JP6913929B2 - ブレース - Google Patents

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Description

本発明は、鉄骨建物の構造部材であるブレースに関するものである。
建物の構造材であるブレース(筋交い)は、柱や梁に接続される斜材であり、地震や風などの水平力が建物に作用した際に、それに抵抗する役割を担うものである。しかし、地震や風などの水平力が建物に作用すると、ブレースには圧縮と引張の軸力が発生する。ブレースが過大な圧縮力を受けると、材軸と直交方向に変形する座屈現象が起こる。ブレースが座屈すると、圧縮耐力が急激に失われることから、建物が倒壊するなどの危険性がある。
かかる観点から建物の強度を向上させるために、建物の構造体やブレースに関して種々提案もなされている。
たとえば、特許文献1には、軸方向の剛性を変化させ地震等に対応可能とするために、軸方向に対して湾曲又は屈曲させた主部材を軸方向力の抵抗材として用い、湾曲又は屈曲する面内で、全機種部材の中央部には前記軸方向と直角な方向に力を加え、主部材の軸方向の変形量をコントロールする逝去装置を向けてあることを特徴とする建物架構の軸方向可変剛性材が提案されている。また、特許文献2には、建造物の強度を高めながら工事費用をより抑制し、工事期間をさらに短縮することが可能となるブレース構造として、湾曲させてなるブレースが提案されている。
特開昭63−70734号公報 特開1998−30274号公報
しかしながら、上述の提案に係るブレースでは未だ十分に建物の構造強度を挙げることができていない。その原因として、地震や風などの水平力が建物に作用すると、ブレースには圧縮と引張の軸力が発生するところ、ブレース材が過大な圧縮力を受けると、材軸と直交方向に変形する座屈現象が生じることが挙げられる。この座屈現象により、ブレースが座屈すると、圧縮耐力が急激に失われ、建物が倒壊するのである。
このため、座屈により圧縮耐力が急激に失わることがなく、建物の強度を向上させることができるブレースの開発が要望されていた。
したがって、本発明の目的は、建物の耐力が急激に喪失される現象を回避することができ、結果として建物の構造強度が向上するブレースを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。即ち、特許文献1記載の発明のように補強するのでは、従来のブレース同様に座屈現象が生じ、更には特許文献2記載の発明のように湾曲させた場合にも座屈現象が生じていた。この原因を追究し鋭意検討した結果、圧縮軸力下で、座屈よりも曲げによる降伏が先行するようにすればよいことを見出し、そのためのブレース形状について種々検討した結果本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.柱及び梁を有する構造物を補強する、少なくとも一つのブレース材からなるブレースにおいて、
上記ブレース材の両端に位置し、少なくとも上記柱及び/又は梁に接合される2つの接合部と、
一の上記接合部側に位置する第1直線部、及び他の上記接合部側に位置する第2直線部を有し、該第1直線部及び該第2直線部は所定角度をもって連設されて連設部を形成しており、上記ブレース材が該所定角度に折り曲げられた状態となっている
ことを特徴とするブレース。
2.上記連設部は上記ブレース材のほぼ中央に設けられていることを特徴とする1記載のブレース。
3.2つのブレース材からなり、
各ブレース材はそれぞれ一端側の接合部が上方の梁の中央部に形成され、他端側の接合部が構造物の下方に形成されていることを特徴とする1又は2記載のブレース。
本発明のブレースは、建物の耐力が急激に喪失される現象を回避することができ、結果として建物の構造強度が向上するものである。
図1は、本発明のブレースを配した構造の1実施形態を示す斜視図である。 図2は、図1の矢視状態を模式的に示す正面図である。 図3はその各架構の荷重−変位関係を示すチャートである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
図1に示す本実施形態のブレース1は、柱2及び梁4を有する構造物Aを補強するものであり、少なくとも一つのブレース材10からなる。
ブレース1は、ブレース材10の両端に位置し、柱及び/又は梁に接合される2つの接合部12a、12bと、
一の接合部12a側に位置する第1直線部14、及び他の接合部12b側に位置する第2直線部16を有し、第1直線部14及び第2直線部16は所定角度をもって連設されて連設部18を形成しており、ブレース材10が所定角度に折り曲げられた状態となっている。
以下、さらに詳細に説明する。
<構造物>
本実施形態において、構造物Aは柱2と梁4と土台6とからなる矩形状のフレームを基本構造体としてなる。構造物Aの下方両隅における柱2と土台6との接合部分において接合部12bが設けられており、上方における梁4のほぼ中央部において梁4とブレース材10とを接合することで接合部12aが形成されている。
本実施形態において構造物Aを構成する柱、梁、土台、ブレースはそれぞれH鋼により形成されており、それらの材料は通常建築用構造体に用いられるものを特に制限なく用いることができる。
<ブレース>
本実施形態において、ブレースは2つ設けられており、各ブレース材10はそれぞれ一端側の接合部12aが上方の梁4の中央部に形成され、他端側の接合部12bが構造物の下方に形成されている。
各ブレースを形成するブレース材10は、長さ方向ほぼ中央に連設部18が設けられており、第1直線部14と第2直線部16とはほぼ同じ長さとされている。本実形態においては、直線状のH形鋼2つを、所定角度をもって溶接により接合して一つのブレース材とされており、この接合部分により連設部18が形成されている。
本実施形態のブレース1は、ブレース材10の長さ方向の中央付近に設けられた連設部18が折れ点となり、外部から力がかかった際にこの連設部18の部材角度が変化する。これにより圧縮軸力下で偏心による曲げモーメントが発生し、座屈よりも曲げ降伏が先行する機構となる。
このような機能を発揮するためには、上述のような所定角度に折れ曲がった形態となされた連設部18の存在が必須であるが、更には図2に示すブレース材が直線状だったと仮定した線B(図2の直線B部分)とブレース材10との偏心角度(図2参照)を適切な範囲に設定することが重要である。
ここで偏心角度は3度〜15度の範囲とするのが好ましく、3度〜10度の範囲とするのがさらに好ましく、3度〜5度とするのが最も好ましい。この範囲内とすることにより後述する実施例にも記載するように、高い耐力と靱性を両立させることができるので、好ましい。
<作用効果>
本実施形態のブレースの作用効果について説明する。
鉄骨構造建物を純ラーメン構造とする場合、H形鋼の梁の強軸回りに発生する曲げモーメントにより、梁が曲げ降伏し、耐力が決定する。そのときの降伏後の耐力劣化は小さい。しかし、水平剛性が不足し、必要剛性を確保すると耐力が余る傾向がある。
本実施形態の構造物と同様のK形ブレース付ラーメン架構は水平荷重が加わったとき、ブレースは部材ごとに引張力と圧縮力を受ける。圧縮力が作用することで座屈が発生する。ブレースの座屈によって構造物の耐力が決定し、座屈後は耐力が急激に低下する。通常のブレースでは、圧縮側ブレースの座屈後の耐力低下を考慮することは稀で、ブレースの座屈点を保有水平耐力時として評価することが多い。ブレース座屈点のラーメン部材の塑性化は限定的であり、強度型の設計となり、靱性に期待していない。そのため、鋼材の靱性を生かした設計になっていない。ブレースは水平剛性が高く、非常に小さい水平変位で座屈が発生し、終局耐力に達する。このとき、ラーメン構造の水平耐力への寄与は極端に小さい。さらに、連層ブレースがある場合は、脚部の引き抜き対策が課題になる。また、ラーメンが繰り返し水平力を受け、ブレースに引張力や圧縮力が繰り返し作用すると、曲げ変形による塑性歪が発生する。この要因のみで疲労破断に至る可能性は低いが、同時に局部座屈が発生していると、塑性歪は局部座屈部に集中するため、早期に破断に至る。ブレースが破断すると圧縮側のみならず引張側の耐力も失われる。
近年では、このような課題を解消する方法として、座屈拘束ブレース(アンボンドブレース)が利用されている。この座屈拘束ブレースは、芯となる中心鋼材を鋼管とコンクリートで拘束し、座屈させずに安定的に塑性化するようにしたブレースであり、中心鋼材とコンクリートの間には特殊な緩衝材(アンボンド材)を用い、鋼管とコンクリートには軸力が加わらないようになっている。この組み合せにより、引張・圧縮ともに同性状の安定した履歴特性をもつ、制振ダンパー・耐震部材として利用されている。しかし、このような座屈拘束ブレースは、高価であると共に製造が容易ではなく、施工も高度な技術が必要である。
これに対して本実施形態のブレースは、ブレース1の中央部に折点となる連設部18を有するので、この連設部18が存在することにより、線Bから構面内にブレース材10が偏心して、偏心距離が設けられている。この偏心距離を存在することにより、圧縮軸力下で座屈より曲げ降伏が先行する。その結果塑性挙動は安定し、さらに、鋼材の靭性能を利用することができる。
このため、本実施形態のブレースによると以下の効果が得られる。
(1)座屈より降伏が先行し安定的な崩壊をする。
(2)ブレースとフレームの協和性が得られる。
(3)偏心距離と断面を変えることにより、耐力と剛性を調整できる。
(4)引き抜きの問題が軽減できる。
(5)アンボンドブレースよりも経済性と施工性が良い。
(6)K形ブレースよりも開口を大きく取れる。
以下、(2)〜(4)について詳しく述べる。
曲げブレースは、圧縮軸力下で偏心が増大する方向に曲げ変形が生じる。従って一般的なブレースよりも軸剛性が小さくなり、水平剛性が低下する。そのため、K形ブレース付ラーメン架構と純ラーメン架構の両者の中間の剛性と耐力を持つ。結果としてラーメン架構の水平耐力への寄与が大きくなる。その結果上記の(2)〜(4)の効果が得られる。
本発明は上述した実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、上述の実施形態においては、2つのブレース材を用いるK型ブレースについて説明したが、これに制限されず一つのブレース材により形成されたブレースとしてもよく、3つ以上のブレース材により形成してもよい。
以下、本発明について実施例及び比較例を示してさらに具体的に説明するが本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕
SN400,F=235N/mm2の鋼材(H形鋼)を用いて、図1に示す構造物を得た。なお、柱・梁・土台には幅広系列のH−400×400×13×21(たとえば新日鉄住金社製など)を、ブレース材にはH−200×200×8×12(たとえば新日鉄住金社製など)を用いた。
得られた構造物を用いて、水平荷重の静的増分解析を公知の手法により行った。その結果を図3に示す。また、解析条件は後述する。
また、比較対象として、ブレースを用いていない構造物(純ラーメン架構)と通常の直線状のK形ブレースを用いた構造物とについて、同様に静的増分解析を行った。その結果を合わせて図3に示す。
図3に示す結果から明らかなように、本発明のブレースを有する構造物の水平耐力はブレースのない場合よりも高いのはもちろん、通常のブレースを有する構造物のブレースが座屈するときの水平耐力より高いことがわかる。また、ブレースのない構造物と同等の変形性能を有することがわかる。このことから本発明のブレースは高い耐力と靱性を両立させて有するものであることがわかる。
解析条件
スパン6400mm×高さ3800mmの1フレーム
鋼材:SN400(基準強度F=235N/mm2
柱・梁:H-400×400×13×21
K形ブレース:P-318.5×6
曲げブレース:H-200×200×8×12



Claims (3)

  1. 柱及び梁を有する構造物を補強する、少なくとも一つのブレース材からなるブレースにおいて、
    上記ブレース材の両端に位置し、上記柱及び/又は梁に直接接合される2つの接合部と、
    一の上記接合部側に位置する第1直線部、及び他の上記接合部側に位置する第2直線部を有し、該第1直線部及び該第2直線部は所定角度をもって連設されて連設部を形成しており、上記ブレース材が該所定角度に折り曲げられた状態となっており、
    上記所定角度は、ブレース材が直線状だったと仮定した線とブレース材との偏心角度であり、該偏心角度は3度〜15度の範囲である
    ことを特徴とするブレース。
  2. 上記偏心角度は3度〜5度である
    ことを特徴とする請求項1記載のブレース。
  3. 上記連設部は上記ブレース材のほぼ中央に設けられており、
    ブレースは、2つのブレース材からなり、
    各ブレース材はそれぞれ一端側の接合部が上方の梁の中央部に形成され、他端側の接合部が構造物の下方に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のブレース。
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