JP6294374B2 - 水の添加によるヒドロホルミル化におけるファウリングの緩和 - Google Patents

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Description

本発明はヒドロホルミル化プロセスに関する。一態様において、本発明は、ヒドロホルミル化プロセスにおけるファウリングの緩和に関し、別の態様において、本発明は、水の添加によるかかるプロセスにおけるファウリングの緩和に関する。
オレフィンのロジウム/ビスホスファイト触媒ヒドロホルミル化では、ビスホスファイト配位子はゆっくりと容赦なく多くの副生成物に分解する。これらの副生成物の幾つかは、酸性であり、反応溶液を水性緩衝剤(例えばリン酸ナトリウム)に接触させることによって除去することができる。得られる金属塩は水にかなり可溶性であるため、有機相から効果的に除去することができる。この抽出方法は、国際公開第97/20794号に記載されている。
水性緩衝液との接触の後、有機相は反応器系に戻される。2つの相は非混和性であるが、反応器への水性緩衝液のいくらかの徐々のエントレインメントが生じることがある。アプセット条件が、反応プロセスへの水性緩衝剤の偶発的な意図しないキャリーオーバーを引き起こすこともある。その結果、反応系中で酸の金属塩の形成が生じる。
国際公開第97/20794号公報
酸の金属塩は水に可溶性であるが、それらは、有機マトリックス中にわずかに可溶性である。驚くべきことに、酸の金属塩は、有機マトリックスの含水率が0.1質量%以上である場合に、膨潤することがあり、及び/又は粘着性になることがある。このゼラチン状の粘着性物質が、冷たい表面、例えば、熱交換器、制御弁、ディストリビューターなどにくっついて、それらの運転効率を低下させることがある。
一実施形態において、本発明は、ヒドロホルミル化プロセスの反応ゾーンに有機ヒドロホルミル化反応流体(「HRF」)を戻す前にHRFから金属塩を除去するための抽出方法である。HRFは、有機リン配位子と金属−有機リン配位子錯体を含み、当該抽出方法は、ヒドロホルミル化プロセスの抽出ゾーン内でHRFを水性緩衝剤溶液に接触させる工程を含む。反応ゾーンは抽出ゾーンの上流に位置し、当該抽出方法は、水性緩衝剤溶液中に存在する水に加えて抽出ゾーン外でHRFを水に接触させることによって改善される。加水分解的な分解に対して有機リン配位子を安定化するため、及び分解又は失活に対して金属−有機リン配位子錯体を安定化させるため、並びにHRFからの分解生成物を除去又は低減するために水性緩衝剤溶液が使用される。
一実施形態において、添加水を、ヒドロホルミル化プロセスの抽出ゾーンの前、例えば反応ゾーン又は分離ゾーン(両方とも抽出ゾーンよりも上流に位置する)において、HRFと接触させる。一実施形態において、ヒドロホルミル化プロセスは、さらに、熱交換器を含み、添加水を、熱交換器の上流側でHRFと接触させる。
一実施形態において、添加水は、緩衝化されず、一実施形態において、添加水は緩衝化されるが、水性緩衝剤溶液の10%以下の濃度で緩衝化される。
図1は、反応ゾーン、緩衝剤抽出ゾーン及び分離ゾーンの互いに対する位置、及び当該方法における水の添加のための様々な位置を示す本発明の方法の概略図である。 図2は、塩抽出ゾーンが、緩衝剤抽出ゾーンを収容している容器とは別の緩衝剤抽出ゾーンを収容している容器とは分離した容器内に収容されており、塩抽出ゾーンが緩衝剤抽出ゾーンの下流に位置し、かつ、反応ゾーンの上流に位置する、図1の方法の一実施形態の概略図である。 図3は、塩抽出ゾーンと緩衝剤抽出ゾーンが単一の容器内に収容されており、塩抽出ゾーンは、緩衝剤抽出ゾーンから下流にある、図2の方法の実施形態の概略図である。
定義
元素の周期表及び周期表中の様々な族への参照は全て、CRC Handbook of Chemistry and Physics, 第71版. (1990-1991), CRC Press, 第1-10頁に掲載されている表に対するものである。特に断らず、文脈から暗示されておらず、又は当該技術分野で慣例でない限り、全ての部及び百分率は質量を基準とし、全ての試験方法は、本開示の出願日現在のものである。米国特許の慣行上、任意の参照した特許、特許出願又は刊行物の内容は、特の定義(本開示で具体的に示される定義と矛盾しない範囲で)及び当該技術分野での一般的知識についての開示に関して、その全体が引用により援用される(又はその対応米国バージョンも引用により援用される)。
本開示における数値範囲はおおよその範囲であるため、特に断らない限りその範囲の外側の値を含むことがある。数値範囲は、任意の小さい方の値と任意の大きい方の値との間が少なくとも2単位離れている場合、1単位きざみで、下限値及び上限値からの値及び下限値及び上限値を含む全ての値を含む。一例として、組成、物理的特性又は他の特性、例えば分子量などが100〜1,000である場合に、100、101、102などの全ての個々の値と、サブ範囲、例えば、100〜144、155〜170、197〜200などが明示的に列挙されていることを意図する。1未満である値を含む範囲又は1よりも大きい分数(例えば1.1、1.5など)を含む範囲の場合、1単位は、適切な場合0.0001、0.001、0.01又は0.1である。10未満の一桁の数字を含む範囲(例えば1〜5)の場合、1単位は典型的には0.1であると見なされている。これらは、具体的に何を意図しているのかの例にすぎず、列挙した最低値と最高値の間の全ての可能な組み合わせが本開示に明示的に記載されているとみなされるべきである。数値範囲は、特に、ヒドロホルミル化反応物及び/又は生成物に添加される水の量について、本開示中に示されている。
「ヒドロホルミル化」は、これらに、1もしくは2種以上の置換もしくは非置換オレフィン化合物、又は1もしくは2種以上の置換もしくは非置換オレフィン化合物を含む反応混合物を、1もしくは2種以上の置換もしくは非置換アルデヒド又は1もしくは2種以上の置換もしくは非置換アルデヒドを含む反応混合物に変換することを含む全ての許容可能な不斉及び非不斉ヒドロホルミル化プロセスを含むが、これらに限定されない。
「ヒドロホルミル化反応流体」又は「HRF」は、以下のもののうちの1又は2種以上を含む反応混合物を包含するが、かかる反応混合物に限定されない:(a)金属−有機リン配位子錯体触媒、(b)遊離有機リン配位子、(c)反応で形成された1又は2種以上の酸性リン化合物(均一又は不均一なものであることができ、これらの化合物はプロセス装置表面に付着したものを含む)、(d)反応で形成されたアルデヒド生成物、(e)未反応の反応物、及び(f)配位子が加水分解可能なリン配位子である上記金属−有機リン配位子錯体触媒及び上記遊離有機リン配位子のための有機可溶化剤。反応生成物流体は、(a)反応ゾーン内の反応媒体、(b)分離ゾーンに向かう反応媒体の流れ、(c)分離ゾーン内の反応媒体、(d)分離ゾーンと反応ゾーンとの間のリサイクル流れ、(e)水性緩衝剤溶液による処理のために反応ゾーン又は分離ゾーンから取り出された反応媒体、(f)水性緩衝剤溶液により処理された取り出された反応媒体、(g)反応ゾーン又は分離ゾーンに戻された処理された反応媒体、(h)外部冷却器内の反応媒体、及び(i)HRF中に形成された又はプロセス装置の表面に析出又は付着した配位子分解生成物又はそれらの塩、を包含するが、これらに限定されない。
「加水分解可能なリン配位子」は少なくとも1個の3価のリン原子を含み、少なくとも1個のP−X結合を有する配位子である。ここで、Xは、酸素、窒素、塩化物、フッ化物又は臭化物である。例としては、ホスファイト類、ビスホスファイト類、ホスホナイト類、ビスホスホナイト類、ホスフィナイト類、ホスホルアミダイト類、ビスホスホルアミダイト類、フルオロホスファイト類、異なるP−X部分を含むキレート構造、及び混合構造を有するキレート化構造、例えばホスフィノ−ホスファイト類、ホスフィノ−ホスホルアミダイト類などが挙げられるが、これらに限定されない。
「錯体」は、独立して存在することが可能な1個以上の電子的に富む分子又は原子と、それぞれが独立に存在することが可能な1個以上の電子的に乏しい分子又は原子との組み合わせにより形成された配位化合物を意味する。
「上流」は、プロセスのゾーン又は工程が、言及するゾーン又は工程よりも前に位置する又は実施されることを意味し、例えば、ヒドロホルミル化プロセスの反応ゾーンは、抽出ゾーンの前又は上流に位置する分離ゾーンの前又は上流に位置する。
「下流」は、プロセスのゾーン又は工程が、言及するゾーン又は工程よりも後に位置する又は実施されることを意味し、例えば、ヒドロホルミル化プロセスの抽出ゾーンは、反応ゾーンの後又は下流に位置する分離ゾーンの後又は下流に位置する。
ヒドロホルミル化プロセス
本発明のヒドロホルミル化プロセスは、不斉又は非不斉であることができ、好ましいプロセスは非不斉であり、任意の連続又は半連続様式で実施でき、望ましい任意の触媒液体及び/又は気体リサイクル操作を含んでもよい。従って、オレフィン系不飽和化合物からかかるアルデヒド類を製造するための特定のヒドロホルミル化プロセス並びにヒドロホルミル化プロセスの反応条件及び成分は、本発明の重要な特徴ではないことは明らかである。
かかる加水分解的分解を経験し得る例示の金属−有機リン配位子錯体触媒ヒドロホルミル化プロセスとしては、例えば米国特許第4,148,830号:第4,593,127号;第4,769,498号;第4,717,775号;第4,774,361号;第4,885,401号;第5,264,616号;第5,288,918号;第5,360,938号;第5,364,950号;第5,491,266号;及び第7,196,230号に記載されているような方法が挙げられる。さらに、同様の加水分解的に分解しやすい他のP−X含有化学種としては、例えば米国特許第7,009,068号、国際公開第2008/071508号、米国特許第5,710,344号、国際公開第2005/042458号、米国特許第7145042号、米国特許第6,440,891号、米国特許第7,586,010号に記載されているような、有機ホスホナイト類、ホスホルアミダイト類、フルオロホスホナイト類などが挙げられる。これらの化学種は、米国特許第5,744,649号及び第5,741,944号に教示されている抽出装置技術の使用により抽出することができる様々な酸性及び/又は極性分解生成物を生じる。従って、本発明のヒドロホルミル化プロセス技術は、任意の公知のプロセス技術に対応しうる。好ましい方法は、触媒液体リサイクルヒドロホルミル化プロセスを含むものである。
一般的に、かかる触媒液体リサイクルヒドロホルミル化プロセスは、触媒及び配位子のための有機溶媒も含む液体媒体中で、金属−有機リン配位子錯体触媒の存在下で、オレフィン性不飽和化合物と一酸化炭素及び水素との反応によるアルデヒドの生成を含む。好ましくは、遊離有機リン配位子は、液体ヒドロホルミル化反応媒体中にも存在する。「遊離有機リン配位子」とは、錯体触媒の金属、例えば金属原子と錯化して(結び付いて又は結合して)いない有機リン配位子を意味する。リサイクル手順は、一般的に、連続的又は断続的に、ヒドロホルミル化反応器(即ち、反応ゾーン)から触媒及びアルデヒド生成物を含む液体反応媒体の一部を取り出し、次いで、そこからアルデヒド生成物を、例えば米国特許第5,430,194号に開示されているような複合材料膜の使用、米国特許第5,932,772号及び第5,952,530号に開示されているような相分離、又は、例えば米国特許第5,288,918号に開示されているように別の分離蒸溜ゾーン内で、適切であるように常圧、減圧又は高圧下で1又は2以上の段階でアルデヒド生成物を蒸留(すなわち、気化分離)し、気化しなかった金属触媒含有残渣を反応ゾーンにリサイクルするより一般的な好ましい方法を使用して回収することを含む。気化した物質の凝縮及び分離並びに気化した物質のさらなる回収、例えばさらなる蒸留による回収を、慣用の方式で実施することができ、粗製アルデヒド生成物を、必要に応じて、さらなる精製及び異性体分離にまわすことができ、任意の回収された反応物、例えばオレフィン系出発原料及び合成ガスを、任意の所望の方式でヒドロホルミル化ゾーン(反応装置)にリサイクルすることができる。かかる膜分離の回収された金属触媒含有残渣又はかかる気化分離の回収された気化しなかった金属触媒含有残渣を、任意の所望の慣用の方式でヒドロホルミル化ゾーン(反応装置)にリサイクルすることができる。
好ましい一実施形態において、少なくとも幾らかの量の4種の異なる主構成要素又は成分、すなわちアルデヒド生成物、金属−有機リン配位子錯体触媒、遊離有機リン配位子及び上記触媒及び上記遊離配位子のための有機可溶化剤を含む任意の対応するヒドロホルミル化プロセスから誘導された任意の流体を含み、上記成分は、ヒドロホルミル化反応混合物出発物質を誘導できるヒドロホルミル化プロセスによって用いられる及び/又は生成されるものに対応する。本発明において使用可能なヒドロホルミル化反応混合物組成物は、例えばヒドロホルミル化プロセスにおいて故意に使用されたか又は当該プロセスの間に現場(in situ)形成されたものなどの少量のさらなる構成要素を含むことができ、通常含むことは理解されるべきである。存在してもよいかかる構成要素の例としては、未反応のオレフィン出発物質、一酸化炭素及び水素ガス、並びに現場(in situ)形成されたタイプの生成物、例えばオレフィン出発物質に対応する飽和炭化水素及び/又は未反応の異性化オレフィン、及び/又は配位子分解生成物及びそれらの付加物など、及び高沸点液体アルデヒド縮合副生成物、並びに、使用される場合には、他の不活性な補助溶媒タイプの物質又は炭化水素添加剤が挙げられる。
本発明により包含されるかかるヒドロホルミル化反応において使用可能な例示的な金属−有機リン配位子錯体触媒及びそれらの製造方法は、当該技術分野でよく知られており、上記特許に開示されているものが挙げられる。一般的に、かかる触媒は、かかる引用文献に記載されているように予め形成するか又は現場で形成することができ、実質的に、有機リン配位子との錯体組み合わせで金属から成る。一酸化炭素が存在してもよく、活性化学種において金属と錯化されていてもよい。活性化学種は、金属に直接結合した水素を含んでいてもよい。
ヒドロホルミル化プロセスにおける有用な触媒としては、光学活性又は非光学活性なものであることができる金属−有機リン配位子錯体触媒が挙げられる。金属−有機リン配位子錯体を構成する許容可能な金属としては、Rh(ロジウム)、コバルト(Co)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、オスミウム(OS)及びレニウム(Re)から選ばれる第7、8、9及び10族の金属が挙げられ、好ましい金属は、ロジウム、コバルト、イリジウム及びルテニウムであり、より好ましくはロジウム、コバルト及びルテニウムであり、ロジウムが特に好ましい。第7、8、9及び10族の金属の混合物も本発明において使用できる。金属−有機リン配位子錯体及び遊離有機リン配位子を構成する許容可能な有機ホスファイト配位子としては、モノ−、ジ−、トリ−及びより高次のポリ有機ホスホナイト類、ポリ有機ホスホルアミダイト類、ポリ有機ホスフィナイト類、ポリ有機ホスホナイト類、ポリ有機フルオロホスファイト類などが挙げられる。必要に応じて、かかる配位子の混合物を、金属−有機リン配位子錯体触媒及び/又は遊離配位子において使用でき、かかる混合物は同じでも異なっていてもよい。本発明は、上記の許容可能な有機リン配位子又はそれらの混合物によって決して限定されない。本発明の成功した実施は、それらの単核、二核及び/又はより高い核性(nuclearity)の形態で存在することができる金属−有機リン配位子錯体化学種の正確な構造に依存せず、また、その正確な構造に基づくものではない。実際には、正確な構造は知られていない。触媒化学種は、その最も単純な形態において、実質的に、有機リン配位子と一酸化炭素及び/又は水素と錯体組み合わせで金属からなることができる。
本発明の実施に使用できる有機リン配位子は、それぞれ、独立に又はおそらく共に金属との配位共有結合を形成(例えばキレート化を介して)できる1つの利用可能な又は非共有電子対をそれぞれ有する少なくとも1つのP−X結合及び1又は2個以上のリンドナー原子を有することができる。一酸化炭素(これも配位子として適切に分類される)が存在して、金属と錯化してもよい。錯体触媒の最終的な組成物は、さらなる配位子、例えば、水素又は配位部位又は金属の核電荷を満たすアニオンを含むことができる。例示的なさらなる配位子としては、例えば、ハロゲン(CI、Br、I)、アルキル、アリール、置換アリール、アシル、CF、C、CN、(R)PO及びRP(O)(OH)O(各Rは、同じであるか又は異なり、置換もしくは非置換の炭化水素基、例えば、アルキル又はアリールである)、アセテート、アセチルアセトネート、SO、PF、PF、NO、NO、CH、CH=CHCH、CHCH=CHCH、CCN、CHCN、NH、ピリジン、(CN、モノオレフィン、ジオレフィン及びトリオレフィン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。錯体化学種は、触媒を被毒しうる又は触媒性能に過度の悪影響を及ぼしうるさらなる有機配位子又はアニオンを含まないことが好ましい。金属−有機リン配位子錯体触媒ヒドロホルミル化反応において、好ましくは、活性触媒は、金属に直接結合した硫黄を含まないが、かならずしも必須ではない。
かかる金属上で利用可能な配位部位の数は、当該技術分野においてよく知られている。例えば、触媒化学種は、それらのモノマー、ダイマー又はより高次の核性の形態にある錯体触媒混合物を含んでいてもよく、当該錯体触媒混合物は、好ましくは、金属、例えば、ロジウム1分子当たり錯化した少なくとも1個の有機リン含有分子により特徴づけられる。例えば、ヒドロホルミル化反応において使用される好ましい触媒の触媒化学種は、ヒドロホルミル化反応によって使用される一酸化炭素と水素ガスの観点から、有機リン配位子に加えて、一酸化炭素及び水素と錯体を形成することができる。本発明の方法は、多金属中心を有するヒドロホルミル化錯体触媒も使用できる。
本発明のヒドロホルミル化プロセス及び反応生成物流体の金属−有機リン配位子錯体触媒の配位子及び/又は遊離配位子としての役割を果たすことができる有機リン化合物はアキラル(光学的に不活性)又はキラル(光学的に活性)タイプのものであることができ、当該技術分野でよく知られている。アキラルな有機ホスファイト類が好ましい。
上記の反応生成物流体中に存在してもよい本発明の金属−有機リン配位子錯体触媒の配位子及び/又は任意の遊離有機リン配位子としての役割を果たすことができる有機リン化合物の中には、モノ−有機ホスファイト、ジ−有機ホスファイト、トリ−有機ホスファイト及び有機ポリホスファイト化合物又はそれらの組合せ並びにそれらの混合物がある。本発明及び/又はそれらの製造方法において使用できるかかる有機ホスファイト配位子は、当該技術分野でよく知られており、代表的な配位子は、引用文献の中でも、特に米国特許第5,741,944号に記載されている。同様に、先に引用した特許に記載されているような有機ホスホナイト類、ホスホルアミダイト類、フルオロホスホナイト類などの他のP−X含有化学種は容易に調製される。
上述したように、本発明で使用可能な金属−有機リン配位子錯体触媒は、当該技術分野で知られている方法により形成することができる。金属−有機リン配位子錯体触媒は、均一系又は不均一系の形態であることができる。例えば、あらかじめ形成されたロジウムヒドリド−カルボニル−有機リン配位子触媒を調製し、ヒドロホルミル化プロセスの反応混合物中に導入することができる。より好ましくは、ロジウム−有機リン配位子錯体触媒は、活性触媒の現場(in situ)形成のための反応媒体中に導入することができるロジウム触媒前駆体から誘導することができる。ロジウム触媒前駆体、例えばロジウムジカルボニルアセチルアセトナート、Rh、Rh(CO)12、Rh(CO)16、Rh(NOなどを、活性触媒の現場(in situ)形成のために有機リン配位子と共に反応混合物中に導入することができる。本発明の好ましい実施形態において、ロジウムジカルボニルアセチルアセトナートはロジウム前駆体として使用され、溶媒の存在下で有機リン配位子と反応して触媒ロジウム−有機リン配位子錯体前駆体を形成し、当該前駆体は活性化学種の現場(in situ)形成のために過剰な(遊離の)有機リン配位子とともに反応器内に導入される。いずれにしても、本発明の目的上、一酸化炭素、水素及び有機リン化合物は全て、金属と錯化することができる配位子であり、活性金属−有機リン配位子触媒は、ヒドロホルミル化反応において使用される条件下で反応混合物中に存在する。
金属−有機リン配位子錯体触媒に加えて、遊離の有機リン配位子(すなわち、金属と錯体化されていない配位子)がヒドロホルミル化反応媒体中に存在してもよい。遊離の有機リン配位子は、本発明で使用可能なものとして先に定義した有機リン配位子のいずれに対応してもよい。好ましくは、遊離の有機リン配位子は、使用される金属−有機リン配位子錯体触媒の有機リン配位子と同じである。しかし、かかる配位子は、任意の所与のプロセスで同じである必要はない。本発明のヒドロホルミル化プロセスは、ヒドロホルミル化反応媒体中の金属1モル当たり遊離の有機リン配位子を0.1モル以下から100モル以上含むことができる。好ましくは、本発明のヒドロホルミル化プロセスは、反応媒体中に存在する金属1モル当たり有機リン配位子1〜50モル、より好ましくは有機ポリリン配位子の場合には有機ポリリン配位子1.1〜4モルの存在下で実施される。ここで、上記の量の有機リン配位子は存在する金属に結合した有機リン配位子の量と存在する遊離の(錯化していない)有機リン配位子の量の合計である。アキラルオレフィンをヒドロホルミル化することによって、非光学活性アルデヒドを製造することがより好ましいため、より好ましい有機リン配位子はアキラル型有機リン配位子である。当然、必要に応じて、メイクアップ又はさらなる有機リン配位子を、例えば反応媒体中の所定の遊離配位子レベルを維持するために、」任意の時点及び任意の適切な方法でヒドロホルミル化プロセスの反応媒体に供給することができる。
ヒドロホルミル化触媒は、反応中及び/又は生成物の分離中に不均一系の形態であってもよい。かかる触媒は、低温での濾過又はデカンテーションにより生成物から触媒を分離することができるように、高沸点の又は熱に敏感なアルデヒドを生成するためのオレフィン類のヒドロホルミル化に特に有利である。例えば、ロジウム触媒がヒドロホルミル化及び分離段階の両方の間にその固体形態を保持するようにロジウム触媒を支持体に取り付けることができ、あるいは、ロジウム触媒は、高温で液体反応媒体に可溶性であり、冷却されると析出する。
本発明のヒドロホルミル化プロセスにおいて使用できる置換もしくは非置換オレフィン不飽和出発物質反応物としては、2〜40個、好ましくは3〜20個の炭素原子を含む光学活性(プロキラル及びキラル)及び非光学活性(アキラル)オレフィン系不飽和化合物の両方が挙げられる。かかるオレフィン系不飽和化合物は、末端あるいは内部不飽和を有するものであることができ、直鎖状、分岐鎖又は環状構造を有することができ、オレフィン混合物、例えばプロペン、ブテン、イソブテンなどのオリゴマー化から得られるものなど(例えば、米国特許第4,518,809号及び第4,528,403号に開示されているような、いわゆるダイマー、トリマー又はテトラマーのプロピレンなど)であることができる。さらに、かかるオレフィン化合物は、さらに、1又は2個以上のエチレン系不飽和基を含んでいてもよいし、当然のことながら、必要に応じて、2種以上の異なるオレフィン系不飽和化合物の混合物を出発ヒドロホルミル化物質として使用できる。例えば、4個以上の炭素原子を含有する市販のアルファ−オレフィンは、少量の対応する内部オレフィン及び/又はそれらの対応する飽和炭化水素を含んでいてもよく、かかる市販のオレフィンは必ずしもヒドロホルミル化される前に精製する必要はない。ヒドロホルミル化反応に使用できるオレフィン出発物質の例示の混合物としては、例えば、混合ブテン、例えば、一般的に、C、例えば1−ブテン、cis/trans−2−ブテン及びイソブテンと、アルカン、例えばブタン及びイソブタンなどとの混合物を含むラフィネートI、II及びIIIが挙げられる。さらに、かかるオレフィン系不飽和化合物及びそれらから誘導される対応するアルデヒド生成物は、例えば米国特許第3,527,809号、第4,769,498号などに記載されているような、本発明のヒドロホルミル化プロセス又は方法に過度に悪影響を及ぼさない1又は2個以上の基又は置換基を含んでもよい。
例示のα−オレフィン及び内部オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、2−ブテン、2−メチルプロペン(イソブチレン)、2−メチルブテン、2−ペンテン、2−ヘキセン、3−ヘキサン、2−ヘプテン、2−オクテン、シクロヘキセン、プロピレンダイマー、プロピレントリマー、プロピレンテトラマー、ブタジエン、ピペリレン、イソプレン、2−エチル−1−ヘキセン、スチレン、4−メチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、4−tert−ブチル−α−メチルスチレン、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、3−フェニル−1−プロペン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、3−シクロヘキシル−1−ブテンなど、並びに、1,3−ジエン類、ブタジエン、アルキルアルケノアート類、例えばメチルペンテノアート、アルケニルアルカノアート類、アルケニルアルキルエーテル類、アルケノール類、例えばペンテノール類、アルケナール類、例えばペンテナール類など、例えばアリルアルコール、アリルブチラート、ヘキセ−1−エン−4−オール、オクテ−1−エン−4−オール、酢酸ビニル、酢酸アリル、酢酸3−ブテニル、プロピオン酸ビニル、プロピオン酸アリル、メタクリル酸メチル、ビニルエチルエーテル、ビニルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、n−プロピル−7−オクテノアート、3−ブテンニトリル、5−ヘキセンアミド、オイゲノール、iso−オイゲノール、サフロール、iso−サフロール、アネトール、4−アリルアニソール、インデン、リモネン、β−ピネン、ジシクロペンタジエン、シクロ−オクタジエン、カンフェン、リナロール、テトラヒドロベンズアルデヒド、シアノシクロヘキサンなどが挙げられる。
本発明により包含されるヒドロホルミル化プロセスの反応条件としては、光学活性及び/又は非光学活性アルデヒドを製造するために従来使用されている任意の適切なタイプのヒドロホルミル化条件が挙げられる。例えば、ヒドロホルミル化プロセスの水素、一酸化炭素及びオレフィン出発化合物の全ガス圧力は、1〜10,000psiaの範囲に及ぶことができる。しかし、一般的に、このプロセスは2000psia未満、より好ましくは500psia未満の水素、一酸化炭素及びオレフィン出発化合物の全ガス圧力で実施することが好ましい。最低の全圧力は所望の反応速度を得るのに必要な反応物の量によって主に制限される。より具体的には、本発明のヒドロホルミル化プロセスの一酸化炭素分圧は、好ましくは1〜1000psia、より好ましくは3〜800psiaであり、一方、水素分圧は、好ましくは5〜500psia、より好ましくは10〜300psiaである。一般的に、気体状の水素と一酸化炭素のH:COモル比は1:10〜100:1又はそれ以上であり、より好ましい水素と一酸化炭素のモル比は1:10〜10:1である。さらに、ヒドロホルミル化プロセスは、−25℃から200℃までの反応温度で実施できる。一般的には、50℃〜120℃のヒドロホルミル化反応温度が、全てのタイプのオレフィン出発物質に対して好ましい。もちろん、非光学活性アルデヒド生成物が望まれる場合、アキラル型オレフィン出発物質及び有機リン配位子を開始が使用され、光学活性アルデヒド生成物が望まれる場合、プロキラル又はキラル型オレフィン出発物質及び有機リン配位子が使用される。もちろん、使用されるヒドロホルミル化反応条件は、所望のアルデヒド生成物の種類によって支配される。
本発明により包含ヒドロホルミル化プロセスは、金属−有機リン配位子錯体触媒及び遊離の有機リン配位子のための有機溶媒の存在下でも実施される。溶媒は、水を含んでもよい。使用される特定の触媒及び反応物に応じて、適切な有機溶媒は、例えば、アルコール、アルカン、アルケン、アルキン、エーテル、アルデヒド、高沸点のアルデヒド縮合副生成物、ケトン、エステル、アミド、第3級アミン、芳香族化合物などが挙げられる。意図するヒドロホルミル化反応を過度に妨害しない任意の適切な溶媒を使用でき、かかる溶媒としては、公知の金属触媒ヒドロホルミル化反応において一般的に使用されている従来開示されたものが挙げられる。必要に応じて1種又は2種以上の異なる溶媒の混合物を用いることができる。一般的に、アキラル(非光学活性)アルデヒドの製造に関して、当該技術分野で一般的であるように、主たる有機溶媒として、製造されることが望まれるアルデヒド生成物及び/又は高沸点のアルデヒド液体縮合副生成物に対応するアルデヒド化合物を使用することが好ましい。必要に応じて、かかるアルデヒド縮合副生成物も、予め形成し、使用できる。アルデヒドの製造に使用可能な例示的な好ましい溶媒としては、ケトン(例えばアセトン及びメチルエチルケトン)、エステル(例えば酢酸エチル、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)、炭化水素(例えばトルエン)、ニトロ炭化水素(例えばニトロベンゼン)、及びエーテル(例えばテトラヒドロフラン(THF)及びスルホラン)が挙げられる。好適な溶媒は、米国特許第5,312,996号に開示されている。使用される溶媒の量は重要ではなく、処理されるべきヒドロホルミル化反応混合物の触媒及び遊離配位子を可溶化するのに十分な量であればよい。一般的に、溶媒の量は、ヒドロホルミル化反応混合物の出発物質の総質量を基準として、5質量%から99質量%まで又はそれ以上であることができる。
本発明のヒドロホルミル化プロセスは、バッチ式又は連続式で行うことができるが、典型的には連続式で行われる。一般的に、連続ヒドロホルミル化プロセスは、当該技術分野でよく知られており、(a)溶媒、金属−有機リン配位子錯体触媒及び遊離有機リン配位子を含む液体均一反応混合物中でオレフィン出発物質(1又は2種以上)を一酸化炭素及び水素によりヒドロホルミル化すること、(b)オレフィン出発物質(1又は2種以上)のヒドロホルミル化に有利な反応温度及び圧力条件を維持すること、(c)メイクアップ量のオレフィン出発物質(1又は2種以上)、一酸化炭素及び水素を、それらの反応物は消費されるため、反応媒体に供給すること、(d)所望の任意の方法で所望のアルデヒドヒドロホルミル化生成物(1又は2種以上)を回収すること、及び(e)反応ゾーンに触媒を戻すことを含む。連続法は、シングルパスモード、すなわち、未反応オレフィン系出発物質(1種又は2種以上)と気化したアルデヒド生成物を含む蒸気混合物が、アルデヒド生成物が回収された液体反応混合物から除去され、メイクアップオレフィン系出発物質(1又は2種以上)、一酸化炭素及び水素が、意図的に未反応のオレフィン出発物質(1又は2種以上)をリサイクルせずに、次のシングルパスのための液体反応媒体に供給される。あるいは、このプロセスは、未反応オレフィンを意図的に反応ゾーンにリサイクルすることができる。かかるタイプのリサイクル方法は当該技術分野でよく知られており、例えば米国特許第4,148,830号に開示されているように、所望のアルデヒド反応生成物(1又は2種以上)から分離された金属−有機リン錯体触媒流体の液体リサイクル、又は例えば米国特許第4,247,486号に開示されているような気体リサイクル方法や、必要に応じて液体及び気体リサイクル方法の両方の組み合わせを含むことができる。本発明の最も好ましいヒドロホルミル化プロセスは、連続的な液体触媒リサイクル方法を含む。好適な液体触媒リサイクル方法は、例えば、米国特許第4,668,651号、第4,774,361号、第5,102,505号及び第5,110,990号に開示されている。
本発明の一実施形態において、アルデヒド生成物混合物を、アルデヒド混合物が任意の適切な方法により製造された粗反応混合物のその他の成分から分離することができる。好適な分離方法としては、例えば、溶媒抽出、結晶化、蒸留、気化、薄膜蒸発、流下式薄膜蒸発、相分離、濾過などが挙げられる。アルデヒド生成物は、国際公開第88/08835号に記載されているように、それらが形成された途端、捕捉剤の使用によって粗反応混合物から除去することができる。粗反応混合物のその他の成分からアルデヒド混合物を分離するための一つの方法は、膜分離によるものである。かかる膜分離は、米国特許第5,430,194号に記載されているように実現することができる。1つの好ましい方法は、減圧、常圧又は高圧での蒸発である。
ヒドロホルミル化プロセスに由来し、ヒドロホルミル化プロセス中に形成された酸性リン化合物も含むことがある反応生成物流体の少なくとも一部を、反応生成物流体に由来する酸性リン化合物の少なくとも幾らかの量を中和及び除去するのに十分に、抽出ゾーン内で水性緩衝剤溶液により処理することによって、加水分解的分解及びロジウム触媒の失活を防止又は低減することができる。
水性緩衝液との接触後、有機相は反応器系に戻される。2つの相が非混和性であるが、反応器への水性緩衝液のいくらかの徐々のエントレインメントが生じることがある。アプセット条件が、反応プロセスへの水性緩衝液の偶発的な意図しないキャリーオーバーを引き起こすこともある。その結果、緩衝剤と酸性配位子分解生成物との反応から、反応系中で酸の金属塩の形成が生じる。これらの酸金属塩は、典型的には、対応する共役酸のナトリウム又はカリウム塩(ロジウムではない)、例えばリン酸ナトリウムである。これらの塩は、マトリックス中の含水量の減少のため、オレフィン又はアルデヒド生成物含有量の増加による極性の低下のため、又は対イオンの変化(例えば、ホスフェートがホスホネートと交換)のために不溶性になることがある。物理的(例えば、結晶又はアモルファス)形態は、水和物の形成のために変化することもある。水和物の形成は、懸濁した固形物の特性を変化させてそれらをより流動性の低いもの(より大きなサイズ、ゼラチン状など)にし、系、例えば冷却器及び管内での低温スポットを詰まらせる傾向を高くする。
微量の生成物アルデヒドが、徐々に酸化することにより対応する酸を形成する。反応器への緩衝剤又は酸金属塩の導入は、これらの微量の酸が溶解性の問題を悪化させるおそれのあるさらなる酸金属塩を形成することをもたらすことがある。
同様に、アミンが加えられるシステムでは、アミンのこれらの酸塩又はアンモニウム酸塩が析出してファウリングをもたらすことがある。これらのアンモニウム塩は、不溶性のいずれかマトリックス中の含水量の低下のため、又は対イオンの変化(例えば、ホスフェートがホスホネートと交換)のために不溶性になることがある。アミン添加剤の例としては、イミダゾール類、ピラゾール類、インダゾール類、1,2−ジアジン類、1,3,5−トリアゾール類、ベンゾイミダゾール類、並びにピペリジン類、例えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。他の極性の化学種もファウリングに寄与することもあるが、正式に塩と見なされない場合がある。例としては、アルデヒドホスホン酸、例えばヒドロキシブチルホスホン酸(HBPA)、ヒドロキシペンチルホスホン酸(HPPA)、亜リン酸(HPO)、リン酸(HPO)並びにそれらの塩などが挙げられる。他の例としては、加水分解可能なリン配位子フラグメント、例えば、ピロール類、アミン類、ハロゲン化物、エステル類、及びアルコール類、例えばフェノール及びビスフェノール類など、並びにアルデヒド重質物の重い酸(及びそれらの塩)への加水分解から誘導された化学種などが挙げられる。
米国特許第5,741,944号で使用される水性緩衝剤は、一般的に弱酸又は塩基の塩であるが、通常、弱酸の第1又は2族金属(Na、K、Caなど)の塩である。アミンが使用されるいくつかの場合では、それらが酸性不純物を中和した場合は、それらはイオン性塩(アンモニウム塩)を生成する。酸金属及び/又はアンモニウム塩は水に可溶性であるが、それらは反応器有機マトリックスにわずかに可溶性である。有機マトリックスの水濃度又は組成における小さな変化は、塩の溶解度の変化をもたらすことがある。例えば、オレフィン供給材料が、より多くの飽和アルカン又は低反応性の内部オレフィン(例えば、2−ブテン)を含む場合、炭化水素の量が増加し、有機相の極性が低下することがある。抽出ゾーンを通過する触媒流を変えると(アプセット、メンテナンスなどの間)、触媒層に溶解した水の量が変化することがあり、この変化は、反応器内の有機マトリックス中の水濃度の変化をもたらす。非極性アルデヒド重質物の蓄積は、有機マトリックスと、溶液中に塩を維持するその能力を変えることもある。
一般的に言えば、反応ゾーン内の水の量は、供給材料の含水量、生成物の分離方式及び条件、並びに抽出ゾーン内の反応流体への水の溶解度など(これらに限定されない)のいくつかの要因により決定される。HRFへの水の直接添加は、米国特許第5,744,649号に記載されているものよりもHRF中に溶解した水のより高い濃度を可能にすることができる。第649号特許は、反応ゾーンに緩衝剤溶液を添加することを教示し、この添加は水も増加させるが、反応流体中の塩の濃度も増加させ、これは、塩を溶解し除去するのに非生産的である。溶解度は、典型的には、[カチオン]×[アニオン]の積である溶解度積として記述され、ここで、[カチオン]は金属濃度であり、[アニオン]は、緩衝剤又はリン分解不純物(典型的にはアルキルホスホニウム酸又は亜リン酸)に由来する共役弱酸アニオンの濃度である。緩衝剤を加えるとカチオン濃度が増加するため、緩衝水を加えると、ファウラントを含む全ての溶解した金属塩の溶解度が減少する。これは、緩衝剤自体が析出することをもたらすこともあり、ファウリングの問題がさらに悪化する。
反応液中の水分濃度が低い場合(例えば、0.1質量%未満の水)、酸金属塩は良好に振る舞い、すなわち、酸金属塩は、ファウリングするとは予想されない懸濁固形物である。驚くべきことに、水のレベルが増加するにつれて、酸金属塩は、大容量のゲル及び粘着性固形物になり、これらは、冷たい表面に粘着して熱交換器のファウリングをもたらしうる。
驚くべきことに、適度に高いレベル非緩衝水が、堆積した物質を溶解し、ファウリングを緩和することが見出された。さらに、この水の添加は、配位子の加水分解をあまり促進させず、全体的な系の性能に悪影響を及ぼさない。堆積した物質が溶解すると、抽出器により除去されるため、ファウリングの問題が緩和される。理論にとらわれず、ファウラントがすでに中和されていると、ファウラントは強酸として作用せず、加水分解可能なリン配位子の自己触媒的酸触媒分解に参加しないと考えられる。水のレベルが従来使用されていたものよりも高いかもしれないが、著しい加水分解可能なリン配位子は観察されない。これは、固形物が強酸であり、固形物を溶解させて溶液中のそれらの濃度を増加させることが望ましくないであろう米国特許第5,741,944号とは対照的である。米国特許第5,744,649号では、水を系に加えるが、これは本発明では起こらない酸性度の制御のためである(酸性度の制御は、水の添加前にすでに行われる)。米国特許第5,744,649号は、水が、本発明では必要とされない別の層を生成しなければならないことも教示している。
水の添加は、水性抽出ゾーンの外側の反応系内の任意の場所で行うことができる。任意の場所としては、反応器、熱交換器、生成物分離ゾーン(膜分離器、蒸発器など)、又は供給路が挙げられる。水が添加されるが、反応媒体中に存在する水が特定の反応を引き起こすのに十分な量で存在しないか、又は前記媒体が有機層に加えて有意な別個の水性又は水の相又は層を含むとみなされるのに十分な量で存在しないという点で、このプロセスは実質的に「非水性」である。
例えば米国特許第5,741,944号におけるような向流抽出器を使用する場合、水性緩衝液抽出ゾーンの下流に、水のみを含む別の抽出ゾーンを追加することは本発明の別の一例である。この実施形態では、生じる有機反応液は水層を通過するため、任意の溶解した又は同伴された塩は、反応ゾーンに有機反応流体が戻される前に除去される。この水抽出ゾーンは、ボトムゾーンが主に緩衝剤抽出ゾーン(酸を除去する)であり、上部ゾーンが塩スクラビングゾーンである向流抽出器(デュアルゾーン抽出器)内の別個のユニット又は別個のゾーンであることができる。
本発明において加えられる水は、貯蔵などの間にpHを維持するために緩衝剤を含んでよいが、抽出工程で使用される緩衝剤の濃度の50%以下、好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以上であるべきである。溶解性の理由から、添加水中の希釈緩衝剤は主な緩衝剤のイオンと同じでないことが好ましい(例えば、添加水の緩衝剤は炭酸カリウム塩であり、抽出ゾーンにおいて使用される緩衝剤はリン酸ナトリウム塩である)。HRFに導入された添加水の量は様々に変えることができるが、典型的には、HRFの質量を基準にして0.1%、もしくは0.2%、もしくは0.3%、もしくは0.4%、もしくは0.5%以上であることができる。当該プロセスに導入することができる添加水の最大量は、実際的な考慮すべき事柄、例えば、コスト、リターンの減少、運転のしやすさなどの関数であるが、HRFと接触させる添加水の最大量は、HRFの質量を基準にして、5%、もしくは4%、もしくは3%、もしくは2%、又は1%を超えない。
図1は、ヒドロホルミル化プロセスの一実施形態を例示するものであり、追加される水を導入することができるさまざまな場所を示している。このプロセスは、オレフィンと合成ガスをヒドロホルミル化条件下で接触させてヒドロホルミル化反応流体中のヒドロホルミル化反応生成物を生成する反応ゾーン1(典型的には、1又は2以上の連続撹拌型タンク反応器又はカラム内に含まれる又は収容される)を含む。HRFは、分離ゾーン3(これも、典型的にはカラム内に収容されている)への管導、例えば管2を介して移送され、分離ゾーン3において、生成物、例えばアルデヒドが回収され、特定の副生成物が排出され、未反応の出発物質及び触媒(「リサイクルHRF」)が導管4、4b及び7を介して反応ゾーン1にリサイクルされる。導管4内のリサイクルHRFの一部が取り出され、導管4aを通過して抽出ゾーン5に送られ、抽出ゾーン4において、リサイクルHRFの一部が水性緩衝剤溶液と接触する。緩衝剤抽出ゾーン5は、典型的には、カラム内に収容されており、向流方式で、リサイクルHRFはカラムを上方に向かって通過し、水性緩衝剤溶液はカラムを下方に向かって通過する。過剰な緩衝剤は、カラムの底部から緩衝剤抽出ゾーン5を出て、緩衝されたリサイクルHRFはカラムの上部から導管6を介して緩衝剤抽出ゾーン5を出て導管7中に入り、反応ゾーン1に戻される。緩衝剤抽出ゾーン5を通過しなかったリサイクルHRFの一部は緩衝されないまま導管4bを介して導管7中に入り、導管7内で緩衝剤抽出ゾーン5からの緩衝されたリサイクルHRFと混合され、反応ゾーン1に戻される。本発明の添加水は、緩衝剤抽出ゾーン5外の任意の位置、すなわち反応ゾーン1、分離ゾーン3、及び/又は導管2、4、4a、4b、6及び/又は7のいずれかで、当該プロセスに導入することができる。
図2は、図1の実施形態の変形例を示し、この変形例では、塩抽出ゾーン8が抽出ゾーン5の上方で、なおかつ下流に位置する。この変形例では、緩衝化リサイクルHRFは、緩衝剤抽出ゾーン5を収容しているカラムの上部から出て、塩抽出ゾーン5(この実施形態では、緩衝剤抽出ゾーン5を収容しているカラムとは別の分離しているカラム内に収容されている)内に入る。緩衝化リサイクルHRFは、塩抽出ゾーン8を収容しているカラムを上方に向かって通過し、向流方式でカラムを下方に通過する添加水と接触する。過剰の水は、塩分離ゾーン8を収容しているカラムの底部から除去される。図2に示すように、添加水を、図1に示したのと同じ箇所で当該プロセスに導入することもできるが、塩分離ゾーン8への添加水の導入によって、本発明の利点を得るには、添加水のさらなる添加は典型的には必要でない。
図3は、図2に例示した実施形態の変形例、すなわち、緩衝剤抽出ゾーン5を収容している同一容器(例えばカラム)内に塩抽出ゾーン8を収容している実施形態を示す。この実施形態でも、塩抽出ゾーンは、緩衝剤抽出ゾーン5の上方で、なおかつ下流に位置するが、2つのゾーンは、機械的手段、例えばバッフルにより物理的に分離されていることができ、典型的には、それらは任意の物理的手段により分離されていない。2つのゾーン間の主な違いは、ほんの少しだけ緩衝された又は緩衝されていない添加水が塩分離ゾーンに加えられ、一方、緩衝水(添加水でない)が緩衝剤抽出ゾーンに加えられるということである。添加水は、典型的には、カラムの上部に導入され、一方、緩衝化水性流は添加水が加えられた箇所よりも下方、例えばカラムの中心付近又は中心でカラムに加えられる。過剰な添加水及び緩衝化水溶液の両方がカラムの底部から除去される。
ヒドロホルミル化反応流体の水の量は、慣用の手段、例えばカールフィッシャー(Karl−Fischer)又はオンライン分光法、例えば赤外線(IR)又は近赤外(NIR)などによって容易に決定することができる。ヒドロホルミル化反応流体又は抽出器テール中の溶解した又は同伴された塩の量は、イオンクロマトグラフィー、NMR(31P又は13C)、原子吸光(例えばNaの場合)、又は他の従来の手段によって決定することができる。ファウリングは、熱交換器の設計値未満の熱伝達効率、装置を通じての大きな圧力低下(又は制限された流れ)、及び典型的には経時的に悪化する類似の処理の問題によって顕在化することがある。いくつかの例では、反応流体から採取したサンプルは、冷却されると、曇り、濁り、又は固形物を示すことがある。ヒドロホルミル化反応流体中の配位子濃度は、従来の手段、例えば経時的配位子の分解速度の計算を可能にする31P NMR、GC、GPC、紫外−可視分光法、又はHPLCなどにより測定することができる。同様に、重質物の形成の速度は、経時的に採取したヒドロホルミル化反応流体サンプルのGC分析により決定することができる。
本発明を、以下の実施例によりさらに説明する。特に断らない限り、全ての部及び百分率は質量基準である。
バレルアルデヒドは、使用前に、減圧下で蒸留したてのものであった。バレルアルデヒドトリマーは、市販の触媒リサイクルサンプルの真空蒸留により得た。蒸留物は、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)により、75%のバレルアルデヒドトリマーと25%のバレルアルデヒドダイマーの混合物であると決定された。バレルアルデヒド及びバレルアルデヒドトリマーの両方の部分を水で飽和した後、様々な水分量の溶液を提供するために蒸留したての材料とブレンドした。特に断らない限り、全ての水濃度は、カールフィッシャー滴定法によって決定した。
比較例1
1つの少量(15mg)のヒドロキシペンチルホスホン酸の二ナトリウム塩(HPPA−NA)を窒素下で20mlガラスバイアルに入れた。無水バレルアルデヒド(3.52g;水0.0961質量%)を加え、得られた混合物を室温で攪拌した。2時間攪拌した後、固体は自由流動性の懸濁粒子のままであった。
実施例1〜3
1つの少量(70mg)のヒドロキシペンチルホスホン酸の二ナトリウム塩(HPPA−NA)を3つの3オンスガラス圧力容器の各々に入れた。次に、バレルアルデヒド及びバレルアルデヒドトリマー(質量比2:1)と、1−ブテンを、シリンジを介して加え、室温で2時間攪拌した。観察結果を表1に報告する。
Figure 0006294374
実施例4〜6
1つの少量(130〜160mg)のヒドロキシペンチルホスホン酸の二ナトリウム塩(HPPA−NA)を3つの3オンスガラス圧力容器の各々に入れた。次に、バレルアルデヒド、バレルアルデヒドトリマー及び1−ブテンを、シリンジを介して加え、得られた混合物(様々なレベルの水を含む)を70℃で2時間激しく攪拌した。次いで、サンプルをその温度で取り出し、速やかに濾過し、そして、イオンクロマトグラフィーによるHPPA−NA溶解度の定量化を容易にするために濾液を水で2回抽出した。結果を表2に報告する。
Figure 0006294374
実施例4〜6の溶液は、実際のヒドロホルミル化溶液条件をモデル化することを意図している。実施例4〜6は、含水量の緩やかな増加が、HPPA−NAの溶解度に対して、HPPA−NA濃度が劇的な影響を及ぼし、それが形成される速度で、又は上記除去することができる程度にHPPA−NAの溶解度に劇的な影響を有することを示している。
実施例7
少量(67mg)のヒドロキシペンチルホスホン酸のジナトリウム塩(HPPA−NA)を3オンスガラス圧力容器に入れた。次に、バレルアルデヒドとバレルアルデヒドトリマー(4.07g)の2:1混合物を加え、室温で撹拌を開始した。ブテン−1(1.22g)を、シリンジを介して加え、チューブを70℃の油浴中に入れた。追加の水を徐々に加え、シミュレートしたヒドロホルミル化反応条件下での溶解特性を求めた。全含水量は、初期の水分量(K−F滴定により決定)と全体で行った段階的な水の添加に基づく。結果を表3に報告する。
Figure 0006294374
室温で低レベルの水(<1%)の存在下でヒドロキシペンチルホスホン酸二ナトリウム塩によって形成されたゼラチン状物質は、反応条件に加熱しても再溶解せず、抽出器温度で形成された又は析出した塩は反応機内に残存し、プロセス装置表面に粘着するであろうことが予測される。実施例7は、水の添加は、プロセス条件下で析出固形物を溶解することをはっきりと示している。
実施例1〜3及び4〜6と実施例7の観察結果を組み合わせることによって、含水量の関数として混合物の物理的外観及び性質が変化する傾向が判る。HRFに対して非常に低い含水量(例えば、0.1質量%)では、酸金属塩HPPA−NAは、ファウリングを引き起こしにくい懸濁固形物である。水のレベルが増加するにつれて、表面をファウリングしうる大容量のゼラチン状物質が形成される。含水量のさらなる増加は、ゲルを粘着性固形物に変換し、この粘着性固形物は、反応器表面に容易に堆積し反応器表面を汚染する。さらに高いレベルでは、固形物が有機マトリックス中に溶解するか又は懸濁するため、それらは連続リサイクル系における抽出ゾーンに移送され、そこで除去される。
データから分かるように、配位子分解速度及び/又は酸及び/又は塩の形成速度がそれらの除去速度よりも高い状況では、それらの材料の濃度はヒドロホルミル化反応流体中でのそれらの溶解度よりも高くなることがあり、ファウリングが生じることがある。溶解度が勝る場合には、それらの材料は、系内のファウリングの原因となり、抽出ゾーンで適切に除去されないことがある。本発明は、ヒドロホルミル化反応流体の含水量を増加させることにより(共通イオン濃度を増加させずに)塩の溶解度を増大させること又は共通イオンを除去(スクラビング)して塩の溶解度が増加させることを可能にする。可溶化されたファウラントは、抽出ゾーンで除去されることが期待される。
実施例8
冷却ループを備えたバブルカラム反応器内で、ラフィネート2を、有機ビスホスファイト配位子と錯化したロジウム触媒、遊離配位子、水素、一酸化炭素及び溶媒(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)の存在下で、連続的にヒドロホルミル化して、n−バレルアルデヒドと2−メチルブタナール及び3−メチルブタナール(イソバレルアルデヒド類)の混合物を得た。反応熱は、冷却ループ内に設置された水冷式熱交換器によって除去した。ヒドロホルミル化反応器から排出されたヒドロホルミル化反応流体を、形成されたバレルアルデヒド類を回収するために分離ゾーンに移した。バレルアルデヒドの分離後に残った残留ヒドロホルミル化反応流体をリン酸ナトリウム緩衝液で抽出し、次いで、図1に示すように、ヒドロホルミル化反応器に戻した。プラントの起動から2日後に、熱交換機においてファウリングが検出された。プラントをさらに4日間運転した。これら4日間の間に、反応熱を十分に除去することができないほどまでファウリングが増加し、そのため、ヒドロホルミル化反応器及びヒドロホルミル化反応流体の温度の増加が起こった。この熱除去の低下により、プラントの停止が必要になった。
ヒドロホルミル化反応流体と接触した反応器、導管、熱交換器、制御弁、ポンプ、及び他のプラント設備の徹底的なクリーニング後、前に使用したのと同じプロセス条件下でプラントを再度起動した。2日間の運転後、熱交換器においてファウリングが再発した。
ファウリングの再発後、ヒドロホルミル化反応流体(HRF)中の含水量が約0.15%増加するまで反応器に脱イオン水を連続的に加えることが可能になるように設備の変更を行った。水の添加から1日後に、熱交換器におけるファウリングの著しい減少と、熱交換プレート上の粘着性のゼラチン状の沈殿物の溶解を確認できた。ファウリングによりもたらされる不十分な熱交換の結果として停止を必要とせずに、プラントの運転を継続することができた。ヒドロホルミル化流体の含水量は、このレベルで維持され、ファウリングは再発しなかった。
本発明を好ましい実施形態についての上記記載によりいくらか詳細に説明したが、この詳細は主に例示のためである。当業者は、多くの変形及び修飾を、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができる。
本発明を好ましい実施形態についての上記記載によりいくらか詳細に説明したが、この詳細は主に例示のためである。当業者は、多くの変形及び修飾を、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができる。
本発明に関連する発明の実施態様の一部を以下に示す。
[態様1]
ヒドロホルミル化プロセスの反応ゾーンに有機ヒドロホルミル化反応流体(「HRF」)を戻す前にHRFから金属塩を除去するための抽出方法において、HRFが有機リン配位子と金属−有機リン配位子錯体を含み、当該抽出方法は、ヒドロホルミル化プロセスの緩衝剤抽出ゾーン内でHRFを水性緩衝剤溶液に接触させる工程を含み、反応ゾーンは緩衝剤抽出ゾーンの上流に位置し、当該抽出方法は、水性緩衝剤溶液中に存在する水に加えて緩衝剤抽出ゾーン外でHRFを水(「添加水」)に接触させる工程を含むことを改良点とする抽出方法。
[態様2]
ヒドロホルミル化プロセスが、さらに、前記反応ゾーンの下流に位置し、かつ、前記抽出ゾーンの上流に位置する生成物分離ゾーンを含み、前記反応ゾーン又は前記分離ゾーンの少なくとも1つにおいて前記添加水とHRFを互いに接触させる、上記態様1に記載の抽出方法。
[態様3]
前記添加水を、前記抽出ゾーンの下流で、かつ、HRFが前記反応ゾーンに戻る前に、HRFに接触させる、上記態様1に記載の抽出方法。
[態様4]
さらに、前記緩衝剤抽出ゾーンの下流に位置する塩抽出ゾーンを含み、前記塩抽出ゾーンにおいて、かつ、HRFが反応ゾーンに戻る前に、HRFを前記添加水に接触させる、上記態様1に記載の抽出方法。
[態様5]
前記塩抽出ゾーン及び緩衝剤抽出ゾーンが別々の容器内に位置する、上記態様4に記載の抽出方法。
[態様6]
前記塩抽出ゾーン及び緩衝剤抽出ゾーンが単一の容器内に位置する、上記態様4に記載の抽出方法。
[態様7]
前記ヒドロホルミル化プロセスが、さらに、熱交換器を含み、HRFが前記熱交換器に入る前に前記添加水をHRFに接触させる、上記態様1〜7のいずれか一つに記載の抽出方法。
[態様8]
前記添加水が緩衝化されていない、上記態様1〜7のいずれか一つに記載の抽出方法。
[態様9]
前記添加水が緩衝化されている、上記態様1〜7のいずれか一つに記載の抽出方法。
[態様10]
前記添加水の緩衝剤濃度が、前記水性緩衝剤溶液の濃度の50%未満である、上記態様1〜9のいずれか一つに記載の抽出方法。
[態様11]
前記添加水の緩衝剤濃度が前記水性緩衝剤溶液の濃度の20%未満である、上記態様1〜9のいずれか一つに記載の抽出方法。
[態様12]
前記添加水の緩衝剤濃度が前記水性緩衝剤溶液の濃度の10%未満である、上記態様1〜9のいずれか一つに記載の抽出方法。
[態様13]
前記添加水の量がHRFの質量を基準として0.1%以上である、上記態様1〜12のいずれか一つに記載の抽出方法。
[態様14]
前記水性緩衝剤溶液が弱酸の金属塩を含む、上記態様1〜13のいずれか一つに記載の抽出方法。

Claims (2)

  1. ヒドロホルミル化プロセスの反応ゾーンに有機ヒドロホルミル化反応流体(「HRF」)を戻す前にHRFから金属塩を除去するための抽出方法において、HRFが有機リン配位子と金属−有機リン配位子錯体を含み、当該抽出方法は、前記ヒドロホルミル化プロセスの緩衝剤抽出ゾーン内でHRFを水性緩衝剤溶液に接触させる工程を含み、前記反応ゾーンは前記緩衝剤抽出ゾーンの上流に位置し、
    当該抽出方法は、HRFを、前記緩衝剤抽出ゾーン外で、水性緩衝剤溶液中に存在する水に加えて水(「添加水」)に接触させる工程を含み、前記添加水が緩衝化されていないことを改良点とする抽出方法。
  2. さらに、前記緩衝剤抽出ゾーンの下流に位置する塩抽出ゾーンを含み、HRFを前記反応ゾーンに戻す前にHRFを前記塩抽出ゾーン内で前記添加水に接触させる、請求項1に記載の抽出方法。
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