JP2008010857A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は半導体基板に生じるクラックを抑制することにある。
【解決手段】半導体基板1と、半導体基板1上の少なくとも一部に設けられた電極2,3と、電極2,3から出力を取り出すための導線7と、電極2,3と導線7とを、電極の略全長にわたって電気的に接続する接合材14と、を備え、電極2,3と導線7および接合材14とによって構成される接続領域において、接続領域の長手方向の端部を塑性変形させるために要する降伏応力が、接続領域の長手方向の中央部における降伏応力よりも小さい。
【選択図】図2

Description

本発明は太陽電池モジュールに関する。
近年、地球環境問題、省エネルギーへの関心の高まりとともに、自然エネルギーを利用した新エネルギー技術が注目されている。そのひとつとして、太陽エネルギーを利用したシステムへの関心が高く、特に太陽光発電システムの住宅への普及が加速されている。
従来の太陽電池モジュールを図6、図7を用いて説明する(例えば特許文献1参照)。
図6に示すように、太陽電池素子104は、半導体基板101の一主面側に設けられた表面出力取出電極102aと表面集電電極102bからなる表面電極102と、半導体基板101の他の主面側に設けられた裏面出力取出電極103aと裏面集電電極103bからなる裏面電極103によって構成されている。なお、半導体基板101は、例えばn型領域105およびp型領域106からなる。また、表面電極102は銀などから構成され、裏面出力取出電極103aは銀など、裏面集電電極103bはアルミニウムなどによって構成される。
これら複数の太陽電池素子104は、図7に示すように、銅箔などからなる接続タブ107によってお互いに電気的に接続され、透光性部材108と保護材110の間にエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などを主成分とする充填材109で気密に封入されて太陽電池モジュールを構成する。すなわち、接続タブ107は、半田などの接合材(不図示)を介して一の太陽電池素子104aの表面出力取出電極102aと、他の太陽電池素子104bの裏面出力取出電極103aとに接続される。
特開平11−186572号公報
しかしながら、上記のような太陽電池モジュールでは、その製造時における温度変化に伴って接続タブが膨張或いは収縮する際、接続タブに接続された出力取出電極が接続タブの膨張等によって生じる応力を吸収できず、結果として、半導体基板にクラックを引き起こすおそれがあった。特に、接続タブと出力取出電極との接続領域のうち、端部において、接続タブの熱膨張量(熱収縮量)が大きくなることから、接続領域の端部付近の半導体基板にクラック発生が生じやすい。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は半導体基板に生じるクラックを抑制することにある。
本発明の太陽電池モジュールは、半導体基板と、前記半導体基板上の少なくとも一部に設けられた電極と、前記電極から出力を取り出すための導線と、前記電極と前記導線とを、前記電極の略全長にわたって電気的に接続する接合材と、を備え、前記電極、前記導線および前記接合材によって構成される接続領域において、前記接続領域の長手方向の端部を塑性変形させるために要する降伏応力が、前記接続領域の長手方向の中央部における降伏応力よりも小さい。
本発明の太陽電池モジュールは、前記接続領域の長手方向の端部における前記電極の降伏応力の値が、前記接続領域の長手方向の中央部における値よりも小さい。
本発明の太陽電池モジュールは、前記電極が、前記接続領域の長手方向の端部および前記接続領域の長手方向の中央部において、互いに異なる材料で構成されている。
本発明の太陽電池モジュールは、前記電極が、前記接続領域の長手方向の端部はAlで構成され、前記接続領域の長手方向の中央部は、Agで構成されている。
本発明の太陽電池モジュールは、前記電極が、前記接続領域の長手方向の端部は導電性樹脂で構成され、前記接続領域の長手方向の中央部は、金属材料で構成されている。
本発明の太陽電池モジュールは、前記接続領域の長手方向の端部において、前記電極が、前記半導体基板に接する側の第1電極層と、前記第1電極層上に積層され、前記第1電極層よりも降伏応力の小さい第2電極層と、を含んで構成される複数層を備えている。
本発明の太陽電池モジュールは、前記接続領域の長手方向の端部における前記接合材の降伏応力の値が、前記接続領域の長手方向の中央部における値よりも小さい。
本発明の太陽電池モジュールは、前記接合材が、前記接続領域の長手方向の端部および前記接続領域の長手方向の中央部において、互いに異なる材料で構成されている。
本発明の太陽電池モジュールは、前記接続領域の長手方向の端部における前記導線の降伏応力の値が、前記接続領域の長手方向の中央部における値よりも小さい。
本発明の太陽電池モジュールは、前記導線が、前記接続領域の長手方向の端部および前記接続領域の長手方向の中央部において、互いに異なる材料で構成されている。
本発明の太陽電池モジュールによれば、特に、電極と導線とが接合材によって接続されて形成される接続領域を塑性変形させるために要する降伏応力の値を、接続領域の端部の方が接続領域の中央部よりも小さくなるようにしたため、半導体基板と電極との熱膨張差に起因して、導線から半導体基板に向かって応力が生じる場合であっても、接続領域の端部が優先的に塑性変形して応力を吸収することによって、半導体基板に所定以上の応力が加わることを抑制でき、その結果、半導体基板に生じるクラックの発生を抑制することができる。
本発明の太陽電池モジュールは、接続領域の長手方向の端部における、電極の降伏応力の値、または接合材の降伏応力の値が、接続領域の長手方向の中央部における値よりも小さくなるようにすることにより簡単に達成することができる。具体的には、電極、接合材または導線の構成材料を、接続領域の長手方向の端部および接続領域の長手方向の中央部において、互いに異なる材料で構成するようにすればよく、これによって、接続領域の降伏応力を導線の熱膨張変位に応じて簡易に制御することができる。
また、電気伝導性および低降伏応力の観点から、電極としては、接続領域の長手方向の端部はAlで構成され、接続領域の長手方向の中央部は、Agで構成することが望ましい。また、より簡単な構成とするために、電極が、接続領域の長手方向の端部は導電性樹脂で構成され、接続領域の長手方向の中央部は、金属材料で構成するようにしてもよい。また、接続領域の長手方向の端部の接合材として低降伏応力のものを用いることにより、導線の収縮または膨張により半導体基板に生じる応力を緩和することができる。
本発明の太陽電池モジュールは、接続領域の長手方向の端部において、電極が、半導体基板に接する側の第1電極層と、第1電極層上に積層され、第1電極層よりも降伏応力の小さい第2電極層の複数層を備えている。特に接続領域の厚み方向に応力が加わった場合であっても、第2電極層は塑性変形して応力を吸収し易くなるから、半導体基板に所定応力以上の応力が加わることを抑制でき、その結果、半導体基板に生じるクラックの発生を抑制することができる。また、半導体基板に接する第1電極層に低電気抵抗のものを用いれば、導線と半導体基板の間の電気的接続は良好に保つことができ、第2電極層は半導体基板のクラック回避の観点で低降伏応力の条件を満たす材料を選ぶことができる。
以下、本発明の太陽電池モジュールについて添付図面を用いて説明する。
太陽電池モジュール
図1は、本発明の第1の実施形態に係る太陽電池素子を示す図であり、図1(a)は受光面側から平面視した図であり、図1(b)は非受光面側から平面視した図であり、図1(c)は断面構造図である。図中、1は半導体基板、2は受光面側の電極、2aは受光面側の出力取出電極、2bは受光面側の集電電極、3は非受光面側の電極、3aは非受光面側の出力取出電極、3bは非受光面側の集電電極、4は太陽電池素子、11は中央部の出力取出電極よりも降伏応力の小さい電極、12は反射防止膜、13は裏面電界領域(BSF領域)であり、半導体基板1上の少なくとも一部に電極2、3を有している。
半導体基板1としては、単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、あるいはアモルファス半導体基板、化合物半導体基板等を適用することができるが、ここでは、単結晶半導体基板、多結晶半導体基板などの結晶系半導体基板を例にとって、具体的に説明する。
例えば、半導体基板1としてシリコン基板1を用いる場合は、B(ボロン)などのp型の導電型を呈する半導体不純物を含んだp型シリコンを用いることが多い。単結晶シリコン基板1は、CZ法で引き上げられたシリコンインゴットを切断することで得ることができる。また、多結晶シリコン基板1は、キャスト法により得られたシリコンインゴットを切断する方法や、リボン法によりシート状の多結晶シリコンを形成し、これを切断する方法などによって、得ることができる。
電極2、3としては、半導体基板1上において、受光面側は、銀などの金属材料を主成分とする受光面側の電極2が設けられ、その反対側である非受光面側は、アルミニウムなどの金属材料を主成分とする集電電極3bや銀などの金属材料を主成分とする出力取出電極3aなどである、非受光面側の電極3が設けられている。
特に、上述したp型半導体基板1を用いる場合には、非受光面側の集電電極3bとして、p型の導電性を呈する半導体不純物として作用するアルミニウムを主成分とすることが一般的である。集電電極3bの形成方法としては、例えば、アルミペーストをスクリーン印刷法などによって塗布した後、熱処理を行う方法がある。この熱処理によって、半導体基板1の非受光面側にはアルミニウムなどの半導体不純物を高濃度に含んだp領域(裏面電界領域13)が形成される。裏面電界領域13は、BSF領域とも呼ばれ、光生成電子キャリアが集電電極3bに到達して再結合損失する割合を低減する役割を果たすので、光電流密度Jscが向上する。また、この裏面電界領域13では、少数キャリア(電子)密度が低減されるので、この裏面電界領域13および集電電極3bに接する領域でのダイオード電流量(暗電流量)を低減する働きをし、開放電圧Vocが向上する。その結果、太陽電池特性を向上させる働きがある。
なお、図1(a)、図1(b)に示した受光面側の電極2(出力取出電極2a、集電電極2b)は、非受光面側の出力取出電極3aには通常、抵抗率の低い銀などを主成分とした電極材料が用いられる。このような銀電極の形成方法としては、上述した非受光面側の集電電極3bと同様に、スクリーン印刷法などによって、銀ペーストなどを塗布した後、焼成する方法がある。
このようにして、太陽電池素子4を得ることができる。さらに、図1(c)に示すように、この半導体基板1の受光面側にP(リン)原子を拡散させてp型とは逆の導電型であるn型の逆導電型拡散領域5を形成すればpn接合を有する太陽電池素子4となる。さらに、半導体基板1の受光面側において、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜などからなる反射防止膜12を設ければ、好適に半導体基板1表面で反射した光を半導体基板1に再び取り込むことによって、太陽電池特性を向上させることができる。
なお、本発明は、特に上述した出力取出電極2a、3aと、後述する導線7との関係に特徴部分を有しているため、詳細については後述する。
上述した太陽電池素子4を用いて得られる、太陽電池モジュールを図2(a)に示す。なお、図2(b)はその一部の拡大図である。図中、1は半導体基板、2aは受光面側の出力取出電極、3aは非受光面側の出力取出電極、4は太陽電池素子、7は導線、8は透光性部材、9は充填材、10は保護材、11は中央部の出力取出電極よりも降伏応力の小さい電極、14は接合材である。
図2(a)に示すように、導線7は、出力取出電極2a、3aの略全長にわたって接合材14を介して電気的に接続されている。そして、導線7が接続された太陽電池モジュールは、通常、透光性部材8と受光面側の充填材9を積層したものの上に載置され、さらに非受光面側の充填材9および保護材10を順次積層された上で、ラミネート工程を経て一体化し、その後、枠体(不図示)および端子ボックス(不図示)を取り付けて耐候性を有する太陽電池モジュールとすることができる。
導線7とは、太陽電池素子同士や横配線(不図示)と電気的に接続、あるいは機械的に接続するものである。その接続方法として直列接続と並列接続とが考えられ、太陽電池素子同士を直列接続する場合には、図2(b)に示すように、導線7の一端は、一の太陽電池素子の受光面側の出力取出電極2aと半田付け等の方法で接続され、もう一端は、他の太陽電池素子の非受光面側の出力取出電極3aに接続される。また、並列接続する場合、導線7の一端は、一の太陽電池素子の出力取出電極2a(3a)に接続され、導線7のもう一端は、他の太陽電池素子の出力取出電極2a(3a)に接続される。
この導線7の材質は、銅、銀、パラジウム、パラジウムと銀の合金、金、ニッケル、半田、鉛、などの良導電性の金属材料からなる。また、これらの金属材料を半田被覆したり、蒸着法、メッキ法などで表面金属膜を別途設ければ、導電性を確保できるだけではなく、腐食防止、酸化防止の観点からも導線7としてより好ましいものとなる。
なお、導線7は、その導電性や接合材14である半田による被覆のしやすさなどを考慮して、銅箔を用いることが好ましい。具体的には、厚み0.1〜1.0mm程度、幅5〜15mm程度の銅箔に接合材14として片面20〜70ミクロン程度の半田を被覆して、導線7とすることができる。
特に、受光面側に出力取出電極2aがある場合、導線7は、半導体基板1の受光面に影を作らないように、出力取出電極2aの幅と同じかそれ以下にすることが好ましい。さらに導線7の長さは、隣り合う太陽電池素子の出力取出電極2a、3aにわたって接続できる長さにすることが好ましい。例えば1辺の長さ150mmの多結晶シリコン基板1を使用する場合、導線7の長さは280〜320mm程度である。
なお、本発明に係る太陽電池モジュールは、上述した電極2、3と導線7との関係に特徴部分を有しており、以下に詳細に説明する。ここでは、電極2、3として、銅箔に接合材14として半田を被覆した導線7を出力取出電極2a、3aに接続する場合を例にとって説明するが、電極はこれに限られるものではない。
まず、ホットエアーや半田付け等、周知の加熱手段によって導線7に被覆した接合材14の半田を加熱溶融する。その後、半田は、放熱によって冷え固まるため、出力取出電極2a、3aと銅箔とは半田を介した状態で電気的、機械的に接続することができる。
このとき、半導体基板1よりも大きな熱膨張率を有する銅箔は、半導体基板1よりも収縮量が大きいため、半田が固化した後、導線7を接続した後、半導体基板1が室温に戻る場合や、室温に戻った後であっても、導線7と出力取出電極2a、3aとの接続領域の端部において、半導体基板1には、引っ張り応力が加わることになる。
しかしながら、本発明の太陽電池モジュールでは、電極と導線および接合材とによって構成される接続領域において、接続領域の長手方向の端部を塑性変形させるために要する降伏応力が、接続領域の長手方向の中央部における降伏応力よりも小さくなるようにしているので、接続領域の端部が優先的に塑性変形して応力を吸収することによって、半導体基板に所定以上の応力が加わることを抑制でき、その結果、半導体基板に生じるクラックの発生を抑制することができる。
これを実現する方法としては、接続領域を構成している、電極、導線および接合材のいずれかにおいて、降伏応力の値が接続領域の長手方向の端部と中央部とで異なるようにしてやればよい。本発明の第1の実施形態では、電極2、3を用いて本発明に係る接続領域を構成している。
第1の実施形態では、図2に示すように、電極2、3の降伏応力の値が、導線7との接続領域において、長手方向の端部の電極11が長手方向の中央部の電極2aよりも小さくなるようにしている。この場合、接続領域の端部の電極11において、出力取出電極2a、3aが塑性変形し易くなる。このように、半導体基板1と出力取出電極2a、3aとの熱膨張差に起因して、導線7から半導体基板1に向かって応力が加わる場合であっても、電極2,3の端部が優先的に塑性変形することによって、半導体基板1に所定の応力以上が加わることを抑制できる。したがって、半導体基板1に生じるクラックを抑制することができる。
このような電極2、3を形成するために、例えば、上述した接続領域において、長手方向の端部および長手方向の中央部を互いに降伏応力の異なる材料で構成するとよい。具体的には、接続領域の長手方向の端部はアルミニウムで、長手方向の中央部は、アルミニウムよりも降伏応力の大きい銀で構成すれば、双方とも良導体であるので良好な導電性が得られるから好ましい。また、電極2,3として用いることができ、且つ、塑性変形する材料としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル等、従来周知の金属でもよいし、エポキシ樹脂やフェノール樹脂など樹脂系の材料を組み合わせても構わない。また、これら樹脂系材料に炭素、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル等を主成分とする粉末を混合することによって、導電性樹脂とすることができ、半導体基板1で得られる電力を、接続領域の端部でも無駄なく得ることができるため、電極2、3として好適に用いることができる。特に、樹脂系材料の場合、金属材料と比べて降伏応力を小さくすることが容易であり、樹脂の重合度などを調節することで、材料の降伏応力自体を調整することも可能であるため、接続領域の長手方向の端部を導電性樹脂で構成し、接続領域の長手方向の中央部を金属材料で構成するようにすれば、最適な値同士の組合せを得ることができる。
ここで、降伏応力の異なる材料であることを特定するためには、半導体基板1の厚み方向に対して、X線マイクロアナライザ(EPMA)を用いて、例えば、接続領域において中央付近から1mm間隔で、3点を分析し、出力取出電極2a、3aを構成する材料の主成分濃度を分析する。その後、これらの成分の平均値を算出する。同様に、接続領域における端部から1mmおきに3点を分析し、出力取出電極2a、3aを構成する材料の主成分濃度を分析し、これらの成分の平均値を算出する。この結果に基づいて、それぞれの試料を所定形状に製作し、JIS Z−2241に基づいて、引っ張り試験を行なえば、より正確な電極材料の降伏応力を測定することができる。
以上のようにして、太陽電池素子の電極に接合材を介して導線を接続し、本発明に係る接続領域を得ることができる。
その後、上述したように、太陽電池モジュールとして耐候性を上げるため、透光性部材8と非受光面側の保護材10との間に、エチレンビニルアセテート共重合体(以下、EVAと略す)などを主成分とする充填材9の内部に、この太陽電池モジュールを介在させている。そして、太陽電池モジュールの出力は、出力配線(不図示)を経て端子ボックス(不図示)に接続している。
透光性部材8として、ガラスやポリカーボネート樹脂などが用いられる。ガラス板については、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラスなどが用いられるが、一般的には厚さ3mm〜5mm程度の白板強化ガラスが使用される。他方、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂からなる基体を用いた場合には、厚みが5mm程度のものが多く使用される。
そして、充填材9は、EVAやポリビニルブチラール(以下、PVBと略す)から成り、従来周知のTダイ(平板状口金)を有する押出機により厚さ0.2〜1mm程度のシート状に成形されたものが用いられる。これらはラミネート装置により減圧下にて加熱加圧を行うことで、軟化、融着して他の部材と一体化する。このEVAやPVBは、酸化チタンや顔料等を含有させ白色等に着色させることがあるが、本発明の再生方法が適用される太陽電池モジュールにおける受光面側の充填材9においては、着色させると太陽電池素子4に入射する光量が減少し、発電効率が低下するため透明とする。また、非受光面側の充填材9に用いるEVAやPVBは透明でも構わないし、太陽電池モジュールの設置される周囲の設置環境に合わせ酸化チタンや顔料等を含有させ白色等に着色させても構わない。
また、保護材10は、水分を透過しないようにアルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂シートやアルミナまたはシリカを蒸着したポリエチレンテレフタレ−ト(PET)シートなどが用いられ、透明でも良いし、白色や黒色等に着色して用いても良い。
さらに、端子ボックス(不図示)は、太陽電池素子4からの電気出力を外部回路に接続するために、保護材に接着材等を用いて取り付けられる。この端子ボックスの一例としては、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂)などで紫外線などに対する耐光性を考慮して黒色で形成される。また、端子ボックスは、取り付け後の半田付け作業などを行いやすくするため、本体部と蓋部に分かれており、蓋部は本体部に嵌め込みやネジ止めにより固定される。端子ボックスの大きさは、取り付けられる太陽電池モジュールの大きさにより最適に決定すればよいが一例として、一辺が5〜15cm程度、厚みが1〜5cm程度のものである。
そして、枠体(不図示)は、太陽電池モジュールとして必要な機械的強度や耐候性能を確保し、また太陽電池モジュールを野外に設置する場合の架台(不図示)と太陽電池モジュールとの間を接続し、固定するためにも用いる。枠体は、太陽電池モジュールに必要な強度やコストを考慮してアルミニウムや樹脂などで形成される。アルミニウムで造る場合には、アルミニウムを押し出し成形して造られ、その表面にアルマイト処理やクリヤ塗装が施される。
以上のようにして、本発明に係る太陽電池モジュールとすることができる。
次に、本発明の太陽電池モジュールの他の実施形態について説明する。
上述の説明では、接続領域を構成している、電極、導線および接合材のうち、電極を用いて降伏応力の値が接続領域の長手方向の端部と中央部とで異なるようにした例について説明したが、これに限るものではなく、導線あるいは接合材を、接続領域の長手方向の端部と中央部とでそれぞれ異なる構成とすることで、本発明に係る接続領域を構成するようにしても良い。以下、接合材を用いて本発明に係る接続領域を構成した本発明の第2の実施形態、導線と接合材とを用いて本発明にかかる接続領域を構成した第3の実施形態をそれぞれ図8、図9を用いて説明する。
図8(a),(b)は、本発明の第2の実施形態の太陽電池モジュールである。太陽電池素子4は半導体基板1と、半導体基板1の一主面側に設けられた帯状の表面出力取出電極2aと表面集電電極2bからなる表面電極2と、半導体基板1の他の主面側に設けられた裏面出力取出電極3aと裏面集電電極3bからなる裏面電極3については、第1の実施形態と同様の構成である。第1の実施形態と異なる箇所は、第2の実施形態では、電極2,3の代わりに接合材14を用いて本発明に係る接続領域を構成している点である。具体的には、出力取出電極2a、3aと導線7の接続領域の長手方向の端部に、接続領域の長手方向の中央部の接合材14より降伏応力の値が小さい接合材15を用いて、出力取出電極2a、3aと導線7とを電気的に接続することで、本発明に係る接続領域の構成とすることができる。なお、第2の実施形態の場合、表面出力取出電極2aと裏面出力取出電極3aは、従来、太陽電池素子に用いられている低電気抵抗材料を用いることができ、発電効率に与える影響を小さくすることが可能である。なお、接合材として半田を用いた場合、降伏応力は半田の組成系などによって選択することが可能である。例えば、Pbフリー半田である、Sn−3.5Ag半田は、Pb−37Sn共晶半田よりも変形しづらい性質を持っているので、降伏応力の大きい接合材14としてSn−3.5Ag半田を選択し、降伏応力の小さい接合材15としてPb−37Sn共晶半田を選択すればよい。
図9(a),(b)は、本発明の第3の実施形態の太陽電池モジュールである。太陽電池素子4の構成は第1の実施形態とほぼ同様である。第1の実施形態と異なる箇所は、第3の実施形態では、電極2,3の代わりに導線および接合材を用いて本発明に係る接続領域を構成している点である。具体的には、導線を第一導線18と第二導線19、および第一導線18と第二導線19とを接合する第二接合材17に分割する。そして、接続領域の長手方向の端部に第二接合材17が位置するように配置することで、接続領域の長手方向の中央部に位置する第一導線18よりも降伏応力の値が小さい第二接合材17が接続領域の長手方向の端部となるため、本発明に係る接続領域の構成とすることができる。なお、導線18、19と出力取出電極2a、3aは第一接合材16を介して接合する。製造時の手間を減らすことができるように、第一接合材16と第二接合材17に同じ材料を用いることが好ましい。
次に図10(a),(b)を用いて、本発明の第4の実施形態の太陽電池モジュールについて説明する。太陽電池素子4の構成は第1の実施形態とほぼ同様である。第1の実施形態と異なる箇所は、第4の実施形態では、電極2,3の長手方向の端部として、半導体基板に接する側の第1電極層20と、この第1電極層20上に積層され、第1電極層20よりも降伏応力の小さい第2電極層21とを含む複数層構造としたことにある。この構造では半導体基板1に接する第1電極層20に低電気抵抗材料を採用することで、導線7と表面出力取出電極2a、または導線7と裏面出力取出電極3aの電気的接続は良好に保ったまま、第2電極層21に低降伏応力材料を採用して、半導体基板1に発生するクラックを抑制することができる。なお、積層方法としては、従来周知のスクリーン印刷などを用いることができる。接続領域の端部において、第1電極層20と、第2電極層21とが積層していれば、特に電極2、3の厚み方向に応力が加わった場合であっても、複数層の構造部分は塑性変形して応力を吸収し易くなる。この結果、半導体基板1に所定応力以上の応力が加わることを抑制できる。
太陽電池モジュールの製造方法
次に、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法について、図3から図5を用いて説明する。図3は準備された半導体基板を示す断面構造図であり、図4は電極を形成する工程を示す図であり、図5は太陽電池素子に導線が接続された状態を示す図である。図中、符号については、既に上述しているため、ここでは省略する。
(1)まず、図3に示すように、厚み0.2〜0.4mm程度、大きさ100〜150mm角程度の単結晶シリコンや多結晶シリコン等からなるp型の半導体基板1を準備し、半導体基板1の受光面側近傍に一定の深さまで逆導電型のn型不純物を拡散させる。n型を呈する逆導電型拡散領域5の製造方法としては、例えばp型の半導体基板1を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl)中で加熱することによって、半導体基板1の受光面側全体にn型不純物であるリン原子を拡散させて、厚み0.2〜0.5μm程度の逆導電型拡散領域5として形成することができる。このようにして、例えばpn接合を有する半導体基板1を形成することができる。
さらに、半導体基板1の受光面側には、例えば、窒化シリコン膜からなる反射防止膜12が形成されることが好ましく、このような反射防止膜12は、例えばプラズマCVD法等で形成することが可能であり、パッシベーション膜としての機能をも有する。
(2)次に、図4に示すように、上述した半導体基板1に電極2、3を形成する。図1(a)、(b)を用いて説明したように、受光面側には、受光面側の電極2が設けられており、受光面側の電極2には出力を取り出すための受光面側の出力取出電極2aと、これに直交するように設けられた受光面側の集電電極2bとが形成される。また、図1(b)に示したように、非受光面側には、非受光面側から出力を取り出すための銀などを主成分とする出力取出電極3aとアルミニウムなどを主成分とする集電電極3bとが形成される。
なお、これらの電極2、3は、金属を主成分とする金属材料を有機溶剤等と混ぜ合わせてペースト状にし、周知の技術であるスクリーン印刷法などにより塗布して焼成することによって得ることができる。
なお、図4における符号(a)から(d)は、下記の(a)から(d)と対応しているものとする。
以下、図4を用いて、本発明に係る電極2、3を形成する工程を示す。
(a)まず、非受光面側の集電電極3bの形成は、例えば集電電極3bがアルミニウムなどを主成分とする金属材料を用いて、半導体基板1の非受光面の一部を除いた略全面に所定厚みになるように塗布して乾燥する。
(b)次に、非受光面側の出力取出電極3aの形成は、例えば銀などを主成分とする金属材料を用いて、(a)で金属材料を塗布しなかった部分とその周縁部を覆うように、例えば、半導体基板1の端部5mmの位置から対向する端部の5mmの位置までを塗布して乾燥する。
(c)続いて、半導体基板1の非受光面側に、例えば、銀などを主成分とする金属材料よりも降伏応力の小さい金属材料である、アルミニウムを主成分とする金属材料を、半導体基板1の端部から1mmの位置から5mmの位置まで、また対向する端部から5mmの位置から1mmの位置まで塗布して乾燥する。
(d)その後、受光面側の出力取出電極2aについても、上述した(b)、(c)と同様に、受光面側の出力取出電極2aを2種類の材料を用いて形成する。
このように形成した、電極材料を加熱炉等で500℃から800℃で焼成することで、電極2、3を形成することができる。焼成工程は、最終的にこれらの電極材料に熱処理が行なわれていればよく、複数回に分けて焼成工程を設けてもよいし、一度の焼成工程で電極2、3を形成してもよく、特に限定されるものではない。
このとき、受光面側および非受光面側の出力取出電極2a、3aは、降伏応力の異なる2種類の電極材料を塗布することによって形成されるため、例えば、銀を主成分とする電極材料の上にアルミニウムを主成分とする電極材料が重なる部分が生じさせれば、後に導線7を接続した際に、導線7と出力取出電極2a、3aとはアルミニウムを主成分とする電極と接続し易くなるため好ましい。その結果、確実に半導体基板1に生じるクラックを抑制することができる。
なお、出力取出電極2a、3aが、銀を主成分とする電極材料とアルミニウムを主成分とする電極材料との間で多少の間隙が生じている場合であっても、導線7を接続する場合に、導線7の半田がこの間隙に介在することによって、本発明の太陽電池モジュールを得ることができる。
また、上述した熱処理によって、非受光面の略全面に形成された集電電極3bは、半導体基板1に対してp型不純物として作用するアルミニウムを主成分としているので、半導体基板1と集電電極3bとが接した部分に、裏面電界領域(BSF領域)13である高濃度のp領域が形成される。また、受光面側の電極2は、反射防止膜12の電極に相当する部分をエッチング除去して形成される場合と、もしくは反射防止膜12の上から、ファイアースルーという手法によって直接形成される場合とがある。
(3)その後、図5に示すように、これらの出力取出電極2a、3aに、上述した導線7の一方を例えば、ホットエアー、半田付け等周知の技術を用いて加熱溶着し、他方を同様に他の太陽電池素子に接続したり、横配線に接続したりすることによって太陽電池モジュールとすることができる。
(4)最後に、図2(a)に示したように、太陽電池モジュールの耐候性を向上させるため、上述したガラスなどの透光性部材8、EVAなどの充填材9の上に更に積層し、その上に更に充填材9、保護材10を順次積層する。これらの積層部材は、ラミネーターにセットされ、50〜150Paの減圧下にて加圧しながら100℃〜200℃の温度で15〜60分程度加熱することによって、受光面側の充填材9と非受光面側の充填材9とが溶融した上で架橋して一体化される。最後に、枠体(不図示)および端子ボックス(不図示)を取り付ける。
以上のような工程を経ることによって、本発明に係る太陽電池モジュールを製造することができる。
厚さが100μmで、外形が15cm×15.5cmのP型の多結晶シリコンからなる半導体基板1表面のダメージ層をNaOHでエッチングして洗浄した。次に、この半導体基板1を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl)の中で加熱することによって、半導体基板1の表面にリン原子を拡散させて、N型領域を形成した。その上にプラズマCVD法によって反射防止膜となる厚み850Åの窒化シリコン膜を形成した。
この半導体基板1の裏面側に裏面集電電極3bを形成するために、アルミニウム粉末を用いた有機電極材料をスクリーン印刷法によって図1(b)に示されるようにほぼ裏面全面に塗布して、その後溶剤を蒸散させて乾燥させた。
そして、表面側に表面電極2を、裏面側に裏面出力取出電極3aを形成するために、銀粉末を用いた有機電極材料をスクリーン印刷法によって、図1(a),図1(b)に示される形状に塗布して乾燥させた。このとき、表面出力取出電極2aと裏面出力取出電極3aは、半導体基板1の縁から10mmの点まで設けた。次に、表面電極2と裏面出力取出電極3aより降伏応力が小さいアルミニウムを主原料とする有機電極材料を半導体基板1の縁から5mmの点まで塗布して、中央部の出力取出電極よりも降伏応力が小さい電極11を図2(b)のように作製した。塗布、乾燥した電極を700℃で20分焼成することで、半導体基板1に焼き付けた。
接合材14としては半田を用いた。厚さ200μmの銅箔製の導線7を溶融半田たまりに浸して、導線7に半田を20μm厚で塗布した。導線7を、中央部の出力取出電極2a,3aより降伏応力が小さい電極11、表面出力取出電極2aと裏面出力取出電極3aの上に置き、400〜500℃の温風を当てることで接合材14を溶融させ、その後完全に固化するまで冷却し導線7と電極を固着した。
完全に固着した後、半導体基板1を詳細に観察したが、クラックは見られなかった。これに対して、中央部の出力取出電極2a,3aよりも降伏応力が小さい電極11を設けず、導線7と表面電極2、導線7と裏面電極3を溶着させた場合は、導線7の端部付近の半導体基板1に数箇所のクラックが発見された。
実施例1と同じ工程で、半導体基板1上に表面電極2と裏面電極3を作製した。ただし表面出力取出電極2aと裏面出力取出電極3aは、従来の太陽電池素子と同じく、銀粉末を用いた有機電極材料をスクリーン印刷法によって、半導体基板1の縁から5mmまで設け、塗布、乾燥した電極を700℃で20分焼成することで、半導体基板1に焼き付けた。その後、図8に示すように、導線7の中央部には接合材14としてSn−3.5Ag半田を、端部5mmには接合材14よりも降伏応力値の小さい接合材15としてPb−37Sn共晶半田を塗布し乾燥させた。次に、温風を用いて接合材14と接合材15を溶解させて導線7を電極に溶着させた。これにより、図8に示す本発明の第2の実施形態に係る接続領域を作製した。完全に固着した後、半導体基板1を詳細に観察したが、クラックは見られなかった。上記工程の途中で、中央部の接合材14よりも降伏応力値の小さい接合材15を設けず、Sn−3.5Ag半田よりなる接合材14のみを用いて、導線7と表面電極2、導線7と裏面電極3を溶着させた場合は、導線7の端部付近の半導体基板1に数箇所のクラックが発見された。
実施例2と同じ工程で、半導体基板1上に表面電極2と裏面電極3を作製した。ただし表面出力取出電極2aと裏面出力取出電極3aは、従来の太陽電池素子と同じく、銀粉末を用いた有機電極材料をスクリーン印刷法によって、半導体基板1の縁から5mmまで設け、塗布、乾燥した電極を700℃で20分焼成することで、半導体基板1に焼き付けた。その後、図9に示すように、第一接合材16として、表面出力取出電極2aと裏面出力取出電極3aの上に、Sn−3.5Ag半田よりなる溶融半田を20μm厚だけ塗布し、冷却させて固化させた。次に、第一接合材16の中央部に厚さ200μmの銅箔製の第一導線18を載置した後、第一導線18の端部に第二接合材17としてSn−3.5Ag半田よりなる溶融半田を滴下し固化させた。最後に厚さ200μmの銅箔製の第二導線19を、第一接合材16と第二接合材17に接するように保持しながら、第二接合材17と第一導線18と第二導線19に温風を当てこれらの接合材を溶融させて、第一導線18および第二導線19を固着させた。これにより、図9に示す本発明の第3の実施形態に係る接続領域を作製した。完全に固化した後、半導体基板1を観察したところ、クラックは発見されなかった。これに対して、分割を行わない一つの導線をSn−3.5Ag半田よりなる接合材14を用いて、表面電極2、裏面電極3を溶着させた場合は、導線の端部付近の半導体基板1に数箇所のクラックが発見された。
実施例1と同じ工程で、半導体基板1上に表面電極2と裏面電極3を作製した。ただし表面出力取出電極2aと裏面出力取出電極3aは、従来の太陽電池素子と同じく、銀粉末を用いた有機電極材料をスクリーン印刷法によって、半導体基板1の縁から5mmまで設け、塗布、乾燥した電極を700℃で20分焼成することで、半導体基板1に焼き付けた。その後、図10に示すように、長手方向の端部の領域に、半導体基板に接する側の第1電極層20と、この第1電極層20上に積層され、第1電極層20よりも降伏応力の小さい第2電極層21とを含む複数層構造を設けた。具体的には、第1電極層20は表面電極2と同じ材料である銀を用い、第2電極層21は導電性樹脂を滴下することで作製した。その後、実施例1と同じ工程で導線7を、接合材14を介して電極に溶着させて、図10に示す本発明の第4の実施形態に係る接続領域を作製した。このようにして作製した太陽電池素子4の半導体基板1にはクラックは発見されなかった。これに対して、端部に複数層構造を設けず、導線7と表面電極2、導線7と裏面電極3を直接一体的に溶着させた場合は、導線7の端部付近の半導体基板1に数箇所のクラックが発見された。
(a)は本発明の一実施形態に係る太陽電池素子を受光面側から平面視した図であり、(b)は本発明の一実施形態に係る太陽電池素子を非受光面側から平面視した図であり、(c)は本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の断面構造図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの断面構造図であり、(b)はその一部の拡大図である。 準備された半導体基板を示す断面構造図である。 (a)〜(d)本発明の一実施形態に係る電極を形成する工程を示す図である。 (a)太陽電池素子の受光面側に導線を接続した平面図であり、(b)は太陽電池素子の非受光面側に導線を接続した平面図である。 (a)従来の太陽電池素子を受光面側から平面視した図であり、(b)は従来の太陽電池素子を非受光面側から平面視した図である。 (a)、(b)は従来の太陽電池モジュールを示す断面構造図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る太陽電池素子を受光面側から平面視した図であり、(b)はその太陽電池素子の断面構造図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る太陽電池素子を受光面側から平面視した図であり、(b)はその太陽電池素子の断面構造図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る太陽電池素子を受光面側から平面視した図であり、(b)はその太陽電池素子の断面構造図である。
符号の説明
1:半導体基板
2:受光面側の電極
2a:受光面側の出力取出電極
2b:受光面側の集電電極
3:非受光面側の電極
3a:非受光面側の出力取出電極
3b:非受光面側の集電電極
4:太陽電池素子
5:逆導電型拡散領域(n型)
6:一導電型領域(p型)
7:導線
8:透光性部材
9:充填材
10:保護材
11:電極(出力取出電極の中央部よりも降伏応力値が小)
12:反射防止膜
13:裏面電界領域(BSF領域)
14:接合材
15:接合材(接合材14より降伏応力値が小)
16:第一接合材
17:第二接合材
18:第一導線
19:第二導線
20:第1電極層
21:第2電極層

Claims (10)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上の少なくとも一部に設けられた電極と、
    前記電極から出力を取り出すための導線と、
    前記電極と前記導線とを、前記電極の略全長にわたって電気的に接続する接合材と、を備え、
    前記電極、前記導線および前記接合材によって構成される接続領域において、前記接続領域の長手方向の端部を塑性変形させるために要する降伏応力が、前記接続領域の長手方向の中央部における降伏応力よりも小さい、太陽電池モジュール。
  2. 前記接続領域の長手方向の端部における前記電極の降伏応力の値が、前記接続領域の長手方向の中央部における値よりも小さい、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記電極が、前記接続領域の長手方向の端部および前記接続領域の長手方向の中央部において、互いに異なる材料で構成されている、請求項2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記電極が、前記接続領域の長手方向の端部はAlで構成され、前記接続領域の長手方向の中央部は、Agで構成されている、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記電極が、前記接続領域の長手方向の端部は導電性樹脂で構成され、前記接続領域の長手方向の中央部は、金属材料で構成されている、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記接続領域の長手方向の端部において、前記電極が、前記半導体基板に接する側の第1電極層と、前記第1電極層上に積層され、前記第1電極層よりも降伏応力の小さい第2電極層と、を含んで構成される複数層を備えている、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記接続領域の長手方向の端部における前記接合材の降伏応力の値が、前記接続領域の長手方向の中央部における値よりも小さい、請求項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  8. 前記接合材が、前記接続領域の長手方向の端部および前記接続領域の長手方向の中央部において、互いに異なる材料で構成されている、請求項7に記載の太陽電池モジュール。
  9. 前記接続領域の長手方向の端部における前記導線の降伏応力の値が、前記接続領域の長手方向の中央部における値よりも小さい、請求項1乃至7のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  10. 前記導線が、前記接続領域の長手方向の端部および前記接続領域の長手方向の中央部において、互いに異なる材料で構成されている、請求項9に記載の太陽電池モジュール。
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