JPH11349064A - 電子レンジ加熱食品用断熱容器及び電子レンジ加熱 食品入りの密封容器 - Google Patents

電子レンジ加熱食品用断熱容器及び電子レンジ加熱 食品入りの密封容器

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JPH11349064A
JPH11349064A JP10175417A JP17541798A JPH11349064A JP H11349064 A JPH11349064 A JP H11349064A JP 10175417 A JP10175417 A JP 10175417A JP 17541798 A JP17541798 A JP 17541798A JP H11349064 A JPH11349064 A JP H11349064A
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JP
Japan
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container
food
heat insulating
microwave
microwave oven
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Application number
JP10175417A
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English (en)
Inventor
Mamoru Tomita
守 冨田
Kazutaka Makino
収孝 牧野
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器の印刷面を美しく維持でき、安全に素手
で把持できるとともに食品が高温であることを容易に感
知でき、安全に喫食し得る安価な電子レンジ加熱食品用
断熱容器、及びその断熱容器を利用した食品入り密封容
器を提供する。 【解決手段】 a)マイクロ波透過性の胴部及び底板を
有し、電子レンジ加熱食品が充填される容器本体、並び
にb)前記容器本体の、胴部の電子レンジ加熱食品の液
面よりも上の範囲に貼着されるシ−ト状断熱材、から構
成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジにより
加熱される食品の容器に関する。更に詳しくは、本発明
は、容器本体の外側、かつ容器本体に充填された食品の
液面よりも上部に、シ−ト状断熱材を貼着し、電子レン
ジにより食品を加熱後に、前記シ−ト状断熱材を素手で
安全に取り扱うことが可能な断熱容器、及びこの断熱容
器に電子レンジ加熱食品を充填密封した、電子レンジ加
熱食品入りの密封容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子レンジにより食品を加熱又は
調理する際に使用するための種々の容器が市販されてい
る。例えば、一般家庭では、耐熱ガラスの容器に食品を
入れて、電子レンジで加熱することが行われている。
【0003】一方、近年は、電子レンジにより加熱する
ことを前提とした電子レンジ加熱食品(以下、食品と記
載することがある。)が市販されており、特に容器入り
の食品は、手軽に喫食できることから、コンビニエンス
ストア等において人気が高まりつつある。このような容
器入りの食品は、予め食品を容器に充填して密封した包
装容器(以下、密封容器と記載する。)の形態で販売さ
れており、喫食する際には、この密封容器を開封し、電
子レンジに入れて加熱し、高温になった食品を喫食する
のである。
【0004】通常、食品を収納するための容器は少なく
とも底板及び胴部を有する容器本体を備えているが、前
記密封容器は、この底板及び胴部に囲まれた容器本体に
食品が充填され、蓋材により密封されている。そして、
容器本体の材質は、マイクロ波透過性の材質が使用され
るが、更に、軽量、耐久性、及び耐熱性に優れた材質が
採用されている。また、取扱いの容易さ、及び廃棄時の
簡便性から、容器本体の肉厚は、可及的に薄く形成され
ている。
【0005】このような容器の従来技術としては、種々
の断熱性の高い断熱容器が公知であり、例えば、容器本
体の胴部の外側にシ−ト状断熱材を貼着した断熱容器
(特開平10−101153号、実開平6−12325
号)が知られている。
【0006】一方、密封容器の状態で販売されている食
品を消費者が喫食する場合、密封容器を電子レンジに入
れて加熱する際には、次のとおりの不都合があった。
【0007】即ち、食品が充填された密封容器をそのま
ま電子レンジで加熱した場合、密封容器内の液体の気化
に伴い、密封容器内の圧力が増加し、密封容器の破裂等
を惹起し、電子レンジ内を汚染し、場合によっては火傷
等の危険が伴うのである。
【0008】また、このような密封容器の破裂等を惹起
しないために、加熱前に密封容器の蓋材の一部に穿孔
し、密封容器内の空気、蒸気等を排出することも行われ
ているが、この場合穿孔するための道具及び手間が必要
となり、かつ穿孔した密封容器を、コンビニエンス・ス
トアー等で加熱し、車、自宅等に運搬するのには不都合
があった。
【0009】本発明者らは、このような問題点を解決す
ることができる包装材を発明し、既に特許出願(平成1
0年5月27日付)している。
【0010】この包装材を使用した蓋材は次の、c1)
及びc2)、 c1)気体排出孔を有する非通気性材の基板、 c2)前記気体排出孔を被覆し、容器本体の圧力の増加
により自然に剥離可能な接着強度で前記c1)の基板の
上面に剥離可能に接合されたカバ−体、 を有するものであり(以下、この蓋材を「本発明者らの
蓋材」と記載する。)、密封容器を電子レンジに入れ食
品を加熱した際、加熱による密封容器の圧力の増加に伴
い、気体が、前記c1)の基板に穿孔された気体排出孔
に圧力をかけ、その圧力により自然に前記c1)の基板
と前記c2)のカバー体とが剥離し、基板とのカバー体
との間の比較的弱い接着層に気体が排出され、気体が密
封容器外に排出される。
【0011】従って、密封容器の圧力が増加することな
く、密封容器内の食品を安全に加熱することができるの
である。即ち、飲食時に蓋材を開封、穿孔等する必要が
なく、そのまま電子レンジで加熱することができる。
【0012】また、コンビニエンス・ストアー等で電子
レンジにより加熱し、車、自宅等に運搬することも容易
である。更に、密封容器がシールされているので、加熱
による水分の過剰な蒸発、突沸の防止等にも有効であ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】一般に食品の容器にお
いては、容器本体の壁が肉薄に形成されることが多いの
で、電子レンジにより加熱した場合、高温となった食品
から熱が容器本体に伝導し、容器本体の外側が高温とな
り、素手で把持することが困難になるという問題点があ
った。
【0014】前記従来技術の断熱容器は、このような問
題点を解決するものと期待されているが、容器本体の胴
部の全面にわたってシ−ト状断熱材が貼着されているた
め、容器の胴部の全面が断熱されることとなり、素手で
把持したとき高温の食品から手指に熱が伝導せず、容器
内の食品が熱いことに気付かず、熱い食品を一気に喫食
して口腔、食道等に火傷を負う危険性があった。
【0015】また、前記従来技術の断熱容器は、容器本
体の胴部の全面をシ−ト状断熱材で被覆するため、容器
本体に印刷された文字、模様等が読みにくくなるという
問題点があった。このため、流通販売の段階では、消費
者の製品に対するイメ−ジが悪化するという問題が生じ
ていた。
【0016】更に、一般にシ−ト状断熱材は高価である
ため、容器本体の全体をシ−ト状断熱材で被覆した場合
には、容器の価格が上昇する問題があった。
【0017】一方、食品を充填密封した密封容器、特
に、本発明者らの蓋材を使用した密封容器においては、
前記のとおり、飲食時に蓋材を開封、穿孔等する必要が
なく、そのまま電子レンジで加熱できる利点がある。従
って、蓋材を開封する時点では、内部の食品は高温にな
っており、容器本体の外側も高温になっている。そし
て、食品を喫食する前に、片手で高温の容器本体を把持
し、他方の手で蓋材を開封することになる。
【0018】従って、本発明者らの蓋材を使用した密封
容器においては、容器本体としては断熱容器を採用する
ことが必要であるが、前記従来技術の断熱容器を採用し
た場合には、前記問題点が生じることにかわりはなかっ
た。
【0019】本発明の目的は、前記従来技術の問題点に
鑑み、容器の印刷面を美しく維持でき、安全に素手で把
持できるとともに食品が高温であることを容易に感知す
ることが可能であり、安全に喫食し得る安価な電子レン
ジ加熱食品用断熱容器を提供すること、である。
【0020】本発明の他の目的は、そのような断熱容器
を好適に利用した電子レンジ加熱食品入りの密封容器を
提供すること、である。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の第一の発明は、次のa)及びb)、 a)マイクロ波透過性の胴部及び底板を有し、電子レン
ジにより加熱される食品が充填される容器本体、 b)前記容器本体外側の、胴部の電子レンジ加熱食品の
液面よりも上部に貼着されるシ−ト状断熱材、 を備え、電子レンジ加熱食品を電子レンジにより加熱後
に、前記b)のシ−ト状断熱材を介して前記a)の容器
本体を素手で安全に把持し得ることを特徴とする電子レ
ンジ加熱食品用断熱容器、である。
【0022】また、前記課題を解決するための本発明の
第二の発明は、次のa)〜c)、 a)マイクロ波透過性の胴部及び底板を有し、電子レン
ジにより加熱される食品が充填される容器本体、 b)前記容器本体外側の、胴部の電子レンジ加熱食品の
液面よりも上部に貼着されるシ−ト状断熱材、 c)前記容器本体の開口部に被嵌され、充填された電子
レンジ加熱食品を密封し、次のc1)及びc2)、 c1)気体排出孔を有する非通気性材の基板、 c2)前記気体排出孔を被覆し、容器本体の圧力の増加
により自然に剥離可能な接着強度で前記c1)の基板の
上面に剥離可能に接合されたカバ−体、 を有する蓋材、を備え、電子レンジ加熱食品を電子レン
ジにより加熱後、前記b)のシ−ト状断熱材を介して前
記a)の容器本体を素手で把持し前記c)の蓋材を安全
に開封できることを特徴とする電子レンジ加熱食品入り
の密封容器、である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明を説明するが、本発
明の要素には後記する実施例の要素との対応を容易にす
るため、実施例の要素の符号をカッコで囲み、付記して
いる。本発明を後記の実施例の符号と対応させて説明す
る理由は、本発明の理解を容易にするためであって、本
発明の技術的範囲を実施例に限定するためではない。
【0024】図1は、本発明の電子レンジ加熱食品用断
熱容器の一実施例を示す正面図である。
【0025】本発明の断熱容器(1)は、胴部(2)及
び底板(3)を有する容器本体(1a)を備えている。
この容器本体(1a)はマイクロ波透過性の材料により
形成されている。このようなマイクロ波透過性の材料と
しては、合成樹脂、合成樹脂加工紙、ガラス、陶器等を
例示することができる。この容器本体(1a)の内部、
即ち胴部(2)及び底板(3)に囲まれた内側の空間に
は、食品(例えばS、図3参照)が充填される。
【0026】また、本発明の断熱容器(1)は、胴部
(2)の外側の、充填された食品の液面(例えばs1、
図3参照。)よりも上部に、シ−ト状断熱材(6)を貼
着することを構成要件としている。シ−ト状断熱材
(6)は、例えば、後記実施例のように断熱容器(1)
がスタック用の段差(4)を有している場合には、この
段差(4)に貼着する。
【0027】一般に、シ−ト状断熱材(6)は、印刷が
不鮮明になり易いので、印刷には不適当である。しかし
ながら、本発明の断熱容器(1)では、胴部(2)の全
面ではなく、食品(S)の液面(s1)よりも上部にの
みにシ−ト状断熱材(6)を貼着する。従って、胴部
(2)の大部分は、美しい印刷を明瞭に施すことが可能
であるから、流通及び販売の段階において、消費者の受
けるイメ−ジが良好となる。
【0028】シ−ト状断熱材(6)としては、紙、発泡
樹脂、成形樹脂、不織布、コルゲ−ト加工紙等を採用す
ることができるが、エコロジ−の観点からは、紙が望ま
しく、特に、40g/m2 〜200g/m2 の超低密度
紙を採用することが好ましい。
【0029】そして、本発明の断熱容器(1)は、前記
従来技術の断熱容器に比して、シ−ト状断熱材(6)の
面積が狭く、高価なシ−ト状断熱材(6)の使用量を低
減できるため、前記従来技術の断熱容器に比して安価に
製造できるのである。
【0030】断熱容器(1)の胴部(2)に貼着したシ
−ト状断熱材(6)の更に外側には、フィルム(7)を
被覆することが望ましい。このような構成にすることに
より、シ−ト状断熱材(6)が紙である場合にも、排気
された蒸気により濡れる心配がないためである。即ち、
一般に、シ−ト状断熱材(6)は、濡れると断熱効果が
低下し、外側が汚染され、美観を損なうことになるが、
フィルム(7)で被覆することによりこれらの問題を防
止できるのである。また、フィルム(7)に印刷を施す
ことも可能である。
【0031】このようなフィルム(7)としては、ポリ
エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂等を使用することができ、熱シ
ュリンク、ラベリング等の方法によって断熱容器(1)
に被覆することができる。
【0032】尚、補足すれば、図1においては、フィル
ム(7)の下にシ−ト状断熱材(6)が貼着されている
態様を図示している。
【0033】以上の断熱容器(1)は、次のとおり使用
する。即ち、食品(S)を喫食する前には、断熱容器
(1)を電子レンジに入れ、加熱する。電子レンジによ
る加熱によって、食品(S)は加熱され、断熱容器
(1)の胴部(2)のうち食品(S)に接している部分
(即ち、食品の液位s1よりも下部)は高温となる。
【0034】しかしながら、本発明の断熱容器(1)
は、食品の液位(s1)よりも上部にはシ−ト状断熱材
(6)が貼着されている。この部分は、もともと他の範
囲よりも温度が低いが、更にシ−ト状断熱材(6)を貼
着したことによって、温度が低い部分の安全性をより高
めることができる。即ち、このシ−ト状断熱材(6)を
介して断熱容器(1)を素手で極めて安全に把持するこ
とができるのである。また、シ−ト状断熱材(6)は、
胴部(2)外側の一部のみに貼着されているため、胴部
(2)を把持した際にはその他の部分を介して食品
(S)の温度状態を感知することができる。従って、高
温の食品(S)を誤って一気に喫食する危険を低減させ
ることができる。
【0035】本発明の第二の発明は、前記第一の発明の
断熱容器(1)を利用した、密封容器である。図2は、
本発明の密封容器の一実施例の外観を示す斜視図であ
り、図3は、図2におけるX−X´線の断面を拡大して
示す拡大断面図である。
【0036】本発明の密封容器(10)は、前記第一の
発明の断熱容器(1)に、食品(S)を充填し、本発明
者らの蓋材(11)を被嵌して密封したものである。
【0037】本発明者らの蓋材(11)は、基板(1
3)及びカバー体(14)を接着剤(15)で接着した
構成を有している。蓋材(11)の材質は、非金属材で
あり、かつ非通気性の材質から構成され、ポリエステ
ル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリス
チレン等のオレフィン樹脂のプラスチック材、紙、前記
プラスチック材の積層材、紙及びプラスチック材の積層
材等を例示することができる。
【0038】基板(13)は、4〜300μm、望まし
くは50〜100μm、の厚さを有している。基板(1
3)は、断熱容器(1)のフランジ部(5)に強い強度
で接着され、剥離する場合、比較的大きな力が作用する
ので、剥離途中における基板(13)の破損を防止する
観点から、前記のとおりの厚さとするのが適当である。
【0039】また、基板(13)には、密封容器(1
0)の中から気体を排出するために気体排出孔(16。
以下、孔と記載することがある。)が設けられている
が、孔(16)の形状及び個数は任意であり、容器本体
(1a)の容積、即ち、充填される食品(S)の量及び
水分含量に応じて適宜穿孔することができる。
【0040】本発明者らの蓋材(11)におけるカバー
体(14)は、密封容器(10)内の圧力の増加により
自然に基板(13)から剥離するので、厚さは4〜50
0μm、望ましくは10〜300μm、である。
【0041】カバー体(14)は、基板(13)に接着
剤(15)により常温で100〜1650gf/15m
m、望ましくは150〜1250gf/15mm、の接
着強度で、前記基板(13)に穿孔された孔(16)を
被覆して接着される。接着強度が常温で100gf/1
5mm未満の場合は、接着が不十分のため密封性を損な
う恐れがあり、また、基板(13)とカバー体(14)
の接着強度が常温で1650gf/15mmを超える場
合は、断熱容器(1)内の圧力が増加した場合、カバー
体(14)が基板(13)から剥離せず、断熱容器
(1)が破損する恐れがある。
【0042】接着剤(15)としては、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、エチレン−アクリル酸系樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル
系樹脂、ワックス等を例示することができる。カバー体
(14)と基板(13)とは、断熱容器(1)内からの
気体を基板(13)の孔(16)から排出させるため、
比較的弱い接着強度が必要であり、前記接着剤(15)
による接着層の厚さは1〜50μm、望ましくは2〜3
0μm、である。
【0043】また、孔(16)の周辺部から端部にかけ
て1又は2以上の気体排出経路のみを、前記基板(1
3)とカバー体(14)との接着強度となし、その他の
接着部分は更に接着強度を増加することもできる。
【0044】本発明者らの蓋材(11)は、断熱容器
(1)のフランジ部(5)の外形とほぼ同一の形状に成
形され、断熱容器(1)に食品(S)を充填し、のち常
法によりフランジ部(5)に、接着剤(8)により比較
的強く接着される。
【0045】基板(13)とフランジ部(5)との接着
は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、エ
チレン−アクリル酸系樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂
等の樹脂又は接着剤(8)により、常法により比較的強
力に接着されるが、通常、常温で300gf/15mm
以上、望ましくは800〜1500gf/15mm、の
接着強度で接着される。この場合、接着強度が常温で3
00gf/15mm未満の場合は、密封性を損なう恐れ
がある。更に、本発明者らの蓋材(11)においては、
前記基板(13)とカバー体(14)との接着強度は、
基板(13)とフランジ部(5)との接着強度の約2/
3以下に調整することが望ましい。
【0046】以上のような密封容器(10)を電子レン
ジで加熱した場合、加熱による密封容器(10)内の圧
力の増加に伴い、前記基板(13)に穿孔された孔(1
6)を通して密封容器(10)内から気体が、基板(1
3)とカバー体(14)との比較的弱い接着層(15)
に排出され、その圧力により自然に基板(13)とカバ
ー体(14)とが剥離し、気体が密封容器(10)外に
排出される。従って、密封容器(10)内の圧力が増加
しないので、密封容器(10)を開封又は穿孔すること
なく、内部の食品(S)をそのまま加熱することができ
るのである。
【0047】尚、補足すれば、密封容器(10)に密封
された食品(S)は、通気性がない材質で密封されてい
るので、衛生的に保存することが可能であり、飲食時に
開封、穿孔等の必要がなく、そのまま電子レンジで加熱
し、密封容器(10)の破裂による電子レンジ内の汚
染、火傷等がなく安全に摂取することができる。また、
コンビニエンス・ストアー等で電子レンジにより加熱
し、車、自宅等に運搬することも容易であるという利点
を有する。更に、密封容器(10)がシールされている
ので、加熱による水分の過剰な蒸発、突沸等の防止にも
有効である。
【0048】以上のように、密封容器(10)を電子レ
ンジに入れ、食品(S)を加熱した場合には、後記試験
例に示すように、食品(S)の液位(s1)よりも上の
空間(A)には蒸気がこもり、この範囲は、他の部分に
比べて高温になる。従って、容器本体(1a)も、食品
(S)の液位(s1)よりも上の範囲が、最も高温とな
るのである。
【0049】即ち、密封容器(10)をそのまま電子レ
ンジで加熱した場合には、前記第一の発明の断熱容器
(1)のように、予め容器が開放された状態で電子レン
ジで加熱する場合とは温度条件が相違し、食品(S)の
液位(s1)よりも上の範囲が、最も高温となるのであ
る。
【0050】しかしながら、本発明の密封容器(10)
は、前記第一の発明の断熱容器(1)を使用しているた
め、胴部(2)のうち、食品(S)の液位(s1)より
も上の範囲には、シ−ト状断熱材(6)が貼着されてい
る。従って、食品(S)の液位(s1)よりも上の範囲
が最も高温となっているにもかかわらず、安全に把持す
ることができるのである。
【0051】また、加熱した食品(S)を喫食する前に
は、蓋材(11)を剥離して、密封容器(10)を開封
するのであるが、一般に、この際には、片手で密封容器
(10)を把持し、もう片方の手で蓋材(11)を剥離
する。そして、本発明の密封容器(10)は、シ−ト状
断熱材(6)を介して密封容器(10)を片手で把持
し、もう片方の手で安全に蓋材(11)を剥離すること
ができるのである。従って、内部の食品(S)がいかに
高温になったとしても、安全に開封し喫食することがで
きるのである。
【0052】尚、密封容器(10)を開封後は、蒸気が
容器から放出されるため、最も高温であった食品(S)
の液位(s1)よりも上部(A)は、温度が急激に低下
する。
【0053】本発明において、食品(S)としては、常
温よりも高い温度で喫食する各種の食品が望ましく、例
えば、コーヒー、紅茶等の飲料、スープ類等の食品、お
かゆ、リゾット、ぜんざい等の流動状又は半固形状食品
が好ましい。また、本発明は、おでん、肉類、惣菜等の
固形状食品、加熱により液状となる各種冷凍食品等に使
用することも可能である。
【0054】次に試験例を示して、本発明を詳しく説明
する。 試験例 この試験は、本発明の密封容器において、シ−ト状断熱
材の有効な位置を確認するために行った。
【0055】1)試料の調整 後記実施例2に記載した密封容器(図3参照)の、フィ
ルム(7)及び超低密度紙(6)を除去して試験試料と
した。
【0056】2)試験方法 試験試料を、そのまま電子レンジ(松下電機社製、NE
−AT80)に入れて加熱した。表面非接触式温度計
(オプテックス社製、PT−3LR型)により、試験試
料の胴部の各所について表面の温度を測定した。
【0057】3)試験結果 試験試料の胴部の表面温度は、底部より1cm上の箇所
では53.5℃であり、胴部の中央部は61.7℃であ
り、これらの箇所は、食品の液位よりも下部に位置して
いた。また胴部の上部より1cm下の箇所においては、
表面温度は79.6℃であり、この箇所は、食品の液位
よりも上部に位置していた。
【0058】以上の結果、密封容器においては、電子レ
ンジで加熱した後は、食品の液位よりも上部が、他の部
分よりも著しく温度が高くなることが明らかである。
【0059】この試験の結果、本発明の密封容器は、最
も温度が高くなる場所に、効率的にシ−ト状断熱材が配
置されていることが確認された。
【0060】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を詳記するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0061】実施例1 図1は、本発明の電子レンジ加熱食品用断熱容器の一実
施例を示す正面図である。
【0062】本発明の断熱容器1は、胴部2及び底部3
を有する容器本体1aを備えており、この容器本体1a
は、基本的にはポリプロピレンの材料で形成された深し
ぼり容器である。
【0063】胴部2の上部にはスタック用の段差4が設
けられており、断熱容器1を積み重ねる際には、この段
差4により均等かつ確実に積み重ねることができる。胴
部2の上部開口部にはフランジ部5が形成されており、
フランジ部5の上面は接着面5aとなっている。
【0064】胴部2の外側は、全面にわたってポリエス
テル製のフィルム7により被覆されている。
【0065】前記段差4の外側には、シ−ト状断熱材と
して、70g/m2 の超低密度紙6(新王子製紙社製。
「フワットライト」:商標)を短冊状に切ったものを貼
着してある。尚、超低密度紙6は、前記フィルム7の下
側にあるため、図1においては点線で示している。
【0066】以上の断熱容器1は、内部に食品を充填し
た上で電子レンジに入れ、食品を加熱することができ
る。この場合に、高温となった食品により、胴部2も熱
伝導によって高温となるが、超低密度紙6が貼着された
段差4は、指で直接把持することが可能であり、食品を
安全に喫食することができる。尚、この場合、段差4以
外の範囲は断熱されていないため、手が触れれば食品が
高温であることを感知することができる。従って、熱い
食品を一気に喫食して口腔、食道等に火傷を負う危険性
が少ないのである。
【0067】また、図1から明らかなとおり、本発明の
断熱容器1は、段差4以外の範囲には超低密度紙6が存
在しないため、美しく印刷を施すことができる。従っ
て、流通、販売はもとより、購入後にも消費者の印象が
良好であり、従来の断熱容器に比して、商品価値が高い
のである。
【0068】更に、超低密度紙6は最小範囲のみしか貼
着されていないため、製造コストが安価となる。
【0069】実施例2 図2は、本発明の密封容器の一実施例の外観を示す斜視
図であり、図3は、図2におけるX−X´線の断面を拡
大して示す拡大断面図である。図2及び図3において、
図1と共通する要素には図1と同一の符号を付して詳細
な説明は省略する。
【0070】図2において、密封容器10は、前記実施
例1の断熱容器1のフランジ部5に、本発明の蓋材11
が被嵌されたものである。断熱容器1の内部にはス−プ
S(図3参照)が充填されており、蓋材11によって密
封されている。
【0071】蓋材11は、断熱容器1のフランジ部5の
上面5aに接着されており、挟持用の舌片部12を備え
ている。尚、蓋材11は、基板13及びカバー体14
(図3参照)の積層体として構成されているが、下側の
基板13には、気体排出孔16が設けられている。
【0072】図3において、容器本体1aは、基本的に
はポリプロピレンの材料で形成された基本層1bからな
っており、この基本層1bにフィルム7が被覆されてい
る。そして段差4においては、基本層1bの外側かつフ
ィルム7の内側に、超低密度紙6が貼着されている。こ
のような、容器本体1aに、ス−プSが充填されている
のである。
【0073】ス−プSを密封する蓋材11は、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)製の厚さ42μmの基板
13、並びに厚さ12μmのPET層14a及び厚さ9
0μm紙層14bの積層材からなるカバー体14から構
成され、この基板13とカバー体14とが、常温(20
℃)における接着強度250gf/15mmでポリエチ
レン系の接着剤15により接着されているものである。
【0074】基板13の一端には挟持用の舌片部12が
設けられ、この舌片部12とほぼ反対の端(他端側)に
は孔16が形成され、この孔16はカバー体14により
被覆されている。即ち、前記舌片部12及び孔16が形
成されている基板13の上部に、紙層14bが接着さ
れ、更にその上部にPET層14aが接着され、孔16
はカバー体14により被覆され、完全に封鎖されてい
る。
【0075】蓋材11は、ポリプロピレン製の接着剤8
によりス−プSが充填された断熱容器1のフランジ部5
の上面5aに、常温(20℃)における接着強度100
0gf/15mmで接着されている。
【0076】容器本体1aに充填されたス−プSを電子
レンジで加熱する場合、蓋材11の一部又は全部を開封
することなく、密封容器10の状態のまま電子レンジで
加熱する。加熱により食品から水蒸気が発生し、密封容
器10内の圧力が増加するが、水蒸気は孔16を介して
接着強度の弱いカバー体14を押上げるので、孔16の
周囲においてカバー体14が自然に剥離し、孔16側に
あるカバー体14が基板13から剥離する。この剥離に
より密封容器10内と外部との隔離が解除され、密封容
器10内の圧力が低下するので、蓋材11をした状態で
加熱を継続することが可能であり、密封容器10の破裂
等の望ましくない現象は生じない。また、孔16の他端
の舌片部12側では、カバー体14は基板13に接着さ
れた状態を維持している。
【0077】加熱終了後、密封容器10を電子レンジか
ら取出し、舌片部12を剥離方向に手指で引き、蓋材1
1を断熱容器1から除去することができる。この除去に
おいて、舌片部12は、孔16から離れた位置にあるの
で、加熱時に孔16から水蒸気が排出しても、舌片部1
2は加熱されず、蓋材11の除去が容易に実施できる。
【0078】そして、この際に、密封容器10の内部に
おいて、ス−プSの液面s1よりも上の空間Aには蒸気
が充満しており、この結果、空間Aは極めて高温となっ
ている。しかしながら、本発明の密封容器10は、前記
断熱容器1の段差4に、超低密度紙6が貼着されてい
る。従って、この段差4の部分を片手で把持し、他方の
手で舌片部12を挟持して引っ張ることができるため、
簡単に、しかも安全確実に、密封容器10を開封するこ
とができるのである。
【0079】以上のように、本発明の密封容器10は、
必要かつ最小限の範囲にのみ超低密度紙6を配置したも
のであるから、従来の断熱容器を使用するよりも、製造
コストを大幅に低減させることができる。
【0080】
【発明の効果】本発明の電子レンジ加熱食品用断熱容器
は、安価でありながら、容器の印刷面を美しく維持で
き、安全に素手で把持できるとともに食品が高温である
ことを容易に感知でき安全に喫食し得る。
【0081】また、本発明の電子レンジ加熱食品入りの
密封容器は、容器コストが安価でありながら、容器の印
刷面を美しく維持でき、安全に素手で把持できるととも
に食品が高温であることを容易に感知でき、しかも高温
状態で開封する際には、簡便、安全、確実に開封するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の電子レンジ加熱食品用断熱容
器の一実施例を示す正面図である。
【図2】図2は、本発明の密封容器の一実施例の外観を
示す斜視図である。
【図3】図3は、図2におけるX−X´線の断面を拡大
して示す拡大断面図である。
【符号の説明】
S ス−プ 1 断熱容器 2 胴部 3 底板 4 段差 5 フランジ部 6 超低密度紙 7 フィルム 8 接着剤 10 密封容器 11 蓋材 12 舌片部 13 基板 14 カバ−体 15 接着剤 16 孔(気体排出孔)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次のa)及びb)、 a)マイクロ波透過性の胴部及び底板を有し、電子レン
    ジにより加熱される食品が充填される容器本体、 b)前記容器本体外側の、胴部の電子レンジ加熱食品の
    液面よりも上部に貼着されるシ−ト状断熱材、を備え、
    電子レンジ加熱食品を電子レンジにより加熱後に、前記
    b)のシ−ト状断熱材を介して前記a)の容器本体を素
    手で安全に把持し得ることを特徴とする電子レンジ加熱
    食品用断熱容器。
  2. 【請求項2】 次のa)〜c)、 a)マイクロ波透過性の胴部及び底板を有し、電子レン
    ジにより加熱される食品が充填される容器本体、 b)前記容器本体外側の、胴部の電子レンジ加熱食品の
    液面よりも上部に貼着されるシ−ト状断熱材、 c)前記容器本体の開口部に被嵌され、充填された電子
    レンジ加熱食品を密封し、次のc1)及びc2)、 c1)気体排出孔を有する非通気性材の基板、 c2)前記気体排出孔を被覆し、容器本体の圧力の増加
    により自然に剥離可能な接着強度で前記c1)の基板の
    上面に剥離可能に接合されたカバ−体、 を有する蓋材、を備え、電子レンジ加熱食品を電子レン
    ジにより加熱後、前記b)のシ−ト状断熱材を介して前
    記a)の容器本体を素手で把持し前記c)の蓋材を安全
    に開封できることを特徴とする電子レンジ加熱食品入り
    の密封容器。
JP10175417A 1998-06-08 1998-06-08 電子レンジ加熱食品用断熱容器及び電子レンジ加熱 食品入りの密封容器 Pending JPH11349064A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010036975A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Toppan Printing Co Ltd 蓋材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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