JP2015182987A - 抗炎症剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、炎症の抑制作用を有する抗炎症剤を提供することにある。
【解決手段】
上記目的は、葛花処理物を有効成分として含む、抗炎症剤により解決される。本発明の抗炎症剤は、炎症の抑制効果を奏する。また、本発明の別の態様は、本発明の抗炎症剤を含む、又は該抗炎症剤を飲食品に配合してなる経口用組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、葛花処理物を有効成分として含有する抗炎症剤に関する。また、本発明は、該抗炎症剤を利用した経口用組成物に関する。
炎症とは、感染や損傷から身体を保護する、生命維持のための反応機序である。しかし、急性又は慢性の炎症は組織や細胞の損傷を生じせしめることから、様々な疾病の潜在的要因となり得る。
葛はマメ科の植物であり、その根は古くから葛澱粉として和菓子の原料に用いられている。また、葛の根及び花はそれぞれ葛根及び葛花と称され、発熱や感冒などの風邪の症状に対する生薬として利用されている。特に葛花に含まれているイソフラボノイドは、二日酔い予防効果があることが知られている(特許文献1を参照)。また、葛花処理物を有効成分とする血流改善剤がこれまでに報告されている(特許文献2を参照)。
特開2000−7694号公報 特開2006−249071号公報
特許文献1及び2には、葛花中のイソフラボノイドが二日酔い予防効果を奏し、さらに葛花処理物は血流改善作用を有することが示唆されている。しかし、葛花中の成分や葛花処理物との関係で、炎症の抑制効果については特許文献1及び2にはなんら記載がない。
そこで、本発明は、炎症の抑制作用効果を有する、抗炎症剤を提供することを発明が解決しようとする課題とした。
本発明者は、上記課題について鋭意研究を積み重ねた結果、葛花処理物は炎症を抑制する作用を有することを見出し、葛花処理物を含有する抗炎症剤を製造することに成功した。本発明は、この成功例に基づき、完成された発明である。
したがって、本発明によれば、葛花処理物を有効成分として含む、抗炎症剤が提供される。
本発明の別の側面によれば、又は本発明の別の態様として、本発明の抗炎症剤を含有する、又は該抗炎症剤を飲食品に配合してなる経口用組成物が提供される。
本発明の抗炎症剤は、炎症の抑制作用によって、炎症反応に伴うリスクの低減及び炎症の改善効果が期待できる。特に、炎症性細胞浸潤抑制効果、Gr−1陽性細胞浸潤抑制効果、CD4陽性細胞浸潤抑制効果及びNK1.1陽性細胞抑制効果が期待できる。
本発明の抗炎症剤は経口用組成物に配合することができ、又はその他の添加物と共に、若しくはすでにある飲食品に配合して、経口用組成物の形態を採り得る。
被験物質投与群及びコントロール群のヘマトキシリン・エオシン染色像を示した写真図である。 被験物質投与群及びコントロール群の抗Gr−1の免疫染色像を示した写真図である。 被験物質投与群及びコントロール群の抗CD4の免疫染色像を示した写真図である。 被験物質投与群及びコントロール群の抗NK1.1の免疫染色像を示した写真図である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の抗炎症剤は、葛花を処理して得られる葛花処理物を有効成分として含む。
葛花は、葛植物の花部である。葛植物とは、通常知られているとおりのマメ科クズ属のつる性多年生植物であり、日本、中国、台湾、東南アジアなどに分布することが知られている。本発明に用いる葛植物の種類としては、特に制限はないが、プエラリア・トムソニイ(Pueraria thomsonii)、プエラリア・ロバータ(Pueraria lobata)、プエラリア・スンバーギアナ(Pueraria thunbergiana)等を例示でき、抗炎症効果の観点からプエラリア・トムソニイ(Pueraria thomsonii)を用いることが好ましい。本発明の抗炎症剤の有効成分である葛花処理物の原料である葛花は、いかなる開花の段階で採集された葛花であってもよいが、抗炎症効果の観点から、全開する前の蕾の段階で採集された葛花であることが好ましい。
葛花処理物は、葛花を処理したものに加えて、葛花自体をも包含する。葛花の処理手段は特に限定されず、例えば、細断、破砕、磨砕、乾燥、加熱、抽出などの植物の花部を加工処理する際に通常採られ得る物理的又は化学的処理であればよい。葛花処理物として好ましい態様は、イソフラボノイド、サポニン及びこれらの配糖体からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を含む葛花乾燥物又は葛花抽出物である。
葛花乾燥物は、葛花を乾燥して得られる物であり、例えば、葛花自体を乾燥したもの、葛花自体を乾燥後破砕して得られた乾燥粉末などが挙げられる。葛花乾燥物を得るための葛花の乾燥手段は特に限定されないが、例えば、全開する前の蕾の段階で採集された葛花を、日干しや熱風乾燥などにより乾燥することにより葛花乾燥物を得ることができる。乾燥の程度は、葛花の水分含有量が十分に低下したことが確認されるまでの程度であればよく、例えば、水分含有量が10wt%又はそれ以下となるまでの程度であることが好ましい。また、必要に応じて、葛花乾燥物は、粉砕することにより、粉末の形態とすることができる。
葛花乾燥物の粉末を得る場合において、その粉末化の方法としては、例えば、当業者が通常用いる方法であるボールミル、ハンマーミル、ローラーミルなどにより、葛花乾燥物を粉砕及び粉末化する方法が挙げられるが、これらに限定されない。乾燥と粉末化の順序を入れ替えて、乾燥前の葛花をマスコロイダー、スライサー、コミトロールなどで予め粉砕しておき、この粉砕物を乾燥して葛花乾燥物の粉末とすることもできる。
葛花抽出物は、葛花の含有成分が抽出された物であれば特に限定されず、葛花を圧搾して得られる搾汁や葛花と溶媒とを用いて抽出して得られた抽出液などが挙げられる。また、葛花抽出物は、搾汁や抽出液を濃縮した物であってもよく、例えば、液状、ペースト状、粉末状、細粒状、顆粒状、ペレット状、錠状等の固体状であってもよい。いずれの場合も葛花抽出物のみでも良いし、例えば液状、ペースト状の場合は溶媒等と混合状態でも良い。また、固体状の場合は賦形剤と混合したもの、更に賦形剤や結合剤と共に成型したものでも良い。本発明においては、飲食品との混合時の混合のしやすさから液状、粉末状、細粒状、顆粒状が好ましく、粉末状、細粒状、顆粒状がより好ましく、粉末状が特に好ましい。
葛花抽出物は、抽出液の形態で得る場合、通常知られている植物体を用いた溶媒抽出手段により得ることができる。例えば、溶媒中に葛花を加えて、適宜加温や撹拌などをすることにより、葛花抽出物が得られる。また、遠心分離やろ過などの通常知られている固液分離手段を用いて、固形分を除いた液体成分からなる葛花抽出物とすることができる。なお、葛花抽出物の原料となる葛花としては、乾燥前後の葛花を用いることができるが、抽出効率の観点から、例えば、葛花乾燥物であることが好ましく、葛花乾燥物の粉末であることがより好ましい。
葛花抽出物を得る際に使用する溶媒としては、例えば、水、熱水、有機溶媒、含水有機溶媒などが挙げられる。また、有機溶媒としては、抽出処理に通常用いられる有機溶媒であれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、エチルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2−トリクロロエテンなどが挙げられる。これらのうち、水、熱水又は極性有機溶媒が好ましく、水、熱水、エタノール、n−ブタノール、メタノール、アセトン、プロピレングリコール又は酢酸エチルがより好ましく、水、熱水又はエタノールがさらに好ましい。
葛花抽出物を得る際は、加温せずに抽出することもできるが、抽出効率の観点から加温することが好ましい。加温抽出手段としては、例えば、加熱還流などの加温抽出法や超臨界抽出法などが挙げられ、場合によっては加圧して加温する手段を採用することができる。加温抽出での抽出温度は、使用する溶媒の沸点以下の温度であれば特に制限はない。抽出温度は、用いる溶媒によっても異なるが、一般に4℃〜150℃である。抽出に用いる溶媒が揮発することを防ぐために、加温温度の下限値を、例えば、30℃以上、好ましくは50℃以上とし、加温温度の上限値を、例えば、150℃以下、好ましくは130℃以下と設定するのがよい。
抽出時間は、抽出温度などによって適宜設定すればよく、例えば、数十分から数十時間であり、加温条件や撹拌条件によっては30分〜48時間とすることができる。なお、加温せずに抽出する場合又は50℃未満で抽出する場合は、例えば、抽出時間を6時間〜48時間とすることができ、50℃以上で加温する場合は、例えば、抽出時間を30分〜24時間とすることができる。抽出時間、すなわち抽出の開始から終了までの時間は、各種条件に依存するが、例えば、可溶成分の濃度を経時的に測定し、これらの濃度が最大濃度でプラトーになった時間をもって抽出終了時間とすることができる。
葛花抽出物は、例えば、有機溶媒を除去するなどのために、抽出操作を経た抽出液を減圧濃縮や凍結乾燥などの濃縮や乾燥などに供したものであってもよい。
葛花抽出物は、ダイヤイオンHP20、セパビースSP825L、アンバーライトXAD4、MCIgelCHP20Pなどの合成吸着剤やセファデックスLH−20などのデキストラン樹脂等のカラムや濃縮機などを用いて精製した抽出物としてもよい。
葛花処理物は、すでに知られているとおり、二日酔い予防、血流改善作用などの生理活性を示す。さらに驚くべきことに、葛花処理物は、後述する実施例に示されているとおり、肝臓における炎症反応に関与する細胞の増殖若しくは誘導の抑制作用、肝臓への炎症細胞浸潤の抑制作用を示し、これらを基に抗炎症効果を奏する。より具体的には、葛花処理物は、肝臓の中でも特に肝実質の炎症に対して顕著な改善効果を奏する。さらに、葛花処理物は、肝臓における炎症反応に関与する細胞のうち、特にGr−1陽性細胞、CD4陽性細胞及びNK1.1陽性細胞の浸潤を改善する効果を奏する。したがって、本発明の抗炎症剤は、葛花処理物を有効成分として含有することにより、哺乳動物の炎症を抑制、低減又は緩和することができる。また、本発明の別の態様は、葛花処理物を有効成分として含む、肝実質炎症抑制剤、炎症性細胞浸潤抑制剤、Gr−1陽性細胞浸潤抑制剤、CD4陽性細胞浸潤抑制剤及びNK1.1陽性細胞浸潤抑制剤である。
さらに、本発明の抗炎症剤は、すでに生じている炎症を鎮めることだけではなく、炎症が起きる可能性のある部位に対して作用することによって炎症を未然に防ぐ蓋然性がある。特に後述する実施例に示されているとおり、葛花処理物は肝臓における炎症の改善効果や炎症が進行することによって発症する疾患を未然に防ぐ効果を奏することから、本発明の別の側面として、葛花処理物を有効成分として含有する肝炎予防剤、好ましくは葛花処理物を有効成分として含有する非アルコール性肝炎予防剤を提供することができる。
葛花処理物の配合量は、抗炎症効果を奏し得る有効量であれば特に限定されない。葛花処理物が葛花抽出物である場合、葛花抽出物の配合量は、成人一日あたりの摂取量として下限値を乾燥質量で、例えば、10mg以上となるように設定することができる。また、成人一日あたりの摂取量として上限値を乾燥質量で、例えば、3,000mg以下、好ましくは1,000mg以下となるように設定することができる。
葛花処理物が葛花乾燥物である場合は、葛花乾燥物の配合量は、成人一日あたりの摂取量として下限値を乾燥質量で、例えば、0.1g以上となるように設定することができ、成人一日あたりの摂取量として上限値を、例えば、30g以下、好ましくは10g以下となるように設定することができる。
本発明の別の側面として、本発明の抗炎症剤を含有する、又は本発明の抗炎症剤を飲食品に配合してなる経口用組成物が提供される。
本発明の経口用組成物における葛花処理物の配合量は、その形態や剤形などによって適宜設定することができ、特に限定されない。葛花処理物が葛花抽出物である場合、葛花抽出物の配合量は、経口用組成物100質量部に対して、葛花抽出物の下限値は乾燥質量で、例えば、0.0001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上と設定することができ、葛花抽出物の上限値は乾燥質量で、例えば、50質量部以下、好ましくは30質量部以下と設定することができる。葛花処理物が葛花乾燥物である場合、葛花乾燥物の配合量は、経口用組成物100質量部に対して、葛花乾燥物の下限値は乾燥質量で、例えば、0.01質量部以上、好ましくは0.1質量部以上と設定することができ、葛花乾燥物の上限値は乾燥質量で、例えば、80質量部以下、好ましくは50質量部以下と設定することができる。
本発明の経口用組成物には、必要に応じて、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、その他の飲食品原料、調味料、医薬品原料などを添加してもよい。さらに、本発明の抗炎症剤を含む経口用組成物は、用途に応じて、ハードカプセルやソフトカプセルなどのカプセル剤、錠剤、丸剤などに製剤設計することができ、又は粉末状、顆粒状、茶状、ティーバッグ状、飴状などの通常飲食品として採り得る形状に成形することができ、さらには液体状の飲料として用いることもできる。本発明の経口用組成物を摂取するに際しては、これらの形状のものをそのまま、又は好みに応じてこれらの形状のものを水、湯、牛乳などに溶いて飲むことができる。また、本発明の経口用組成物が粉末化したティーバッグ状である場合は、含有成分を湯などに浸出させてから飲むことが好ましい。
本発明の経口用組成物に配合し得る飲食品原料又は飲食品としては、例えば、ローヤルゼリー、プロポリス、ビタミン類(A、C、D、E、K、葉酸、パントテン酸、ビオチン、これらの誘導体など)、ミネラル(鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛など)、セレン、α−リポ酸、レシチン、ポリフェノール(フラボノイド類、これらの誘導体など)、カロテノイド(リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテインなど)、キサンチン誘導体(カフェインなど)、脂肪酸、タンパク質(コラーゲン、エラスチンなど)、ムコ多糖類(ヒアルロン酸など)、アミノ糖(グルコサミン、アセチルグルコサミン、ガラクトサミン、アセチルガラクトサミン、ノイラミン酸、アセチルノイラミン酸、ヘキソサミン、それらの塩など)、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、環状オリゴ糖など)、スフィンゴ脂質やリン脂質及びその誘導体(フォスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、セラミドなど)、含硫化合物(アリイン、セパエン、タウリン、グルタチオン、メチルスルホニルメタンなど)、糖アルコール、リグナン類(セサミンなど)、これらを含有する動植物抽出物、根菜類(ウコン、ショウガなど)、麦若葉末などのイネ科植物の緑葉、ケールなどのアブラナ科植物の緑葉などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
調味料としては、例えば、グラニュー糖、蜂蜜、ソルビットなどの甘味料;アルコール;及びクエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの酸味料などが挙げられるが、これらに限定されない。糖液、糖アルコール、調味料などを加えて本発明の経口用組成物の甘味を強くすることができる。
本発明の経口用組成物は、葛花処理物に加えて、脂質吸収抑制成分、脂質代謝促進成分、第2の抗炎症成分などの生理活性成分を含有することにより、相乗的な脂質の蓄積抑制効果、体脂肪減少効果、抗炎症効果などを得ることができる。
脂質吸収抑制成分としては、例えば、キトサン及びその誘導体、サイリウム、プロアントシアニジンなどの胆汁酸を排泄する作用を有する成分、ガロタンニン、ビワ葉及びその抽出物などのリパーゼ阻害作用を有する成分が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、例えば、松樹皮抽出物といったプロアントシアニジンを多く含む植物抽出物を、プロアントシアニジンとして用いることも可能である。
脂質代謝促進成分としては、例えば、リボフラビン類、茶カテキン類、異性化リノール酸、カフェイン、カプサイシン、カルニチン、コエンザイムQ10、大豆ペプチド、分岐アミノ酸、フォスファチジルコリン、アリルスルフィド化合物、フォルスコリン、ベルゲニン、ケルセチン、アスチルビン、ヒドロキシクエン酸、及びこれらの塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。脂質代謝促進成分は、これらの成分又はこれらを含有する植物処理物であってもよく、例えば、茶、コレウスフォコリ、アカショウマ、黄杞、大豆、唐辛子、ソバ、ニンニク、タマネギ、コーヒーなどの処理物を、脂質代謝促進成分として用いることができる。
第2の抗炎症成分としては、例えば、カテキン類、硫化アリル、カプサイシン、クルクミン、トラネキサム酸、グリチルリチン酸、パントテン酸、ブロメリンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。第2の抗炎症成分は、これらの成分又はこれらの成分を含有する植物処理物であってもよく、例えば、茶、ネギ、ニンニク、ニラ、タマネギ、唐辛子、ウコン、甘草などの処理物を、第2の抗炎症成分として用いることができる。
本発明の経口用組成物は、脂質吸収抑制成分、脂質代謝促進成分及び第2の抗炎症成分を、目的に応じて適宜配合する。例えば、これらのいずれか1種又は2種の成分を配合してもよく、これらの成分のすべてを配合してもよい。また、2種類以上の脂質吸収抑制成分、脂質代謝促進成分又は第2の抗炎症成分を配合することもできる。
本発明の経口用組成物の具体例として、近年健康のために飲食されている、麦若葉(例えば、大麦若葉)、ケール、明日葉、桑葉などの緑葉を粉末化して、飲料として摂取する、いわゆる「青汁」として、葛花処理物を利用すると、他の青汁よりも嗜好性のよい青汁とすることができ、さらには、摂取しにくい他の青汁原料と共に配合することで、他の青汁原料を摂取しやすくすることも可能である。さらに、飲食品原料や飲食品を含む飲料、例えば、植物発酵ジュース、野菜ジュース(例えば、人参ジュース)、植物抽出物、果汁などにも利用することができ、葛花処理物を含有させることにより、嗜好性を良くするだけでなく、機能性または栄養価の高い飲料とすることができる。
本発明の経口用組成物の加工形態は特に限定されないが、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、シャーベット、フローズンヨーグルト、かき氷などの冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺などの麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子などの菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージなどの水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳などの乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシングなどの油脂及び油脂加工食品;ソース、たれなどの調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物などが挙げられる。
本発明の別の態様として、葛花処理物を有効成分として含む、炎症細胞浸潤の抑制を介した肝炎を予防又は治療するための医薬用組成物が提供される。本発明の医薬用組成物は、葛花処理物がGr−1陽性細胞を標的とすることにより、非アルコール性肝炎などの肝炎を予防及び/又は治療できる。本発明の医薬用組成物は、医薬品製剤用の医薬品原料に、葛花処理物を適宜配合して製造することができる。本発明の医薬用組成物の投与方法は特に限定されず、経口投与及び非経口投与のいずれであってもよいが、経口投与が好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
[1.葛花処理物の有用性評価]
葛花処理物として、葛(Pueraria thomsonii)の花部を熱水で抽出し、それを乾燥した粉末状の葛の花エキス末を使用した。高脂肪食に葛の花エキス末を混合した混合餌で飼育した非アルコール性肝炎モデルマウス群(被験物質投与群)と、高脂肪食のみで飼育したモデルマウス群(コントロール群)とを比較することによって、葛の花エキス末のモデルマウスにおける有用性を評価した。
被験物質投与群では、モデルマウスに対して、葛の花エキス末(株式会社東洋新薬)を50g/kg濃度(5wt%)で固形飼料High Fat Diet 32(放射線滅菌、日本クレア株式会社)に混合した混合餌を、コントロール群では固形飼料High Fat Diet 32のみを制限摂取させた。
モデルマウスは、8週齢時に肝炎、9週齢時に肝線維化その後20週齢時に肝癌を発症するヒトの肝疾患の進行と予後に類似した病理所見を示すモデルマウスである。モデルマウスは、2日齢時のSPFマウス(C57BLl6J、日本チャールス・リバー株式会社)の雄にストレプトゾトシン(シグマアルドリッチジャパン株式会社)を生理食塩液(日本薬局方、株式会社大塚製薬工場)にて10mg/mL濃度とし、20μL/head(200μg/head)で背部皮下に1回投与し、次いで4週齢になるまで母動物に哺育させ、その後高脂肪食を摂取させることにより作製した。ただし、離乳時までは、母児ともに固形飼料CE−2(放射線滅菌、日本クレア株式会社)を自由に摂取させた。
モデルマウスは、投与開始日の前日に体重を測定し、体重層別化無作為抽出法によって18匹を抽出し、平均体重が均等になるように被験物質投与群及びコントロール群の2群(9匹/群)に分けた。各群について、1ケージ当たり3匹で飼育した。投与期間は生後4週齢からの28日間とした。投与期間終了後の各群の被験動物について、ジエチルエーテル麻酔下で開腹し、肝臓を得た。
<肝実質における炎症評価>
被験動物の肝臓の中心部を、ブアン固定液(シグマアルドリッチジャパン株式会社)に浸漬し、24時間室温にて固定後、パラフィン切片とした。パラフィン切片を用いて、常法に従ってへマトキシリン・エオシン染色を実施した。また、Kleinerらの報告(KleinerDE et al.、Hepatology,2005;41:1313)に従い、表1の内容に従って、肝実質における炎症ついて評価を行った。ヘマトキシリン・エオシン染色像を図1に、肝実質における炎症評価結果を表2にそれぞれ示す。
図1から、コントロール群では、リンパ球及び好中球を含む炎症性細胞浸潤像が認められた。それに対して、被験物質投与群では、コントロール群と比較して、炎症性細胞浸潤の減少が認められた。
表2から、被験物質投与群では肝実質の炎症が顕著な減少傾向を示すことがわかった。
<Gr−1陽性細胞、CD4陽性細胞及びNK1.1陽性細胞の評価>
被験動物の肝臓の中心部を、中性ホルマリン液(和光純薬工業株式会社)に浸漬し、24時間室温にて固定後、スクロース置換を実施し、O.C.T.compoundを満たしたクリオディッシュに包埋後、速やかに液体窒素で凍結した。凍結切片を、常法に従い抗Gr−1免疫染色又は抗CD4免疫染色を施し、中心静脈を中心とした200倍の視野にて、1切片あたり5視野の写真をCCDカメラ(ライカマイクロシステムズ)で撮影した。撮影した画像をもとにGr−1陽性細胞数及びCD4陽性細胞数をそれぞれ算出した。また、パラフィン切片を、脱パラフィン及び親水化した後、抗NK1.1抗体(BDPharmingen)及びEnVision FLEX Mini Kit、High pH Kit(Dako Japan社)の添付文書に従い染色し、アクアテックス(メルク)にて封入し、解析に用いた。中心静脈を中心とした200倍の視野にて、1切片あたり5視野の写真をCCDカメラで撮影した。撮影した画像をもとにNK1.1陽性細胞数を算出した。抗Gr−1、抗CD4及び抗NK1.1の免疫染色像を図2〜4にそれぞれ示す。また、これらの免疫染色の陽性細胞数を表3に示す。なお、陽性細胞数は平均値で示した。
図2から、コントロール群では、Gr−1陽性細胞の中心静脈周囲への浸潤が認められた。コントロール群に比較して、被験物質投与群ではGr−1陽性細胞浸潤の軽減が認められた。表3から、中心静脈周囲のGr−1陽性細胞数は、コントロール群に比較して、被験物質投与群で低値を示した。
図3から、コントロール群では、CD4陽性細胞の中心静脈周囲への浸潤が認められた。コントロール群に比較して、被験物質投与群ではCD4陽性細胞浸潤の軽減傾向が認められた。表3から、中心静脈周囲のCD4陽性細胞数は、コントロール群に比較して、被験物質投与群は低値を示した。
図4から、コントロール群では、NK1.1陽性細胞の中心静脈周囲への浸潤が認められた。表3より、中心静脈周囲のNK1.1陽性細胞数は、コントロール群に比較して被験物質投与群は低値を示した。
図2〜4及び表3の結果から、被験物質投与群では、コントロール群に比較して、Gr−1陽性細胞数、CD4陽性細胞数及びNK1.1陽性細胞数の減少が認められた。これらの結果から、葛の花エキス末は、炎症反応に関与する細胞の増殖若しくは誘導の抑制作用又は炎症細胞浸潤の抑制作用を有することが示された。特に、Gr−1、CD4及びNK1.1を発現するような細胞の増殖若しくは誘導の抑制作用又は炎症細胞浸潤の抑制作用を有することが示された。
[2.葛花処理物を含む経口用組成物の配合例]
(1)配合例1:飲料
葛花抽出物に水を加え、撹拌して葛花抽出物を溶解させた。その後、濾過を行い、不純物を除去した。得られた液を殺菌・充填し、表4に示す組成の飲料を得た。
(2)配合例2:飲料
80℃の熱水に緑茶葉を加え、緑茶を抽出した後、室温まで冷却した。濾過により緑茶葉を除去し、緑茶抽出液を得た。次に、葛花抽出物に水を加え溶解させたものを、先に得た緑茶抽出液に加えた。次に、L−アスコルビン酸ナトリウムに水を加えて溶解させたものを、緑茶抽出液に加えた。次に、70℃程度の熱水に炭酸水素ナトリウムを加えて溶解させたものを緑茶抽出液に加えた。得られた液を殺菌・充填し、表5に示す飲料を得た。
(3)配合例3:顆粒剤
表6に示す原料を用いて、顆粒剤を製造した。
(4)配合例4:錠剤
表7に示す原料を用いて、錠剤を製造した。
本発明の抗炎症剤は、炎症の発症リスクの低減及び症状の改善効果、特に炎症性細胞浸潤抑制効果、Gr−1陽性細胞浸潤抑制効果、CD4陽性細胞浸潤抑制効果及びNK1.1陽性細胞抑制効果を有する。これらを飲食品、化粧品、医薬品などに利用することによって、多くの成人の健康と福祉に資する。

Claims (2)

  1. 葛花処理物を有効成分として含む、抗炎症剤。
  2. 請求項1に記載の抗炎症剤を含有する、又は該抗炎症剤を飲食品に配合してなる経口用組成物。
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