JP2016178280A - 太陽電池素子およびこれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池素子およびこれを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池素子にクラック等が生じても、出力が低下しにくい太陽電池素子および太陽電池モジュールを提供すること。【解決手段】表主面2aおよび裏主面2bを有する半導体基板2と、表主面2aおよび裏主面2bの少なくとも一方の側に設けられており、表面に配線導体が配置される一方向に長いバスバー電極と、該バスバー電極に接続されるフィンガー電極とを有する太陽電池素子1であって、フィンガー電極は、バスバー電極の長手方向の中央部に、バスバー電極に直交している複数の第1フィンガー電極と、バスバー電極の中央部から長手方向の一端部との間において、一端部が位置する方向に向かってバスバー電極から次第に離れるように斜めに延びている複数の第2フィンガー電極とを有する太陽電池素子1および太陽電池モジュール21とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、太陽電池素子およびこれを用いた太陽電池モジュールに関する。
半導体基板を用いた太陽電池素子は太陽光発電に利用される。この場合には、所定の電力を得るために、複数の太陽電池素子が電気的に接続された太陽電池モジュールが使用される。
太陽電池モジュールは、太陽電池素子同士が次のように接続されている。互いに隣接する2つの太陽電池素子において、一方の太陽電池素子の表主面側の電極と、他方の太陽電池素子の裏主面側の電極とに、帯状の銅等の金属からなる接続タブが半田付けされている。また、接続タブで接続された複数の太陽電池素子は、表主面側の保護部材となる透光性基板と裏主面側の保護部材との間に充填材で封止されている(例えば、下記の特許文献1を参照)。
特開2006−278695号公報
このような太陽モジュールでは環境の温度変化への耐性が求められる。太陽電池モジュールが激しい温度変化が繰り返される環境下では、太陽電池素子を構成する半導体基板と接続タブとの熱膨張係数の違いによって、例えば、接続タブと太陽電池素子との半田溶着部に応力が発生する。そして、この応力が大きくなると、太陽電池素子にクラックが発生する場合がある。太陽電池素子にクラックが存在すると、電極で集めた光生成キャリアが接続タブに到達するまでの電極長が長くなりやすい。このため、電極の抵抗成分が大きくなって、太陽電池素子および太陽電池モジュールの出力が低下しやすい。
本発明の1つの目的は、太陽電池素子にクラック等が生じていても、出力が低下しにくい太陽電池素子および太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明の一形態に係る太陽電池素子は、表主面および裏主面を有する半導体基板と、前記表主面および前記裏主面の少なくとも一方の側に設けられており、表面に配線導体が配置される一方向に長いバスバー電極と、該バスバー電極に接続されるフィンガー電極とを有する太陽電池素子であって、前記フィンガー電極は、前記バスバー電極の長手方向の中央部に、前記バスバー電極に直交している複数の第1フィンガー電極と、前記バスバー電極の前記中央部から前記長手方向の一端部との間において、前記一端部が位置する方向に向かって前記バスバー電極から次第に離れるように斜めに延びている複数の第2フィンガー電極とを有する。
また、本発明の一形態に係る太陽電池モジュールは、前記太陽電池素子を備えている。
このような太陽電池素子および太陽電池モジュールによれば、太陽電池素子にクラック等が生じていても出力が低下しにくい。
本発明の一実施形態に係る太陽電池素子を表主面側から見た平面模式図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池素子を裏主面側から見た平面模式図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の構造を模式的に示す図であり、図2におけるK−K線での断面模式図である。 (a)〜(e)は、本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の作製工程を示す断面模式図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの第1面側を示す平面模式図であり、(b)は第2面側の一実施形態を示す平面模式図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの構造を示す断面模式図である。 従来の太陽電池素子を裏主面側から見た平面模式図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の裏主面側の一部を拡大して示す平面模式図であり、(b)は従来の太陽電池素子の裏主面側の一部を拡大して示す平面模式図である。 本発明の他の実施形態に係る太陽電池素子を裏主面側から見た平面模式図である。 本発明の他の実施形態に係る太陽電池素子を裏主面側から見た平面模式図である。 (a)は図2のS部の拡大図であり、(b)は図9のT部の拡大図である。
以下に、本発明の実施形態に係る太陽電池素子および太陽電池モジュールについて図面を参照しながら説明する。また、太陽電池素子および太陽電池モジュールを構成する同一名称の部材については同一符号を付すものとする。
<太陽電池素子>
図1〜3に示すように、太陽電池素子1は半導体基板2からなり、半導体基板2は主として光が入射する一主面である表主面2aと、この表主面2aに対して裏側に位置する裏主面2bとを有する。また、半導体基板2の表主面2a上には表主面側電極が設けられている。また、半導体基板2の裏主面2b上には裏主面側電極が設けられている。
半導体基板2は、第1導電型(例えばp型)を有する第1半導体部2pと、第1半導体部2p上に設けられて、第1半導体部2pとは逆の導電型である第2導電型(例えばn型)を示す第2半導体部2nとを有する。半導体基板2には、例えばボロンまたはガリウムなどの所定のドーパント元素を有している、一導電型(例えばp型)の単結晶または多結晶のシリコン基板が用いられる。また、半導体基板2の厚みは、例えば100〜250μm程度である。また、半導体基板2の形状は、特に限定されるものではないが、平面視で1辺の長さが100〜200mm程度の正方形状または長方形状などの四角形状であればよい。
第2半導体部2nは、半導体基板2の表主面2a側に設けられている。第1半導体部2
pがp型の導電型を有する場合には、第2半導体部2nはn型の導電型を有するように形成される。n型の導電型を有する第2半導体部2nは、半導体基板2の表主面2a側にリン等のドーパント元素を拡散させることによって形成できる。
半導体基板2の表主面2aには、反射防止膜13が配置されている。この反射防止膜13は、表主面2aにおける光の反射率を低減させて、半導体基板2に吸収される光の量を増大させる。反射防止膜13は、光吸収によって生成するキャリアを増大させる役割を果たすことで、太陽電池素子1の光電変換効率の向上に寄与する。反射防止膜13は、例えば、窒化シリコン膜、酸化チタン膜、酸化シリコン膜、もしくは酸化アルミニウム膜、またはそれらの積層膜からなる。反射防止膜13の厚みなどは、構成する材料によって適宜最適なものに設定すればよい。例えば、反射防止膜13の屈折率は1.8〜2.3程度、反射防止膜13の厚みは30〜120nm程度であればよい。
表主面側電極は、図1に示すように、第2半導体部2n上に設けられており、表バスバー電極3および細線状の表フィンガー電極4を有する。表フィンガー電極4の両端または一端部は、表バスバー電極3に接続されている。なお、太陽電池素子1の両側にある表フィンガー電極4の外側端部を接続する1本以上線状の表補助電極5を設けてもよい。
表バスバー電極3は、後のモジュール製造工程において表主面2a上に接続タブ15が接続される。また、表バスバー電極3は、図1のY方向に延在するように、例えば2〜4本程度設けられていて、それぞれ1〜3mm程度の幅を有している。一方、表フィンガー電極4および表主面補助電極5は、半導体基板2から光生成キャリアを集めるものである。表フィンガー電極4は、その線幅が50〜200μm程度である。また、表フィンガー電極4は、隣り合う表フィンガー電極4と互いに1〜3mm程度の間隔を空けて、表バスバー電極3と電気的に接続するように設けられている。また、表補助電極5も表フィンガー電極4と同様に50〜200μm程度の線幅を有していればよい。
表バスバー電極3は電極用導電性ペーストを焼成することによって形成できる。電極用導電性ペーストは、銀などの導電性金属を主成分とし、ガラスフリットおよび有機ビヒクルなどからなる。また、電極用導電性ペーストは、スクリーン印刷等によって所望の形状に塗布した後、焼成される。表フィンガー電極4および表補助電極5の厚みは、いずれも10〜25μm程度である。
また、半導体基板2の裏主面2bには、パッシベーション膜であるパッシベーション層6が設けられている。このパッシベーション層6は、半導体基板2の裏主面2b側において、少数キャリアの再結合を低減する。これにより、太陽電池素子1の光電変換効率が向上する。パッシベーション層6としては、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、酸化チタンまたは酸化アルミニウムなどが使用できる。パッシベーション層6の厚みは、例えば、10〜200nm程度であり、ALD(Atomic Layer Deposition:原子層蒸着)法、PECVD(plasma enhanced chemical vapor deposition)法、熱CVD法、蒸着法またはスパッタリング法などを用いて形成すればよい。また、パッシベーション層6は、半導体基板2の表主面2aおよび側面部にも形成してもよい。
裏主面側電極は、図2に示すように、裏バスバー電極7および裏フィンガー電極8を有する。この裏主面側電極は、パッシベーション層6の開口部を介して半導体基板2に接触するように設けられる。隣接する裏フィンガー電極8の間にパッシベーション層6を設けることで、太陽電池素子1の光電変換効率を向上させ得る。裏フィンガー電極8の両端部または一端部は、裏バスバー電極7に接続されており、また太陽電池素子1の両側にある裏フィンガー電極8の外側端部を結ぶように裏補助電極9を設けてもよい。
裏バスバー電極7は、後のモジュール製造工程において、裏主面2b上に接続タブ15が接続される。裏バスバー電極7は、半導体基板2の裏主面2b上に、図2のY方向に延在するように、例えば2〜4本程度設けられる。裏バスバー電極7は、帯状の電極形状であってもよいが、Y方向に間隙11を空けて複数設けられてもよい。この場合には、裏バ
スバー電極7は、接続タブ15と半田付けされる複数の幅広部である第1バスバー電極7aと、第1バスバー電極7aを電気的に接続するための幅狭部である1本以上の第2バスバー電極7bとを有しているとよい。
以下に、第1バスバー電極7aおよび第2バスバー電極7bについて具体的に説明する。第1バスバー電極7aは、例えば、裏バスバー電極7の短手方向(X方向)の長さが3〜10mm程度であり、裏バスバー電極7の長手方向(Y方向)の長さが1〜8mm程度であればよい。また、第1バスバー電極7aの厚みは2〜12μm程度であればよい。また、第1バスバー電極7aは、裏バスバー電極7の長手方向(Y方向)に対して直交する、裏バスバー電極7の短手方向(X方向)の長さが第2バスバー電極7bの短手方向(X方向)よりも長い。
一方、第2バスバー電極7bは、長手方向(Y方向)に沿って延びて配置されており、互いに隣り合う第1バスバー電極7a同士を電気的に接続している。このような第2バスバー電極7bは、例えば、線幅(X方向長さ)が0.5〜3mm程度であり、厚みが30〜60μm程度である。また、第2バスバー電極7bは第1バスバー電極7aよりも細い線状部を有していればよい。特に、図示されているように、第2バスバー電極7bの線状部が複数本であると、集められた光生成キャリアを第1バスバー電極7aに伝える経路が複数になる。このため、太陽電池素子1に生じたクラック、電極用導電性ペーストの印刷不良などによって、第2バスバー電極7bの一部が断線した部位があってもその影響を小さくできる。第2バスバー電極7bによって、裏バスバー電極7の長手方向において、互いに隣り合う第1バスバー電極7a同士が電気的に接続されている。これにより、裏フィンガー電極8によって集められた光生成キャリアは、裏バスバー電極7に伝導しやすくなる。また、このような第2バスバー電極7bを設けることによって、互いに隣り合う第1バスバー電極7a同士の間隙11にパッシベーション層6を設けることができるため、太陽電池素子1の光電変換効率が向上し得る。
裏バスバー電極7は、前述の表バスバー電極3と同様に、銀などの導電性金属を主成分とし、ガラスフリットおよび有機ビヒクルなどからなる電極用導電性ペーストを、スクリーン印刷法等によって所望の形状に塗布した後、焼成することによって形成できる。なお、裏バスバー電極7の第1バスバー電極7aは、接続タブ15に半田付けできるように銀を主成分とした電極用導電性ペーストを用いて形成され、第2バスバー電極7bは、アルミニウムを主成分とした電極用導電性ペーストを用いて形成されてもよい。
裏フィンガー電極8は、光生成キャリアを半導体基板2から集めて裏バスバー電極7に導くための電極である。裏フィンガー電極8は、半導体基板2の裏主面2bにおいて、裏バスバー電極7が配置されていない領域に設けられていて、裏バスバー電極7に電気的に接続されている。
裏フィンガー電極8は、裏バスバー電極7の長手方向の中央部に、裏バスバー電極7に対して略直交している複数の第1フィンガー電極8aを有している。また、裏バスバー電極7の長手方向の中央部から長手方向の一端部との間において、この一端部が位置する方向に向かって、裏バスバー電極7にから次第に離れるように、斜めに延びている第2フィンガー電極8bを有している。つまり、第2フィンガー電極8bは第1フィンガー電極7aとは異なる角度で斜めに延びていて、裏バスバー電極7に接触している。別の言い方をすれば、第2フィンガー電極8bは、第1フィンガー電極8aよりも半導体基板2の縦方向(Y方向)における端部に近い領域に形成されていて、裏バスバー電極7に近づくにつれて端部から中央部に向かう方向に形成されている。第1フィンガー電極8aと第2フィンガー電極8bの一部とを、これらが交差するように配置すれば、半導体基板2に生成した光生成キャリアを効率よく集めることができるのでよい。
裏フィンガー電極8は、図9に示すように、裏バスバー電極7と平行に配置されて、第1フィンガー電極8aおよび第2フィンガー電極8bの少なくとも一方に交差して電気的に接続する第3フィンガー電極8cを備えていてもよい。先に述べた第2バスバー電極7bに替えて、隣接する第1バスバー電極7aを第3フィンガー電極8cで電気的に接続するようにしてもよい。
裏フィンガー電極8は、線幅が100〜500μm程度であり、その厚みが15〜40μm程度の帯状であればよい。また、この裏フィンガー電極8は互いに1〜6mm程度の間隔を空けて複数設けられている。
裏フィンガー電極8は、アルミニウム等の導電性金属を主成分とし、ガラスフリットおよび有機ビヒクルなどからなる電極用導電性ペーストを、スクリーン印刷等によって所望の形状に塗布した後、焼成することによって形成できる。
また、裏フィンガー電極8が、アルミニウムを主成分としてとして含んでいれば、電極形成時に裏フィンガー電極8の形成部分の半導体基板2内部にアルミニウムが高濃度に拡散したBSF層14を同時に形成できる。
また、裏バスバー電極7の厚みは、裏フィンガー電極8よりも厚くしてもよい。裏バスバー電極7は、裏フィンガー電極8で集められた光生成キャリアが集まるため、より低抵抗の特性が求められる。そのため、裏バスバー電極7は、線幅を大きくするだけでなく、より厚くすることで、他の電極よりも低抵抗になるようにしてもよい。このとき、裏バスバー電極7の厚みは、例えば30〜60μm程度である。裏バスバー電極7は、スクリーン印刷法によって裏フィンガー電極8と同時に形成する場合、裏バスバー電極7のみ膜厚を厚くするために、裏バスバー電極7部分のみ複数印刷してもよい。
<太陽電池モジュール>
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュール21は、図5〜6に示すように、主として光を受ける面である表主面21aと、表主面21aの裏側の面である裏主面21bを有する。また、太陽電池モジュール21では、太陽電池素子1の表バスバー電極3上および裏バスバー電極7上に接続タブ15を半田接合することによって、複数の太陽電池素子1が電気的に接続されている。
接続タブ15は、例えば、厚さが0.1〜0.3mm程度の銅などからなる帯状の金属箔で構成されている。そして、この金属箔には、表面に導電性接着剤である半田がコーティングされている。この半田は、メッキまたはディッピング等によって、例えば、10〜50μm程度の厚みになるように設けられる。接続タブ15の幅は、表バスバー電極3の幅と同程度であることが好ましいが、表バスバー電極3の幅よりも小さくしてもよい。これにより、太陽電池素子1の受光を妨げにくくできる。一方で、接続タブ15の幅を表バスバー電極3の幅よりも大きくすれば、接続タブ15の電気抵抗を小さくできる上に、表バスバー電極3に対して若干位置ずれが生じても、接続タブ15と表バスバー電極3との接続を維持できる。また、接続タブ15は、表バスバー電極3および裏バスバー電極7の略全表面に接続してもよい。これにより、太陽電池素モジュール21の電気抵抗を小さくできる。ここで、接続タブ15で150mm角程度の2つの太陽電池素子1同士を接続する場合、接続タブ15の幅は、1〜3mm程度、その長さは260〜300mm程度であればよい。
また、隣り合う太陽電池素子1は、太陽電池素子1の表主面2aの表バスバー電極3に接続した接続タブ15の他端部を、隣接する太陽電池素子1の裏主面2bの裏バスバー電
極7に、半田付けされることによって接続される。このような接続を複数(例えば5〜10個程度)の太陽電池素子1に対して繰り返すことによって、複数の太陽電池素子1が直線状に直列接続された太陽電池ストリングが得られる。
なお、半田としては、例えば、主として錫(Sn)および鉛(Pb)からなり、錫が60〜63質量%で、残部が実質的に鉛からなる共晶半田であってもよい。また、実質的に鉛を含まず、錫が90〜97質量%であり、残部が銀(Ag)または銅(Cu)などを含む半田も使用可能である。また、実質的に鉛を含まず、錫が90〜97質量%であり、残部が亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)またはインジウム(In)などを含む半田なども使用可能である。また、導電性接着剤は、前述の半田に限られるものではなく、例えば、銀または銅などの導電性フィラーを混合したエポキシ樹脂などの導電性樹脂も利用できる。
太陽電池モジュール21は、激しい環境に晒されて、太陽電池モジュール21に想定外の風圧または積雪等の荷重が加わり、太陽電池モジュール21に撓みなどの変形が生じて、太陽電池素子1にクラックが発生したり、接続タブの一部が電極から外れることがある。さらに、太陽電池モジュール21を構成する各部材が膨張、収縮を繰り返すことによって、太陽電池素子1にクラックが発生したり、接続タブ15と裏バスバー電極7との接続が外れやすくなる。また、同様の接続タブ15の外れは、表バスバー電極3においても起こり得る。表保護部材31と裏保護部材34とが異なる材質(例えば、表保護部材31としてガラスを用いて、裏保護部材34としてPETなど)を用いた場合には、裏保護部材34の方が表保護部材31よりも熱膨張係数が大きく、熱変形しやすい。
これにより、裏バスバー電極7において、接続タブ15の外れが生じやすい。さらに、バスバー電極の長手方向(Y方向)の端部ほど、膨張、収縮の変位が大きくなり、クラックの発生も生じやすい。接続タブ15の外れは、裏バスバー電極7の長手方向(Y方向)の両端部から中央部に向かって進行しやすい。例えば、+100〜−60℃程度の厳しい条件での温度サイクルテストを1000サイクル以上行った場合には、裏バスバー電極7の長手方向(Y方向)の両端部からそれぞれ約1/10くらいの領域まで接続タブ15の外れが起こる場合がある。また、太陽電池素子1の変位の大きい箇所でクラックが生じやすい。この場合に生じるクラックは、長さが例えば10〜50mm程度であり、目視またはEL(Electro Luminescence)検査装置で確認できる。
したがって、接続タブ15と裏バスバー電極7との電気的接触は中央部のみが残されやすい。これにより、半導体基板2のY方向の両端部で生成したキャリアが接続タブ15によって取り出されるためには、信頼性試験投入前の初期状態と比べてより長い電極経路をたどる。
ここで、裏フィンガー電極8が、裏バスバー電極7に直交する形状(両電極のなす角が略90°)で配置されている場合を考える。図7および図8(b)に示すように、最寄りのバスバー電極7の端からX方向に距離Lxだけ離れた位置の点Aで生成したキャリアが、接続タブ15における点AのY方向位置からY方向に距離Lyだけ離れて、クラックC1がない、または接続タブ15の外れのない部位である位置Bに到達するための最短経路の長さLは、Lx+Lyである。なお、図8において、接続タブ15は裏バスバー電極7の上に配置されるが、図示を省略している。例えば、Lx=Lyの場合を考えると、L=2Lxになる。
一方、図8(a)に示すように、裏フィンガー電極8が、裏バスバー電極7に接近するにつれて中央部に向かうような形状(両電極のなす角が90°よりも小さい)で形成されていると、点Aで生成したキャリアが接続タブ15の位置Bに到達するための最短経路の長さLは、Lx+Lyよりも短くて済む。例えばLx=Lyの場合には、裏フィンガー電
極8と裏バスバー電極7のなす角が45°であればL=21/2Lx<2Lxとなる。つまり、クラックC1または接続タブ15の外れが生じていても、半導体基板2の端部で生成したキャリアが接続タブ15によって取り出されるための電極経路を短くすることができる。これにより、抵抗成分の増大を抑制して、信頼性に優れた太陽電池素子1および太陽電池モジュール21を提供できる。裏バスバー電極7と第2フィンガー電極8bとのなす角度は、0°よりも大きく90°よりも小さければよい。ただし、Y方向(バスバー延伸方向)端部ほど前記角度が小さくなるようにすれば、さらに効果的である。
なお、クラックおよび接続タブ15の外れが生じにくいY方向(バスバー延伸方向)の中央部では、裏フィンガー電極8で集められた光生成キャリアが接続タブ15によって取り出される最短距離は、裏フィンガー電極8が、裏バスバー電極7に直交する形状である場合に最も小さくなる。したがって、裏フィンガー電極8を前述の構造とすることで、初期特性および信頼性に優れた太陽電池素子1および太陽電池モジュール21を提供できる。
第1フィンガー電極8aが形成された領域と、第2フィンガー電極8bが形成された領域とは、その一部、または全部の領域で互いに重なり合っていてもよい。これにより、第1フィンガー電極8aと第2フィンガー電極8bとが電気的に接続されるので、初期特性および信頼性に優れた太陽電池素子1、およびこれを用いた太陽電池モジュール21を提供できる。
また、第1フィンガー電極8aが形成された領域と、第2フィンガー電極8bが形成された領域とは、それぞれの領域の面積比率に特に制限はない。ただし、接続タブ15の外れが生じやすい領域では、第2フィンガー電極8bが形成されている方がよい。また、第1フィンガー電極8aが形成された領域よりも、第2フィンガー電極8bが形成された領域が小さい方が好ましい。これにより、太陽電池モジュール21の特に接続タブ15の外れが生じやすい領域でも集電能力の高い太陽電池モジュール21を提供できる。
また、本実施形態では、太陽電池素子1は、図7に示すように、第2バスバー電極7bがY方向に隣り合う第1バスバー電極7a同士を接続している。これにより、クラックまたは接続タブ15の外れが生じても、裏フィンガー電極8で集めた電気を、裏バスバー電極7を経由して接続タブ15に供給できる。
また、太陽電池素子1は、図9に示すように、裏フィンガー電極8がさらにY方向に延在する第3フィンガー電極8cを有していてもよい。第3フィンガー電極8cは、第1フィンガー電極8aおよび第2フィンガー電極8bのうち少なくとも一方に、複数の交点を有するように交わっていてもよい。このような裏フィンガー電極8であれば、仮に第1バスバー電極7aのいずれか1つにおいて、接続タブ15との接続不良が生じたり、裏フィンガー電極8の一部に断線が生じた場合であっても、裏フィンガー電極8を経由して、他の第1バスバー電極7aにキャリアを伝導できる。このため、太陽電池素子1または太陽電池モジュール21の抵抗の増加を低減できる。
また、裏バスバー電極7が、接続タブ15と半田付けされる複数の幅広部(半田付け部)である第1バスバー電極7aと、第1バスバー電極7aを電気的に接続するための幅狭部である第2バスバー電極7bとを有している場合には、第1バスバー電極7aは裏バスバー電極7の長手方向の中央部で最も密度が高く配置されているとよい。
ここで、「長手方向の中央部」とは、上述の温湿度サイクルテストよりも過酷な環境下で、30年間を超えるより長期間の使用を想定して、裏バスバー電極7の長手方向の全長を3等分した場合の中央部を指すものとするが、これに限定されない。太陽電池モジュー
ル21の使用環境または使用期間によって、例えば裏バスバー電極7の長手方向の両端部からそれぞれ全長の5〜20%程度を除いた部分としてもよい。
このような第1フィンガー電極8aと第2フィンガー電極8bとによって、裏バスバー電極7の長手方向の中央部に集めた光生成キャリアを、より効率よく接続タブ15に伝えることができる。また、前述のように、クラックおよび接続タブ外れが生じにくい中央部において、第1バスバー電極7aと接続タブ15との接触面積が最も広くなるようにしている。これにより、接続タブ外れの影響を低減したり、裏バスバー電極7の一部領域で接続タブ外れが生じた場合の太陽電池モジュール21の特性低下の度合を小さくできる。
裏バスバー電極7の中央部に、裏面バスバー電極7の長手方向の他の部位に比べて、第1バスバー電極7aを密度が高くなるように設けるためには、例えば、中央部における裏バスバー電極7の長手方向の長さに対する、第1バスバー電極7aの合計長さの比が、中央部以外の各端部における裏バスバー電極7の長手方向の長さに対する、第1バスバー電極7aの合計長さの比よりも大きくなるようにすればよい。つまり、例えば前述のように、裏バスバー電極7の長手方向の全長を3等分する(中央部とその両側に位置する部位(端部1,2)とに分ける)場合に、裏バスバー電極7の長手方向の全長において、第1バスバー電極7aの合計長さが、端部1,2のそれぞれよりも中央部で最も大きくなるようにすればよい。さらに、図10に示すように、裏バスバー電極7の長手方向の全長において第1バスバー電極7aの合計数が、端部1,2のそれぞれよりも中央部で最も多くなるようにして、中央部に第1バスバー電極7aが密に存在するようにしてもよい。これにより、接続タブ外れの影響を低減したり、クラックまたは接続タブ外れが生じた場合の太陽電池モジュール21の特性低下を小さくすることができる。
また、隣接する太陽電池素子1を接続タブ15で電気的に接続して太陽電池モジュール21を構成する場合には、裏バスバー電極7の端部に配置する第1バスバー電極7aが存在している密度(便宜上、裏面バスバー電極7の長手方向の全長当たりの長さ、数)は、接続タブ15の端部側(タブ端側)よりも接続タブ15が隣接する太陽電池素子1に接続する側(タブ接続側)で大きくなるようにするとよい。なぜなら、裏バスバー電極7を流れる電流は、タブ端側よりもタブ接続側の方が多くなるからである。このように、第1バスバー電極7aが存在している密度は、中央部、タブ接続側端部、タブ端側の順で小さくなるようにするとよい(中央部が最も密度が高く、タブ端側が最も密度が低いとよい)。
上述のように、裏フィンガー電極8が第1フィンガー電極8aおよび第2フィンガー電極8bを有する実施形態について説明したが、表フィンガー電極4が第1フィンガー電極および第2フィンガー電極を有する形態を採用してもよい。
なお、裏フィンガー電極8は、線幅が100〜500μm程度、厚みが15〜40μm程度であればよい。また、裏フィンガー電極8は、1〜6mm程度の間隔を空けて複数設けられている。
太陽電池モジュール21は、図5〜6に示すように、複数の太陽電池素子1、透光性基板31、表充填材32、裏充填材33、裏保護部材34、横方向配線35および外部導出配線36と、それらの外周部に配置されたフレーム23とを有し、裏主面21b側に端子箱24等をさらに有している。端子箱24には、太陽電池モジュール21によって発生した電力を外部回路に供給するための出力ケーブル25が接続されている。
透光性基板31としては、ガラスまたは樹脂などからなる基板が用いられる。ここでガラスとしては、例えば白板強化ガラスなどが用いられる。また、樹脂であれば、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂が用いられる。透光性基板31は、白板強化ガラスであれば
、厚さ3〜5mm程度であればよい。
表充填材32および裏充填材33は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと略す)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルブチラール(PVB)等からなり、厚さ0.4〜1mm程度のシート状に成形されたものが用いられる。表充填材32および裏充填材33は、ラミネート装置によって減圧下にて加熱加圧を行うことで、軟化、融着して他の部材と一体化する。
裏保護部材34は、外部からの水分の浸入を低減する役割を有する。裏保護部材34は、例えば、アルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂シート、アルミナまたはシリカを蒸着したポリエチレンテレフタレ−ト(PET)シート等が用いられる。裏保護部材34は、白色または黒色等に着色されていてもよい。また、太陽電池モジュール21の裏主面21b側からの光入射を発電に用いる場合には、ガラスまたはポリカーボネート樹脂等の透光性を有する部材を用いてもよい。
太陽電池モジュール21において、太陽電池素子1が接続タブ15で互いに電気的に接続されることによって、複数の太陽電池素子1が一列に並んだ太陽電池ストリングが構成されている。複数の太陽電池ストリングは、互いに隣り合う太陽電池ストリングが1〜10mm程度の所定間隔を空けて配列されている。また、太陽電池ストリング同士を横方向配線35で半田等を用いて接続する。また、太陽電池モジュール21の両端に位置する各太陽電池ストリングの横方向配線35を接続していない太陽電池素子1には、外部導出配線36が接続される。
このような太陽電池モジュール21では、前述した太陽電池素子1を使用することによって、設置後の長期間の屋外環境下においても光電変換効率の低下が低減される。これにより、初期特性および信頼性に優れた太陽電池モジュール21を提供できる。
<クラック発生の他の例>
本実施形態に係る太陽電池素子1では、図2に示すように、裏フィンガー電極8が、裏バスバー電極7の長手方向の中央部に、裏バスバー電極7に対して略直交している複数の第1フィンガー電極8aを有している。さらに、裏バスバー電極7の中央部から長手方向の一端部との間において、この一端部が位置する方向に向かって、裏バスバー電極7から次第に離れるように、斜めに延びている第2フィンガー電極8bを有している。このため、第1フィンガー電極8aまたは第2フィンガー電極8bの一部がクラック発生により分断された場合でも、生成したキャリアは、より短い他の経路を通って裏バスバー電極7に到達できる。
例えば、図11(a)に示すように、第1フィンガー電極8aまたは第2フィンガー電極8bおよび裏バスバー電極7に交差するクラックC2が入った場合でも、点Aで生成したキャリアは、矢印に示すような経路を通ることができる。そして、第2フィンガー電極8bが無い場合に比べて短いキャリアの移動距離にすることができて、出力が低下しにくい太陽電池素子1および太陽電池モジュール21にできる。
さらに、図9に示すように、裏フィンガー電極8がさらにY方向に延在する第3裏フィンガー電極8cを有している場合で、図11(b)に示すように、第3裏フィンガー電極8cに対しても交差するクラックC3が入った場合でも、点Aで生成したキャリアは、矢印に示すような経路を通ることができる。そして、第3フィンガー電極8cが無い場合に比べて短いキャリアの移動距離にすることができて、出力が低下しにくい太陽電池素子1および太陽電池モジュール21にできる。
図11(a)(b)に示すように、第2バスバー電極7bを複数本具備しているため、クラックC2、C3の発生によって、第2バスバー電極7bの一部が分断されても、他の第2バスバー電極7bが設けられているので、第1バスバー電極7aにキャリアを伝えることができて、出力が低下しにくい太陽電池素子1および太陽電池モジュール21にすることができる。
<太陽電池素子の製造方法>
次に、太陽電池素子1の製造方法について説明する。
まず、図4(a)に示すように、一導電型層を構成する半導体基板2を準備する。半導体基板2としては、第1導電型を有するもので、例えばドーパントとしてボロンなどがドープされたp型のシリコン基板であればよい。シリコン基板は、単結晶シリコンインゴットまたは多結晶シリコンインゴットから作製される。単結晶シリコンインゴットは、例えばフローティングゾーン(FZ)法またはチョクラルスキー(CZ)法などによって形成される。多結晶シリコンインゴットは、例えば鋳造法によって形成される。これらのシリコンインゴットを所定の厚みにスライスして、シリコン基板を作製する。
シリコン基板の比抵抗は0.2〜2Ω・cm程度がよい。また、シリコン基板の大きさは、例えば一辺100〜200mm程度の正方形状または長方形状などの四角形状で、その厚みは100μm〜250μm程度にすればよい。なお、以下では、半導体基板2としてp型の多結晶シリコン基板を用いた例によって説明する。
半導体基板2は、スライス面の機械的ダメージ層および汚染層を除去するために、表面をNaOH、KOH、またはフッ硝酸などの溶液でエッチングするほうがよい。そして、エッチング工程後に、ウエットエッチング法またはRIE(Reactive Ion Etching)法などのドライエッチング法を用いて、半導体基板2の表主面2a側に微小な凹凸構造(テクスチャ)を形成するのが望ましい。テクスチャの形成によって、表主面2a側における光の反射率が低減するので、太陽電池素子1の光電変換効率が向上する。
次に、図4(b)に示すように、半導体基板2の第1半導体部2pの表主面2a側にn型の第2半導体部2nを形成する。第2半導体部2nは、n型不純物(例えばリン)を表主面2a側の表層内に拡散させることによって形成される。拡散の方法としては、例えばペースト状態にした五酸化二リン(P)を半導体基板2の表面に塗布して熱拡散させる塗布熱拡散法、ガス状態にしたオキシ塩化リン(POCl)を拡散源とした気相熱拡散法、または、リンイオンを直接拡散させるイオン打ち込み法などが挙げられる。第2半導体部2nは、例えば0.1〜1μm程度の厚みで、40〜150Ω/□程度のシート抵抗に形成される。また、第2半導体部2n形成時に、裏主面2b側にも逆導電型層が形成された場合には、裏主面2b側のみをエッチングによって除去して、p型の導電型領域を露出させる。例えば、フッ硝酸溶液に半導体基板2における裏主面2b側のみを浸して裏主面2b側の第2半導体部2nを除去する。また、予め裏主面2b側に酸化シリコンなどからなる拡散防止用マスクを形成しておき、気相熱拡散法等によって第2半導体部2nを形成して、続いて拡散マスクを除去するプロセスによっても、同様の構造を形成することが可能である。
次に、図4(c)に示すように、半導体基板2の表主面2a側および裏主面2b側の両面側略全面に、パッシベーション層6を形成する。パッシベーション層6は、例えばALD法を用いて形成できる。以下、ALD法によって、酸化アルミニウムからなるパッシベーション層6を形成する方法について説明する。
まず、成膜室内に前述の半導体基板2を載置して、基板温度を100〜300℃に加熱
する。次に、トリメチルアルミニウム等のアルミニウム原料を、アルゴンガス、窒素ガス等のキャリアガスとともに0.5秒間、半導体基板2上に供給して、半導体基板2の全周囲にアルミ原料を吸着させる(工程1)。
次に、窒素ガスによって成膜室内を1秒間パージすることによって、空間中のアルミ原料を除去するとともに、半導体基板2に吸着したアルミ原料のうち、原子層レベルで吸着した成分以外を除去する(工程2)。
次に、水またはオゾンガス等の酸化剤を、成膜室内に4秒間供給して、アルミ原料であるトリメチルアルミニウムのアルキル基であるCHを除去するとともに、アルミニウムの未結合手を酸化させ、半導体基板2に酸化アルミニウムの原子層を形成する(工程3)。
次に、窒素ガスによって成膜室内を1.5秒間パージすることによって、空間中の酸化剤を除去するとともに、原子層レベルの酸化アルミニウム以外、例えば、反応に寄与しなかった酸化剤等を除去する(工程4)。
そして、前述の工程1から工程4を繰り返すことによって、所定厚みを有する、酸化アルミニウムからなるパッシベーション層6を形成できる。また、工程3で用いる酸化剤に水素を含有させることによって、酸化アルミニウム層に水素が含有されやすくなり、水素パッシベーション効果を増大させることもできる。
前述したパッシベーション層6の形成において、ALD法を使用することによって、半導体基板2表面の微小な凹凸に応じて酸化アルミニウム層が形成される。これにより、表面パッシベーション効果を高めることができる。
次に、図4(d)に示すように、半導体基板2の表主面2a側のパッシベーション層6上に反射防止膜13を形成する。反射防止膜13は、窒化シリコン、酸化チタン、酸化シリコン、または酸化アルミニウムなどからなる膜を、PECVD法、熱CVD法、蒸着法またはスパッタリング法などを用いて形成される。例えば、窒化シリコン膜からなる反射防止膜13をPECVD法で形成する場合であれば、反応室内を500℃程度として、シラン(SiH)とアンモニア(NH)との混合ガスを窒素(N)で希釈して、グロー放電分解でプラズマ化させて堆積させることで反射防止膜13が形成される。
次に、図4(e)に示すように、表主面側電極および裏主面側電極を形成するための導電性ペーストを、半導体基板2の上に所望の形状に塗布し、焼成して電極形成を行う。
表主面電極は、銀などの導電性金属を含有する導電成分と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含有する導電性ペーストを用いて作製される。この導電性ペーストは、銀などの導電性金属を主成分として、有機ビヒクルは、例えばバインダとして使用される樹脂成分を有機溶媒に溶解して得られる。バインダとしては、エチルセルロース等のセルロース系樹脂のほか、アクリル樹脂またはアルキッド樹脂等が使用できる。有機溶媒としては、例えばターピネオールまたはジエチレングリコールモノブチルエーテル等が使用できる。有機ビヒクルの含有質量は、銀などの導電成分の合計質量(100質量部)に対して、およそ6〜20質量部であればよい。また、ガラスフリットの成分は、ガラス材料として例えば、SiO−Bi−PbO系、Al−SiO−PbO系などの鉛系ガラスを用いることができるほか、B−SiO−Bi系、またはB−SiO−ZnO系などの非鉛系ガラスも用いることができる。ガラスフリットの含有質量は、銀などの導電成分の合計質量(100質量部)に対して、2〜13質量部であればよい。この導電性ペースト20aを、スクリーン印刷法などを用いて半導体基板2の表主
面2aの反射防止膜13上に塗布し、その後、乾燥させる。
次に、パッシベーション層6上に、裏主面2b側電極である裏バスバー電極7、および裏フィンガー電極8を形成するための導電性ペーストを塗布する。塗布の順序としては、まず、裏バスバー電極7を形成するための導電性ペーストの塗布を行う。使用する導電性ペーストは、前述の表主面2a側電極の形成時に用いたものと同様のものが使用可能であり、スクリーン印刷法を用いて塗布し、その後、乾燥させる。
次に、裏フィンガー電極8を形成するための導電性ペーストを塗布する。裏フィンガー電極8を形成するための導電性ペーストとしては、アルミニウムを主成分とする金属粉末と、ガラスフリットと有機ビヒクルとを含有するアルミニウムペーストを用いて作製される。このアルミニウム粉末は、平均粒径が3〜20μm程度のものであり、有機ビヒクルは、前述のようにバインダが有機溶媒に溶解したものである。ガラスフリットは、例えば、SiO−Pb系、SiO−B−PbO系、Bi−SiO−B系のガラスフリットが使用可能である。アルミニウムペーストの組成は、アルミニウムペーストの総質量の60〜85質量%がアルミニウム粉末、5〜25質量%が有機ビヒクル、0.1〜10質量%がガラスフリットである。さらに、焼成後の半導体基板2に生じる反りを低減したり、抵抗が高くならないようにするために、酸化亜鉛(ZnO)、酸化シリコン(SiO)または酸化アルミニウム(Al)などを添加してもよい。
次いで、前述の導電性ペーストを塗布した半導体基板2をピーク温度600〜800℃で数十秒〜数十分程度焼成することによって電極を形成し、図1〜3に示すような太陽電池素子1を作製する。
なお、太陽電池素子1および太陽電池モジュール21の構造および製造方法は、前述の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良は可能である。例えばパッシベーション層6は、半導体基板2の表主面2a側にも設けてもよいし、反射防止膜13の形成前にエッチング等の方法で除去してもよい。また、半導体基板2として、n型半導体領域を主体とする基板を用いて、その基板の一主面にp型半導体領域を形成した太陽電池素子1を使用してもよい。表主面側電極、裏主面側電極を形成するための導電性ペーストの塗布順は前述の順番に限定されない。全ての導電性ペーストを塗布してから、これらの同時に焼成してもよいし、各導電性ペーストを塗布、焼成してから他の電極用の導電性ペーストを塗布、焼成してもよい。
<太陽電池モジュールの製造方法>
太陽電池モジュール21は、以下のように作製される。まず、太陽電池素子1の裏バスバー電極7上に、半田がコーティングされた接続タブ15を配置する。そして、接続タブ15上から半田鏝または熱風等によって加熱し、裏バスバー電極7および接続タブ15を接合する。次に、太陽電池素子1を反転させ、表バスバー電極3上に接続タブ15を配置して、同様に半田付けする。これにより、太陽電池ストリングを作製できる。
そして、図6に示すように、透光性基板31、表主面側充填材32、太陽電池ストリングを構成する太陽電池素子1、裏主面側充填材33および裏主面保護部材34等を順次積層して積層体を作製する。次いで、この積層体をラミネート装置にセットし、減圧下にて加圧しながら、100〜200℃で例えば15分〜1時間程度加熱することによって、積層体をラミネートして太陽電池モジュール21を作製できる。
次に、太陽電池モジュール21の外周部にフレーム23を設け、太陽電池モジュール21の裏主面21b側に端子箱24を取り付けることで、太陽電池モジュール21が完成する。
1:太陽電池素子
2:半導体基板
2a:表主面
2b:裏主面
2p:第1半導体部
2n:第2半導体部
3:表バスバー電極
4:表フィンガー電極
5:表補助電極
6:パッシベーション層
7:裏バスバー電極
7a:第1バスバー電極
7b:第2バスバー電極
8:裏フィンガー電極
8a:第1フィンガー電極
8b:第2フィンガー電極
8c:第3フィンガー電極
9:裏補助電極
11:間隙
13:反射防止膜
14:BSF層
15:接続タブ
21:太陽電池モジュール
21a:表主面
21b:裏主面
23:フレーム
24:端子箱
25:出力ケーブル
31:表保護部材(透光性基板)
32:表充填材
33:裏充填材
34:裏保護部材
35:横方向配線
36:外部導出配線

Claims (9)

  1. 表主面および裏主面を有する半導体基板と、
    前記表主面および前記裏主面の少なくとも一方の側に設けられており、表面に配線導体が配置される一方向に長いバスバー電極と、
    該バスバー電極に接続されるフィンガー電極とを有する太陽電池素子であって、
    前記フィンガー電極は、前記バスバー電極の長手方向の中央部に、前記バスバー電極に直交している複数の第1フィンガー電極と、前記バスバー電極の前記中央部から前記長手方向の一端部との間において、前記一端部が位置する方向に向かって前記バスバー電極から次第に離れるように斜めに延びている複数の第2フィンガー電極とを有する、太陽電池素子。
  2. 前記バスバー電極および前記フィンガー電極は、前記半導体基板の裏主面側に配置されている、請求項1に記載の太陽電池素子。
  3. 前記第1フィンガー電極と前記第2フィンガー電極とが交差している、請求項1または2に記載の太陽電池素子。
  4. 前記フィンガー電極は、前記バスバー電極に平行な第3フィンガー電極をさらに有する、請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽電池素子。
  5. 前記バスバー電極は、複数の幅広部と、該幅広部よりも前記長手方向に対して直交する短手方向の長さが短く、互いに隣合う前記幅広部同士を接続する幅狭部とを有しており、前記幅広部と前記幅狭部とが前記長手方向に沿って配置されている、請求項1乃至4のいずれかに記載の太陽電池素子。
  6. 前記バスバー電極の前記幅狭部は複数本の線状部を有している、請求項5に記載の太陽電池素子。
  7. 前記バスバー電極の前記幅広部は、前記バスバー電極の前記長手方向の長さに対する前記幅広部の合計長さの比が前記中央部で最も大きい、請求項5または6に記載の太陽電池素子。
  8. 前記バスバー電極の前記幅広部は、前記バスバー電極の前記長手方向における前記幅広部の合計数が前記中央部で最も多い、請求項7に記載の太陽電池素子。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の太陽電池素子を備えている、太陽電池モジュール。
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