リニアモータ式引戸装置では、不動部材に取り付けられるコイル手段の位置を、このコイル手段と共にリニアモータ手段を構成していて扉体に取り付けられる磁石手段に対して、扉体の移動方向に正確に設定し、これにより、リニアモータ手段で閉じ移動した扉体が正確な全閉位置で停止するようにしなければならない。
このような磁石手段に対するコイル手段についての扉体移動方向の位置設定は、新たな施工現場で組み立て施工される新規な引戸装置について必要であるとともに、リニアモータ式以外の駆動方式となっていた既存の引戸装置(例えば、扉体の閉じ移動は渦巻きばねによる自動移動方式となっていて、扉体の開き移動は手動方式となっている引戸装置や、扉体の閉じ移動と開き移動の両方が手動方式となっている引戸装置等)を、リニアモータによる駆動方式に改修する場合にも、必要となる。
本発明の目的は、コイル手段についての扉体移動方向の位置設定を容易に行えるようになるリニアモータ式引戸装置及びその組立方法を提供するところにある。
本発明に係るリニアモータ式引戸装置は、ガイド部材に案内されて移動自在となっている扉体と、この扉体に対して不動となっている不動部材に取り付けられ、リニアモータ手段を制御するための制御手段と、前記リニアモータ手段を構成し、前記不動部材に取り付けられたコイル手段と、前記リニアモータ手段を構成し、このコイル手段と対向して前記扉体に取り付けられた磁石手段と、を含んで構成されているリニアモータ式引戸装置において、前記制御手段は制御手段用ブラケット部材に取り付けられ、この制御手段用ブラケット部材は、前記ガイド部材に当接することによって前記不動部材に前記扉体の移動方向に位置決め配置されており、前記コイル手段は、前記制御手段用ブラケット部材に当接することによって前記不動部材に前記扉体の移動方向に位置決め配置されていることを特徴とするものである。
また、本発明に係るリニアモータ式引戸装置の組立方法は、ガイド部材に案内されて移動自在となっている扉体と、この扉体に対して不動となっている不動部材に取り付けられ、リニアモータ手段を制御するための制御手段と、前記リニアモータ手段を構成し、前記不動部材に取り付けられたコイル手段と、前記リニアモータ手段を構成し、このコイル手段と対向して前記扉体に取り付けられた磁石手段と、を含んで構成されているリニアモータ式引戸装置を組み立てるための組立方法であって、前記制御手段を取り付けるための制御手段用ブラケット部材を前記ガイド部材に当接させることにより、この制御手段用ブラケット部材を前記不動部材に前記扉体の移動方向に位置決め配置するための第1工程と、この第1工程の後に、前記コイル手段を前記制御手段用ブラケット部材に当接させることにより、このコイル手段を前記不動部材に前記扉体の移動方向に位置決め配置するための第2工程と、を含んでいることを特徴とするものである。
本発明によると、制御手段を取り付けるための制御手段用ブラケット部材がガイド部材に当接することにより、この制御手段用ブラケット部材は不動部材に扉体の移動方向に位置決め配置されることになり、そして、コイル手段が制御手段用ブラケット部材に当接することにより、このコイル手段は不動部材に扉体の移動方向に位置決め配置されることになる。このため、ガイド部材で案内されて開閉移動する扉体に取り付けられる磁石手段に対して、コイル手段を、ガイド部材と制御手段用ブラケット部材を利用することにより、容易に扉体移動方向に位置設定することができ、これにより、リニアモータ手段で閉じ移動した扉体を正確な全閉位置で停止させるための作業を容易に行える。
また、磁石手段を扉体にこの扉体の移動方向に位置調整可能に取り付けておくと、この位置調整作業(リニアモータ式引戸装置の組立方法では第3工程の作業)を行うことにより、扉体を一層正確な全閉位置で停止させることができるようになる。
そして、上述のように磁石手段を扉体にこの扉体の移動方向に位置調整可能に取り付けておき、この位置調整作業により、扉体の移動方向の長さを有している磁石手段の扉体への取り付けが、この磁石手段の長さ方向の端部の位置が扉体におけるこの扉体の移動方向の端部の位置と一致して行われたときに、リニアモータ手段による扉体の閉じ移動の終了位置が扉体の全閉位置と一致するように設定しておくと、磁石手段の長さ方向の端部と扉体の移動方向の端部とが一致するように磁石手段を扉体に取り付けることにより、リニアモータ手段による扉体の閉じ移動の終了位置が自ずと扉体の全閉位置と一致することになり、また、磁石手段を位置調整して扉体に取り付けるための作業を容易に行えるようになる。
なお、以上のように、扉体の移動方向の長さを有している磁石手段の扉体への取り付けが、この磁石手段の長さ方向の端部の位置が扉体におけるこの扉体の移動方向の端部の位置と一致して行われたときに、リニアモータ手段による扉体の閉じ移動の終了位置が扉体の全閉位置と一致するように設定しておく場合において、磁石手段の長さ方向の端部や、扉体におけるこの扉体の移動方向の端部は、扉体の開き側の端部でもよく、扉体の閉じ側の端部でもよい。
また、上述のように、扉体の移動方向の長さを有している磁石手段の扉体への取り付けが、この磁石手段の長さ方向の端部の位置が扉体におけるこの扉体の移動方向の端部の位置と一致して行われたときに、リニアモータ手段による扉体の閉じ移動の終了位置が扉体の全閉位置と一致するように設定しておくことは、磁石手段を扉体にこの扉体の移動方向に位置調整可能に取り付けておく場合だけではなく、磁石手段を扉体にこの扉体の移動方向に位置調整不能に取り付けておく場合にも実施することができる。
そして、磁石手段を扉体にこの扉体の移動方向に位置調整不能に取り付けておく場合には、前述の制御手段用ブラケット部材に当接することによって不動部材に扉体の移動方向に位置決め配置されるコイル手段の配置位置の正確性を向上させておくことにより、リニアモータ手段による扉体の閉じ移動の終了位置を扉体の全閉位置と一層正確に一致させることができる。
また、前述の制御手段用ブラケット部材の形状は、この制御手段用ブラケット部材を前述のガイド部材によって扉体の移動方向に位置決め配置することができるものであれば、任意な形状でよく、その一例は、制御手段用ブラケット部材に、この制御手段用ブラケット部材をガイド部材に扉体の移動方向に当接させることによって制御手段用ブラケット部材を扉体の移動方向に位置決め配置するための第1当接部と、制御手段用ブラケット部材をガイド部材に上から当接させることによって制御手段用ブラケット部材をガイド部材に載せるための第2当接部と、を設けることである。
これによると、第2当接部によって制御手段用ブラケット部材をガイド部材で支持させることができるため、制御手段用ブラケット部材を前述の不動部材にビス等の止着具で取り付ける作業を容易に行え、また、制御手段用ブラケット部材を不動部材に取り付けた後は、この制御手段用ブラケット部材の重量と、このブラケット部材に取り付けられた前述の制御手段の重量とをガイド部材によっても支持させることができる。
上述のように制御手段用ブラケット部材に第1当接部と第2当接部とを設ける場合においても、これらの当接部を制御手段用ブラケット部材に設けることに関する制御手段用ブラケット部材の形状も任意であり、その一例は、制御手段用ブラケット部材に、直角形状の切欠部を形成し、この切欠部を形成している2個の辺部のうち、一方の辺部を第1当接部とし、他方の辺部を第2当接部とすることである。
これによると、制御手段用ブラケット部材に簡単な形状となっている直角形状の切欠部を形成するだけの作業により、このブラケット部材に容易に第1当接部と第2当接部を設けることができる。
また、本発明において、前述のコイル手段を制御手段用ブラケット部材に当接させることによってこのコイル手段を扉体の移動方向に位置決め配置するための手段も任意であり、その一例は、制御手段用ブラケット部材を扉体の移動方向への長さを有するものとし、この制御手段用ブラケット部材の長さ方向の端部を、コイル手段を扉体の移動方向に位置決め配置するための当接部とすることである。
これによると、制御手段用ブラケット部材の長さ方向の端部を、コイル手段を扉体の移動方向に位置決め配置するための部分として利用することができるため、この位置決め配置を、制御手段用ブラケット部材に特別の形状部分等を設けることなく容易に行える。
なお、制御手段用ブラケット部材の長さ方向の端部を、コイル手段を扉体の移動方向に位置決め配置するための当接部とする場合において、この当接部は、制御手段用ブラケット部材における扉体の開き側の端部でもよく、制御手段用ブラケット部材における扉体の閉じ側の端部でもよい。
さらに、コイル手段と磁石手段との位置関係が上下の関係となっている場合には、コイル手段をガイド部材に当接配置することにより、このコイル手段を磁石手段に対して上下方向に位置決め配置するようにしてもよい。
これによると、ガイド部材を基準として、コイル手段と磁石手段との間の適切な間隔を容易に確保することができる。
本発明に係るリニアモータ式引戸装置の組立方法は、新たな施工現場で組み立て施工される新規な引戸装置について実施することができ、また、リニアモータ式以外の駆動方式となっていた既存の引戸装置をリニアモータによる駆動方式に改修する場合にも、実施することができる。
本発明に係るリニアモータ式引戸装置の組立方法を後者に適用する場合には、上記の既存の引戸装置は、例えば、扉体の閉じ移動が渦巻きばねによる自動で行われて、扉体の開き移動が手動で行われる引戸装置でもよく、あるいは、扉体の閉じ移動と開き移動の両方が手動で行われる引戸装置でもよく、さらには、扉体の閉じ移動と開き移動の両方が回転式電動モータ等による駆動手段によって自動で行われる引戸装置等でもよい。
また、以上説明した本発明は、ガイド部材と、このガイド部材で移動が案内される扉体との位置関係が任意な関係となっている各種の引戸装置に適用することができる。その一例は、扉体の上側に配置されたガイド部材から扉体が吊り下げられた上吊り式の引戸装置であり、他の例は、扉体の下側に配置されたガイド部材に案内されて扉体が移動する引戸装置であり、さらに他の例は、扉体の上下両側に配置されたガイド部材に案内されて扉体が移動する引戸装置である。
また、本発明は、開き移動した扉体が収納される戸袋を備えていない引戸装置に適用できるとともに、このような戸袋を備えている引戸装置にも適用することができる。
本発明が開き移動した扉体が収納される戸袋を備えている引戸装置に適用される場合には、この戸袋は、扉体の厚さ方向両側を塞ぐ面状部分を有する両面戸袋でもよく、扉体の厚さ方向片側だけを塞ぐ面状部分を有する片面戸袋でもよい。
また、本発明は、扉体の個数が1個となっている引戸装置に適用できるとともに、扉体の個数が複数個となっている多重引き式引戸装置にも適用できる。
本発明を多重引き式引戸装置に適用する場合には、この引戸装置は、複数個の扉体の開閉方向が同じ方向になった引き違い式引戸装置でもよく、複数個の扉体の開閉方向が逆方向となった引き分け式引戸装置でもよい。
なお、以上において、「一致」とは略一致の意味をも含むものであり、「略一致」とは、例えば、若干の相違等があっても本来目的を達成する上では実質的に「一致」ということができるものをいう。また、「直角形状」についても「略直角形状」の意味をも含むものであり、「略直角形状」とは、若干の相違等があっても本来目的を達成する上では実質的に「直角形状」ということができるものをいう。
本発明によると、コイル手段についての扉体移動方向の位置設定を容易に行えるようになるという効果を得られる。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る引戸装置は、扉体の個数が1個となっている上吊り式の引戸装置であって、リニアモータ式以外の駆動方式となっていた既存の引戸装置からリニアモータによる駆動方式に改修された引戸装置であり、上記既存の引戸装置は、扉体の閉じ移動が渦巻きばねによる自動で行われて、扉体の開き移動が手動で行われる引戸装置である。そして、この引戸装置は、例えば、建物内の廊下や部屋等の2つの室内空間の間を仕切るために建物に設置施工されている。
図1には、本発明の一実施形態に係るリニアモータ式引戸装置に改修される前の既存の引戸装置の全体正面図が示されている。先ずはじめに、この引戸装置について説明する。
扉体1の閉じ側に配置された戸先側縦枠2の上部と、扉体1の開き側に配置された戸尻側縦枠3の上部との間には、左右方向に開閉移動する扉体1に対して不動状態を維持する不動部材になっている上枠部材4が架け渡され、この上枠部材4の内部に収納配置されている扉体移動機構により、扉体1は左右方向へ開閉移動する。扉体1が、図1において、右側へ開き移動することにより、戸先側縦枠2と、上枠部材4と、床5と、図2で示す壁6とで周囲が形成されている出入口7が開放され、扉体1が、図1において、左側へ閉じ移動し、扉体1の戸先部が戸先側縦枠2に当接することにより、扉体1は出入口7を閉じる全閉位置に達することになる。
なお、床5には、扉体1の下部に下向きに開口形成されているガイド溝部1A(図3を参照)に嵌入しているガイドローラ8が設けられ、扉体1の開閉移動は、このガイドローラ8で扉体1の下部が案内されることによっても行われる。
また、上枠部材4には、カバー部材9で通常時は塞がれている点検用開口部4A(図3を参照)が形成されており、カバー9は、図1に示すとおり、上枠部材4の全長に渡る長さとなっているため、この点検用開口部4Aも上枠部材4の全長に渡る長さを有している。図3に示されているように、カバー部材9の上端には、上枠部材4のフック部4Bに係止される係止部9Aが形成されている。この係止部9Aがフック部4Bに係止されて、図1で示す戸先側縦枠2のブラケット部材2Aと戸尻側縦枠3のブラケット部材3Aとにカバー部材9が止めねじ部材10,11によって止められることにより、点検用開口部4Aはカバー部材9で塞がれる。
図2には、カバー部材9を取り外したときに表われる上枠部材4の内部に配置された上述の扉体移動機構が示されており、図2は、リニアモータ式引戸装置に改修される前の既存の引戸装置を示しているため、この扉体移動機構は、リニアモータ式とは異なる駆動方式のものになっている。
次に、このリニアモータ式とは異なる駆動方式の扉体移動機構について説明する。上枠部材4の内部には、扉体1の開閉移動を案内するためのガイド部材となっているガイドレール20が収納配置されている。図2のS3−S3線断面図である図3に示されているように、上枠部材4における前記点検用開口部4Aとは扉体1の厚さ方向反対側の部分には、上枠部材4の背面部4Cが形成されており、この背面部4Cに結合された取付部材21にガイドレール20がビス等の止着具22で取り付けられている。図2に示されているように、扉体1の開閉移動方向へ延びる長さを有しているガイドレール20は、この長さ方向に複数個配置されている取付部材21のそれぞれに取り付けられている。それぞれの取付部材21は、扉体1の開閉移動方向中間部が扉体1側へ突出している平面形状がハット形状となった板金の折り曲げ品である。
図3に示されているとおり、扉体1の上部には、ローラブラケット部材24を介してローラ25が取り付けられ、溝付きとなっているこのローラ25が、ガイドレール20の基部20Aの下端から扉体1側へ延びるアーム部20Bの先端の係合部20Cに上から転動自在に係合することにより、扉体1は、ガイドレール20から上吊りされている。そして、このようなローラブラケット部材24及びローラ25は、図1に示されているとおり、扉体1の開閉移動方向に2個設けられている。
図2に示されているように、ガイドレール20の扉体開き側の端部には、扉体1が所定の全開位置以上に開き移動することを規定するための戸当り部材30が取り付けられている。この取り付けは、図3で示したガイドレール20のアーム部20Bを上下から挟む戸当り部材30のベース部30Aと挟着部材31とをビス等の結合具32で結合することによって行われている。戸当り部材30は、扉体1側に向けて本体部30Bに突設されたゴム等の弾性材料からなるストップ部材33と、本体部30Bに取り付けられ、板ばねの折り曲げで形成されている係止部材34とを有する。一方、扉体1に設けられている2個のローラブラケット部材24のうち、扉体開き側のローラブラケット部材24の後端には板状の受け部材35が結合され、この受け部材35には小径ローラによる被係止部材36が取り付けられている。
扉体1を、図1で示されている把持部1Bを把持した手によって開き側に移動させ、この移動が全開位置に達すると、被係止部材36は、一旦上向きに湾曲変形してもとの形状に弾性復帰する係止部材34に係止されるとともに、受け部材35はストップ部材33に当接し、係止部材34が被係止部材36を係止することにより、扉体1は全開位置に停止する。
また、扉体1の把持部1Bに閉じ側への操作力を作用させた場合には、被係止部材36は上向きに弾性変形する係止部材34から離脱するため、扉体1は、ガイドレール20に案内されて閉じ側へ移動する。
図2に示されているように、ガイドレール20の扉体閉じ側の端部には、扉体1を自動的に閉じ移動させるための自動閉鎖装置40が配置され、この自動閉鎖装置40は、ケーシング40Aに結合されているブラケット41を介してガイドレール20に取り付けられている。自動閉鎖鎖置40は、ケーシング40A内に回転自在に収納されたリール42を有しており、このリール42の内部には渦巻きばねが配置され、この渦巻きばねの一端はリール42に結合されているとともに、他端はケーシング40Aに結合されている。また、リール42には、ナイロン紐又はワイヤー等からなる紐状部材43の一端が結合され、リール42に巻回されているこの紐状部材43は、ケーシング40Aから導出され、紐状部材43の他端は、扉体1に2個設けられているローラブラケット部材24のうち、扉体閉じ側のローラブラケット部材24に結合されている。
扉体1が、この扉体1の戸先側の端部が前記戸先側縦枠2に当接している全閉位置に達しているときに、扉体1を把持部1Bで上述のように開き側へ移動させたときには、紐状部材43がリール42を回転させながら自動閉鎖装置40から繰り出され、このとき、リール42の内部の上記渦巻きばねがリール42の回転で蓄圧される。このため、この後に把持部1Bから手を離すと(扉体1が全開位置に達しているときには、前述のように、把持部1Bに操作力を作用させて被係止部材36を係止部材34から離脱させると)、渦巻きばねの蓄圧力によってリール42には、扉体1の開き移動時とは逆方向へリール42を回転させようとする回転力が生じるため、この回転力で緊張する紐状部材43の引張力により、扉体1は閉じ側へ引っ張られ、全閉位置まで自動的に移動する。
また、ガイドレール20には、閉じ側への扉体1の移動速度を低速化させて制動させ、扉体1を全閉位置に減速させて到達させるためのシリンダ式制動装置50が取り付けられている。この制動装置50は、シリンダ本体51と、シリンダ本体51にガイドレール20の長さ方向に伸縮自在に挿入されたピストンロッド52とを有する。図3に示されているように、シリンダ本体51にはブラケット部材53が結合され、このブラケット部材53は、上枠部材4と共に不動部材となっているガイドレール20の基部20Aの上部に形成されている溝20D付きの取付部20Eに取り付けられている。この取り付けは、溝20D内に挿入された板ナット54にブラケット部材53をビス等の止着具55で止着することによって行われている。
なお、この取付構造と同じ構造により、上述した自動閉鎖装置40のブラケット41はガイドレール20に取り付けられている。
ピストンロッド52の先端部には、扉体1に2個設けられているローラブラケット部材24のうち、扉体開き側のローラブラケット部材24の前述した受け部材35に磁力で接続分離自在となっているキャッチ部材56が取り付けられている。
図2に示すように扉体1が全閉位置に達しているときには、受け部材35が、シリンダ本体51に対して収縮しているピストンロッド52の先端部のキャッチ部材56に当接している。扉体1を開き側へ移動させると、受け部材35とキャッチ部材56とが上記磁力で連結されているため、ピストンロッド52はシリンダ本体51に対して伸び作動する。このピストンロッド52が伸び作動限に達してもさらに扉体1が開き側に移動すると、受け部材35とキャッチ部材56とが分離し、ピストンロッド42はその位置で停止する。また、扉体1が自動閉鎖装置40の駆動力で閉じ側へ移動し始め、そして扉体1が所定位置に達すると、受け部材35はキャッチ部材56に当接し、扉体1がさらに閉じ側へ移動することにより、ピストンロッド52は受け部材35からの押圧力によってシリンダ本体51に対して収縮作動する。
シリンダ本体51には、ピストンロッド52が伸び作動したときに多量のエアをシリンダ本体51の内部に吸引し、ピストンロッド52が収縮作動したときにはこのエアを絞りながら排出するバルブが設けられている。このため、ピストンロッド52が伸び作動する扉体1の開き移動時には、扉体1を軽く移動させることができ、また、ピストンロッド52が収縮作動する扉体1の閉じ移動時には、扉体1がシリンダ本体51の内部のエア圧力によって制動されながら移動し、減速された速度で閉じ限位置に達する。
図4は、以上説明した扉体移動機構を、リニアモータ式の駆動装置に改修した後を示している。次に、このリニアモータ式の駆動装置について説明する。
このリニアモータ式の駆動装置においては、不動部材となっている上枠部材4の内部に、リニアモータ用のガイド部材となっているガイドレール60が収納配置され、この収納配置は、図4のS5−S5線断面図である図5に示されているように、ガイドレール60の基部60Aを前述した取付部材21にビス等の止着具61で止着することによって行われている。また、図4に示されているように、上枠部材4の内部には、制御手段用ブラケット部材62が収納配置され、このブラケット部材62も、後述するように、取付部材21にビス等の止着具で取り付けられている。そして、このブラケット部材62には、扉体1を開閉移動させるリニアモータ手段を電気的に制御するための制御手段である制御装置63がビス等の止着具64で止着されている。
また、上枠部材4の内部には、制御手段用ブラケット部材62よりも扉体開き側において、リニアモータ手段を構成するコイル手段となっているコイル装置65が収納配置され、このコイル装置65も取付部材21にビス等の止着具66で止着されている。図5に示されているとおり、このコイル装置65は、止着具66で取付部材21に取り付けられたブラケット部材65Aと、このブラケット部材65Aに結合された箱型の本体65Bと、この本体65Bの内部に収納されたコイル部65Cとを有する。
扉体移動機構がリニアモータ式の駆動装置に改修された後も、前述した扉体1はそのまま用いられており、この扉体1の上部には、リニアモータ用のローラブラケット部材67を介してリニアモータ用のローラ68が取り付けられ、これらのローラブラケット部材67とローラ68は、図4に示されているように、扉体1の開閉移動方向に2個設けられている。図5に示されているとおり、溝付きとなっているそれぞれのローラ68は、ガイドレール60の基部60Aの下端から扉体1側へ延びるアーム部60Bの先端の係合部60Cに上から転動自在に係合しており、これにより、扉体1は、扉体1の上側に配置されたガイドレール60から上吊りされている。
2個のローラブラケット部材67のそれぞれの上部には、上向きに突設された突起部67Aが形成されており、これらの突起部67Aに、コイル装置65と共に扉体1を開閉移動させるための前述のリニアモータ手段を構成する磁石手段となっている磁石装置70が架け渡され、この磁石装置70は、それぞれの突起部67Aにおいて、ローラブラケット部材67に取り付けられている。また、コイル装置65と同じく、扉体開閉移動方向へ延びる長さを有している磁石装置70は、図5に示されているように、内部に空洞部70Aを有する本体70Bと、空洞部70Aに収納固定された磁石70Cとを備えるものとなっている。本体70Bはそれぞれのローラブラケット部材67の突起部67Aに取り付けられ、この取り付けは、本体70Bに形成されている溝70D内に挿入された板ナット71に突起部67Aをビス等の止着具72で止着することによって行われている。
溝70Dは、磁石装置70の長さ方向である扉体1の開閉移動方向へ連続した長さを有するものになっているため、止着具72を緩めることにより、扉体1における磁石装置70の取付位置を扉体1の開閉移動方向へ調整することができ、この調整後に止着具72の締付操作を行うことにより、磁石装置70をその位置において扉体1に取り付けることができる。
この磁石装置70は、図5に示されているように、不動部材になっている上枠部材4に取付部材21を介して取り付けられているコイル装置65と、僅かな隙間を開けて上下に対向している。
なお、本実施形態では、図4に示されているとおり、2個のローラブラケット部材67の間において、補強部材73が磁石装置70と扉体1との間に架け渡されている。この補強部材73は、磁石装置70が上下方向や扉体1の厚さ方向に湾曲変形することを防止するためのものである。
また、図4に示されているように、ガイドレール60の扉体開き側の端部には、扉体1がリニアモータ手段による駆動慣性力等で所定の全開位置以上に開き移動することを規定するための戸当り部材75が取り付けられている。この取り付けは、図5で示したガイドレール60のアーム部60Bを上下から挟む戸当り部材75のベース部75Aと挟着部材76とをビス等の結合具77で結合することによって行われている。また、戸当り部材75は、扉体1側に向けて本体部75Bに突設されたゴム等の弾性材料からなるストップ部材78を備えており、このストップ部材78に、2個のローラブラケット部材67のうち、扉体開き側のローラブラケット部材67が当接することにより、扉体1がそれ以上開き移動することが阻止される。
また、前述した制御手段用ブラケット部材62には、扉体閉じ側の端部において、小面積のブラケット部材90が取り付けられている。このブラケット部材90には、扉体1をリニアモータ手段による自動で開閉移動させる場合と、扉体1を前述した把持部1Bによる手動で開閉移動させる場合とに切り替えるための切替スイッチ91を取り付けることができるようになっている。
上枠部材4の内部に配置されている扉体移動機構が、以上説明したリニアモータ式の駆動装置となっている場合には、扉体1が全閉位置に達しているときに引戸装置に人等が近づくと、これを図示外の光センサ等によるセンサが検知し、このセンサからの信号が入力する制御装置63がコイル装置65に通電させる電気制御を行い、このコイル装置65の磁力が作用する磁石装置70が取り付けられている扉体1が開き移動する。また、扉体1が開き移動することによって引戸装置に形成された前述の出入口7を上記人等が通過すると、これを検知した図示外の光センサ等によるセンサからの信号が制御装置63に入力し、この制御装置63で電気制御されるコイル装置65の磁力と、この磁力の作用を受ける磁石装置70とにより、扉体1は閉じ移動する。
本実施形態では、図4に示されているとおり、磁石装置70における扉体開き側の端部70Eの位置と、扉体1における扉体開き側の端部1Cの位置とが、扉体1の開閉移動方向において一致している。これにより、リニアモータ手段を構成しているコイル装置65と磁石装置70とによって扉体1が閉じ移動したとき、扉体1は、前述した戸先側縦枠2の位置によって規定される全閉位置(実質的な全閉位置を含む。以下同じ。)で停止するようになっている。
そして、このような扉体1の全閉位置を確保できるようにするために、上枠部材4におけるコイル装置65についての扉体開閉移動方向の取付位置が、以下のとおりに設定されている。
すわなち、リニアモータ用のガイドレール60は、図2で説明した改修前のガイドレール20と同じ長さを有するとともに、このガイドレール20と同じ扉体開閉移動方向の位置において、ガイドレール60は取付部材21を介して上枠部材4に取り付けられている。また、図6は、取付部材21を介して上枠部材4に取り付けられる前の制御手段用ブラケット部材62を示し、扉体1の開閉移動方向への長さを有しているこのブラケット部材62の下部には、直角形状の切欠部80が形成され、この切欠部80は、鉛直(実質的な鉛直を含む。)の第1辺部80Aと、水平(実質的な水平を含む。)の第2辺部80Bとからなる。
図7に示されているように、制御手段用ブラケット部材62はそれぞれの取付部材21にビス等の止着具81で止着されることにより、上枠部材4の内部に収納配置される。この収納配置は、切欠部80の第1辺部80Aをガイドレール60の扉体閉じ側の端部に当接させ、切欠部80の第2辺部80Bをガイドレール60の上面に、より具体的には、ガイドレール60の前記基部60Aの上面に当接させて行う。これより、第1辺部80Aは、ガイドレール60に当接されることにより、このガイドレール60を基準として制御手段用ブラケット部材62を扉体開閉移動方向に位置決め配置するための第1当接部となり、また、第2辺部80Bは、ガイドレール60に当接されることにより、このガイドレール60に制御手段用ブラケット部材62を載せるための第2当接部となる。
図8は、このときの状態を示す図7のS8−S8線断面図である。この図8に示されているように、制御手段用ブラケット部材62は、上記止着具81で取付部材21に止着される基部62Aと、この基部62Aから扉体1の側へ折曲突出した突出部62Bとからなり、この突出部62Bに前述した制御装置63が止着具64で止着される。
図9は、前述のコイル装置65を取付部材21に止着具66で止着することにより、このコイル装置65を上枠部材4の内部に収納配置したときを示している。この収納配置は、コイル装置65における扉体閉じ側の端部65Dを、制御手段用ブラケット部材62における扉体開き側の端部62Cに当接させることによって行われ、これにより、コイル装置65は、制御手段用ブラケット部材62を基準として扉体開閉移動方向に位置決め配置される。
以上のように制御手段用ブラケット部材62はガイドレール60を基準として、また、コイル装置65は制御手段用ブラケット部材62を基準として、それぞれ扉体開閉移動方向に位置決めされて上枠部材4に配置されるため、コイル装置65と協働する磁石装置70が取り付けられている扉体1を、戸先側縦枠2の位置によって規定される全閉位置で停止させることができる。
すなわち、上述のような扉体1における磁石装置70の扉体開閉移動方向における取付位置と、上述のような上枠部材4におけるコイル装置65の扉体開閉移動方向における取付位置とが設定されることにより、本実施形態では、リニアモータ手段による扉体1の閉じ移動の終了位置が、戸先側縦枠2の位置によって規定される全閉位置となるようになっている。
なお、上述の説明では、リニアモータ用のガイドレール60の長さを図2で示されているガイドレール20の長さと同じとし、扉体開閉移動方向におけるガイドレール60の上枠部材4での取付位置をガイドレール20についての取付位置と同じとしたが、ガイドレール60の長さをガイドレール20の長さと異ならせ、扉体開閉移動方向におけるガイドレール60の上枠部材4での取付位置をガイドレール20についての取付位置と異ならせた場合であっても、制御手段用ブラケット部材62に形成する切欠部80の第1辺部80Aについての扉体開閉移動方向の位置や、制御手段用ブラケット部材62についての扉体開閉移動方向の長さを適切に設定することにより、上述の場合と同様に、リニアモータ手段による扉体1の閉じ移動の終了位置を、戸先側縦枠2の位置によって規定される全閉位置とすることができる。
また、上述したように、コイル装置65を取付部材21に止着具66で止着するときには、図5に示されているように、ガイドレール60の基部60Aの上面にコイル装置65の前記ブラケット部材65Aの下面を当接させる。これにより、コイル装置65は、ガイドレール60を基準として上下方向に位置決めされることになるため、コイル装置65と、扉体1に取り付けられている磁石装置70との間の図5の適切な間隔を確保することができる。
すなわち、コイル装置65と磁石装置70との位置関係が上下の関係となっている本実施形態では、コイル装置65をガイドレール60に上から当接することにより、コイル装置65を磁石装置70に対して上下方向に位置決め配置できるため、ガイドレール60を基準として、コイル装置65と磁石装置70との間の適切な上下の間隔を容易に確保することができる。
次に、図2で示した扉体移動機構を、図4で示したリニアモータ式の扉体移動機構に改修する作業について説明する。
この改修作業を行うためには、先ずはじめに、上枠部材4から前述のカバー9を取り外し、扉体1の全体を持ち上げることにより、ローラ25をガイドレール20から離脱させるとともに、扉体1の下面のガイド溝部1Aをガイドローラ8から抜き取る。そして、このようにしてガイドレール20とガイドロール8から分離させた扉体1からローラブラケット部材24とローラ25を取り外す。また、ガイドレール20から自動閉鎖装置40とシリンダ式制動装置50と戸当り部材30を取り外し、上枠部材4からガイドレール20を取り外す。なお、ガイドレール20を、このガイドレール20に自動閉鎖装置40とシリンダ式制動装置50と戸当り部材30を取り付けたまま、上枠部材4から取り外してもよい。
次いで、リニアモータ用のガイドレール60を取付部材21を介して上枠部材4に取り付け、制御手段用ブラケット部材62を取付部材21を介して上枠部材4に取り付ける。この取り付けは、前述したようにブラケット部材62の切欠部80の第1辺部80Aを、ガイドレール60にブラケット部材62を扉体開閉移動方向に当接させる第1当接部として行うとともに、切欠部80の第2辺部80Bを、ガイドレール60にブラケット部材62を上から当接させる第2当接部として行う。この後、コイル装置65を取付部材21を介して上枠部材4に取り付け、この取り付けは、前述したように制御手段用ブラケット部材62における扉体開き側の端部62Cにコイル装置65の扉体閉じ側の端部65Dを当接させるとともに、ガイドレール60の基部60Aの上面にコイル装置65のブラケット部材65Aの下面を当接させて行う。
なお、コイル装置65を取付部材21を介して上枠部材4に取り付けるために、コイル装置65を取付部材21に止着具66で止着するときに、このコイル装置65が改修用のものではなく、このため、コイル装置65に止着具66を通すための下孔が取付部材21と一致する位置に形成されていない場合には、取付部材21と一致する位置に下孔を設け、この下孔に止着具66を通すようにしてもよい。
そして、制御手段用ブラケット部材62に制御装置63を取り付け、ガイドレール60に戸当り部材75を取り付ける。なお、予めガイドレール60に戸当り部材75を取り付けておき、制御手段用ブラケット部材62に制御装置63を取り付けておき、この後に、ガイドレール60を取付部材21を介して上枠部材4に取り付け、そして、前述のようにガイドレール60を基準としながらブラケット部材62を、取付部材21を介して上枠部材4に取り付けてもよい。
また、扉体1にローラブラケット部材67とローラ68を取り付けるとともに、扉体1に磁石装置70をローラブラケット部材67を介して取り付ける。磁石装置70のこの取り付けは、前述したように、磁石装置70における扉体開き側の端部70Eの位置と、扉体1における扉体開き側の端部1Cの位置とを扉体開閉移動方向に一致させて行う。
そして、扉体1の全体を持ち上げることにより、ローラ25をガイドレール60に転動自在に係合させるとともに、扉体1の下面のガイド溝部1Aにガイドローラ8を挿入係合する。
以上のようにして組み立てられたリニアモータ式の引戸装置では、前述した説明から分かるように、リニアモータ手段を構成しているコイル装置65と磁石装置70とによって扉体1が閉じ移動したときに、扉体1は、戸先側縦枠2の位置によって規定される全閉位置で停止することになる。
また、このように扉体1を戸先側縦枠2の位置によって規定される全閉位置で停止させるためには、コイル装置65を上枠部材4における扉体開閉移動方向の所定の位置に配置しなければならないが、本実施形態によると、ガイドレール60によって制御手段用ブラケット部材62を扉体開閉移動方向に位置決めし、この制御手段用ブラケット部材62によってコイル装置65を扉体開閉移動方向に位置決めする構造となっているため、コイル装置65を上枠部材4における扉体開閉移動方向の所定の位置に配置するための作業を、ガイドレール60と制御手段用ブラケット部材62を基準部材として利用することにより、容易に行えることになる。
すなわち、磁石手段70に対して必要となるコイル手段65についての扉体移動方向の位置設定作業を容易に行えるようになる。
また、扉体1を戸先側縦枠2の位置によって規定される全閉位置で停止させるためには、磁石装置70を扉体1に扉体開閉移動方向に位置決めして取り付けなければならないが、本実施形態では、この位置決めを、磁石装置70における扉体開き側の端部70Eの位置と、扉体1における扉体開き側の端部1Cの位置とを扉体開閉移動方向に一致させることによって行うようになっており、これらの端部70Eと1Cの位置を扉体開閉移動方向に一致させることは、視覚によって確認することができるため、この位置決め作業も容易に行える。
また、本実施形態では、扉体1における磁石装置70の取付位置は、前述した溝70Dによって磁石装置70の長さ方向である扉体1の開閉移動方向に調整することができるため、リニアモータ手段を構成しているコイル装置65と磁石装置70とによって扉体1が閉じ移動したときに、扉体1が戸先側縦枠2の位置によって規定される全閉位置で停止しないときには、扉体1における磁石装置70の取付位置を調整することにより、扉体1を全閉位置で停止させることができる。
また、本実施形態によると、制御手段用ブラケット部材62には、このブラケット部材62をガイドレール60に上から当接させる第2当接部が設けられているため、制御手段用ブラケット部材62を取付部材21に止着具81で取り付けるまで、ブラケット部材62をガイドレール60で支持しておくことができ、このため、止着具81によるブラケット部材62の取付作業を容易に行え、また、この取り付け後は、ブラケット部材62の重量及びこのブラケット部材62に取り付けられた制御装置63の重量を、ガイドレール60によって有効に支持することができる。
また、制御手段用ブラケット部材62には直角形状の切欠部80が設けられ、この切欠部80を形成している第1辺部80Aが、ガイドレール60を基準としてブラケット部材62を扉体開閉移動方向に位置決めするための第1当接部となっており、第2辺80Bが、ブラケット部材62をガイドレール60の上に載せるための第2当接部になっているため、制御手段用ブラケット部材62に簡単な形状となっている直角形状の切欠部80を設けるだけにより、ガイドレール60を基準としてブラケット部材62を扉体開閉移動方向に位置決めすることと、ブラケット部材62をガイドレール60の上に載せること、を実現することができる。
また、扉体開閉移動方向への長さを有する制御手段用ブラケット部材62の扉体開き側の端部は、コイル装置65を扉体開閉移動方向に位置決めするためにこのコイル装置65を当接させるための当接部として利用されているため、この位置決めを、制御手段用ブラケット部材62に特別の形状部分を形成することなく容易に行える。
さらに、コイル装置65は、ガイドレール60の上面に当接して取付部材21に取り付けられているため、前述したようにコイル装置65と磁石装置70との間の適切な上下の間隔を確保することができるとともに、コイル装置65の重量をガイドレール60によって有効に支持することもできる。