JP2001200656A - 建築物の制震構造 - Google Patents

建築物の制震構造

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JP2001200656A
JP2001200656A JP2000010964A JP2000010964A JP2001200656A JP 2001200656 A JP2001200656 A JP 2001200656A JP 2000010964 A JP2000010964 A JP 2000010964A JP 2000010964 A JP2000010964 A JP 2000010964A JP 2001200656 A JP2001200656 A JP 2001200656A
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building
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JP2000010964A
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Masashi Kitahama
雅司 北濱
Kazuo Kubota
一男 久保田
Kazuo Suzuki
和夫 鈴木
Futoshi Isshiki
太 一色
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National House Industrial Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
National House Industrial Co Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 梁柱構造と耐力壁パネル構造の何れにも適用
することができ、且つ寿命の短いゴム系振動吸収材を使
用せずに済む制震構造を提供する。 【解決手段】 基礎構造物に主要構造物を載せるときに
両者間に介在させる支持ブロック20を、変形部30と
支持部23と上板24とからなる箱にし、地震に伴なう
大きな水平力を受けたときに変形部30を変形させる。 【効果】 変形部が塑性変形を開始した時点で主要構造
物に作用する水平力(水平反力)の増加が収る。従っ
て、主要構造物は地震の大小に関係なく、弾性領域での
み変形し、塑性変形や破壊に至る心配はない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築構造物の制震構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築構造物(建築物)は、耐震設
計法に基づいて設計されてきた。耐震設計とは、頻繁に
発生する中地震に対しては構造の各部は弾性的に対応さ
せ、数十年に一度の大地震に対しては、構造物の塑性変
形させることで対応させる設計法である。この様な耐震
設計に基づく建築物は、大地震に見舞われると構造のか
なりの部分が塑性変形するため、その修復に莫大な費用
がかかり、変形の程度や発生部位によっては、継続使用
が困難になることがある。
【0003】この様な課題を解決するために、例えば
特許第2516575号公報「フレーム組み込み型制震
装置」や、特公平2−62670号公報「構造物の免
震装置」が提案されている。上記の制震装置は、同公
報の第2頁右欄第4行〜第7行の記載「本発明は、構造
物(1)に生じる揺れが小さな内は、粘弾性ダンパ
(6)が作用して揺れを吸収し、揺れが大きくなると弾
塑性ダンパ(7)も作用して揺れを吸収するように作用
する。」で説明される粘弾性ダンパ(6)並びに弾塑性
ダンパ(7)を、同公報の第1図に示されるごとく壁
(5)と梁(3,3)との間に配置したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の制震装置は、
梁と柱とで囲った構造物の内部に粘弾性ダンパ(6)並
びに弾塑性ダンパ(7)を配置したものであるが、同公
報の第1図〜第5図では、壁(5)が粘弾性ダンパ
(6)並びに弾塑性ダンパ(7)を介して梁(3,3)
に連結されているため、壁(5)が構造物の剛性メンバ
ーにはなっていない。すなわち、の制震装置は、梁柱
構造物には適用できるが、耐力壁パネルには適用するこ
とはできず、用途が限定される。
【0005】また、上記の免震装置は、その公報の第
1図に示される通り、地盤側基礎Aに積層ゴム支承1を
載せ、積層ゴム支承1に建物基礎Bを載せ、且つこの建
物基礎Bをヒステレテイツクダンパ2で地盤側基礎Aに
繋ぎ、ヒステレテイツクダンパ2の円板部分を塑性変形
させることで、免震を図るというものである。この様な
の免震装置は、基本的に積層ゴム支承1を介して建物
基礎Bを支えているため、地震による水平力を受ける
と、長時間揺れが収らぬことになる。ゴムは剛性が低い
からである。また、ゴムは天然ゴム、合成ゴムを問わず
に時間と共に劣化するため、寿命は短く、地震の影響を
受けるか否かに関係なく、定期的に交換しなければなら
ず、そのための維持費が嵩む。
【0006】そこで、本発明の目的は、梁柱構造と耐力
壁パネル構造の何れにも適用することができ、且つ寿命
の短いゴム系振動吸収材を使用せずに済む制震構造を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、複数の柱及び梁で構成した主要構造物又
は耐力壁からなる主要構造物を、支持ブロックを介して
基礎構造物に設置する建築物であって、前記支持ブロッ
クに、主要構造物の水平移動を可能にしつつ鉛直荷重を
基礎構造物に伝える支持部と、加わる水平力が一定値以
下であれば弾性変形して主要構造物の水平移動を抑え、
加わる水平力が一定値を超えると塑性変形して主要構造
物の水平移動を許容する変形部とを備えたことを特徴と
する。
【0008】地震により、大きな水平力が建築物に作用
したときには、変形部を塑性変形させる。変形部が塑性
変形を開始した時点で主要構造物に作用する水平力(水
平反力)の増加が収る。従って、主要構造物は地震の大
小に関係なく、弾性領域でのみ変形し、塑性変形や破壊
に至る心配はない。なお、この間、主要構造物の鉛直荷
重は支持部で支持させる。
【0009】請求項2は、水平力の作用方向に平行な平
行スリットと、水平力の作用方向に直交する直交スリッ
トとの少なくとも一方を、変形部に備えたことを特徴と
する。スリットを開けることで変形部の剛性を調整する
ことができるとともに、支持ブロックの軽量化を図るこ
とができる。
【0010】請求項3は、変形部を、建築構造用圧延鋼
材よりも低降伏点の低降伏点鋼若しくは超低降伏点鋼で
構成したことを特徴とする。低降伏点鋼若しくは超低降
伏点鋼を採用することで、主要構造物に先立って変形部
を簡単に塑性変形させることができる。
【0011】請求項4は、基礎構造物と支持ブロックと
の間を、すべり支承構造にしたことを特徴とする。基礎
構造物にすべり支承構造にて支持ブロックを支承させ、
この支持ブロックに主要構造物を載せることで、地震の
際に主要構造物を円滑に水平移動させる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。図1は本発明に係る建築物の原
理図であり、この建築物10は、下位の基礎構造物11
に、複数個(この例では2個)の支持ブロック20,2
0を介して上位の主要構造物40を支持させる様にした
ものであり、この構造単位をGaとする。ここで、主要
構造物40は耐力壁パネルである。
【0013】この主要構造物40の上に、上位の主要構
造物40Bを載せる場合には、下位の主要構造物40が
基礎構造物(11)となり、この基礎構造物(11)に
支持ブロック20,20を介して上位の主要構造物40
Bを支える様にする。この構造単位をGbとする。従っ
て、構造単位Gaに構造単位Gbを重ねることにより、
高層建築物を構成することができる。
【0014】図2は本発明に係る支持ブロック(第1実
施例)の分解斜視図であり、支持ブロック20は、基礎
構造物11側にボルト21で取付ける変形部30と、こ
の変形部30の周縁から立上げるコ字形状の支持部23
と、この支持部23の上を塞ぐ上板24とからなる箱で
ある。25は座金、26はナット、27はボルトであ
る。
【0015】図3は本発明に係る支持ブロック(第1実
施例)の取付図であり、基礎構造物11に支持ブロック
20を載せ、座金25及びナット26で基礎構造物11
側のボルト21に固定する。そして、この支持ブロック
20に主要構造物40を載せ、ボルト27で上板24と
結合する。
【0016】図4は図3の4−4線断面図であり、水平
力が白抜き矢印の通りに作用するとすれば、この矢印に
直交する様に開けた大スリット31,31を備え、結果
としてボルト21を取付ける部分が細長いブリッジ部3
2となり、このブリッジ部32にも小スリット33,3
3を開けたところの変形部30を示す。この様に大小の
スリット31,31,33,33は、プレス機で簡単に
打ち抜くことができるので、その製造コストは嵩まな
い。ただし、スリット31,31,33,33をガス切
断機で開けることは差支えない。
【0017】コ字断面の支持部23は鋼板をプレス曲げ
したもの、市販のチャンネル、角パイプ、丸パイプを所
定長さに切断したもの、平行に立てた2枚の板であって
もよく、要は図3に示す通り、底の変形部30に対して
上板24を平行に支える部材であれば、形状、種類は問
わない。
【0018】ところで、変形部30に大小のスリット3
1,31,33,33を開けたのは、剛性を下げる、具
体的にはブリッジ部32を容易に塑性変形させることを
目的としたものである。この結果、後述の図7に示す通
り、ブリッジ部32は塑性変形するが、塑性変形させる
上では、次の表1で示す建築構造用圧延鋼材(JISG
3136)、低降伏点鋼又は極低降伏点鋼で構成する
ことが望ましい。
【0019】
【表1】
【0020】実施例1の建築構造用圧延鋼材は、SN4
00B(JIS G 3136)であり、C(炭素)の含
有量を0.2重量%以下とし、降伏点又は0.2%耐力
が235〜355N/mm2である鋼材である。実施例
2の低降伏点鋼は、C(炭素)の含有量を0.1重量%
以下とした低炭素鋼材であり、降伏点又は0.2%耐力
は205〜245N/mm2である鋼材である。実施例
3の極低降伏点鋼は、C(炭素)の含有量を0.02重
量%以下とした極低炭素鋼材であり、降伏点又は0.2
%耐力は80〜120N/mm2である鋼材である。
【0021】図5は建築構造用圧延鋼材、低降伏点鋼、
極低降伏点鋼の降伏点又は0.2%耐力を示すグラフで
あり、表1の降伏点又は0.2%耐力の数値をグラフに
したものである。実施例1(建築構造用圧延鋼材SN4
00B)に比べて、実施例2(低降伏点鋼)の降伏点は
下り、実施例3(極低降伏点鋼)の降伏点は大幅に小さ
いことがわかる。降伏点を超えると部材は塑性変形する
ため、実施例2は実施例1より小さな剪断応力で塑性変
形し、実施例3は実施例2より小さな剪断応力で塑性変
形することになる。地震エネルギーを塑性変形で吸収さ
せることができるので、エネルギー吸収性能は実施例3
が最高で、以下、実施例2、実施例1と続く。そこで、
変形部30は、低降伏点鋼又は極低降伏点鋼が望まし
く、極低降伏点鋼が最良であると言える。
【0022】図6は本発明に係る建築物の作用図であ
り、地震に伴なって、白抜き矢印の様な水平力が主要構
造物40に作用すると、主要構造物40を支えている左
右の支持ブロック20,20にも水平力が作用する。図
7は図6の7−7線断面図であり、支持ブロック20に
過大な外力が作用し、それの変形部30に一定以上(弾
性限度以上)の外力が作用すると、ブリッジ部32がく
の字に塑性変形する。この結果、コ字状の支持部23は
図右へδだけ移動する。図6に戻って、左右の支持ブロ
ック20,20がδ,δだけ右へ移動する。主要構造物
40はδだけ移動した上に、さらにΔだけ変形する。
【0023】ここで重要なことは、基礎構造物11−変
形部30−支持部23−主要構造物40の順で、4つの
要素が直列に繋がっており、変形部30に発生する水平
反力と同じ大きさの水平力(剪断力)が主要構造物40
に作用するということである。例えば、変形部30がゴ
ムの様に軟らかくて発生する水平反力が小さければ、主
要構造物40に加わる水平力は同様に小さくなり、それ
のたわみΔは小さくなる。このことを次図で説明する。
【0024】図8(a)〜(c)は変形部材並びに主要
構造物に作用する水平力とたわみの関係を示すグラフで
ある。(a)は主要構造物における水平力とたわみの関
係を示し、降伏荷重Pfまでは水平力に比例してたわみ
Δが発生することを示す。(b)は変形部における水平
力とたわみの関係を示し、降伏荷重Pdまでは水平力に
比例してたわみδが発生するが、これを超えると塑性変
形領域となり、たわみは増加するが、応力は横這いにな
るため、グラフが水平になる。
【0025】変形部を低降伏点鋼若しくは極低降伏点鋼
で構成すれば、Pd<Pfの関係を容易に保つことがで
き、このPd<Pfが本発明の前提となる。(b)及び
(a)に書き加えた矢印,,に示すごとく、
(a)では縦軸の(Pd)に対応して、たわみΔ1が発
生するが、水平反力はこれ以上増加しない。そこで、
(a)でのグラフはPd以上を細線で示した。
【0026】(c)は変形部と主要構造物とを組み合わ
せてなる建築物(図1の構造単位Gaに相当)の水平力
とたわみの関係を示し、(a)のグラフと(b)のグラ
フを合成したものに相当する。すなわち、水平力Pdま
ではたわみ(Δ+δ)は比例的に増加するが、Pdで水
平力(正しくは水平反力)が頭打ちとなりたわみのみが
増加する。
【0027】この説明から明らかなごとく、(a)の主
要構造物は弾性変形領域での変形にとどまり、塑性変形
ないしは破損に至らないことになる。すなわち、本発明
の制震装置を採用すれば、仮に大地震に遭遇しても、支
持ブロックの変形部のみが大きく変形するが、支持ブロ
ックの支持部は変形せずに主要構造物を支え、且つ主要
構造物も破損しない。支持ブロックのみを交換するだけ
で復旧が可能となり、大地震による被害を最小限度に留
めることができる。
【0028】ところで、本発明では変形部の剛性を厳密
に管理する必要がある。変形部を孔(スリット)なしの
平板で構成した場合には、平板の剛性は板厚、板幅など
によって決まるが、板幅は主要構造物の壁厚により制限
され、板厚は市販品を採用するならば細かな寸法を指定
することはできない。この点、水平力の作用方向に平行
若しくは直交するスリットを開ければ、剛性を自由に調
節することができ、製造コストもそれほど嵩まない。各
種のスリットを設けた変形部の例を次に説明する。
【0029】図9(a)〜(e)は図4の変更例図であ
る。(a)は、変形部30に比較的幅の広いブリッジ部
32を残すように、左右2個の大スリット31,31を
開け、且つブリッジ部32に合計6個の小スリット33
・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。)を開けたもので
ある。図左から右へ水平力が作用するので、大スリット
31と小スリット33はともに水平力に直交する直交ス
リットである。
【0030】(b)は、小スリット33・・・を菱形開口
にしたものである。(c)は、小スリット33・・・をく
字状の開口にしたものである。(d)は、X字状のブリ
ッジ部32を残すために、4個の三角形スリット34・・
・を開口したものである。
【0031】(e)は、H形状のブリッジ部32を残す
ために、左右の大スリット31,31(水平力に直交す
る直交スリット)及び上下の大スリット35,35(水
平力に平行な平行スリット)を開け、且つブリッジ部3
2にも水平力に直交する小スリット33・・・及び水平力
に平行な小スリット36・・・を開けたことを特徴とす
る。以上に述べた(c)、(d)及び(e)は図面左か
ら右(又は右から左)への外力の他、図面上から下(又
は下から上)への外力を受けたときにも変形し得る。す
なわち、(c)、(d)及び(e)は二方向の地震揺れ
に対応し得る構造であると言える。
【0032】なお、スリット31,33,35,36は
プレス機に取付けたパンチで打ち抜き形成できるため、
加工コストを抑えることができる。ただし、ガス切断機
でスリット31,33,35,36を開けることは差支
えない。
【0033】図10は本発明に係る支持ブロック(第2
実施例)の分解斜視図であり、図2の上板をも変形部に
した変更例を示す。すなわち、この支持ブロック20B
(第1実施例と区別するために必要に応じて英文字を添
える。以下同様。)は、基礎構造物11側にボルト21
で取付ける下部変形部30と、この変形部30の周縁か
ら立上げるコ字形状の支持部23と、この支持部23の
上に取付ける上部変形部30とからなる。25は座金、
26はナット、27はボルトである。
【0034】この例では1個の支持部23に上下2個の
変形部30,30を設けたので、変形量を2倍まで増や
すことができる。なお、下部変形部30を非変形部材
(単なる底板)に変更することもできる。従って、1個
の支持部23の上にのみ変形部30を設ける(図2参
照)、上下に変形部30,30を設ける(図10参
照)、下のみに変形部を設けることの何れであってもよ
い。
【0035】図11は本発明に係る支持ブロック(第3
実施例)の分解斜視図であり、この支持ブロック20C
は、基礎構造物11に載せ、ボルト21、座金25及び
ナット26で固定する底板51と、白抜き矢印の通りに
作用する水平力に平行に配置する変形部52と、この変
形部52に添える4枚の支持部53と、上板54とから
なり、これらを溶接で一体化したブロックである。この
ブロックは、H形鋼にフランジの倒れを防止するスティ
フナを設けたものとほぼ同形となり、スティフナが支持
部53、ウェブが変形部52に相当する。
【0036】図12(a),(b)は支持ブロック(第
3実施例)の作用説明図である。(a)は、支持ブロッ
ク20Cの底板51をボルト21、座金25及びナット
26で基礎構造物11に固定し、支持ブロック20Cの
上板54に主要構造物40を載せ、ボルト27で固定し
た組立姿を示す。(b)において、白抜き矢印の通りに
大きな水平力が作用したとすると、変形部52が塑性変
形し、基礎構造物11に対して主要構造物40がδだけ
右に移動する。これで主要構造物40の損傷を回避する
ことができる。支持部53,53は若干倒れる(図面で
は強調して描いたが、弾性限度内の変形に留る。)が主
要構造物40を支える役割は果たす。
【0037】前記変形部52は、支持部53に先立って
塑性変形させる必要があるので、上述した低降伏点鋼若
しくは極低降伏点鋼で構成することが望ましい。
【0038】図13は本発明に係る支持ブロック(第4
実施例)の分解斜視図であり、共通部分は図11の符号
を流用して詳細な説明は省略するが、この支持ブロック
20Dは、変形部52に縦長スリット55・・・を開けた
ことを特徴とする。変形部52の剛性を厳密に管理する
必要がある。剛性は一般に板厚、高さ、長さなどで決ま
る。そのうちで高さは建築物に与える寸法的影響が大き
いことから自由に変更することはできず、板厚は市販品
を使用する場合には細かく寸法を変更することはできな
い。この様な制約はスリット55を設けることで解消す
ることができ、このスリット55の長径、短径、開口面
積、数を変更することで、剛性を自由に調節することが
できる。従って、スリット55の長径、短径、開口面
積、数は必要に応じて決めればよく、図示はしないが横
長のスリットであっても差支えない。加えて、変形部材
52の軽量化を図ることもできる。
【0039】なお、スリット55・・・はプレス機に取付
けたパンチで打ち抜き形成できるため、加工コストを抑
えることができる。ただし、ガス切断機でスリット55
・・・を開けることは差支えない。
【0040】図14は図3の変更実施例を示す図であ
り、基礎構造物11にレール板57を載せ、このレール
板57に摩擦係数の小さな樹脂シート58を敷き、その
上に変形部30、支持部23及び上板24からなる支持
ブロック20を載せ、この支持ブロック20に主要構造
物40を載せたものであり、地震の際、レール板57上
を支持部23が滑るため、主要構造物40は円滑に横移
動させることができる。
【0041】この移動を促すには、摩擦係数を小さくす
ればよく、樹脂シート58は低摩擦材(例えば四フッ化
エチレン板)で構成する。さらには、レール板57の上
面及び支持部23の下面を平滑に仕上げること並びに錆
びにくいステンレス鋼とすることが望ましい。すなわ
ち、この実施例は、支持部23と基礎構造物(レール板
57)との間を「すべり支承構造」にした例である。
【0042】図15は図1の変更実施例図であり、主要
構造物40が、下梁41、柱42,42、上梁43から
なる梁柱構造物であることを特徴とする。その他の符号
は図1のものを流用する。すなわち、建築物10は、下
位の基礎構造物11に、支持ブロック20,20を介し
て主要構造物40を支える様にした構造物を1つの構造
単位としたものであり、この構造単位をGaとする。
【0043】この主要構造物40の上に、上位の主要構
造物40Bを載せる場合には、下位の主要構造物40が
基礎構造物(11)となり、この基礎構造物(11)に
支持ブロック20,20を介して上位の主要構造物40
を支える様にした構造物を1つの構造単位とし、この構
造単位をGbとする。従って、構造単位Gaに構造単位
Gbを重ねることにより、高層建築物を構成することが
できる。
【0044】以上に述べた通り本発明は、梁柱構造と耐
力壁パネル構造の何れにも適用することができる。そし
て、寿命の短いゴム系振動吸収材を使用せずに、鋼材で
支持部並びに変形部を構成したので、揺れ時間を短縮す
ることができる。
【0045】尚、実施例では主要構造物40を支える支
持ブロック20の数を2個としたが、主要構造物40の
大きさ、長さに応じて決めればよく、個数は自由に決定
して差支えない。
【0046】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1では、地震により、大きな水平力が建築
物に作用したときには、変形部を塑性変形させる。変形
部が塑性変形を開始した時点で主要構造物に作用する水
平力(水平反力)の増加が収る。従って、主要構造物は
地震の大小に関係なく、弾性領域でのみ変形し、塑性変
形や破壊に至る心配はない。なお、この間、主要構造物
の鉛直荷重は支持部で支持させる。従って、請求項1に
よれば寿命の短いゴム系振動吸収材を使用せずに、鋼材
で支持部並びに変形部を構成したので、揺れ時間を短縮
することができるとともに、この制震構造を梁柱構造の
みならず耐力壁パネル構造にも適用できるため、用途が
限定されず、使い勝手が良くなる。
【0047】請求項2は、水平力の作用方向に平行な平
行スリットと、水平力の作用方向に直交する直交スリッ
トとの少なくとも一方を、変形部に備えたことを特徴と
し、スリットを開けることで変形部の剛性を調整するこ
とができるとともに、支持ブロックの軽量化を図ること
ができる。従って、設計が容易で、軽くてコンパクトな
制震構造を提供することができる。
【0048】請求項3は、変形部を、建築構造用圧延鋼
材よりも低降伏点の低降伏点鋼若しくは超低降伏点鋼で
構成したことを特徴とし、低降伏点鋼若しくは超低降伏
点鋼を採用することで、主要構造物に先立って変形部を
簡単に塑性変形させることができるので、主要構造物の
損傷を有効に防ぐことができる。
【0049】請求項4は、基礎構造物にすべり支承構造
にて支持ブロックを支承させ、この支持ブロックに主要
構造物を載せることで、地震の際に主要構造物を円滑に
水平移動させる。従って、主要構造物が損傷する心配は
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築物の原理図
【図2】本発明に係る支持ブロック(第1実施例)の分
解斜視図
【図3】本発明に係る支持ブロック(第1実施例)の取
付図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】建築構造用圧延鋼材、低降伏点鋼、極低降伏点
鋼の降伏点又は0.2%耐力を示すグラフ
【図6】本発明に係る建築物の作用図
【図7】図6の7−7線断面図
【図8】変形部材並びに主要構造物に作用する水平力と
たわみの関係を示すグラフ
【図9】図4の変更例図
【図10】本発明に係る支持ブロック(第2実施例)の
分解斜視図
【図11】本発明に係る支持ブロック(第3実施例)の
分解斜視図
【図12】支持ブロック(第3実施例)の作用説明図
【図13】本発明に係る支持ブロック(第4実施例)の
分解斜視図
【図14】図3の変更実施例を示す図
【図15】図1の変更実施例図
【符号の説明】
10…建築物、11…基礎構造物、20,20B,20
C,20D…支持ブロック、23,53…支持部、3
0,52…変形部、31…直交スリットとしての大スリ
ット、33…直交スリットとしての小スリット、35…
平行スリットとしての大スリット、36…平行スリット
としての小スリット、40…主要構造物、41,43…
梁、42…柱、57…すべり支承を構成するレール板、
58…すべり支承を構成する樹脂シート、Ga,Gb…
構造単位。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 一男 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 鈴木 和夫 大阪府豊中市新千里西町1丁目1番4号 ナショナル住宅産業株式会社内 (72)発明者 一色 太 大阪府豊中市新千里西町1丁目1番4号 ナショナル住宅産業株式会社内 Fターム(参考) 3J048 AC06 BD05 EA38 3J066 BA04 BB04 BC01 BD10 BF01 BG02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の柱及び梁で構成した主要構造物又
    は耐力壁からなる主要構造物を、支持ブロックを介して
    基礎構造物に設置する建築物であって、 前記支持ブロックに、主要構造物の水平移動を可能にし
    つつ鉛直荷重を基礎構造物に伝える支持部と、加わる水
    平力が一定値以下であれば弾性変形して主要構造物の水
    平移動を抑え、加わる水平力が一定値を超えると塑性変
    形して主要構造物の水平移動を許容する変形部とを備え
    たことを特徴とする建築物の制震構造。
  2. 【請求項2】 前記水平力の作用方向に平行な平行スリ
    ットと、水平力の作用方向に直交する直交スリットとの
    少なくとも一方を、前記変形部に備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の建築物の制震構造。
  3. 【請求項3】 前記変形部を、建築構造用圧延鋼材より
    も低降伏点の低降伏点鋼若しくは超低降伏点鋼で構成し
    たことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の建築物
    の制震構造。
  4. 【請求項4】 前記基礎構造物と支持ブロックとの間
    を、すべり支承構造にしたことを特徴とする請求項1記
    載の建築物の制震構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006009557A (ja) * 2004-05-28 2006-01-12 Sankyo Alum Ind Co Ltd 建物の耐震補強装置
JP2010043422A (ja) * 2008-08-11 2010-02-25 Nagoya Electrical Educational Foundation せん断パネル型ダンパーおよび橋梁
JP2012082668A (ja) * 2010-02-16 2012-04-26 Norimine Okura 締結具

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JP2010043422A (ja) * 2008-08-11 2010-02-25 Nagoya Electrical Educational Foundation せん断パネル型ダンパーおよび橋梁
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