JP2010036975A - 蓋材 - Google Patents

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Abstract

【課題】内容物を収納する容器の上端開口部にシールして容器を密封するために用いられる湯切り機能を有する蓋材、特に、湯切りが必要とされる内容物の大きさ、形状に関係なく、しかも湯切り用の開口部を設けずに的確な湯切りが行えるようにした、湯切り機能を有する蓋材の提供を目的とする。
【解決手段】
内容物が収納される容器の開口部にシールして容器を密封するために用いられる湯切り機能を有する蓋材であって、少なくとも紙層、接着樹脂層、不織布層がこの相対的順序で積層一体化されていて、不織布層はヒートシール性を有しており、それを構成する不織布の坪量が10〜30g/m2で、かつここと容器の開口部とのシール部分における剥離強度が0.5〜10N/15mm(JIS K7127に準拠)に設定されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、内容物を収納する容器の上端開口部にシールして容器を密封するために用いられる湯切り機能を有する蓋材であって、例えば即席焼きそばや即席スパゲッティなどのように、容器内にお湯を注入した後に湯切りをして調理される食品を収納する容器の密封用として好適に用いられ、特に、通気性とヒートシール性を兼ね備えた不織布からなる層をその一部に積層した構成のものであって、収納する内容物の細さによる制約を受けず、しかも孔開け加工を施すこともなしに的確な湯切りが行えるようにした、湯切り機能を有する蓋材に関するものである。
従来、容器入り即席焼きそばは、焼きそばが収納されている発泡ポリスチレンなどからなる容器に、湯切り孔となる切り込みが形成されたプラスチック成形蓋を被せ、さらに全体を収縮フィルムにて収縮包装する包装形態のもの、もしくは発泡ポリスチレンなどからなる容器と、紙とアルミニウム箔を積層してなる内蓋とを組み合わせた収納体の容器内に即席焼きそばを収納し、さらにポリスチレンシートなどのプラスチックシートを用いて真空成型により形成された外蓋を、内蓋の上に被せて包装する包装形態のものが一般的である。
このような包装形態の容器入りの即席焼きそばを食する際には、内蓋を剥がすことにより確保した開口部分から容器内にお湯を注入した後、外蓋を再び被せて内容物を蒸らし、しかる後に容器全体を傾けて外蓋のコーナー部に設けられているスリット孔から湯切りを行い、お湯を流していた。
しかしながら、切り込みが形成されたプラスチック成形蓋を被せるようにして包装されている容器は、外蓋に湯切り孔となる切り込みが形成されているので、ガスバリヤー性がない上に完全密封されていないために、保管中に内容物の匂いが外部に漏れ出したり、害虫が混入するという欠点がある。また、湯切りの際には、湯切り孔以外の外蓋と容器開口部周縁の隙間から熱湯が垂れ落ちることもあり、火傷をするおそれがある。
上記の欠点を改良した蓋材として、特許文献1に記載されているような湯切り蓋材が提案され、一般的に使用されている。この提案にかかる蓋材は、開封用つまみと排湯口開口用のつまみを有し、基材とこれを被覆する表面シートが接着剤層を介して積層され、さらに基材と表面シートとの層間に離型剤の塗布された剥離領域と、この剥離領域内に配置された非剥離領域と、剥離領域に隣接して配置された他の非剥離領域とに区画されていて、前記剥離領域内にある非剥離領域内には排湯口開口部形成用ハーフカットが、内面側となる基材から接着剤層に至る範囲で形成され、剥離領域と隣接する非剥離領域との境界線に沿って直線的に表面シートに剥離用ハーフカットが形成された構成のものである。従って、湯切りの際には排湯口開口用のつまみを掴んで表面シートを基材面から剥離して排湯口開口部形成用ハーフカット部にて切り取ることにより排湯口開口を形成できるようになっている。
しかしながら、このような構成の蓋材は、剥離領域内にある非剥離領域に排湯口開口部形成用ハーフカットを形成する構成であるため、剥離領域内に非剥離領域を設け、その非剥離領域に排湯口開口部形成用ハーフカットを形成することとなり、非剥離領域の形成及び非剥離領域と排湯口開口部形成用ハーフカットの形成に係る見当合わせを精度良く行う必要があり、さらにはハーフカットの形成に当たっては、剥離界面を通過するが貫通はしないようにハーフカットの深さを管理する必要があるため、製造工程が煩雑となり製品品
質が安定し難い。また、湯切り孔の形状やサイズに制約が生じ、特にそうめん、日本そばのような細麺やクスクスのような粒上の麺、または米などの穀類の湯切りには使用出来ないという欠点がある。
そこで、上記の欠点をさらに改良した蓋材として、特許文献2に記載されているような湯切り蓋材が提案されている。この蓋材は、上蓋の下面の所定部分に接着層を設け、上蓋と同一形状の不織布からなる下蓋を重ねて接着し、下蓋の下面にさらにシーラント層を設けると共に、前方側の外周部の中央位置に開封用つまみを前方へ向かって突出して設けてあるシート状積層蓋材であり、開封用つまみの左右両側の対称位置の外周部に、それぞれ引裂開始用ノッチを設け、上蓋には、二つの引裂開始用ノッチに連続させて後方端まで平行な前後方向の二つの引裂予定線を設け、下蓋には、二つの引裂開始用ノッチに連続させて後方のほぼ中央位置まで平行な前後方向の二つの引裂予定線を設け、さらにこの二つの引裂予定線の後方端間を結ぶ左右方向の分離可能な境目線を設け、この境目線より後方で、二つの引裂予定線の蓋材の後方端に達する二本の延長線の間の部分だけを、上蓋と下蓋間に接着層を設けずに疑似接着部分として開口し、注湯後、再び剥離部分を戻して麺を蒸らした後、この境目線より後方の下蓋部から湯切りが行えるようにしたものである。
このような構成の蓋材においては、開封の際には下蓋を前後方向に引き裂くことが必要となり、下蓋を形成する不織布には引き裂き性が必須とされ、かつ、容器へのヒートシール性を必要としている。しかしながらヒートシール性を有する不織布、特に特許文献2に示されるようなポリプロピレン系の不織布はスパンボンド方式で作られるため、繊維方向の揃いが悪く、直進引き裂き性は望めないため、実用化は難しい。また湯切り性を付与する為には目付けの少ない不織布を選定することが必要であるが、目付けの少ない不織布では繊維の方向性が確保し難いため、易引き裂き性の確保はさらに難しくなる。
特開2000−109141号公報 特開2007−131321号公報
本発明は以上のような従来技術の欠点に鑑みなされたものであり、内容物を収納する容器の上端開口部にシールして容器を密封するために用いられる湯切り機能を有する蓋材、特に、湯切りが必要とされる内容物の大きさ、形状に関係なく、しかも湯切り用の孔を設けずに的確な湯切りが行えるようにした湯切り機能を有する蓋材の提供を課題とする。従ってその製造に当たっては、ハーフカット加工などによる孔開け加工を不要とし、ハーフカット精度の管理や容器から剥離する時の孔部落下による異物混入が回避されるため、製品品質の安定化が実現し、また孔サイズの制約が無いことから、細麺や穀物類などの多様な内容物に対する的確な湯切りが可能となる。
以上のような課題を達成すべくなされ、請求項1に記載の発明は、内容物を収納する容器の開口部にシールして容器を密封するために用いられる湯切り機能を有する蓋材であって、少なくとも紙層、接着樹脂層、不織布層がこの相対的順序で積層一体化されていて、不織布層はヒートシール性を有しており、それを構成する不織布の坪量が10〜30g/m2で、かつこの不織布層と容器の開口部とのシール部分における剥離強度が0.5〜10N/15mm(JIS K7127に準拠)に設定されていることを特徴とする蓋材である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の蓋材において、前記不織布層は乾式の
スパンボンド法により製造された、芯部はポリエステル繊維で鞘部はポリエチレン繊維となっている不織布、もしくは、接着樹脂層と接する側はポリエステル繊維層で容器の開口部と接する側はポリエチレン繊維層となっている不織布のいずれかからなることを特徴とする。
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の蓋材において、前記接着樹脂層と不織布層の層間剥離強度が、100〜1000mN/15mm(JIS K7127に準拠)の範囲にあることを特徴とする。
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の蓋材において、前記接着樹脂層は、ポリプロピレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層、エチレン酢酸ビニル共重合体のいずれかを主体とする樹脂、あるいはこれらの樹脂のいずれかを主体とし、軟化点70〜110℃のWAX成分を含む樹脂からなることを特徴とする。
さらにまた、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の蓋材において、全体の概略の形状が容器の開口部の外縁がなす形状と略同じになっていて、外縁部の一部には外側に向かって開封用タブが、それと対峙する外縁部の他の部分には外側に向かって湯切り用タブがそれぞれ突出するように設けられており、これら2つのタブの間には紙層を貫通する切り込みが設けられていてこの切り込みにより蓋材領域が区分けされていると共に、湯切り用タブの容器開口部の外縁に沿った箇所には不織布層を貫通する切り込み線が設けられていることを特徴とする。
さらにまた、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の蓋材において、紙層を貫通するように設けられている前記切込みと、不織布層を貫通するように設けられている前記切り込み線により囲まれた部分が湯切り領域となっていることを特徴とする。
本発明の蓋材は、以上のような構成であるので、湯切りが必要とされる内容物の大きさ、形状に関係なく、しかも湯切り用の孔を設けずに的確な湯切りが行える。従ってその製造に当たっては、ハーフカット加工などによる孔開け加工を不要とし、ハーフカット精度の管理や容器から剥離する時の孔部落下による異物混入が回避されるため、製品品質の安定化が実現し、また孔サイズの制約が無いことから、細麺や穀物類などの多様な内容物に対する湯切りが的確に行われるようになる。
次に、本発明の蓋材の構成、および製造方法などについて図面を用いて説明する。
図1は本発明の蓋材の一実施形態に係る概略の断面構成を示す説明図である。ここに示す湯切り機能を有する蓋材10は、内容物を収納する容器の開口部にシールして容器を密封するために用いられる湯切り機能を有する蓋材であって、紙層1を基材とし、その外面側に、文字や絵柄の形状でインキ層2が設けられていて、さらにそれらを覆うように光沢ニス層が形成されている。一方、紙層1の内面側には接着層3を介してアルミニウム箔層4が、さらに接着樹脂層5を介して不織布層6が順次積層され、一体化されている。
そして、不織布層6はヒートシール性を有しており、それを構成する不織布の坪量が10〜30g/m2で、かつ不織布層6と容器の開口部とのシール部分における剥離強度が0.5〜10N/15mm(JIS K7127に準拠)に設定されている。
本発明の湯切り機能を有する蓋材10は、上述したように、不織布層6を最下面として、そこを湯切り部分として利用することで、ハーフカット加工などの孔開け加工を不要と
するため、ハーフカット精度の管理や剥離時の孔部落下による異物混入が回避され、製品品質の安定化を実現し、また孔サイズの制約が無いことから、細麺やクスクスなどの多様な内容物を収納した容器での湯切りを可能とする。
また、不織布層6が容器開口部にヒートシールするためのヒートシール層としての役目を担うような構成となっているため、新たにヒートシール剤やシーラント樹脂からなる層を設ける必要がなく、シーラント層を設けることにより発生が危惧される湯切り性能の低減化が回避でき、製造工程の短縮化も実現できるようになる。
また、この不織布層6の最下面が容器開口部のシール面に対し0.5〜10N/15mm(JIS K7127に準拠)で剥離可能となっているので、剥離するときに容器の変形や破損、さらには不織布層の破断などの剥離不良を起こすことがなく、しかも湯切り後は容易に容器開口部から剥離可能である。 このような観点から剥離強度は10〜50N/15mm程度とすることがより好ましい。
また、紙層1と接着樹脂層5の間には接着層3を介し、アルミニウム箔層4を積層することにより遮光性、デッドホールホールド性を付与するようにしてもよい(図2参照)。また、図示しないが、紙層の表面もしくは接着樹脂層との間に、接着層を介してPETフィルム、延伸PPフィルム層を積層することにより、印刷適性の向上や腰強度の改善を図ることもできる。
そして、不織布層6の坪量を10〜30g/m2とすることで、湯切り適性と剥離適性の両者を確保することができる。坪量が10g/m2未満である場合は、容器からの剥離の際に不織布層の材破が発生し、30g/m2を超える場合は、十分な湯切り適性が得られず、またコストアップにも繋がる。
一方、本発明の蓋材は、その一部を構成する不織布層を乾式のスパンボンド法により製造される不織布からなるものとすることでより優れた効果を発現することができる。
不織布には乾式法と湿式法とで製造されるものがあるが、湿式法で製造される不織布は繊維長が短いため、それにより不織布層を構成すると、剥離の際にシールエッジ部において破断が生じたり、ヒートシールした部分に繊維が残る場合がある。また、比較的密度が高いため、強度を得ようとして坪量を上げると、湯切り適性が低減され易くなってしまう。
これに対し、乾式のスパンボンド法で得られる不織布は繊維長が非常に長いため、低坪量でも所期の強度が保持され、それによって不織布層を構成すると、剥離適性がより良好となり、湯切り適性も確保できる。
また、不織布を、芯部はポリエステル繊維で、鞘部がポリエチレン繊維となっているものとすることにより優れた効果を発現することができる。
不織布には単層品、多層品、単成分系、複合成分系と様々なものがある。容器のシール部へのシール性が発揮される単成分のものとしてはポリエチレン系、ポリプロピレン系などのものがあるが、これらの樹脂成分による単成分不織布では、シール部における不織布層の痩せが発生し、シール後の剥離適性が確保し難い。
これに対し、不織布層を構成する不織布の繊維構造が、芯部がポリエステル繊維で、鞘部がポリエチレン繊維となっている二重構造を取っている単層の不織布層であると、所期のシール性を示し、容器から剥離除去する際にも芯部のポリエチレンテレフタレート(P
ET)繊維が強度を保持するように働くためにピール適性にも優れるようになる。また、接着樹脂層側にポリエステル繊維層、容器との被着面側にポリエチレン繊維層が位置する2層構成の不織布であると、ポリエステル繊維層により、シール性、ピール性が優れるようになり、また基材強度がポリエチレン繊維層により保持されるために坪量を小さくでき、湯切り適性にも優れるようになる。
他方、接着樹脂層5と不織布層6の層間剥離強度が1000mN/15mmを超えると紙層もしくは不織布層の材破が発生しやすくなり、100mN/15mm未満であると、製造工程においてデラミネーションなどの不具合が発生する可能性がでてくる。そこで、接着樹脂層5と不織布層6の層間剥離強度を、100〜1000mN/15mm(JIS
K7127に準拠)の範囲とすることにより、紙層1もしくは布織布6層の材破を起こり難くし、しかも製造工程においてデラミネーションなどの不具合が発生し難くすることができる。層間剥離強度は、好ましくは200〜500mN/15mm程度の範囲にあればよい。
また、本発明の蓋材においては、その一部を構成する接着樹脂層を、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体のいずれかを主体とする樹脂からなるものとすることが好ましい。
接着樹脂層としては、DRYラミネーション法により形成したウレタン系接着層が一般的であるが、本発明の蓋材では湯切り機能を付与させるため、蓋材の少なくとも一部において接着樹脂層と不織布層の層間で剥離させ、その部分で不織布層を介して湯切りができるようにしておく必要があるが、ウレタン系接着層の場合は強いラミネート強度が発揮されるため剥離適性が得られなかったり、もしくは剥離界面が接着樹脂層の凝集破壊となった場合に湯切り部の不織布層面に接着樹脂層が残り、湯切り適性が得られ難くなることがあり、本発明の蓋材を構成する接着樹脂層としてあまり好ましくない。
これに対し、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体のいずれかを主体とする樹脂からなる接着樹脂層が、押出ラミネーション法、もしくはWAXラミネーション法により積層、形成されたものであると、この接着樹脂層と不織布層のラミネート強度を適度に調整することが可能となり、特にシールしようとする容器の開口部(フランジ)表面と異なる樹脂を選定することにより、シールの際に不織布層から染み出した接着樹脂層の樹脂成分と容器のフランジが強固に接着して剥離困難となってしまうことを回避できる。
また、このような構成になる接着樹脂層に軟化点が70〜110℃のWAX成分を含ませることにより、内容物が収められた容器にお湯を入れて内容物を蒸らしている時の加温によりこのWAX成分が軟化し、常態時よりもさらに接着樹脂層と不織布層の層間剥離適性を改善することができるようになる。
さらに、本発明の蓋材においては、全体の概略の形状が容器の開口部の外縁がなす形状と略同じで、外縁部の一部には外側に向かって開封用タブ21を、それと対峙する外縁部の他の部分には外側に向かって湯切り用タブ22をそれぞれ突出するように設け、これら2つのタブの間には紙層を貫通するミシン目加工などによる切り込み23、23を設けることにより蓋材領域を区分すると共に、湯切り用タブ22の容器開口部の外縁に沿った箇所には不織布層を貫通するハーフカット加工などによる切り込み線24を設けた構成とすることにより、湯切り用タブ22より蓋材を容器から剥離する際に、この湯切り用タブ22の近辺に施してある切り込み線24のところから剥離界面が蓋材の接着樹脂層と不織布層の層間に移行し、切り込み線24と紙層1を貫通した23に挟まれた湯切り領域において、不織布層のみが容器の開口上に残ることとなり、その露出した不織布層を介して湯切
りが的確に行えるようになる(図2参照)。
また、ミシン目加工などにより紙層を貫通するように設けられている切り込みと、ハーフカット線加工などにより不織布層を貫通するように設けられている切り込み線とで囲まれた部分が湯切り領域となる構成とすることにより、湯切りの際には、開封用タブ部に設けられた湯切り領域より、湯切り領域全体の紙層および接着樹脂層を剥離除去し、湯切り領域に不織布層を露出することが可能となり、その不織布層を介して湯切りが的確に行えるようになる。
ここで、ミシン目加工などにより施される切り込み23、23は、湯切り用タブ22から蓋材を剥離して不織布層のみを容器の開口部上に残して湯切りができるような状態にしておくとき、これ以上不織布層の露出が進まないようにするために設けると共に、ここまで剥がした蓋材をこの部分で折り曲げられるようにして、露出させた不織布層の部分が剥がした部分で再び覆われないようにし、湯切りが円滑に行われるようにするために設ける。
また、シールの対象となるプラスチック容器としては、発泡ポリスチレン製容器の他に、PE/紙積層容器、ポリプロピレン系シート成型容器などあるが、発泡PS製容器は、容器のフランジ部の表面強度が適度に弱いため、そこにシールされる蓋材の不織布層のシール強度が過剰に強く発揮された場合でも、蓋材剥離の際に容器のフランジ表面が凝集破壊して適度な剥離強度を発揮することが出来るため、不織布層の材質選定が比較的容易となる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
図1に示すような構成の熱封緘性蓋材を作製することとし、まず、紙層として、坪量104.7g/m2の片面コート紙を用意した。次に、この片面コート紙のコート面側に多色グラビア印刷機により文字と絵柄を印刷インキで印刷し、さらにその上に光沢ニス層を設けた後、流れ方向にミシン目線が製品面当たり2箇所に形成されるようにインラインでミシン目加工を施した。
次に、片面コート紙の非コート前側にコロナ放電処理を施した後、低密度ポリエチレンからなる接着樹脂層を厚さが15μmとなるように押し出し樹脂加工により押し出しながら厚み9μmのアルミニウム箔を積層した。さらに、このアルミニウム箔面の上に接着性樹脂層として東洋ペトロライト(株)社製 トヨメルトR−671を15μmの厚さでWAXラミネーション法により塗工し、その上に芯部がPET繊維、鞘部がPE繊維の単層スパンボンド(ユニチカ(株)社製エルベス T0123WGO、坪量;12g/m2)が位置するように積層させて不織布層を設け、実施例1に係る蓋材原反を作製した。
不織布層としてはPET繊維層/PE繊維層の2層構成スパンボンド(出光(株)社製
ストラマイティー ME1025、坪量;25g/m2)を使用し、他の積層構成、加工工程については実施例1と同条件で実施例2に係る蓋材原反を作製した。
不織布層としては実施例1と同じ芯部がPET繊維で鞘部がPE繊維の単層スパンボンド(ユニチカ(株)社製エルベス T0123WGO、坪量;35g/m2)を積層し、他の積層構成、加工工程については実施例1と同条件で、比較のための実施例3に係る蓋材原反を作製した。
不織布層としてはPE繊維層の単層構成スパンボンド(出光(株)社製 ストラテック
LN2020、坪量;20g/m2)を使用し、他の積層構成、加工工程については実施例1と同条件で、比較のための実施例4に係る蓋材原反を作製した。
不織布層としては容器への被着面がPE繊維とパルプ繊維とからなる繊維層、裏面はパルプ単一層である2層構成の湿式不織布(日本大昭和(株)社製 ヒートロン MW14、坪量;14g/m2)を使用し、他の積層構成、加工工程については実施例1と同条件で、比較のための実施例5に係る蓋材原反を作製した。
以上のようにして作製した実施例1から実施例5に係る蓋材原反を用い、全体の概略の形状がシール使用とする容器の開口部の外縁がなす形状と略同じになっていて、外縁部の一部には外側に向かって開封用タブが、それと対峙する外縁部の他の部分には外側に向かって湯切り用タブがそれぞれ突出するように設けられており、これら2つのタブの間には紙層を貫通する2本の切り込み(ミシン目)が設けられていてこの切り込みにより蓋材領域が区分けされていると共に、湯切り用タブの容器開口部の外縁に沿った箇所には不織布層を貫通する切り込み線(ハーフカット線)が設けられている蓋材を作製した。このようにして得られた円形状の蓋材の直径は180mmであった。
そして、この蓋材をシールフランジ外周直径が175mmの発泡ポリスチレン製の丼ぶり型カップ容器にカップシーラーで160℃×1sec×0.25MPaでヒートシールした後、下記のようにして適性を調べた。
[評価手法]
(ピール適性)
開封用タブより容器中央付近に設けられた1本目のミシン目まで蓋材を開封し、注湯口を開口した。この時、蓋材の材破が発生した場合を×、適性なピール感で剥離可能な場合を○とした。
(湯切り適性)
開封用タブより容器中央付近に設けられた1本目のミシン目まで蓋材を開封して確保された注湯口から定量お湯を注湯して開口用タブを再封して蒸らした後、湯切り用タブより容器中央のミシン目加工線まで蓋材の不織布層を除いた部分を剥離して不織布層面を露出させた後、容器を傾けて不織布層の部分から湯の排出を行なった。湯の排出時間が30秒以下である場合は○、それ以上掛かる、もしくは湯切りが出来ない場合を×とした。
Figure 2010036975
上記のようにして得られた本発明に係る蓋材で開口部を封止した容器は、シールされている蓋材の一部に突設されている開封用タブを指で摘まんで蓋材の中央に向かい引っ張ると、容器と蓋材の不織布層の間で剥離し、注湯口を形成することができる。そして、注湯口から適量の湯を注入した後に再び開封用タブを再封して、一定時間内容物を蒸らす。蒸らし完了後、湯切り用タブを指で摘んで蓋材の中央部に向かってほぼ中心付近まで引っ張ると、湯切り用タブの容器開口部の周縁部に沿う部分に設けられている不織布層を貫通する切り込み線から剥離界面が不織布層/接着樹脂層の層間に移行し、蓋材の中央付近に横断するように設けられている切り込み線に達するまでの湯切り領域において、容器の開口部上に不織布層のみを残し、不織布層面を露出することができる。この時、接着樹脂層中のWAX成分が内容物を蒸らしている時の加温により軟化し、円滑に剥離が行われる。続いて、容器を傾斜させて湯切り領域から湯切り作業を行うが、内容物がそうめん等の極細麺、もしくは米などの穀物粒であってもお湯のみ選択的に排出することが可能である。湯切り作業の後、蓋材の開封用タブを指で摘んで開封し、さらに湯切り領域方向へ引っ張る
と、容器側に残っている蓋材の湯切り領域も一挙に容器側から剥離除去することが出来る。また、本発明の湯切り機能は不織布層が担っているため、従来の蓋材のように下蓋にのみハーフカット加工を施す等の湯切り孔を別途設ける加工をする必要がなく、その製造に当たっては、安定した製品品質を保つことが可能である。
本発明の蓋材の概略の断面構成を示す説明図である。 本発明の他の例に係る蓋材の平面状態を示す説明図である。
符号の説明
1・・・紙層
2・・・インキ層
3・・・接着層
4・・・アルミニウム箔層
5・・・接着樹脂層
6・・・不織布層
10、20・・・蓋材
21・・・開封用タブ
22・・・湯切り用タブ
23・・・切り込み
24・・・切り込み線

Claims (6)

  1. 内容物を収納する容器の開口部にシールして容器を密封するために用いられる湯切り機能を有する蓋材であって、少なくとも紙層、接着樹脂層、不織布層がこの相対的順序で積層一体化されていて、不織布層はヒートシール性を有しており、それを構成する不織布の坪量が10〜30g/m2で、かつこの不織布と容器の開口部とのシール部分における剥離強度が0.5〜10N/15mm(JIS K7127に準拠)に設定されていることを特徴とする蓋材。
  2. 前記不織布層は、乾式のスパンボンド法により製造された、芯部はポリエステル繊維で鞘部はポリエチレン繊維となっている不織布、もしくは、接着樹脂層と接する側はポリエステル繊維層で容器の開口部と接する側はポリエチレン繊維層となっている不織布のいずれかからなることを特徴とする請求項1記載の蓋材。
  3. 前記接着樹脂層と不織布層の層間剥離強度が、100〜1000mN/15mm(JIS K7127に準拠)の範囲にあることを特徴とする請求項1または2記載の蓋材。
  4. 前記接着樹脂層は、ポリプロピレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層、エチレン酢酸ビニル共重合体のいずれかを主体とする樹脂、あるいはこれらの樹脂のいずれかを主体とし、軟化点70〜110℃のWAX成分を含む樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の蓋材。
  5. 全体の概略の形状が容器の開口部の外縁がなす形状と略同じになっていて、外縁部の一部には外側に向かって開封用タブが、それと対峙する外縁部の他の部分には外側に向かって湯切り用タブがそれぞれ突出するように設けられており、これら2つのタブの間には紙層を貫通する切り込みが設けられていてこの切り込みにより蓋材領域が区分けされていると共に、湯切り用タブの容器開口部の外縁に沿った箇所には不織布層を貫通する切り込み線が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の蓋材。
  6. 紙層を貫通するように設けられている前記切り込みと、不織布層を貫通するように設けられている前記切り込み線により囲まれた部分が湯切り領域となっていることを特徴とする請求項5記載の蓋材。
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