JP2010043422A - せん断パネル型ダンパーおよび橋梁 - Google Patents

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Abstract

【課題】リブ部の側端面におけるクラックの発生時期を遅らせ、あるいは、リブ部の下辺と橋梁下部構造等との溶接箇所におけるクラックの発生時期を遅らせ、変形性能の優れたせん断パネル型ダンパーを提供する。
【解決手段】せん断パネル型ダンパー2は、低降伏点鋼(極軟鋼)またはアルミニウム合金によって形成されたパネル部10と、パネル部10の両側辺に配置されたリブ部20と、パネル部10の下辺を把持するように接合された一対の下辺補強材30と、パネル部10の上辺を把持するように接合された一対の上辺補強材40と、を有している。リブ部20は、高さ方向の中央範囲の幅(C−C間距離)が、下辺23の幅(A−A間距離)および上辺24の幅(E−E間距離)よりも小さく、高さ方向中央範囲で「くびれ」ている。
【選択図】図2

Description

本発明はせん断パネル型ダンパー(せん断変形パネル型制振ダンパーに同じ)および橋梁、特に、橋梁下部構造に直接または下辺連結板を介して固定される可動支承を構成し、地震発生時に発生する橋梁上部構造の移動を減衰させるせん断パネル型ダンパー、および該せん断パネル型ダンパーを有する橋梁に関する。
近年、橋梁の耐震性能を高める発明、たとえば、低降伏点鋼(極軟鋼に同じ)を用いたせん断パネル型ダンパーを備えた支承構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、かかるせん断パネル型ダンパーは、矩形状のウエブ部の両側に矩形状の縦リブ部を有する断面H形の鋼材であって、低降伏点鋼からなるウエブ部がダンパー本体を形成している。そのため、リブ部の効果によって、ウエブ部のひずみが理想的に分布してパネル全体の変形性能が向上すると思われるものの、地震発生時の繰り返し力によってリブ部の上辺および下辺の溶接部が破断することから、かえって抵抗力を失い、機能が低下することも知られている。
そこで、本願の発明者等は、ウエブ部の四隅の応力集中を緩和する形態や、ウエブ部のせん断変形に伴う上下方向の変位を逃がす形態等を提案し、それらの耐震性能の基本的挙動を実験的に求めている(例えば、非特許文献1参照)。
特許第3755886号公報(第3−4頁、図4) 土木学会「構造工学論文集」Vol.53A(2007年3月)、第1−8頁
すなわち、非特許文献1において、パネルの四隅に円弧状フレアーを設けたり、矩形状パネルの中央部に凹レンズ形の凹部(薄肉部)を設けたり、あるいは、せん断パネル型ダンパーの下辺に曲げ板を取り付けたりすることによって、変形性能が増加することや、パネル側辺にリブ部を設けることによって、固定辺付近の曲げ変形状の塑性域の発達が抑えられること等、が実験的に確認されている。
しかしながら、前記形態における終局状態は、リブ部の側端面の下辺に近い位置においてクラックが発生したり、リブ部の下辺と橋梁下部構造との溶接箇所あるいはリブ部の下辺と曲げ板との溶接箇所にクラックが発生したりするものであることから、かかるクラックの発生を抑える新たな発明が要請されていた。
本発明は、このような要請に応えるものであって、リブ部の側端面におけるクラックの発生時期を遅らせ、あるいは、リブ部の下辺と橋梁下部構造等との溶接箇所におけるクラックの発生時期を遅らせ、変形性能の優れたせん断パネル型ダンパーを提供することを目的とする。
(1)本発明に係るせん断パネル型ダンパーは、板状のパネル部と、該パネル部の側辺に該パネル部に対して略垂直に配置されたリブ部と、を有し、
前記リブ部の下辺が橋梁下部構造に直接または下辺連結板を介して固定され、
前記橋梁下部構造が橋梁上部構造に対して相対的に移動した際、前記リブ部の上辺が、前記橋梁上部構造から前記パネル部の下辺に平行な荷重を受けるせん断パネル型ダンパーであって、
前記リブ部の上辺の幅および下辺の幅が、前記リブ部の高さ方向中央範囲の幅よりも大きく、該幅の変動が滑らかであることを特徴とする。
(2)本発明に係るせん断パネル型ダンパーは、板状のパネル部と、該パネル部の側辺に該パネル部に対して略垂直に配置されたリブ部と、を有し、
前記リブ部の下辺が橋梁下部構造に直接または下辺連結板を介して固定され、
前記橋梁下部構造が橋梁上部構造に対して相対的に移動した際、前記リブ部の上辺が、前記橋梁上部構造から前記パネル部の下辺に平行な荷重を受けるせん断パネル型ダンパーであって、
前記リブ部の上辺の厚さおよび下辺の厚さが、前記リブ部の高さ方向中央範囲の厚さよりも大きく、該厚さの変動が滑らかであることを特徴とする。
(3)また、前記(1)または(2)において、前記リブ部の下辺が前記橋梁下部構造に直接または下辺連結板を介して固定されるのに替えて、前記リブ部の下辺が板状の曲げ板に固定され、該曲げ板が前記橋梁下部構造に設置されることを特徴とする。
(4)また、前記(3)において、前記パネル部の下辺が前記曲げ板に固定されることを特徴とする。
(5)また、前記(1)または(2)において、前記パネル部の下辺が前記橋梁下部構造に直接または下辺連結板を介して固定されることを特徴とする。
(6)また、前記(1)乃至(5)の何れかにおいて、前記パネル部の上辺の厚さおよび下辺の厚さが、高さ方向中央範囲の厚さより大きいことを特徴とする。
(7)また、前記(1)乃至(5)の何れかにおいて、前記パネル部の上辺および下辺に、板状の補強材が設置されていることを特徴とする。
(8)また、前記(1)乃至(7)の何れかにおいて、前記リブ部の上辺および前記パネル部の上辺が板状の上辺連結板に固定され、
前記橋梁下部構造が橋梁上部構造に対して相対的に移動した際、前記リブ部の上辺が、前記橋梁上部構造から前記パネル部の下辺に平行な荷重を受けるのに替えて、前記上辺連結板が、前記橋梁上部構造から前記パネル部の下辺に平行な荷重を受けることを特徴とする。
(9)また、前記(1)乃至(8)の何れかにおいて、前記パネル部が低降伏点鋼またはアルミニウム合金によって形成されていることを特徴とする。
(10)さらに、本発明に係る橋梁は、橋梁上部構造と、橋梁下部構造と、前記橋梁上部構造と前記橋梁下部構造とを水平方向に移動自在に支承する移動支承と、請求項1乃至9の何れかに記載のせん断パネル型ダンパーによって形成されたダンパー支承と、を有する。
本発明に係るせん断パネル型ダンパーは以上の構成であるから、以下のような効果を奏する。
(i)リブ部の上辺の幅および下辺の幅が、リブ部の高さ方向中央範囲の幅よりも大きく、該幅の変動が滑らかであるため、パネル部がせん断変形をした際、リブ部の端面における引張応力が小さくなるから、リブ部におけるクラックの発生時期を遅らせることができる。また、リブ部の下辺と橋梁下部構造とを固定する溶接箇所の長さが、同一体積の矩形状リブ部板よりも増大するから、かかる溶接箇所における応力集中が緩和され、クラックの発生時期を遅らせることができる。
(ii)リブ部の上辺の厚さおよび下辺の厚さが、リブ部の高さ方向中央範囲の厚さよりも大きく、該厚さの変動が滑らかであるため、前記(i)と同様の効果を奏する。
(iii)リブ部の下辺が曲げ板に固定され、該曲げ板が橋梁下部構造に設置されるため、パネル部の上下方向の拘束が緩和されるから、パネル部のせん断変形が促進され変形性能が向上する。
(iv)パネル部の下辺が曲げ板に固定されるため、パネル部の下辺寄りにおける面外変形や座屈が抑えられるから、パネル部のせん断変形が促進され変形性能が向上する。
(v)パネル部の下辺が橋梁下部構造に直接または下辺連結板を介して固定されるため、パネル部の下辺寄りにおける面外変形や座屈が抑えられるから、パネル部のせん断変形が促進され変形性能が向上する。
(vi)パネル部の上辺の厚さおよび下辺の厚さが、高さ方向中央範囲の厚さより大きいため、パネル部の下辺寄りにおける応力集中、面外変形や座屈が抑えられるから、パネル部のせん断変形が促進され変形性能が向上する。
(vii)パネル部の上辺および下辺に、板状の補強材が設置されるため、パネル部の下辺寄りにおける偶角部の応力集中、面外変形や座屈が抑えられるから、パネル部のせん断変形が促進され変形性能が向上する。
(viii)リブ部の上辺およびパネル部の上辺が上辺連結板に固定されるため、パネル部の上辺寄りにおける面外変形や座屈が抑えられるから、パネル部のせん断変形が促進され変形性能が向上する。また、橋梁上部構造から荷重を受ける構造が簡素になる。
(ix)パネル部が、加工硬化が飽和した後で大きな塑性変形をする低降伏点鋼によって形成されているため、地震エネルギーの吸収性能が増大する。
(x)さらに、本発明に係る橋梁は、前記の何れかに記載のせん断パネル型ダンパーによって形成されたダンパー支承とを有するため、終局状態の到来が遅くなり、変形性能が向上するから、耐震性が向上する。
[実施の形態1:橋梁]
図1は本発明の実施の形態1に係る橋梁を説明するものであって、橋軸に平行な断面を模式的に示す断面図である。
図1の(a)において、橋梁100は、図示しない地盤に立設された橋梁下部構造102と、橋梁下部構造102に設置された可動支承103と、可動支承103に水平方向で移動自在に支承された橋梁上部構造105と、地震発生時に、橋梁上部構造105の動きを減衰させるダンパー支承104と、を有している。
図1の(b)において、橋梁100には、可動支承103を挟んで、一対のダンパー支承104が設置されている。
なお、説明の便宜上、水平面内の橋軸方向をX方向、水平面内の橋軸に垂直方向をY方向、鉛直方向をZ方向としているが、設置形態によっては、X−Y面が水平面から偏位し、Z方向が正確な鉛直方向から偏位する場合がある。また、図1は模式的に示すものであって、橋梁100を形成するそれぞれの部材の形状や数量、および相互の大小関係、あるいは設置の方向は図示するものに限定するものではない。したがって、図1の(a)および図1の(b)において、何れも橋梁100と称している。
また、図1の(a)および図1の(b)において、橋梁下部構造102が橋脚部102aと、橋脚部102aの上部に設けられた橋脚張り出し部102bとを具備し、橋脚張り出し部102bにダンパー支承104が設置されているが、本発明はこれに限定するものではなく、橋脚張り出し部102bを具備しない構造にして、橋脚部102aの上端面にダンパー支承104を設置してもよい。
(可動支承)
可動支承103は橋梁上部構造105からの鉛直方向荷重を支承すると共に、橋梁上部構造105に温度変化による伸縮が発生した場合等に、橋梁上部構造105を橋梁下部構造102に対して水平方向に移動させるものである。そのため、可動支承103自体が変形自在であったり、可動支承103と橋梁上部構造105との当接部が摺動自在であったりするが、本発明は、その形式を限定するものではない。
(ダンパー支承)
ダンパー支承104は、橋梁上部構造105からの鉛直方向荷重を受けないで、地震発生時等に、橋梁上部構造105が水平方向に移動した際、橋梁上部構造105のX方向(橋軸方向)に移動を減衰させるものである。
すなわち、ダンパー支承104は、橋梁下部構造102に固定された下辺連結板104aと、下辺連結板104aに下辺が固定されたせん断パネル型ダンパー2と、せん断パネル型ダンパー2の上辺が固定された上辺連結板104bと、上辺連結板104bに形成された係合凸部104cと、を具備する。そして、橋梁上部構造105の下面に設置された一対の係合部材10bによって挟まれた係合凹部105aが形成され、係合凹部105aに係合凸部104cが係合(遊びをもって当接)し、地震発生時等に、両者が当接するものである。
なお、せん断パネル型ダンパー2は、後記する実施の形態2に係るせん断パネル型ダンパー2であって、変形性能が優れている(地震エネルギーの吸収性能が優れているに同じ、これについては別途詳細に説明する)から、橋梁100は優れた耐震性を有している。
また、ダンパー支承104と橋梁上部構造105との係合形態は図示するものに限定するものではなく、鉛直方向の荷重を伝えることなく、あるいは鉛直方向の荷重を軽減して、水平方向の荷重を伝達するものであればよい。
さらに、下辺連結板104aを撤去して、せん断パネル型ダンパー2を橋梁下部構造102に直接設置してもよい。
さらに、せん断パネル型ダンパー2のパネル部10(後記する)が橋軸に平行(X方向)に設置されているが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、橋軸に垂直な方向(Y方向)に設置されてもよく、1台以上の橋軸方向(X方向)に設置されたものと1台以上の橋軸に垂直な方向(Y方向)に設置されたものとが、同時に用いられてもよい。
[実施の形態2:せん断パネル型ダンパー]
図2〜図5は本発明の実施の形態2に係るせん断パネル型ダンパーを説明するものであって、図2の(a)は全体を模式的に示す斜視図、(b)は下辺接合板との接合状況を説明する平面視の断面図、図3は構成部材を分解して模式的に示す斜視図、図4は部分(リブ部等)の実施例を模式的に示す側面図、図5は部分(パネル部)を形成する低降伏点鋼の応力−ひずみ線図である。なお、各図において同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
(全体構成)
図2および図3において、せん断パネル型ダンパー2は、実施の形態1における橋梁のダンパー支承104を形成する部材の一つであって、板状のパネル部10と、パネル部10の側辺12a、12bに接合されたリブ部20a、20bと、パネル部10の下辺13を把持するように接合された一対の下辺補強材30と、パネル部10の上辺14を把持するように接合された一対の上辺補強材40と、を有している。すなわち、せん断パネル型ダンパー2は平面視(X−Y断面)においてH形を呈し、正面視(X−Z面)において矩形を呈している。なお、リブ部20aとリブ部20bとは同一であるから、以下の説明において、符号の添え字「a、b」を削除する。
(パネル部)
パネル部10は、矩形の板材であって、低降伏点鋼(極軟鋼)またはアルミニウム合金のような非鉄金属によって形成されている。図5に示す引張試験結果では、かかる低降伏点鋼(LYP−100、公称降伏点が100N/mm2)は、普通鋼(SS400)に対して、0.2%の永久ひずみに対応した応力(0.2%オフセット値σ0.2)が約1/3(80N/mm2)であり、伸び変形量が約3倍(60%)もある。
したがって、パネル部10は優れた変形性能を有するから、地震発生時に大きなエネルギーを吸収することができる。
なお、本発明は、パネル部10を矩形の板材に限定するものではなく、四隅が橋軸方向(X方向)に延長された略三角形部(フレアーに同じ)を有する外郭が異形の板材や、側面視(X−Z面)の中央部に凹レンズ形の凹部(薄肉部)を設けた肉厚が不均一な板材、あるいは、高さ方向で肉厚が滑らかに変動して高さ方向の中央部が凹(下辺および上辺よりも薄く形成されている)となる谷型断面であってもよい。また、低降伏点鋼(極軟鋼)に限定するものではなく、降伏点が比較的低い鋼、あるいは、破断伸びが比較的大きな鋼やアルミニウム合金であってもよい。
(リブ部)
リブ部20は、下辺23の幅(A−A間距離)および上辺24の幅(E−E間距離)が、高さ方向の中央範囲の幅(C−C間距離)よりも大きくなっている。すなわち、側面視(Y−Z面)において、側端面22が高さ方向中央範囲で「くびれ」ている。
そして、パネル部10の側辺12a、12bとリブ部20とは溶接線W12(斜線にて示す)によって接合されている。
このため、地震発生時に、パネル部10がせん断変形をした際、これに付随してリブ部20は曲げ変形に近似した変形をするところ、曲げモーメント分布の増大に対応して、リブ部20の曲げ剛性も増大しているから(正確には単純な曲げではない)、側端面22における応力分布が平準化され、応力の集中が防止される。これにより、側端面22におけるクラックの発生が抑えられるから、パネル部10におけるせん断変形を大きくすることができ、地震発生時にさらに大きなエネルギーの吸収を可能にしている。
図4において、かかるくびれの実施例を示している。図4の(a)では、側端面22のB−D間が、単一の円弧または楕円の一部に同じで、高さ方向中間位置であるC−C間が最も狭くなっている。また、図4の(b)では、側端面22のB−D間が、略台形状であって、台形の上辺および斜辺に相当する範囲とが滑らか(例えば、円弧によって)結ばれている。なお、本発明は、かかるくびれ形状を実施例に限定するものではなく、前記のように側端面22における応力集中が緩和されるものであれば、その形状を限定するものではない。
(補強材)
下辺補強材30および上辺補強材40は、それぞれ一対の棒体であって、パネル部10の下辺13および上辺14を把持するように、溶接線13および溶接線14においてパネル部10に溶接接合されている(図4の(c)参照)。
このとき、下辺補強材30の端面32a、32bおよび上辺補強材40の端面42a、42bは、それぞれリブ部20に溶接線W23、W24において溶接接合されている(図2の(a)において斜線にて示す、図4の(c)参照)。
したがって、下辺補強材30および上辺補強材40は、パネル部10がせん断変形をする際、面外への変形や座屈を防止するから、パネル部10におけるせん断変形を大きくすることができ、地震発生時に大きなエネルギーの吸収を可能にしている。
なお、以上は、下辺補強材30および上辺補強材40がそれぞれ一対の棒体であるものを示しているが、本発明はこれに限定するものではなく、下辺補強材30および上辺補強材40をそれぞれ1本の棒体にしてもよい。すなわち、パネル部10の下辺13を下辺補強材30の上面に当接し、パネル部10の上辺14を上辺補強材40の下面に当接し、それぞれ溶接線W13および溶接線W14において溶接接合されている(図4の(d)参照)。
(リブ部の連結板への溶接接合)
図2の(b)において、リブ部20の下辺23は、溶接線W28(斜線にて示す)において図示しない下辺連結板104a(図1参照)に溶接接合されている。また、下辺補強材30の下辺33は、溶接線W28(斜線にて示す)が図示しない下辺連結板104aに溶接接合されている。
すなわち、リブ部20の下辺23の幅(A−A間距離)は、同一体積の矩形状リブ部(くびれがない板、図示しない)に比較して長くなっているから、リブ部20の下辺23と下辺連結板104aとの溶接線W28の長さも、後者の溶接線の長さより長くなっている。
したがって、地震発生時に、パネル部10がせん断変形をした際、これに付随して溶接線W28に溶接を引き離すような力が作用しても、溶接長が長くなっていることによって、応力が緩和され、クラックの発生が抑えられる。よって、パネル部10におけるせん断変形が大きくなるから、地震発生時に大きなエネルギーを吸収することが可能になる。
さらに、下辺補強材30の下辺33のリブ部20寄りの所定範囲が、溶接線W38において下辺連結板104aに溶接接合されている。このため、リブ部20との溶接箇所に作用した溶接を引き離すような力の一部は、下辺補強材30を経由して下辺連結板104aに流れ込むから、溶接線W28における応力が緩和され、クラックの発生がさらに抑えられている。
なお、溶接線W38の範囲は限定するものではなく、下辺33の全長に渡って溶接してもよい。一方、前記のように、リブ部20の下辺23の幅が広くなったことによって、溶接線W28に作用する力が低減する場合には、溶接線W38における溶接接合を省略してもよい。
また、以上は、パネル部10の周囲は、溶接線W12、W13、W14において周囲の部材に溶接接合されているが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、溶接線W13、W14における溶接接合を廃止して、パネル部10の下辺13および上辺14にそれぞれ一対の下辺補強材30および一対の上辺補強材40をボルト等によって機械的に接合してもよいし、さらに、溶接線W12における溶接接合を廃止して、パネル部10の側辺12をリブ部20にボルト等によって機械的に接合してもよい。
[実施の形態3:せん断パネル型ダンパー]
図6は本発明の実施の形態3に係るせん断パネル型ダンパーを説明するものであって、(a)は全体を模式的に示す斜視図、(b)は下辺接合板との接合状況を説明する平面視の断面図である。なお、実施の形態2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図6において、せん断パネル型ダンパー3は、せん断パネル型ダンパー2(実施の形態2)に替えて、実施の形態1における橋梁のダンパー支承104を形成するものであって、せん断パネル型ダンパー2の一対の下辺補強材30および一対の上辺補強材40を撤去し、その他の構成はせん断パネル型ダンパー2に同じにしたものである。
したがって、せん断パネル型ダンパー2と同様に、側端面22におけるクラックの発生が抑えられるから、パネル部10におけるせん断変形を大きくすることができ、地震発生時にさらに大きなエネルギーの吸収を可能にしている。
また、リブ部20の下辺23と下辺連結板104aとの溶接線W28の長さも長くなっているから、地震発生時に溶接線W28に作用する応力が緩和され、クラックの発生が抑えられる。よって、パネル部10におけるせん断変形が大きくなるから、地震発生時に大きなエネルギーを吸収することが可能にしている。
なお、パネル部10の下辺13を下辺連結板104aに溶接接合して、面外変形や座屈の発生を遅らせてもよい。
[実施の形態4:せん断パネル型ダンパー]
図7は本発明の実施の形態4に係るせん断パネル型ダンパーを説明するものであって、(a)は全体を模式的に示す斜視図、(b)は下辺接合板との接合状況を説明する平面視の断面図である。なお、実施の形態2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図7において、せん断パネル型ダンパー4は、せん断パネル型ダンパー2(実施の形態2)に替えて、実施の形態1における橋梁のダンパー支承104を形成するものであって、せん断パネル型ダンパー2のリブ部20a、20bをリブ部50a、50bに変更し、その他の構成はせん断パネル型ダンパー2に同じにしたものである。リブ部50aとリブ部50bとは同じであるから、以下の説明において、符号の添え字「a、b」を省略する。
(リブ部)
リブ部50は、高さ方向の中央範囲の厚さ(H−H間距離)が、下辺53の厚さ(F−F間距離)および上辺54の厚さ(J−J間距離)よりも小さくなっている。すなわち、側面視(X−Z面)において、リブ部50はパネル部10側の内面が平面であって、パネル部10とは反対の外面51は、高さ方向中央範囲が凹むように「反って」いる。
すなわち、リブ部50は、リブ部20と同様に、下辺53寄りおよび上辺54寄りにおける断面積(X−Y断面)が、高さ方向中央範囲における断面積より大きくなっている。
したがって、地震発生時に、パネル部10がせん断変形をした際、これに付随してリブ部50は曲げ変形に近似した変形をするところ、曲げモーメント分布の増大に対応して、リブ部50の曲げ剛性も増大している(正確には単純な曲げではない)。このため、側端面52における応力分布が平準化され、応力の集中が防止されている。これにより、側端面52におけるクラックの発生が抑えられるから、パネル部10におけるせん断変形を大きくすることができ、地震発生時にさらに大きなエネルギーの吸収を可能にしている。
かかる反り面を具備する外面51は、側面視(X−Z面)において、G−I間が単一の円弧または楕円の一部に同じで、高さ方向中間位置であるHにおいて、最も薄くなっている。なお、本発明は、外面51の反り面の形状を限定するものではなく、前記のように側端面22における応力分布が平準化することができるものであれば、その形状を限定するものではない。
(リブ部の連結板への溶接接合)
図7の(b)において、リブ部50の下辺53は、溶接線W58(斜線にて示す)において図示しない下辺連結板104a(図1参照)に溶接接合されている。また、下辺補強材30の下辺33は、溶接線W38(斜線にて示す)において図示しない下辺連結板104aに溶接接合されている。
すなわち、リブ部50の下辺53の厚さ(F−F間距離)は、同一体積の矩形状リブ部(反り面がない板、図示しない)に比較して長くなっているから、リブ部50の下辺53と下辺連結板104aとの溶接線W58の長さも、後者の溶接線の長さより長くなっている。
したがって、地震発生時に、パネル部10がせん断変形をした際、これに付随して溶接線W58に溶接を引き離すような力が作用しても、溶接長が長くなっていることによって、応力が緩和され、クラックの発生が抑えられる。よって、パネル部10におけるせん断変形が大きくなるから、地震発生時に大きなエネルギーを吸収することが可能になる。
さらに、下辺補強材30の下辺33のリブ部50寄りの所定範囲が、溶接線W58において下辺連結板104aに溶接接合されている。このため、リブ部50との溶接箇所に作用した溶接を引き離すような力の一部は、下辺補強材30を経由して下辺連結板104aに流れ込むから、溶接線W58における応力が緩和され、クラックの発生がさらに抑えられている。
なお、溶接線W38の範囲は限定するものではなく、下辺33の全長に渡って溶接してもよい。一方、前記のように、リブ部50の下辺53の厚さが大きくなったことによって、溶接線W58に作用する応力が低減する場合には、溶接線W38における溶接接合を省略してもよい。
また、パネル部10とリブ部50とは溶接線15において、パネル部10と下辺補強材30および上辺補強材40とはそれぞれ溶接線13および溶接線14(図示しない)において溶接接合されている。このとき、下辺補強材30および上辺補強材40は、それぞれ一対の棒材であっても、1本の棒材であってもよい。
[実施の形態5:せん断パネル型ダンパー]
図8は本発明の実施の形態5に係るせん断パネル型ダンパーを説明するものであって、(a)は全体を模式的に示す斜視図、(b)は下辺接合板との接合状況を説明する平面視の断面図である。なお、実施の形態2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図8において、せん断パネル型ダンパー5は、せん断パネル型ダンパー4(実施の形態4)に替えて、実施の形態1における橋梁のダンパー支承104を形成するものであって、せん断パネル型ダンパー2の一対の下辺補強材30および一対の上辺補強材40を撤去し、その他の構成はせん断パネル型ダンパー2に同じにしたものである。
したがって、せん断パネル型ダンパー2(実施の形態2)に準じた作用効果を奏するせん断パネル型ダンパー3(実施の形態3)と同様に、せん断パネル型ダンパー5はせん断パネル型ダンパー4(実施の形態4)に準じた作用効果を奏する。
[実施の形態6:せん断パネル型ダンパー]
図9は本発明の実施の形態6に係るせん断パネル型ダンパーを説明するものであって、(a)は全体を模式的に示す斜視図、(b)は下辺接合板との接合状況を説明する平面視の断面図である。なお、実施の形態2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図9において、せん断パネル型ダンパー6は、せん断パネル型ダンパー2(実施の形態2)に替えて、実施の形態1における橋梁のダンパー支承104を形成するものであって、せん断パネル型ダンパー2のリブ部20a、20b(くびれ付き)を矩形板であるリブ部60a、60bに、下辺補強材30を短尺の下辺補強材70a、70bに、上辺補強材40を短尺の上辺補強材90a、90bに、それぞれ変更したものである。
そして、その他の構成はせん断パネル型ダンパー2に同じにしたものであるから、以下の説明において、せん断パネル型ダンパー2(実施の形態2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、同じ内容について符号の添え字「a、b」を省略する。
(リブ部)
リブ部60は矩形の板材であって、パネル部10に溶接線16において溶接接合されている。したがって、せん断パネル型ダンパー6のリブ部60の側端面62では、せん断パネル型ダンパー2〜5(実施の形態2〜5)の側端面62におけるような応力集中の緩和は期待できない。
しかしながら、下辺補強材70の端面(Y−Z面)がリブ部60に当接して溶接線W67において溶接接合され、下辺補強材70の下辺73(X−Y面)が溶接線W78において下辺連結板104aに溶接接合されている。このため、リブ部60と下辺連結板104aとの溶接箇所に作用する溶接を引き離すような応力の一部は、下辺補強材70を経由して下辺連結板104aに流れ込むから、溶接線W78における応力が緩和され、クラックの発生が抑えられている。このとき、パネル部10と下辺補強材70とは溶接線W17において溶接接合されている。
なお、下辺補強材70の長さ(Y方向距離)は限定するものではなく、下辺補強材70a、70bは一体化(下辺補強材30に同じ)してもよい。あるいは、一対の下辺補強材70a、70bに替えて、それぞれ1個の直方体にして、かかる直方体を、パネル部10の角部に形成した矩形状の切欠部を貫通する状態で設置してもよい。
また、上辺補強材90は、下辺補強材70と同様であって、溶接線69においてリブ部60に、溶接線19においてパネル部10に、それぞれ溶接接合されている。
[変形性能の比較]
図10〜図12は本発明の実施の形態1および実施の形態6の変形性能を従来のせん断パネル型ダンパーの変形性能と比較したものであって、図10は比較材における終局状況までのヒステリシスを示す荷重−変位曲線、図11は本発明のせん断パネル型ダンパーにおける終局状況までのヒステリシスを示す荷重−変位曲線、図12は終局状況における変形性能を比較する棒グラフである。
なお、図10および図11の縦軸は、水平方向荷重Q(パネル部10の上辺14を水平方向に載荷したときの荷重値)を降伏荷重Qy(図5において応力が100kN/mm2になったとき、すなわち、パネル部10の全域が降伏したときの水平方向荷重Qに同じ)で無次元化した無次元化荷重を、横軸はせん断変形量γ(パネル部10の高さ(h)に対する上辺14の水平方向の変位(δ)の割合(δ/h))である。
また、図12に示す変形性能とは、繰り返し変形における最大せん断変形量γ(片側)である。なお、試験条件は、パネル10の下辺13を固定し、上辺14を水平方向に降伏変位(降伏荷重Qyにはじめて達したときの変位)の整数倍だけ順に増加させて繰り返し載荷させるものである。
図10の(a)に示す比較材1は、低降伏点鋼(LYP−100)からなる矩形板であって、縦156mm、横156mm、厚さ12mmである。
また、図10の(b)に示す比較材2は、比較材8の両側辺に、低降伏点鋼(LYP−100)からなるリブ部を設けたものであって、リブ部の厚さ(Y方向)は12mm、幅(X方向)は横50mmである。
図10の(a)および(b)から明らかなように、リブ部を設けることによって、変形時の荷重および繰り返し数が、いずれも増している。
図11の(c)はせん断パネル型ダンパー6(実施の形態6)であって、比較材9に上辺補強材40と下辺補強材30を設置したものである。このとき、上辺補強材40と下辺補強材30は、それぞれ普通鋼(SS400)から形成され、長さ(Y方向)156mm、厚さ(X方向)9mm、高さ(Z方向)20mmである。
図11の(c)と図10の(b)を比較すると明らかなように、補強材によってパネル部の面外変形が拘束されることによって、変形時の荷重および繰り返し数がいずれも増し、終局状況の到来が大幅に遅くなっている。
図11の(d)はせん断パネル型ダンパー2(実施の形態2)であって、比較材9に上辺補強材40と下辺補強材30を設置すると共に、リブ部20を「くびれ」のあるものしたものである。このとき、リブ部20は低降伏点鋼(LYP−100)から形成され、リブ部の厚さ(Y方向)は12mm、下辺の幅(X方向)は横50mm、高さ方向中央部の幅(X方向)は30mmである。また、上辺補強材40と下辺補強材30は、それぞれ普通鋼(SS400)から形成され、長さ(X方向)152mm、厚さ(Y方向)9mm、高さ(Z方向)20mmである。
図11の(c)と図10の(b)を比較すると明らかなように、リブ部の側端部におけるクラックの発生が抑えられ、パネル部の面外変形が拘束されることによって、変形時の繰り返し数が増し、終局状況の到来が大幅に遅くなっている。
図12において、前記のように、比較材8(矩形パネル)、比較材9(矩形リブ部付き)、せん断パネル型ダンパー6(矩形リブ部および補強材付き)、せん断パネル型ダンパー2(くびれリブ部および補強材付き)、の順に、変形性能が向上している様子が示されている。
[実施の形態7:橋梁]
図13は本発明の実施の形態7に係る橋梁を説明するものであって、ダンパー支承の橋軸に平行な断面を模式的に示す断面図である。
図13の(a)において、ダンパー支承204は、ダンパー支承104に替えて橋梁100(実施の形態1参照)に設置されるものである。
ダンパー支承204は、ダンパー支承104における下辺連結板104aを、曲げ板204aに置き換えたものである。すなわち、ダンパー支承204は、橋梁下部構造102の上面に機械的に固定された曲げ板204aと、曲げ板204aにL−M範囲において溶接固定(L−M範囲)されたせん断パネル型ダンパー3と、上辺連結板104bと、係合凸部104cと、を具備する。
このとき、曲げ板204aは、せん断パネル型ダンパー3の直下を含む所定範囲(正面視で、K−Nの間)を除く範囲において橋梁下部構造102に固定されている。
したがって、地震発生時に、せん断パネル型ダンパー3のパネル部10がせん断変形すると、曲げ板204aは、K−L範囲またはM−N範囲(あるいは両方)において曲げ変形をする。このため、リブ部20の下辺23と曲げ板204aとを接合する溶接箇所に作用する溶接を引き離すとする力が緩和されるから、せん断パネル型ダンパー3の効果に上乗せして、溶接箇所におけるクラックの発生がさらに抑えられる。
なお、図13において、せん断パネル型ダンパー3のパネル部10は四隅にフレアーが形成されているが、フレアーのない矩形状であってよい。さらに、せん断パネル型ダンパー3に準じて、せん断パネル型ダンパー2、4〜6(実施の形態2、4〜6)を下辺連結板104aに替えて、曲げ板204aに溶接接合してもよい。
図13の(b)において、ダンパー支承204の曲げ板204aが橋梁下部構造102に、K−L範囲を除く範囲において溶接固定されている(斜線にて示す)。したがって、図13の(a)におけると同様に、せん断パネル型ダンパー3の効果に上乗せして、溶接箇所におけるクラックの発生がさらに抑えられる。
[実施の形態8:橋梁]
図14は、は本発明の実施の形態8に係る橋梁を説明するものであって、(a)はダンパー支承を模式的に示す斜視図、(b)はダンパー支承を模式的に示す側面図である。
図14の(a)において、ダンパー支承304は、ダンパー支承104に替えて橋梁100(実施の形態1参照)に設置されるものである。
ダンパー支承304は、せん断パネル型ダンパー2(実施の形態2)をパネル部10が水平になるように「横置き」したものである。すなわち、橋梁下部構造102の上面に断面L字状の設置部材304aが設置され、設置部材304aの鉛直面(X方向(橋軸方向)に平行)に下辺連結板104aが設置されている。すなわち、上辺連結板104bに設置された係合凸部104cはY方向(橋軸方向に垂直な方向)に突出している。そして、橋梁上部構造105に設置された係合部材105bには係合凹部105aが形成され、係合凹部105aに係合凸部104cが侵入している。
したがって、橋梁下部構造104の上面と橋梁上部構造105の下面とが近接して、せん断パネル型ダンパー2をパネル部10が鉛直になるように「縦置き(図1等参照)」することが困難な場合であっても、せん断パネル型ダンパー2を設置することができる。よって、せん断パネル型ダンパー2は前記作用効果を奏すると共に、設置する制約が緩和され、設置の自由度が増す。
なお、せん断パネル型ダンパー2と同様に、せん断パネル型ダンパー3〜6(実施の形態3〜6)も横置きにすることができるものである。さらに、ダンパー支承204の曲げ板204aを、設置部材304aの鉛直面に設置して、ダンパー支承204を横置きにしてもよい。また、設置部材304aは三角形状のブラケット304bによって、補強されているが、省略してもよい。
図14の(b)において、ダンパー支承404は、一対のダンパー支承304を対向して設置したものである。したがって、1台のダンパー支承304を設置した場合に比較して、地震発生時の吸収エネルギが2倍になる。なお、本発明は一対のダンパー支承304に限定するものではなく、3台以上のダンパー支承304を並行に設置してもよい。このとき、吸収エネルギを増大させてもよいし、それぞれのダンパー支承304を小型にしながらも、全体を合計して所定のエネルギを吸収するよにしてもよい。
さらに、本発明は一対のダンパー支承304が対向して設置されるものに限定するものではなく、それぞれの設置部材304aの鉛直面が互いに垂直になるように配置して、パネル部10が互いに直交する方向に設置されてもよい。このとき、一方のパネル部10ではX−Y面(水平面)内でX方向(橋軸方向)のせん断変形を受け、他方のパネル部10ではX−Y面(水平面)内でY方向(橋軸に垂直な方向)のせん断変形を受けることになるから、地震時の揺れ方向にかかわらず、地震エネルギを吸収することができる。
[実施の形態9:橋梁]
図15は、は本発明の実施の形態9に係る橋梁を模式的に示す側面である。
図15において、ダンパー支承504は、ダンパー支承104に替えて橋梁100(実施の形態1参照)に設置されるものである。
ダンパー支承504は、ダンパー支承104を形成する下辺連結板104aの両端と上辺連結板104bの両端とが、互いに平行に配置されたリンク部材500に、連結ピン501、501cにおいて回動自在にピン接合されている。このとき、下辺連結板104aと上辺連結板104bとリンク部材500とは、側面視で平行四辺形(長方形を含む)を保つから、パネル部10がせん断変形する際、ひずみが一様に分布して、応力集中が生じ難いため、変形性能が若干向上する。
すなわち、パネル部10がせん断変形する際、一方の側辺12には引張応力が発生して伸び、他方の側辺12には圧縮応力が発生して縮むため、リンク部材500が設置されない場合には、圧縮応力が発生する側辺12において圧縮ひずみの集中や座屈が発生し、ひずみが一様に分布していなかった。
なお、リンク部材500はX方向(橋軸方向)の両端に、それぞれ2本づつ合計4本設置されているが、本発明はその本数を限定するものではなく、両端にそれぞれ1本づつ設置してもよいし、3本以上であっても両端における本数が相違してもよい。
[実施の形態10:せん断パネル型ダンパー]
図16は本発明の実施の形態10に係るせん断パネル型ダンパーを模式的に示す斜視図である。なお、実施の形態2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図16において、せん断パネル型ダンパー7は、せん断パネル型ダンパー2(実施の形態2)の下辺補強材30および上辺補強板40がそれぞれ1本の棒材であって、それぞれが、リブ材20の下辺23に形成された下辺切欠部25および上辺24に形成された上辺切欠部26を貫通している。そして、下辺補強材30および上辺補強板40の両端とが、互いに平行に配置されたリンク部材500に、連結ピン501、501cにおいて回動自在にピン接合されている。
すなわち、ダンパー支承504(実施の形態9)におけるリンク部材500は、下辺連結板104aの両端と上辺連結板104bの両端とをピン接合していたのに対し、せん断パネル型ダンパー7におけるリンク部材500は、下辺補強材30の両端と上辺補強板40の両端とをピン接合している。
したがって、下辺補強材30と上辺補強材40とリンク部材500とは、側面視で平行四辺形(長方形を含む)を保つから、パネル部10がせん断変形する際、ひずみが一様に分布して、応力集中が生じ難いため、変形性能が若干向上する。すなわち、ダンパー支承504(実施の形態9)と同様の作用効果を奏する。
なお、本発明はせん断パネル型ダンパー2にリンク部材500を設置するものに限定するものではなく、せん断パネル型ダンパー3〜6(実施の形態3〜6)の何れにリンク部材500を設置してもよい。
また、下辺補強材30および上辺補強板40はそれぞれ1本の棒材に限定するものではなく、それぞれ一対の棒材にして、かかる一対の棒材によって挟まれるように両端にそれぞれ1本(両端で合計2本)のリンク部材500をピン接合してもよい。
さらに、リンク部材500は一対のリブ部20に挟まれた範囲内において、パネル部10に対峙して橋軸方向に設置した一対(合計2本)にしたり、あるいは、パネル部10を挟むように配置された一対を橋軸方向に設置した一対(合計4本)にしたりしてもよい。
本発明は以上であって、パネル部の変形性能が向上して吸収するエネルギーが増大するから、橋梁は勿論、各種形態の土木構造物や建築構造物の耐震性を向上させるデバイスとして広く利用することができる。
本発明の実施の形態1に係る橋梁を説明する断面図。 本発明の実施の形態2に係るせん断パネル型ダンパーを説明する全体を示す斜視図および下辺接合板との接合状況を説明する平面視の断面図。 図2に示すせん断パネル型ダンパーを分解して示す斜視図。 図2に示すせん断パネル型ダンパーのリブ部の実施例を示す側面図。 図2に示すせん断パネル型ダンパーのパネル部を形成する低降伏点鋼の応力−ひずみ線図。 本発明の実施の形態3に係るせん断パネル型ダンパーを説明する全体を示す斜視図および下辺接合板との接合状況を説明する平面視の断面図。 本発明の実施の形態4に係るせん断パネル型ダンパーを説明する全体を示す斜視図および下辺接合板との接合状況を説明する平面視の断面図。 本発明の実施の形態5に係るせん断パネル型ダンパーを説明する全体を示す斜視図および下辺接合板との接合状況を説明する平面視の断面図。 本発明の実施の形態6に係るせん断パネル型ダンパーを説明する全体を示す斜視図および下辺接合板との接合状況を説明する平面視の断面図。 本発明の実施の形態1および実施の形態6の変形性能を比較する、比較材における終局状況までのヒステリシスを示す荷重−変位曲線。 本発明の実施の形態1および実施の形態6の変形性能を比較する、本発明のせん断パネル型ダンパーにおける終局状況までのヒステリシスを示す荷重−変位曲線。 本発明の実施の形態1および実施の形態6の変形性能を比較する、終局状況に至る変形性能を比較する棒グラフ。 本発明の実施の形態7に係る橋梁を説明するダンパー支承部の断面図。 本発明の実施の形態8に係る橋梁を説明するダンパー支承部の断面図。 本発明の実施の形態9に係る橋梁を説明するダンパー支承部の断面図。 本発明の実施の形態10に係るせん断パネル型ダンパーを示す斜視図。
符号の説明
2 せん断パネル型ダンパー(実施の形態2)
3 せん断パネル型ダンパー(実施の形態3)
4 せん断パネル型ダンパー(実施の形態4)
5 せん断パネル型ダンパー(実施の形態5)
6 せん断パネル型ダンパー(実施の形態6)
7 せん断パネル型ダンパー(実施の形態10)
10 パネル部
12 側辺
13 下辺
14 上辺
20 リブ部(実施の形態2、3)
22 側端面
23 下辺
24 上辺
30 下辺補強材
32 端面
33 下辺
40 上辺補強材
42 端面
50 リブ部(実施の形態4、5)
51 外面
52 側端面
53 下辺
54 上辺
60 リブ部(実施の形態6)
62 側端面
70 下辺補強材
73 下辺
100 橋梁(実施の形態1)
101 地盤
102 橋梁下部構造
103 可動支承
104 ダンパー支承
104a 下辺連結板
104b 上辺連結板
104c 係合凸部
105 橋梁上部構造
105a 係合凹部
105b 係合部材
204 ダンパー支承(実施の形態7)
204a 曲げ板
304 ダンパー支承(実施の形態8)
404 ダンパー支承(実施の形態8)
500 リンク部材(実施の形態9)
501a 連結ピン(実施の形態9)
501b 連結ピン(実施の形態9)
504 ダンパー支承(実施の形態9)
W12 溶接線
W13 溶接線
W14 溶接線
W23 溶接線
W28 溶接線
W38 溶接線
W58 溶接線
W63 溶接線
W68 溶接線
X 橋軸方向
Y 橋軸に垂直な方向
Z 鉛直方向

Claims (10)

  1. 板状のパネル部と、該パネル部の側辺に該パネル部に対して略垂直に配置されたリブ部と、を有し、
    前記リブ部の下辺が橋梁下部構造に直接または下辺連結板を介して固定され、
    前記橋梁下部構造が橋梁上部構造に対して相対的に移動した際、前記リブ部の上辺が、前記橋梁上部構造から前記パネル部の下辺に平行な荷重を受けるせん断パネル型ダンパーであって、
    前記リブ部の上辺の幅および下辺の幅が、前記リブ部の高さ方向中央範囲の幅よりも大きく、該幅の変動が滑らかであることを特徴とするせん断パネル型ダンパー。
  2. 板状のパネル部と、該パネル部の側辺に該パネル部に対して略垂直に配置されたリブ部と、を有し、
    前記リブ部の下辺が橋梁下部構造に直接または下辺連結板を介して固定され、
    前記橋梁下部構造が橋梁上部構造に対して相対的に移動した際、前記リブ部の上辺が、前記橋梁上部構造から前記パネル部の下辺に平行な荷重を受けるせん断パネル型ダンパーであって、
    前記リブ部の上辺の厚さおよび下辺の厚さが、前記リブ部の高さ方向中央範囲の厚さよりも大きく、該厚さの変動が滑らかであることを特徴とするせん断パネル型ダンパー。
  3. 前記リブ部の下辺が前記橋梁下部構造に直接または下辺連結板を介して固定されるのに替えて、前記リブ部の下辺が板状の曲げ板に固定され、
    該曲げ板が、前記リブ部の下辺が固定されている位置から離れた位置において前記橋梁下部構造に設置されることを特徴とする請求項1または2記載のせん断パネル型ダンパー。
  4. 前記パネル部の下辺が前記曲げ板に固定されることを特徴とする請求項3記載のせん断パネル型ダンパー。
  5. 前記パネル部の下辺が前記橋梁下部構造に直接または下辺連結板を介して固定されることを特徴とする請求項1または2記載のせん断パネル型ダンパー。
  6. 前記パネル部の上辺の厚さおよび下辺の厚さが、高さ方向中央範囲の厚さより大きいことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のせん断パネル型ダンパー。
  7. 前記パネル部の上辺および下辺に、板状の補強板が設置されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のせん断パネル型ダンパー。
  8. 前記リブ部の上辺および前記パネル部の上辺が板状の上辺連結板に固定され、
    前記橋梁下部構造が橋梁上部構造に対して相対的に移動した際、前記リブ部の上辺が、前記橋梁上部構造から前記パネル部の下辺に平行な荷重を受けるのに替えて、前記上辺連結板が、前記橋梁上部構造から前記パネル部の下辺に平行な荷重を受けることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のせん断パネル型ダンパー。
  9. 前記パネル部が低降伏点鋼またはアルミニウム合金によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のせん断パネル型ダンパー。
  10. 橋梁上部構造と、橋梁下部構造と、前記橋梁上部構造と前記橋梁下部構造とを水平方向に移動自在に支承する移動支承と、請求項1乃至9の何れかに記載のせん断パネル型ダンパーによって形成されたダンパー支承と、を有することを特徴とする橋梁。
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