JP2010064596A - スライドドアのカバー構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ドア開口を開閉するスライドドア4を閉鎖位置D1と同位置より車幅方向外側の突出し位置D2と突出し位置より車体後方または前方の全開位置D3との間で移動させるドア開閉装置と、車体に縦中心線Lh回りに揺動可能に枢支され、突出し位置および全開位置に達したドアの内壁と車体の外側壁との隙間を側方より覆う覆い位置K2と閉鎖位置D1に達したドアの内壁に沿うよう重なる重ね位置K1との間で揺動すると共に覆い位置に向けて弾性的に回動付勢されてなる側方カバー75と、覆い位置に達した側方カバー75が重ね位置に揺動するのを阻止するようにドア4の内壁に突設される回動規制部材56とを具備した。
【選択図】図7
Description
このスライドドアとしては、乗降口の上下部位にスライドレールを設け、ドアの上下にスライドアームの基端を取り付け、各スライドアームの摺動端をスライドレールにローラを介して嵌合させ、しかも、ドアの後端中央部を車体外側壁後方中央部に取り付けた3本目のレールにスライド可能に支持させた3点支持式のスライドドアが使用されている。
特に、スイングスライドドアでは、スライドレールに摺動可能に嵌合するスライダーと車体側基枠とを平行リンクで連結し、そこに所定の開閉駆動機構を付設したドア開閉装置が採用される。このドア開閉装置は車体側基枠やこれに連結する平行リンクがドアと車体側壁部との隙間に変位可能に配備されることより、このドア開閉装置が美観を低減させるし、隙間の開放中に異物や乗員の手が進入する可能性があると推測され、これを防止する必要がある。
車両Cはセンターピラ5のある自動車であり、前乗降口1を開閉するフロントドア2と、後乗降口3を開閉するスイングスライドドア(以後単にリヤドアと記す)4とを備える。
フロントドア2は前端上下2箇所h1、h2がヒンジ結合され、揺動端がセンターピラ5の上下中ほどの後ロック部Jfに不図示のラッチとストライカを用いて離脱可能にロックされる。
図4に示すように、リヤドア4はそのアウタパネル401とドア内空間を介して配備されるインナパネル402とが互いの前後及び下部の外周縁部を相互に一体接合処理され、しかも、両パネルの上方周縁部には開口が形成される。この開口は不図示のドアガラスの昇降作動域及びその支持部材のサッシュ55を装着可能なように形成される。
図3、6に示すように、ドア内空間にはスイングスライドユニットUのドア側駆動機構19(図3、4、6参照)や、制御手段としてのコントローラ30が配備される。
図2、図3、図5に示すようにここで、ドアトリム80の前端縁の上下中間部にはドアノブ56が重ねて取り付けられ、このドアノブ56は後述する側方カバー75の揺動端に当接可能で回動規制部材としても機能する。
図4に示すように、ドアトリム80の中央には取り付け穴90が形成される。一方、リヤドア4のインナパネル402の上部中央にはドア側枢支部37が一体的に取り付けられる。このドア側枢支部37はドアトリム80の取り付け穴90に貫通状態で嵌合し、そこには後述するドア荷重支持アーム18の揺動端側がピン結合される。
アームカバー91の主部912は長板状をなし、ドア閉鎖時に取り付け穴90とそこに一部が嵌合する第2揺動アーム61及びドア側枢支部37を覆うように形成される。
なお、アームカバー91には不図示のコイルバネが係止され、そのコイルバネの弾性力を受けて主部912が基端部911回りに弾性的に回動付勢されており、アームカバー91の主部912が第2揺動アーム61に当接しつつその揺動作動に連動する。
次に、図1に示すように、後乗降口3の後部縦縁部はリヤピラー60により形成される。 リヤピラー60は車体の後部のアウタパネル(クオーターパネル)60bの前端部分とその車内側のインナパネル29(図4にクオーターパネル60bと重なる状態で示した)の前端部分と、不図示のリンフォースとで形成される。
特に、後縦向きフランジf1の上下方向での中間部には、図1、4に示すような取り付け凹部Tが形成される。この取り付け凹部Tは車外側に向けて開放された凹状部をなし、上側に後端ロック部J3を取り付けると共に下側にスイングスライドユニットUの車体側基部であるベース部材15を取り付けている。
スイングスライドユニットUの一部である平行リンク16は、図6に示すように、リヤドア4の移動を規制し、各位置D1〜D3を位置決めする機能を備える。この平行リンク16は、その前アーム31及び後アーム32の揺動端が前、後連結ピン246、245を介してスライダー24の前後端にそれぞれピン結合される。
図4に示すように、リヤドア4のドア支持レール22はその内部に主、従レール溝を前後方向X(紙面垂直方向)に長く形成され、このドア支持レール22の内部に不図示の複数のローラを介してスライダー24が摺動自在に嵌着される。ここで、スライダー24は並行リンク16により揺動すると共にスライダー24の複数のローラに対してドア支持レール22側が前後方向Xに相対移動できる。
図6(a)〜(c)に示すように、スイングスライドユニットUのドア側駆動機構19は、リヤドア4内部に配設されたモータMと、モータMに巻取り、巻戻し可能に駆動される巻き取りドラム46と、巻き取りドラム46に引き出し自在に巻き取られる開ケーブル49及び閉ケーブル51(図6(c)参照)と、開ケーブル49を巻きがけるドア支持レール22前端の端部プーリPo1と、閉ケーブル51を巻きがけるドア支持レール22後端の端部プーリPc1と、スライダー24の前側の第1プーリ23fと、前アーム31上の第2プーリpo2(前中間プーリ)と、ベース部材15に支持され開ケーブル49のアンカー部を連結したケーブルエンドpoeと、スライダー24の後側の第1プーリ23rと、後アーム32上の第2プーリpc2(後中間プーリ)と、ベース部材15に支持され閉ケーブル51のアンカー部を連結したケーブルエンドpceと、を備える。
図4に示すように、スイングスライドユニットUのベース部材15を装着するリヤピラー60の取り付け凹部Tの近傍域であって、車内側(図4でYo側)のインナパネル29の前端部分とリヤピラー60の後方フランジ部60fとが重なる部位には後述の側方カバー75を枢支するヒンジ部76が取り付けられる。このヒンジ部76は後述の側方カバー75を枢支するもので、図3、図5に示すように、そのヒンジ部76の外周側には、これを車内側より覆うピラートリム74が装着される。
ここで、上下枢支部761に対して枢軸S1及び基端軸部762(側方カバー75側)が縦向きの縦中心線Lh回りに回転可能に枢支されている。なお、縦中心線Lh回りに不図示のつる巻きバネが巻き付け配備され、このつる巻きバネの一端が上下枢支部761の一方に、他端が側方カバー75の基端部752近傍にそれぞれ係止されており、これにより側方カバー75がその揺動端部側を弾性的に車外方向(図3で紙面裏側)に回動付勢されている。これにより、側方カバー75は確実にスイングスライドユニットU側のドア荷重支持アーム18や平行リンク16の突端部に当接しつつドアトリム80側に回動付勢された状態で揺動できる。
これにより、リヤドア4が全開位置D3に達した際に、側方カバー75は縦中心線Lh回りに弾性付勢されて、平行リンク16やドア荷重支持アーム18の前側突端に相対変位可能に当接する。この際、図3、図5(b)に示すように、車幅方向Yに向かう位置、即ち、覆い位置K2に保持される。この場合、リヤドア4の内壁と車体外側壁間の空間Eと、そこに配備されるスイングスライドユニットUと、アームカバー91とを側方カバー75が前方側から覆うことができるように形成される。なお、覆い位置K2に保持される板状主部751の上端部には、ドアトリム80に取り付けられたドア開閉スイッチ(ドア開閉操作手段)SW1の操作を可能とするための切欠部cが形成されている。
ここで、全開位置D3にあるリヤドア4と一体のドアノブ56は、その後方に覆い位置K2に保持される側方カバー75の揺動端が対向し、相互に接近、あるいは当接状態を保持している。
なお、図4には2点差線で側方カバー75が車幅方向Yに沿うような向きに達して、即ち、覆い位置K2に達している場合と、1点差線で側方カバー75がトリムに重合する状態(閉鎖位置D1における状態にあたる)である、重合位置K1に達している場合を便宜上、併記した。
更に、図3に示すように、リヤドア4が全閉位置D1に達し、側方カバー75が前後方向Xに向かう位置に達した際に、板状主部751はその全体がドアトリム80の車内側壁面に重合し、弾性的に同車内側壁面に押圧され、同時に、横向き延出部754(図5(a)参照)はドアトリム80の上向き壁面fuに重合し、見栄えを確保している。
このピラートリム74は、フランジ嵌合部743の内側の不図示の縦嵌合長溝が後方フランジ部f1に嵌着され、カバー嵌合部741とその上の横向き縁部742とは側方カバー75の基端部752及びヒンジ部76を車内側及び上部より覆うように形成される。その上で、縦壁部740が不図示の締結手段によりインナパネル29の車内側壁面に固着されることで取り付けが成されている。
コントローラ30がドア開指令を受ける前において、リヤドア4が閉鎖位置D1に保持されているとする。この状態において、リヤドア4側の前端上ロック部J1と前端下ロック部J2と後端ロック部J3はロック状態を保持したまま非通電状態に保持されている。
この際、後アーム32と前アーム31の揺動端は車内側(図5(a)において下方側)に引き込まれ、両アームの揺動端のスライダー24と共にドア支持レール22が図1に示すリヤドア4を閉鎖位置D1に保持する。
この状態において、リヤドア4に取り付けられているノブ56はドアトリム80の前端縁側に位置し、乗員の通常の挙動域より外れ、邪魔となることもない。更に、手動操作でドアの開閉を行うような場合には、リヤドア4の前後のロック部J1、J2、J3がロック解除された上で、ノブ56に車内の乗員が手を掛け、後方向Xにリヤドア4の摺動抵抗を上回る操作力を加えて、リヤドア4を開放方向に摺動可能である。
この場合、コントローラ30のラッチ解除制御部303は、ラッチ解除駆動手段192の不図示のソレノイドを駆動し、閉鎖位置D1のリヤドア4の前端上ロック部J1と前端下ロック部J2と後端ロック部J3をロック解除作動させる。
次いで、開閉制御部301がドア側駆動機構19のモータMを駆動する。この際、図6(a)〜(c)に示すように、開作動ケーブル49のアンカー部を連結したケーブルエンドpoeと、ドア支持レール22上の固定プーリpo1との間に張設されたケーブルが巻き取りドラム46に巻き取られる。
この際、図6(b)、図7(b)に示すように、リヤドア4が突出し位置D2を保持するまで側方カバー75が車外方向に揺動し、この側方カバー75とアームカバー91の揺動端近傍とが当接する状態を保持する。この状態においても、これらカバー75、91が乗員の安全性を確保でき、美観確保を図れる。
更に、この状態で、乗員が故意に側方カバー75を前側に引張るとしても、ドアノブ56がストッパーとして機能し、覆い位置K2より前側に揺動し、ずれることが防止される。このように、弾性的に覆い位置K2に向けて回動付勢されるだけの側方カバー75が故意に前側に引張られても、ドアノブ56が側方カバー75のストッパーとして機能し、ドアの内壁と車体の外側壁との隙間Eを前方より安定して確実に覆うことができ、美観を確保でき、しかも、隙間EやスイングスライドユニットUに向かう異物や乗員の手の進入を確実に防止でき、安全を確保できる。
この場合、ドア側駆動機構19のモータMが駆動され、図6(b)、図6(a)の状態に逆作動し、この閉鎖作動の場合に、側方カバー75やアームカバー91が開作動時と逆にそれぞれ揺動する。更に、リヤドア4が閉鎖位置D1の直前のハーフラッチ位置に達すると、開閉制御部301がドア側駆動機構19のモータMを停止させる。
次いで、ラッチ駆動制御部302がラッチ駆動手段191の不図示のモータを駆動し、リヤドア4の前端上ロック部J1と前端下ロック部J2と後端ロック部J3をフルラッチ作動させ、リヤドア4を閉鎖位置D1に保持する。
上述のところにおいて、側方カバー75の揺動端に当接し、側方カバー75を覆い位置K2に保持する回動規制部材としてドアノブ56を説明したが、これに代えて、図9(a)、(b)に示すように、ドアトリム80の前端縁の上下中間部にドアハンドル58や、カップホルダー59を取り付け回動規制部材として用いても良い。
図9(b)に示すように、カップホルダー59を用いた場合、カップホルダー59は不図示のインナパネルにドアトリム80を介して締結される基板部591と、同基板部591に収納可能に突設されるカップ受け部592とを備える。
この場合も、リヤドア4が全開位置D3に達し、側方カバー75が覆い位置K2に保持した際に収納状態(2点鎖線の状態)に保持されたカップ受け部592が側方カバー75の揺動端に当接し、ストッパーとして機能し、側方カバー75を故意に引張り、覆い位置K2より離脱することを確実に回動規制部材として阻止でき、しかも、部品数の低減を図れる。
上述のところにおいて、スイングスライドドアであるリヤドア4に本発明を適用するとして説明したが、本発明はドアの上下に取り付けた2本のレールと、車体外側壁後方中央部に3本目のレールを取り付けた3点支持式のスライドドアに対しても、本願発明を同様に適用でき、同様の作用効果が得られる。
4 リヤドア
402 インナパネル
15 車体側基部であるベース部材
16 平行リンク
19 開閉駆動機構(ドア開閉装置)
30 コントローラ
301 開閉制御部
302 ラッチ駆動制御部
303 ラッチ解除制御部
56 ドアノブ(回動規制部材)
58 ドアハンドル(回動規制部材)
59 カップホルダー(回動規制部材)
80 ドアトリム
75 側方カバー
751 板状主部
752 基端部
753 上端部位
754 横向き延出部
C 自動車(車体)
D1 閉鎖位置
D2 突出し位置
D3 全開位置
K1 重ね位置
K2 覆い位置
Lh 縦中心線
M モータ
U スイングスライドユニット
X 前後方向
Y 車幅方向
Claims (4)
- 車体のドア開口を開閉するスライドドアを閉鎖位置と前記閉鎖位置より車幅方向外側の突出し位置と前記突出し位置より車体後方または前方の全開位置との間で移動させるドア開閉装置と、
前記車体に縦中心線回りに揺動可能に枢支され、前記突出し位置および前記全開位置に達した前記ドアの内壁と車体の外側壁との隙間を側方より覆う覆い位置と前記閉鎖位置に達した前記ドアの内壁に沿うよう重なる重ね位置との間で揺動すると共に前記覆い位置に向けて弾性的に回動付勢されてなる側方カバーと、
前記ドアが前記全開位置に達した際に、前記覆い位置に達した側方カバーが前記重ね位置に揺動するのを阻止するように前記ドアの内壁に突設される回動規制部材と、
を具備したことを特徴とするスライドドアのカバー構造。 - 請求項1に記載のスライドドアのカバー構造において、
前記ドア開閉装置は、前記ドアの上下方向での略中央部に配置され、前記ドアと車体側とをリンク機構で連結するとともに前記ドアを車体後方または車体前方へスライド移動させるスイングスライドユニットである、ことを特徴とするスライドドアのカバー構造。 - 請求項1または請求項2に記載のスライドドアのカバー構造において、
前記回動規制部材は前記ドアに開閉操作力を加えるノブである、ことを特徴とするスライドドアのカバー構造。 - 請求項1または請求項2に記載のスライドドアのカバー構造において、
前記回動規制部材は前記ドアの内壁に取り付けられたカップホルダーである、ことを特徴とするスライドドアのカバー構造。
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