JP2010030917A - 肝炎予防剤又は肝炎治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、新たな肝炎治療剤又は肝炎予防剤を提供することである。
【解決手段】本発明により、フロロタンニンを含有する肝炎予防剤又は肝炎治療剤が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、新たな肝炎予防剤又は肝炎治療剤に関する。
従来、肝硬変の成因は、肝炎ウイルスの持続感染によるものが主体であると考えられていた。
近年、日本人のアルコール摂取量や飲酒人口は増加傾向にある。飲酒習慣の広がりとともにアルコール性肝疾患が急増しており、大きな社会問題となっている。
アルコール性肝炎は、過度の飲酒行為によって肝細胞の変性や壊死を引き起こす病変であり、飲酒を続けることによってアルコール性肝硬変、肝癌へと進展していくことが知られている。
フロロタンニンには、抗酸化作用、血管拡張作用、抗炎症作用や心疾患の予防効果を有することが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照。)。
また、フロロタンニンにより、正常肝臓細胞において脂肪の蓄積が減少することが開示されている(非特許文献1)。
特開2006−328010号公報 特開2002−212095公報 Emil Chi、The Beneficial Effects of Feeding SEANOL−Based Drink "X2" In a Fat Mouse Model Study、[平成16年11月30日検索]、インターネット<URL:http://www.jprenew.com/documents/app_B/SEANOL_UW_FAT_MOUSE_STUDY.pdf>
本発明が解決しようとする課題は、新たな肝炎治療剤又は肝炎予防剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フロロタンニンが肝炎の治療及び予防に有効であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の肝炎治療剤又は肝炎予防剤及び肝炎を治療又は予防する方法を提供する。
[1]
フロロタンニンを含有する肝炎予防剤又は肝炎治療剤。
[2]
前記フロロタンニンが褐藻から抽出されるフロロタンニンである、前記[1]に記載の肝炎予防剤又は肝炎治療剤。
[3]
前記フロロタンニンがカジメ(Ecklonia cava)から抽出されるフロロタンニンである、前記[1]に記載の肝炎予防剤又は肝炎治療剤。
[4]
前記肝炎がアルコール性肝炎である、前記[1]に記載の肝炎予防剤又は肝炎治療剤。
[5]
前記肝炎が肝線維化による肝硬変又は肝癌である、前記[1]に記載の肝炎予防剤又は肝炎治療剤。
[6]
前記[1]に記載の肝炎予防剤又は肝炎治療剤を含有する医薬。
[7]
前記[1]に記載の肝炎予防剤又は肝炎治療剤を含有する食品又は飲料。
[8]
前記[1]に記載の肝炎予防剤又は肝炎治療剤を含有するアルコール飲料。
[9]
フロロタンニンを投与する肝炎の予防又は治療方法。
[10]
前記フロロタンニンが褐藻から抽出されるフロロタンニンである、前記[9]に記載の肝炎の予防又は治療方法。
[11]
前記フロロタンニンがカジメ(Ecklonia cava)から抽出されるフロロタンニンである、前記[9]に記載の肝炎の予防又は治療方法。
[12]
前記肝炎がアルコール性肝炎である、前記[9]に記載の肝炎の予防又は治療方法。
[13]
前記肝炎が肝線維化による肝硬変又は肝癌である、前記[9]に記載の肝炎の予防又は治療方法。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明は、フロロタンニンを含有する肝炎治療剤又は肝炎予防剤に関する。
本発明において、フロロタンニンとして、例えば、エコール、フロロフコフロエコールA、ダイエコール、8,8’−バイエコール等が挙げられる。
本発明において、上記フロロタンニンを1種で用いることもでき、2種以上の混合物を用いることもできる。
本発明において、フロロタンニンとして、褐藻から抽出されるフロロタンニンが挙げられる。
褐藻として、例えば、カジメ(Ecklonia cava)、クロメ(Ecklonia kurome)、マコンブ(Laminaria japonica)、アラメ(Eisenia bicyclis)、サガラメ(Eisenia arborea)、ツルアラメ(Ecklonia stlonifer)、ワカメ(Undaria pinnatifida)、アオワカメ(Undaria peterseniana)、ヒロメ(Undaria undarioides)、ヒジキ(Hizikia fusiforme)、モズク(Nemacystus decipieus)、オキナワモズク(Cladosiphon okamuranus)、チガイソ(Alaria crassifolia)、アカモク(Sargassum horneri)、ホンダワラ(Sargassum fuluvellum)等が挙げられる。
本発明において、フロロタンニンとして、例えば、カジメ(Ecklonia cava)から抽出されるフロロタンニンが挙げられる。
フロロタンニンを褐藻から抽出する方法として、従来公知の方法であれば特に限定されるものではないが、抽出溶媒としてアルコール溶液を用いて抽出する方法を挙げることができる。
フロロタンニンを褐藻から抽出する方法として、例えば、褐藻を25〜100%のアルコール溶液を用いて、常温〜90℃で抽出する方法を挙げることができる。
アルコールとして、炭素数1〜4のアルコールを用いることができる。炭素数1〜4のアルコールとして、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等を挙げることができる。
アルコール溶液として、アルコール水溶液が挙げられる。
フロロタンニンを褐藻から抽出する方法として、何ら限定されるものではないが、以下の方法が挙げられる。
褐藻を水で洗浄して乾燥させて、粉砕することにより、褐藻粉末を得る。褐藻粉末を、アルコール溶液に混合し、室温〜90℃で0.1〜4時間撹拌してフロロタンニンを抽出する。得られた抽出溶液をろ過し、ろ液を真空濃縮することにより、褐藻粗抽出物を得ることができる。得られた褐藻粗抽出物を再び破砕することにより、褐藻粗抽出物の粉末を得る。褐藻粗抽出物の粉末を、95%以上のアルコール溶液に混合し、室温〜90℃で0.1〜4時間撹拌してフロロタンニンを抽出する。得られた抽出溶液をろ過し、ろ液を真空濃縮することにより高純度の褐藻抽出物を得ることができる。
アルコール水溶液による抽出工程を複数回行うことにより、より純度の高いフロロタンニンを含有する褐藻抽出物を得ることができる。
本発明において、フロロタンニンとして、上記抽出方法により得られる褐藻粗抽出物を用いることができ、また、上記抽出方法により得られる高純度の褐藻抽出物を用いることもできる。
本発明において、褐藻抽出物中に固形分としてフロロタンニンが90〜99質量%含まれる褐藻抽出物を得ることができる。
本発明において、フロロタンニンを含有する褐藻抽出物を用いることができる。
本発明のフロロタンニンは、肝炎の予防剤又は治療剤として用いられる。
本発明において、肝炎として、ウイルス性肝炎とアルコール性肝炎等が挙げられる。肝炎は、病態の進行により肝線維化を引き起こし肝硬変、肝癌へと進行する。
肝線維化は、肝類洞壁細胞の1つである肝星細胞の活性化により起こる。肝星細胞が様々な病的刺激により活性化すると、筋繊維芽細胞様に分化してコラーゲンなどの細胞外マトリックスを多量に産生して肝線維化が進行する。
本発明のフロロタンニンを含有する肝炎の予防剤又は治療剤は、肝線維化を予防又は治療することができるので、肝硬変及び/又は肝癌への進行を予防又は治療することができる。
本発明において、医薬品や健康食品には、本発明のフロロタンニンを有効成分として1〜10mg/日/kgの投与量で使用することができる。
本発明において、上記投与量のフロロタンニンを単回投与することができ、また、上記投与量を複数回投与することもできる。
本発明において、医薬品として、公知の他の肝疾患治療剤、肝臓保護剤と組み合わせて投与することができる。
また、医薬品として、抗肥満剤、抗高脂血症剤、抗糖尿病剤、抗高血圧剤等の公知の他の薬剤と組み合わせて投与することもできる。
本発明において医薬品として用いる場合には、有効成分であるフロロタンニン以外に、公知の添加剤を用いることができる。添加剤として、例えば、崩壊剤、希釈剤、滑剤、着色剤、矯味剤、懸濁剤、界面活性剤、分散剤、結合剤、コーティング剤等を挙げることができる。
医薬品の投与剤形として、例えば、経口、経皮、注射剤等の公知の剤形を用いることができ特に限定されるものではない。投与剤形として、例えば、カプセル剤、錠剤、粉剤、顆粒剤、細粒剤、徐放剤、液剤、軟膏剤、点眼剤、クリーム剤、貼付剤等が挙げられる。
本発明において、医薬品として、肝炎を罹患しているヒト(患者)に投与することにより、肝炎を治療することができる。また、肝硬変又は肝癌を罹患しているヒトに投与することにより、肝硬変又は肝癌を治療することができる。
本発明において、医薬品又は健康食品として、ヒトに投与することにより、肝炎を予防することができる。また、医薬品又は健康食品として、肝硬変又は肝癌への進行を予防することもできる。
本発明において、医薬品として、肝炎を罹患しているヒトに投与することにより、肝線維化による肝硬変及び肝癌への進行を予防することができる。
本発明において、食品又は飲料品として、例えば、健康食品、特定保健用食品、栄養補助食品、保健機能食品、機能性食品等を挙げることができる。食品又は飲料品として、肝炎予防及び改善、アルコール性肝炎予防及び改善、肝機能改善、肝硬変の予防及び改善等の表示を付した食品又は飲料品とすることができる。
本発明において、食品又は飲料品には、公知の添加剤を配合することができる。
添加剤として、例えば、酸化防止剤、香料、有機酸類、無機酸類、有機酸塩類、無機酸塩類、保存料、調味料、甘味料、酸味料、エキス、香辛料、ビタミン類、着色料、乳化剤、増粘剤、保湿剤、防腐剤、pH調節剤、安定化剤等を挙げることができる。
本発明において、食品又は飲料品の形態として、例えば、液状、ペースト状、固形状等の形態が挙げられる。食品又は飲料品として、具体的には、アルコール飲料、茶飲料、コーヒー飲料、清涼飲料、乳飲料、菓子類、シロップ類、果実加工品、野菜加工品、漬物類、畜肉製品、魚肉製品、珍味類、缶・ビン詰類、即席飲食物、内服液、肝油ドロップ、口中清涼剤、ゼリー等が挙げられる。
本発明において、本発明の肝炎予防剤又は肝炎治療剤の摂取方法として、アルコール飲料を摂取する際に、本発明のフロロタンニンを含有する肝炎予防剤又は肝炎治療剤を同時に摂取する方法が挙げられる。また、フロロタンニンを含有する肝炎予防剤又は肝炎治療剤を含むアルコール飲料を摂取することにより、アルコール飲料と同時にフロロタンニンを含有する肝炎予防剤又は肝炎治療剤を摂取することができる。
本発明の食品又は飲料品中のフロロタンニンの含有量としては特に限定されるものではない。
一日当りの摂取量が60〜500mgとなるように、カプセル、錠剤、クッキーバーなどに期待する肝炎予防の効果に応じて食品又は飲料品中のフロロタンニンの含有量を増減することができる。
液状形態の食品又は飲料品である場合には、食品又は飲料品中の含有量は、口中の刺激性の発生を抑制する観点から、また、フレーバー、特に海藻臭の抑制の観点から100mg/200mL以下である。
以下、本実施の形態を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本実施の形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施例に用いられる評価方法及び測定方法は以下のとおりである。
[製造例1](Ecklonia cava抽出物の調製方法)
カジメ(Ecklonia cava)0.2kgを水道水で洗浄して乾燥させた。ミキサー(MFC SI mill,Janke and Kunkel Ika−Wreck,Staufen,Germany)を用いて粉砕することにより、カジメの乾燥粉末を得た。乾燥粉末0.1kgを、30%エタノール水溶液0.8Lに混合し、80℃で2時間撹拌して、フロロタンニンの抽出を行った。得られた抽出溶液をろ過した。ろ液を、エバポレーターを用いて真空濃縮することにより、カジメ粗抽出物0.05kgを得た。得られたカジメ粗抽出物を、ミキサーを用いて再び破砕して篩いを通すことにより80meshのカジメ粗抽出物の粉末を得た。
カジメ粗抽出物の粉末0.1kgを、95%アルコール水溶液0.8Lに混合し、80℃で2時間撹拌して、フロロタンニンの抽出を行った。得られた抽出溶液をろ過した。ろ液を、エバポレーターを用いて真空濃縮することによりフロロタンニンを95質量%で含有するカジメ抽出物(ECE)0.005kgを得た。
[実施例1](in vitroアルコール性肝炎モデルの作製)
ペントバルビタールナトリウムで麻酔した10週齢のWistar系雄性ラット(日本SLC)からMoldeusらのコラゲナーゼ灌流法により肝細胞を単離した。単離された肝細胞のトリパンブルー染色により、単離された肝細胞のうち90%以上の肝細胞が生存していることを確認した。
単離した肝細胞を、10%FBSを含有するWilliam’s E培地2mL中に2.5×105cells/mLの密度で35mmプラスチック皿に播種し、37℃にて5%CO2及び95%空気の加湿雰囲気下の炭酸ガスインキュベーター内で、一晩培養した。培地を新しいFBSフリーのWilliam’s E培地に交換したのちに以下の測定に供した。
(肝細胞の生存率の測定)
赤色色素Neutral redが生細胞の小胞体に取り込まれ蓄積される性質を利用したNeutral red法によりエタノール負荷試験における肝細胞の生存率を測定した。
培養した肝細胞を2.5×105cells/mL含む培地に、製造例1で得たフロロタンニン(ECE)と100mMのエタノールを同時に添加し、サンプリング時までそれぞれ0−24時間培養した。
培養終了後、培地を除去し、0.4%Neutral red保存液をリン酸バッファー(PBS)で80倍に希釈した0.005%Neutral red色素液1mlを添加した。インキュベータ内で肝細胞を37℃、5%CO2雰囲気下で2時間静置した。
Neutral red色素液を除去し、次いで、2.5分以内に1%ホルムアルデヒド−1%塩化カルシウム水溶液で1回洗浄した。
1%酢酸−50%エタノール水溶液1mLを添加して、室温で30分間放置した。
上清を1%酢酸−50%エタノール水溶液にて3倍希釈し、分光光度計(V−530 JASCO)で540nmの吸光度を測定した。測定は、5回行い平均値を求めた。一元配置分散分析により水準間の差を認めた後、Turkey法を用いて多重比較検定をした。
エタノール及びフロロタンニンを加えないで行ったコントロールを100として、肝細胞の生存率を測定した。測定結果を図1に示す。
比較例として、緑茶ポリフェノール(GTE、カテキン、SIGMA社製)を用いて同様に肝細胞の生存率を測定した。
[実施例2](マロンジアルデヒド(MDA)産生量の測定)
高度不飽和脂肪酸の過酸化物の二次的生成物であるマロンジアルデヒド(MDA)をTBARS法により測定した。
実施例1の方法により得られた肝細胞を、FBSフリーのHanks培地中に2.5×105cells/mLとなるように加え、12.5μg/mlとなるように製造例1で得たフロロタンニン(ECE)を添加し、100mMとなるようにEtOHを添加して、サンプリング時までそれぞれ0−24時間培養した。
培養終了後、培地および1,1,3,3−テトラメトキシプロパン標準溶液500μLをねじ口試験管に採取した。TBA試薬1mL、50mM BHT 15μLを加えてボルテックスで混合した。熱湯中で15分間加熱し、次いで、氷冷した。遠心分離(3000rpm、10分間)を行って、上清150μLを96穴プレートに入れた。マルチラベルカウンター(Wallac 1420 ARVOsx)にて励起波長(485nm)、蛍光波長(535nm)で蛍光度を測定した。測定は、5回行い平均値を求めた。一元配置分散分析により水準間の差を認めた後、Turkey法を用いて多重比較検定をした。測定結果を図2に示す。
[実施例3](細胞内還元型グルタチオン(GSH)量の測定)
GSHはOPA(o−フタルアルデヒド)と反応し、isoindole誘導体となるため、isoindole誘導体をHPCLにて分離し、蛍光光度計にて励起波長(230nm)、蛍光波長(445nm)で測定し、GSHを定量した。
培養した肝細胞を2.5×105cells/mL含む、実施例1の方法により得られた培地に、製造例1で得たフロロタンニン(ECE)12.5μg/mLと100mLのエタノールを同時に添加し、サンプリング時までそれぞれ0−24時間培養した。
培養終了後、25mMトリス塩酸溶液で細胞をかきとり、超音波処理によって細胞膜を破壊したのち遠心分離する。その上清とOPA(o−フタルアルデヒド)を反応させたのちHPLCにて測定する。
シリカゲルベース逆相カラム(マイテイシル、関東化学製、15cm、径4.6mm)を用い、移動相A(30mM 酢酸ナトリウム pH6.0)と移動相B(メタノール:アセトニトリル=92.3:7.7%)によるグラジエントをかけて溶出し分離してGSHの定量を行った。測定結果を図3に示す。
[実施例4](抗タイプIコラーゲン抗体を用いた免疫組織化学的解析の測定)
13−14週齢のWistar系雄性ラット(日本SLC)の肝臓をプロナーゼ(Merck製)およびコラゲナーゼ液(和光純薬製)で灌流した後、Nycondenz溶液を用いた密度勾配遠心法によって肝星細胞を得た。肝星細胞は細胞数を5.0×105cells/mLになるように10%FBSを含むDMEM培地1.5mLに浮遊させ、直径35mmのプラスチックシャーレ上で2日間培養した後、FBSフリーのDMEM培地に交換し、24時間培養することによって細胞周期を合わせた。次に、本培養として100mMエタノール水溶液を添加して、サンプリング時までそれぞれ0−24時間培養した。製造例1で得たフロロタンニン(ECE)の添加実験では、フロロタンニン(12.5μg/mL)をエタノール(100mM)と同時に添加し、サンプリング時までそれぞれ0−24時間培養した。
培養後、4%パラホルムアルデヒド水溶液を用いて4℃、終夜で固定した。0.1%Triton−XのPBS溶液で5分間×3回洗浄を行った。3%過酸化水素水を用いて内因性ペルオキシダーゼのブロッキングを5分間行い、一次抗体(抗ラットI型コラーゲン抗体 Chemicon製)で60分間反応させた。PBSを用いて5分間×3回洗浄を行った。二次抗体(ビオチン化ヤギ抗ラット免疫グロブリン抗体、DAKO A/S製)で30分間反応させた。PBSを用いて5分間×3回洗浄を行った。酵素溶液(Horseradish peroxidase−labelled streptoavidin−biotin複合体溶液)で30分間反応させた。PBSを用いて5分間×3回洗浄を行った。ペルオキシダーゼ発色反応によりDAB溶液を用いて5分間反応させた。PBSを用いて5分間×3回洗浄を行った。水溶性封入剤(Aquatex、Merck製)で封入し、標本を作製した。
倒立顕微鏡(OLYMPUS IX70)に接続しているCCDデジタルカメラ(FUJIX HC−2500)からPCソフト(FUJIX Photograb−2500 for Macintosh)を用いて画像を取り込んだ。測定結果を図4−6に示す。
[実施例5]
製造例1で得られたカジメ粗抽出物を用いて10mg/mlになるように純水に溶解させ、その後80℃30分熱処理を行って完全に水に溶解させた。
カジメ粗抽出物の10mg/mL水溶液を純水で20倍希釈し、次いで、希釈した溶液をWilliam’s E培地2mlに添加して抽出物の最終濃度が2.5μg/mlとなるように調製した。
実施例1の方法にしたがって、肝細胞の生存率を測定した。比較例として、アラメ、ヒジキ、コンブについても製造例1と同様に抽出行って、各粗抽出物を作製した。得られた粗抽出物について、カジメ粗抽出物同様に、肝細胞の生存率を測定した。
回復率を、以下の計算式に基づいて求めた。
回復率=[(抽出物とエタノールを添加した際の細胞生存率)−(エタノール単独を添加した際の細胞生存率)]/[(コントロールの細胞生存率)−(エタノール単独を添加した際の細胞生存率)]×100
測定結果を表1及び図7に示す。
実施例1のアルコール性肝炎モデルにおける肝細胞の生存率を平均値±標準偏差により示す。図1中、縦軸はコントロール群を100としたときの肝細胞の生存率を示す。各グラフは、左から順に、コントロール群、エタノール添加(100mM)群、各濃度におけるGTE及びエタノール(100mM)添加群、及び12.5μg/mLのフロロタンニン(ECE)及びエタノール(100mM)添加群を示す。a〜eは、有意差の記号を示し、共通のアルファベットを共有しないグラフは、異なっていることを示す(p<0.05)。 実施例2のアルコール性肝炎モデルにおける経時的な培地中のMDA濃度を平均値±標準偏差により示す。図2中、縦軸は、培地中のMDA濃度を示し、横軸は、時間経過を示す。◇は、コントロール群のMDA濃度を、□は、エタノール添加(100mM)群のMDA濃度を、△は、12.5μg/mLのフロロタンニン(ECE)及びエタノール添加(100mM)群のMDA濃度を示す。**は、コントロール群と有意差(p<0.01)があることを示す。 実施例3のアルコール性肝炎モデルにおける細胞内還元型グルタチオン(GSH)濃度を平均値±標準偏差により示す。図3中、縦軸は、GSH濃度を示し、横軸は、時間経過を示す。◇は、コントロール群のGSH濃度を、□は、エタノール添加(100mM)群のGSH濃度を、△は、12.5μg/mLのフロロタンニン(ECE)及びエタノール添加(100mM)群のGSH濃度を示す。**は、コントロール群と有意差(p<0.01)があることを示す。 実施例4のコントロール群の抗タイプIコラーゲン抗体を用いた免疫組織化学的解析による画像を示す。細胞質が黒く染色されているほどコラーゲン合成能が亢進されていることを示す。 実施例4のエタノール添加群の抗タイプIコラーゲン抗体を用いた免疫組織化学的解析による画像を示す。 実施例4のフロロタンニン(ECE)及びエタノール添加群の抗タイプIコラーゲン抗体を用いた免疫組織化学的解析による画像を示す。本発明のフロロタンニン(ECE)が、エタノールによる肝星細胞のコラーゲン合成能の亢進を有意に抑制していることを示す。 実施例5のアルコール性肝炎モデルにおける海藻抽出物の回復率を示す。

Claims (13)

  1. フロロタンニンを含有する肝炎予防剤又は肝炎治療剤。
  2. 前記フロロタンニンが褐藻から抽出されるフロロタンニンである、請求項1に記載の肝炎予防剤又は肝炎治療剤。
  3. 前記フロロタンニンがカジメ(Ecklonia cava)から抽出されるフロロタンニンである、請求項1に記載の肝炎予防剤又は肝炎治療剤。
  4. 前記肝炎がアルコール性肝炎である、請求項1に記載の肝炎予防剤又は肝炎治療剤。
  5. 前記肝炎が肝線維化による肝硬変又は肝癌である、請求項1に記載の肝炎予防剤又は肝炎治療剤。
  6. 請求項1に記載の肝炎予防剤又は肝炎治療剤を含有する医薬。
  7. 請求項1に記載の肝炎予防剤又は肝炎治療剤を含有する食品又は飲料。
  8. 請求項1に記載の肝炎予防剤又は肝炎治療剤を含有するアルコール飲料。
  9. フロロタンニンを投与する肝炎の予防又は治療方法。
  10. 前記フロロタンニンが褐藻から抽出されるフロロタンニンである、請求項9に記載の肝炎の予防又は治療方法。
  11. 前記フロロタンニンがカジメ(Ecklonia cava)から抽出されるフロロタンニンである、請求項9に記載の肝炎の予防又は治療方法。
  12. 前記肝炎がアルコール性肝炎である、請求項9に記載の肝炎の予防又は治療方法。
  13. 前記肝炎が肝線維化による肝硬変又は肝癌である、請求項9に記載の肝炎の予防又は治療方法。
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