JP2010027659A - 太陽電池モジュール及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、バスバーとフィンガーからなる集電電極が表面に形成された、2個以上の太陽電池セルと、隣接する前記太陽電池セルと電気的に接続するため、前記バスバー電極と接続されるインターコネクタとを有する太陽電池モジュールであって、少なくとも、前記インターコネクタの前記太陽電池セルの端部との接合部分が、該接合部分以外の部分よりも薄く、幅広にされたものであることを特徴とする太陽電池モジュール。
【選択図】 図1
Description
この場合の接続方法としては、太陽電池セルの受光面側のフィンガー電極からの電流を集めるために形成されたバスバー電極と呼ばれる太い電極と、隣接する太陽電池セルの裏面の全面に形成された電極とを、インターコネクタを用いてハンダ接続するのが一般的である(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
しかしながら、幅広の薄いインターコネクタを用いて断面積を確保することにより抵抗損失を低く保つことはできるが、表面積が増大するためシャドウロスが増加してしまう。
その後、太陽電池セルは充填材で被覆され、表面側である受光面にはガラス板等の透明基板、裏面側には表面カバーを介して真空ラミネートされる。
さらに、近年、コスト低減のために薄くスライスされたシリコンウェーハが、太陽電池モジュールの半導体基板として多く用いられているが、半導体基板が薄くなると太陽電池セルの破損が増大する傾向にあった。
太陽電池セルの破損を低減するために、薄いインターコネクタを用いることが考えられるが、上記した通り、インターコネクタを単純に薄くすると抵抗損失が増大し、F.F.が低下してしまう。
逆に、F.F.が向上された太陽電池モジュールとするために、インターコネクタを厚くすると、太陽電池セルが破損する確率が高まってしまう。
また、インターコネクタの前記接合部分のみを幅広にするため、シャドーロスも許容範囲内に抑えることができる。
このように、前記インターコネクタの前記太陽電池セルの端部との接合部分の平面形状が円形状であれば、より効果的に応力集中を緩和して太陽電池セルの破損を抑制することができるし、簡単に薄く幅広形状とできるので、製造も容易である。
このように、前記太陽電池セルが、厚さが200μm以下というような薄いものであって、かつ、インターコネクタが、厚さが0.2mm以上のような厚いものであっても、本発明により、強化ガラスの押え付け等により太陽電池セルが破損してしまうのを抑制でき、抵抗損失を低減してF.F.を向上した太陽電池モジュールとすることができる。
また、太陽電池セルの端部との接合部分のみを幅広にするため、シャドーロスが許容範囲内に抑えられた太陽電池モジュールを製造することができる。
このように、前記インターコネクタの前記太陽電池セルの端部との接合部分の平面形状を、円形状とすれば、より効果的に応力集中を緩和して太陽電池セルの破損を抑制することができるし、簡単に薄く幅広形状とできるので、製造も容易である。
このように、前記太陽電池セルが、厚さが200μm以下というような薄いものであっても、かつ、インターコネクタが、厚さが0.2mm以上のような厚いものであっても、本発明により、強化ガラスの押え付け等により太陽電池セルが破損しまうのを抑制でき、抵抗損失を低減してF.F.を向上した太陽電池モジュールを製造することができる。
また、インターコネクタの接合部分のみを幅広にするため、シャドーロスも許容範囲内に抑えることができる。
従来の太陽電池モジュールの製造過程において、例えば真空ラミネート工程で強化ガラスの押え付け等により、インターコネクタと太陽電池セルの界面に応力が集中し、太陽電池セルにセル割れやクラック等の破損が発生してしまう場合があった。さらに、近年、コスト低減のために薄くスライスされたシリコンウェーハが、太陽電池の半導体基板として多く用いられているが、この場合半導体基板が薄くなることにより、太陽電池セルの破損が増大する傾向にあった。
図2は本発明の実施形態における太陽電池モジュールの断面図である。
図3は表面に集電電極として、バスバーとフィンガーが形成された太陽電池セルの図である。
図4は本発明の実施形態における太陽電池モジュール製品の一例を示す図である。
このように、インターコネクタ3の太陽電池セル2の端部との接合部分7の平面形状が、円形状であれば、より効果的にインターコネクタ3と太陽電池セル2との界面の応力集中を緩和して、太陽電池セル2の割れやクラック等の破損を抑制することができるし、簡単に薄く幅広形状とできるので、製造も容易である。
このように、コスト低減のために、太陽電池セル2が、厚さが200μm以下というような薄いものを用い、また、インターコネクタ3を、厚さが0.2mm以上のような厚いものを用いても、本発明により、強化ガラスの押え付け等による太陽電池セルの破損が発生してしまうのを抑制できる。そして、厚いインターコネクタ3を用いているので、抵抗損失が低減されF.F.が向上された太陽電池モジュールとすることができる。
まず、図1(B)に示すような、太陽電池セル2に用いる半導体基板4を用意する。半導体基板4は、例えば表層にP/N接合が形成されたシリコン基板を用いることができる。このような基板4は、例えば以下のようにして得ることができる。
また、図3に示すように、表面の集電電極9を、フィンガー電極6と、インターコネクタ3を接続するバスバー電極5とで構成する。
また、インターコネクタ3とバスバー電極5の接続部分に予めフラックスを塗布し、インターコネクタ3のフラックスを塗布した面の反対側の面をハンデゴテでなぞることで、インターコネクタ3とバスバー電極5をハンダ18で接続する。
このように、インターコネクタ3の太陽電池セル2の端部との接合部分7の平面形状を、円形状とすれば、より効果的にインターコネクタ3と太陽電池セル2との界面の応力集中を緩和して、太陽電池セル2の破損を抑制することができるし、簡単に薄く幅広形状とできるので、製造も容易である。
このように、コスト低減のために、太陽電池セル2を、厚さが200μm以下というような薄いものを用い、インターコネクタ3を、厚さが0.2mm以上のような厚いものを用いても、本発明により、強化ガラスの押え付け等による太陽電池セル2の破損が発生してしまうのを抑制できる。そして、厚いインターコネクタ3を用いているので、抵抗損失を低減しF.F.を向上した太陽電池モジュールを製造することができる。
ここで、太陽電池モジュール1における、互いに隣接する太陽電池セル2の相互の間隔は、例えば2〜3mm程度とすることができる。
<太陽電池セルの作製>
厚さ300μm、比抵抗0.5Ω・cmの、ホウ素ドープ{100}p型アズカットシリコン基板8枚(厚い太陽電池セル用)と、厚さ200μm、比抵抗0.5Ω・cmの、ホウ素ドープ{100}p型アズカットシリコン基板8枚(薄い太陽電池セル用)を用意した。
次に、シリコン基板16枚を非受光面どうしを重ね合わせ、石英ボートに搭載して、拡散炉に投入した。ヒーター温度を850℃まで昇温して、オキシ塩化リンを窒素1リットル/分にてバブリングさせた。
引き続き、窒素雰囲気中に30分間放置した後、拡散炉から取出した。拡散したこれら16枚のシリコン基板はHFでリンガラスを除去後、900℃の酸素雰囲気で熱処理し、酸化膜を堆積して酸化膜パッシベーション層を形成した。
次に、幅が2mmで厚さが0.2mmの厚いインターコネクタを用意した。
図1(A)(B)のように、インターコネクタ3の太陽電池セル2の端部との接合部分7をハンマーで打ち延ばし、薄く幅の広い円形に加工した。次に、厚い太陽電池セル8枚のうち2枚を準備した。
厚い太陽電池セル残り6枚のうち2枚を準備した。太陽電池モジュールの製品A1(実施例1)の作製と同様の製造方法で、ただし、厚いインターコネクタ(幅2mmで厚さ0.2mm)の太陽電池セルの端部との接合部分を打ち延ばし加工せずに、すなわち図5、6に示すような、該接合部全体が同じ幅でかつ同じ厚さのままの従来のインターコネクタ103を使用した。
そして、太陽電池モジュールを、図7に示すようにモジュール外部への配線として、太陽電池セルの裏面の銀電極110ともう一つの太陽電池セルの受光面バスバー電極109にインターコネクタ117をそれぞれ予めフラックスを塗布して、ハンダで接続した。
厚い太陽電池セル残り4枚のうち2枚を準備した。太陽電池モジュールの製品A1(実施例1)の作製と同様の製造方法で、ただし、薄いインターコネクタ(幅2mmで厚さ0.1mm)を用い、図4に示すような、太陽電池モジュール製品A3の作製を行った。この太陽電池モジュール製作時に太陽電池セルの割れは全くなかった。
厚い太陽電池セルのうち残りの2枚を準備した。太陽電池モジュールの製品A1(実施例1)の作製と同様の製造方法で、ただし、薄いインターコネクタ(幅2mmで厚さ0.1mm)を準備し、かつ、該インターコネクタの太陽電池セルの端部との接合部分の打ち延ばし加工をせずに、すなわち図5、6に示すように、該接合部全体が同じ幅でかつ同じ厚さのままの従来のインターコネクタ103を用い、図7に示すような、太陽電池モジュール製品A4の作製を行った。この太陽電池モジュール製作時に太陽電池セルの1枚にクラックが発生した。
薄い太陽電池セル8枚を準備して、それぞれ2枚を使用して太陽電池モジュール製品B1(実施例2−1)、B2(比較例2−1)、B3(実施例2−2)、B4(比較例2−2)を作製した。
そして、図1、2に示すような太陽電池モジュールを作製し、図4に示すような太陽電池モジュール製品B1を得た。この太陽電池モジュール製作時に太陽電池セルの割れは全くなかった。
太陽電池モジュール製品B2は、太陽電池モジュールの製品B1(実施例2−1)の作製と同様の製造方法で、ただし、厚いインターコネクタ(幅2mmで厚さ0.2mm)の太陽電池セルの端部との接合部分を打ち延ばし加工せずに、すなわち図5、6に示すように、該接合部全体が同じ幅でかつ同じ厚さのままの従来のインターコネクタ103を用い、図7に示すような、太陽電池モジュール製品B2の作製を行った。
太陽電池モジュール製品B3は、太陽電池モジュールの製品B1(実施例2−1)の作製と同様の製造方法で、ただし、薄いインターコネクタ(幅2mmで厚さ0.1mm)を用い、図4に示すような太陽電池モジュール製品B3を得た。この太陽電池モジュール製作時に太陽電池セルの割れは全くなかった。
太陽電池モジュール製品B4は、太陽電池モジュールの製品B1(実施例2−1)の作製と同様の製造方法で、ただし、薄いインターコネクタ(幅2mmで厚さ0.1mm)を準備し、かつ、太陽電池セルの端部との接合部分の打ち延ばし加工をせずに、すなわち図5、6に示すように、該接合部全体が同じ幅でかつ同じ厚さのままの従来のインターコネクタ103を用い、図7に示すような太陽電池モジュール製品B4の作製を行った。この太陽電池モジュール製作時に太陽電池セルの1枚にクラックが発生した。
一方、従来の形状のインターコネクタを使用した太陽電池モジュール製品の作製において、厚いインターコネクタを使用したA2、B2については、厚い太陽電池セルを用いた場合(A2)には、セル割れは発生しなかったが、クラックが発生することがあり、薄い太陽電池セルを用いた場合(B2)には、セル割れが発生して製品が得られなかった。
このように、従来の形状のインターコネクタを使用した太陽電池モジュール製品の作製において、F.F.を向上するために厚いインターコネクタを使用すると、セル割れやクラック等の破損が発生することがあることが確認できた。
3、17…インターコネクタ、4…半導体基板、5…バスパー電極、
6…フィンガー電極、7…インターコネクタの接合部分、
8…バスパー電極の接続端部、9…表面の集電電極、10…裏面の集電電極、
12…N型領域、13…P型領域、14…充填材、
15…強化ガラス、16…裏面カバー、18…ハンダ。
Claims (7)
- 少なくとも、バスバーとフィンガーからなる集電電極が表面に形成された、2個以上の太陽電池セルと、隣接する前記太陽電池セルと電気的に接続するため、前記バスバー電極と接続されるインターコネクタとを有する太陽電池モジュールであって、少なくとも、前記インターコネクタの前記太陽電池セルの端部との接合部分が、該接合部分以外の部分よりも薄く、幅広にされたものであることを特徴とする太陽電池モジュール。
- 前記インターコネクタの前記太陽電池セルの端部との接合部分の平面形状が、円形状であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記太陽電池セルの厚さは200μm以下であり、前記インターコネクタの厚さは0.2mm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽電池モジュール。
- 少なくとも、バスバーとフィンガーからなる集電電極が表面に形成された、2個以上の太陽電池セルと、隣接する前記太陽電池セルと電気的に接続するため、前記バスバー電極と接続されるインターコネクタとを有する太陽電池モジュールの製造方法において、少なくとも、前記インターコネクタの前記太陽電池セルの端部との接合部分を打ち延ばすことによって、該接合部分以外の部分よりも薄く幅広にして、前記太陽電池セルの端部と接合することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記バスバー電極の前記インターコネクタとの接続端部を、予め該接続端部以外の部分よりも先細形状にして前記インターコネクタと接続することを特徴とする請求項4に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記インターコネクタの前記太陽電池セルの端部との接合部分の平面形状を、円形状とすることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記太陽電池セルの厚さを200μm以下とし、前記インターコネクタの厚さを0.2mm以上とすることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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