を掛けることによって
、全ての相中のその成分の量が得られる。これらの例の目的は、それらを他の生
成物回収方法と比較するために、実際の反応混合物を水で抽出する結果を示すこ
とである。
【0108】
【表14】
【0109】 本発明をその好ましい態様を特に参照して詳細に記載したが、変形及び修正が
本発明の精神及び範囲内で実施できることが理解されるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本質的にアルカノールを含まず、式: 【化1】 を有する化合物の混合物を含む水溶液の製造方法であって、 (1)(i)20〜80重量%の式(I)のアルデヒド、(ii)ロジウム及び
    有機リン化合物からなるヒドロホルミル化触媒成分並びに(iii )80〜20重
    量%のヒドロホルミル化溶媒を含むヒドロホルミル化生成物溶液を、本質的にア
    ルカノールを含まない水と緊密に接触させる工程; (2)工程(1)の混合物を2相に分離する工程並びに (3)この2相を分離して、(a)触媒成分を含むヒドロホルミル化溶媒相並
    びに(b)式(I)及び(II)の化合物を含む水相を得る工程を含んでなり、工
    程(1)で使用する水のヒドロホルミル化生成物溶液に対する体積比が、0.1
    :1〜4:1であり、工程(1)で使用するヒドロホルミル化生成物溶液が、1
    5重量%より少ない、2,5−ジヒドロフラン(2,5−DHF)、2,3−ジ
    ヒドロフラン(2,3−DHF)、テトラヒドロフラン(THF)又はこれらの
    任意の2種若しくはそれ以上の混合物を含み、そして化合物(I)の化合物(II
    )に対するモル比が、0.05:1〜20:1である製造方法。
  2. 【請求項2】 ヒドロホルミル化溶媒が、0.6〜0.9の範囲内の密度を
    有し、炭素数6〜20のエステル、炭素数5〜20のアルカン、炭素数6〜20
    のケトン、炭素数5〜20のジアルキルエーテル及び環式エーテル、炭素数7〜
    15のアルキル置換ベンゼン、テトラヒドロナフタレン並びにデカヒドロナフタ
    レンから選択される請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 式(I)のアルデヒドが、ヒドロホルミル化生成物溶液の全
    重量の50〜70重量%を構成する請求項2に記載の方法。
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