JP2017214824A - 弾塑性履歴型ダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の方向からの入力に対してダンパとして機能し得る弾塑性履歴型ダンパを提供する。
【解決手段】プレート14,15の間に平面状を成す二つの剪断部11,11が連結部12を介して一連に設けられ、下部構造物2に固定される。プレート15は、上部構造物1の横桁1bのストッパ16,16の間に位置される。橋軸方向の所定レベル以上の水平力の入力があったとき、上部構造物1のストッパ16,16とプレート15の橋軸直角方向と平行な端面15a,15aとが突き当たり、突き当たったときの衝撃を剪断部11,11が剪断塑性変形することにより減衰させることが出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物や橋梁等において上部構造物と下部構造物との間に設置され、常時や所定レベルまでの地震に対しては上部構造の変位を拘束するストッパとして機能し、所定レベル以上の地震に対しては剪断塑性変形することによりダンパとして機能する弾塑性履歴型ダンパに関する。
下記特許文献1−3には、橋梁の支承構造に用いられる低降伏点鋼を用いた剪断パネル型ダンパが記載されている。この剪断パネル型ダンパは、建築物や橋梁等において上部構造物と下部構造物との間において、下部構造物に固定設置され、常時や所定レベルまでの地震に対しては上部構造の変位を拘束するストッパとして機能し、所定レベル以上の地震に対しては剪断塑性変形することによりダンパとして機能する。具体的に、この剪断パネル型ダンパは、水平変位に対し剪断変形が生じるとき、剪断部の履歴減衰を利用して地震時の振動を低減させる。
特許第3755886号公報 特許第4192225号公報 特開2007−198002号公報
しかしながら、何れの特許文献の剪断パネル型ダンパにおいても、剪断部を一つしか有しておらず、所定レベル以上の地震に対して、一方向からの水平力に対してしかダンパとして機能しない。したがって、例えば、橋軸方向の水平力に対してダンパとして機能するように剪断パネル型ダンパを設置した場合に、橋軸方向以外の方向からの水平力が加わると、剪断パネル型ダンパは、入力のあった水平力を十分に減衰させることが出来ない。地震の際に何れの方向から所定レベル以上の水平力の入力があるのかは、予測困難である。
また、剪断パネル型ダンパの設置に際しては、想定される入力方向に対して高精度にダンパの剪断変形方向を合わせる設置角度設定が必要とされる。
本発明は、所定レベル以上の地震の際に、複数の方向からの入力に対してダンパとして機能し得る弾塑性履歴型ダンパを提供することを目的とする。
本発明に係る弾塑性履歴型ダンパは、二つの剪断部が連結部を介して一連に設けられている。例えば、前記剪断部は、平面状を成す。また、前記連結部は、前記剪断部と一体、別体の何れであっても良い。
連結部により一体化された二つの剪断部の形状は、前記二つの剪断部の間隔を、前記連結部側に比し、前記連結部とは反対側の端部の方を狭くした、所謂馬蹄型であっても良い。また、前記二つの剪断部の間隔は、一定である略U字状又はコ字状であっても良い。更に、前記二つ剪断部の間隔を前記連結部を鋭角又は鈍角として、前記連結部と反対側の端部に向かって漸次広がるようにした、略V字状としても良い。
前記剪断部は、前記連結部と反対側の端部に第一補強部を設けるようにしても良い。この場合、前記第一補強部は、前記剪断部に対して一連に設けられていても良く、更に前記剪断部と一体(例えば曲げ加工)又は別体(例えば溶接接合)であっても良い。
また、前記剪断部及び前記連結部は、基盤上に固設し、下部構造物に固定するようにしても良い。更に、基盤と相対してプレートを設け、前記剪断部の先端部や前記第一補強部が上部構造物側のストッパに直接突き当たるのではなく、前記プレートの端面が上部構造物側のストッパに突き当たるようにしても良い。
更に、前記連結部は、第二補強部によって補強されていても良い。
更に、前記剪断部には、貫通した孔部を一つ又は複数形成することも出来る。一つ又は複数の孔部を設けることによって、低降伏点鋼を用いなくても、通常の鋼材で同様な低降伏点を実現することが出来る。勿論、低降伏点鋼に前記孔部を形成して、降伏点や座屈点を調整するようにしても良い。また、衝撃によって、前記剪断部が剪断弾塑性変形した際に、剪断部にクラック等が発生することを防止出来、更に、前記剪断部の前記基盤との接合部に形成したときには、溶接箇所を少なくすることも出来る。前記孔部は、前記剪断部の外周部や、その内側に、貫通孔やスリットによって形成することが出来る。
また、本発明に係る弾塑性履歴型ダンパは、離間して二つの剪断部が設けられている。
本発明では、二つの剪断部が設けられているので、所定レベル以上の地震の際に、剪断部が直接又は間接に上部構造物のストッパに突き当たり、突き当たったときの衝撃を剪断部が剪断弾塑性変形することにより減衰させることが出来る。また、二つの剪断部を連結部で連結してなるので、より大きな地震時の振動を吸収することが出来る。更に、二つの剪断部の向きを異ならせることで、一方向だけでなく複数の方向からの地震時の振動を吸収することが出来る。
本発明を適用した弾塑性履歴型ダンパが用いられる橋梁を示す図であり、(A)は橋軸方向の模式的な断面図、(B)は橋軸直角方向の斜視図である。 本発明を適用した弾塑性履歴型ダンパの斜視図である。 上記弾塑性履歴型ダンパに中心軸線方向から所定レベル以上の入力があったときの状態を示す図であり、(A)は入力方向を示す平面図であり、(B)は斜視図である。 上記弾塑性履歴型ダンパに中心軸線方向に対して斜めの方向から所定レベル以上の入力があったときの状態を示す図であり、(A)は入力方向を示す平面図であり、(B)は斜視図である。 馬蹄型の弾塑性履歴型ダンパを示す図であり、(A)は、(B)の高さ方向中間部の横断面図であり、(B)は斜視図である。 U字型の弾塑性履歴型ダンパを示す図であり、(A)は、(B)の高さ方向中間部の横断面図であり、(B)は斜視図である。 連結部が鋭角のV字型の弾塑性履歴型ダンパを示す図であり、(A)は、(B)の高さ方向中間部の横断面図であり、(B)は斜視図である。 連結部が鈍角のV字型の弾塑性履歴型ダンパを示す図であり、(A)は、(B)の高さ方向中間部の横断面図であり、(B)は斜視図である。 剪断部の先端部に形成された補強部が円筒状に形成された例を示す図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 剪断部の先端部に形成された補強部が十字状に形成された例を示す図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 (A)−(E)は、剪断部の先端部に形成された補強部の更なる変形例である。 直角の連結部を示す図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 連結部の外側に補強部を設けた図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 連結部の内側に補強部を設けた図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 剪断部の基端部を離間させ連結片で連結した図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 連結部を円筒状にした図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 連結部の外側に二つの補強片を設けた図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 矩形状を成す連結部を示す図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 剪断部の基端部を離間させ連結片で連結した図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 馬蹄型の弾塑性履歴型ダンパの剪断部に補強部を形成した図であり、(A)は横断面図、(B)は斜視図である。 Π型の弾塑性履歴型ダンパの剪断部に補強部を形成した図であり、(A)は横断面図、(B)は斜視図である。 連結部が鋭角のV字型の弾塑性履歴型ダンパの剪断部に補強部を形成した図であり、(A)は、横断面図であり、(B)は斜視図である。 連結部を鈍角とし、更に、剪断部と補強部との成す角も鈍角とした弾塑性履歴型ダンパを示す図であり、(A)は、断面図であり、(B)は斜視図である。 連結部を円筒状とし、剪断部の先端部にも円筒状の補強部を設けた弾塑性履歴型ダンパを示す図であり、(A)は、断面図であり、(B)は斜視図である。 剪断部に貫通した凹字型の孔部を形成した例を示す図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。 剪断部に貫通したスリット状の孔部を形成した例を示す図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。 剪断部のコーナ部に貫通した孔部を形成した例を示す図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。 剪断部の中央部に貫通した孔部を形成した例を示す図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。 剪断部の全体に複数の貫通した孔部を形成した例を示す図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。 連結部を設けずに、二つの剪断部を鋭角のハ字型に配置するとともに、補強部によって剪断部の両端形状をT字状に設けた弾塑性履歴型ダンパを示す図であり、(A)は、横断面図であり、(B)は斜視図である。 連結部を設けずに、二つの剪断部を鈍角のハ字型に配置するとともに、補強部によって剪断部の両端形状をT字状に設けた弾塑性履歴型ダンパを示す横断面図である。 連結部を設けずに、二つの剪断部をT字型に配置するとともに、補強部によって剪断部の両端形状をT字状に設けた弾塑性履歴型ダンパを示す横断面図である。 連結部を設けずに、二つの剪断部を略平行に配置するとともに、補強部によって剪断部の両端形状をT字状に設けた弾塑性履歴型ダンパを示す横断面図である。 連結部を設けずに、二つの剪断部を馬蹄状に配置するとともに、補強部によって剪断部の両端形状をT字状に設けた弾塑性履歴型ダンパを示す横断面図である。 連結部を設けずに、二つの剪断部をU字状に配置するとともに、補強部によって剪断部の両端形状をT字状に設けた弾塑性履歴型ダンパを示す横断面図である。 連結部を設けずに、二つの剪断部を鋭角又は鈍角のハ字型に配置するとともに、補強部によって各剪断部をクランク状に設けた弾塑性履歴型ダンパを示す横断面図である。 連結部を設けずに、二つの剪断部を略平行に配置するとともに、補強部によって各剪断部をクランク状に設けた弾塑性履歴型ダンパを示す横断面図である。 連結部を設けずに、二つの剪断部を鋭角又は鈍角のハ字型に配置するとともに、補強部によって各剪断部をコ字状に設けた弾塑性履歴型ダンパを示す横断面図である。 連結部を設けずに、二つの剪断部を略平行に配置するとともに、補強部によって各剪断部をコ字状に設けた弾塑性履歴型ダンパを示す横断面図である。 一方の剪断部が第一のベースプレートと第一のプレート間に固設され、他方の剪断部が第二のベースプレートと第二のプレート間に固設された弾塑性履歴型ダンパを示す横断面図であり、(A)は、一方の剪断部の長手方向が第一のベースプレートの長手方向と異なるように設けるとともに、他方の剪断部の長手方向が第二のベースプレートや第二のプレートの長手方向と異なるように設けた横断面図であり、(B)は、略一致するように設けた横断面図である。 第一のベースプレートと第二のベースプレートがベースプレートに固設され、第一のプレートと第二のプレートがプレートに固設された弾塑性履歴型ダンパを示す横断面図であり、(A)は、一方の剪断部の長手方向が第一のベースプレートの長手方向と異なるように設けるとともに、他方の剪断部の長手方向が第二のベースプレートや第二のプレートの長手方向と異なるように設けた横断面図であり、(B)は、略一致するように設けた横断面図である。 弾塑性履歴型ダンパの設置例を示す図であり、(A)は、側面図であり、(B)は斜視図である。
以下、本発明に係る弾塑性履歴型ダンパについて図面を参照して説明する。なお、以下、弾塑性履歴型ダンパについて、以下の順に沿って説明する。
1.橋梁の説明
2.弾塑性履歴型ダンパの説明
3.弾塑性履歴型ダンパの変形例1の説明(馬蹄状)
4.弾塑性履歴型ダンパの変形例2の説明(U字状)
5.弾塑性履歴型ダンパの変形例3の説明(鋭角V字状)
6.弾塑性履歴型ダンパの変形例4の説明(鈍角V字状)
7.弾塑性履歴型ダンパの変形例5の説明(剪断部先端の補強部の変形例)
8.弾塑性履歴型ダンパの変形例6の説明(連結部の変形例)
9.弾塑性履歴型ダンパの具体的な構成例の説明
10.剪断部に貫通した孔部及び/又はスリットを設けた変形例の説明
11.弾塑性履歴型ダンパの変形例7の説明(連結部の省略)
12.弾塑性履歴型ダンパの設置例の説明
[1.橋梁の説明]
図1(A)及び(B)に示すように、一般に、橋桁等の上部構造物1は、橋脚や橋台といった下部構造物2上に設置された支承装置3に支承されている。図1に示すように、支承装置3には、一般に、固定支承装置3aと可動支承装置3bとがあり、固定支承装置3aは、一般に、上部構造物1の回転変形に対応して鉛直荷重を支持しつつ、水平・鉛直方向の変位を拘束して制限する。可動支承装置3bは、一般に、上部構造の回転変形と水平変位に対応している。ところで、新設橋梁では、橋脚等の下部構造物2の耐震性能が高められ、また、反力分散構造や免震構造の採用などが図られている。既設橋梁においても、下部構造物2の補強や支承取り替えや落橋防止システムの付加などの耐震補強工事が行われている。
例えば、耐震補強工事では、例えば下部構造物2の水平反力を分散するため、固定支承装置3aを、積層ゴム支承や、支承板支承やローラ支承といった金属支承等の可動支承装置3bに交換する作業が行われる。しかし、固定支承装置3aを可動支承装置3bに交換したときには、上部構造物1の移動量が増大する等の問題が生じ、移動量を制限する必要がある。本発明に係る弾塑性履歴型ダンパ10は、例えば、可動支承装置3bとの組で、建築物や橋梁等において、上部構造物1と下部構造物2との間に設置され、下部構造物2に対する上部構造物1の移動量を制限するようにしている。
例えば、上部構造物1となる桁は、一対の主桁1a,1aと横桁1bとを有している。そして、既設橋梁において、固定支承装置3aの下部工耐力が不足している際には、主桁1a,1aの下部フランジ4と下部構造物2である橋脚との間に、それまで上部構造物1の鉛直荷重を支持するために設置されていた固定支承装置3aに替えて可動支承装置3bが設置される。この際、下部構造物2には、可動支承装置3bと組で弾塑性履歴型ダンパ10が設置される。主として橋軸方向の所定レベル以上の水平力に対して弾塑性履歴型ダンパ10を設置するときには、弾塑性履歴型ダンパ10を上部構造物1の横桁1bに設けられるストッパ16,16で囲むように下部構造物2に設置される。これにより、弾塑性履歴型ダンパ10は、大きな減衰性能により所定レベル以上の水平力を低減する他、高い剛性によりゴム支承や免震支承のみの弾性支持に比べ水平変位を小さく抑えることが出来る。これにより、弾塑性履歴型ダンパ10は、下部構造物2を縮小出来、また、下部工耐震補強の縮小が可能となる。また、水平変位が小さくなることで桁遊間を小さくすることが可能となり、伸縮装置などの形状も小型化出来る。
なお、詳細は後述するが、弾塑性履歴型ダンパ10は、必ずしも、可動支承装置3bとの組で用いる必要があるものではない。また、図1のような桁形式の橋梁だけでなく、アーチ橋、トラス橋などの特殊な構造を有する橋梁の端支点、ブレース材の端部や中間部等にも適用することが出来る。
[2.弾塑性履歴型ダンパの説明]
図2に示すように、本発明が適用された弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11を連結部12で連結して全体が一連となるように形成されている。このような弾塑性履歴型ダンパ10には、剪断部11,11に、一般構造用鋼材に比べ延性に富み、降伏点に対して上下限の規格値を有するため性能安定性に優れた構造用鋼材である低降伏点鋼を用いることが出来る。また、弾塑性履歴型ダンパ10には、地震エネルギを塑性歪エネルギによって吸収させるものであるため、地震時には確実に塑性化し、履歴挙動のバラツキが小さく、降伏点の許容範囲が狭い低降伏点鋼が好適である。
低降伏点鋼で形成される剪断部11,11は、例えば矩形板状を成し、平面状を成している。そして、一端部は、平面板状の連結部12に溶接接合等で固定されている。なお、連結部12も、低降伏点鋼が用いることが可能である。また、剪断部11,11と連結部12とは、一連の低降伏点鋼板を曲げ加工で形成するようにしても良い。剪断部11,11の他端部は、剪断部11,11の端部を外側に広げるようにコーナ部を介して補強部13,13が曲げ加工によって形成されている。勿論、補強部13,13は、剪断部11,11に対して溶接接合でも良い。補強部13,13は、ここでは外側にほぼ90度折曲されているが、剪断部11,11に対して外側に広がっていれば、剪断部11,11と成す角が鋭角であっても鈍角であっても良い。このように、平面板状の連結部12と一体化された二つの剪断部11,11は、連結部12の側から補強部13,13側に向かって漸次広がり、略V字状を成し、ここでは、剪断部11,11の延長線の交点が鋭角となるように形成されている。なお、剪断部11及び連結部12に、低降伏点鋼を用いることに限定されるものではなく、一般構造用鋼材等を用いるようにしても良い。
一体化された剪断部11,11と連結部12は、下部構造物2との取付部の基盤となるベースプレート14に溶接接合等で固設される。このベースプレート14は、一体化された剪断部11,11と連結部12より大きな鋼板であり、矩形状を成す。そして、略V字状を成す一体化された剪断部11,11と連結部12は、ベースプレート14の幅方向中心線と剪断部11,11間の中心線とがほぼ一致する位置に固定される。また、このベースプレート14は、下部構造物2に対してアンカーボルト等で固定される。
更に、一体化された剪断部11,11と連結部12を挟んでベースプレート14の反対側にも、プレート15が設けられ、プレート15には、一体化された剪断部11,11と連結部12が溶接接合等で固定される。このプレート15は、上部構造物1側に位置するものであり、ベースプレート14と同様なものであっても、異なるものであっても良い。ここでは、ベースプレート14と同じものが用いられる。そして、プレート15には、一体化された剪断部11,11と連結部12が剪断部11,11間の中心線とプレート15の幅方向中心線とがほぼ一致する位置に固定される。このプレート15の短辺側端面、すなわち橋軸直角方向と平行な端面15a,15aは、上部構造物1のストッパと突き当たる部分となる。
一方、上部構造物1側は、図1(B)及び図2に示すように、上部構造物1の横桁1bにストッパ16,16が設けられている。ストッパ16,16は、橋軸方向に離間して設けられ、これらストッパ16,16の間に、下部構造物2に固定された弾塑性履歴型ダンパ10が配設される。弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11間の中心線を橋軸方向にして、下部構造物2にアンカーボルト等で固定される。かくして、弾塑性履歴型ダンパ10は、主として橋軸方向の所定レベル以上の水平力の入力があったとき、上部構造物1のストッパ16,16とプレート15の橋軸直角方向と平行な端面15a,15aとが突き当たり、突き当たったときの衝撃を剪断部11,11や連結部12が剪断塑性変形することにより減衰させる。
具体的に、図3(A)に示すように、弾塑性履歴型ダンパ10は、橋軸方向の入力があったとき、図3(B)に示すように、連結部12のベースプレート14側の角近傍の剪断部11,11及び連結部12が塑性変形して振動を減衰させる。なお、連結部12のベースプレート14側の角近傍の剪断部11,11及び連結部12の変形の程度は、橋軸方向の入力の場合、入力の大きさによって異なることになる。
また、図4(A)に示すように、橋軸に対して斜めの方向から所定レベル以上の入力があったときには、図4(B)に示すように、入力のあった方向と近い剪断部11が大きく塑性変形し振動を減衰させる。なお、図4の例では、橋軸に対して10°傾いた方向から入力があった状態を示している。連結部12のベースプレート14側の角近傍の剪断部11,11及び連結部12の変形の程度は、入力の角度や入力の大きさによって異なることになる。
以上のような弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11を有しているので、剪断部が一つの場合に比べ、より大きな振動を吸収することが出来る。また、剪断部11,11がV字状に開くように形成されているので、例えば、剪断部11,11間の中心線が橋軸方向となるように設置されたときにも、橋軸方向からの入力だけでなく、橋軸に対して斜めの方向からの振動も減衰させることが出来る。
更に、弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11を有し、剪断部11,11間の中心線(橋軸方向)に対して斜めの方向からの振動も減衰させることが出来、剪断部が一つの場合に比べ、入力の許容範囲及び許容角度が広く、入力に対して尤度があるので、弾塑性履歴型ダンパ10を橋梁に取り付ける際に、例えば、剪断部11,11間の中心線が橋軸方向に対してずれ及び/又は傾いていても、振動を減衰させることが出来る。したがって、弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部が一つの場合に比べ、据付誤差を吸収することが出来、施工性が良い。よって、弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部が一つの場合に比べ、例えば、既設橋梁に後付けする場合や、斜角のついた桁や曲線桁や支点部に斜角の付いた桁等に用いる場合に有効である。
更に、弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11を有しているので、剪断部が一つの場合に比べ、剪断部11の高さを低くすることが出来る。更に、剪断部11の高さを低くすることが出来るので、基部に生じる曲げモーメントを少なくすることが出来、ベースプレート14、プレート15及びアンカーボルト等に対する負荷を低減することが出来る。したがって、弾塑性履歴型ダンパ10は、ベースプレート14及びプレート15の厚さを薄くすることが出来、アンカーボルトの径を小さくすることが出来る。更に、弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11の高さを低くすることが出来、ベースプレート14及びプレート15の厚さを薄くすることが出来るので、剪断部が一つの場合に比べ、全高を低くすることが出来る。これにより、弾塑性履歴型ダンパ10は、上部構造物1や下部構造物2等の狭い隙間にも配置することが出来、狭隘部での作業性が良く、施工性が良い。更に、下部構造物2に例えばブラケット等を配置する場合も、下部構造物2の付近に設けることが出来る。
なお、以上の例では、主として橋軸方向の振動を減衰させる弾塑性履歴型ダンパ10の設置例を説明したが、弾塑性履歴型ダンパ10は、橋軸直角方向の振動を減衰させるためにも使用することが出来る。この場合、弾塑性履歴型ダンパ10は、橋軸直角方向に上部構造物1に離間して設けられたストッパ16,16間に、剪断部11,11間の中心線が橋軸直角方向となるように設置される。これにより、弾塑性履歴型ダンパ10は、橋軸直角方向の振動を減衰させることが出来る他に、橋軸直角方向に対して斜めの方向の振動も減衰させることが出来る。更に、弾塑性履歴型ダンパ10の設置に際しては、想定される入力方向に対して高精度に弾塑性履歴型ダンパ10の剪断変形方向を合わせる設置角度に自由度を持たせることが出来る。
更に、弾塑性履歴型ダンパ10としては、ベースプレート14やプレート15を省略しても良い。ベースプレート14を省略したときには、下部構造物2に一体化された剪断部11,11と連結部12を固定するようにすれば良い。また、プレート15を省略したときには、剪断部11,11の先端部や補強部13,13が直接ストッパ16,16に突き当たるようにすれば良い。このようにすることで、弾塑性履歴型ダンパ10の部品点数の削減を図ることが出来る。勿論、ベースプレート14やプレート15を用いた方が、性能の安定性が向上する点で好ましい。
[3.弾塑性履歴型ダンパの変形例1の説明(馬蹄状)]
図2−図4に示す例では、剪断部11,11と連結部12とがV字状を成す場合を説明したが、図5に示すように、弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11と連結部12とが馬蹄状を成していても同様な効果を得ることが出来る。すなわち、図5の例では、剪断部11,11の間隔が連結部12側に比し、連結部12とは反対側の端部の間隔の方が短くなるように形成されている。この場合、二つの剪断部11,11は、平面板状であっても良いし、曲面板状を成していても良い。また、この例では、一枚の低降伏点鋼板を曲げ加工して、馬蹄状に形成するようにしても良い。曲げ加工の場合には、剪断部11,11と連結部12とを溶接する必要がなくなり、生産効率の向上を図ることが出来る。また、連結部12は、ここでは、湾曲しているが、図2−図4のように平板状であっても良い。
[4.弾塑性履歴型ダンパの変形例2の説明(U字状)]
図6(A)及び(B)に示すように、弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11と連結部12とがU字状を成していても同様な効果を得ることが出来る。すなわち、図6(A)及び(B)の例では、二つの剪断部11,11の間隔が一定となっており、連結部12が湾曲して形成されている。特に、U字状の場合には、剪断部11,11が二つ設けられているので、より大きな振動吸収することができる。また、橋軸方向に対して斜めの入力に対しても、剪断部11,11と連結部12とで減衰させることが出来る。勿論、連結部12は平板状であっても良い。このような図6(A)及び(B)の例にあっても、U字状の剪断部11,11と連結部12は、曲げ加工によって形成することが出来る。
[5.弾塑性履歴型ダンパの変形例3の説明(鋭角V字状)]
図7(A)及び(B)に示すように、弾塑性履歴型ダンパ10は、全体を略V字状に形成し、剪断部11,11を連結する連結部12を鋭角としても同様な効果を得ることが出来る。すなわち、剪断部11,11は、連結部12から先端部に向かって漸次広がるように形成される。このような図7の例にあっても、剪断部11,11と連結部12は、曲げ加工によって形成することが出来る。特に、剪断部11,11を略V字状としたときには、橋軸に対して斜めの方向からの入力を効果的に減衰させることが出来る。なお、この例では、連結部12が鋭角を成していれば、剪断部11,11は、平面でなく曲面であっても良い。
[6.弾塑性履歴型ダンパの変形例4の説明(鈍角V字状)]
図8(A)及び(B)に示すように、弾塑性履歴型ダンパ10は、全体を略V字状に形成し、剪断部11,11を連結する連結部12を鈍角としても同様な効果を得ることが出来る。すなわち、剪断部11,11は、連結部12から先端部に向かって漸次広がるように形成される。このような図8(A)及び(B)の例にあっても、剪断部11,11と連結部12は、曲げ加工によって形成することが出来る。特に、剪断部11,11を略V字状としたときには、橋軸に対して斜めの方向からの入力を効果的に減衰させることが出来る。そして、連結部12の角度の設定によって、効果的に減衰出来る入力の方向を設定することが出来る。なお、この例では、連結部12が鈍角を成していれば、剪断部11,11は、平面でなく曲面であっても良い。
[7.弾塑性履歴型ダンパの変形例5の説明(剪断部先端の補強部の変形例)]
ところで、図2−図4に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11の先端部の補強部13,13が略90度外側に開いた場合を説明したが、この補強部13,13は、図9(A)及び(B)に示すように、円筒状であっても良い。また、図10(A)及び(B)に示すように、補強部13,13は、剪断部11,11の先端部とほぼ直角に交差する補強片13aで形成し、十字状としても良い。この場合、補強片17,17は、剪断部11,11の先端部の相対する面のそれぞれに溶接接合される。勿論、前述の交差部は、必ずしも直角である必要はなく、剪断部が剪断変形する際に、剪断部の先端部が面外変形を来したり、座屈することを防止することが出来るように構成されていれば特に限定されるものではない。
更に、図11(A)に示すように、補強部13,13は、剪断部11,11の先端部に、剪断部11,11の厚さ方向の両側に張り出すように、補強部13,13を構成する平板状の補強板を溶接接合し、先端形状がT字状を成すようにしても良い。また、図11(B)に示すように、補強部13,13は、平板状の補強板を外側にのみ張り出すように溶接接合し、先端形状がL字状を成すようにしても良い。なお、図11(B)の補強部13,13は、剪断部11,11の先端部を折り曲げて形成するようにしても良い。更に、図11(C)に示すように、剪断部11,11の先端部よりやや基端側に、補強部13,13を構成する補強板を外側に張り出すように溶接接合するようにしても良い。更に、図11(D)に示すように、補強部13,13は、外側に張り出すように形成される際、剪断部11,11と成す角が、図11(A)−(D)の直角の場合と異なり、鋭角となるようにしても良い。勿論、この例の変形例として、補強部13,13と剪断部11,11とが成す角を鈍角とすることもできる。更に、図11(E)に示すように、補強部13,13と剪断部11,11とが成す角を円弧面で構成するようにしても良い。
[8.弾塑性履歴型ダンパの変形例6の説明(連結部の変形例)]
図2−図4に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11を連結する連結部12が平板状に形成されているが、図12(A)及び(B)に示すように、連結部12を略直角に形成するようにしても良い。すなわち、連結部12は、平板状に形成しても良いし、曲面で形成しても良いし、更に、図7(A)及び(B)に示すように、鋭角を成すように形成しても良いし、図8(A)及び(B)に示すように、鈍角を成すように形成しても良い。
更に、剪断部11,11を連結する連結部12にも、補強部17を形成するようにしても良い。図13(A)及び(B)に示す例では、連結部12の外側に補強部17となる補強片17aを形成している。この場合、補強片17aは、剪断部11,11間の中心線の延長線上となるように形成すると良い。この補強片17aは、例えば、剪断部11,11で構成される連結部12に対して溶接接合等で固定される。この例において、剪断部11,11を連結する連結部12は、鋭角、直角、鈍角の何れであっても良い。また、図14(A)及び(B)に示すように、補強部17は、連結部12の内側に、二つの剪断部11,11の基端部に架け渡すように形成しても良い。すなわち、補強片17bは、二つの剪断部11,11の連結部12側に補強片17bを架け渡すように溶接接合される。
更に、図15(A)及び(B)に示すように、連結部12は、剪断部11,11の互いの基端部を離間させて、連結片12aで連結するようにしても良い。この場合、連結片12aは、各端部が各剪断部11,11の内側の面に溶接接合される。更に、連結部12は、図16(A)及び(B)に示すように、円筒体12bで構成し、円筒体12bの外周面に、剪断部11,11の基端部を溶接接合するようにしても良い。更に、連結部12は、図17(A)及び(B)に示すように、一方の剪断部11の基端部と他方の剪断部11の基端部とが交差するように十字状に形成するようにしても良い。この場合、例えば、一方の剪断部11aの基端部に、他方の剪断部11bの基端部を溶接接合する。この際、一方の剪断部11aの端面よりやや内側に他方の剪断部11bの基端部を溶接接合し、ここを連結部12とする。そして、一方の剪断部11aの先端に形成され補強片12cと同じ長さの補強片12dを、一方の剪断部11aに溶接接合して他方の剪断部11の延長線上に形成する。更に、図18(A)及び(B)に示すように、連結部12は、連結部12を平板状に形成し、また、互いの剪断部11,11が平行になるようにして、連結部12が矩形状を成すようにしても良い。すなわち、この場合、一体化された剪断部11,11と連結部12は、矩形状を成すことになる。更に、図19(A)及び(B)に示すように、剪断部11,11は、基端部を平板状の連結部12に離間させて、外側に開くように溶接接合しても良い。この場合、連結部12に形成された剪断部11,11の基端部より外側が補強部17,17として機能する。
[9.弾塑性履歴型ダンパの具体的な構成例の説明]
図20(A)及び(B)の例は、図5に示した馬蹄型の弾塑性履歴型ダンパ10の剪断部11,11の先端部に、先端よりやや基端側に、外側に張り出すように平板状の補強板を形成し、補強部13,13としても良い(図11(B)参照)。図21(A)及び(B)の例は、平板状の連結部12に、剪断部11,11を略平行に形成し、剪断部11,11の基端部から先端部に亘って間隔を一定にしても良い。この際、剪断部11,11の先端部には、外側に張り出す補強部13,13を溶接接合によって形成しても良い。勿論、補強部13,13は、溶接ではなく、剪断部11,11の先端部を折り曲げて形成しても良い。また、連結部12は、剪断部11,11の基端部より外側にはみ出した部分が補強部17,17となる。なお、補強部13,13と剪断部11,11とが成す角は、直角だけでなく、鋭角でも鈍角でも良い。図22(A)及び(B)の例は、全体を略V字状に形成し、剪断部11,11を連結する連結部12を鋭角とし、剪断部11,11の先端部に、外側に張り出すように補強部13,13を形成している。ここでの補強部13,13は、溶接接合でも良いが、曲げ加工によって形成されている。
図23(A)及び(B)の例は、剪断部11,11が連結される連結部12を曲面で形成し、剪断部11,11が成す連結部12の角を鈍角にしている。更に、剪断部11,11の先端部の補強部13,13は、外側に、剪断部11,11に対して一連の弧状の曲面を成すように形成されている。更に、図24(A)及び(B)の例に示すように、本発明の弾塑性履歴型ダンパは、連結部12を円筒状に形成し(図16参照)、剪断部11,11が成す角が鈍角となるようにし、更に、剪断部11,11の先端部に円筒状の補強部13,13を形成するようにしても良い(図9参照)。
[10.剪断部に貫通した孔及び/又はスリットを設けた変形例の説明]
ここでは、剪断部11,11に貫通した孔部を設けた変形例を、図2−図4で示した弾塑性履歴型ダンパ10を例に説明する。一つ又は複数の孔部を設けたときには、低降伏点鋼を用いなくても、通常の鋼材で同様な低降伏点を実現することが出来る。勿論、低降伏点鋼に前記孔部を形成して、降伏点や座屈点を調整するようにしても良い。
図25(A)及び(B)の例では、二つの剪断部11,11に、剪断部11,11とベースプレート14との接合部及び/又は剪断部11とプレート15との接合部となる側縁部を切り欠いた孔部21が断続して複数形成されている。剪断部11,11は、ベースプレート14との接合部及び/又はプレート15との接合部に形成されることで、ベースプレート14との接合部及び/又はプレート15との溶接部分を減らすことが出来る。また、剪断部11,11は、複数の孔部21が形成されることによって、例えば剪断部11,11に低降伏点鋼を用いなくても、通常の鋼材で低降伏点鋼のような剪断変形をさせることが出来る。なお、孔部21の形状は、凹字型、半円型等どの様な形状であっても良い。また、孔部21の数や大きさは、用途に応じて適宜決定すればよい。また、孔部21は、剪断部11,11の連結部12及び/又は補強部13との境界の部分に形成するようにしても良い。
図26(A)及び(B)は、図25の変形例であり、剪断部11,11とベースプレート14との接合部及び/又は剪断部11とプレート15との接合部となる側縁部に、スリット状の孔部22を形成するようにしている。また、剪断部11,11は、連結部12及び補強部13との境界の部分にもスリット状の孔部22を形成することも出来る。このような図26の例によっても、ベースプレート14との接合部及び/又はプレート15との溶接部分を減らすことが出来、また、剪断部11,11に低降伏点鋼を用いなくても、通常の鋼材で低降伏点鋼のような剪断変形をさせることが出来る。なお、孔部22を設ける位置は、これら四カ所の内少なくとも一カ所に設けるようにすれば、特に限定されるものではない。例えば、スリット状の孔部22は、縦二本でも良いし、横二本でも良い。また、各スリット状の孔部22は、長手方向の両側が円弧状を成していても良い。
図27(A)及び(B)も、図25及び図26の変形例であり、剪断部11,11とベースプレート14との接合部及び/又は剪断部11とプレート15との接合部の一部となるコーナ部に、スリット状の孔部23を形成するようにしている。このような図27の例によっても、ベースプレート14との接合部及び/又はプレート15との溶接部分を減らすことが出来、また、剪断部11,11に低降伏点鋼を用いなくても、通常の鋼材で低降伏点鋼のような剪断変形をさせることが出来る。なお、孔部23を設ける位置は、これら四カ所のうち少なくとも一カ所に設けるようにすれば、特に限定されるものではない。例えば、上二個でも良いし、下二個であっても良いし、前面側二個でも良いし、背面側二個でも良い。また、孔部23の形状は、扇状に限定されるものではなく、例えば矩形状であっても良い。
図28(A)及び(B)は、剪断部11,11の略中央部に、貫通した孔部24を形成することも出来る。このような図28の例によっても、剪断部11,11に低降伏点鋼を用いなくても、通常の鋼材で低降伏点鋼のような剪断変形をさせることが出来る。なお、孔部24の形状としては、円形の他、三角形、四角形、五角形等の多角形であっても良いし、十字状、×字状のスリットであっても良い。
図29(A)及び(B)は、剪断部11,11の全体に、貫通した孔部25を形成する。このような図29の例によっても、剪断部11,11に低降伏点鋼を用いなくても、通常の鋼材で低降伏点鋼のような剪断変形をさせることが出来る。特に、剪断部11,11の全体に複数の孔部25を形成したときには、剪断変形に伴う座屈屈曲によるクロスクラックの発生を防止することが出来る。なお、孔部25のそれぞれの形状としては、円形の他、三角形、四角形、五角形等の多角形であっても良いし、十字状、X字状等のスリットであっても良いし、これらの組み合わせであっても良い。
更に、図25や図26に示すように、剪断部11とベースプレート14との接合部及び/又は剪断部11とプレート15との接合部となる側縁部に、孔部21,22を設けた上で、更に、図28のような孔部24を中央部に設けても良いし、図29に示すように、剪断部11,11の全体に亘って複数の孔部25を設けるようにしても良い。
[11.弾塑性履歴型ダンパの変形例7の説明(連結部の省略)]
図2−図29に示した弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11を連結部12で連結して全体が一連となるように形成されているが、図30〜図39に示すように、連結部12を省略して、剪断部11,11の基端部を離間させるようにしても良い。
具体的に、図30に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11が二つ設けられており、二つの剪断部11,11の間隔が基端部側から先端部側に向かって鋭角状に漸次広がるように形成されている。すなわち、図30に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11が向きを異ならせて設けられている。更に、図30に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11の先端部及び基端部に、剪断部11,11の厚さ方向の両側に張り出すように、補強部13,13を構成する平板状の補強板が溶接接合されて、剪断部11,11の両端形状がT字状を成すように形成されている。更に、図30に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11が相対するベースプレート14とプレート15間に固設されている。
以上のような図30に示す弾塑性履歴型ダンパ10であっても、剪断部11,11が二つ設けられているので、より大きな振動を吸収することができる。また、図30に示す弾塑性履歴型ダンパ10では、二つの剪断部11,11が向きを異ならせて設けられているので、橋軸方向に対して斜めの入力に対しても、剪断部11,11で減衰させることが出来る。
なお、図31に示すように、弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11の間隔が基端部側から先端部側に向かって鈍角状に漸次広がるように形成しても良い。更に、図32に示すように、弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11が略直交してT字状を成すように形成しても良い。
更に、図33に示すように、弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11が向きを異ならせて設けられることに限定されるものではなく、二つの剪断部11,11の基端部から先端部に亘って平行で間隔が一定となるように形成しても良い。
また、図34に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11が二つ設けられており、二つの剪断部11,11の間隔が基端部側に比して先端部側の方が狭くなるとともに、先端部側が内側に湾曲して、剪断部11,11が馬蹄状を成すように形成されている。すなわち、図34に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11が向きを異ならせて設けられている。更に、図34に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11の先端部及び基端部に、剪断部11,11の厚さ方向の両側に張り出すように、補強部13,13を構成する平板状の補強板が溶接接合されて、剪断部11,11の両端形状がT字状を成すように形成されている。更に、図34に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11が相対するベースプレート14とプレート15間に固設されている。
以上のような図34に示す弾塑性履歴型ダンパ10であっても、剪断部11,11が二つ設けられているので、より大きな振動を吸収することができる。また、図34に示す弾塑性履歴型ダンパ10では、二つの剪断部11,11が向きを異ならせて設けられているので、橋軸方向に対して斜めの入力に対しても、剪断部11,11で減衰させることが出来る。
なお、図35に示すように、弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11の基端部側の平行で間隔が一定となっているとともに、先端部側が内側に湾曲して、剪断部11,11がU字状を成すように形成しても良い。
また、図36に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11が二つ設けられており、二つの剪断部11,11の間隔が基端部側から先端部側に向かって鋭角状又は鈍角状に漸次広がるように形成されている。すなわち、図36に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11が向きを異ならせて設けられている。更に、図36に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11の先端部に、外側にのみ張り出すように、補強部13b,13bを構成する平板状の補強板が溶接接合されて、剪断部11,11の先端形状がL字状を成すように形成されている。更に、図36に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11の基端部に、内側にのみ張り出すように、補強部13c,13cを構成する平板状の補強板が溶接接合されて、剪断部11,11の基端形状がL字状を成すように形成されている。更に、図36に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11が相対するベースプレート14とプレート15間に固設されている。
以上のような図36に示す弾塑性履歴型ダンパ10であっても、剪断部11,11が二つ設けられているので、より大きな振動を吸収することができる。また、図36に示す弾塑性履歴型ダンパ10では、二つの剪断部11,11が向きを異ならせて設けられているので、橋軸方向に対して斜めの入力に対しても、剪断部11,11で減衰させることが出来る。
なお、弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11が向きを異ならせて設けられることに限定されるものではなく、図37に示すように、二つの剪断部11,11の基端部から先端部に亘って平行で間隔が一定となるように形成しても良い。
また、図38に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11が二つ設けられており、二つの剪断部11,11の間隔が基端部側から先端部側に向かって鋭角状又は鈍角状に漸次広がるように形成されている。すなわち、図38に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11が向きを異ならせて設けられている。更に、図38に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11の先端部及び基端部に、外側にのみ張り出すように、補強部13,13を構成する平板状の補強板が溶接接合されて、剪断部11,11がコ字状を成すように形成されている。更に、図38に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11が相対するベースプレート14とプレート15間に固設されている。
以上のような図38に示す弾塑性履歴型ダンパ10であっても、剪断部11,11が二つ設けられているので、より大きな振動を吸収することができる。また、図38に示す弾塑性履歴型ダンパ10では、二つの剪断部11,11が向きを異ならせて設けられているので、橋軸方向に対して斜めの入力に対しても、剪断部11,11で減衰させることが出来る。
なお、弾塑性履歴型ダンパ10は、二つの剪断部11,11が向きを異ならせて設けられることに限定されるものではなく、図39に示すように、二つの剪断部11,11の基端部から先端部に亘って平行で間隔が一定となるように形成しても良い。
なお、図30〜図39に示した弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11が同一のベースプレート14とプレート15間に固設されることに限定されるものではなく、例えば、図40(A)及び図40(B)に示すように、一方の剪断部11が相対する第一のベースプレート14bと第一のプレート15b間に固設され、他方の剪断部11が相対する第二のベースプレート14cと第二のプレート15c間に固設されるようにしても良い。
この際、図40(A)に示すように、一方の剪断部11の長手方向が第一のベースプレート14bや第一のプレート15bの長手方向と異なるように設けるとともに、他方の剪断部11の長手方向が第二のベースプレート14cや第二のプレート15cの長手方向と異なるように設けるようにしても良く、図40(B)に示すように、略一致するように設けるようにしても良い。
更に、図41(A)及び図41(B)に示すように、図40(A)及び図40(B)に示した弾塑性履歴型ダンパ10は、更に、第一のベースプレート14bと第二のベースプレート14cがベースプレート14に固設され、第一のプレート15bと第二のプレート15cがプレート15に固設されるようにしても良い。
更に、図30〜図41に示す弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11の先端部及び基端部がT字状やL字状を成すように形成されることに限定されるものではなく、例えば、図9(A)及び図9(B)、図10(A)及び図10(B)、図11(A)〜図11(E)に示すように、他の形状及び形成方法で形成するようにしても良い。
[12.弾塑性履歴型ダンパの設置例の説明]
弾塑性履歴型ダンパ10は、図1及び図2に示した桁橋の他に、ビル鉄骨、橋梁、鉄道橋等にも用いることが出来る。例えば、図42(A)及び(B)に示すように、構造物のフレーム横梁や橋梁の横支材等51と、ブレース材53の一端が取り付けられ、鉄骨構造の節点に集まる部材相互の接合に用いるガセットプレート52との間(ダンパー配置箇所)に弾塑性履歴型ダンパ10を取り付けることが出来る。この場合、弾塑性履歴型ダンパ10は、剪断部11,11の間の方向からの水平力を、剪断部11,11が剪断塑性変形することにより減衰させることが出来る。
1 上部構造物、1a 主桁、1b 横桁、2 下部構造物、3 支承装置、3a 固定支承装置、3b 可動支承装置、4 下部フランジ4、10 弾塑性履歴型ダンパ、11(11a,11b) 剪断部、12 連結部、12a 連結片、12b 円筒体、12c 補強片、12d 補強片、13 補強部、13a 補強片、13b 補強部、13c 補強部、14 ベースプレート、15 プレート、15a 端面、16 ストッパ、17 補強部、17a 補強片、17b 補強片、21−25 孔部、51 構造物のフレーム横梁や橋梁の横支材等、52 ガセットプレート、53 ブレース材
本発明は、建物及び/又は建造物に適用可能な弾塑性履歴型ダンパであって、相対するプレート間に向きを異ならせて離間して立設され、外部からの一定以上の入力時に弾塑性的に変形してエネルギー吸収する二つの剪断部を備えることを特徴とする。例えば、前記剪断部は、平面状を成す。
前記二つの剪断部の間隔は、基端部側に比し、前記基端部側とは反対側の端部の方が狭いものとすることがきる。また、前記二つの剪断部の間隔は、基端部側から反対側の端部に向かって鋭角状に漸次広がるようにしても良い。さらに、前記二つの剪断部の間隔は、基端部側から反対側の端部に向かって鈍角状に漸次広がるようにしても良い。
前記剪断部は、前記基端部側と反対側の端部に補強部を設けるようにしても良い。この場合、前記補強部は、前記剪断部に対して一連に設けられていても良く、更に前記剪断部と一体(例えば曲げ加工)又は別体(例えば溶接接合)であっても良い。
更に、図11(A)に示すように、補強部13,13は、剪断部11,11の先端部に、剪断部11,11の厚さ方向の両側に張り出すように、補強部13,13を構成する平板状の補強板を溶接接合し、先端形状がT字状を成すようにしても良い。また、図11(B)に示すように、補強部13,13は、平板状の補強板を外側にのみ張り出すように溶接接合し、先端形状がL字状を成すようにしても良い。なお、図11(B)の補強部13,13は、剪断部11,11の先端部を折り曲げて形成するようにしても良い。更に、図11(C)に示すように、剪断部11,11の先端部よりやや基端側に、補強部13,13を構成する補強板を外側に張り出すように溶接接合するようにしても良い。更に、図11(D)に示すように、補強部13,13は、外側に張り出すように形成される際、剪断部11,11と成す角が、図11(A)−()の直角の場合と異なり、鋭角となるようにしても良い。勿論、この例の変形例として、補強部13,13と剪断部11,11とが成す角を鈍角とすることもできる。更に、図11(E)に示すように、補強部13,13と剪断部11,11とが成す角を円弧面で構成するようにしても良い。
[9.弾塑性履歴型ダンパの具体的な構成例の説明]
図20(A)及び(B)の例は、図5に示した馬蹄型の弾塑性履歴型ダンパ10の剪断部11,11の先端部に、先端よりやや基端側に、外側に張り出すように平板状の補強板を形成し、補強部13,13としても良い(図11()参照)。図21(A)及び(B)の例は、平板状の連結部12に、剪断部11,11を略平行に形成し、剪断部11,11の基端部から先端部に亘って間隔を一定にしても良い。この際、剪断部11,11の先端部には、外側に張り出す補強部13,13を溶接接合によって形成しても良い。勿論、補強部13,13は、溶接ではなく、剪断部11,11の先端部を折り曲げて形成しても良い。また、連結部12は、剪断部11,11の基端部より外側にはみ出した部分が補強部17,17となる。なお、補強部13,13と剪断部11,11とが成す角は、直角だけでなく、鋭角でも鈍角でも良い。図22(A)及び(B)の例は、全体を略V字状に形成し、剪断部11,11を連結する連結部12を鋭角とし、剪断部11,11の先端部に、外側に張り出すように補強部13,13を形成している。ここでの補強部13,13は、溶接接合でも良いが、曲げ加工によって形成されている。
図25(A)及び(B)の例では、二つの剪断部11,11に、剪断部11,11とベースプレート14との接合部及び/又は剪断部11とプレート15との接合部となる側縁部を切り欠いた孔部21が断続して複数形成されている。孔部21は、ベースプレート14との接合部及び/又はプレート15との接合部に形成されることで、ベースプレート14との接合部及び/又はプレート15との溶接部分を減らすことが出来る。また、剪断部11,11は、複数の孔部21が形成されることによって、例えば剪断部11,11に低降伏点鋼を用いなくても、通常の鋼材で低降伏点鋼のような剪断変形をさせることが出来る。なお、孔部21の形状は、凹字型、半円型等どの様な形状であっても良い。また、孔部21の数や大きさは、用途に応じて適宜決定すればよい。また、孔部21は、剪断部11,11の連結部12及び/又は補強部13との境界の部分に形成するようにしても良い。
図27(A)及び(B)も、図25及び図26の変形例であり、剪断部11,11とベースプレート14との接合部及び/又は剪断部11とプレート15との接合部の一部となるコーナ部に、孔部23を形成するようにしている。このような図27の例によっても、ベースプレート14との接合部及び/又はプレート15との溶接部分を減らすことが出来、また、剪断部11,11に低降伏点鋼を用いなくても、通常の鋼材で低降伏点鋼のような剪断変形をさせることが出来る。なお、孔部23を設ける位置は、これら四カ所のうち少なくとも一カ所に設けるようにすれば、特に限定されるものではない。例えば、上二個でも良いし、下二個であっても良いし、前面側二個でも良いし、背面側二個でも良い。また、孔部23の形状は、扇状に限定されるものではなく、例えば矩形状であっても良い。
1 上部構造物、1a 主桁、1b 横桁、2 下部構造物、3 支承装置、3a 固定支承装置、3b 可動支承装置、4 下部フランジ、10 弾塑性履歴型ダンパ、11(11a,11b) 剪断部、12 連結部、12a 連結片、12b 円筒体、12c 補強片、12d 補強片、13 補強部、13a 補強片、13b 補強部、13c 補強部、14 ベースプレート、15 プレート、15a 端面、16 ストッパ、17 補強部、17a 補強片、17b 補強片、21−25 孔部、51 構造物のフレーム横梁や橋梁の横支材等(横フレーム)、52 ガセットプレート、53 ブレース材、54 縦フレーム

Claims (20)

  1. 二つの剪断部が連結部を介して一連に設けられていることを特徴とする弾塑性履歴型ダンパ。
  2. 前記剪断部は、平面状を成すことを特徴とする請求項1記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  3. 前記連結部は、前記剪断部と一体又は別体であることを特徴とする請求項1又は2記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  4. 前記二つの剪断部の間隔は、前記連結部側に比し、前記連結部とは反対側の端部の方が狭いことを特徴とする請求項1−3の何れかに記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  5. 前記二つの剪断部の間隔は、一定であることを特徴とする請求項1−3の何れかに記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  6. 前記二つ剪断部の間隔は、前記連結部側から反対側の端部に向かって鋭角状に漸次広がるように形成されていることを特徴とする請求項1−3の何れかに記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  7. 前記二つ剪断部の間隔は、前記連結部側から反対側の端部に向かって鈍角状に漸次広がるように形成されていることを特徴とする請求項1−3の何れかに記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  8. 前記剪断部は、前記連結部と反対側の端部に第一補強部を有することを特徴とする請求項1−7の何れかに記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  9. 前記第一補強部は、前記剪断部に対して一連に設けられていることを特徴とする請求項8記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  10. 前記第一補強部は、前記剪断部と一体又は別体であることを特徴とする請求項9記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  11. 前記剪断部及び前記連結部は、基盤上に固設されていることを特徴とする請求項1−10の何れかに記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  12. 前記剪断部及び前記連結部は、相対する基盤間に固設されていることを特徴とする請求項1−10の何れかに記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  13. 前記連結部は、第二補強部によって補強されていることを特徴とする請求項1−12の何れかに記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  14. 前記剪断部と前記連結部は、曲げ加工によって一連に形成されていることを特徴とする請求項1−13の何れかに記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  15. 前記剪断部と該剪断部を補強する前記第一及び/又は第二補強部は、曲げ加工によって一連に形成されることを特徴とする請求項8又は9に記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  16. 前記剪断部には、孔部が形成されていることを特徴とする請求項1−15の何れかに記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  17. 前記孔部は、前記剪断部の外周部に形成されていることを特徴とする請求項16記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  18. 前記孔部は、前記剪断部の外周部の内側に形成されていることを特徴とする請求項16又は17記載の弾塑性履歴型ダンパ。
  19. 離間して二つの剪断部が設けられていることを特徴とする弾塑性履歴型ダンパ。
  20. 前記剪断部は、基盤上に固設されていることを特徴とする請求項19記載の弾塑性履歴型ダンパ。
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