JP7018861B2 - スライドドア付き車両 - Google Patents
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Description
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、部品点数を減らして、重量やコストを抑えることができるスライドドア付き車両を提供することを目的とする。
これにより、従来のスライドドアに必要とされている、外側オープンハンドル、内側オープンハンドル、リモート操作部や、各部を連結する操作ケーブルをスライドドアから除去できる。したがって、スライドドアを開閉するドライブユニット(パワースライドドアシステム)の部品点数を減らして、車両10の重量やコストを抑えることができる。加えて、ドライブユニットの部品点数を減らすことにより、パワースライドドアを安価に製造できる。
フルラッチ状態となる、ことを特徴とする。
また、インナ緊急ハンドルのレバーを上方に上げてレバーのロックを解放することにより、全閉ラッチ機構や全開フック機構を解放するようにした。これにより、通常時の走行中に、全閉ラッチ機構や全開フック機構を不用意に解放することを抑制でき、安全性を確保できる。
また、緊急スイッチがオンに切り替えられることにより、通常時の走行中にスライドドアが不用意に移動しないように駆動モータを制御でき、安全性を確保できる。
さらに、例えば、車室のインナ緊急ハンドルにチャイルドロックでレバーのロックを解放する機構を追加することも可能である。これにより、チャイルドロックがオンの状態においては、いかなるモードであっても、スライドドアの開放を防止でき、チャイルドロックがオンの状態においての安全性を確保できる。
また、アウタ緊急ハンドルをスライドドアの前面に配置することにより、アウタ緊急ハンドルを操作する際に、フロントドアを開く必要があり、アウタ緊急ハンドルの誤操作を防止できる。
さらに、アウタ緊急ハンドルを操作する際に、フロントドアを開く必要があり、フロントドアをアウタ緊急ハンドルのロック/アンロック機構として兼用できる。これにより、アウタ緊急ハンドルのロック/アンロック機構をスライドドアに独立するロック/アンロック機構を備える必要がなく、安価で、軽量な防盗性を確保できる。
また、室外スイッチからメカニカル機構を除去することにより、室外スイッチを操作する際に、アウタハンドルを移動操作させる必要がない。よって、室外スイッチがメカニカル機構の場合に、室外スイッチの操作に必要とするアウタハンドルの移動操作を不要にできる。これにより、アウタハンドルの移動操作に必要とする隙間/見切りを不要にでき、外観の見栄え向上させることができる。
さらに、内装部材に備えた引掛け形状部を、緊急時に、スライドドアを開閉する取手として使用できる。
請求項12に記載の発明は、車両用のスライドドアの開閉スイッチが、全閉ラッチユニットと、前記スライドドアを作動させる駆動モータとに接続され、前記全閉ラッチユニットは、前記全閉ラッチユニットに備えられた全閉ラッチ機構を拘束状態から解放するリリーサ装置を備え、前記リリーサ装置は、前記スライドドアを全開位置に保持する全開フック機構に第1リリーサケーブルを介して連結され、前記リリーサ装置は、第2リリーサケーブルを介して緊急ハンドルに連結され、前記緊急ハンドルにより、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放状態に操作可能とし、前記緊急ハンドルは、前記スライドドアの窓枠のうち後縦部材の車室側に設けられるインナ緊急ハンドルであって、前記インナ緊急ハンドルのレバーを上方に上げて前記レバーのロックを解放することにより、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放状態に操作可能とした、ことを特徴とする。
図1に示すように、車両10は、例えば、車体11の左右の側部11aのドア開口部12を開閉する左右のスライドドア18と、左右のスライドドア18を車体前後方向へ移動するドライブユニット(パワースライドドアシステム)20とを備えている。左右のスライドドア18およびドライブユニット20により、いわゆるパワースライドドアが構成される。以下、左右のスライドドア18をスライドドア18として説明する。
ここで、スライドドア18を閉じる閉動作の際に、閉動作の初期から中期において、センタレール34の一般部(車体前後方向へ延びる部分)34aをスライダが移動する。また、閉動作の後期において、センタレール34の引込部(車幅方向内側に傾斜状に延びる部分)34bをスライダが移動する。
全閉ラッチ機構35は、一般に使用されているラッチ装置と同様の構成であり、第1全閉ストライカ13(図1参照)を拘束する状態と、第1全閉ストライカ13の拘束を解放する状態と、に切替可能に構成されている。
具体的には、全閉ラッチ機構35は、駆動モータ21によりスライドドア18が閉動作する際に、スライドドア18の閉動作の後期においてハーフラッチ状態からフルラッチ状態に作動する。フルラッチ状態において、全閉ラッチ機構35のラッチおよびラチェットが第1全閉ストライカ13を拘束し、スライドドアを全閉位置に保持する。
さらに、リリーサ装置36のリンク部38には、リリーサケーブル(第2リリーサケーブル)46を介してアウタ緊急ハンドル25が連結されている。アウタ緊急ハンドル25を操作することにより、全閉ラッチ機構35、全開フック機構23を開放状態に操作できる。アウタ緊急ハンドル25は、車外49(図4参照)から操作可能なハンドルである。
これにより、例えば駆動モータ21用のバッテリに不具合が発生した際に、インナ緊急ハンドル24を車室47から操作し、あるいは、アウタ緊急ハンドル25を車外49から操作することにより、スライドドア18を開放、閉鎖することができる。
インナ緊急ハンドル24、アウタ緊急ハンドル25については後で詳しく説明する。
具体的には、全開フック機構23は、駆動モータ21によりスライドドア18が開動作の後期においてフルラッチ状態に作動する。フルラッチ状態において、全開フック機構23のラッチおよびラチェットが全開ストライカ14を拘束し、スライドドア18を全開位置に保持する。
一方、ドア開口部12をスライドドア18で閉じる際に、リリーサ装置36のリリーサモータ37によりラッチおよびラチェットを全開ストライカ14の拘束状態から解放する状態に切り替えるように作動する。
ここで、窓枠48の後縦部材48aは、シートに着座した乗員から良好に視認できる部位である。そこで、インナ緊急ハンドル24をスライドドア18の窓枠48のうち後縦部材48aの車室47側に配置するようにした。これにより、インナ緊急ハンドル24に対する乗員からの視認性を良好に確保でき、インナ緊急ハンドル24の誤操作を抑えることができる。
また、緊急スイッチ54がオンに切り替えられることにより、通常時の走行中にスライドドア18が不用意に移動しないように駆動モータ21を制御でき、安全性を一層良好に確保できる。
さらに、例えば、車室47のインナ緊急ハンドル24に、チャイルドロックによりレバーのロック解放機構を追加することも可能である。これにより、チャイルドロックがオンの状態においては、いかなるモードであっても、スライドドア18の開放を防止でき、安全性を一層良好に確保できる。
スライドドア18の前面18dに傾斜面18eが形成され、傾斜面18eに開口部56が形成されている。
傾斜面18eの開口部56に臨むように、アウタ緊急ハンドル25のアウタレバー58(レバー)58が配置されている。開口部56にはキャップ61が着脱自在に取り付けられている。よって、アウタレバー58は、車外49から目視できないようにキャップ61で覆われている。
図4、図5(a)に示すように、フロントドア19を開くことにより、スライドドア18の傾斜面18eのキャップ61を車外49から目視できる。さらに、センタピラー63と傾斜面18eとの間の空間65が形成されている。
また、アウタレバー58をスライドドア18の傾斜面18eに配置することにより、アウタ緊急ハンドル25を操作する際に、フロントドア19を開く必要があり、アウタ緊急ハンドル25の誤操作を防止できる。
さらに、アウタ緊急ハンドル25を操作する際に、フロントドア19を開く必要があり、フロントドア19をアウタ緊急ハンドル25のロック/アンロック機構として兼用できる。これにより、アウタ緊急ハンドル25のロック/アンロック機構をスライドドア18に独立するロック/アンロック機構を備える必要がなく、安価で、軽量な防盗性を確保できる。
ラッチ72は、対向配置された突き当て腕部74と拘束腕部75との基端側同士が連結された略U字形状部を備えている。略U字形状部に凹状の拘束スリット76が形成されている。ラッチ72は、ハウジング71にラッチ軸77によって、開放位置P1と拘束位置P2との間を揺動可能に支持されている。
開放位置P1は、ラッチ72による第2全閉ストライカ15の拘束を解放する位置である。拘束位置P2は、ラッチ72により第2全閉ストライカ15を拘束する位置である。
ラッチ72は、拘束バネ(図示せず)の付勢力によって、拘束位置P2側から開放位置P1側に向かって付勢されている。
規制解放位置P3は、ラッチ72の移動軌跡から離間し、ラッチ72の移動に作用しない位置である。規制位置P4は、拘束位置P2に位置するラッチ72の開放位置P1への移動を規制する位置である。
ラチェット73は、規制バネ86の付勢力によって、規制位置P4側から規制解放位置P3側に向かって付勢されている。
さらに、移動規制部83は、規制位置P4に位置した状態で、拘束位置P2に位置する拘束腕部75と近接するように形成されている。
よって、閉じた状態のスライドドア18に荷重が車室47側から作用した際に、拘束位置P2に位置する拘束腕部75と、規制位置P4に位置する移動規制部83との間から、第2全閉ストライカ15が外れることを防止できる。
図6に示すように、スライドドア18が開かれることにより、ラッチ72の拘束腕部75に第2全閉ストライカ15が当接してラッチ72を開放位置P1に移動する。スライドドア18が開いた状態において、ラチェット73が、規制解放位置P3に保持され、ラッチ72が開放位置P1に保持される。よって、スライドドア18を閉じる際に、ラッチ72に影響されることなくスライドドア18を閉じることができる。
係合突部87が係合段部79に係合することにより、ラッチ72が拘束位置P2から開放位置P1(図6参照)へ移動することを防止し、ラッチ72を拘束位置P2に保持する。これにより、スライドドア18に荷重が車室47側から車外側へ作用した際に、スライドドア18を拘束して閉じた状態で保持できる。
グリップ93の下方近傍に室内スイッチ27が設けられている。グリップ93の下方近傍に室内スイッチ27を設けることにより、乗員がグリップ93を握って降車する際に、室内スイッチ27の操作と降車とを容易におこなうことができる。
さらに、ドア内装部材97に備えた引掛け形状部98は、例えば、バッテリに不具合が発生した際の緊急時に、スライドドア18を開閉する取手として使用できる。
例えば、前記実施形態では、フロントフック機構26をスライドドア18に設け、第2全閉ストライカ15を車体11に設けた例について説明したが、これに限らない。その他の例として、フロントフック機構26を車体11に設け、第2全閉ストライカ15をスライドドア18に設けることも可能である。
11 車体
15 第2全閉ストライカ(ストライカ)
18 スライドドア
18a スライドドアの後部
18c スライドドアの前部
18d スライドドアの前面
18e 傾斜面
19 フロントドア(ドア)
19a フロントドアの後面
21 駆動モータ
22 全閉ラッチユニット
23 全開フック機構
24 インナ緊急ハンドル(緊急ハンドル)
25 アウタ緊急ハンドル(緊急ハンドル)
26 フロントフック機構
27 室内スイッチ
28 室外スイッチ
31 開閉スイッチ
35 全閉ラッチ機構
36 リリーサ装置
37 リリーサモータ
38 リンク部
44 リリーサケーブル(第1リリーサケーブル)
45 リリーサケーブル(第2リリーサケーブル)
46 リリーサケーブル(第2リリーサケーブル)
47 車室
48 窓枠
48a 後縦部材
49 車外
51 インナレバー(レバー)
56 開口部
58 アウタレバー(レバー)
63 センタピラー
72 ラッチ
73 ラチェット
91 ピラー内装部材(内装部材)
91a 窓枠前部
91b ピラー内装部材の表面
93 グリップ
95 アウタハンドル
95a アウタハンドルの内面
97 ドア内装部材(内装部材)
98 引掛け形状部
P1 開放位置
P2 拘束位置
P3 規制解放位置
P4 規制位置
Claims (12)
- 車両用のスライドドアの開閉スイッチが、全閉ラッチユニットと、前記スライドドアを作動させる駆動モータとに接続され、
前記全閉ラッチユニットは、
前記全閉ラッチユニットに備えられた全閉ラッチ機構を拘束状態から解放するリリーサ装置を備え、
前記リリーサ装置は、
前記スライドドアを全開位置に保持する全開フック機構に第1リリーサケーブルを介して連結され、
前記スライドドアの窓枠のうち後縦部材の車室側に設けられるインナ緊急ハンドルと、前記スライドドアの車体前方に設けられたドアの後面に対峙する前記スライドドアの前面に設けられるアウタ緊急ハンドルと、を含む緊急ハンドルを備え、
前記リリーサ装置は、リンク部を備え、
前記リンク部には、第2リリーサケーブルを介して前記インナ緊急ハンドルが連結されるとともに、前記リンク部には、他の第2リリーサケーブルを介して前記アウタ緊急ハンドルが連結される、
ことを特徴とするスライドドア付き車両。 - 前記全閉ラッチ機構は、
前記スライドドアが閉動作する際にフルラッチ状態となる、ことを特徴とする請求項1に記載のスライドドア付き車両。 - 前記リリーサ装置は、前記第2リリーサケーブルを介して前記緊急ハンドルに連結され、
前記緊急ハンドルにより、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放状態に操作可能とした、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスライドドア付き車両。 - 前記緊急ハンドルは、前記インナ緊急ハンドルであって、
前記インナ緊急ハンドルのレバーを上方に上げて前記レバーのロックを解放することにより、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放状態に操作可能とした、ことを特徴とする請求項3に記載のスライドドア付き車両。 - 前記緊急ハンドルは、前記アウタ緊急ハンドルであって、
前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放する、ことを特徴とする請求項3に記載のスライドドア付き車両。 - 前記アウタ緊急ハンドルは、前記スライドドアの前面の傾斜面に形成する開口部に臨むように配置される、ことを特徴とする請求項5に記載のスライドドア付き車両。
- 前記スライドドアの前部にフロントフック機構が配置され、後部に前記全閉ラッチ機構が配置され、
前記フロントフック機構は、
前記スライドドアおよび車体の一方に配置され、拘束位置に位置するラッチと、
前記スライドドアおよび車体の一方に配置され、前記拘束位置に位置するラッチの開放位置への移動を規制する規制位置と、前記ラッチの移動軌跡から離間し、前記ラッチの移動に作用しない規制解放位置との間を移動可能に支持されたラチェットと、を備え、
前記ラッチが前記拘束位置に位置し、前記スライドドアおよび車体の他方のストライカを拘束した状態において、前記スライドドアが、車室側から車外側へ変位して前記ストライカが前記ラチェットに突き当たった際に、
前記ラチェットが前記規制解放位置から前記規制位置へ変位して、前記拘束位置から前記ストライカを開放する前記開放位置へ移動しようとする前記ラッチに係合し、前記ラッチを前記拘束位置に保持する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のスライドドア付き車両。 - 前記全閉ラッチユニットの前記リリーサ装置と、前記駆動モータとを作動させる室内スイッチを備え、
前記室内スイッチは、センタピラーの内装部材に設けられ、前記内装部材の表面より凹んだ位置に配置されている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のスライドドア付き車両。 - 前記室内スイッチは、車室に設けられたグリップの近傍に配置されている、ことを特徴とする請求項8に記載のスライドドア付き車両。
- 前記全閉ラッチユニットの前記リリーサ装置と、前記駆動モータとを作動させる室外スイッチを備え、
前記室外スイッチは、前記スライドドアの外側に設けられたアウタハンドルの内面に設けられている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のスライドドア付き車両。 - 前記スライドドアの内装部材に引掛け形状部が形成される、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のスライドドア付き車両。
- 車両用のスライドドアの開閉スイッチが、全閉ラッチユニットと、前記スライドドアを作動させる駆動モータとに接続され、
前記全閉ラッチユニットは、
前記全閉ラッチユニットに備えられた全閉ラッチ機構を拘束状態から解放するリリーサ装置を備え、
前記リリーサ装置は、
前記スライドドアを全開位置に保持する全開フック機構に第1リリーサケーブルを介して連結され、
前記リリーサ装置は、第2リリーサケーブルを介して緊急ハンドルに連結され、
前記緊急ハンドルにより、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放状態に操作
可能とし、
前記緊急ハンドルは、
前記スライドドアの窓枠のうち後縦部材の車室側に設けられるインナ緊急ハンドルであ
って、
前記インナ緊急ハンドルのレバーを上方に上げて前記レバーのロックを解放することに
より、前記全閉ラッチ機構、前記全開フック機構を解放状態に操作可能とした、
ことを特徴とするスライドドア付き車両。
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