JP7018861B2 - スライドドア付き車両 - Google Patents

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Description

本発明は、スライドドア付き車両に関する。
スライドドア付き車両として、運転席のスイッチ操作で駆動モータを駆動してスライドドアを電動開閉する構成(パワースライドドア)が知られている。スライドドア付き車両は、例えば、インナ緊急ハンドルおよびアウタ緊急ハンドルが、リモート操作部を介して操作ケーブルによりフロントラッチ、リアラッチ、および開扉用ラッチに連結されている。各緊急ハンドルの操作により、閉扉用ラッチユニットの拘束が解放されてスライドドアが開扉可能に切り替えられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2018-24998号公報
しかし、特許文献1のスライドドア付き車両は、インナ緊急ハンドルおよびアウタ緊急ハンドルが、リモート操作部を介して操作ケーブルによりフロントラッチ、リアラッチ、および開扉用ラッチに連結されている。このように、インナ緊急ハンドル、アウタ緊急ハンドル、リモート操作部、および操作ケーブルをスライドドアに備えるために部品点数が増し、そのことが、重量低減やコスト低減を抑える妨げになっている。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、部品点数を減らして、重量やコストを抑えることができるスライドドア付き車両を提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載の発明は、車両(例えば実施形態の車両10)用のスライドドア(例えば実施形態のスライドドア18)の開閉スイッチ(例えば実施形態の開閉スイッチ31)が、全閉ラッチユニット(例えば実施形態の全閉ラッチユニット22)と、前記スライドドアを作動させる駆動モータ(例えば実施形態の駆動モータ21)とに接続され、前記全閉ラッチユニットは、前記全閉ラッチユニットに備えられた全閉ラッチ機構(例えば実施形態の全閉ラッチ機構35)を拘束状態から解放するリリーサ装置(例えば実施形態のリリーサ装置36)を備え、前記リリーサ装置は、前記スライドドアを全開位置に保持する全開フック機構(例えば実施形態の全開フック機構23)に第1リリーサケーブル(例えば実施形態のリリーサケーブル44)を介して連結され、前記スライドドアの窓枠(例えば実施形態の窓枠48)のうち後縦部材(例えば実施形態の後縦部材48a)の車室(例えば実施形態の車室47)側に設けられるインナ緊急ハンドル(例えば実施形態のインナ緊急ハンドル24)と、前記スライドドアの車体前方に設けられたドア(例えば実施形態のフロントドア19)の後面(例えば実施形態の後面19a)に対峙する前記スライドドアの前面(例えば実施形態の前面18d)に設けられるアウタ緊急ハンドル(例えば実施形態のアウタ緊急ハンドル25)と、を含む緊急ハンドル(例えば実施形態のインナ緊急ハンドル24、アウタ緊急ハンドル25)を備え、前記リリーサ装置は、リンク部(例えば実施形態のリンク部38)を備え、前記リンク部には、第2リリーサケーブルを介して前記インナ緊急ハンドルが連結されるとともに、前記リンク部には、他の第2リリーサケーブルを介して前記アウタ緊急ハンドルが連結される、ことを特徴とする。
このように、スライドドアの開閉スイッチを全閉ラッチユニットと駆動モータとに接続した。全閉ラッチユニットにはリリーサ装置が備えられている。リリーサ装置は全閉ラッチ機構を拘束状態から解放する。このリリーサ装置を全開フック機構に第1リリーサケーブルを介して連結した。全開フック機構は、スライドドアを全開位置に保持する。
よって、開閉スイッチの開操作でリリーサ装置を開作動させることにより、全閉ラッチ機構を車体側のストライカから外し、駆動モータでスライドドアを開作動する。また、開閉スイッチの閉操作でリリーサ装置を閉作動させることにより、第1リリーサケーブルを介して全開フック機構を車体側のストライカから外し、駆動モータでスライドドアを閉作動する。
これにより、従来のスライドドアに必要とされている、外側オープンハンドル、内側オープンハンドル、リモート操作部や、各部を連結する操作ケーブルをスライドドアから除去できる。したがって、スライドドアを開閉するドライブユニット(パワースライドドアシステム)の部品点数を減らして、車両10の重量やコストを抑えることができる。加えて、ドライブユニットの部品点数を減らすことにより、パワースライドドアを安価に製造できる。
請求項2に記載の発明は、前記全閉ラッチ機構は、前記スライドドアが動作する際に
フルラッチ状態となる、ことを特徴とする。
このように、駆動モータによるスライドドアの動作において、全閉ラッチ機構をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に作動させることができる。よって、全閉ラッチ機構をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に作動させるために、従来必要とされているクローザモータを除去できる。これにより、スライドドアを開閉するドライブユニットの部品点数を減らすことができる。
請求項3に記載の発明は、前記リリーサ装置は、第2リリーサケーブル(例えば実施形態のリリーサケーブル45,46)を介して緊急ハンドル(例えば実施形態のインナ緊急ハンドル24、アウタ緊急ハンドル25)に連結され、前記緊急ハンドルにより、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放状態に操作可能とした、ことを特徴とする。
このように、リリーサ装置に第2リリーサケーブルを介して緊急ハンドルに連結することにより、緊急ハンドルを操作することにより、全閉保持ラッチや全開フック機構を開放状態に切り替えることができる。これにより、例えば駆動モータ用のバッテリに不具合が発生した際にスライドドアを開放、閉鎖できる。
請求項4に記載の発明は、前記緊急ハンドルは、前記スライドドアの窓枠(例えば実施形態の窓枠48)のうち後縦部材(例えば実施形態の後縦部材48a)の車室(例えば実施形態の車室47)側に設けられるインナ緊急ハンドル(例えば実施形態のインナ緊急ハンドル24)であって、前記インナ緊急ハンドルのレバー(例えば実施形態のインナレバー51)を上方に上げて前記レバーのロックを解放することにより、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放状態に操作可能とした、ことを特徴とする。
ここで、窓枠のうち後縦部材は、シートに着座した乗員から良好に視認できる部位である。そこで、請求項4において、インナ緊急ハンドルをスライドドアの窓枠のうち後縦部材の車室側に配置した。これにより、インナ緊急ハンドルに対する乗員からの視認性を良好に確保でき、インナ緊急ハンドルの誤操作を抑えることができる。
また、インナ緊急ハンドルのレバーを上方に上げてレバーのロックを解放することにより、全閉ラッチ機構や全開フック機構を解放するようにした。これにより、通常時の走行中に、全閉ラッチ機構や全開フック機構を不用意に解放することを抑制でき、安全性を確保できる。
さらに、インナ緊急ハンドルに緊急スイッチを配置することにより、緊急スイッチがオンに切り替えられた場合にブザーを鳴らすことができる。これにより、通常時の走行中にレバーに触れていることを運転者や乗員に知らせて誤操作を知らせることができる。
また、緊急スイッチがオンに切り替えられることにより、通常時の走行中にスライドドアが不用意に移動しないように駆動モータを制御でき、安全性を確保できる。
さらに、例えば、車室のインナ緊急ハンドルにチャイルドロックでレバーのロックを解放する機構を追加することも可能である。これにより、チャイルドロックがオンの状態においては、いかなるモードであっても、スライドドアの開放を防止でき、チャイルドロックがオンの状態においての安全性を確保できる。
請求項5に記載の発明は、前記緊急ハンドルは、前記スライドドアの車体前方に設けられたドア(例えば実施形態のフロントドア19)の後面(例えば実施形態の後面19a)に対峙する前記スライドドアの前面(例えば実施形態の前面18d)に設けられるアウタ緊急ハンドル(例えば実施形態のアウタ緊急ハンドル25)であって、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放する、ことを特徴とする。
このように、スライドドアの車体前方に設けられたドアの後面に、スライドドアの前面を対峙させ、スライドドアの前面にアウタ緊急ハンドルを設けた。これにより、アウタ緊急ハンドルをスライドドアの外面に設ける必要がなく、意匠性を損なわないようにできる。
また、アウタ緊急ハンドルをスライドドアの前面に配置することにより、アウタ緊急ハンドルを操作する際に、フロントドアを開く必要があり、アウタ緊急ハンドルの誤操作を防止できる。
さらに、アウタ緊急ハンドルを操作する際に、フロントドアを開く必要があり、フロントドアをアウタ緊急ハンドルのロック/アンロック機構として兼用できる。これにより、アウタ緊急ハンドルのロック/アンロック機構をスライドドアに独立するロック/アンロック機構を備える必要がなく、安価で、軽量な防盗性を確保できる。
請求項6に記載の発明は、前記アウタ緊急ハンドルは、前記スライドドアの前面の傾斜面(例えば実施形態の傾斜面18e)に形成する開口部に臨むように配置される、ことを特徴とする。
ここで、スライドドアの前面の傾斜面は、例えばスライドドアを閉じた状態において、センタピラーに対して空間をおいて配置される。そこで、スライドドアの前面の傾斜面に開口部を形成して、開口部に臨むようにアウタ緊急ハンドルを配置した。これにより、センタピラーと傾斜面との間の空間に手先を差し込み、開口部を経てアウタ緊急ハンドルを操作できる。
請求項7に記載の発明は、前記スライドドアの前部(例えば実施形態の前部18c)にフロントフック機構(例えば実施形態のフロントフック機構26)が配置され、後部(例えば実施形態の後部18a)に前記全閉ラッチ機構が配置され、前記フロントフック機構は、前記スライドドアおよび車体(例えば実施形態の車体11)の一方に配置され、拘束位置に位置するラッチ(例えば実施形態のラッチ72)と、前記スライドドアおよび車体の一方に配置され、前記拘束位置に位置するラッチの開放位置への移動を規制する規制位置と、前記ラッチの移動軌跡から離間し、前記ラッチの移動に作用しない規制解放位置との間を移動可能に支持されたラチェット(例えば実施形態のラチェット73)と、を備え、前記ラッチが前記拘束位置に位置し、前記スライドドアおよび車体の他方のストライカ(例えば実施形態の第2全閉ストライカ15)を拘束した状態において、前記スライドドアが、車室(例えば実施形態の車室47)側から車外(例えば実施形態の車外49)側へ変位して前記ストライカが前記ラチェットに突き当たった際に、前記ラチェットが前記規制解放位置から前記規制位置へ変位して、前記拘束位置から前記ストライカを開放する前記開放位置へ移動しようとする前記ラッチに係合し、前記ラッチを前記拘束位置に保持する、ことを特徴とする。
このように、ラッチがストライカを拘束した状態において、スライドドアが車外側へ変位してストライカがラチェットに突き当たる。この際に、ラチェットが規制位置へ変位してラッチに係合してラッチを拘束位置に保持する。よって、スライドドアのドア保持性を高めることができる。これにより、従来必要とされていたフロントフック機構にリリーサ装置やリリーサケーブルを不要にでき、スライドドアの部品点数を減らして、車両10の重量やコストを抑えることができる。加えて、スライドドアの部品点数を減らすことにより、スライドドアを安価に製造できる。
請求項8に記載の発明は、前記全閉ラッチユニットの前記リリーサ装置と、前記駆動モータとを作動させる室内スイッチ(例えば実施形態の室内スイッチ27)を備え、前記室内スイッチは、センタピラー(例えば実施形態のセンタピラー63)の内装部材(例えば実施形態のピラー内装部材91)に設けられ、前記内装部材の表面(例えば実施形態の表面91b)より凹んだ位置に配置されている、ことを特徴とする。
このように、室内スイッチを内装部材の表面より凹んだ位置に配置した。これにより、室内スイッチの位置を乗員が容易に認識でき、かつ、室内スイッチの誤操作を抑えることができる。
請求項9に記載の発明は、前記室内スイッチは、車室に設けられたグリップ(例えば実施形態のグリップ93)の近傍に配置されている、ことを特徴とする。
このように、室内スイッチをグリップ93の近傍に配置した。これにより、乗員がグリップ93を握って降車する際に、室内スイッチの操作と降車とを容易におこなうことができる。
請求項10に記載の発明は、前記全閉ラッチユニットの前記リリーサ装置と、前記駆動モータとを作動させる室外スイッチ(例えば実施形態の室外スイッチ28)を備え、前記室外スイッチは、前記スライドドアの外側に設けられたアウタハンドル(例えば実施形態のアウタハンドル95)の内面(例えば実施形態の内面95a)に設けられている、ことを特徴とする。
このように、室外スイッチをアウタハンドルの内面に配置した。よって、アウタハンドルを操作する延長において、室外スイッチを操作できる。また、アウタハンドルを室外スイッチの取付部材として兼用できるので、室外スイッチを取り付ける専用の取付部材を不要にできる。これにより、スライドドアを軽量にでき、車外からの室外スイッチの操作とスライドドアの開閉を容易にできる。
また、室外スイッチからメカニカル機構を除去することにより、室外スイッチを操作する際に、アウタハンドルを移動操作させる必要がない。よって、室外スイッチがメカニカル機構の場合に、室外スイッチの操作に必要とするアウタハンドルの移動操作を不要にできる。これにより、アウタハンドルの移動操作に必要とする隙間/見切りを不要にでき、外観の見栄え向上させることができる。
請求項11に記載の発明は、前記スライドドアの内装部材(例えば実施形態のドア内装部材97)に引掛け形状部(例えば実施形態の引掛け形状部98)が形成される、ことを特徴とする。
このように、スライドドアの内装部材に引掛け形状部を形成した。これにより、従来、スライドドアに備える必要があったインナハンドルを不要にでき、スライドドアの軽量、かつ安価を図ることができる。
さらに、内装部材に備えた引掛け形状部を、緊急時に、スライドドアを開閉する取手として使用できる。
請求項12に記載の発明は、車両用のスライドドアの開閉スイッチが、全閉ラッチユニットと、前記スライドドアを作動させる駆動モータとに接続され、前記全閉ラッチユニットは、前記全閉ラッチユニットに備えられた全閉ラッチ機構を拘束状態から解放するリリーサ装置を備え、前記リリーサ装置は、前記スライドドアを全開位置に保持する全開フック機構に第1リリーサケーブルを介して連結され、前記リリーサ装置は、第2リリーサケーブルを介して緊急ハンドルに連結され、前記緊急ハンドルにより、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放状態に操作可能とし、前記緊急ハンドルは、前記スライドドアの窓枠のうち後縦部材の車室側に設けられるインナ緊急ハンドルであって、前記インナ緊急ハンドルのレバーを上方に上げて前記レバーのロックを解放することにより、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放状態に操作可能とした、ことを特徴とする。
本発明によれば、スライドドアの開閉スイッチを全閉ラッチユニットと駆動モータとに接続し、全閉ラッチユニットのリリーサ装置で全閉ラッチ機構を拘束状態から解放するようにした。さらに、リリーサ装置を全開フック機構に第1リリーサケーブルを介して連結した。これにより、スライドドアを開閉するドライブユニットの部品点数を減らして、車両10の重量やコストを抑えることができる。
本発明の実施形態に係るスライドドア付き車両を示す概念図である。 実施形態に係るスライドドア付き車両の全閉ラッチユニット、インナ緊急ハンドル、およびアウタ緊急ハンドルを示す概念図である。 実施形態のインナ緊急ハンドルをスライドドアに取り付けた状態を示す側面図である。 実施形態のアウタ緊急ハンドルをスライドドアに取り付けた状態を示す側面図である。 (a)~(c)は、実施形態のアウタ緊急ハンドルを操作する手順を説明する側面図である。 実施形態のスライドドアを開放した状態のフロントフック機構を示す断面図である。 実施形態のスライドドアを閉じた状態のフロントフック機構を示す断面図である。 実施形態のスライドドアに車室側から荷重が作用した状態のフロントフック機構を示す断面図である。 (a)は、実施形態の室内スイッチおよび引掛け形状部をスライドドアに設けた状態を示す斜視図、(b)は、実施形態の室内スイッチの斜視図である。 実施形態の室内スイッチを示す図9(a)のX-X線に沿う断面図である。 実施形態の室内スイッチを示す図9(a)のXI-XI線に沿う断面図である。 実施形態の室外スイッチをスライドドアに取り付けた状態を示す側面図である。 実施形態の室外スイッチを示す図12のXIII-XIII線に沿う断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図面において、矢印FRは車両10の前方、矢印UPは車両10の上方、矢印LHは左側方を指すものとする。
図1に示すように、車両10は、例えば、車体11の左右の側部11aのドア開口部12を開閉する左右のスライドドア18と、左右のスライドドア18を車体前後方向へ移動するドライブユニット(パワースライドドアシステム)20とを備えている。左右のスライドドア18およびドライブユニット20により、いわゆるパワースライドドアが構成される。以下、左右のスライドドア18をスライドドア18として説明する。
ドア開口部12の後部に第1全閉ストライカ13が設けられている。ドア開口部12の下後部に全開ストライカ14が設けられている。ドア開口部12の前部に第2全閉ストライカ15が設けられている。第1全閉ストライカ13、全開ストライカ14、および第2全閉ストライカ15は、一般に使用されているストライカと同様に、ラッチ機構により拘束可能に形成されている。
ドライブユニット20は、駆動モータ21と、全閉ラッチユニット22と、全開フック機構23と、インナ緊急ハンドル(緊急ハンドル)24と、アウタ緊急ハンドル(緊急ハンドル)25と、フロントフック機構26と、室内スイッチ27と、室外スイッチ28と、を備える。
駆動モータ21は、車体11のうちドア開口部12の車体後方部位に設けられ、開閉スイッチ31に接続されている。開閉スイッチ31は、例えば、ドライバシートに着座した運転者が操作可能な箇所(例えば、ステアリングホイールの近傍)に設けられている。駆動モータ21は、パワースライドドアに一般に使用されている駆動モータと同様の構成である。すなわち、駆動モータ21は、開閉スイッチ31の開閉操作により、ドラムを正転方向と逆転方向とに回転して操作ケーブルを操作する。操作ケーブルに連結されたスライダが、センタレール34を移動してスライドドア18を車体前後方向へ移動(スライド移動)することにより、スライドドア18でドア開口部12を開閉する。
ここで、スライドドア18を閉じる閉動作の際に、閉動作の初期から中期において、センタレール34の一般部(車体前後方向へ延びる部分)34aをスライダが移動する。また、閉動作の後期において、センタレール34の引込部(車幅方向内側に傾斜状に延びる部分)34bをスライダが移動する。
図2に示すように、全閉ラッチユニット22は、スライドドア18の後部18aに設けられ、全閉ラッチ機構35と、リリーサ装置36とを備える。
全閉ラッチ機構35は、一般に使用されているラッチ装置と同様の構成であり、第1全閉ストライカ13(図1参照)を拘束する状態と、第1全閉ストライカ13の拘束を解放する状態と、に切替可能に構成されている。
具体的には、全閉ラッチ機構35は、駆動モータ21によりスライドドア18が閉動作する際に、スライドドア18の閉動作の後期においてハーフラッチ状態からフルラッチ状態に作動する。フルラッチ状態において、全閉ラッチ機構35のラッチおよびラチェットが第1全閉ストライカ13を拘束し、スライドドアを全閉位置に保持する。
このように、駆動モータ21によるスライドドア18の閉動作において、全閉ラッチ機構35をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に作動させることができる。よって、全閉ラッチ機構35をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に作動させるために、従来必要とされているクローザモータを除去できる。これにより、ドライブユニット20の部品点数を減らすことができる。
一方、全閉ラッチ機構35は、ドア開口部12をスライドドア18で開ける際に、リリーサ装置36に内包のリリーサモータ37によりラチェットを第1全閉ストライカ13の保持状態から解放する解放状態に切り替えるように作動する。
リリーサ装置36は、開閉スイッチ31(図1参照)にリリーサモータ37が接続され、リリーサモータ37にリンク部38がリリーサケーブル41で連結されている。リンク部38は、リンク軸39に回転自在に支持されている。リンク部38には、全閉ラッチ機構35がリリーサケーブル42を介して連結されている。リリーサ装置36は、開閉スイッチ31の開操作により、リリーサモータ37でリンク部38を反時計回り方向に作動させ、全閉ラッチ機構35のラチェットを第1全閉ストライカ13の拘束状態から解放する状態に切り替える機能を備えている。
図1に戻って、リリーサモータ37には、全開フック機構23にリリーサケーブル(第1リリーサケーブル)44を介して連結されている。リリーサ装置36は、開閉スイッチ31の閉操作により、リリーサモータ37でリンク部38を作動し、全開フック機構23のラッチおよびラチェットを全開ストライカ14の拘束状態から解放する状態に切り替える機能を備えている。
リリーサ装置36のリンク部38には、リリーサケーブル(第2リリーサケーブル)45を介してインナ緊急ハンドル24が連結されている。インナ緊急ハンドル24を操作することにより、全閉ラッチ機構35、全開フック機構23を開放状態に操作できる。インナ緊急ハンドル24は、車室47(図3参照)から操作可能なハンドルである。
さらに、リリーサ装置36のリンク部38には、リリーサケーブル(第2リリーサケーブル)46を介してアウタ緊急ハンドル25が連結されている。アウタ緊急ハンドル25を操作することにより、全閉ラッチ機構35、全開フック機構23を開放状態に操作できる。アウタ緊急ハンドル25は、車外49(図4参照)から操作可能なハンドルである。
これにより、例えば駆動モータ21用のバッテリに不具合が発生した際に、インナ緊急ハンドル24を車室47から操作し、あるいは、アウタ緊急ハンドル25を車外49から操作することにより、スライドドア18を開放、閉鎖することができる。
インナ緊急ハンドル24、アウタ緊急ハンドル25については後で詳しく説明する。
全開フック機構23は、例えば、一般に使用されているラッチ装置で構成される全開保持機構であり、スライドドア18の前下部18bに設けられる。全開フック機構23は、全開ストライカ14を拘束する状態と、全開ストライカ14の拘束を解放する状態と、に切替可能に構成されている。
具体的には、全開フック機構23は、駆動モータ21によりスライドドア18が開動作の後期においてフルラッチ状態に作動する。フルラッチ状態において、全開フック機構23のラッチおよびラチェットが全開ストライカ14を拘束し、スライドドア18を全開位置に保持する。
一方、ドア開口部12をスライドドア18で閉じる際に、リリーサ装置36のリリーサモータ37によりラッチおよびラチェットを全開ストライカ14の拘束状態から解放する状態に切り替えるように作動する。
このように、スライドドア18の開閉スイッチ31が全閉ラッチユニット22のリリーサモータ37と、駆動モータ21とに接続されている。全閉ラッチユニット22にはリリーサ装置36が備えられている。リリーサ装置36は全閉ラッチ機構35を拘束状態から解放する機能を備えている。リリーサ装置36のリンク部38が全開フック機構23にリリーサケーブル44介して連結されている。全開フック機構23は、スライドドア18を全開位置に保持する機能を備えている。
よって、開閉スイッチ31の開操作でリリーサ装置36のリリーサモータ37を開作動させることにより、全閉ラッチ機構35を第1全閉ストライカ13から解放し、駆動モータ21でスライドドア18を開作動する。また、開閉スイッチ31の閉操作でリリーサ装置36のリリーサモータ37を閉作動させることにより、リリーサケーブル44を介して全開フック機構23を全開ストライカ14の拘束状態から解放し、駆動モータ21でスライドドア18を閉作動する。
これにより、従来のスライドドアに必要とされている、外側オープンハンドル、内側オープンハンドル、リモート操作部や、各部を連結する操作ケーブルをスライドドア18から除去できる。したがって、スライドドア18を開閉するドライブユニット20の部品点数を減らして、車両10の重量やコストを抑えることができる。加えて、ドライブユニット20の部品点数を減らすことにより、パワースライドドア18を安価に製造できる。
なお、全閉ラッチユニット22は、クローザモータを追加することにより、シールゴムの反力に抗してハーフラッチ状態からフルラッチ状態に移行するように構成することも可能である。
図2、図3に示すように、インナ緊急ハンドル24は、スライドドア18の窓枠48のうち後縦部材48aの車室47側に設けられている。
ここで、窓枠48の後縦部材48aは、シートに着座した乗員から良好に視認できる部位である。そこで、インナ緊急ハンドル24をスライドドア18の窓枠48のうち後縦部材48aの車室47側に配置するようにした。これにより、インナ緊急ハンドル24に対する乗員からの視認性を良好に確保でき、インナ緊急ハンドル24の誤操作を抑えることができる。
また、インナ緊急ハンドル24は、インナレバー(レバー)51を矢印Aのごとく上方に上げた状態で先端部51aが段部52に当接する。この状態から、インナレバー51を車室47側に矢印Bのごとく引き出して先端部51aを段部52から外す。これにより、インナレバー51のロック状態が解放される。インナレバー51の先端部51aを段部52から外した後、インナレバー51を矢印Cのごとく上方に上げることにより、リリーサケーブル45を介してリリーサ装置36のリンク部38を操作する。リンク部38が反時計回り方向へ作動することにより、全閉ラッチ機構35、全開フック機構23の拘束状態が解放される。これにより、例えば駆動モータ用のバッテリに不具合が発生した際に、インナ緊急ハンドル24を車室47から操作してスライドドア18を開放、閉鎖することができる。
このように、インナレバー51を上方に上げてインナレバー51のロックを解放することにより、全閉ラッチ機構35、全開フック機構23の拘束状態を解放するようにした。これにより、通常時の走行中に、全閉ラッチ機構35の拘束状態を不用意に解放することを抑制でき、安全性を確保できる。
さらに、インナ緊急ハンドル24の近傍に、インナレバー51に連動する緊急スイッチ54が配置されている。よって、通常時の走行中にインナレバー51を上方に上げた場合に、緊急スイッチ54をオンに切り替えてブザーを鳴らすことができる。これにより、通常時の走行中にインナレバー51に触れていることを運転者や乗員に知らせて誤操作を知らせることができる。
また、緊急スイッチ54がオンに切り替えられることにより、通常時の走行中にスライドドア18が不用意に移動しないように駆動モータ21を制御でき、安全性を一層良好に確保できる。
さらに、例えば、車室47のインナ緊急ハンドル24に、チャイルドロックによりレバーのロック解放機構を追加することも可能である。これにより、チャイルドロックがオンの状態においては、いかなるモードであっても、スライドドア18の開放を防止でき、安全性を一層良好に確保できる。
図2、図4に示すように、アウタ緊急ハンドル25は、フロントドア(ドア)19の後面19aに対峙するスライドドア18の前面18dに設けられている。フロントドア19は、スライドドア18の車体前方に配置され、前端部がヒンジにより車体11に開閉自在に設けられている。
スライドドア18の前面18dに傾斜面18eが形成され、傾斜面18eに開口部56が形成されている。
傾斜面18eの開口部56に臨むように、アウタ緊急ハンドル25のアウタレバー58(レバー)58が配置されている。開口部56にはキャップ61が着脱自在に取り付けられている。よって、アウタレバー58は、車外49から目視できないようにキャップ61で覆われている。
ここで、スライドドア18の傾斜面18eは、例えばスライドドア18を閉じた状態において、センタピラー63と傾斜面18eとの間に空間65が確保される。この空間65に手先を差し込むことにより、手先でキャップ61をつかむことができる。
つぎに、アウタ緊急ハンドル25を操作する手順を図2、図4、図5(a)~(c)に基づいて説明する。
図4、図5(a)に示すように、フロントドア19を開くことにより、スライドドア18の傾斜面18eのキャップ61を車外49から目視できる。さらに、センタピラー63と傾斜面18eとの間の空間65が形成されている。
図4、図5(b)に示すように、センタピラー63と傾斜面18eとの間の空間65に手先を差し込み、開口部56からキャップ61を外す。
図2、図5(c)に示すように、開口部56からアウタレバー58を視認できる。空間65から開口部56に手先を差し込んでアウタレバー58をつかみ、アウタレバー58を車外49側に矢印Dのごとく引っ張ることにより緊急リンク部67を操作する。緊急リンク部67が作動することにより、リリーサケーブル56を介してリリーサ装置36のリンク部38を操作する。リンク部38が反時計回り方向に作動することにより、全閉ラッチ機構35、全開フック機構23の拘束状態が解放される。これにより、例えば駆動モータ21(図1参照)用のバッテリに不具合が発生した際に、アウタ緊急ハンドル25を車外49から操作してスライドドア18を開放、閉鎖することができる。
このように、アウタ緊急ハンドル25を、フロントドア19の後面19aに対峙するスライドドア18の前面18dの傾斜面18eに設けた。これにより、アウタ緊急ハンドル25のアウタレバー58をスライドドア18の外面に設ける必要がなく、意匠性を損なわないようにできる。
また、アウタレバー58をスライドドア18の傾斜面18eに配置することにより、アウタ緊急ハンドル25を操作する際に、フロントドア19を開く必要があり、アウタ緊急ハンドル25の誤操作を防止できる。
さらに、アウタ緊急ハンドル25を操作する際に、フロントドア19を開く必要があり、フロントドア19をアウタ緊急ハンドル25のロック/アンロック機構として兼用できる。これにより、アウタ緊急ハンドル25のロック/アンロック機構をスライドドア18に独立するロック/アンロック機構を備える必要がなく、安価で、軽量な防盗性を確保できる。
図6~図8に示すように、フロントフック機構26は、スライドドア18の前部18cに設けられる。フロントフック機構26は、ハウジング71、ラッチ72と、ラチェット73と、を備え、例えば、特開2017-172306と同様に構成されている。
ラッチ72は、対向配置された突き当て腕部74と拘束腕部75との基端側同士が連結された略U字形状部を備えている。略U字形状部に凹状の拘束スリット76が形成されている。ラッチ72は、ハウジング71にラッチ軸77によって、開放位置P1と拘束位置P2との間を揺動可能に支持されている。
開放位置P1は、ラッチ72による第2全閉ストライカ15の拘束を解放する位置である。拘束位置P2は、ラッチ72により第2全閉ストライカ15を拘束する位置である。
ラッチ72は、拘束バネ(図示せず)の付勢力によって、拘束位置P2側から開放位置P1側に向かって付勢されている。
突き当て腕部74は、第2全閉ストライカ(ストライカ)15が突き当たる部位が、内側緩衝部74aで形成されている。また、突き当て腕部74は、基端側に係合段部79が形成されている。拘束腕部75は、ハウジング71の開放当接部71aに突き当たる部位が外側緩衝部75aで形成されている。
ラチェット73は、L字形状の本体部81と、本体部81の一端から延設される係合腕部82と、本体部81の他端側に設定された移動規制部83とを備えている。ラチェット73は、車幅方向において、ラッチ72と重なるように配置され、ラチェット軸84で規制解放位置P3と規制位置P4との間を移動可能に支持されている。
規制解放位置P3は、ラッチ72の移動軌跡から離間し、ラッチ72の移動に作用しない位置である。規制位置P4は、拘束位置P2に位置するラッチ72の開放位置P1への移動を規制する位置である。
ラチェット73は、規制バネ86の付勢力によって、規制位置P4側から規制解放位置P3側に向かって付勢されている。
係合腕部82は、先端部分に係合突部87が形成されている。係合突部87は、規制解放位置P3で、ラッチ72の係合段部79の移動軌跡から離間し、ラッチ72の動きに作用しない場所に位置する。また、係合突部87は、規制位置P4で、ラッチ72の係合段部79の移動軌跡を横切り、係合段部79に係合可能な場所に位置する。
移動規制部83は、規制解放位置P3に位置した状態で、ハウジング71の拘束窓71bに臨みつつ、第2全閉ストライカ15の挿脱を妨げないように形成されている。また、移動規制部83は、規制解放位置P3に位置した状態で、開放位置P1に位置する突き当て腕部74と車幅方向において重なり、拘束位置P2に位置する拘束腕部75と車幅方向において重なるように形成されている。
さらに、移動規制部83は、規制位置P4に位置した状態で、拘束位置P2に位置する拘束腕部75と近接するように形成されている。
このように、拘束腕部75および移動規制部83は、スライドドア18を閉じる際に、第2全閉ストライカ15がラッチ21内に進入する妨げにならないように形成されている。また、拘束腕部75および移動規制部83は、拘束位置P2の拘束腕部75と、規制位置P4の移動規制部83との間の寸法が、第2全閉ストライカ15の軸径寸法よりも狭くなるように形成されている。
よって、閉じた状態のスライドドア18に荷重が車室47側から作用した際に、拘束位置P2に位置する拘束腕部75と、規制位置P4に位置する移動規制部83との間から、第2全閉ストライカ15が外れることを防止できる。
すなわち、ラチェット73は、通常のスライドドア18の開閉時には、規制解放位置P3に位置し、第2全閉ストライカ15、およびラッチ72に作用することはない。ラチェット73が規制解放位置P3から規制位置P4へ揺動するのは、スライドドア18を閉じた状態で、車室47側から車外側(紙面裏面側)に作用する荷重でスライドドア18が車外側へ移動する際に、第2全閉ストライカ15が移動規制部83に突き当たる場合のみである。
つぎに、フロントフック機構26の動作を図6~図8に基づいて説明する。
図6に示すように、スライドドア18が開かれることにより、ラッチ72の拘束腕部75に第2全閉ストライカ15が当接してラッチ72を開放位置P1に移動する。スライドドア18が開いた状態において、ラチェット73が、規制解放位置P3に保持され、ラッチ72が開放位置P1に保持される。よって、スライドドア18を閉じる際に、ラッチ72に影響されることなくスライドドア18を閉じることができる。
図7に示すように、スライドドア18が閉じられることにより、ラッチ72の突き当て腕部74に第2全閉ストライカ15が当接してラッチ72を拘束位置P2に移動する。よって、スライドドア18が閉じられた状態において、ラッチ72が拘束位置P2に位置し、第2全閉ストライカ15を拘束した状態に保つ。
図8に示すように、ラッチ72で第2全閉ストライカ15を拘束した状態において、車室47側から車外側(紙面裏面側)に作用する荷重でスライドドア18が車外側へ変位し、第2全閉ストライカ15にラチェット73が突き当たる。よって、ラチェット73が規制解放位置P3(図6参照)から規制位置P4へ変位してラッチ72の係合段部79に係合突部87が係合する。
係合突部87が係合段部79に係合することにより、ラッチ72が拘束位置P2から開放位置P1(図6参照)へ移動することを防止し、ラッチ72を拘束位置P2に保持する。これにより、スライドドア18に荷重が車室47側から車外側へ作用した際に、スライドドア18を拘束して閉じた状態で保持できる。
このように、ラッチ72が第2全閉ストライカ15を拘束した状態において、スライドドア18が荷重で車外(紙面裏面側)側へ変位する際に、第2全閉ストライカ15がラチェット73に突き当たる。よって、ラチェット73が規制位置P4へ変位してラッチ72の係合段部79に係合突部87が係合してラッチ72を拘束位置P2に保持する。よって、スライドドア18のドア保持性を高めることができる。これにより、従来必要とされていたフロントフック機構26からリリーサ装置やリリーサケーブルを除去でき、スライドドア18の部品点数を減らして、車両10の重量やコストを抑えることができる。加えて、スライドドア18の部品点数を減らすことにより、スライドドア18を安価に製造できる。
図9(a),(b)に示すように、センタピラー63の車室47側にピラー内装部材(内装部材)91が設けられている。ピラー内装部材91のうち、窓枠前部91aにグリップ93が設けられている。グリップ93は、例えば、乗員が降車する際に手で握ることにより、乗員の身体を支えることにより降車を円滑にできる取手の役割を果たす。
グリップ93の下方近傍に室内スイッチ27が設けられている。グリップ93の下方近傍に室内スイッチ27を設けることにより、乗員がグリップ93を握って降車する際に、室内スイッチ27の操作と降車とを容易におこなうことができる。
図1、図9(b)に示すように、室内スイッチ27は、全閉ラッチユニット22のリリーサ装置36(具体的には、リリーサモータ37)、および駆動モータ21に接続されている。室内スイッチ27の「OPEN」を押して開操作することにより、リリーサ装置36を作動させて、全閉ラッチ機構35の拘束状態を解放する状態に切り替え、駆動モータ21を作動させてスライドドア18を開方向へ駆動する。スライドドア18が全開位置に移動した状態において、全開フック機構23が全開ストライカ14を拘束する。
一方、室内スイッチ27の「CLOSE」を押して閉操作することにより、リリーサ装置36(具体的には、リリーサモータ37)を作動させて、全開フック機構23の拘束状態を解放する状態に切り替え、駆動モータ21を作動させてスライドドア18を閉方向へ駆動する。スライドドア18が全閉位置に移動した状態において、全閉ラッチ機構35が第1全閉ストライカ13を拘束し、フロントフック機構26が第2全閉ストライカ15を拘束する。
図10、図11に示すように、室内スイッチ27は、スイッチ表面27aがピラー内装部材91の表面91bより窪み寸法S1だけ車室47の外側に凹んだ位置に配置されている。これにより、室内スイッチ27の位置を乗員が容易に認識でき、かつ、室内スイッチ27の誤操作を抑えることができる。
図12、図13に示すように、スライドドア18の外側(すなわち、車外49)にアウタハンドル95が設けられている。アウタハンドル95は、スライドドア18の外側に対向する内面95aを有する。アウタレバー58の内面95aに、室外スイッチ28がスライドドア18の外側に対向するように設けられている。
図1に示すように、室外スイッチ28は、全閉ラッチユニット22のリリーサ装置36(具体的には、リリーサモータ37)、および駆動モータ21に接続されている。室外スイッチ28を押して開操作することにより、リリーサ装置36を作動させて、全閉ラッチ機構35の拘束状態を解放する状態に切り替え、駆動モータ21を作動させてスライドドア18を開方向へ駆動する。スライドドア18が全開位置に移動した状態において、全開フック機構23が全開ストライカ14に拘束する。
一方、室外スイッチ28を押して閉操作することにより、リリーサ装置36(具体的には、リリーサモータ37)を作動させて、全開フック機構23の拘束状態を解放する状態に切り替え、駆動モータ21を作動させてスライドドア18を閉方向へ駆動する。スライドドア18が全閉位置に移動した状態において、全閉ラッチ機構35が第1全閉ストライカ13を拘束し、フロントフック機構26が第2全閉ストライカ15を拘束する。
図12、図13に示すように、室外スイッチ28がアウタハンドル95の内面95aに配置されている。よって、アウタハンドル95を操作する延長において、室外スイッチ28を操作できる。また、アウタハンドル95を室外スイッチ28の取付部材として兼用できるので、室外スイッチ28を取り付ける専用の取付部材を不要にできる。これにより、スライドドア18を軽量にでき、車外49からの室外スイッチ28の操作によりスライドドア18の開閉を容易にできる。
また、室外スイッチ28からメカニカル機構を除去することにより、室外スイッチ28を操作する際に、アウタハンドル95を移動操作させる必要がない。よって、室外スイッチ28がメカニカル機構の場合に、室外スイッチ28の操作に必要とするアウタハンドル95の移動操作を不要にできる。これにより、アウタハンドル95の移動操作に必要とする隙間/見切りを不要にでき、外観の見栄え向上させることができる。
図9に戻って、スライドドア18のドア内装部材(内装部材、ドアトリム)97に引掛け形状部98が、例えば、三角形断面の凹み形状に形成されている。よって、従来、スライドドア18に備えているインナハンドルを不要にできる。これにより、スライドドア18の軽量、かつ安価を図ることができる。引掛け形状部98の形状は、適宜変更が可能である。
さらに、ドア内装部材97に備えた引掛け形状部98は、例えば、バッテリに不具合が発生した際の緊急時に、スライドドア18を開閉する取手として使用できる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、前記実施形態では、フロントフック機構26をスライドドア18に設け、第2全閉ストライカ15を車体11に設けた例について説明したが、これに限らない。その他の例として、フロントフック機構26を車体11に設け、第2全閉ストライカ15をスライドドア18に設けることも可能である。
10 車両
11 車体
15 第2全閉ストライカ(ストライカ)
18 スライドドア
18a スライドドアの後部
18c スライドドアの前部
18d スライドドアの前面
18e 傾斜面
19 フロントドア(ドア)
19a フロントドアの後面
21 駆動モータ
22 全閉ラッチユニット
23 全開フック機構
24 インナ緊急ハンドル(緊急ハンドル)
25 アウタ緊急ハンドル(緊急ハンドル)
26 フロントフック機構
27 室内スイッチ
28 室外スイッチ
31 開閉スイッチ
35 全閉ラッチ機構
36 リリーサ装置
37 リリーサモータ
38 リンク部
44 リリーサケーブル(第1リリーサケーブル)
45 リリーサケーブル(第2リリーサケーブル)
46 リリーサケーブル(第2リリーサケーブル)
47 車室
48 窓枠
48a 後縦部材
49 車外
51 インナレバー(レバー)
56 開口部
58 アウタレバー(レバー)
63 センタピラー
72 ラッチ
73 ラチェット
91 ピラー内装部材(内装部材)
91a 窓枠前部
91b ピラー内装部材の表面
93 グリップ
95 アウタハンドル
95a アウタハンドルの内面
97 ドア内装部材(内装部材)
98 引掛け形状部
P1 開放位置
P2 拘束位置
P3 規制解放位置
P4 規制位置

Claims (12)

  1. 車両用のスライドドアの開閉スイッチが、全閉ラッチユニットと、前記スライドドアを作動させる駆動モータとに接続され、
    前記全閉ラッチユニットは、
    前記全閉ラッチユニットに備えられた全閉ラッチ機構を拘束状態から解放するリリーサ装置を備え、
    前記リリーサ装置は、
    前記スライドドアを全開位置に保持する全開フック機構に第1リリーサケーブルを介して連結され、
    前記スライドドアの窓枠のうち後縦部材の車室側に設けられるインナ緊急ハンドルと、前記スライドドアの車体前方に設けられたドアの後面に対峙する前記スライドドアの前面に設けられるアウタ緊急ハンドルと、を含む緊急ハンドルを備え、
    前記リリーサ装置は、リンク部を備え、
    前記リンク部には、第2リリーサケーブルを介して前記インナ緊急ハンドルが連結されるとともに、前記リンク部には、他の第2リリーサケーブルを介して前記アウタ緊急ハンドルが連結される、
    ことを特徴とするスライドドア付き車両。
  2. 前記全閉ラッチ機構は、
    前記スライドドアが動作する際にフルラッチ状態となる、ことを特徴とする請求項1に記載のスライドドア付き車両。
  3. 前記リリーサ装置は、前記第2リリーサケーブルを介して前記緊急ハンドルに連結され、
    前記緊急ハンドルにより、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放状態に操作可能とした、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスライドドア付き車両。
  4. 前記緊急ハンドルは、前記インナ緊急ハンドルであって、
    前記インナ緊急ハンドルのレバーを上方に上げて前記レバーのロックを解放することにより、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放状態に操作可能とした、ことを特徴とする請求項3に記載のスライドドア付き車両。
  5. 前記緊急ハンドルは、前記アウタ緊急ハンドルであって、
    前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放する、ことを特徴とする請求項3に記載のスライドドア付き車両。
  6. 前記アウタ緊急ハンドルは、前記スライドドアの前面の傾斜面に形成する開口部に臨むように配置される、ことを特徴とする請求項5に記載のスライドドア付き車両。
  7. 前記スライドドアの前部にフロントフック機構が配置され、後部に前記全閉ラッチ機構が配置され、
    前記フロントフック機構は、
    前記スライドドアおよび車体の一方に配置され、拘束位置に位置するラッチと、
    前記スライドドアおよび車体の一方に配置され、前記拘束位置に位置するラッチの開放位置への移動を規制する規制位置と、前記ラッチの移動軌跡から離間し、前記ラッチの移動に作用しない規制解放位置との間を移動可能に支持されたラチェットと、を備え、
    前記ラッチが前記拘束位置に位置し、前記スライドドアおよび車体の他方のストライカを拘束した状態において、前記スライドドアが、車室側から車外側へ変位して前記ストライカが前記ラチェットに突き当たった際に、
    前記ラチェットが前記規制解放位置から前記規制位置へ変位して、前記拘束位置から前記ストライカを開放する前記開放位置へ移動しようとする前記ラッチに係合し、前記ラッチを前記拘束位置に保持する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のスライドドア付き車両。
  8. 前記全閉ラッチユニットの前記リリーサ装置と、前記駆動モータとを作動させる室内スイッチを備え、
    前記室内スイッチは、センタピラーの内装部材に設けられ、前記内装部材の表面より凹んだ位置に配置されている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のスライドドア付き車両。
  9. 前記室内スイッチは、車室に設けられたグリップの近傍に配置されている、ことを特徴とする請求項8に記載のスライドドア付き車両。
  10. 前記全閉ラッチユニットの前記リリーサ装置と、前記駆動モータとを作動させる室外スイッチを備え、
    前記室外スイッチは、前記スライドドアの外側に設けられたアウタハンドルの内面に設けられている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のスライドドア付き車両。
  11. 前記スライドドアの内装部材に引掛け形状部が形成される、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のスライドドア付き車両。
  12. 車両用のスライドドアの開閉スイッチが、全閉ラッチユニットと、前記スライドドアを作動させる駆動モータとに接続され、
    前記全閉ラッチユニットは、
    前記全閉ラッチユニットに備えられた全閉ラッチ機構を拘束状態から解放するリリーサ装置を備え、
    前記リリーサ装置は、
    前記スライドドアを全開位置に保持する全開フック機構に第1リリーサケーブルを介して連結され、
    前記リリーサ装置は、第2リリーサケーブルを介して緊急ハンドルに連結され、
    前記緊急ハンドルにより、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放状態に操作
    可能とし、
    前記緊急ハンドルは、
    前記スライドドアの窓枠のうち後縦部材の車室側に設けられるインナ緊急ハンドルであ
    って、
    前記インナ緊急ハンドルのレバーを上方に上げて前記レバーのロックを解放することに
    より、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放状態に操作可能とした、
    ことを特徴とするスライドドア付き車両。
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