JP2013006740A - 結晶の製造方法および結晶 - Google Patents

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Abstract

【課題】下地基板を熱膨張率が異なる材料に固定することなく、昇華法によるホモエピタキシャル成長を行なう新規の結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の結晶の製造方法は、結晶成長容器1内に、結晶の原料からなる原料体2と、原料体2の上面2a上に原料体2に接触するように単結晶種基板3とを配置する配置工程(St1)と、結晶成長容器1内を昇温し、原料体2の原料の一部を昇華させて原料ガスとし、原料ガスを単結晶種基板3の上面3a上に析出させて結晶4を成長させる結晶成長工程(St2)と、を備え、単結晶種基板3と結晶4とは同一化学組成の材料からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は結晶の製造方法および結晶に関し、特に単結晶種基板を用いた結晶の製造方法および当該製造方法により製造される結晶に関する。
窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)等の化合物半導体結晶は、光デバイスや電子デバイスなどの半導体デバイス用の基板材料として注目されている。このような半導体結晶の成長方法の一つとして、気相成長法の昇華法が挙げられる。
昇華法による窒化アルミニウム結晶の成長は、たとえば以下の工程によって実施される。すなわち、成長室の下部に窒化アルミニウム多結晶原料が設置され、成長室の上部のサセプタに下地基板が窒化アルミニウム多結晶原料と互いに向かい合うよう設置される。そして、窒化アルミニウム多結晶原料が昇華する温度まで窒化アルミニウム多結晶原料が加熱される。この加熱により、窒化アルミニウム多結晶原料が昇華して昇華ガスが生成され、窒化アルミニウム多結晶原料よりも低温に設置されている下地基板の表面に窒化アルミニウム単結晶が成長する(非特許文献1、特許文献1参照)。
特開2009−190965号公報
Journal of Crystal Growth 310(2008) 2464-2470
非特許文献1に記載の方法は、SiC基板にAlN単結晶を成長させるヘテロエピタキシャル成長であるため、格子定数のミスマッチによるクラックが生じるという問題があった。また、SiC基板を成長室の上部に固定するため、SiC基板と固定部分との熱膨張率の違いにより、冷却時に成長結晶にクラック・剥離の問題が生じる恐れがあった。特許文献1には、ホモエピタキシャル成長による方法が記載されているものの、下地基板は第1の層と第2の層とを介してサセプタに固定されており、下地基板と第1の層および第2の層との間では熱膨張率に違いがあるので、冷却時に成長結晶にクラック・剥離の問題が生じる恐れがあった。
本発明は、下地基板を熱膨張率が異なる材料に固定することなく、昇華法によるホモエピタキシャル成長を行なう新規の結晶の製造方法および当該製造方法により製造される結晶を提供することを目的とする。
本発明は、結晶成長容器内に、結晶の原料からなる原料体と、原料体の上面上に原料体に接触するように単結晶種基板とを配置する配置工程と、結晶成長容器内を昇温し、原料体の原料の一部を昇華させて原料ガスとし、原料ガスを単結晶種基板の上面上に析出させて結晶を成長させる結晶成長工程と、を備え、単結晶種基板と結晶とは同一化学組成の材料からなる、結晶の製造方法を提供する。
好ましい一形態において、上記配置工程では、原料体をその側面の少なくとも一部が結晶成長容器内の雰囲気に露出するように配置する。この場合、上記原料体として、下面が上面より大きいものを用いることが好ましい。また、上記原料体として、粉末状の原料を焼成してなるものを用いることが好ましい。
上記結晶成長工程において、好ましくは、原料体中に単結晶種基板よりも温度の高い領域が存在するように昇温する。上記単結晶種基板および上記結晶は、たとえば窒化アルミニウム結晶からなる。
また、本発明は、上記結晶の製造方法により製造された結晶を提供する。
本発明の結晶の製造方法によると、クラック・剥離の問題がなく良好な品質の結晶を製造することができる。また、本発明の結晶は、品質が良好である。
本発明の結晶の製造方法を示す概略図である。 本発明の原料体の配置方法の他の例を示す概略図である。 本発明の原料体の配置方法の他の例を示す概略図である。 本発明の製造方法により結晶を製造するための装置を示す概略図である。
以下、本発明について図面に基づいて説明する。
[結晶の製造方法]
図1は、本発明の結晶の製造方法を示す概略図である。図1に示すように、本発明の結晶の製造方法は、結晶成長容器1内に、結晶の原料からなる原料体2と、原料体2の上面2a上に原料体に接触するように単結晶種基板3とを配置する配置工程(St1)と、結晶成長容器1内を昇温し、原料体2の原料の一部を昇華させて原料ガスとし、原料ガスを単結晶種基板3の上面3a上に析出させて結晶4を成長させる結晶成長工程(St2)と、を備える。単結晶種基板3と結晶4とは同一化学組成の材料からなる、ホモエピタキシャル成長である。このような材料として、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)などが例示される。配置工程において、配置される原料体2および単結晶種基板3はそれぞれ1個であっても複数個であってもよい。
昇華法は、原則として高温側で固体から気体への昇華が起こり、低温側で気体から固体への析出が起こる。したがって、温度分布によっては種基板自体からの昇華と、より低温側での析出も起こりうる。そのため、結晶成長容器内に種基板より低温の領域があると種基板自体が昇華してなくなってしまうことがある。したがって、析出工程(St2)においては、結晶成長容器1内で単結晶種基板3が最も低温であり、原料体2において単結晶種基板3よりも温度が高い領域が存在するように温度制御することが好ましい。
本発明において、単結晶種基板3は、原料体2に接触して配置されているので、原料ガスの発生源が近接している。したがって、結晶成長工程において単結晶種基板3の周辺の原料ガス濃度を非常に高くすることができ、単結晶種基板3からの昇華を抑制することができる。また、単結晶種基板3が原料ガスの発生源に近接しているため、原料ガスの損失・漏れ、結晶成長容器1内の単結晶種基板3以外の箇所での原料ガスの結晶化を抑制することができ、結晶成長速度を向上させることができる。
本発明においは、単結晶種基板3を同一化学組成の材料からなる原料体2とのみ接触し、異種材料と接触しないように配置することができる。したがって、単結晶種基板3と異種材料との接触または接合による熱膨張率の差に起因する成長結晶のクラック・剥離などの問題の発生を防止することができる。
(原料体)
原料体2の形状および配置は、原料ガスの発生が可能であれば特に限定されない。図1においては、原料体2が、結晶成長容器1の下部にその下面2bおよび側面2cの全体が結晶成長容器1の内壁に接触して配置される様子を示したが、側面2cの少なくとも一部が結晶成長容器1内の雰囲気に露出するような形状および配置も可能である。このような形状および配置は、原料ガスの発生効率の点から好ましい。
図2および図3は、原料体の側面2cが結晶成長容器1内の雰囲気に露出するように配置された例を示す概略図である。図2において原料体2は直方体であり、図3において原料体2は上面2aが下面2cより小さい形状である。図2および図3においては、結晶成長工程で原料体2の下面付近5が結晶成長容器1内において最高温度であり、単結晶種基板3がより低温となるように温度制御することにより、下面付近5から原料が昇華し、単結晶種基板3の上部6に結晶が成長する様子を模式的に示す。
原料の昇華量は、温度が高い程大きくなるので、結晶成長容器1内を昇温し、原料体2の一部を昇華させる場合、温度の高いところから原料の昇華が開始すると考えられる。単結晶種基板3の昇華が生じないような温度制御として、原料体2中、単結晶種基板3から最も離れた原料体2の下面付近5が最高温度となる温度制御が例示される。原料体2の側面2cが結晶成長容器1内の雰囲気内に露出している場合(図2,3に示す場合)、下面付近5から生じた原料ガスが迅速に結晶成長容器1内の雰囲気に到達するので、側面が雰囲気に露出していない場合(図1に示す場合)と比較すると結晶成長速度を向上させることができる。なお、原料体2において最高温度となる領域が下面付近5でない場合であっても、最高温度となる領域は、単結晶種基板3と接触していない領域であることが好ましい。そして、原料体2の側面2cが結晶成長容器1内の雰囲気に露出していることにより、原料を効率よく昇華させることができ、結晶成長速度の向上を図ることができる。
図3に示す原料体2の形状は、単結晶種基板3から離れた下面2bが原料体2の単結晶種基板3が配置される上面2aより大きいので、単結晶種基板3から離れた領域により多く原料が配置され、下面付近5が最高温度となるように温度制御する場合、原料体2の昇華効率を上げることができるという利点がある。また、単結晶種基板3に近い領域、すなわち原料体2の上面2aは、単結晶種基板3の温度とほぼ一致するため昇華した原料ガスが他の領域と比較して結晶化しやい。したがって、原料体2の上面2aにおいて単結晶種基板3と接触しない領域を小さくすることにより、単結晶種基板3上に高品質の結晶を効率よく成長させることができる。原料体2の上面2aの内、単結晶種基板3に接触していない領域は、たとえば全体の1/2以下であることが好ましい。最も好ましくは、原料体2の上面2aは単結晶種基板3とほぼ同じ面積であり、上面2aのほぼ全領域が単結晶種基板3に接している形態である。
原料体2のかさ密度は理論密度の10%以上であることが好ましい。昇華法では、結晶成長容器1内にあらかじめセットした原料しか成長に使うことができないため、同体積でなるべく多くの原料を充填できるとより大きな結晶を得ることができる。原料体2は、かさ密度を向上させることができることより、少なくとも一部に多結晶領域を含んでいることが好ましい。
原料体2は、たとえば粉体を充填して形成したり、粉体を充填した後に焼成して形成することことができる。焼成を行なうと、原料体2のかさ密度を高めることができ、また不純物を低減することができるので好ましい。さらに、焼成時に所望の原料体の形状に調整することも容易となる。原料体2を焼成する際には、成長結晶を高純度化できることから、バインダー・結合剤を含んでいないことが好ましい。
原料体2の大きさは限定されず、所望の結晶の大きさ、単結晶種基板3の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
(単結晶種基板)
単結晶種基板3の主面形状は特に限定されることはなく、所望の結晶の形状に合わせたものを用いればよい。たとえば、円形、長方形、短冊が例示される。好ましくは、主面の外周は直線のみからなる。また、単結晶種基板3は、その端面が平坦面のみからなることが好ましい。そのような端面は、へき開面、クラックで割れた面、ダイシング面、研磨面として得ることができる。
単結晶種基板3は、その主面は平坦に研磨されていることが好ましい。さらに好ましくは、主面の反対面も平坦に研磨されていることが好ましい。平坦に研磨されていることにより、単結晶種基板3の昇華がより生じにくくなる。さらに、主面およびその反対面の少なくとも一方において、加工ダメージを除去もしくは低減する処理が施されていることが好ましい。加工ダメージを除去もしくは低減する処理が施されていることにより、結晶成長時に多結晶が発生しにくくなる。加工ダメージを除去もしくは低減する処理として、たとえば、CMP(化学機械研磨)、ガスエッチング、ウェットエッチング、プラズマエッチングなどの処理が挙げられるが、特に限定されない。
単結晶種基板3の主面はどの結晶面であっても構わないが、低指数面が好ましい。たとえば六方晶である場合、(0001)面、(000−1)面、(10−10)面、(11−20)面などが挙げられる。これらの結晶に適宜オフ角が付いていると好ましい。本明細書中においては、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。
[結晶の製造装置]
図4は、本発明の製造方法により結晶を製造するための装置を示す概略図である。図4に示すように、この縦型の装置における反応容器14の中央部には、通気口13cを有する坩堝13が設けられている。坩堝13の内部から外部への通気を確保するように、坩堝13の周りに加熱体11が設けられている。また、反応容器14の外部中央部には、加熱体11を加熱するための高周波加熱コイル12が設けられている。さらに、反応容器14の端部に反応容器14内の坩堝13の外部に窒素(N)ガスを流すための窒素ガス導入口14a、窒素ガス排出口14b、坩堝13の下面および上面の温度を測定するための放射温度計15a、15bが設けられている。配置工程において、坩堝13内には原料体2およびこの上面に接触するように単結晶種基板3が配置され、さらに結晶成長工程において、高周波加熱コイル12により加熱体11が加熱されて原料体2から原料が昇華し、単結晶種基板3上に結晶が成長される。
[第1の実施形態]
本実施形態においては、図4に示す装置を用いて、結晶4として窒化アルミニウム結晶を製造する。まず、坩堝13の下部に原料体2を配置し、原料体2の上面上に原料体2に接触するように単結晶種基板3を配置する。その後、反応容器14内に窒素ガスを流しながら、高周波加熱コイル12を用いて加熱体11を加熱することにより坩堝13内の温度を上昇させて、坩堝13内の原料体2の少なくとも一部の温度をそれ以外の部分よりも高く保持する。これにより原料体2の原料を昇華させて、単結晶種基板3の上面上に窒化アルミニウム結晶を固化させて、窒化アルミニウムの結晶4を成長させる。
ここで、結晶成長中は、坩堝13内の原料体2の最も高い領域の温度をたとえば1600〜2300℃として、単結晶種基板3の上面の温度をたとえば原料体2中の最も高い温度より10℃〜200℃低くすることにより、結晶性のよい窒化アルミニウムの結晶4が得られる。
結晶成長中も、反応容器14内の坩堝13の外側に窒素ガスを、100sccm〜1slmになるように流し続けることにより、窒化アルミニウム結晶への不純物の混入を低減することができる。
なお、坩堝13内部の昇温中は、坩堝13の原料体2の温度よりもそれ以外の部分の温度を高くすることにより、坩堝13内部の不純物を通気口13cを通じて除去することができる。このため、成長する結晶4に不純物が混入することをより低減することができる。
以上のようにして、窒化アルミニウムの結晶4を製造することができる。なお、かかる窒化アルミニウムの結晶4は、まずは、原料体2と、単結晶種基板3と、結晶4とが一体となった複合体として製造される。この複合体から原料体2および単結晶種基板3を除去することにより、窒化アルミニウムの結晶4を取り出すことができる。このような除去方法は特に限定されず、たとえば切断、切削、へき開など機械的な方法を用いることができる。切断とは電着ダイヤモンドホイールの外周刃を持つスライサーなどで機械的に除去する方法であり、研削とは砥石を回転させながら表面に接触させて、厚さ方向に削り取る方法であり、へき開とは結晶格子面に沿って結晶を分割する方法をいう。なお、エッチングなど化学的な除去方法を用いてもよい。
このようにして、たとえば5mm以上の直径を有する円形または一辺が5mm以上の四角形である平面形状を有し、かつ1mm以上の厚さを有する窒化アルミニウムの結晶を製造することができる。そのため、窒化アルミニウム結晶はデバイスの基板に好適に用いられる。
なお、1mm以上の厚さを有する窒化アルミニウムの結晶を成長させる場合には、窒化アルミニウムの結晶から複数の窒化アルミニウム結晶基板を切り出すことができる。窒化アルミニウムの結晶は単結晶からなるので、容易に分割される。この場合には、窒化アルミニウム結晶基板は結晶性が良好で、コストを低減できる。
このように、得られる窒化アルミニウムの結晶の結晶性は良好であるので、たとえば発光ダイオード、レーザダイオードなどの光デバイス、ショットキーバリアダイオード、整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、HEMT(High Electron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ)などの電子デバイス、温度センサ、圧力センサ、放射線センサ、可視−紫外光検出器などの半導体センサ、SAW(Surface Acoustic Wave Device:表面弾性波素子)デバイス、振動子、共振子、発振器、MEMS部品、圧電アクチュエータなどに好適に用いることができる。
[実施例1]
(結晶の製造)
図4に示す装置を用いて、実施例1の窒化アルミニウムの結晶を製造した。まず、高純度の窒化アルミニウム粉末を、グラファイトからなる坩堝内に表面が平坦となるように充填し原料体とした。原料体の高さは10mmであった。単結晶種基板として公知の方法で作製した窒化アルミニウム結晶を用いた。単結晶種基板は、(0001)面が主面でオフ角が3°であり、ダイシングにより{10−10}面および{11−20}面が端面となるように加工した。主面および主面と反対側の面は公知の方法でCMP(化学機械研磨)を行ない、加工ダメージを低減した。このように作製した主面形状が10mm□、厚み500μmの角柱体の単結晶種基板を坩堝内の窒化アルミニウム粉末である原料体上に配置した。
その後、高周波加熱コイルを用いて加熱体を加熱し、放射温度計で測定した坩堝の下部の温度が2200℃となるように昇温した。坩堝の下部の温度が2200℃となったとき、坩堝の上部の測定温度は2000℃であった。このことから、坩堝内で下側が高温、上側が低温という温度勾配が付いていることがわかった。この温度を30時間維持し、結晶を成長させた。その後、坩堝内の温度を室温まで冷却した。
(評価)
成長した結晶の厚みは2.5mm、グロースレート(GR)は83μm/hrであった。結晶にクラック・剥離はなかったが、原料体上の単結晶種基板以外の場所に成長した結晶と合体した領域があった。リューターで原料や一部の結晶を除去して、評価用に単結晶領域を取り出しX線回折測定を行なったところ、ロッキングカーブ(XRC)の半値幅は130秒と良い結晶性を示した。表1に評価結果を示す。
[実施例2]
(結晶の製造)
高純度の窒化アルミニウム粉末を用意し、結晶成長に用いる坩堝よりも容積が小さいグラファイトの坩堝の下部に窒化アルミニウム粉末を充填した。その後、使用する単結晶種基板の形状・大きさとほぼ同じ型を、充填した窒化アルミニウム粉末の上部にセットし、小型プレスで圧力を印加した。型を取り外すと、原料最上端部の形状が単結晶種基板の形とほぼ一致していた。その坩堝を原料焼成用の炉にセットして、窒素ガスを流しながら、高周波加熱コイルを用いて加熱体を加熱することにより、坩堝内の温度を上昇させた。炉内温度の放射温度計での測定値を2200℃に保持し、AlN粉末を焼成し原料体を作製した。その結果、焼成前は粉末であったが焼成後には塊となっており、またその密度も増加していた。その後、原料体の最上端部の形状をリューターを使って単結晶種基板の形状にほぼ一致させた形に調整した。
得られた焼成原料を原料体として、成長で用いるグラファイト坩堝下部中央にセットした。原料体の高さは10mmであった。このとき原料体の側面と坩堝内壁の間には隙間が空いていた。その後、原料体の最上面の加工形状に合わせて単結晶種基板をセットした。後の工程は、実施例1と同様に行ない、結晶を成長させた。その後、坩堝内の温度を室温まで冷却した。
[実施例3]
(結晶の製造)
結晶の成長時の坩堝内の下部の温度を2000℃とした点以外は、実施例2と同様に結晶を製造した。その後、坩堝内の温度を室温まで冷却した。
[実施例4]
(結晶の製造)
結晶の成長時の坩堝内の下部の温度を2250℃とした点以外は、実施例2と同様に結晶を製造した。その後、坩堝内の温度を室温まで冷却した。
[実施例5]
(結晶の製造)
使用した単結晶種基板が異なり、結晶の成長時の坩堝内の下部の温度を2050℃とした点以外は、実施例2と同様に結晶を製造した。本実施例では主面形状が直径15mmの円形であり、厚みが500μmの円柱体の単結晶種基板を用いた。単結晶種基板は、(000−1)面が主面でオフ角が4°であった。主面および主面と反対側の面は公知の方法でCMP(化学機械研磨)を行なって、加工ダメージを低減した。
[実施例6]
(結晶の製造)
使用した単結晶種基板が異なり、結晶成長時の坩堝内の下部の温度を2150度とした点以外は、実施例2と同様に結晶を製造した。本実施例では主面形状が20×5mmの四角形であり、厚みが500μmの角柱体の単結晶種基板を用いた。単結晶種基板は、(10−10)面が主面でオフ角が1°であり、ダイシングにより(0001)面、(000−1)面および{11−20}面が端面となるように加工した。主面および主面と反対側の面は公知の方法でCMP(化学機械研磨)を行ない、加工ダメージを低減した。
[実施例7]
(結晶の製造)
種結晶の形状が異なり、結晶成長時の坩堝内の下部の温度を2100℃とした点以外は、実施例2と同様に結晶を製造した。本実施例では主面形状が20×5mmの四角形であり、厚みが500μmの角柱体の単結晶種基板を用いた。単結晶種基板は、(11−20)面が主面でオフ角が1°であり、ダイシングにより(0001)面、(000−1)面および{10−10}面が端面となるように加工した。主面および主面と反対側の面は公知の方法でCMP(化学機械研磨)を行ない、加工ダメージを低減した。
[実施例2〜7]
(評価)
成長した結晶について、実施例1と同様に、厚み、グロースレート、クラック・剥離の有無、種基板以外の場所に成長した結晶との合体の有無、X線回折測定におけるロッキングカーブ(XRC)の半値幅の測定を行なった。実施例1と同様に、クラック・剥離が無く、良好な結晶が得られた。また、実施例1よりグロースレートが速かった。これは、原料体の側面と坩堝内壁の間には隙間が空いていたことにより、原料の昇華効率がよかったことに起因すると考えられる。また、実施例1とは異なり、単結晶種基板以外の場所から成長した結晶と合体した領域は観察されなかった。これは、原料体の上面形状を単結晶種基板の形状に合わせたためであると解される。表1に評価結果を示す。
[比較例1]
(結晶の製造)
単結晶種基板の配置位置以外は、実施例1と同様に結晶を製造した。本比較例においては、単結晶種基板を原料体の上面上に配置するのではなく、坩堝内の上部に固定した。したがって、原料体と単結晶種基板とは一定の距離を有するように配置された。
(評価)
成長した結晶について、実施例1と同様に、厚み、グロースレート、クラック・剥離の有無、種基板以外の場所に成長した結晶との合体の有無、X線回折測定におけるロッキングカーブ(XRC)の半値幅の測定を行なった。表1に評価結果を示す。
比較例1で得た結晶では、実施例1〜7では見られなかったクラックが観察された。その理由は、単結晶種基板を配置する際に熱膨張率の異なる異種材料と接触していたため、成長後の冷却でクラックが生じたものと考えられる。また実施例1〜7と比べて、グロースレートが遅かった。その理由は、比較例1では原料ガスの損失・漏れ、坩堝内の単結晶種基板以外の箇所での析出があったためと考えられる。また実施例1〜7と比べて、ロッキングカーブ(XRC)の半値幅は広く結晶性が悪かった。比較例1の製造方法では、最高温度からより離れた位置で結晶が成長されるので、成長箇所での温度が低かったためと考えられる。表1に評価結果を示す。
Figure 2013006740
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 結晶成長容器、2 原料体、2a 上面、2b 下面、2c 側面、3 単結晶種基板、5 下面付近、6 上部、11 加熱体、12 高周波加熱コイル、13 坩堝、13c 通気口、14 反応容器、14a 窒素ガス導入口、14b 窒素ガス排出口、15a,15b 放射温度計。

Claims (7)

  1. 結晶成長容器内に、結晶の原料からなる原料体と、前記原料体の上面上に前記原料体に接触するように単結晶種基板とを配置する配置工程と、
    前記結晶成長容器内を昇温し、前記原料体の前記原料の一部を昇華させて原料ガスとし、前記原料ガスを前記単結晶種基板の上面上に析出させて結晶を成長させる結晶成長工程と、を備え、
    前記単結晶種基板と前記結晶とは同一化学組成の材料からなる、結晶の製造方法。
  2. 前記配置工程において、前記原料体をその側面の少なくとも一部が前記結晶成長容器内の雰囲気に露出するように配置する、請求項1に記載の結晶の製造方法。
  3. 前記原料体は、下面が上面より大きい、請求項2に記載の結晶の製造方法。
  4. 前記原料体は、粉末状の前記原料を焼成してなる、請求項1〜3のいずれかに記載の結晶の製造方法。
  5. 前記結晶成長工程において、前記原料体中に前記単結晶種基板よりも温度の高い領域が存在するように昇温する、請求項1〜4のいずれかに記載の結晶の製造方法。
  6. 前記単結晶種基板および前記結晶は窒化アルミニウム結晶からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の結晶の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の結晶の製造方法により製造された結晶。
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WO2018216335A1 (ja) 2017-05-23 2018-11-29 Tdk株式会社 窒化物の単結晶

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