JP2010050390A - 積層型コイル部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】積層型コイル20を含む積層方向中央領域11と、その積層方向外側に積層された磁性体層1bからなる外層領域とを有する磁性積層体を備えた積層型コイル部品を製造するにあたり、内部導体用の導体パターンが配設されたグリーンシートを含む積層方向中央領域用グリーンシートと、導体パターンが配設されていない外層領域用グリーンシートを積層、圧着して、未焼成の磁性積層体10aを形成する工程において、外層領域用グリーンシートの少なくとも一部に、導体パターン2aが配設された領域と、その周囲の領域との間に形成される段差を解消する段差解消材21が配設されたグリーンシート(段差解消材配設グリーンシートC)を用いる。
【選択図】図1
Description
そのため、外観不良による歩留まりの低下を招くという問題があるばかりでなく、実装基板などに搭載する場合に、安定した姿勢で実装することが困難になったり、自動実装機による表面吸着の信頼性が低下したりするという問題がある。
また、上記従来の方法の場合、流動性のある誘電体ペーストを塗布した後、特に圧着したりすることなく積層体を細断して焼成するようにしているため、圧着されていない部分が剥がれやすく、信頼性が低いという問題点がある。
積層された複数の磁性体層と、前記磁性体層を介して積層された複数の内部電極とを有する磁性積層体を備えるとともに、前記磁性積層体が、前記内部導体が接続されることにより形成された積層型コイルを有する積層方向中央領域と、その積層方向外側に積層された磁性体層からなる外層領域とを備える積層型コイル部品の製造方法であって、
前記内部導体用の導体パターンが配設されたグリーンシートを含む積層方向中央領域用グリーンシートと、導体パターンが配設されていない外層領域用グリーンシートを積層、圧着して、未焼成の前記磁性積層体を形成する工程を備えており、かつ、
未焼成の前記磁性積層体を形成する工程において、前記外層領域用グリーンシートの少なくとも一部については、前記積層方向中央領域を平面視した場合の、前記導体パターンが配設された領域と、その周囲の領域との間に形成される段差を解消する段差解消材が配設されたグリーンシートを用いること
を特徴としている。
その結果、表面の平坦性や平滑性に優れ、外観不良による歩留まりの低下を招くことがなく、しかも、自動実装機による表面吸着の信頼性が高く、かつ、基板などに安定した姿勢で確実に実装することが可能な信頼性の高い積層型コイル部品を効率よく製造することが可能になる。
なお、本願発明においては、積層方向中央領域用グリーンシートの一部に、内部導体用の導体パターンが配設されていないグリーンシートを用いることも可能であり、内部に積層型コイルが形成される積層方向中央領域の具体的な構成に特別の制約はない。
そして、この積層型コイル部品30は、磁性積層体10の、内部導体2が配設された領域と、その周囲の領域との間に段差がなく、磁性積層体10の上面及び下面が平坦に形成されている。
次に、この積層型コイル部品30の製造法について説明する。
(1−1)Fe2O3、ZnO、NiO、及びCuOを所定の比率で配合した磁性体原料を湿式混合する。
それから、湿式混合したスラリーを乾燥し、粉砕した後、所定の条件で仮焼する。そして、得られた仮焼物を再度粉砕し、乾燥することによりフェライト材料を調製する。
そして、このフェライト材料に、バインダー、可塑剤、湿潤材、分散剤を加えて混合し、脱泡してフェライトスラリーを得る。
(1−2)それから、このフェライトスラリーをPETフィルム上に塗布し、乾燥させることにより、厚みが約50μmのフェライトグリーンシートを作製する。
それから、このフェライトグリーンシートを所定の寸法に切断し、グリーンシートA(図1,図3など参照)を得る。以下、このグリーンシートを、「導体未形成グリーンシート」と称する。
(2−1)上述のようにして作製した導体未形成グリーンシートAの所定の位置にビアホールを形成する。
(2−2)ビアホールが形成された導体未形成グリーンシートAの表面に内部導体形成用の、AgまたはAg合金を主成分とする導体ペーストを印刷して、乾燥させることにより、コイルを構成することになる、厚みが約30μmの内部導体パターン2aを備えたグリーンシートB(図3参照)を得る。
以下、このグリーンシートを「導体形成グリーンシート」と称する。
(3−1)また、上記(1)で用いたフェライト材料と同じフェライト材料に、バインダー、可塑剤などを加えて混合し、フェライトペーストを作製する。
(3−2)そして、上記(1−2)で作製した、まだ導体ペーストを印刷していない導体未形成グリーンシートAの所定の領域に、フェライトペースト21a(図1参照)を塗布する。
なお、導体未形成グリーンシートAにフェライトペースト21aが塗布される領域は、図1に示すように、上述の導体形成グリーンシートBを積層した積層体を平面視した場合の、導体パターン2aが配設されていない領域であり、導体パターン2aが配設された、標高の高い領域と、その周囲の標高が低い領域との間に形成される段差を解消することができるように、その標高差に対応する厚みとなるようにフェライトペースト21aを塗布する。
これにより、フェライトペースト21aの塗布層を段差解消材21として備えたグリーンシートC(図1,図3参照)が得られる。以下、このグリーンシートを「段差解消材配設グリーンシート」と称する。
上記の導体未形成グリーンシートA、導体形成グリーンシートB、段差解消材配設グリーンシートCを以下の手順で積層し、磁性積層体を作製する(図1,図2,図3参照)。
(4−2)次に、所定枚数積層された導体未形成グリーンシートAの積層体の上に、上述のようにして作製した導体形成グリーンシートBを、内部導体パターンが接続されることにより積層型コイル20が形成されるような態様で、所定枚数積層する。これにより、圧着、焼成後に積層方向中央領域11となる積層領域が形成される。
それからさらに、所定枚数積層された段差解消材配設グリーンシートCの上に、特にフェライトペーストが塗布されておらず、内部導体パターンも形成されていないグリーンシート、この実施例では、上記の導体未形成グリーンシートAを所定枚数積層する。
これにより、圧着、焼成後に上側の外層領域12となる積層領域が形成されると同時に、全体として、圧着、焼成後に、下側の外層領域12、積層方向中央領域11、上側の外層領域11となる各積層領域を備えた、未焼成の磁性積層体10aが形成される。
なお、上述の導体未形成グリーンシートA,導体形成グリーンシートB,および段差解消材配設グリーンシートCを積層する場合、1枚積層するたびに、または所定の複数枚を積層するたびに、仮圧着を行いながらそれぞれ意図する枚数に達するまで積層することが望ましい。
これにより、図2に示すように、上面および下面が平坦な、未焼成の圧着磁性積層体10bが得られる。
(5−1)それから、上述のようにして作製した圧着磁性積層体10bを、必要に応じて所定の寸法に切断した後、脱脂、焼成を行うことにより、焼結済みの磁性積層体を得る。
(5―2)
次に、焼結済みの磁性積層体の、内部導体が露出している一対の端面にAgを主成分とする電極ペーストを塗布し、焼き付ける。これにより、図4に構成を示すような、磁性積層体10の上下の両面に段差がなく平坦な積層型コイル部品30が得られる。
また、外層領域用グリーンシートを積層した後、圧着する工程を備えているため、磁性体層の剥離のおそれが少なく、高い信頼性を備えている。
なお、このことは、下側の外層領域に段差解消材配設グリーンシートCを用いる場合も同様である。
さらに、段差解消材は、ペーストを塗布することにより形成されるペースト塗布層に限られるものではなく、例えば、セラミックグリーンシートに層状の部材を配設したものなどを用いることも可能である。
したがって、本発明は、種々の用途に用いられる、積層インダクタ、積層インピーダンス素子、積層トランスなどの積層型コイル部品を製造する場合に好適に利用することができる。
1b 外層部磁性体層
2 内部導体
2a 内部導体パターン
10 磁性積層体
10a 未焼成の磁性積層体
10b 未焼成で圧着済みの磁性積層体
11 積層方向中央領域
12 外層領域
14a,14b 外部電極
20 積層型コイル
20a,20b 積層型コイルの両端部
21a フェライトペースト
21 段差解消材
30 積層型コイル部品
A 導体未形成グリーンシートA
B 導体形成グリーンシートB
C 段差解消材配設グリーンシートC
Claims (4)
- 積層された複数の磁性体層と、前記磁性体層を介して積層された複数の内部電極とを有する磁性積層体を備えるとともに、前記磁性積層体が、前記内部導体が接続されることにより形成された積層型コイルを有する積層方向中央領域と、その積層方向外側に積層された磁性体層からなる外層領域とを備える積層型コイル部品の製造方法であって、
前記内部導体用の導体パターンが配設されたグリーンシートを含む積層方向中央領域用グリーンシートと、導体パターンが配設されていない外層領域用グリーンシートを積層、圧着して、未焼成の前記磁性積層体を形成する工程を備えており、かつ、
未焼成の前記磁性積層体を形成する工程において、前記外層領域用グリーンシートの少なくとも一部については、前記積層方向中央領域を平面視した場合の、前記導体パターンが配設された領域と、その周囲の領域との間に形成される段差を解消する段差解消材が配設されたグリーンシートを用いること
を特徴とする積層型コイル部品の製造方法。 - 前記段差解消材が、前記外層領域用グリーンシートおよび/または前記積層方向中央領域用グリーンシートを構成する磁性材料と同一材料を主成分とするペーストを塗布することにより形成されたペースト塗布層であることを特徴とする請求項1記載の積層型コイル部品の製造方法。
- 前記積層方向中央領域の積層方向外側の一方に配設される前記外層領域用グリーンシートについてのみ、その少なくとも一部に前記段差解消材が配設されたグリーンシートを用いることを特徴とする積層コンデンサ1または2記載の積層型コイル部品の製造方法。
- 前記外層領域用グリーンシートとして、その積層方向についてみた場合に、前記積層方向中央領域に近い方には前記段差解消材が配設されたグリーンシートを用い、それより遠い方には前記段差解消材が配設されていないグリーンシートを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層型コイル部品の製造方法。
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