JP2005090040A - リニアモータ式開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 略水平状にガイドレール70を内在する上枠部13と、ガイドレール70に導かれて移動することで上枠部13の下方の通路用開口部sを開閉可能な開閉体20と、上枠部13と開閉体20との間に設けられたリニアモータ部30と、リニアモータ部30を制御するための制御部40とを備え、リニアモータ部30は、上枠部13内に固定されたコイル部31と、コイル部31との間に所定のエアギャップcを置いて開閉体20の上端側に固定された磁石部22とを、上下に配設してなり、制御部40は、上枠部13の長手方向にコイル部31と並ぶように、上枠部13内の上部側に設けられ、コイル部31と電気配線されている。
【選択図】 図1
Description
この上吊方式の引戸は、床面にレールを敷設せずに構成されるため、出入りの際に躓くことがない上、車椅子やストレッチャーなどをスムーズに通過させることができ、病院施設や社会福祉施設,教育施設、さらに近年では一般住居などに、有効に利用されている。
このような上吊方式の引戸には、手動で開閉を行う手動タイプや、閉鎖時のみ自動となる半自動タイプ、開閉を電動で行う全自動タイプ等がある。これらの内、電動で引戸を開閉動作させる全自動タイプでは、その開閉駆動を行う駆動機構として種々の構成があるが、近年では、開閉体のスムーズな開閉移動を、複雑な機構を要さずに簡素な構成で実現でき、騒音の発生が小さいことから、リニアモータを駆動源としたリニアモータ式開閉装置が利用されている。
このリニアモータ式開閉装置は、例えば、特許文献1に記載された発明のように、引戸本体(4)の上縁に磁石(21)を配設するとともに、引戸本体(4)上方の上枠(3)にはコイル(15)を配設し、コイル(15)への通電を駆動回路により制御することで、磁石側の引戸本体(4)を略水平に開閉動作させるようにしている。
また、上記駆動回路が壁面内等に隠蔽されていたため、その隠蔽された駆動回路に対するメンテナンス作業が困難な場合もあった。
そして、開閉体が上記リニアモータ部を駆動源として開動作のみを行う態様とした場合、該開閉体を閉動作させる技術的手段は、例えば該開閉体が傾斜状のレールや案内部材等に沿って自重により閉鎖されるようにした構成や、該開閉体が電動でない他の牽引機構(例えば該開閉体を弾性部材や錘等により閉鎖方向へ牽引するようにした機構等)により閉鎖されるようにした構成等とするのが好ましい。
この技術的手段によれば、仮にリニアモータ部への電源がOFFであった場合や、万が一リニアモータ部が故障した場合等に、開閉体が手動により開放され自動的に閉鎖されるようにすることができる上、同開閉体を、外力の加えられない際に閉鎖状態に維持することができる。
また、上記とは動作を逆にして、開閉体が上記リニアモータ部を駆動源として閉動作のみを行う態様とし、該開閉体を開動作させる技術的手段は、例えば該開閉体が傾斜状のレールや案内部材等に沿って自重により開放されるようにした構成や、該開閉体が電動でない他の牽引機構(例えば該開閉体を弾性部材や錘等により閉鎖方向へ牽引するようにした機構等)により開放されるようにした構成等とすることも可能である。
また、上記開閉体は、リニアモータ部による運動により、上枠部の下方の開口部を開閉するようにしたものであればよい。
この開閉体の具体例としては、片開き引戸状の開閉装置に用いられる開閉体や、両開き引戸状の開閉装置に用いられる開閉体、引分け引戸状の開閉装置に用いられる開閉体、引違い引戸状の開閉装置に用いられる開閉体、二重引きや三重引き等の複重引き引戸状の開閉装置に用いられる開閉体、また、折戸状やカーテン状の開閉装置に用いられる開閉体、回転動作と水平スライド動作との複合動作により開閉する開閉装置に用いられる開閉体(例えばバランスドア)等が挙げられる。
また、この開閉体には、上方から吊り下げられて開閉する吊下げ式の開閉体と、下方のレール上に沿って開閉する開閉体との双方を含むが、床面等に凹凸を要さず通行性を良好にできることから前者の方が好ましい。
また、上記開閉体には、略水平な略直線に沿って移動する態様や、略水平な曲線に沿って移動する態様等を含む。
この制御部には、上記コイル部と直接的に電気配線された態様として、上記コイル部に対し、直接的に電気配線されて、制御された駆動電力を供給するコントローラ等が挙げられ、また、上記コイル部と間接的に電気配線された態様としては、前記コントローラに対し上記リニアモータを制御するための信号を送信するセンサーや、該センサー用の電源回路等が挙げられる。
この制御部は、上記上枠部内の上面に止着された態様や、上記上枠部内の側面に配設された態様等を含むが、上記上枠部の厚さ方向の寸法を小さくする観点等より、好ましくは前者の態様とされる。
また、この制御部は、更に好ましくは、上記上枠部の厚さ方向の寸法に加えて同上枠部の高さ方向の寸法をも小さくする観点等により、コイル部に対し上記上枠部の長手方向に並ぶように、上記上枠部内におけるスペースを有効利用し且つ効率よく配置した態様とされる。すなわち、仮に上記制御部が上記上枠部内において上記コイル部の上下方向へ配置された場合には、上記上枠部の高さ方向の寸法が大きくなってしまうが、前記態様によれば、上記上枠部の高さ方向の寸法をも小さくすることができる。
なお、上記撓み防止部材は少なくとも一つ具備されればよいが、上記開閉体の幅寸法(開閉方向の寸法)が大きい等のために上記磁石部が比較的長めである場合や、諸事情等により上記磁石部の更なる補強が必要な場合等には、この撓み防止部材を複数設けるのが好ましく、更には、これら複数の撓み防止部材を、上記磁石部の略全長が略均等に分割される位置に配置するのが好ましい。すなわち、例えば撓み防止部材を二つ用いる場合には、これら二つの撓み防止部材によって上記磁石部の略全長が略均等に三分割されるように、これら二つの撓み部材を、上記磁石部の長手方向の中途部位に配置する。
上記ガイドレール及び上記コイル支持ブラケットを上記上枠部内に着脱可能に止着する技術的手段としては、例えば、ネジやボルト等の着脱可能な止着部材による止着や嵌合等が挙げられる。
この態様によれば、前記鍔部と上記上枠部内の側面側部位との当接により上記吊車の脱輪を防止できる上、同鍔部により上記磁石部の撓みを防止することができ、ひいては、磁石部とコイル部との間のエアギャップを略均一に保つことで、開閉体の推進力や開閉スピードを安定させることができる。
第一の発明によれば、制御部が上記上枠部内に設けられているため、従来技術のように駆動回路を設置するためのスペースを壁内等に確保したり、駆動回路を設置するための作業を要したり、あるいは駆動回路とコイルとを電気配線したり等することがなく、上枠部の装着作業と同時に制御部を設置することができる。
しかも、制御部は、従来技術のように壁面内等に隠蔽されていないため、例えば、上枠部の下方側から点検したり、上枠部を部分的に分解したり等することで、比較的容易なメンテナンスが可能である。
その上、コイル部と磁石部が上下に配設され、制御部がコイル部に対し上枠部の長手方向に並んでいるため、上枠部の厚さ方向の寸法を小さくすることができ、ひいては、軽量コンパクトで、施工性や、メンテナンス性、意匠性等が良好な上、コスト安な構造を得ることができる。
しかも、ガイドレールとコイル支持ブラケットは、それぞれ別体であり、上枠部内に着脱可能に止着されているため、例えばコイル部に対するメンテナンス作業の際にコイル支持ブラケットのみをコイル部と共に外す等、メンテナンス対象となる部材のみを外しての作業が可能となる。したがって、ガイドレールやコイル部に対するメンテナンス性を、より向上することができる。
本実施の形態によるリニアモータ式開閉装置は、病院や、ビル、住宅、倉庫、工場、車両の荷台等の構築・構造物における開口部分に配設され、開閉体を上枠部内のガイドレールに吊り下げて略水平方向へ略直線的に移動させて、前記開口部分を開閉する所謂上吊方式の引戸に適用した一例として説明する。
そして、この枠体10内における左右部位の内、一方側部位(図示例によれば右側部位)が、開閉体20の収納空間を形成する二つの戸袋部材50,50(図5及び図6参照)により閉鎖され、その他方側部位(図示例によれば左側部位)には、開閉体20により開閉される通路用開口部sが確保されている。
また、右側の側枠部12は、通路用開口部sと戸袋部材50,50とを左右に入れ替えられるように、上記側枠部11と左右対称形状に形成されている。なお、この右側の側枠部12を、左側の側枠部11と左右対称でない異なる形状とすることも可能であるのは勿論である。
この凸部72は、リニアモータ機構を備えない上吊式引戸を構成する場合に、ダンパー機構等を支持するために設けられたものであるが、本実施の形態のリニアモータ式開閉装置Aによれば、この凸部72は、吊車21が基板13a1側へ脱輪しそうになった場合に、吊車21と一体的な磁石部22に当接して前記脱輪を阻む部位として、有効に作用する。
また、同ガイドレール70とコイル支持ブラケット80とは、磁石部22及び吊車21を断面略コ字状に囲むように配置されている。そして、この構成によれば、ガイドレール70の上向き凸部71とコイル部31とが磁石部22及びリニアモータ部30を上下方向から挟むようにして配置されるため、吊車21の上下方向への移動が規制されて、吊車21の脱輪が効果的に防止される。
そして、このリニアモータ部30は、後述する制御部40のコントローラ部41から供給されるパルス電力により、コイル部31,31から磁界を発生し、該磁界により、磁石部22を略水平方向へ推進させる。
なお、このコイル部31は、コントローラ部41と比較して故障が少ないため、戸袋部材50側に配置されていても好ましいが、本実施の形態の好ましい一例によれば、万が一故障した場合等における点検やメンテナンス作業を良好にするために、該コイル部31の全部または一部を、通路用開口部sの上方となる位置に配置している。
そして、この制御部40は、その下端部、すなわち前記コントローラ部41の下端部や、前記アンプ部61aの下端部等が、コイル部31の下端部よりも上方になるように配置されることで、開閉体20の開閉動作時における磁石部22との干渉を防止している。
このコントローラ部41は、その外側をケース部とし、該ケース部に前記制御回路部(図示せず)を内在しているが、この制御回路部は、磁石部22による磁界の悪影響を極力受け難いように、磁石部22に対して、より離れた位置(図示例によれば、より上方の位置)に設けてあることが好ましく、一層好ましい具体的としては、前記ケース部内であって上枠部13内の天面の近傍となる位置に配置される。
図示例によれば、前記投受光部61bは側枠部11の通路用開口部s側の部位に取付けられ、また、リフレクタ部61cは一方の戸袋部材50における通路用開口部s側の部位に取付けられている。
この通過物検知手段62は、開閉体20を開放するために動作するものであれば、上記態様に限定されるものでなく、タッチセンサー等の接触式のセンサーや、押し操作スイッチ等であってもよい。
開閉体20は、通路用開口部sを開閉可能な略矩形板状の開閉体本体23の上端に、吊車支持ブラケット24を介して、吊車21及び磁石部22を支持している。これら吊車支持ブラケット24、吊車21、及び吊車支持ブラケット24等は、開閉体本体23の幅方向(図1における左右方向)にわたって所定間隔置きに複数配設されている。
することで、吊車21や磁石部22に対するメンテナンス性を良好にしている。
この吊車支持ブラケット24の略垂直状の片部分には、吊車21がベアリング等を介して回動自在に支持され、また同片部分の上端側には、磁石部22が着脱可能に止着され、更に同片部分の下端側には、脱輪防止部材25が着脱可能に止着されている。
なお、この磁石本体部22aを、フェライトよりも磁力の強いネオジウムにより構成することも可能である。
前記鍔部22b1は、磁石支持部22bの長手方向にわたって設けられることで、磁石本体部22a及び該磁石支持部22bがコイル部31の吸引力等により上方へ撓まないように補強している。
更に、同鍔部22b1は、ガイドレール70の凸部72に近接して配置されることで、吊車21がガイドレール70側へ脱輪してしまうのを防止している。
この脱輪防止部材25の形状等の構成は限定されるものでないが、図示例によれば、吊車支持ブラケット24の略垂直状の片部を開閉体20正面側(図2及び図3の右側)から囲む平面視略コ字状に形成される。そして、この脱輪防止部材25は、ネジやボルト等の止着部材25aにより、吊車支持ブラケット24に止着されている。
この撓み防止部材26は、磁石部22の側部と開閉体本体23の上端部との間にわたって固定され、磁石部22の長手方向の中途部位がコイル部31の吸引力により上方へ撓むのを防止することで、コイル部31と磁石部22との間のエアギャップcを適正に保持している。
また、図5中、符号82は、閉鎖される際の開閉体20に弾性的に当接することで、開閉体20による衝撃を緩和する干渉部材である。
これら干渉部材81,82は、例えばゴムや、弾性合成樹脂、スプリング等の弾性材料を具備して構成されている。
また、図6中、符号53は、両戸袋部材50,50を下方側で支持する枠部材であり床面等に固定される枠部材であり、符号54は、この枠部材53の露出面を覆う化粧カバーである。
また、同図6中、符号29は、床面等に固定されて開閉体20を開閉方向へ案内するガイドローラーである。
そして、開閉体20をその重量により下方へ下げることで、磁石部22がコイル部31から離れ、吊車21の外周面がガイドレール70の上向き凸部71に係合する。更に、その係合後に、脱輪防止部材25が、吊車支持ブラケット24に対し、ネジやボルト等の着脱可能な止着部材25aにより止着される。
しかも、磁石部22の磁力が開閉体20の重量により容易に外せるように設定されているため、上記作業手順において、吸着されている磁石部22をコイル部31から外す作業も容易である。
この段部22b2は、磁石支持部22bの略全長にわたって設けられ、コイル部31の正面側角部に係合した際に、コイル部31と磁石本体部22aとの水平方向の位置関係を適正とし、且つ、磁石部22と吊車支持ブラケット24とが止着された状態で、吊車21とガイドレール70との水平方向の位置関係を適正とするように、開閉体20の厚さ方向(図7によれば左右方向)の位置が設定されている。
したがって、上記作業手順において、独立状態の磁石部22をコイル部31に吸着させる際に、前記段部22b2をコイル部31下端側の正面側角部に対して水平方向へ突き当てるようにして係合させれば、コイル部31と磁石本体部22aが適正な位置関係で配置され、更に、後で磁石部22と一体化される吊車21とガイドレール70も、適正な位置関係で配置されることになる。
この吊車支持ブラケット24’は、上記止着部材22cを貫挿させるための貫通孔24a’を略逆L字状の長孔としている。
この態様によれば、開閉体20を吊り込む作業の際、予め止着部材22cを外れない程度に緩め、磁石部22を吊車21と接触するまで下方に下げた状態とすることができる(図9参照)。この状態で、磁石部22及び吊車21をコイル部31とガイドレール70との間へ挿入すれば、磁石部22及び吊車21の全高寸法が比較的小さくなっているため、その挿入作業を容易に行うことができる。
20:開閉体
22:磁石部
24:吊車支持ブラケット
26:撓み防止部材
30:リニアモータ部
31:コイル部
40:制御部
41:コントローラ部
70:ガイドレール
80:コイル支持ブラケット
A:リニアモータ式開閉装置
c:エアギャップ
s:通路用開口部
Claims (8)
- ガイドレールを内在する上枠部と、前記ガイドレールに導かれて移動することで前記上枠部の下方の開口部を開閉可能な開閉体と、前記上枠部と前記開閉体との間に設けられたリニアモータ部と、該リニアモータ部を制御するための制御部とを備え、前記リニアモータ部による運動により、前記開閉体を動作させるようにしたリニアモータ式開閉装置において、
前記リニアモータ部は、前記上枠部内に固定されたコイル部と、該コイル部との間に所定のエアギャップを置いて前記開閉体の上端側に固定された磁石部とを、上下に配設してなり、
前記制御部は、上記上枠部の長手方向に前記コイル部と並ぶように、上記上枠部内の上部側に設けられ、前記コイル部と電気配線されていることを特徴とするリニアモータ式開閉装置。 - 上記制御部を、上記開閉体により開閉される上記開口部の上方に配置したことを特徴とする請求項1記載のリニアモータ式開閉装置。
- 上記制御部は、その下端部が上記コイル部の下端部よりも上方に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のリニアモータ式開閉装置。
- 上記磁石部における長手方向の中途部位が、剛性材料からなる撓み防止部材を介して、上記開閉体側に固定されていることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載のリニアモータ式開閉装置。
- 上記磁石部は、上記開閉体に対して着脱可能に装着されていることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載のリニアモータ式開閉装置。
- 上記ガイドレールと、上記コイル部を支持するコイル支持ブラケットとをそれぞれ別体に備え、
これらガイドレールとコイル支持ブラケットとは、略上下方向に当接して上記上枠部内に着脱可能に止着されていることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載のリニアモータ式開閉装置。 - 上記開閉体は、上記磁石部よりも下方側に、上記ガイドレールに沿って回動する吊車を、上記磁石部と一体的に備え、
上記磁石部は、上記吊車が上記ガイドレールから脱輪するのを阻むように、上記上枠部内の側面側に近接して配置されていることを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載のリニアモータ式開閉装置。 - 上記ガイドレールと上記コイル部とは、上側の上記磁石部及び下側の上記吊車を上下方向から挟むようにして配置されていることを特徴とする請求項7記載のリニアモータ式開閉装置。
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