JP2010034279A - 炭化珪素半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】p型コンタクト抵抗を低減でき、素子のスイッチングスピードを下げないようにすることができる炭化珪素半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板6のうち第1〜第3コンタクトホール12〜14から露出した部位に、炭化珪素とAlとNiとが反応してそれぞれ形成された合金層15が設けられている。この合金層15におけるAlとNiとの元素組成比は1:4.6〜1:10.6であり、合金層15の厚さは20nm以上100nm以下になっている。これにより、合金層15と半導体基板6とがオーミック接触となり、低いコンタクト抵抗率を得ることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素半導体装置およびその製造方法に関する。
従来より、炭化珪素半導体装置としてMOSFETやJ−FETが、例えば特許文献1、2で提案されている。このうち、特許文献1では、炭化珪素半導体装置の上に形成された層間絶縁膜のコンタクトホールを介して、p型ベース領域に接続される電極がAl膜で構成され、このAl膜がコンタクトホールの側面から離間した位置にのみ形成されたMOSFET構造が示されている。これによると、Al膜がゲート絶縁膜に接触することを防止してゲート/ソース間のリーク防止が図られている。また、n型ソース領域に接続されるNi膜がAl膜をオーバーラップするように形成されている。これにより、コンタクト領域とのコンタクト抵抗が低減されている。
一方、特許文献2では、p型領域およびn型領域が形成された炭化珪素半導体基板において、該基板の上に形成された層間絶縁膜に、p型領域およびn型領域がそれぞれ露出するようにコンタクトホールが形成されたJ−FET構造が示されている。そして、各コンタクトホールを介して、p型領域の上にゲート配線としてNi膜とその上に積層されたNiおよびAlの合金膜が形成され、n型領域の上にソース配線としてNiおよびAlの合金層が形成されている。
特開2000−12846号公報 特開2005−166724号公報
しかしながら、上記特許文献1では、層間絶縁膜のコンタクトホール側面からp型オーミック電極となるAl膜を離間して配置する必要性から微細化(セルサイズ縮小)が難しく、オン抵抗の低いMOSFETを得ることができないという問題がある。
また、特許文献2では、微細化したコンタクトホール内での、Alパターニングが不可能であるため、Al膜の形成を省略している。すなわち、p型領域の上にNi膜を形成している。その結果、Ni膜とp型領域とのコンタクト抵抗が高くなり、ゲート抵抗に起因してスイッチング速度が遅くなり、スイッチング損失が増大する問題がある。
本発明は、上記点に鑑み、p型コンタクト抵抗を低減でき、素子のスイッチングスピードを下げないようにすることができ、かつ、微細化によるオン抵抗の低減が可能な炭化珪素半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、第1導電型の炭化珪素からなる基板(1)に、該基板(1)よりも低濃度な炭化珪素からなる第1導電型の第1半導体層(2)、炭化珪素からなる第2導電型の第2半導体層(3)、炭化珪素からなる第1導電型の第3半導体層(4、5)が順に形成されてなる半導体基板(6)と、半導体基板(6)のセル部に形成され、第3、第2半導体層(3〜5)を貫通して第1半導体層(2)まで達する溝(7)と、溝(7)の内壁面に形成された第1導電型のチャネル層(8)と、チャネル層(8)の上に形成された炭化珪素からなる第2導電型半導体領域(9)と、半導体基板(6)の上に形成されたSiOよりなる層間絶縁膜(11)と、第2導電型半導体領域(9)が露出するように層間絶縁膜(11)が開口された第1コンタクトホール(12)と、第3半導体層(4、5)が露出するように層間絶縁膜(11)が開口された第2コンタクトホール(13)と、半導体基板(6)のうち第1コンタクトホール(12)から露出した第2導電型半導体領域(9)、および第2コンタクトホール(13)から露出した第3半導体層(4、5)に、炭化珪素とAlとNiとが反応してそれぞれ形成された合金層(15)と、第2導電型半導体領域(9)の上に形成された合金層(15)の上に形成され、第2導電型半導体領域(9)をゲート層として、該ゲート層と電気的に接続されたゲート配線(16)と、第3半導体層(4、5)の上に形成された合金層(15)の上に形成され、第3半導体層(4、5)をソース層として、該ソース層と電気的に接続されたソース配線(17)と、基板(1)の裏面に形成されたドレイン電極(19)とを備え、合金層(15)におけるAlとNiとの元素組成比は1:4.6〜1:10.6であり、合金層(15)の厚さは20nm以上100nm以下であることを特徴とする。
これによると、炭化珪素、Al、Niが反応して形成されたAlとNiとの元素組成比が1:4.6〜1:10.6である20nm以上の合金層(15)であるため、合金層(15)を第2導電型半導体領域(9)にも第3半導体層(4、5)にもオーミック接触させることができる。したがって、コンタクト抵抗を低減できる。これに伴い、ゲート抵抗を低減できるので、素子のスイッチングスピードが低下しないようにすることができる。
更に、合金層(15)の厚さが100nm以下であるので、第1、第2コンタクトホール(12、13)内の電気抵抗が極力低減された素子とすることができる。したがって、従来に比べて、第1、第2コンタクトホール(12、13)内の炭化珪素表面全域にコンタクト領域を設定することができる。このため、セルサイズが縮小された低抵抗な素子を実現することができる。
請求項2に記載の発明では、第1導電型の炭化珪素からなる基板(30)の表面側に、該基板(30)よりも低濃度な炭化珪素からなる第1導電型の半導体層(31)と、炭化珪素からなる第2導電型のベース領域(32)とが順に形成されてなる半導体基板(33)と、ベース領域(32)の所定領域に形成された第1導電型のソース領域(34)と、ベース領域(32)の所定領域に形成された第2導電型のコンタクト領域(35)と、ベース領域(32)とソース領域(34)とを共に貫通し、半導体層(31)に達する溝(36)と、溝(36)の内壁面に形成されたゲート絶縁膜(40)と、溝(36)内におけるゲート絶縁膜(40)の内側に形成されたゲート電極層(41)と、ゲート電極層(41)上に形成され、ソース領域(34)およびコンタクト領域(35)に連通するコンタクトホール(43)を備えたSiOよりなる層間絶縁膜(42)と、半導体基板(33)のうちコンタクトホール(43)から露出するソース領域(34)およびコンタクト領域(35)に、炭化珪素とAlとNiとが反応して形成された合金層(44)と、合金層(44)の上に形成されたソース電極層(45)と、基板(30)の裏面に形成された裏面電極層(47)とを備え、合金層(44)におけるAlとNiとの元素組成比は1:4.6〜1:10.6であり、合金層(44)の厚さは20nm以上100nm以下であることを特徴とする。
これによると、第2導電型のコンタクト領域(35)と第1導電型のソース領域(34)とのオーミック接触を同一の合金層(44)によって確保することができる。したがって、ソース領域(34)およびコンタクト領域(35)とソース電極層(45)とのコンタクト抵抗を低減できる。これに伴い、素子のスイッチングスピードの低下を防止できる。
また、Alがゲート絶縁膜(40)と反応することがないため、ゲート電極層(41)とソース電極層(45)との絶縁性を容易に確保できる。したがって、コンタクトホール(43)の面積を効果的に低減でき、セルサイズが縮小された低抵抗な素子を実現することができる。なお、合金層(44)の元素組成比および厚さの規定による効果は、請求項1と同様である。
請求項3に記載の発明では、合金層におけるAlとNiとの元素組成比は1:7.6であることを特徴とする。
これによると、AlとNiとの元素組成比が1:7.6の場合、第1導電型のものに対するコンタクト抵抗率が2×10−4Ωcm以下となり、第2導電型のものに対するコンタクト抵抗率が5×10−3Ωcm以下となる。このため、耐圧劣化のない、低抵抗な素子を実現することができる。
請求項4に記載の発明では、第1導電型の炭化珪素からなる基板(1)に、該基板(1)よりも低濃度な炭化珪素からなる第1導電型の第1半導体層(2)、炭化珪素からなる第2導電型の第2半導体層(3)、炭化珪素からなる第1導電型の第3半導体層(4、5)が順に形成されてなる半導体基板(6)を用意する工程と、半導体基板(6)のセル部に、第3、第2半導体層(3〜5)を貫通して第1半導体層(2)まで達する溝(7)を形成し、溝(7)の内壁面に第1導電型のチャネル層(8)を形成し、チャネル層(8)の上に炭化珪素からなる第2導電型半導体領域(9)を形成する工程と、半導体基板(6)の上にSiOよりなる層間絶縁膜(11)を形成する工程と、第2導電型半導体領域(9)が露出するように層間絶縁膜(11)を開口させた第1コンタクトホール(12)、および第3半導体層(4、5)が露出するように層間絶縁膜(11)を開口させた第2コンタクトホール(13)を形成する工程と、層間絶縁膜(11)の上、および第1、第2コンタクトホール(12、13)から露出した第2導電型半導体領域(9)および第3半導体層(4、5)の上に、10nm以上20nm以下のNi膜(20)と2nm以上4nm以下のAl膜(21)とをNi膜(20)から順に積層する工程と、無酸素雰囲気において1000℃以下の熱処理により、炭化珪素とAlとNiとを反応させて第1、第2コンタクトホール(12、13)内に合金層(15)を形成する工程と、層間絶縁膜(11)の上に形成されたNiおよびAlによる化合物層(22)を酸洗浄で除去する工程と、第2導電型半導体領域(9)の上に形成された合金層(15)の上に、第2導電型半導体領域(9)をゲート層として該ゲート層と電気的に接続されたゲート配線(16)を形成すると共に、第3半導体層(4、5)の上に形成された合金層(15)の上に、第3半導体層(4、5)をソース層として該ソース層と電気的に接続されたソース配線(17)とを形成する工程と、基板(1)の裏面にドレイン電極(19)を形成する工程とを含んでいることを特徴とする。
これによると、前記層間絶縁膜(11)の上、および前記第1、第2コンタクトホール(12、13)から露出した前記第2導電型半導体領域(9)および前記第3半導体層(4、5)全体に10nm以上20nm以下のNi膜(20)および2nm以上4nm以下のAl膜(21)を順番に積層し、熱処理している。このため、第1、第2コンタクトホール(12、13)内の前記第2導電型半導体領域(9)および前記第3半導体層(4、5)では、合金層(15)はオーミック接触となる。したがって、コンタクト抵抗が低減した炭化珪素半導体装置を得ることができる。これに伴い、素子のスイッチングスピードの低下を防止した炭化珪素半導体装置を得ることができる。
また、層間絶縁膜(11)上では、下地のNiによりAlの拡散が抑制され、層間絶縁膜(11)とAlとの反応層の形成がない。これにより、酸洗浄で層間絶縁膜(11)上の余分なNiとAlとの化合物層(22)を除去することができる。
請求項5に記載の発明では、第1導電型の炭化珪素からなる基板(30)の表面側に、該基板(30)よりも低濃度な炭化珪素からなる第1導電型の半導体層(31)と、炭化珪素からなる第2導電型のベース領域(32)とが順に形成されてなる半導体基板(33)を用意する工程と、ベース領域(32)の所定領域に第1導電型のソース領域(34)と第2導電型のコンタクト領域(35)とを形成する工程と、ベース領域(32)とソース領域(34)とを共に貫通し、半導体層(31)に達する溝(36)を形成し、溝(36)の内壁面にゲート絶縁膜(40)を形成し、溝(36)内におけるゲート絶縁膜(40)の内側にゲート電極層(41)を形成する工程と、ゲート電極層(41)上にSiOよりなる層間絶縁膜(42)を形成する工程と、層間絶縁膜(42)において、ソース領域(34)およびコンタクト領域(35)に連通するコンタクトホール(43)を形成する工程と、層間絶縁膜(42)の上、およびコンタクトホール(43)から露出したソース領域(34)およびコンタクト領域(35)の上に、10nm以上20nm以下のNi膜(20)と2nm以上4nm以下のAl膜(21)とをNi膜(20)から順に積層する工程と、無酸素雰囲気において1000℃以下の熱処理により、炭化珪素とAlとNiとを反応させてコンタクトホール(43)内に合金層(44)を形成する工程と、層間絶縁膜(42)の上に形成されたNiおよびAlによる化合物層(22)を酸洗浄で除去する工程と、合金層(44)の上にソース電極層(45)を形成する工程と、基板(30)の裏面に裏面電極層(47)を形成する工程とを含んでいることを特徴とする。
これによると、上記と同様に、コンタクトホール(43)内のソース領域(34)およびコンタクト領域(35)では、合金層(44)はオーミック接触となる。したがって、コンタクト抵抗を低減することができ、素子のスイッチングスピードの低下を防止した炭化珪素半導体装置を製造することができる。
また、層間絶縁膜(42)とAlとの反応層が形成されないため、ゲート電極層(41)とソース電極層(45)との絶縁性を容易に確保できる。すなわち、ゲートリークの無い素子を形成することができる。
さらに、Al膜(21)に対する特別なパターニングも必要ないため、ホト工程を削減できる。このため、作製コストも低減できる。
請求項6に記載の発明では、第1導電型の炭化珪素からなる基板(1)に、該基板(1)よりも低濃度な炭化珪素からなる第1導電型の第1半導体層(2)、炭化珪素からなる第2導電型の第2半導体層(3)、炭化珪素からなる第1導電型の第3半導体層(4、5)が順に形成されてなる半導体基板(6)を用意する工程と、半導体基板(6)のセル部に、第3、第2半導体層(3〜5)を貫通して第1半導体層(2)まで達する溝(7)を形成し、溝(7)の内壁面に第1導電型のチャネル層(8)を形成し、チャネル層(8)の上に炭化珪素からなる第2導電型半導体領域(9)を形成する工程と、半導体基板(6)の上にSiOよりなる層間絶縁膜(11)を形成する工程と、第2導電型半導体領域(9)が露出するように層間絶縁膜(11)を開口させた第1コンタクトホール(12)、および第3半導体層(4、5)が露出するように層間絶縁膜(11)を開口させた第2コンタクトホール(13)を形成する工程と、層間絶縁膜(11)の上、および第1、第2コンタクトホール(12、13)から露出した第2導電型半導体領域(9)および第3半導体層(4、5)の上に、20nm以上50nm以下のNi膜(20)と、Al膜(21)とNi膜(20)との膜厚比が1:3〜1:7であるAl膜(21)とを積層する工程と、無酸素雰囲気において1000℃以下の熱処理により、炭化珪素とAlとNiとを反応させて前記第1、第2コンタクトホール(12、13)内に合金層(15)を形成する工程と、第2導電型半導体領域(9)の上に形成された合金層(15)の上に、第2導電型半導体領域(9)をゲート層として該ゲート層と電気的に接続されたゲート配線(16)を形成すると共に、第3半導体層(4、5)の上に形成された合金層(15)の上に、第3半導体層(4、5)をソース層として該ソース層と電気的に接続されたソース配線(17)とを形成する工程と、基板(1)の裏面にドレイン電極(19)を形成する工程とを含んでいることを特徴とする。
これによると、Ni膜(20)およびAl膜(21)の膜厚に多少のバラツキが発生しても、合金層(15)の膜厚を確保できる。このため、合金層(15)は、第2導電型半導体領域(9)および第3半導体層(4、5)に対して確実なオーミック接触を得ることができる。したがって、コンタクト抵抗を低減することができ、素子のスイッチングスピードが下がらない炭化珪素半導体装置を得ることができる。
請求項7に記載の発明では、ゲート配線(16)およびソース配線(17)を形成する工程では、ゲート配線(16)およびソース配線(17)を形成した後、ゲート配線(16)およびソース配線(17)をマスクとして、層間絶縁膜(11)上に形成されたNi、Al、およびSiOによる化合膜(23)をドライエッチングによって除去する工程が含まれていることを特徴とする。
このように、ゲート配線(16)およびソース配線(17)をマスクとして、層間絶縁膜(11)上の化合膜(23)をドライエッチングにより除去するため、余分なパターニングを必要とすることなく、層間絶縁膜(11)上の化合膜(23)を除去できる。これにより、ゲート/ソース間の短絡を防止することができる。
請求項8に記載の発明では、ゲート配線(16)およびソース配線(17)を形成する工程では、合金層(15)および層間絶縁膜(11)上に形成されたNi、Al、およびSiOによる化合膜(23)の上に金属膜を形成する工程と、金属膜の上にレジストを形成してパターニングする工程と、パターニングされたレジストをマスクとして、金属膜および化合膜(23)を連続してドライエッチングして除去することにより、ゲート配線(16)およびソース配線(17)を形成する工程と含んでいることを特徴とする。
このように、金属膜と化合膜(23)とを連続してドライエッチングするため、余分な工程を経ることなくゲート配線(16)およびソース配線(17)を形成することができる。また、製造コストを低減することができる。
請求項9に記載の発明では、第1導電型の炭化珪素からなる基板(30)の表面側に、該基板(30)よりも低濃度な炭化珪素からなる第1導電型の半導体層(31)と、炭化珪素からなる第2導電型のベース領域(32)とが順に形成されてなる半導体基板(33)を用意する工程と、ベース領域(32)の所定領域に第1導電型のソース領域(34)と第2導電型のコンタクト領域(35)とを形成する工程と、ベース領域(32)とソース領域(34)とを共に貫通し、半導体層(31)に達する溝(36)を形成し、溝(36)の内壁面にゲート絶縁膜(40)を形成し、溝(36)内におけるゲート絶縁膜(40)の内側にゲート電極層(41)を形成する工程と、ゲート電極層(41)上にSiOよりなる層間絶縁膜(42)を形成する工程と、層間絶縁膜(42)において、ソース領域(34)およびコンタクト領域(35)に連通するコンタクトホール(43)を形成する工程と、層間絶縁膜(42)の上、およびコンタクトホール(43)から露出したソース領域(34)およびコンタクト領域(35)の上に、20nm以上50nm以下のNi膜(20)と、Al膜(21)とNi膜(20)との膜厚比が1:3〜1:7であるAl膜(21)とを積層する工程と、無酸素雰囲気において1000℃以下の熱処理により、炭化珪素とAlとNiとを反応させてコンタクトホール(43)内に合金層(46)を形成する工程と、合金層(46)の上にソース電極層(45)を形成する工程と、基板(30)の裏面に裏面電極層(47)を形成する工程とを含んでいることを特徴とする。
これにより、MOSFETについて、請求項5と同様の効果を得ることができる。
請求項10に記載の発明では、第1導電型の炭化珪素からなる基板(30)の表面側に、該基板(30)よりも低濃度な炭化珪素からなる第1導電型の半導体層(31)と、炭化珪素からなる第2導電型のベース領域(32)とが順に形成されてなる半導体基板(33)を用意する工程と、ベース領域(32)の所定領域に第1導電型のソース領域(34)と第2導電型のコンタクト領域(35)とを形成する工程と、ベース領域(32)とソース領域(34)とを共に貫通し、半導体層(31)に達する溝(36)を形成し、溝(36)の内壁面にゲート絶縁膜(40)を形成し、溝(36)内におけるゲート絶縁膜(40)の内側にゲート電極層(41)を形成する工程と、ゲート電極層(41)上にSiOよりなる層間絶縁膜(42)を形成する工程と、層間絶縁膜(42)において、ソース領域(34)およびコンタクト領域(35)に連通するコンタクトホール(43)と、ゲート電極層(41)に連通するゲートコンタクトホール(48)とを形成する工程と、層間絶縁膜(42)の上、コンタクトホール(43)から露出したソース領域(34)およびコンタクト領域(35)の上、およびゲートコンタクトホール(48)から露出したゲート電極層(41)の上に、20nm以上50nm以下のNi膜(20)と、Al膜(21)とNi膜(20)との膜厚比が1:3〜1:7であるAl膜(21)とを積層する工程と、無酸素雰囲気において1000℃以下の熱処理により、炭化珪素とAlとNiとを反応させてコンタクトホール(43)内およびゲートコンタクトホール(48)内に合金層(46)を形成する工程と、ゲート電極層(45)の上に形成された合金層(46)の上にゲート配線(49)を形成すると共に、ソース領域(34)およびコンタクト領域(35)の上に形成された合金層(46)の上にソース電極層(45)を形成する工程と、基板(30)の裏面に裏面電極層(47)を形成する工程とを含んでいることを特徴とする。
これにより、請求項6と同様に、Ni膜(20)およびAl膜(21)の膜厚に多少のバラツキが発生しても、合金層(46)の膜厚を確保できる。このため、合金層(46)は、ソース領域(34)、コンタクト領域(35)、およびゲート電極層(45)に対して確実なオーミック接触を得ることができ、コンタクト抵抗を低減することができる。
請求項11に記載の発明では、ゲート配線(49)およびソース電極層(45)を形成する工程では、ゲート配線(49)およびソース電極層(45)を形成した後、ゲート配線(49)およびソース電極層(45)をマスクとして、層間絶縁膜(42)上に形成されたNi、Al、およびSiOによる化合膜をドライエッチングによって除去する工程が含まれていることを特徴とする。
これにより、請求項7と同様に、余分なパターニングを必要とすることなく、層間絶縁膜(42)上の化合膜を除去できる。これにより、ゲート/ソース間の短絡を防止することができる。
請求項12に記載の発明では、Ni膜(20)とAl膜(21)とを積層する工程では、Al膜(21)とNi膜(20)との膜厚比を1:5とすることを特徴とする。
これにより、合金層において、第1導電型のものに対するコンタクト抵抗率が2×10−4Ωcm以下となり、第2導電型のものに対するコンタクト抵抗率が5×10−3Ωcm以下となる。このため、耐圧劣化のない、低抵抗な素子を実現することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。また、以下の各実施形態で示されるn−型、n+型は本発明の第1導電型に対応し、p型、p+型は本発明の第2導電型に対応している。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態を適用した炭化珪素半導体装置について説明する。図1は、本実施形態における炭化珪素半導体装置の断面図である。以下、この図に基づいて炭化珪素半導体装置の構成について説明する。
図1に示されるように、炭化珪素半導体装置には、例えば1×1019cm−3以上の不純物濃度とされたn+型基板1と、例えば1×1015〜5×1016cm−3の不純物濃度とされたn−型ドリフト層2と、例えば1×1018〜5×1019cm−3の不純物濃度とされたp+型層3と、例えば5×10−15cm−3の不純物濃度とされたn−型層4と、例えば1×1019cm−3の不純物濃度とされたn+型層5とが備えられている。これらn+型基板1、n−型ドリフト層2、p+型層3、n−型層4、およびn+型層5は、炭化珪素(SiC)によって構成されており、これらによって半導体基板6が構成されている。
半導体基板6の内部側には、多数のJ−FETが備えられたセル部が形成される。図1は、そのセル部の一部を示した断面図に相当している。
セル部(J−FET形成領域)における半導体基板6の主表面側には、n−型層4、n+型層5、およびp+型層3を貫通してn−型ドリフト層2まで達する第1の溝7が形成されている。この第1の溝7は、図1中ではすべて図示されていないが、実際には複数個所定間隔に並べられた状態で形成されている。この複数の第1の溝7それぞれの内壁面には、例えば1μm以下の厚さ、5×1015〜1×1017cm−3の不純物濃度とされたチャネル層となるn−型エピタキシャル層(以下、n−型エピ層という)8と、1×1018〜5×1020cm−3の不純物濃度とされたp+型層9とが順に成膜されている。
J−FETにおいては、p+型層3、9によって第1ゲート層と第2ゲート層が構成され、n−型層4およびn+型層5によってソース層が構成される。
また、半導体基板6の所定の位置に、n−型層4およびn+型層5を貫通してp+型層3まで達する第2の溝10が形成されている。
そして、半導体基板6の表面および第2の溝10の側壁にシリコン酸化膜(SiO)よりなる層間絶縁膜11が形成されている。この層間絶縁膜11には、p+型層3、n+型層5、p+型層9がそれぞれ露出するように第1〜第3コンタクトホール12〜14が形成されている。半導体基板6のうち各コンタクトホール12〜14から露出した部位に、Ni、Al、およびSiCが反応して形成された合金層15がそれぞれ設けられている。
この合金層15および層間絶縁膜11の上部にゲート配線16、ソース配線17、およびゲート電極18が形成されている。これにより、ゲート配線16は、第1ゲート層を成すp+型層9と電気的に接続されている。一方、ソース層を成すn−型層4およびn+型層5には、ソース配線17が電気的に接続されている。このソース配線17は、層間絶縁膜11を介して、ゲート配線16から電気的に分離された構成となっている。他方、ゲート電極18は、第2ゲート層を成すp+型層3と電気的に接続されている。
なお、ゲート配線16はトップゲートとして機能し、ゲート電極18はバリッドゲートとして機能する。ゲート配線16およびゲート電極18には、素子の制御方法に応じて、同じ電圧が印加される場合や異なる電圧が印加される場合がある。
そして、半導体基板6の裏面側にはn+型基板1と電気的に接続された裏面電極としてのドレイン電極19が形成され、このような構成によって複数のJ−FETによるセル部が構成されている。以上のように、J−FETによるセル部が備えられた炭化珪素半導体装置が構成されている。
次に、上記の炭化珪素半導体装置の合金層15について詳しく説明する。上述のように、合金層15は、Ni、Al、およびSiCが反応して形成されたものである。AlとNiとの元素組成比は1:4.6〜1:10.6であり、合金層15の厚さは20nm以上、100nm以下である。特に、本実施形態では、AlとNiとの元素組成比は1:7.6であり、合金層15の厚さは20nmである。
発明者らは、上記の各数値を導くため、n型オーミックのNi膜厚依存性と、コンタクト抵抗率のNi膜厚/Al膜厚比依存性をそれぞれ調べた。
まず、発明者らは、不純物濃度が1×1018cm−3のn型エピ層の上にNi蒸着膜を形成してn型オーミックのNi膜厚依存性を確認する実験を行った。その実験手順を図2に示すと共に、実験結果を図3に示す。
まず、n+型SiC基板(図2中、n+SiC基板)の上にn型エピ層(図2中、nエピ層)を形成し(図2(a))、該n型エピ層の上に厚さが0.4〜100nmのNiの蒸着膜を形成した(図2(b))。この後、Niの蒸着膜の通電チェックを行った(図2(c))。続いて、1000℃、無酸素雰囲気中で熱処理を行って合金層を形成し(図2(d))、再び通電チェックを行った(図2(e))。
Niの蒸着膜については、Ni膜厚を0.4nm、0.6nm、1nm、2nm、10nm、100nmとしたものをそれぞれ作成した。
そして、図3に示されるように、Ni膜がオーミック接触となる最小Ni膜厚は2nmであった。熱処理前では通電しておらず、Niがn型エピ層の上に点状に分布していたことが推察される。図示しないが、Ni膜厚が2nmの場合に熱処理の前後でそれぞれTEM観察を行ったところ、NiがSiC基板上に点状に形成されていた。熱処理後では、Niが点状でもオーミック接触であった。すなわち、1000℃の熱処理でオーミック特性を示す最低Ni膜厚は2nmであった。
また、Ni蒸着では、膜厚が10nmから点状から膜状に変わると推察される。これにより、Niによる蒸着膜を形成する際には、10nmを下限値とすることで膜状のNi蒸着膜が得られることがわかった。
次に、発明者らは、コンタクト抵抗率のNi膜厚/Al膜厚比依存性を調べた。SiC基板として1×1018cm−3の濃度のn型エピ基板と1×1018cm−3の濃度のp型エピ基板とを用意し、各エピ基板上に、Ni膜、Al膜(4nmで固定)を順に積層して無酸素雰囲気で1000℃の熱処理を実施して合金層を形成した。この後、合金層に係る電気的測定を行い、コンタクト抵抗率を得た。その結果を図4に示す。
図4に示されるように、Al膜厚を基準としたNi膜厚/Al膜厚比が1〜9の範囲でp型エピ基板およびn型エピ基板ともオーミック接触となった。また、Ni膜厚/Al膜厚比が3〜7の範囲でp型コンタクト抵抗率として1×10−2Ωcm以下が得られ、n型コンタクト抵抗率1×10−3Ωcm以下が得られた。さらに、Ni膜厚/Al膜厚比が5のとき、p型コンタクト抵抗率が最も低くなり、5×10−3Ωcmを示した。 しかも、n型コンタクト抵抗率でも2×10−4Ωcmで低いコンタクト抵抗率を示した。
この他、p型エピ基板の表面にNi、Alの順にNiを10nm、Alを2nm積層し、1000℃で熱処理するとオーミック特性が得られた(ρ=5×10−3Ωcm)。また、n型エピ基板の表面にNi、Alの順にNiを10nm、Alを2nm積層し、1000℃で熱処理した場合にもオーミック特性が得られた(ρ=2×10−4Ωcm)。
以上により、Al膜とNi膜との膜厚比を1:3〜1:7として合金層15を形成することで良好なコンタクト抵抗率が得られ、特に、膜厚比を1:5とすることがさらに好ましいことがわかった。
上記では、合金層15を製造する際のAl膜とNi膜との膜厚比について調べたが、該膜厚比によって形成された合金層15に含まれるAlとNiとの比については元素組成比として表すことができる。
Niについて膜厚比をX、密度D1を8908kg/m、原子量M1を58.7とする。また、Alについて膜厚比を1、密度D2を2700kg/m、原子量M2を27.0とする。
この場合、Niの重量組成比(wt%)はD1・X/(D1・X+D2)によって表され、さらに元素組成比(原子%)は(D1・X/M1)/(D1・X/M1+D2/M2)によって表される。同様に、Alの重量組成比(wt%)はD2/(D1・X+D2)によって表され、さらに元素組成比(原子%)は(D2/M2)/(D1・X/M1+D2/M2)によって表される。
この換算により、Al膜とNi膜との膜厚比を元素組成比に変換すると、膜厚比が1:3〜1:7というのは、元素組成比が1:4.6〜1:10.6ということと同じである。さらに、膜厚比が1:5というのは元素組成比が1:7.6ということと同じである。
すなわち、図4のグラフの横軸において、Ni膜厚/Al膜厚比が「3」というのは、元素組成比では4.6に相当する。同様に、Ni膜厚/Al膜厚比が「5」というのは、元素組成比では7.6に相当し、Ni膜厚/Al膜厚比が「7」というのは、元素組成比では10.6に相当する。
この他、SiO表面に10nmNi、2nmAlを順に積層し、1000℃で熱処理したところ、AlとSiOとが反応した合金層は形成されず、Ni/Al膜が剥離するということがわかった。一方、SiO表面に50nmの厚さのNi、10nmの厚さのAlを順に積層し、1000℃で熱処理したところ、AlとSiOとが反応した合金層は形成されたが、深さは100nm程度であることがわかった。
発明者らは、SiC上では合金層15が形成され、SiO上では合金層15が形成されない理由について検討した。これについて、図5を参照して説明する。
まず、図5(a)に示されるように、SiCの上に膜厚が10nmのNi、膜厚が2nmのAlが順に形成されたものを1000℃以下で熱処理するとする。この場合、NiとSiCとでは相互拡散が激しく、容易にNiシリサイド層が形成され、Alもシリサイド内および表面に存在し、p型エピ層、n型エピ層にもオーミック接触となる。
しかし、図5(b)に示されるように、SiOの上に膜厚が10nmのNi、膜厚が2nmのAlが順に形成されたものを1000℃以下で熱処理するとする。この場合、Niは、特開2004−327601号公報に示されるように、元来SiOと反応しない性質がある。Alは、SiOと相互拡散するが、Ni層がバリア層として作用する。このため、2nmの厚さのAlではAlとSiOの反応層は形成されなかったと思われる。
ただし、Al膜厚が10nm(Niは50nm)の厚さになると、AlとNiとの化合物がSiOを侵食する。その深さは上述のように約100nmとなる。
ここで、合金層15の厚さの下限値を20nm以上としたのは、Niが膜状に形成される最低の膜厚は10nmであり、10nmの膜厚のNiを合金化すると合金層15の厚さが20nmになることを根拠としている。
また、合金層15の厚さの上限値を100nm以下としたのは、合金層15が層間絶縁膜11を侵食して形成されることを考慮している。すなわち、層間絶縁膜11の厚さを500nm程度としたときに合金層15によって層間絶縁膜11すべてが侵食されないようにすることができる合金層15の最大厚さが100nm以下になることを根拠としている。
次に、上記の炭化珪素半導体装置の製造方法について、図6および図7を参照して説明する。
図6(a)に示す工程では、SiCで構成されたn+型基板1を用意し、このn+型基板1の上に、n−型ドリフト層2、p+型層3、n−型層4、およびn+型層5を順にエピタキシャル成長させる。これにより、半導体基板6を得る。
図6(b)に示す工程では、半導体基板6の所定の位置に第1の溝7を形成する。そして、n−型エピ層8、p+型層9の順に該第1の溝7内にn−型エピ層8およびp+型層9を埋め込み、半導体基板6上の余分なエピ膜を研磨除去する。
図6(c)に示す工程では、半導体基板6の所定の位置に第2の溝10を形成する。この後、第2の溝10の側壁および半導体基板6の表面に層間絶縁膜11を形成する。そして、層間絶縁膜11からp+型層3、n+型層5、p+型層9がそれぞれ露出するように層間絶縁膜11に第1〜第3コンタクトホール12〜14を形成する。
図7(a)に示す工程では、第1〜第3コンタクトホール12〜14から露出した半導体基板6および層間絶縁膜11の上に10nm以上20nm以下の厚さのNi膜20、2nm以上4nm以下の厚さのAl膜21を順に形成する。本実施形態では、10nmの厚さのNi膜20、2nmの厚さのAl膜21を順に形成する。
図7(b)に示す工程では、Ni膜20およびAl膜21が形成されたものを無酸素雰囲気において1000℃で熱処理する。これにより、半導体基板6であるSiC上のNi膜20/Al膜21は、SiCとAlとNiとが反応して形成されたシリサイド層(オーミック電極層)となる。このシリサイド層が合金層15である。一方、層間絶縁膜11上のNi膜20/Al膜21は、層間絶縁膜11とはほとんど反応せず、Ni膜20のNiとAl膜21のAlとが化合した化合物層22として残る。
合金層15の厚さは、Ni膜20のおよそ2倍の厚さとなる。Ni膜20が10nm以上20nm以下であれば、合金層15の厚さは20nm〜40nmの厚さとなる。本実施形態では、Ni膜20の厚さを10nmとしているので、合金層15の厚さは20nmとなる。
図7(c)に示す工程では、酸洗浄により、層間絶縁膜11上の化合物層22をエッチングにより除去し、第1〜第3コンタクトホール12〜14内の合金層15を残す。これにより、各合金層15はそれぞれ電気的に独立した状態となる。
この後、各コンタクトホール12〜14を埋めるようにゲート配線16、ソース配線17、およびゲート電極18をそれぞれ形成し、半導体基板6の裏面にドレイン電極19を形成することで、図1に示される微細J−FETを備えた炭化珪素半導体装置が完成する。
以上説明したように、本実施形態では、半導体基板6において、p+型層3、n+型層5、p+型層9の上に形成された合金層15の材料が同じであるため、製造工程を簡略化することができる。この場合、Φ1μm程度の微細なコンタクトホールにも適用でき、低オン抵抗化が可能となる。
また、第1〜第3コンタクトホール12〜14に対してセルフアラインでp型、n型共にオーミック電極である合金層15を形成できるため、工程が簡略化できるという利点もある。
そして、AlとNiとの元素組成比が1:4.6〜1:10.6である合金層15を形成しているため、合金層15をp+型層3、n+型層5、およびp+型層9にそれぞれオーミック接触させることができる。したがって、コンタクト抵抗を低減でき、ひいては素子のスイッチングスピードが低下しないようにすることが可能である。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、n+型基板1が特許請求の範囲の基板に対応し、n−型ドリフト層2が特許請求の範囲の第1半導体層に相当する。また、p+型層3が特許請求の範囲の第2半導体層に相当し、n−型層4およびn+型層5が特許請求の範囲の第3半導体層に相当する。さらに、第1の溝7が特許請求の範囲の溝に相当し、n−型エピ層が特許請求の範囲のチャネル層に相当する。また、p+型層9が特許請求の範囲の第2導電型半導体領域に相当する。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図8は、本実施形態における炭化珪素半導体装置の断面図である。この図に示されるように、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置では、図1に示される構造に対して、層間絶縁膜11上に化合膜23が形成された構造になっている。そして、合金層15および化合膜23の上にゲート配線16、ソース配線17、およびゲート電極18が形成されている。
次に、図8に示される炭化珪素半導体装置の製造方法について、図9を参照して説明する。まず、図7(a)〜図7(c)に示す工程を行い、半導体基板6上に層間絶縁膜11を形成したものを用意する。
続いて、図9(a)に示す工程では、第1〜第3コンタクトホール12〜14から露出した半導体基板6および層間絶縁膜11の上に20nm以上50nm以下のNi膜20、Al膜21とNi膜20との膜厚比が1:3〜1:7であるAl膜21を順に形成する。特に、Al膜21とNi膜20との膜厚比が1:5であることが好ましい。したがって、本実施形態では、50nmの厚さのNi膜20、10nmの厚さのAl膜21を順に形成する。なお、Al膜21、Ni膜20の順に形成しても良い。
図9(b)に示す工程では、Ni膜20およびAl膜21が形成されたものを無酸素雰囲気において1000℃で熱処理する。これにより、SiC上のNi膜20/Al膜21は、100nm程度のシリサイド層(オーミック電極層)すなわち合金層15となる。また、層間絶縁膜11上のNi膜20/Al膜21は、層間絶縁膜11であるSiOと反応して100nm程度の導電層すなわち化合膜23となる。
図9(c)に示す工程では、SiCと共に形成された合金層15を覆うように、合金層15および化合膜23の上にAl膜を形成してパターニングする。これにより、ゲート配線16、ソース配線17、およびゲート電極18を形成する。
図9(d)に示す工程では、ゲート配線16、ソース配線17、およびゲート電極18をマスクとして、該マスクから露出した化合膜23をドライエッチングで除去する。これにより、電極間の不要な接続を遮断する。
最後に、半導体基板6の裏面に裏面電極であるドレイン電極19を形成する。こうして、図8に示される微細J−FETを備えた炭化珪素半導体装置が完成する。
以上説明したように、Ni膜20およびAl膜21を第1実施形態よりも厚く形成することにより、工程の安定性を確保できる。すなわち、Ni膜20およびAl膜21の膜厚に多少のバラツキが発生しても、合金層15の膜厚を確保できる。もちろん、合金層15はp+型層3、n+型層5、およびp+型層9に対してそれぞれオーミック接触となるため、コンタクト抵抗を低減することが可能である。
(第3実施形態)
上記各実施形態ではJ−FETを備えた炭化珪素半導体装置について説明したが、1つのコンタクトホール内に、p型とn型とのオーミック電極が配置されているMOSFETにも適用可能である。このことについて、図10を参照して説明する。
図10に示されるMOSFETでは、n+型半導体基板30、n−型エピ層31、p型ベース領域32が順次積層された半導体基板33において、p型ベース領域32の表層部の所定領域にn+型ソース領域34、p型コンタクト領域35が形成されている。
また、n+型ソース領域34の所定領域に溝36が形成され、この溝36はn+型ソース領域34とp型ベース領域32とを貫通しn−型エピ層31に達している。溝36は、半導体基板30の表面に略垂直な側面37および半導体基板30に平行な底面38を有している。
溝36の側面37におけるn+型ソース領域34とp型ベース領域32とn−型エピ層31の表面には、n型半導体薄膜層39が延設されている。さらに、溝36内でのn型半導体薄膜層39の表面と溝36の底面38には、ゲート絶縁膜40が形成されている。溝36内におけるゲート絶縁膜40の内側には、ゲート電極層41が充填されている。ゲート電極層41は層間絶縁膜42にて覆われている。
そして、層間絶縁膜42に形成されたコンタクトホール43を介して、n+型ソース領域34の表面とp型コンタクト領域35の表面とに10nmの厚さのNi膜と2nmの厚さのAlによってできた20nm程度の合金層44が形成されている。また、合金層44と層間絶縁膜42との上にソース電極層45が形成されている。そして、半導体基板30の裏面にドレイン電極47が形成された構造になっている。
本実施形態に係る合金層44についても、第1実施形態と同様に、AlとNiとの元素組成比は1:4.6〜1:10.6であり、合金層44の厚さは20nm以上100nm以下である。特に、AlとNiとの元素組成比は1:7.6であることが好ましい。
次に、図10に示される炭化珪素半導体装置の製造方法について説明する。まず、n+型半導体基板30の表面側に、該基板30よりも低濃度な炭化珪素からなるn−型エピ層31と、炭化珪素からなるp型ベース領域32とが順に形成された半導体基板33を用意する。
次に、p型ベース領域32の所定領域にn+型ソース領域34とp+型のコンタクト領域35とを形成する。また、ベース領域32とソース領域34とを共に貫通し、n−型エピ層31に達する溝36を形成する。この溝36の内壁面にn型半導体薄膜層39を延設すると共にn型半導体薄膜層39の表面と溝36の底面38にゲート絶縁膜40を形成する。そして、溝36内におけるゲート絶縁膜40の内側にゲート電極層41を形成する。
この後、ゲート電極層41上にSiOよりなる層間絶縁膜42を形成し、この層間絶縁膜42においてソース領域34およびコンタクト領域35に連通するコンタクトホール43を形成する。これにより、コンタクトホール43を介してソース領域34およびコンタクト領域35が露出する。
続いて、層間絶縁膜42の上、およびコンタクトホール43から露出したソース領域34およびコンタクト領域35の上に、10nm以上20nm以下のNi膜20と2nm以上4nm以下のAl膜21とをNi膜20から順に積層する。Ni膜20とAl膜21との膜厚比は、上述のように1:3〜1:7が好ましく、本実施形態でも該範囲内となるように膜厚比を調整している。特に、Al膜21とNi膜20との膜厚比は1:5であることが好ましい。
次に、無酸素雰囲気において1000℃以下の熱処理により、炭化珪素とAlとNiとを反応させてコンタクトホール43内に合金層44を形成する。こうして形成された合金層44の元素組成比は、上述のように、1:4.6〜1:10.6になっている。
一方、層間絶縁膜42の上にNiおよびAlによる化合物層22が形成されるため、これを酸洗浄で除去する。この後、合金層44の上にソース電極層45を形成すると共に、半導体基板30の裏面に裏面電極層47を形成することで図10に示される炭化珪素半導体装置が完成する。
以上のように、炭化珪素半導体装置がMOSFETの場合もJ−FETと同様に合金層44を形成することができ、コンタクト抵抗率やゲート−ソース間のリークの防止等について同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、n+型半導体基板30が特許請求の範囲の第1導電型の炭化珪素からなる基板に対応し、n−型エピ層31が特許請求の範囲の炭化珪素からなる第1導電型の半導体層に相当する。
(第4実施形態)
本実施形態では、第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図11は、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置の断面図である。図11に示されるMOSFETについては、層間絶縁膜42からゲート電極層41が露出するようにゲートコンタクトホール48が設けられている。そして、n+型ソース領域34の表面、p型コンタクト領域35の表面、ゲート電極層41の表面、および層間絶縁膜42の上に50nmの厚さのNi膜と10nmの厚さのAlによってできた100nm程度の合金層46が形成されている。
また、層間絶縁膜42のコンタクトホール43から露出したソース領域34およびコンタクト領域35の上の合金層46の上にソース電極層45が形成されている。さらに、層間絶縁膜42のゲートコンタクトホール48から露出したゲート電極層41の上の合金層46の上にゲート配線49が形成されている。
このような構造のMOSFETを製造する場合、第3実施形態と同様に、層間絶縁膜42を形成する。そして、層間絶縁膜42にコンタクトホール43およびゲートコンタクトホール48を形成する。この後、層間絶縁膜42の上、およびコンタクトホール43から露出したソース領域34およびコンタクト領域35の上、およびゲートコンタクトホール48から露出したゲート電極層41の上に、20nm以上50nm以下のNi膜20と、Al膜21とNi膜20との膜厚比が1:3〜1:7であるAl膜21とを積層する。Al膜21とNi膜20との膜厚比は1:5であることが好ましい。
この後、無酸素雰囲気において1000℃以下の熱処理により、炭化珪素とAlとNiとを反応させてコンタクトホール43内、ゲートコンタクトホール48内に合金層46を形成する。もちろん、層間絶縁膜42の上にはNiおよびAlによる化合膜が形成される。
続いて、合金層46および化合膜の上にAl層を形成してパターニングする。これにより、ソース電極層45およびゲート配線49を形成する。
そして、ソース電極層45およびゲート配線49をマスクとして、該マスクから露出した化合膜をドライエッチングで除去する。これにより、層間絶縁膜42上における電極間の不要な接続を遮断する。こうして、図11に示されるMOSFETが完成する。以上のように、第3実施形態に示された合金層44よりも厚い合金層46を形成することもできる。
(他の実施形態)
上記第1、第2実施形態では、J−FETが形成された炭化珪素半導体装置において、バリッドゲートとして機能するゲート電極18が形成されたものが示されているが、該ゲート電極18が形成されていない構造を採用しても良い。
n−型エピ層8やp+型層9はエピタキシャル成長によって形成されるのではなく、イオン注入によって形成されても良い。
図1等のJ−FETにおいて、半導体基板6にn−型層4が設けられている例について示されているが、該n−型層4が設けられていない構造の半導体基板6を用いることもできる。この場合、p+型層3の上にn+型層5が形成された構造となる。
第2実施形態では、ゲート配線16、ソース配線17、およびゲート電極18をマスクとして、該マスクから露出した化合膜23をドライエッチングで除去していた。しかし、合金層15および化合膜23を形成した後にこれらの上に配線や電極となるAl膜を形成し、Al膜の上にレジストを形成してパターニングし、このレジストをマスクとしてAl膜および化合膜23を連続してドライエッチングするようにしても良い。これにより、工程数の削減や製造コストの削減が可能となる。
図10や図11に示されるMOSFETでは、溝36の内壁面にn型半導体薄膜層39が延設されると共にn型半導体薄膜層39の表面と溝36の底面38にゲート絶縁膜40が形成されたものが示されているが、これは構造の一例を示したものである。すなわち、溝36の内壁面にn型半導体薄膜層39が延設されておらず、該内壁面にゲート絶縁膜40が直接形成されていても良い。
第4実施形態では、ソース電極層45およびゲート配線49をマスクとして化合膜をドライエッチングしたが、合金層46および化合膜を形成した後にこれらをパターニングし、パターニングした合金層46の上にソース電極層45やゲート配線49を形成しても良い。
本発明の第1実施形態における炭化珪素半導体装置の断面図である。 n型エピ層の上のNi膜厚依存性を確認する実験手順を示した図である。 図2に示される実験による結果を表で示した図である。 コンタクト抵抗率のNi膜厚/Al膜厚比依存性を示した図である。 合金層が形成される場合とされない場合との各理由を説明するための図である。 図1に示される炭化珪素半導体装置の製造工程を示した図である。 図6に続く製造工程を示した図である。 本発明の第2実施形態における炭化珪素半導体装置の断面図である。 図8に示される炭化珪素半導体装置の製造工程を示した図である。 本発明の第3実施形態における炭化珪素半導体装置の断面図である。 本発明の第4実施形態における炭化珪素半導体装置の断面図である。
符号の説明
1 n+型基板
2 n−型ドリフト層
3 p+型層
4 n−型層
5 n+型層
6 半導体基板
7 第1の溝
8 n−型エピ層
9 p+型層
11 層間絶縁膜
12 第1コンタクトホール
13 第2コンタクトホール
15 合金層
16 ゲート配線
17 ソース配線
19 ドレイン電極

Claims (12)

  1. 第1導電型の炭化珪素からなる基板(1)に、該基板(1)よりも低濃度な炭化珪素からなる第1導電型の第1半導体層(2)、炭化珪素からなる第2導電型の第2半導体層(3)、炭化珪素からなる第1導電型の第3半導体層(4、5)が順に形成されてなる半導体基板(6)と、
    前記半導体基板(6)のセル部に形成され、前記第3、第2半導体層(3〜5)を貫通して前記第1半導体層(2)まで達する溝(7)と、
    前記溝(7)の内壁面に形成された第1導電型のチャネル層(8)と、
    前記チャネル層(8)の上に形成された炭化珪素からなる第2導電型半導体領域(9)と、
    前記半導体基板(6)の上に形成されたSiOよりなる層間絶縁膜(11)と、
    前記第2導電型半導体領域(9)が露出するように前記層間絶縁膜(11)が開口された第1コンタクトホール(12)と、
    前記第3半導体層(4、5)が露出するように前記層間絶縁膜(11)が開口された第2コンタクトホール(13)と、
    前記半導体基板(6)のうち前記第1コンタクトホール(12)から露出した前記第2導電型半導体領域(9)、および前記第2コンタクトホール(13)から露出した前記第3半導体層(4、5)に、前記炭化珪素とAlとNiとが反応してそれぞれ形成された合金層(15)と、
    前記第2導電型半導体領域(9)の上に形成された前記合金層(15)の上に形成され、前記第2導電型半導体領域(9)をゲート層として、該ゲート層と電気的に接続されたゲート配線(16)と、
    前記第3半導体層(4、5)の上に形成された前記合金層(15)の上に形成され、前記第3半導体層(4、5)をソース層として、該ソース層と電気的に接続されたソース配線(17)と、
    前記基板(1)の裏面に形成されたドレイン電極(19)とを備え、
    前記合金層(15)におけるAlとNiとの元素組成比は1:4.6〜1:10.6であり、前記合金層(15)の厚さは20nm以上100nm以下であることを特徴とする炭化珪素半導体装置。
  2. 第1導電型の炭化珪素からなる基板(30)の表面側に、該基板(30)よりも低濃度な炭化珪素からなる第1導電型の半導体層(31)と、炭化珪素からなる第2導電型のベース領域(32)とが順に形成されてなる半導体基板(33)と、
    前記ベース領域(32)の所定領域に形成された第1導電型のソース領域(34)と、
    前記ベース領域(32)の所定領域に形成された第2導電型のコンタクト領域(35)と、
    前記ベース領域(32)と前記ソース領域(34)とを共に貫通し、前記半導体層(31)に達する溝(36)と、
    前記溝(36)の内壁面に形成されたゲート絶縁膜(40)と、
    前記溝(36)内における前記ゲート絶縁膜(40)の内側に形成されたゲート電極層(41)と、
    前記ゲート電極層(41)上に形成され、前記ソース領域(34)および前記コンタクト領域(35)に連通するコンタクトホール(43)を備えたSiOよりなる層間絶縁膜(42)と、
    前記半導体基板(33)のうち前記コンタクトホール(43)から露出する前記ソース領域(34)および前記コンタクト領域(35)に、前記炭化珪素とAlとNiとが反応して形成された合金層(44)と、
    前記合金層(44)の上に形成されたソース電極層(45)と、
    前記基板(30)の裏面に形成された裏面電極層(47)とを備え、
    前記合金層(44)におけるAlとNiとの元素組成比は1:4.6〜1:10.6であり、前記合金層(44)の厚さは20nm以上100nm以下であることを特徴とする炭化珪素半導体装置。
  3. 前記合金層におけるAlとNiとの元素組成比は1:7.6であることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置。
  4. 第1導電型の炭化珪素からなる基板(1)に、該基板(1)よりも低濃度な炭化珪素からなる第1導電型の第1半導体層(2)、炭化珪素からなる第2導電型の第2半導体層(3)、炭化珪素からなる第1導電型の第3半導体層(4、5)が順に形成されてなる半導体基板(6)を用意する工程と、
    前記半導体基板(6)のセル部に、前記第3、第2半導体層(3〜5)を貫通して前記第1半導体層(2)まで達する溝(7)を形成し、前記溝(7)の内壁面に第1導電型のチャネル層(8)を形成し、前記チャネル層(8)の上に炭化珪素からなる第2導電型半導体領域(9)を形成する工程と、
    前記半導体基板(6)の上にSiOよりなる層間絶縁膜(11)を形成する工程と、
    前記第2導電型半導体領域(9)が露出するように前記層間絶縁膜(11)を開口させた第1コンタクトホール(12)、および前記第3半導体層(4、5)が露出するように前記層間絶縁膜(11)を開口させた第2コンタクトホール(13)を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜(11)の上、および前記第1、第2コンタクトホール(12、13)から露出した前記第2導電型半導体領域(9)および前記第3半導体層(4、5)の上に、10nm以上20nm以下のNi膜(20)と2nm以上4nm以下のAl膜(21)とを前記Ni膜(20)から順に積層する工程と、
    無酸素雰囲気において1000℃以下の熱処理により、前記炭化珪素とAlとNiとを反応させて前記第1、第2コンタクトホール(12、13)内に合金層(15)を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜(11)の上に形成されたNiおよびAlによる化合物層(22)を酸洗浄で除去する工程と、
    前記第2導電型半導体領域(9)の上に形成された前記合金層(15)の上に、前記第2導電型半導体領域(9)をゲート層として該ゲート層と電気的に接続されたゲート配線(16)を形成すると共に、前記第3半導体層(4、5)の上に形成された前記合金層(15)の上に、前記第3半導体層(4、5)をソース層として該ソース層と電気的に接続されたソース配線(17)とを形成する工程と、
    前記基板(1)の裏面にドレイン電極(19)を形成する工程とを含んでいることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  5. 第1導電型の炭化珪素からなる基板(30)の表面側に、該基板(30)よりも低濃度な炭化珪素からなる第1導電型の半導体層(31)と、炭化珪素からなる第2導電型のベース領域(32)とが順に形成されてなる半導体基板(33)を用意する工程と、
    前記ベース領域(32)の所定領域に第1導電型のソース領域(34)と第2導電型のコンタクト領域(35)とを形成する工程と、
    前記ベース領域(32)と前記ソース領域(34)とを共に貫通し、前記半導体層(31)に達する溝(36)を形成し、前記溝(36)の内壁面にゲート絶縁膜(40)を形成し、前記溝(36)内における前記ゲート絶縁膜(40)の内側にゲート電極層(41)を形成する工程と、
    前記ゲート電極層(41)上にSiOよりなる層間絶縁膜(42)を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜(42)において、前記ソース領域(34)および前記コンタクト領域(35)に連通するコンタクトホール(43)を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜(42)の上、および前記コンタクトホール(43)から露出した前記ソース領域(34)および前記コンタクト領域(35)の上に、10nm以上20nm以下のNi膜(20)と2nm以上4nm以下のAl膜(21)とを前記Ni膜(20)から順に積層する工程と、
    無酸素雰囲気において1000℃以下の熱処理により、前記炭化珪素とAlとNiとを反応させて前記コンタクトホール(43)内に合金層(44)を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜(42)の上に形成されたNiおよびAlによる化合物層(22)を酸洗浄で除去する工程と、
    前記合金層(44)の上にソース電極層(45)を形成する工程と、
    前記基板(30)の裏面に裏面電極層(47)を形成する工程とを含んでいることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  6. 第1導電型の炭化珪素からなる基板(1)に、該基板(1)よりも低濃度な炭化珪素からなる第1導電型の第1半導体層(2)、炭化珪素からなる第2導電型の第2半導体層(3)、炭化珪素からなる第1導電型の第3半導体層(4、5)が順に形成されてなる半導体基板(6)を用意する工程と、
    前記半導体基板(6)のセル部に、前記第3、第2半導体層(3〜5)を貫通して前記第1半導体層(2)まで達する溝(7)を形成し、前記溝(7)の内壁面に第1導電型のチャネル層(8)を形成し、前記チャネル層(8)の上に炭化珪素からなる第2導電型半導体領域(9)を形成する工程と、
    前記半導体基板(6)の上にSiOよりなる層間絶縁膜(11)を形成する工程と、
    前記第2導電型半導体領域(9)が露出するように前記層間絶縁膜(11)を開口させた第1コンタクトホール(12)、および前記第3半導体層(4、5)が露出するように前記層間絶縁膜(11)を開口させた第2コンタクトホール(13)を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜(11)の上、および前記第1、第2コンタクトホール(12、13)から露出した前記第2導電型半導体領域(9)および前記第3半導体層(4、5)の上に、20nm以上50nm以下のNi膜(20)と、Al膜(21)と前記Ni膜(20)との膜厚比が1:3〜1:7であるAl膜(21)とを積層する工程と、
    無酸素雰囲気において1000℃以下の熱処理により、前記炭化珪素とAlとNiとを反応させて前記第1、第2コンタクトホール(12、13)内に合金層(15)を形成する工程と、
    前記第2導電型半導体領域(9)の上に形成された前記合金層(15)の上に、前記第2導電型半導体領域(9)をゲート層として該ゲート層と電気的に接続されたゲート配線(16)を形成すると共に、前記第3半導体層(4、5)の上に形成された前記合金層(15)の上に、前記第3半導体層(4、5)をソース層として該ソース層と電気的に接続されたソース配線(17)とを形成する工程と、
    前記基板(1)の裏面にドレイン電極(19)を形成する工程とを含んでいることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  7. 前記ゲート配線(16)および前記ソース配線(17)を形成する工程では、前記ゲート配線(16)および前記ソース配線(17)を形成した後、前記ゲート配線(16)および前記ソース配線(17)をマスクとして、前記層間絶縁膜(11)上に形成されたNi、Al、およびSiOによる化合膜(23)をドライエッチングによって除去する工程が含まれていることを特徴とする請求項6に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  8. 前記ゲート配線(16)および前記ソース配線(17)を形成する工程では、
    前記合金層(15)および前記層間絶縁膜(11)上に形成されたNi、Al、およびSiOによる化合膜(23)の上に金属膜を形成する工程と、
    前記金属膜の上にレジストを形成してパターニングする工程と、
    前記パターニングされたレジストをマスクとして、前記金属膜および前記化合膜(23)を連続してドライエッチングして除去することにより、前記ゲート配線(16)および前記ソース配線(17)を形成する工程と含んでいることを特徴とする請求項6に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  9. 第1導電型の炭化珪素からなる基板(30)の表面側に、該基板(30)よりも低濃度な炭化珪素からなる第1導電型の半導体層(31)と、炭化珪素からなる第2導電型のベース領域(32)とが順に形成されてなる半導体基板(33)を用意する工程と、
    前記ベース領域(32)の所定領域に第1導電型のソース領域(34)と第2導電型のコンタクト領域(35)とを形成する工程と、
    前記ベース領域(32)と前記ソース領域(34)とを共に貫通し、前記半導体層(31)に達する溝(36)を形成し、前記溝(36)の内壁面にゲート絶縁膜(40)を形成し、前記溝(36)内における前記ゲート絶縁膜(40)の内側にゲート電極層(41)を形成する工程と、
    前記ゲート電極層(41)上にSiOよりなる層間絶縁膜(42)を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜(42)において、前記ソース領域(34)および前記コンタクト領域(35)に連通するコンタクトホール(43)を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜(42)の上、および前記コンタクトホール(43)から露出した前記ソース領域(34)および前記コンタクト領域(35)の上に、20nm以上50nm以下のNi膜(20)と、Al膜(21)と前記Ni膜(20)との膜厚比が1:3〜1:7であるAl膜(21)とを積層する工程と、
    無酸素雰囲気において1000℃以下の熱処理により、前記炭化珪素とAlとNiとを反応させて前記コンタクトホール(43)内に合金層(46)を形成する工程と、
    前記合金層(46)の上にソース電極層(45)を形成する工程と、
    前記基板(30)の裏面に裏面電極層(47)を形成する工程とを含んでいることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  10. 第1導電型の炭化珪素からなる基板(30)の表面側に、該基板(30)よりも低濃度な炭化珪素からなる第1導電型の半導体層(31)と、炭化珪素からなる第2導電型のベース領域(32)とが順に形成されてなる半導体基板(33)を用意する工程と、
    前記ベース領域(32)の所定領域に第1導電型のソース領域(34)と第2導電型のコンタクト領域(35)とを形成する工程と、
    前記ベース領域(32)と前記ソース領域(34)とを共に貫通し、前記半導体層(31)に達する溝(36)を形成し、前記溝(36)の内壁面にゲート絶縁膜(40)を形成し、前記溝(36)内における前記ゲート絶縁膜(40)の内側にゲート電極層(41)を形成する工程と、
    前記ゲート電極層(41)上にSiOよりなる層間絶縁膜(42)を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜(42)において、前記ソース領域(34)および前記コンタクト領域(35)に連通するコンタクトホール(43)と、前記ゲート電極層(41)に連通するゲートコンタクトホール(48)とを形成する工程と、
    前記層間絶縁膜(42)の上、前記コンタクトホール(43)から露出した前記ソース領域(34)および前記コンタクト領域(35)の上、および前記ゲートコンタクトホール(48)から露出した前記ゲート電極層(41)の上に、20nm以上50nm以下のNi膜(20)と、Al膜(21)と前記Ni膜(20)との膜厚比が1:3〜1:7であるAl膜(21)とを積層する工程と、
    無酸素雰囲気において1000℃以下の熱処理により、前記炭化珪素とAlとNiとを反応させて前記コンタクトホール(43)内および前記ゲートコンタクトホール(48)内に合金層(46)を形成する工程と、
    前記ゲート電極層(45)の上に形成された前記合金層(46)の上にゲート配線(49)を形成すると共に、前記ソース領域(34)および前記コンタクト領域(35)の上に形成された前記合金層(46)の上にソース電極層(45)を形成する工程と、
    前記基板(30)の裏面に裏面電極層(47)を形成する工程とを含んでいることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  11. 前記ゲート配線(49)および前記ソース電極層(45)を形成する工程では、前記ゲート配線(49)および前記ソース電極層(45)を形成した後、前記ゲート配線(49)および前記ソース電極層(45)をマスクとして、前記層間絶縁膜(42)上に形成されたNi、Al、およびSiOによる化合膜をドライエッチングによって除去する工程が含まれていることを特徴とする請求項10に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  12. 前記Ni膜(20)と前記Al膜(21)とを積層する工程では、前記Al膜(21)と前記Ni膜(20)との膜厚比を1:5とすることを特徴とする請求項4ないし11のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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