JP2010030799A - AlN基板の製造方法およびAlN基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面のオフ角を制御したAlN基板を歩留まりを向上して製造するAlN基板の製造方法およびAlN基板を提供する。
【解決手段】AlN基板10の製造方法は、以下の工程を備えている。まず、AlN結晶を成長させる。そして、AlN結晶から、第1の領域12と、第1の領域12を取り囲む第2の領域13とを有する表面11を含むAlN基板10を切り出す。この切り出す工程では、表面11に直交する軸と、c軸とのなすオフ角が、第2の領域13の第1の点13aで最小値をとるようにAlN基板10を切り出す。
【選択図】図2

Description

本発明はAlN基板の製造方法およびAlN基板に関する。
AlN(窒化アルミニウム)結晶は、6.2eVの広いエネルギバンドギャップ、約3.3WK-1cm-1の高い熱伝導率および高い電気抵抗を有しているため、光デバイスや電子デバイスなどの半導体デバイス用の基板材料として注目されている。
このようなAlN結晶の製造方法が、たとえば特開2007−197276号公報(特許文献1)に開示されている。この特許文献1には、以下の工程によりIII−V族窒化物半導体基板を製造している。具体的には、c面またはオフ角を有する異種基板上にIII−V族窒化物半導体膜を成長させる。その後、異種基板上に金属膜を堆積し、熱処理してIII−V族窒化物半導体膜に空隙を形成する。次に、金属膜上にIII−V族窒化物半導体結晶を堆積させる。次に、異種基板を剥離して、c軸が表面に対して略垂直、またはc軸が表面に対して所定の角度だけ傾斜しているIII−V族化合物半導体結晶を得る。次に、このIII−V族窒化物半導体結晶の裏面を研磨して平坦面としている。このIII−V族窒化物半導体結晶から異種基板、III−V族窒化物半導体膜および金属膜を除去することにより、III−V族窒化物半導体基板を製造している。このように製造されるIII−V族窒化物半導体結晶からなる半導体基板の表面は、アズグロウンである。
特開2007−197276号公報
しかし、上記特許文献1では、アズグロウンでIII−V族窒化物半導体結晶を成長させている。つまり、III−V族窒化物半導体基板の表面のオフ角は、III−V族窒化物半導体結晶の成長条件のみで制御している。このため、高い歩留まりで、オフ角を制御したIII−V族窒化物半導体基板を製造することは困難であるという問題があった。
したがって、本発明は、表面のオフ角を制御したAlN基板を歩留まりを向上して製造するAlN基板の製造方法およびAlN基板を提供することである。
本発明のAlN基板の製造方法は、以下の工程を備えている。まず、AlN結晶を成長させる。そして、AlN結晶から、第1の領域と、第1の領域を取り囲む第2の領域とを有する表面を含むAlN基板を切り出す。この切り出す工程では、表面に直交する軸と、c軸とのなすオフ角が、第2の領域の第1の点で最小値をとるようにAlN基板を切り出す。
本発明のAlN基板は、第1の領域と、この第1の領域を取り囲む第2の領域とを有する表面を含むAlN基板において、表面に直交する軸と、c軸とのなすオフ角は、第2の領域の第1の点で最小値をとることを特徴としている。
本発明のAlN基板の製造方法およびAlN基板によれば、AlN基板の表面上にエピタキシャル層を形成させる際に、エピタキシャル層の成長に好ましくないオフ角が最小となる点がAlN基板の外周側の第2の領域に位置している。このため、内周側に位置する第1の領域上には特性の高いエピタキシャル層を形成することができる。このように、第1の領域上に特性の高いエピタキシャル層を形成するようにオフ角が制御された表面を有するAlN基板を、AlN結晶から切り出している。このため、AlN結晶の状態によらず(つまりAlN結晶の成長条件等に依存せず)、安定してオフ角を制御したAlN基板を製造することができる。したがって、特性の高いエピタキシャル層を形成するためにオフ角が制御されたAlN基板を、歩留まりを向上して製造することができる。
上記AlN基板の製造方法において好ましくは、上記切り出す工程では、第2の領域がAlN基板のエッジから2mm以内になるようにAlN基板を切り出す。
また上記AlN基板において好ましくは、第2の領域は、エッジから2mm以内である。
これにより、AlN基板のエッジから2mm以内の第2の領域を除いた広い領域を第1の領域とすることができる。このため、この広い第1の領域を、特性の高いエピタキシャル層等に使用することができる。
上記AlN基板の製造方法において好ましくは、上記切り出す工程では、表面のオフ角が0よりも大きくなるようにAlN基板を切り出す。また上記AlN基板において好ましくは、表面のオフ角は、0よりも大きい。
AlN基板上にエピタキシャル層等を形成する場合、AlN基板の表面の全面においてオフ角が0よりも大きいと、オフ角が0の領域を含まないAlN基板を製造することができる。このため、第1の領域上に形成したエピタキシャル層等の特性をより向上することができる。
上記AlN基板の製造方法において好ましくは、上記切り出す工程では、c面からa軸方向またはm軸方向に傾斜した平面と平行な平面に沿って、AlN結晶からAlN基板を切り出す。
上記AlN基板において好ましくは、表面は、c面からa軸方向またはm軸方向に傾斜している。
これにより、このAlN基板を用いて作製したエピタキシャル層等の特性をより向上することができる。
上記AlN基板の製造方法において好ましくは、上記切り出す工程後に、AlN基板の表面の研磨および研削の少なくとも一方を行なう工程をさらに備えている。
これにより、AlN基板の表面を平坦に加工することができる。このため、このAlN基板を用いてエピタキシャル層等を容易に作製することができる。
上記AlN基板の製造方法において好ましくは、上記切り出す工程では、オフ角が第2の領域の第2の点で最大値をとり、かつ第2の点から第1の点にかけてオフ角が単調減少するようにAlN基板を切り出す。
上記AlN基板において好ましくは、オフ角は第2の領域の第2の点で最大値をとり、第2の点から第1の点にかけてオフ角が単調減少する。
これにより、内周側に位置する第1の領域ではオフ角の最小値および最大値を含まないので、オフ角のばらつきを抑制することができる。また、内周側に位置する第1の領域のオフ角が0よりも大きくなる。このため、内周側に位置する第1の領域上に、より特性の高いエピタキシャル層等を形成することができる。
上記AlN基板の製造方法において好ましくは、上記切り出す工程では、複数枚のAlN基板を切り出す。これにより、AlN基板の1枚当たりの製造コストを低減することができる。
本発明のAlN基板の製造方法およびAlN基板によれば、AlN結晶からオフ角を制御してAlN基板を切り出すことによって、表面に直交する軸と、c軸とのなすオフ角が、外周側で最小値をとるように、AlN基板を歩留まりを向上して製造することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。また、本明細書中においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。
図1は、本実施の形態におけるAlN基板を概略的に示す断面図である。まず、図1を参照して、本実施の形態におけるAlN基板について説明する。
図1に示すように、AlN基板10は、表面11を含んでいる。表面11は、第1の領域12と、第1の領域12を取り囲む第2の領域13とを有している。つまり、第1の領域12はAlN基板10の表面11において内周側に位置し、第2の領域13はAlN基板10の表面11において外周側に位置している。第1の領域12は、AlN基板10の表面11において、表面11上に形成するエピタキシャル層のうち、基板またはデバイスに用いられるエピタキシャル層を形成する領域である。表面11上に形成するエピタキシャル層のうち、基板またはデバイスに用いられない第2の領域13は、たとえばエッジからの距離tが2mm以内である。
図2および図3は、本実施の形態におけるAlN基板を上方(表面側)から見たときのオフ角を示す模式図である。図2および図3において、矢印はオフ角の大きさと方向とを示すベクトルである。図2および図3において、aとはa軸方向、mとはm軸方向、cとはc軸方向を指し、AlN基板10の表面11の中央での方向を示す。図2および図3に示すように、表面11は、c面からa軸方向またはm軸方向に傾斜している。
なお、c面とは、{0001}面を意味し、(0001)面、(000−1)面、およびそれらと平行な面を含んでいる。m軸方向とは、<1−100>方向を意味し、[1−100]方向、[10−10]方向、[−1100]方向、[−1010]方向、[01−10]方向および[0−110]方向を含んでいる。またa軸方向とは、<11−20>方向を意味し、[11−20]方向、[1−210]方向、[−2110]方向、[−1−120]方向、[−12−10]方向および[2−1−10]方向を含んでいる。
表面11に直交する軸と、c軸とのなすオフ角は、第2の領域13の第1の点13aで最小値をとっている。このオフ角は、第2の領域13の第2の点13bで最大値をとっている。第2の点13bから第1の点13aにかけてオフ角は単調減少している。なお、単調減少とは、第2の点13bから第1の点13aに向けて、オフ角の大きさが常に同じまたは減少しており、かつ第2の点13bのオフ角よりも第1の点13aのオフ角が小さいことを意味する。つまり、単調減少とは、第2の点13bから第1の点13aに向けてオフ角が増加している部分が含まれていない。
表面11のオフ角は、表面11の全面に渡って0よりも大きいことが好ましい。つまり、第1の点13aのオフ角が0よりも大きいことが好ましい。この場合、表面11のオフ角が0の領域をAlN基板10は含まない。
特に、表面11の第1の領域12におけるオフ角は、0.15°以上2°未満が好ましく、0.3°以上0.7°未満がより好ましい。この範囲の場合、第1の領域12上に、特性の高いエピタキシャル層を形成することができる。
表面11が矩形の場合、表面11のエッジ上の一点と、他の点との距離の最大値が5mm以上であることが好ましい。また、表面11が円形または楕円形の場合、最も長い直径が10mm以上であることが好ましい。
続いて、本実施の形態におけるAlN基板の製造方法について説明する。
図4は、本実施の形態におけるAlN結晶を概略的に示す断面図である。図5は、本実施の形態におけるAlN結晶の製造に使用可能な成長装置である。図4および図5に示すように、まず、AlN結晶22を成長させる。このAlN結晶22は、AlN基板10を製造するためのインゴットである。本実施の形態では、たとえば昇華法によりAlN結晶22を成長させる。
ここで、図4を参照して、本実施の形態における成長装置100の主要な構成について説明する。この成長装置100は、昇華法により結晶成長する装置である。
図4に示すように、成長装置100は、坩堝101と、加熱体121と、反応容器123と、加熱部125とを主に備えている。
坩堝101は、たとえばグラファイト製である。この坩堝101は、排気口101aを有している。この坩堝101の周りには、坩堝101の内部と外部との通気を確保するように加熱体121が設けられている。この加熱体121の周りには、反応容器123が設けられている。この反応容器123の外側中央部には、加熱体121を加熱するための高周波加熱コイルなどの加熱部125が設けられている。
加熱体121および反応容器123の一方端部には、反応容器123内に配置された坩堝101へたとえば窒素ガスなどのキャリアガスを流すための導入口121a、123aと、反応容器123の外部へキャリアガスを排出するための排出口121b、123bとを有している。また、反応容器123の上部および下部には、坩堝101の上方および下方の温度を測定するための放射温度計127a、127bが設けられている。
なお、上記成長装置100は、上記以外の様々な要素を含んでいてもよいが、説明の便宜上、これらの要素の図示および説明は省略する。
まず、下地基板21を準備する。下地基板は特に限定されず、SiC(炭化珪素)基板などの異種基板であってもよく、AlN基板であってもよい。本実施の形態では、下地基板21として、たとえば1インチの直径を有し、250μmの厚さを有するSiC基板を準備する。この下地基板21を坩堝101の上部に設置する。このとき、下地基板21の表面は平坦化されており、下地基板21の昇華を抑制するために、裏面側にはたとえばグラファイト製の下地基板保護材が密着するように設置する。
その後、高純度の原料17を準備する。原料17は、たとえばAlN粉末等を用いることができる。この原料17を、下地基板21と互いに向かい合うように、坩堝101の下部に設置する。
その後、反応容器123内に窒素ガスを流しながら、加熱部125を用いて加熱体121を加熱することにより、坩堝101内の温度を上昇させる。そして、原料17が昇華する温度まで原料17を加熱する。この加熱により、原料17が昇華して昇華ガスを生成する。この昇華ガスを、原料17よりも低温に設置されている下地基板21の表面に再度固化させる。本実施の形態では、たとえば下地基板21の温度を2000℃に、原料17の温度を2200℃になるように加熱して、30μmの厚みを有するAlN結晶を成長させ、さらに100時間AlN結晶を成長させる。これにより、たとえば10mmの厚みを有するAlN結晶22を成長させることができる。その後、室温(たとえば25℃)まで冷却して、成長装置100から取り出す。これにより、図4に示すように、下地基板21上にAlN結晶22を成長させることができる。
なお、本実施の形態では、AlN結晶22の成長方法として昇華法を採用したが、特に昇華法に限定されず、たとえばHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy:ハイドライド気相成長)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシ)法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相堆積)法などの気相成長法、フラックス法、高窒素圧溶液法などの液相法などを採用することができる。
図6および図7は、本実施の形態のAlN結晶の結晶方位を概略的に示す模式図である。図6および図7において、一点鎖線はc軸方向を示す。このように成長させたAlN結晶22の表面22aは、図4、図6および図7に示すように、凹に反っている。また図6および図7に示すように、AlN結晶22のc面も反っている。つまり、AlN結晶22の表面22aの位置によってc軸の向きは異なっている。
なお、本実施の形態では、AlN結晶22からAlN基板を切り出すため、インゴットとして厚みの大きなAlN結晶22を成長させている。厚みの大きなAlN結晶22を成長させると、AlN結晶22の表面22aには反りが生じる。特にAlN結晶22は、一方向に歪む性質を有している。このため、AlN結晶22の表面22aとc軸とのなす角は、表面22aの位置によってばらついている。
次に、AlN結晶22から、第1の領域12と、第1の領域12を取り囲む第2の領域13とを有する表面11を含むAlN基板10を切り出す。この切り出す工程では、表面11に直交する軸と、c軸とのなすオフ角が、第2の領域13の第1の点13aで最小値をとるようにAlN基板10を切り出す。また第2の領域13がAlN基板10のエッジから2mm以内になるようにAlN基板10を切り出すことが好ましい。
この切り出す工程では、表面11のオフ角が0よりも大きくなるようにAlN基板10を切り出すことが好ましい。また切り出す工程では、オフ角が第2の領域13の第2の点で最大値をとり、かつ第2の点13bから第1の点13aにかけてオフ角が単調減少するようにAlN基板10を切り出すことが好ましい。
具体的には、切り出す工程では、図6に示すように、c面からm軸方向に傾斜した平面S1と平行な平面に沿って、AlN結晶22からAlN基板10を切り出す。この平面S1の法線ベクトルn1は、c軸成分およびm軸成分に分解でき、a軸方向に成分を有していない。これにより、図2に示すAlN基板10を製造することができる。本実施の形態では、たとえば400μmの厚みを有するAlN基板10を製造することができる。
また、切り出す工程では、図7に示すように、c面からa軸方向に傾斜した平面S2と平行な平面に沿って、AlN結晶22からAlN基板10を切り出してもよい。この平面S2の法線ベクトルn2は、c軸成分およびa軸成分に分解でき、m軸方向に成分を有していない。これにより、図3に示すAlN基板10を製造することができる。
ここで、上記平面S1、S2は、AlN結晶22の中央に位置するc面からa軸方向またはm軸方向に傾斜していることが好ましい。なお、AlN結晶22の中央とは、AlN結晶22の表面22aが多角形状のとき、その表面22aにおいて中央部を挟んで対向する任意に特定される2辺に内接する円の直径のうち最大の長さの中心を意味する。またAlN結晶22の表面22aが円状または楕円状のとき、その表面22aにおいて任意に特定される直径のうち最大の長さの中心を意味する。
上記平面S1、S2は、AlN結晶22の外周側でc軸と直交していてもよい。この場合、c軸と直交した部分でオフ角が0となり、この部分でオフ角が最小値をとる。この知見を利用して、オフ角を制御して、AlN結晶22からAlN基板10を切り出すことができる。
特に、上記平面S1、S2は、AlN結晶22のいずれのc軸とも直交しないことが好ましい。この場合、表面11においてオフ角が0の領域を含まないAlN基板10を製造することができる。
この切り出す工程では、平面S1、S2と並行な平面に沿って、複数枚のAlN基板10を切り出すことが好ましい。AlN結晶22の厚みがたとえば10mm以上の場合、容易に複数枚のAlN基板10を切り出すことができる。
AlN基板10を切り出す方法は特に限定されず、たとえば切断など機械的な除去方法を用いることができる。切断とは、外周刃を持つスライサー、内周刃を持つスライサー、ワイヤーソーなどで機械的にAlN結晶22からAlN基板10を切り出すことをいう。
このように製造されたAlN基板10は、表面に直交する軸と、c軸とのなすオフ角が、第2の領域13の第1の点13aで最小値をとる。
次に、必要に応じて、AlN基板10の表面の研磨および研削の少なくとも一方を行なう。なお、研削とは、砥石を回転させながら表面に接触させて、厚さ方向に削り取ることをいう。AlN基板10は、研磨および研削の際に脱粒を抑制できるので、表面11を容易に平坦にすることができる。なお、AlN基板10の裏面の研磨および研削の少なくとも一方をさらに行なってもよい。
本実施の形態では、ダイヤモンド砥粒を固定した砥石を用いてAlN基板10の整形加工をし、その後ダイヤモンド砥粒を用いてAlN基板10の表面11の研削または研磨をする。
次に、本実施の形態におけるAlN基板10の製造方法により製造されるAlN基板10の効果について説明する。
本実施の形態におけるAlN基板10の製造方法では、表面に直交する軸と、c軸とのなすオフ角が、第2の領域13の第1の点13aで最小値をとるようにAlN基板10を切り出している。このようなAlN基板10を切り出す工程では、c面からa軸方向またはm軸方向に傾斜した平面S1、S2と平行な平面に沿って、AlN結晶22からAlN基板10を切り出している。この場合、図2または図3に示すように、表面11に直交する軸と、c軸とのなすオフ角は、第2の領域13の第1の点13aで最小値をとる。
図8は、比較例のAlN基板を切り出す状態を概略的に示す模式図である。図8に示すように、比較例におけるAlN基板30の製造方法では、AlN結晶22の中央付近でc軸と直交するような平面Tと平行な面でAlN基板30を切り出すと、AlN基板30の表面31のオフ角の分布は図9に示すようになる。つまり、AlN基板30の表面31において内周側の第1の領域32で最小値をとり、外周側の第2の領域33に向けてオフ角が大きくなっている。なお、図9は、比較例のAlN基板を上方(表面側)から見たときのオフ角を示す模式図である。図9において、矢印はオフ角の大きさと方向とを示すベクトルである。
製造したAlN基板10、30の表面上にエピタキシャル層を形成させると、オフ角の大きい領域上に形成したエピタキシャル層は横方向に結晶成長するため、良好な表面モフォロジーを有する。つまり、本実施の形態のように内周側に位置する第1の領域12上に、特性の高いエピタキシャル層を形成することができる。一方、比較例では、外周側に位置する第2の領域33上に、特性の高いエピタキシャル層を形成することができる。
AlN基板10、30の表面11、31上に形成したエピタキシャル層を用いて作製される基板、デバイス等において、外周側に位置する第2の領域13、33上に形成されたエピタキシャル層は、基板、デバイス等において実質的に利用しない。このため、本実施の形態では、基板、デバイス等に利用しない領域としてAlN基板10の第2の領域13がオフ角の最小値となるように、AlN基板10はオフ角を制御している。したがって、AlN基板10を用いてエピタキシャル層を形成することにより基板、デバイス等に用いる場合に、特性を向上できるようにオフ角を制御することができる。一方、比較例のAlN基板30では、基板、デバイス等に利用する第1の領域32でオフ角が最小となっている。このため、比較例のAlN基板30を用いてエピタキシャル層を形成すると、特性を向上できるようにオフ角を制御することができない。
また、本実施の形態では、オフ角が制御された表面11を有するようにAlN結晶22からAlN基板10を切り出している。このため、AlN結晶22の状態によらず(つまりAlN結晶22の成長条件等に依存せず)、安定してオフ角を制御したAlN基板10を製造することができる。したがって、特性の高いエピタキシャル層を形成するためにオフ角が制御されたAlN基板10を、歩留まりを向上して製造することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態におけるAlN基板を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態におけるAlN基板を上方(表面側)から見たときのオフ角を示す模式図である。 本発明の実施の形態におけるAlN基板を上方(表面側)から見たときのオフ角を示す模式図である。 本発明の実施の形態におけるAlN結晶を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態におけるAlN結晶の製造に使用可能な成長装置である。 本発明の実施の形態のAlN結晶の結晶方位を概略的に示す模式図である。 本発明の実施の形態のAlN結晶の結晶方位を概略的に示す模式図である。 比較例のAlN基板を切り出す状態を概略的に示す模式図である。 比較例のAlN基板を上方(表面側)から見たときのオフ角を示す模式図である。
符号の説明
10 AlN基板、11,22a 表面、12 第1の領域、13 第2の領域、13a 第1の点、13b 第2の点、17 原料、21 下地基板、22 AlN結晶、100 成長装置、101 坩堝、101a 排気口、121 加熱体、121a,123a 導入口、121b,123b 排出口、123 反応容器、125 加熱部、127a,127b 放射温度計、n1,n2 法線ベクトル、S1,S2 平面。

Claims (12)

  1. AlN結晶を成長させる工程と、
    前記AlN結晶から、第1の領域と、前記第1の領域を取り囲む第2の領域とを有する表面を含むAlN基板を切り出す工程とを備え、
    前記切り出す工程では、前記表面に直交する軸と、c軸とのなすオフ角が、前記第2の領域の第1の点で最小値をとるように前記AlN基板を切り出す、AlN基板の製造方法。
  2. 前記切り出す工程では、前記第2の領域が前記AlN基板のエッジから2mm以内になるように前記AlN基板を切り出す、請求項1に記載のAlN基板の製造方法。
  3. 前記切り出す工程では、前記表面の前記オフ角が0よりも大きくなるように前記AlN基板を切り出す、請求項1または2に記載のAlN基板の製造方法。
  4. 前記切り出す工程では、c面からa軸方向またはm軸方向に傾斜した平面と平行な平面に沿って、前記AlN結晶から前記AlN基板を切り出す、請求項1〜3のいずれかに記載のAlN基板の製造方法。
  5. 前記切り出す工程後に、前記AlN基板の前記表面の研磨および研削の少なくとも一方を行なう工程をさらに備えた、請求項1〜4のいずれかに記載のAlN基板の製造方法。
  6. 前記切り出す工程では、前記オフ角が前記第2の領域の第2の点で最大値をとり、かつ前記第2の点から前記第1の点にかけて前記オフ角が単調減少するように前記AlN基板を切り出す、請求項1〜5のいずれかに記載のAlN基板の製造方法。
  7. 前記切り出す工程では、複数枚の前記AlN基板を切り出す、請求項1〜6のいずれかに記載のAlN基板の製造方法。
  8. 第1の領域と、前記第1の領域を取り囲む第2の領域とを有する表面を含むAlN基板において、
    前記表面に直交する軸と、c軸とのなすオフ角は、前記第2の領域の第1の点で最小値をとることを特徴とする、AlN基板。
  9. 前記第2の領域は、エッジから2mm以内である、請求項8に記載のAlN基板。
  10. 前記表面の前記オフ角は、0よりも大きい、請求項8または9に記載のAlN基板。
  11. 前記表面は、c面からa軸方向またはm軸方向に傾斜している、請求項8〜10のいずれかに記載のAlN基板。
  12. 前記オフ角は前記第2の領域の第2の点で最大値をとり、前記第2の点から前記第1の点にかけて前記オフ角が単調減少する、請求項8〜11のいずれかに記載のAlN基板。
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