JP4969337B2 - 光電変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽光発電等に使用される光電変換装置に関し、特に結晶シリコン粒子等の結晶半導体粒子を用いた光電変換装置に関するものである。
従来の集光型の光電変換装置、特に太陽電池としては、結晶シリコン板等の結晶半導体板から成る光電変換素子を切断して小面積の光電変換素子を作製し、間隔を置いてそれらの光電変換素子を配置し、各光電変換素子上に集光レンズを設けた構成のものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、従来の結晶半導体粒子を用いた光電変換装置として、第1のアルミニウム箔に開口を形成し、その開口に、p型中心核の上にn型外殻を持つシリコン球を挿入し、シリコン球の裏側のn型外殻を除去し、第1のアルミニウム箔及びn型外殻を除去したシリコン球の表面に、絶縁層を形成し、シリコン球の裏側頂上部の絶縁層を除去した後に、シリコン球と第2のアルミニウム箔とを、金属接合部を介して接合して成るものが提案されている(例えば特許文献2参照)。なお、この光電変換装置は、シリコン球上に集光させるための球状レンズを有している。この光電変換装置のように結晶半導体粒子を用いた場合、結晶半導体粒子間に隙間が生じてしまい、結果として光電変換ロスとなるため、結晶半導体粒子間の隙間に入射した光エネルギーを隙間に隣接する結晶半導体粒子の側に入力させるために、結晶半導体粒子上に結晶半導体粒子の表面の曲面に平行に球状レンズを形成している。
また、従来の他の光電変換装置として、凹面鏡に形成された基板によって光を反射させてシリコン球に集光させる構成が知られている。
特開平8−330619号公報 米国特許第5419782号明細書
しかしながら、特許文献1に示された光電変換装置は、結晶シリコン板等からなる結晶半導体板を切断して小面積の光電変換素子を作製し、光電変換素子同士の間を接続タブ等で接続していく必要があり、製造工程数が多くなり製造が煩雑になり、十分に低コスト化することができなかった。
また、結晶半導体粒子の表面の曲面に平行に形成された球状レンズを用いた光電変換装置は、その球状レンズを用いて光電変換効率の光の入射角依存性を小さくしようとすると、結晶半導体粒子間の距離を結晶半導体粒子の直径の1/10程度までしか広げることができない。その結果、光電変換装置における半導体の使用量が低減されず、軽量化、低コスト化に不利である。
また、凹面鏡を構成するように形成された基板によって光を反射させてシリコン球に集光させる構成を有する光電変換装置は、基板を凹面鏡の形状に変形させて形成するが、基板の形状を維持するための保持構造等がさらに必要であり、また、隣接する凹面鏡同士の間の境界部が平坦となり鋭角に形成されないために、平坦な境界部での光の反射が無視できないものとなり、光電変換のロスが発生する傾向があった。
また、上述した光電変換装置が有する凹面鏡形状の光反射面は、主として銀等の金属により構成されるものであるため、空気中の硫化ガス,酸素ガス等と反応して劣化(銀の場合黒化)して光の反射性が低下するために、長期にわたって安定した光電変換性能を維持するには不十分なものであった。
また、光電変換装置を作製する工程において、凹面鏡を形成する金属に傷がつくため、その光電変換装置の作製直後から光の反射性は十分に大きいものではなかった。
このように、その作製時において光反射面が傷つかず、さらに、長期間にわたって安定した光電変換性能を有する光電変換装置は従来得られていなかった。また、結晶半導体粒子への集光化、軽量化および低コスト化をともに十分に満足するものではなかった。
従って、本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、光反射面の傷の発生が抑制されて十分な光電変換効率を長期間維持することが可能な光反射部材を有する光電変換装置となり、また結晶半導体粒子間の距離を大きく広げたとしても光電変換効率の光の入射角依存性を小さくすることができ、さらに基板を変形させることなく集光構造を形成することができ、その結果、半導体の使用量を少なくして軽量化および低コスト化を達成したうえで、結晶半導体粒子に十分に集光することができる光電変換装置を提供することである。
また、本発明の光電変換装置は、導電性基板と、表層に第2導電型の半導体部が形成され、前記導電性基板上に互いに間隔をあけて多数個接合された球状の第1導電型の結晶半導体粒子と、前記導電性基板上であって、前記結晶半導体粒子間に形成された絶縁層と、前記絶縁層上および前記結晶半導体粒子上に形成された透光性導電層と、前記絶縁層上の透光性導電層上に形成され、前記結晶半導体粒子に集光させる凹面状の光反射面と、該光反射面の下端部において前記結晶半導体粒子の上部を露出させる開口部と、を有する光反射部材と、前記光反射部材の前記光反射面を被覆する透明保護層と、を具備するものである。
前記光反射部材は樹脂からなり、前記光反射面が金属層であり、さらに、前記金属層上に前記透明保護層が形成されていることが好ましい。
前記金属層がアルミニウムおよび/または銀からなることが好ましい。
前記金属層は前記透光性導電層と電気的に導通していないことが好ましい。
前記光反射部材は、縦断面において頂上部が鋭角状の尖頭部となっていることが好ましい。
前記透明保護層は、縦断面において頂上部が凸曲面となっていることが好ましい。
本発明の光電変換モジュールは、前記光電変換装置を具備するものであって、前記光電変換装置が有する複数の前記光電変換素子が直列または並列に接続されたものである。
前記複数の光電変換素子の透明保護層側に設けられた透光性の表面保護体と、前記透明保護層と前記表面保護体との間に充填された透光性の表面充填層とをさらに具備することが好ましい。
前記透明保護層と前記表面充填層との間の屈折率差は0.2以下であることが好ましい。
前記表面充填層は、前記透明保護層の紫外線吸収帯域を含む紫外線吸収帯域を有することが好ましい
前記透光性の表面保護体と前記表面充填層との間に、前記透明保護層の紫外線吸収帯域を含む紫外線吸収帯域を有する紫外線吸収層をさらに具備することが好ましい。
本発明の光電変換装置によれば、導電性基板と、表層に第2導電型の半導体部が形成され、導電性基板上に互いに間隔をあけて多数個接合された球状の第1導電型の結晶半導体粒子と、導電性基板上であって、結晶半導体粒子間に形成された絶縁層と、絶縁層上および結晶半導体粒子上に形成された透光性導電層と、絶縁層上の透光性導電層上に形成され、結晶半導体粒子に集光させる凹面状の光反射面と、光反射面の下端部において結晶半導体粒子の上部を露出させる開口部と、を有する光反射部材と、光反射部材の光反射面を被覆する透明保護層と、を具備することにより、光電変換装置の作製時における光反射部材の光反射面の傷の発生が抑制され、さらに、作製後においても長期にわたり光反射面を保護することができ、十分な光電変換効率を長期間維持することが可能となる。
また、光反射面が銀やアルミニウム等の金属から成る場合、金属が空気中の硫化ガス,酸素ガス等と反応して劣化(銀の場合黒化)して光の反射性が低下することを防ぐことができる。また、光反射面が金属層を被覆して形成したものである場合、金属層の剥がれ等を防ぐことができる。また、光反射面が金属や金属層から成る場合、導電性の異物によって金属や金属層と透光性導電層とが導通し、透光性導電層の集電性が低下するのを防ぐことができる。
また本発明の光電変換装置において好ましくは、光反射部材が樹脂からなり、光反射面が金属層であり、さらに、金属層上に透明保護層が形成されていることにより、十分な光の反射性能が得られるとともに光反射部材の成形が容易となるとともに、低コスト化が達成される。
また本発明の光電変換装置において好ましくは、金属層がアルミニウムおよび/または銀からなることにより、さらに十分な反射率を得ることができる。
また本発明の光電変換装置において好ましくは、金属層は透光性導電層と電気的に導通していないことにより、透光性導電層から金属層に対して余分な電気的な導通がないため、集電極としての役割を果たす導電性電極層などに十分に集電されることになり、集電効果が大幅に向上することとなる。
また本発明の光電変換装置において好ましくは、光反射部材は、縦断面において頂上部が鋭角状の尖頭部となっていることにより、光反射部材の頂上部において入射光の上方への反射を抑制し、入射光を効率的に結晶半導体粒子に集光させることができる。
また本発明の光電変換装置において好ましくは、透明保護層は、縦断面において頂上部が凸曲面となっていることにより、透明保護層が外側から金属層を押さえ込むことで金属層が光反射部材の頂上部において切断されることなく鋭角に形成される。
本発明の光電変換モジュールによれば、前記光電変換装置を具備し、さらに、前記光電変換装置が有する複数の光電変換素子が、直列または並列に接続していることにより、十分な電気出力を得ることができる。
また本発明の光電変換モジュールにおいて好ましくは前記複数の光電変換素子の透明保護層側に設けられた透光性の表面保護体と、前記透明保護層と前記表面保護体との間に充填された透光性の表面充填層とをさらに具備し、前記透明保護層と前記表面充填層との間の屈折率差が0.2以下であることにより、透明保護層に成形金型がある程度転写されたとしても光学的ロスが小さくなる。
また本発明の光電変換モジュールにおいて好ましくは、前記表面充填層は、前記透明保護層の紫外線吸収帯域を含む紫外線吸収帯域を有することにより、前記表面充填層が前記透明保護層の紫外線吸収帯域の光を吸収して、前記透明保護層に紫外線が到達することを抑制するため、前記透明保護層の劣化を防止することができる。
また本発明の光電変換モジュールにおいて好ましくは、前記透光性の表面保護体と前記表面充填層との間に、前記透明保護層の紫外線吸収帯域を含む紫外線吸収帯域を有する紫外線吸収層をさらに具備することにより、前記紫外線吸収層が前記透明保護層の紫外線吸収帯域の光を吸収して、前記透明保護層に紫外線が到達することを抑制するため、前記透明保護層の劣化を防止することができる。
本発明の光電変換装置について実施の形態の例を図面に基づいて以下に詳細に説明するが、これらはあくまで実施の形態の一例に過ぎず、本発明の光電変換装置は図1〜3の構成に限定されるものではない。
図1は、本発明の光電変換装置の実施の形態の例を示す断面図であり、図2は本発明の光電変換装置の実施の形態の例を示す上面図であり、図3は本発明の光電変換装置を用いて形成した光電変換モジュールの実施の形態を示す断面図である。図1〜3において、1は導電性基板、2は粒状光電変換体を構成する結晶半導体粒子、3は粒状光電変換体を構成する半導体部(半導体層)、4は絶縁層、5は透光性導電層、6は導電性基板1を成す例えばアルミニウムと結晶半導体粒子を成す例えばシリコンとの合金層、7は透明樹脂等からなる光反射部材、8は光反射部材7の表面の光反射面、9は表面充填層、10は表面保護体、11は裏面充填層、12は透明保護層、13は電極層、14は裏面保護層、15は間隔保持部材である。なお、導電性基板1は、それ自体がアルミニウムからなるものでもよく、また、絶縁基板の上にアルミニウム等から成る導電層を設けたものとしてもよい。
本発明の光電変換装置は、基板上に配設された光電変換粒子(結晶半導体粒子2)と、前記光電変換粒子に集光させる凹面状の光反射面と、該光反射面の下端部において前記光電変換粒子の上部を露出させる開口部と、を有する光反射部材と、前記光反射部材の前記光反射面を被覆する透明保護層と、を具備する構成である。より具体的で好適な本発明の光電変換装置の構成は、導電性基板1と、表層に第2導電型の半導体部3が形成され、導電性基板1上に互いに間隔をあけて多数個接合された球状の第1導電型の結晶半導体粒子2と、導電性基板1上であって、結晶半導体粒子2間に形成された絶縁層4と、絶縁層4上および結晶半導体粒子2上に形成された透光性導電層5と、絶縁層4上の透光性導電層5上に形成され、結晶半導体粒子2に集光させる凹面状の光反射面8と、光反射面8の下端部において結晶半導体粒子2の上部を露出させる開口部と、を有する光反射部材7と、光反射部材7の光反射面8を被覆する透明保護層12と、を具備する構成である。
この構成により、結晶半導体粒子2同士の間に入射された光を結晶半導体粒子2に効率良く導くことができる。また、結晶半導体粒子2間の距離を結晶半導体粒子2の直径の1/10以上に広げても、光電変換効率の光の入射角依存性を小さくすることができる。その結果、半導体の使用量を少なくすることができ、軽量化、低コスト化された光電変換装置を作製できる。
本発明の光電変換装置は、図1の構成に限らず、基板上に配設された光電変換粒子と、前記光電変換粒子に集光させる凹面状の光反射面と、該光反射面の下端部において前記光電変換粒子の上部を露出させる開口部と、を有する光反射部材と、前記光反射部材の前記光反射面を被覆する透明保護層と、を有するものであればよい。例えば、光電変換粒子の正負の電流が取り出せるように電気的接続がなされていれば、基板は導電性基板、絶縁基板のいずれであってもよい。また、光反射部材7は、開口が光電変換粒子を挿通できる大きさを有していればよく、樹脂等の軟質材料、Al等の金属などの硬質材料から成っていてもよい。但し、光反射部材7は樹脂等の軟質材料から成るのがよく、光電変換粒子の粒径が開口よりも若干大きな場合であっても光電変換粒子を開口に設置できる。
また、光電変換装置の作製時における光反射部材7の光反射面8の傷の発生が抑制され、さらに、作製後においても長期にわたり光反射面8を保護することができ、十分な光電変換効率を長期間維持することが可能となる。また、光反射面8が銀やアルミニウム等の金属から成る場合、金属が空気中の硫化ガス,酸素ガス等と反応して劣化(銀の場合黒化)して光の反射性が低下することを防ぐことができる。また、光反射面8が金属層を被覆して形成したものである場合、金属層の剥がれ等を防ぐことができる。また、光反射面が金属や金属層から成る場合、導電性の異物によって金属や金属層と透光性導電層5とが導通し、透光性導電層5の集電性が低下するのを防ぐことができる。
以下に、本発明の光電変換装置を構成するそれぞれの部位について説明する。
<導電性基板>
本発明における導電性基板1は、アルミニウム基板、アルミニウムの融点以上の融点を有する金属基板、表面に導電層が形成されたセラミック基板等から成ればよく、例えば、アルミニウム,アルミニウム合金,鉄,ステンレススチール,ニッケル合金,アルミナセラミックス等から成る基板が用いられる。導電性基板1の材料がアルミニウム以外のものを用いた場合、アルミニウム以外の材料からなる基板上にアルミニウムから成る導電層を形成してもよい。
<結晶半導体粒子>
本発明における結晶半導体粒子2の形状は球状である。結晶半導体粒子2が球状であることで、この結晶半導体粒子2が凸曲面を有することにより、入射光の光線角度の依存性を小さくできる。球状としては特に真球状が好ましく、その場合、入射光の光線角度の依存性をより小さくでき、また導電性基板1に対する結晶半導体粒子2の接合性を向上させるとともに各結晶半導体粒子2の接合力を均一化することができるという効果が得られる。
また、結晶半導体粒子2の表面を粗面にすることにより結晶半導体粒子2の表面での光反射率を低減し、結晶半導体粒子2における光の吸収性を向上させることができる。この粗面を形成するには、結晶半導体粒子2をアルカリ溶液中に浸漬し、結晶半導体粒子2の表面をエッチングしても良いし、RIE(Reactive Ion Etching)装置等を用いて結晶半導体粒子2の表面を微細加工してもよい。
結晶半導体粒子2の粒子径は、0.2〜0.8mmが好ましく、特に、半導体(シリコン等)の使用量を少なくするうえで0.2〜0.6mmがより好ましい。粒子径が0.2mm未満では、導電性基板1への結晶半導体粒子2のアッセンブルが困難となる傾向がある。また、粒子径が0.8mmを超えると、シリコン等から成る結晶半導体母板(ウエハ)から切り出して製造する従来の結晶半導体板タイプの光電変換装置における切削部も含めた半導体の使用量と変わらなくなり、結晶半導体粒子2を用いるメリットがなくなる傾向がある。
なお、結晶半導体粒子2の粒子径とは、平均粒子径であって、導電性基板1に接合する前の平均粒子径であり、かつ、透光性導電層5の形成前における結晶半導体粒子2の平均粒子径である。この平均粒子径は、レーザー光による粒度分布測定装置等によって測定できる。
結晶半導体粒子2は第1導電型(例えばp型)を示すものであり、p型の場合、B,Al,Ga等のドーパントを、結晶半導体粒子2をジェット法(溶融落下法)等により製造する際に原料中に含有させること等により得られる。
結晶半導体粒子2は、半導体の単結晶または多結晶から成るが、特に、光電流を効率的に取り出せることから、単結晶であることが好ましい。多結晶の場合、結晶粒界において電子と空孔の再結合が生じ、結果として光電流の出力が低下する。
結晶半導体粒子2は、例えば溶融落下法(ジェット法)等により粒状に形成され、リメルト(再溶融)法等の方法により単結晶化される。また、製造条件によってはジェット法のみにより、粒界の少ないほぼ単結晶化された結晶半導体粒子2を得ることもでき、それをそのまま光電変換装置に使用してもよい。
結晶半導体粒子2の表層には、第2導電型(例えばn型)の半導体部3が形成されている。第2導電型の半導体部3は、例えば、熱拡散法、気相成長法等により形成される。
熱拡散法においては、例えば、オキシ塩化リン等のリン系化合物を拡散剤として、高温の石英管内に一定時間、結晶半導体粒子2を挿入することにより、半導体部3がn型であれば結晶半導体粒子2の表面にn型の半導体部3を形成できる。一例として、900℃の石英管内に30分間、結晶半導体粒子2を挿入することにより、その表面に1μm厚みのn型の半導体部3を形成できる。ただしこの場合、図1に示すように、半導体部3と合金層(共晶層)6とを電気的に分離するために、合金層6の近傍を除いて半導体部3の表面を耐酸レジスト等で被覆し、非被覆部分の半導体部3をエッチング液で除去することにより、取り除くことが必要である。
熱拡散法の場合、結晶半導体粒子2と導電性基板1との接合前に行うことができる。
また、気相成長法等では、例えば、シラン化合物の気相に、n型のドーパントとなるリン系化合物の気相を微量導入して、n型の半導体部3を形成することができる。
半導体部(半導体層)3の膜質としては、結晶質、非晶質、結晶質と非晶質とが混在するもののいずれでもよいが、光線透過率を考慮すると、結晶質または結晶質と非晶質とが混在するものがよい。
半導体部3中の微量元素の濃度は、例えば1×1016〜1×1021原子/cmが好ましい。さらに、半導体部3は、結晶半導体粒子2の表面の凸形曲面に沿って形成されることが好ましい。結晶半導体粒子2の凸形曲面の表面に沿って形成されることによって、pn接合の面積を広く稼ぐことができ、結晶半導体粒子2の内部で生成したキャリアを効率よく収集することが可能となる。
<絶縁層>
結晶半導体粒子2間の導電性基板1上に形成された絶縁層4は、正極と負極の分離を行うための絶縁材料から成る。即ち、絶縁層4は、その上面側に配設される透光性導電層5と下面側の導電性基板1とが接触しないように設けられるものである。絶縁層4を成す絶縁材料としては、SiO,B,Al,CaO,MgO,P,LiO,SnO,ZnO,BaO,TiO等を任意成分とする材料からなる低温焼成用ガラス(ガラスフリット)材料、上記材料の1種または複数種から成るフィラーを含有したガラス組成物、ポリイミド或いはシリコーン樹脂等の有機系の材料等が挙げられる。絶縁材料の分量にはとくに限定はなく、絶縁層4上に設けられる透光性導電層5が均一に設けられればよい。
絶縁層4は、さらに、ガラス,セラミックス,樹脂等の絶縁材料から成る絶縁体粒子を分散させて含有してもよい。絶縁体粒子の平均粒子径は4〜20μmであることが好ましく、絶縁体粒子の平均粒子径がその範囲内にあることにより、絶縁体粒子を絶縁層4中に十分に分散させることができる。
<透光性導電層>
透光性導電層5は、結晶半導体粒子2上および絶縁層4上に被覆されたものである。ここで、透光性導電層5は、導電性基板1を一方の電極とすると、他方の電極としての機能をはたすものである。
透光性導電層5は、SnO,In,ITO,ZnO,TiO等から選ばれる1種または複数種の酸化物系膜等からなり、スパッタリング法、気相成長法、あるいは塗布焼成法等で形成される。透光性導電層5は、適切な膜厚を選択することにより、反射防止膜としての効果も期待できる。
透光性導電層5は透明であるため、結晶半導体粒子2がない部分で入射光の一部が透光性導電層5を透過し、下部の導電性基板1で反射して結晶半導体粒子2に照射されるという効果が得られ、光電変換装置全体に照射される光エネルギーを効率よく結晶半導体粒子2に導いて照射させることが可能となる。
透光性導電層5は、半導体部3または結晶半導体粒子2の表面に沿って形成され、結晶半導体粒子2の凸形曲面に沿って形成されることが好ましい。この場合、結晶半導体粒子2の内部で生成したキャリアを効率よく収集することが可能となる。
<光反射部材>
光反射部材7は、結晶半導体粒子2に集光させるための凹面状の光反射面8を有するものである。集光性を向上させる点で、光反射面8は球面や回転楕円体面等の曲面の部分曲面から成る凹面鏡構造であることが好ましい。なかでも好ましくは、光の入射角依存性を小さくするために凹型の曲面形状が楕円回転体の曲面形状であることが好ましい。コンピュータシミュレーションによると、太陽のように入射角度が経時的に変化していくときに、球の曲面形状よりも楕円回転体の曲面形状の方がより効率よく光を集光することができる。球の曲面と回転楕円体の曲面について光の利用効率を表1に示す。
Figure 0004969337
光反射面8が金属層から成る場合、光反射面8はAg,Al,Au,Cu,Pt,Zn,Ni,Cr等の高反射率を有する金属層により形成されることが好ましく、なかでも、Alおよび/またはAgからなる金属層により形成されることが好ましい。
金属層は、真空蒸着法、スパッタリング法、無電解メッキ法、電解メッキ法等の方法により、均一な厚みで薄く形成することができる。
光反射面8を成す金属層の厚みは0.04〜0.2μmが好ましい。0.04μm未満では、反射率が低下し光の透過率が増えてしまい、0.2μmを超えると、薄膜の表面が凹凸となり反射光が散乱される。
光反射部材7は、それが有する開口部から結晶半導体粒子2が露出するように、結晶半導体粒子2間の透光性導電層5上に載せて、そのまま接着する。あるいは、図3に示すように、光反射部材7を透光性導電層5上に載せて、表面充填層9および表面保護体10を順次積層して真空加熱装置等で封止する方法などにより、所定の部位に設置される。これにより、従来の製造方法のように、結晶半導体粒子2を一個々アルミニウム箔の開口部に挿入する作業を行う必要がなくなり、光反射部材7を一挙に安定して容易に設置することができる。
また、図1に示すように、光反射部材7は、その下面に電極層13を一体に形成した後、導電性接着層16で透光性導電層5上に接着することが好ましく、これにより光反射部材7を更に安定して容易に設置することができる。
光反射面8が金属層から成る場合、光反射部材7のうち光反射面8を除く部位は、ポリカーボネート樹脂,ポリエチレンテフタレート樹脂,アクリル樹脂,フッ素樹脂,オレフィン樹脂等の樹脂で形成される。光反射面8の曲面形状を樹脂、金属或いは形状を維持できる材料で形成し、凹型の曲面形状の底部には結晶半導体粒子2が入る程度の開口部が設けられている。上記の樹脂としては、大気圧力で容易に変形できる柔軟性を有する樹脂であることが好ましい。そうすることにより、光反射部材7の透光性導電層5からの浮き上がりが周辺に波及することなく、反射効率が向上する。また、導電性基板1、電極層13または絶縁層4に凹凸があったとしても、それに沿うようにして光反射部材7がそれらの上部に載置されることができる。
光反射部材7は、縦断面において頂上部12(凹面鏡同士の境界部)が鋭角状の尖頭部となっていることが好ましい。従来、特許文献3に示されるような境界が広い場合は、境界に水平な部分が広く、そのために頂上部12(凹面鏡同士の境界部)が鋭角状の尖頭部であることにより、頂上部12における入射光の上方への反射を抑制し、入射光を効率的に結晶半導体粒子2に集光させることができる。上記の鋭角状の尖頭部の角度は5°〜60°程度である。
光反射部材7は、金属等の耐熱材料により形成された凸部のネガ形状(凹形状)を多数有する成形型によって、樹脂、金属或いは形状を維持できる材料を積層することにより成形される。光反射面8は、真空蒸着法、スパッタリング法、無電解メッキ法、電解メッキ法等の方法で、Ag,Al,Au,Cu,Pt,Zn,Ni,Cr等の高反射率を有する金属で形成するか、上記金属の箔を上記樹脂と重ねて一体成形することにより得られる。
<透明保護層>
本発明の光電変換装置は、光反射面8を被覆する透明保護層12を具備する。透明保護層12は、例えば、光反射面8として金属層を一方の主面に有する光反射部材7となる樹脂シートを成形する際に、成形型の表面粗度によって光反射面8の表面が損傷するなどの課題に対して、光電変換装置の作製工程において発生しやすい光反射面8の損傷を抑制させるものである。そして、透明保護層12を設け、光反射面8が直接成形型に接触しないように保護することで、作製工程における光反射面8の反射率の低下を防ぐことが可能となる。さらに、長期にわたり使用することで硫化ガスや酸素などにより金属からなる光反射面8が劣化を受けやすいという課題に対して、光反射面8の劣化を抑制させることも可能となる。
透明保護層12は、ポリエチレン樹脂,ポリエチレンテフタレート樹脂,ポリカーボネート樹脂,アクリル樹脂,フッ素樹脂,オレフィン樹脂等の樹脂から成る。
これらの樹脂は、後述する表面充填層9(図3)との屈折率差が0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましく、屈折率差が無いことが最も好ましい。そうすることにより透明保護層12に成形金型がある程度転写されたとしても光学的ロスが小さくなる。この場合、透明保護層12に成形金型の表面粗度がある程度転写されても、光学的なロスは小さくなる。
透明保護層12と表面充填層9との屈折率差が0.2以下であることにより、透明保護層12と表面充填層9との間に生じる光の余分な屈折を抑制して、より多くの光が結晶半導体粒子2へ集光するように作用することができる。
透明保護層12の厚みとしては成形金型の表面粗度にもよるが、1μmから50μm程度であればよく、1μm未満では成形金型の表面粗度による傷が防止できず、50μmを超えると成形後の光反射面8の凹部境界の稜部に丸みが生じて望ましい集光が得られなくなる。透明保護層12を設けることによって、光反射面8の耐腐食性も向上させることができ、より高い信頼性が得られる。なお、光反射面8と透明保護層12との間に別途耐腐食コートを設けても良い。
光反射面8が金属層である場合、金属層は透光性導電層5に対して電気的に導通していないことが好ましい。そうすることにより、透光性導電層5から金属層に対して電気的な導通がないため電極層13のような集電層に対して十分に集電されることになり、集電効果が大幅に上昇する傾向がある。
透明保護層12の頂上部は、図1に示されるように縦断面において凸曲面から構成されていることが好ましい。透明保護層12の頂上部が凸曲面であることにより、透明保護層が外側から金属層を押さえ込むことで金属層が光反射部材の頂上部において切断されることなく鋭角に形成されるという効果が得られる。さらに、透明保護層12の頂上部が縦断面において凸曲面から形成されているとともに、光反射部材7の頂上部が、縦断面において鋭角状の尖頭部となっていることにより、頂上部に照射された光が外部に漏れることなく隣接する結晶半導体粒子2に反射されて光電変換効果に寄与するという相乗効果が得られる。
<電極層>
電極層13は、透光性導電層5と外部端子との間の直列抵抗値を低くするために、隣接する結晶半導体粒子2間の透光性導電層5の上に、導電性接着層16を介して、集電極として設けられ、結晶半導体粒子2で発電された光電流を抵抗損失させることなく、光電変換装置から取り出すための低抵抗導体として利用される。
この電極層13は、結晶半導体粒子2に相当する部分が開口された金属板から成るのが好ましく、例えば、Al,Cu,Ni,Cr,Agやこれらの合金が適している。電極層13の厚みは20〜200μmが好ましい。金属板から成る電極層13の使用は、この上部に形成される光反射部材7をしっかり支える基板ともなる点で好ましい。
また、導電性接着層16は、導電性粒子を含む熱硬化型の樹脂等から成る接着剤から成るものであり、電極層13と透光性導電層5とを電気的に接続し、また機械的に固着させる役割をはたすものである。導電性粒子としてはAg,Ni,Au或いはこれらの複合粒子が適しており、それにより、透光性導電層5は、発電電流を電極層13に対して効率よく集電させることができる。更に図2に示す様に、結晶半導体粒子2上を避けるようにして導電性接着層16を円形状(ドット状)に形成して、結晶半導体粒子2に隣接するように多数配列されていることによって、直接陰となる領域ができるのをなくすことができる。それとともに、上述した光反射部材7によって、電極層13や導電性接着層16を覆うことができ、外観上の向上を図ることができる。更に、導電性接着層16によって比較的導電性が低い透光性導電層5の電気的経路を短くでき、結晶半導体粒子2で発生した電流を電極層13により効率よく集電させることができる。
<保護層>
本発明の光電変換装置は、透光性導電層5上に保護層(不図示)を形成してもよい。このような保護層としては、透明誘電体の特性を有するものがよく、CVD法やPVD法等によって、例えば、酸化珪素,酸化セシウム,酸化アルミニウム,窒化珪素,酸化チタン,酸化タンタル,酸化イットリウム等を単一組成または複数組成で単層または組み合わせて、透光性導電層5上に形成されたものが挙げられる。
保護層は、光の入射面側にあるために、透明性が必要であり、また半導体部3または透光性導電層5と外部との間の電流リークを防止するために、誘電体であることが必要である。なお、保護層の膜厚を最適化すれば、反射防止膜としての機能も期待できる。
<光電変換モジュール>
次に、本発明の光電変換装置を用いて、光電変換モジュール(図3)を形成する。ここで、光電変換モジュールは、複数の光電変換素子が直列または並列に接続されて、発生する電気出力が向上され、実用的な電気出力を取り出せるものをいう。光電変換モジュールは、光電変換素子1つでは得られなかった十分な電気出力を得ることが可能となる。
光反射部材7上の表面充填層9は光学的に透明な材料であればよく、構成材料としては、エチレン酢酸ビニル重合体(EVA),ポリオレフィン,フッ素系樹脂,シリコーン樹脂等がある。
透明保護層12は、約250nm〜400nmを吸収帯域として一般的に有しているため、紫外線を吸収しやすい傾向がある。このような紫外線吸収により、透明保護層12が劣化する場合がある。よって、紫外線吸収による透明保護層12の劣化を抑制させるために表面充填層9は、透明保護層12の紫外線吸収帯域を含む紫外線吸収帯域を有していることが好ましい。ここで、「透明保護層12の紫外線吸収帯域を含む紫外線吸収帯域」とは、透明保護層12の紫外線吸収帯域と重なる紫外線吸収帯域であって、透明保護層12の紫外線吸収帯域と同一、または透明保護層12の紫外線吸収帯域よりも広い範囲の紫外線吸収帯域をいう。
表面充填層9と透明保護層12とは組み合わされて使用されることにより、表面充填層9が、紫外線吸収による透明保護層12の劣化を抑制するとともに、透明保護層12が、外部から表面充填層9に伝播してきた水分が光反射面8に浸入することを抑制して、互いに相補的にはたらくことができる。
表面充填層9は、紫外線吸収剤を含有したものであることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、具体的に、テトラヒドロキシベンゾフェノンやジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンといったベンゾフェノン系や、例えば2-(2H-benzotriazole-2-yl)-4-mentyl-6-(3,4,5,6-tetrahydrophthalimidylmethyl)phenolといったベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤などが挙げられる。
表面充填層9に対して前記紫外線吸収剤を含有させる方法としては、例えば、表面充填層9の原料に紫外線吸収剤を混練する方法が挙げられる。この場合、紫外線吸収剤としては、混練時の熱により劣化しない紫外線吸収剤であることが好ましい。
表面充填層9上の表面保護体10は光学的に透明で耐候性のある材料からなり、ガラスやシリコーン樹脂、ポリフッ化ビニル(PVF),エチレン−4フッ化エチレン共重合体(ETFE),ポリ4フッ化エチレン(PTFE),4フッ化エチレン−パーフロロアルコキシ共重合体(PFA),4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP),ポリ3フッ化塩化エチレン(PCTFE)等のフッ素樹脂を用いることができる。
本発明の光電変換モジュールにおいて、表面保護体10と表面充填層9との間に紫外線吸収層17が設けられていることが好ましい(図4参照)。
紫外線吸収層17は、前述した紫外線吸収剤を含有する表面充填層9と同様に、透明保護層12への紫外線の到達を抑制するはたらきを有する。
紫外線吸収層17の紫外線吸収帯域は、透明保護層12の吸収帯域を含むことが好ましい。なお、紫外線吸収層17の紫外線吸収帯域は、前記した、透明保護層12の紫外線吸収帯域を含む紫外線吸収帯域を有する表面充填層9と同様である。
紫外線吸収層17に紫外線吸収剤が含有されている場合、紫外線吸収剤は、表面充填層9に対して含有される前記紫外線吸収剤と同様のものが用いられる。
紫外線吸収層17は、例えば、アクリル系やウレタン系といった樹脂から成る透明性の熱硬化型樹脂に紫外線吸収剤を添加し、混練することにより作製される。
紫外線吸収層17の厚みは約5〜50μmである。
また、導電性基板1の裏面には、裏面充填層11を表面充填層9の材料と同様の材料を使って設けることができ、さらに裏面保護層14を積層してもよい。裏面保護層14の材料としては、例えばポリフッ化ビニル(PVF),エチレン−4フッ化エチレン共重合体(ETFE),ポリ3フッ化塩化エチレン(PCTFE)等のフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂がよい。また裏面保護層14としては、これらの樹脂を使ってアルミ箔や金属酸化膜を挟んで張り合わせたシート、ガラス、ステンレス等の金属シート等がある。
本発明の光電変換装置の周囲部において、光反射部材7は間隔保持部材15となっている。間隔保持部材15は光反射部材7を形成するときの金型の周縁部に付加しておくことにより、容易に形成することができる。間隔保持部材15は表面保護体10と絶縁層4との間の間隔分の厚みとなっており、表面保護体10、表面充填層9と光電変換装置とを合わせて真空加熱するときに、光電変換装置上の光反射部材7が破壊してしまわないように、間隔を確保する役割を持つ。
さらに、この間隔保持部材15は光電変換装置の内部に形成されていてもよい。光電変換装置が大きい場合は、この内部に形成され間隔保持部材15が効果的である。このとき、間隔保持部材15は結晶半導体粒子1個分の領域に1個設けても良く、あるいは多数個配置しても良い。
なお、上述した構成の光電変換素子(1個の結晶半導体粒子2を有する光電変換の単位体)を1つ設けるか、または複数を接続(直列、並列または直並列に接続)した光電変換装置とする。さらに、光電変換装置を1つ設けるか、または複数を接続(直列、並列または直並列に接続)したものを発電手段として用い、この発電手段から直接直流負荷へ発電電力を供給するようにしてもよい。また、その発電手段をインバータ等の電力変換手段を介して発電電力を適当な交流電力に変換した後、この発電電力を商用電源系統や各種の電気機器等の交流負荷に供給することが可能な発電装置としてもよい。さらに、このような発電装置を日当たりのよい建物の屋根や壁面に設置する等して、各種態様の太陽光発電システム等の光発電装置として利用することも可能である。
次に、本発明の光電変換装置の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1の光電変換装置を以下に示すように作製した。
まず、結晶半導体粒子として多数の直径約0.3mmのp型の結晶シリコン粒子を用い、それらにリン熱拡散処理を施すことによって外郭部をn+の半導体部として、pn接合部を形成した。
次に、アルミニウム製の導電性基板の主面上に、多数(3万個)の結晶シリコン粒子を、その直径の約0.6倍の間隔を空けて配置し、アルミニウムとシリコンの共晶温度である577℃以上の温度(630℃)で約10分加熱して、多数の結晶シリコン粒子を導電性基板上に接合した。
導電性基板に接合された結晶シリコン粒子の根元の周囲をエッチングしてpn分離を行った後、導電性基板上の多数の結晶シリコン粒子の間に、ポリイミドからなる絶縁層を充填し形成した。その後、結晶シリコン粒子の上部表面を洗浄し、透光性導電層としてITO膜を、80nmの厚みで形成した。
更に電極層(集電極)として、結晶シリコン粒子の直径程度の貫通穴を具備した厚み50μmのアルミニウム箔を用い、図2に示す様に、アルミニウム箔の下面の3個の結晶シリコン粒子で囲まれた部位に、Agペースト(Ag粒子含有樹脂ペースト)をスクリ−ン印刷で円形状(ドット状)に塗布した。そして、結晶シリコン粒子が電極層の貫通穴から突出する様に、ITO膜上に押しつけながら150℃で30分間加熱処理することで電極層を形成した。
次に、光反射部材を以下のようにして形成した。結晶シリコン粒子の直径の1.6倍の幅で縦長の半回転楕円体形状が多数並んだ金型を用いて、真空成形法によって光反射部材を成形し作製した。
光反射部材7の本体部としてのポリカーボネート樹脂フィルムの上面に、光反射面としての厚み80nmの銀層が形成された厚み25μmのPETシートを積層した。そして、その銀層の上面に、透明保護層としてのポリエステルフィルム(厚み1.5μm)を積層することにより、光反射部材を作製した。
光反射部材の形状は、結晶シリコン粒子に集光させる凹面状の光反射面と、光反射面の下端部において結晶シリコン粒子の上部を露出させる開口部とを有する形状であり、多数の結晶シリコン粒子に対応する多数の光反射面及び開口部が形成されたものとした。
そして、光電変換素子の結晶シリコン粒子がそれぞれ光反射部材の開口部から突出する様に、絶縁層上の透光性導電層上に光反射部材を配置した。また、導電性基板の下面に、EVAからなる厚み約0.4mの裏面充填層と、PETフィルム,SiO層,PETフィルムを積層して成る厚み約0.1mmmの裏面保護層を積層した。そして、導電性基板の上面側に、光反射部材を覆うようにEVAからなる厚み約0.6mmの表面充填層と、ガラスからなる厚み約3mmの表面保護体を順次積層し、これらを真空ラミネーターによってラミネートすることにより、光電変換装置を作製した。なお、透明保護層としてのポリエステルフィルム(屈折率:1.6)と表面充填層としてのEVA(屈折率:1.5)との屈折率差は0.1であった。
透明保護層としてのポリエステルフィルム(厚み1.5μm)をPETフィルム(厚み25μm)に変更し、また、集電極としたアルミニウム箔(厚み50μm)をNiメッキの銅箔(厚み20μm)に変更した以外は、実施例1と同様の構成として実施例2の光電変換装置を作製した。なお、透明保護層としてのPETフィルム(屈折率:1.6)と表面充填層としてのEVA(屈折率:1.5)との屈折率差は0.1であった。
EVA中に紫外線吸収剤を含有する厚み約0.6mmの表面充填層を用いた以外は実施例1の場合と同様にして光電変換装置を作製した。
表面保護体と表面充填層との間に厚み20μmの紫外線吸収層を設けた以外は実施例1の場合と同様にして光電変換装置を作製した。なお、紫外線吸収層は、原料であるアクリルウレタン系の熱硬化樹脂に紫外線吸収剤を添加して作製した。
(比較例)
PETフィルム(透明保護層)を形成していない以外は、実施例2と同様の構成として比較例の光電変換装置を作製した。
上記の実施例1,2及び比較例の光電変換装置に関して、光電変換装置とする前の光電変換素子の状態(光反射部材を設けていない状態)と、光電変換装置にした状態(光反射部材を設けた状態)とについて、光電変換効率を測定比較した。その結果、(光電変換装置の状態での光電変換効率)/(光電変換素子の状態での光電変換効率)が、実施例1では2.34倍、実施例2では2.30倍であった。一方、比較例では2.03倍となり、実施例1,2よりも劣ることが確認された。この結果は、比較例では光反射面である銀層に傷が発生したのに対して、実施例1および2では、透明保護層により、光反射面である銀層の傷の発生が抑制されたものと考える。
<透明保護層の耐久試験>
実施例1と実施例3と実施例4において作製された光電変換装置について、SUV試験装置にて紫外線を照射し、透明保護層を観察した。
結果としては、実施例1では、300時間程度で樹脂が黄変して劣化が確認されたが、実施例3および4では500時間でも樹脂の黄変は見られず、劣化が抑制されていることがわかった。
なお、本発明は、上記の実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことができる。
本発明の光電変換装置について実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の光電変換装置について実施の形態の一例を示す平面図(透視図)である。 本発明における図1の光電変換装置を用いて作製した光電変換モジュールの断面図である。 本発明における図1の光電変換装置を用いて作製した光電変換モジュールの一例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・導電性基板
2・・・結晶半導体粒子
3・・・半導体部
4・・・絶縁層
5・・・透光性導電層
6・・・合金層
7・・・光反射部材
8・・・光反射面
9・・・表面充填層
10・・表面保護体
11・・裏面充填層
12・・透明保護層
13・・電極層
14・・裏面保護層
15・・間隔保持部材
16・・導電性接着層
17・・紫外線吸収層

Claims (11)

  1. 導電性基板と、
    表層に第2導電型の半導体部が形成され、前記導電性基板上に互いに間隔をあけて多数個接合された球状の第1導電型の結晶半導体粒子と、
    前記導電性基板上であって、前記結晶半導体粒子間に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層上および前記結晶半導体粒子上に形成された透光性導電層と、
    前記絶縁層上の透光性導電層上に形成され、前記結晶半導体粒子に集光させる凹面状の光反射面と、該光反射面の下端部において前記結晶半導体粒子の上部を露出させる開口部と、を有する光反射部材と、
    前記光反射部材の前記光反射面を被覆する透明保護層と、
    を具備する光電変換装置。
  2. 前記光反射部材は樹脂からなり、前記光反射面が金属層であり、さらに、前記金属層上に前記透明保護層が形成されている請求項1記載の光電変換装置。
  3. 前記金属層がアルミニウムおよび/または銀からなる請求項2記載の光電変換装置。
  4. 前記金属層は前記透光性導電層と電気的に導通していない請求項2または3記載の光電変換装置。
  5. 前記光反射部材は、縦断面において頂上部が鋭角状の尖頭部となっている請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換装置。
  6. 前記透明保護層は、縦断面において頂上部が凸曲面となっている請求項1乃至5のいずれかに記載の光電変換装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の光電変換装置を具備する光電変換モジュールであって、
    前記光電変換装置が有する複数の前記光電変換素子が、直列または並列に接続された光電変換モジュール。
  8. 前記複数の光電変換素子の前記透明保護層側に設けられた透光性の表面保護体と、
    前記透明保護層と前記表面保護体との間に充填された透光性の表面充填層とをさらに具備する請求項7記載の光電変換モジュール。
  9. 前記透明保護層と前記表面充填層との間の屈折率差が0.2以下である請求項8記載の光電変換モジュール。
  10. 前記表面充填層は、前記透明保護層の紫外線吸収帯域を含む紫外線吸収帯域を有する請求項8または9記載の光電変換モジュール。
  11. 前記透光性の表面保護体と前記表面充填層との間に、
    前記透明保護層の紫外線吸収帯域を含む紫外線吸収帯域を有する紫外線吸収層をさらに具備する請求項8乃至10のいずれかに記載の光電変換モジュール。
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