JP2002261280A - 炭化珪素半導体装置 - Google Patents

炭化珪素半導体装置

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JP2002261280A
JP2002261280A JP2002004471A JP2002004471A JP2002261280A JP 2002261280 A JP2002261280 A JP 2002261280A JP 2002004471 A JP2002004471 A JP 2002004471A JP 2002004471 A JP2002004471 A JP 2002004471A JP 2002261280 A JP2002261280 A JP 2002261280A
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semiconductor layer
gate electrode
type
thin film
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JP2002004471A
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Kumar Rajesh
クマール ラジェシュ
Takeshi Yamamoto
剛 山本
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Denso Corp
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溝部側面に形成した薄膜半導体層に対し、第
1のゲート電極層を形成し、かつ前記薄膜半導体層が接
する第2導電型の第1半導体層に、第1のゲート電極層
と同電圧が印加される第2のゲート電極層を接続するト
ランジスタ構造を得る。 【構成】 溝7の側面7aに薄膜半導体層8を形成し、
この上に第1のゲート電極50を形成する。そして第1
のゲート電極50と層間絶縁膜52により絶縁されたソ
ース電極53を形成する。さらに、ソース領域、薄膜半
導体層8が形成されたベース領域3に接する第2のゲー
ト電極51を形成する。この第2のゲート電極51は、
第1のゲート電極50と電気的に接続され、第1のゲー
ト電極とともに薄膜半導体層8に生ずる空乏層幅を制御
しトランジスタとしての導通を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化珪素半導体装
置に関し、特にSIT構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溝の側面に薄膜半導体層(側壁チ
ャネル膜)を形成し、この半導体層によって蓄積チャネ
ルが形成できるようにした蓄積チャネルタイプの炭化珪
素半導体装置がある。
【0003】この例として、特開平9−74191号公
報に示されるトランジスタがある。このものは溝ゲート
型パワーMOSFET構造である。この溝ゲート型パワ
ーMOSFETを図9に示して説明する。
【0004】溝ゲート型パワーMOSFETには、n+
型の単結晶炭化珪素(SiC)半導体基板(以下、n+
型炭化珪素基板という)1とn−型エピタキシャル層2
とp型エピタキシャル層3によって構成された六方晶系
の単結晶炭化珪素からなる半導体基板4が用いられてい
る。そして、この半導体基板4の上面(主表面)を略
(0001−)カーボン面として、半導体デバイスが形
成されている。
【0005】p型エピタキシャル層3の表層部の所定領
域には、n+型ソース領域5が形成されており、n+型
ソース領域5の所定位置には溝(トレンチ)7が形成さ
れている。この溝7は、n+型ソース領域5とp型エピ
タキシャル層3を貫通してn−型エピタキシャル層2に
達し、p型エピタキシャル層3の表面に略垂直な側面7
a及びp型エピタキシャル層3の表面に平行な底面7b
を有している。
【0006】この溝7の側面7aには、エピタキシャル
成長法によってn+型ソース領域5、p型エピタキシャ
ル層3、及びn−型エピタキシャル層2の表面に形成さ
れたn−型の炭化珪素からなる薄膜半導体層80が備え
られている。溝7の内部には、ゲート絶縁膜(ゲート酸
化膜)9が形成され、このゲート酸化膜9内にはゲート
電極層10が充填されており、ゲート電極層10上には
層間絶縁膜11が配置されている。さらに、層間絶縁膜
11上を含めたn+型ソース領域5の表面及びp型エピ
タキシャル層3の表面には、ソース電極層12が形成さ
れ、このソース電極層12はn+型ソース領域5とp型
エピタキシャル層3に共に接している。また、n+型炭
化珪素半導体基板1の表面(半導体基板4の裏面)に
は、ドレイン電極層13が形成されている。
【0007】このように構成された溝ゲート型パワーM
OSFETは、薄膜半導体層80をチャネル形成領域と
し、ゲート電極層10に電圧を印加してゲート酸化膜9
に電界を加えることにより、薄膜半導体層80に蓄積型
チャネルを誘起させて、ソース電極層12とドレイン電
極層13の間に電流を流すようになっている。
【0008】
【解決手段】本発明は、溝部側面に形成した薄膜半導体
層に対し、第1のゲート電極層を形成し、かつ前記薄膜
半導体層が接する第2導電型の第1半導体層に、第1の
ゲート電極層と同電圧が印加される第2のゲート電極層
を接続するトランジスタ構造を採用する。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、本願発明の特徴となる構造
は図8に示される構造であるが、薄膜半導体層を有する
トランジスタの製造方法として、MOSトランジスタに
薄膜半導体層を適用した場合の製造方法を図1乃至図7
を用いて説明する。
【0010】図1に基づいて縦型パワーMOSFETの
構造について説明する。但し、本例における縦型パワー
MOSFETは、上述した図9に示すMOSFETとほ
ぼ同様の構造を有しているため、異なる部分についての
み説明する。なお、本例における縦型パワーMOSFE
Tのうち、図9に示すMOSFETと同様の部分につい
ては同様の符号を付してある。
【0011】図9に示すMOSFETでは、蓄積チャネ
ル形成用の薄膜半導体層80をエピタキシャル成長によ
って形成していたが、この薄膜半導体層80と同様の役
割を果たすものとして、本例では薄膜半導体層8をイオ
ン注入で形成している。この図1に示す縦型パワーMO
SFETの製造工程を、図2〜図4を用いて説明する。
【0012】〔図2(a)に示す工程〕まず、主表面が
(0001−)カーボン面である400μm程度のn+
型炭化珪素基板1を用意し、その表面に10μm程度の
n−型エピタキシャル層2を成長させ、さらにn−型エ
ピタキシャル層2上に2.5μm程度のp型エピタキシ
ャル層3を成長させる。このようにして、n+型炭化珪
素基板1とn−型エピタキシャル層2とp型エピタキシ
ャル層3とからなる半導体基板4が形成される。なお、
n+型炭化珪素基板1の結晶軸を3.5°〜8°傾けて
n−型エピタキシャル層2、p型エピタキシャル層3を
形成しているため、半導体基板4の主表面の面方位は略
(0001−)カーボン面となる。
【0013】〔図2(b)に示す工程〕次に、p型エピ
タキシャル層3の表層部の所定領域に、n型不純物(例
えば窒素)をイオン注入し、n+型ソース領域5を形成
する。
【0014】〔図2(c)に示す工程〕n+型ソース領
域を含むp型エピタキシャル層3上にシリコン窒化膜
(Si3N4膜)31を成膜したのち、さらにシリコン
窒化膜31上にLTO膜32を成膜する。そして、フォ
ト・エッチングを行って、溝形成予定領域におけるシリ
コン酸化膜31及びLTO膜32を除去する。このと
き、フォト・エッチングでは、後に形成される溝7が
[112−0]方向と略平行となるようにマスク合わせ
している。この[112−0]方向は界面準位密度が最
小であるため、界面準位密度の低減に基づく耐圧の向上
を図ることができる。このような条件で溝7を形成して
いるため、溝7を上面から見ると溝7の側面7aの平面
形状は各内角が等しい六角形となる。
【0015】なお、溝7が[112−0]方向ではな
く、[11−00]方向と略平行となるようにすれば、
カーボン原子密度を低減することができ、この方向を選
択することにより、カーボン原子に起因する界面準位密
度の低減を図ることも可能である。引き続き、ドライエ
ッチング法としてRIEを用いて、n+型ソース領域5
及びp型エピタキシャル層3を共に貫通してn−型エピ
タキシャル層2に達する溝7を形成する。このとき、R
IEのガスの成分(比率)やエッチング時間を制御する
ことによって、溝7の側面7aが底面7b(半導体基板
4の面方向)に対して所定角度を成すようにしている。
本例では、溝7の側面7aが底面7bに対して105°
となるように、つまり溝7の側面7aがテーパ形状を成
すようにしている。
【0016】一例として、エッチング液にSF6+O2
を採用し、O2の比率を変化させた場合において、溝7
の側面7aの傾斜がどのように変化するかを図5に示
す。なお、この図に示される溝7の側面7aの角度は、
半導体基板4の法線方向に対して成す角度を示してお
り、溝7の側面7aが底面7bに対して成す角度を90
+α°と表した場合のαに相当する。この図に基づき、
本例では、溝7の側面7aが底面7bに対して105°
となるように、O2の比率を約50%にしている。
【0017】〔図3(a)に示す工程〕熱処理により、
溝7の内部を含むウェハ上面全面に酸化膜33を形成す
る。このとき、酸化膜33は溝7の側面7a上では薄
く、それ以外の部分上では厚く形成される。酸化膜33
の具体的な膜厚は、熱処理の条件によって異なるが、例
えばウェット酸化雰囲気下で1080℃、6時間の熱処
理を行った場合には溝7の側面7a上では60nm程
度、それ以外の部分上では300nm程度となる。
【0018】〔図3(b)に示す工程〕そして、酸化膜
33をマスクとして、半導体基板4の法線方向(紙面上
方)からn型不純物をイオン注入する。これにより、酸
化膜33のうち膜厚が薄くなっている溝7の側面7aの
部分を透過して、n型不純物イオンが溝7の側面に注入
され、薄膜半導体層8が形成される。
【0019】このとき、上述したように溝7の側面7a
をテーパ形状としており、また(0001−)C面を主
表面としていることにより酸化の異方性から側面7aに
選択的に薄い酸化膜を形成でき、半導体基板4の法線方
向からのイオン注入によって薄膜半導体層8が形成する
ことができるため、イオン注入の方向設定が容易にでき
る。
【0020】なお、このときのイオン注入の条件は酸化
膜33の膜厚に応じて異なるが、少なくとも酸化膜33
のうち溝7の側面7a以外の部分をn型不純物イオンが
透過せず、かつ溝7の側面7aに形成される薄膜半導体
層8が所望の厚みとなるようにエネルギーを設定する必
要がある。例えば、本例では薄膜半導体層8の厚みが2
00〜300nmとなるようにしている。
【0021】ここで、縦型パワーMOSFETをノーマ
リオフ型にするために、薄膜半導体層8の厚みは以下の
数式に基づいて決定している。縦型パワーMOSFET
をノーマリオフ型とするためには、ゲート電圧を印加し
ていない状態の際に、n−型層に広がる空乏層が電気伝
導を妨げるように十分なバリア高さを有している必要が
ある。この条件は、次式にて示される。
【0022】
【数1】
【0023】但し、Tepiは、n-型層に広がる空乏
層の大きさである。
【0024】この数式1に示される右辺第1項は薄膜半
導体層8とp型エピタキシャル層3とのPN接合のビル
トイン電圧Vbuiltによる空乏層の伸び量、すなわ
ちp型エピタキシャル層3から薄膜半導体層8に広がる
空乏層の伸び量であり、第2項はゲート絶縁膜7の電荷
とφmsによる空乏層の伸び量、すなわちゲート絶縁膜
7から薄膜半導体層8に広がる空乏層の伸び量である。
従って、p型エピタキシャル層3から広がる空乏層の伸
び量と、ゲート絶縁膜7から広がる空乏層の伸び量との
和が薄膜半導体層8の厚み以上となるようにすれば縦型
パワーMOSFETをノーマリオフ型にすることができ
るため、この条件を満たすようなイオン注入条件で薄膜
半導体層8を形成している。
【0025】このようなノーマリオフ型の縦型パワーM
OSFETは、故障などによってゲート電極に電圧が印
加できないような状態となっても、電流が流れないよう
にすることができるため、ノーマリオン型のものと比べ
て安全性を確保することができる。また、図1に示すよ
うに、p型エピタキシャル層3は、ソース電極10と接
触していて接地状態となっている。このため、薄膜半導
体層8とp型エピタキシャル層3とのPN接合のビルト
イン電圧Vbuiltを利用して薄膜半導体層8をピン
チオフすることができる。例えば、p型エピタキシャル
層3が接地されてなくてフローティング状態となってい
る場合には、ビルトイン電圧Vbuiltを利用してp
型エピタキシャル層3から空乏層を延ばすということが
できないため、p型エピタキシャル層3をソース電極1
0と接触させることは、薄膜半導体層8をピンチオフす
るのに有効な構造であるといえる。なお、p型エピタキ
シャル層3の不純物濃度を高くすることで、よりビルト
イン電圧Vbuiltを大きく利用することも可能であ
る。
【0026】また、本例では炭化珪素によって縦型パワ
ーMOSFETを製造しているが、これをシリコンを用
いて製造しようとすると、p型エピタキシャル層3や薄
膜半導体層8等の不純物層を形成する際における熱拡散
の拡散量の制御が困難であるため、上記構成と同様のノ
ーマリオフ型のMOSFETを製造することが困難とな
る。このため、本例のようにSiCを用いることによ
り、シリコンを用いた場合と比べて精度良く縦型パワー
MOSFETを製造することができる。
【0027】また、ノーマリオフ型の縦型パワーMOS
FETにするためには、上記数式1の条件を満たすよう
に薄膜半導体層8の厚みを設定する必要があるが、シリ
コンを用いた場合にはVbuiltが低いため、薄膜半
導体層8の厚みを薄くしたり不純物濃度を薄くして形成
しなければならず、不純物イオンの拡散量の制御が困難
なことを考慮すると、非常に製造が困難であるといえ
る。しかしながら、SiCを用いた場合にはVbuil
tがシリコンの約3倍と高く、n−型層の厚みを厚くし
たり不純物濃度を濃くして形成できるため、ノーマリオ
フ型の蓄積型MOSFETを製造することが容易である
といえる。
【0028】なお、参考として、図6にイオン注入のエ
ネルギーと薄膜半導体層8の厚みとの関係を示す。この
図に示されるように、イオン注入のエネルギーを変化さ
せることによって薄膜半導体層8の厚みを変化させるこ
とができ、薄膜半導体層8の濃度との関係を考慮して薄
膜半導体層8の厚みを設定するようにしている。但し、
図6は酸化膜等が形成されていない炭化珪素表面に直接
イオン注入を行ったときのデータであるため、図3
(c)に示される酸化膜33の膜厚を考慮して、イオン
注入のエネルギーを選択するようにしている。
【0029】〔図3(c)に示す工程〕次に、酸化膜を
除去して溝7を含むウェハ表面を全面露出させる。
【0030】〔図4(a)に示す工程〕そして、溝7の
側面を含むウェハ全面にゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)
9を成膜する。
【0031】〔図4(b)に示す工程〕、さらに,溝7
内のゲート酸化膜9の内側に、ゲート電極層10を充填
する。このゲート電極層10の構成材料には、p型のポ
リシリコンあるいはn型のポリシリコンを用いている。
【0032】〔図4(c)に示す工程〕さらに、ゲート
電極層10の上面にLTO等からなる層間絶縁膜11を
形成したのち、ゲート酸化膜9と共に層間絶縁膜11の
所定領域をエッチング除去して、n+型ソース領域5及
びp型エピタキシャル層3の表層部を選択的に露出させ
るコンタクトホールを形成する。
【0033】その後、層間絶縁膜11上を含むn+型ソ
ース領域5と低抵抗p型炭化珪素領域6の上に、Ni等
によりソース電極層12を形成する。また、n+型炭化
珪素半導体基板1の裏面に、ドレイン電極層13を形成
して、溝ゲート型パワーMOSFETを完成する。この
ように、酸化膜33(図3(c)参照)が溝7の側面7
a上において薄くなっていることを利用してイオン注入
を行うことによって、エピタキシャル成長によらずに蓄
積チャネル形成用の薄膜半導体層8を形成することが可
能となる。
【0034】さらに、溝7の側面7aをテーパ形状にす
ることによって、上記イオン注入を半導体基板4の法線
方向から行えるようにでき、イオン注入の効率化を図る
ことができる。次に、この縦型パワーMOSFETの作
用(動作)を説明する。本MOSFETはノーマリオフ
型の蓄積モードで動作するものであって、ゲート電極層
10に電圧を印加しない場合は、薄膜半導体層8におい
てキャリアは、p型エピタキシャル層3と薄膜半導体層
8との間の静電ポテンシャルの差、及び薄膜半導体層8
とゲート電極層10との間の仕事関数の差により生じた
電位によって全域空乏化される。ゲート電極層10に電
圧を印加することにより、薄膜半導体層8とゲート電極
層10との間の仕事関数の差と外部からの印加電圧の和
により生じる電位差を変化させる。このことにより、チ
ャネルの状態を制御することができる。
【0035】つまり、ゲート電極層10の仕事関数を第
1の仕事関数とし、p型エピタキシャル層3の仕事関数
を第2の仕事関数とし、薄膜半導体層8の仕事関数を第
3の仕事関数としたとき、第1〜第3の仕事関数の差を
利用して、薄膜半導体層8のn型のキャリアを空乏化す
る様に第1〜第3の仕事関数と薄膜半導体層8の不純物
濃度及び膜厚を設定することができる。
【0036】また、オフ状態において、空乏領域は、p
型エピタキシャル層3及びゲート電極層10により作ら
れた電界によって、薄膜半導体層8内に形成される。こ
の状態からゲート電極層10に対して正のバイアスを供
給すると、ゲート絶縁膜(SiO2)9と薄膜半導体層
8との間の界面においてn+型ソース領域5からn−型
エピタキシャル層2の方向へ延びるチャネル領域が形成
され、オン状態にスイッチングされる。このとき、電子
は、n+型ソース領域5から薄膜半導体層8を経由し薄
膜半導体層8からn−型エピタキシャル層2に流れる。
そして、n−型エピタキシャル層2(ドリフト領域)に
達すると、電子は、n+型炭化珪素基板1(n+ドレイ
ン)へ垂直に流れる。
【0037】このようにゲート電極層10に正の電圧を
印加することにより、薄膜半導体層8に蓄積型チャネル
を誘起させ、ソース電極10とドレイン電極11との間
にキャリアが流れる。
【0038】上記説明では、蓄積チャネル型の溝ゲート
型パワーMOSFETについて説明したが、以下にMC
−SIT(MOS Controlled Stati
cInduction Transistor)につい
て説明する。
【0039】図7に、MC−SITの模式図を示す。こ
のMC−SITは上記例におけるMOSFETとほぼ同
様の構成をしているため、異なる部分についてのみ説明
し、同様の部分については同じ符号を付して説明を省略
する。図7に示されるように、p型エピタキシャル層3
の上面には、p型エピタキシャル層3と電気的に接続さ
れたゲート電極層41が備えられている。このゲート電
極層41は、p型エピタキシャル層3とn+型ソース領
域5との境界部上に形成されたシリコン酸化膜42によ
ってソース電極層12と電気的に分離されている。ま
た、シリコン酸化膜42によってp型エピタキシャル層
3はソース電極層12と電気的に分離されている。
【0040】このように構成されたMC−SITはゲー
ト電極層10を第1のゲートとし、ゲート電極層41を
第3のゲートとして、これら第1、第2のゲートへの印
加電圧を制御することによって薄膜半導体層8に形成さ
れる空乏領域の幅を制御し、ソース電極層12とドレイ
ン電極層13との間に電流が流れるようになっている。
【0041】このように構成されるMC−SITにおい
ても溝7を含む半導体基板4の上面全面に酸化膜を形成
し、この酸化膜をマスクとしてイオン注入を行うことに
よりエピタキシャル成長によらないで薄膜半導体層8を
形成することができる。
【0042】(本発明実施形態)上記例では、蓄積チャ
ネル型の溝ゲート型パワーMOSFETの製造方法につ
いて説明したが、本実施形態のようにSIT(Stat
ic Induction Transistor)
に、上記製造方法を適用することができる。
【0043】図8に、本実施形態におけるSITの模式
図を示す。以下、図8に基づいてSITの説明を行う。
なお、図1に示す溝ゲート型パワーMOSFETと異な
る部分についてのみ説明を行い、同様の部分については
同様の符号を付して説明を省略する。SITは、溝7の
内部にはポリシリコンからなる第1のゲート電極50が
n+型ソース領域5と側壁チャネル膜との界面で終端す
るように形成されており、p型ベース領域3の上面には
第1のゲート電極層50と電気的に接続された第2のゲ
ート電極層51が形成されている。これら第1、第2の
ゲート電極層50、51に等電圧が印加されるようにな
っている。
【0044】第1のゲート電極層50の上にはLTO等
からなる層間絶縁膜52が形成されており、さらに層間
絶縁膜52の上にはソース電極層53が形成されてい
る。第2のゲート電極層51は、n+型ソース領域5及
びp型ベース領域3の境界部に備えられたシリコン酸化
膜54によってソース電極層53から電気的に分離され
ている。
【0045】このように構成されたSITは、第1、第
2のゲート電極層50、51に電圧を印加し、第1のゲ
ート電極層51とp型エピタキシャル層3との間におけ
る仕事関数差に基づいて薄膜半導体層8に生じる空乏層
幅を制御することで、ソース電極層53からドレイン電
極層13に向けて電流を流すようになっている。なお、
このとき第1、第2のゲート電極層50、51への印加
電圧は、仕事関数差によって決定されるショットキー電
圧を超えない程度にする必要がある。
【0046】このように構成されるMC−SITにおい
ても溝7を含む半導体基板4の上面全面に酸化膜を形成
し、この酸化膜をマスクとしてイオン注入を行うことに
よりエピタキシャル成長によらないで薄膜半導体層8を
形成することができる。
【0047】(他の実施形態)上記実施形態では、薄膜
半導体層8を形成するに際し、溝7の側面7aをテーパ
形状にすると共に、半導体基板4の法線方向からイオン
注入を行うようにしているが、溝7の側面7aの角度や
イオン注入の角度は上記実施形態に限定されるものでは
ない。
【0048】すなわち、溝7の側面7aを底面7bに対
して垂直にしてもよい。この場合においても、イオン注
入を斜めに行うことによって薄膜半導体層8を形成する
ことができるからである。このように、溝7の側面7a
の角度、イオン注入の条件等を変化させても薄膜半導体
層8を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縦型パワーMOSFETの断面図である。
【図2】図1に示す縦型パワーMOSFETの製造工程
を示す図である。
【図3】図2に続く縦型パワーMOSFETの製造工程
を示す図である。
【図4】図3に続く縦型パワーMOSFETの製造工程
を示す図である。
【図5】溝7の角度とエッチング条件との関係を示す図
である。
【図6】イオン注入のエネルギー条件とイオン注入深さ
の関係を示す図である。
【図7】MC−SITを説明するための断面図である。
【図8】本発明実施形態におけるSITを説明するため
の断面図である。
【図9】従来における縦型パワーMOSFETの構成を
示す断面図である。
【符号の説明】
1…n+型半導体基板、 2…n−型エピタキシャル層、 3…p−型ベース層、 5…n+型ソース領域、 7…溝、 7a…側面、 7b…底面、 8…薄膜半導体層、 9…ゲート酸化膜、 10…ゲート電極層、 11…層間絶縁膜、 12…ソース電極層、 13…ドレイン電極層、 50…第1ゲート電極、 51…第2ゲート電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/165 H01L 29/80 V 29/80 29/163 Fターム(参考) 5F102 FB01 GB04 GC09 GD01 GD10 GJ02 GL02 GM02 GR11 GR15 GT01 GT07 GV07 HC07 HC10 HC15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の低抵抗層と、 前記低抵抗層の表面上に形成され、該低抵抗層よりも高
    抵抗な第1導電型の高抵抗層と、 前記高抵抗層上に形成された第2導電型の第1半導体層
    と、 前記第1半導体層に形成され、かつ前記高抵抗層に達す
    るように前記第1半導体層を貫通する溝部と、 該溝部の側面に形成され、第1導電型よりなる薄膜半導
    体層と、 前記第1半導体層の表面に形成されるとともに、前記薄
    膜半導体層に接して形成されたソース領域と、 前記薄膜半導体層に接して形成された第1のゲート電極
    層と、 前記ゲート電極上に形成された層間絶縁膜と、 該層間絶縁膜上に形成され、かつ前記ソース領域に接す
    るソース電極と、 前記第1半導体層の表面上に形成されるとともに、前記
    第1のゲート電極に電気的に接続される第2のゲート電
    極と、 前記低抵抗層の表面に形成されたドレイン電極とを備
    え、 前記第1及び第2のゲート電極に電圧が印可されること
    で前記薄膜半導体層に生じる空乏層の幅を制御し、ソー
    ス領域と前記低抵抗層との間に流れる電流を制御するこ
    とを特徴とする炭化珪素半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2のゲート電極に印可さ
    れる電圧は、ショットキー電圧を超えないものである請
    求項1記載の炭化珪素半導体装置。
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